JP2023047220A - 紫外線防御剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】少量の配合で幅広い波長領域を防御できる紫外線防御剤及びそれを含有する皮膚外用剤を提供する。【解決手段】累積度数分布における50体積%粒子径(D50)が50乃至1,000nmであるパラメトキシケイヒ酸2-メチルフェニル(MMPC)微粒子と、紫外線A波吸収能を有する紫外線吸収剤と、水とを含む、紫外線防御剤、及び該紫外線防御材を配合する皮膚外用剤。【選択図】図3
Description
本発明は、紫外線防御剤に関し、詳細には分散性に優れたパラメトキシケイヒ酸2-メチルフェニル微粒子と紫外線A吸収能を有する紫外線吸収剤と水とを含む紫外線防御剤、並びに該紫外線防御剤を含む皮膚外用剤に関するものである。
紫外線の皮膚に対する有害性の認識が広まるにつれ、化粧品分野などにおいて紫外線防御剤の需要は高まり、様々な製品形態にて、紫外線防御剤を配合した製品が使用されている。
紫外線はその波長により、長波長のUVA(320~400nm)、中波長のUVB(280~320nm)、短波長のUVC(100~280nm)に分類され、オゾン層の吸収をあまり受けずに地表に到達するUVAとUVBがヒトへの影響を及ぼす紫外線として対応が求められる。
紫外線防御剤は、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤に大別される。前者の紫外線吸収剤では、これまで、即時的な日焼け(サンバーン)を引き起こすUVBを効率よく抑制するべく、UVB吸収剤が主に活用されてきた。近年、光老化防止の意識の高まりから、皮膚のより深部の真皮まで到達し、シミやシワ、DNA損傷による皮膚がん発症などの原因となるUVAの防御が注目され、UVA吸収剤への要望が高まっている。
例えば、UVB領域を主たる紫外線吸収域とし、UVA領域にも吸収が及ぶパラメトキシケイヒ酸2-メチルフェニルが提案されている(特許文献1)。
紫外線はその波長により、長波長のUVA(320~400nm)、中波長のUVB(280~320nm)、短波長のUVC(100~280nm)に分類され、オゾン層の吸収をあまり受けずに地表に到達するUVAとUVBがヒトへの影響を及ぼす紫外線として対応が求められる。
紫外線防御剤は、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤に大別される。前者の紫外線吸収剤では、これまで、即時的な日焼け(サンバーン)を引き起こすUVBを効率よく抑制するべく、UVB吸収剤が主に活用されてきた。近年、光老化防止の意識の高まりから、皮膚のより深部の真皮まで到達し、シミやシワ、DNA損傷による皮膚がん発症などの原因となるUVAの防御が注目され、UVA吸収剤への要望が高まっている。
例えば、UVB領域を主たる紫外線吸収域とし、UVA領域にも吸収が及ぶパラメトキシケイヒ酸2-メチルフェニルが提案されている(特許文献1)。
上記の通り、日焼け止め等の皮膚外用剤において、短波長のUVBだけでなく、より長波長のUVAを防御できる紫外線防御剤が求められており、UVA吸収能とUVB吸収能を併せ持つ化合物の探索や、UVA吸収能を有する化合物とUVB吸収能を有する化合物の併用、またこれら化合物(紫外線吸収剤)と紫外線散乱剤との併用などが検討されている。これまで、UVAとUVBの幅広い紫外線波長領域で、紫外線防御に係る化粧品等の規格を満たす所望の紫外線防御能を得るには、紫外線防御剤を高濃度に配合する必要があった。そのため、皮膚刺激性が増加したり、また配合成分が白浮きするなどの差し支えがあり、より少量で紫外線を防御できる紫外線防御剤が求められている。
本発明は、少量の配合で幅広い波長領域を防御できる紫外線防御剤及びそれを含有する皮膚外用剤を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、UVBに吸収域を有するパラメトキシケイヒ酸2-メチルフェニル(MMPC)と紫外線A波吸収能を有する紫外線吸収剤とを組み合わせることにより、MMPCの配合量が既存のUVB吸収剤と同量であっても、広い紫外線波長域において高い紫外線防御能を実現できること、特にMMPCを平均粒径が1μmを下回る程度にまで微粒子化し、さらに水を含む形態として用いることにより、前述の紫外線防御能を有し、且つ、水分が多く清涼感のある使用感を実現できる皮膚外用剤を提供できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、第1観点として、累積度数分布における50体積%粒子径(D50)が50乃至1,000nmであるパラメトキシケイヒ酸2-メチルフェニル(MMPC)微粒子と、紫外線A波吸収能を有する紫外線吸収剤と、水とを含む、紫外線防御剤に関する。
第2観点として、前記紫外線A吸収能を有する紫外線吸収剤が、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(MBBT)、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)、2-4[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル、ジヒドロキシジメトキベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム(オキシベンゾン-9)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、オキソチアゾリジン、ジヒドロキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-1)、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-2)、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-3)、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-6)、ドロメトリゾールトリシロキサン、4-ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、及びトリスビフェニルトリアジンからなる群から選択される少なくとも1種である、第1観点に記載の紫外線防御剤に関する。
第3観点として、前記MMPC微粒子が、累積度数分布における50体積%粒子径(D50)が100乃至500nmである、第1観点又は第2観点に記載の紫外線防御剤に関する。
第4観点として、前記MMPC微粒子と前記紫外線A吸収能を有する紫外線吸収剤が、質量比で5:1~1:5にて含む、第1観点乃至第3観点のうちいずれか一項に記載の紫外線防御剤に関する。
第5観点として、さらに、平均粒子径が1乃至1,000nmである金属酸化物微粒子を含む、第1観点乃至第4観点のうちいずれか一項に記載の紫外線防御剤に関する。
第6観点として、さらに、界面活性剤を含む、第1観点乃至第5観点のうちいずれか一項に記載の紫外線防御剤に関する。
第7観点として、前記MMPC微粒子が、MMPC微粒子の水分散体の形態にある、第1観点乃至第6観点のうちいずれか一項に記載の紫外線防御剤に関する。
第8観点として、第1観点乃至第7観点のうちいずれか一項に記載の紫外線防御剤を配合してなる皮膚外用剤に関する。
第9観点として、化粧料である、第8観点に記載の皮膚外用剤に関する。
第2観点として、前記紫外線A吸収能を有する紫外線吸収剤が、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(MBBT)、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)、2-4[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル、ジヒドロキシジメトキベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム(オキシベンゾン-9)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、オキソチアゾリジン、ジヒドロキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-1)、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-2)、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-3)、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-6)、ドロメトリゾールトリシロキサン、4-ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、及びトリスビフェニルトリアジンからなる群から選択される少なくとも1種である、第1観点に記載の紫外線防御剤に関する。
第3観点として、前記MMPC微粒子が、累積度数分布における50体積%粒子径(D50)が100乃至500nmである、第1観点又は第2観点に記載の紫外線防御剤に関する。
第4観点として、前記MMPC微粒子と前記紫外線A吸収能を有する紫外線吸収剤が、質量比で5:1~1:5にて含む、第1観点乃至第3観点のうちいずれか一項に記載の紫外線防御剤に関する。
第5観点として、さらに、平均粒子径が1乃至1,000nmである金属酸化物微粒子を含む、第1観点乃至第4観点のうちいずれか一項に記載の紫外線防御剤に関する。
第6観点として、さらに、界面活性剤を含む、第1観点乃至第5観点のうちいずれか一項に記載の紫外線防御剤に関する。
第7観点として、前記MMPC微粒子が、MMPC微粒子の水分散体の形態にある、第1観点乃至第6観点のうちいずれか一項に記載の紫外線防御剤に関する。
第8観点として、第1観点乃至第7観点のうちいずれか一項に記載の紫外線防御剤を配合してなる皮膚外用剤に関する。
第9観点として、化粧料である、第8観点に記載の皮膚外用剤に関する。
本発明の紫外線防御剤は、既存のUVB吸収剤を用いた場合と比べて、少量の配合であっても、幅広い波長域において高い紫外線防御効果を得ることができる。
また本発明の紫外線防御剤は、パラメトキシケイヒ酸2-メチルフェニル(MMPC)微粒子と、紫外線A波吸収能を有する紫外線吸収剤と、水とを含む態様とすることで、ベタつきが少なく使用感に優れた皮膚外用剤を提供できる。
また本発明の紫外線防御剤は、パラメトキシケイヒ酸2-メチルフェニル(MMPC)微粒子と、紫外線A波吸収能を有する紫外線吸収剤と、水とを含む態様とすることで、ベタつきが少なく使用感に優れた皮膚外用剤を提供できる。
[紫外線防御剤]
本発明の紫外線防御剤は、パラメトキシケイヒ酸2-メチルフェニル(以下、MMPCとも称する)微粒子と紫外線A吸収能を有する紫外線吸収剤と水とを含有する。
以下、本発明に関して更に説明するが、本明細書に記載された実施形態や具体的な実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内で種々の変更、変形が可能である。
本発明の紫外線防御剤は、パラメトキシケイヒ酸2-メチルフェニル(以下、MMPCとも称する)微粒子と紫外線A吸収能を有する紫外線吸収剤と水とを含有する。
以下、本発明に関して更に説明するが、本明細書に記載された実施形態や具体的な実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内で種々の変更、変形が可能である。
《パラメトキシケイヒ酸2-メチルフェニル(MMPC)》
本発明の紫外線防御剤は、紫外線吸収剤としてパラメトキシケイヒ酸2-メチルフェニル(MMPC)微粒子を含む。
MMPCは下記一般式Iで表される化合物であり、融点が93~94℃の白色結晶である。MMPCはUVA域に強い吸収能を有し、UVB域に吸収能が及ぶ紫外線抑制作用を有する。
本発明の紫外線防御剤は、紫外線吸収剤としてパラメトキシケイヒ酸2-メチルフェニル(MMPC)微粒子を含む。
MMPCは下記一般式Iで表される化合物であり、融点が93~94℃の白色結晶である。MMPCはUVA域に強い吸収能を有し、UVB域に吸収能が及ぶ紫外線抑制作用を有する。
本発明に係るMMPC微粒子は、累積度数分布における50体積%粒子径(D50)が50乃至1,000nmである粒子を用いることができる。
本発明における50体積%粒子径とは、動的光散乱法により測定される体積基準による50%体積径の値を採用できる。
好ましくは、前記MMPC微粒子の粒子径(D50)は100乃至500nmとすることができ、また150nm乃至350nmとすることができる。
なお上記MMPC微粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、多面体状、角状、中空状、棒状、板状、もしくは不定形状などであってもよい。
本発明における50体積%粒子径とは、動的光散乱法により測定される体積基準による50%体積径の値を採用できる。
好ましくは、前記MMPC微粒子の粒子径(D50)は100乃至500nmとすることができ、また150nm乃至350nmとすることができる。
なお上記MMPC微粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、多面体状、角状、中空状、棒状、板状、もしくは不定形状などであってもよい。
前記MMP微粒子は、MMPC原末を粉砕によって微粒子化して得られる。該MMPC原末は一般に10μm乃至500μm程度の大きさを有する。
原末を粉砕により微粒子化する方法としては、メディア撹拌粉砕機による湿式粉砕などを採用することができる。本方法は、微小なビーズからなる粉砕メディアとともに、粉砕対象物を含有する液を撹拌し、メディアの剪断力で対象物を粉砕、分散させ、ナノレベルの微粒子を得る方法である。メディア撹拌粉砕機は、使用する粉砕メディアや目標到達粒子径などにより分類され、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、バスケットミルなどの名称で知られている。
原末を粉砕により微粒子化する方法としては、メディア撹拌粉砕機による湿式粉砕などを採用することができる。本方法は、微小なビーズからなる粉砕メディアとともに、粉砕対象物を含有する液を撹拌し、メディアの剪断力で対象物を粉砕、分散させ、ナノレベルの微粒子を得る方法である。メディア撹拌粉砕機は、使用する粉砕メディアや目標到達粒子径などにより分類され、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、バスケットミルなどの名称で知られている。
なお前記MMPC微粒子は、これを水に分散体とした形態にて用いてもよい。上述の湿式粉砕によってMMPC原末を粉砕することで、MMPC微粒子の水分散体を得ることができる。この場合、水分散体中のMMPCの濃度は特に限定されないが、例えば1~50質量%とすることができ、10~30質量%とすることができる。MMPCの濃度が高すぎると水分散体の粘度が上昇してMMPCの均一な分散が困難となり得、またMMPCの濃度が低すぎた場合、最終製品となる皮膚外用剤中でのMMPCの濃度が低下するため、目的にあわせてMMPCの濃度を選択すればよい。
《紫外線吸収剤》
本発明の紫外線防御剤に含まれる紫外線A(UVA)吸収能を有する紫外線吸収剤とし
ては、皮膚外用剤に適用が可能である紫外線吸収剤(紫外線吸収化合物)を制限することなく使用できる。
本発明の紫外線防御剤に含まれる紫外線A(UVA)吸収能を有する紫外線吸収剤とし
ては、皮膚外用剤に適用が可能である紫外線吸収剤(紫外線吸収化合物)を制限することなく使用できる。
UVA吸収能を有する紫外線吸収剤としては、例えば、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(MBBT)、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)、2-4[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル、ジヒドロキシジメトキベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム(オキシベンゾン-9)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸及びオキソチアゾリジン等が挙げられる。
また、UVAとUVBの双方に吸収があるとみられる紫外線吸収剤としては、例えば、ジヒドロキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-1)、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-2)、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-3)、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-6)、ドロメトリゾールトリシロキサン、4-ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン及びトリスビフェニルトリアジン等が挙げられる。
これらUVA吸収能を有する紫外線吸収剤は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、UVAとUVBの双方に吸収があるとみられる紫外線吸収剤としては、例えば、ジヒドロキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-1)、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-2)、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-3)、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-6)、ドロメトリゾールトリシロキサン、4-ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン及びトリスビフェニルトリアジン等が挙げられる。
これらUVA吸収能を有する紫外線吸収剤は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の紫外線防御剤は、上記UVA吸収能を有する紫外線吸収剤の配合を必須とするが、本発明の効果を損なわない範囲において、上記以外の紫外線吸収剤、例えばUVB吸収能を有する紫外線吸収剤を配合することもできる。
UVB吸収能を有する紫外線吸収剤として、例えば、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル(EHMC)、サリチル酸2-エチルヘキシル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその水和物(オキシベンゾン-4)、及び2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペン酸 2-エチルヘキシルエステル(オクトクリレン)等を挙げることができる。
UVB吸収能を有する紫外線吸収剤として、例えば、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル(EHMC)、サリチル酸2-エチルヘキシル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその水和物(オキシベンゾン-4)、及び2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペン酸 2-エチルヘキシルエステル(オクトクリレン)等を挙げることができる。
本発明の紫外線防御剤において、前記MMPC微粒子とUVA吸収能を有する紫外線吸収剤の配合量は、例えば質量比で、MMPC微粒子:UVA吸収能を有する紫外線吸収剤=5:1~1:5とすることができ、例えば同=5:1~1:3、あるいは同=5:1~1:1などとすることができる。
〈金属酸化物微粒子〉
本発明に係る紫外線防御剤には、平均粒子径が1乃至1,000nmである金属酸化物微粒子を含有することができる。
本発明に係る紫外線防御剤には、平均粒子径が1乃至1,000nmである金属酸化物微粒子を含有することができる。
金属酸化物微粒子は、当該技術分野において紫外線散乱剤として使用され得、例えば酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、及び酸化ジルコニウムからなる群から選択される金属酸化物の微粒子を使用することができる。これらは1種を単独で、また2種以上を組み合わせて用いてもよく、また2種以上の金属の複合酸化物であってもよい。
金属酸化物微粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、多面体状、角状、中空状、コア-シェル状、多孔質状、棒状、板状、もしくは不定形状などをとることができる。
金属酸化物微粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、多面体状、角状、中空状、コア-シェル状、多孔質状、棒状、板状、もしくは不定形状などをとることができる。
また上記金属酸化物微粒子は、その表面が親水性に処理されてなることで、水への分散性が良好となるため好ましく、該親水性処理は常法によって行うことができる。親水性処理としては、例えば、微粒子表面をシリカ被覆すればよい。
本発明に用いる金属酸化物微粒子は、好ましくは、表面がシリカ被覆された微粒子であ
り、例えば平均粒子径が1~1000nmに微粒子化されたシリカ被覆酸化チタンまたはシリカ被覆酸化亜鉛を用いることができる。
り、例えば平均粒子径が1~1000nmに微粒子化されたシリカ被覆酸化チタンまたはシリカ被覆酸化亜鉛を用いることができる。
金属酸化物微粒子の配合量は特に限定されず、例えば、上記MMPCの配合量(質量)に対して1~200質量%とすることができ、また20~100質量%、あるいは30~50質量%とすることができる。金属酸化物微粒子の配合量が少ない場合、目的とする紫外線散乱効果を得ることができず、すなわち配合による恩恵を得られず、また配合量が多すぎた場合には皮膚に適用した際に白残りの原因となるなど、使用感を悪化させる虞がある。
〈界面活性剤〉
本発明に係る紫外線防御剤には界面活性剤を配合できる。界面活性剤の使用により、MMPC微粒子や金属酸化物微粒子の水への分散性を高め、分散状態を安定に良好に保つことができる。
本発明で使用可能な界面活性剤として、特に限定されるものではないが、皮膚外用剤への適用を考慮し、低皮膚刺激性・低毒性のもの、例えば非イオン性の界面活性剤を挙げることができる。
具体的には、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキル(ポリ)グルコシド、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。なかでも、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、デシルグリコシド、ラウリン酸ポリグリセリル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等を挙げることができ、これらは室温で液状である観点からも好適である。
また界面活性剤のHLB値は、水への分散を考慮すると、例えば10以上とすることができる。
本発明に係る紫外線防御剤には界面活性剤を配合できる。界面活性剤の使用により、MMPC微粒子や金属酸化物微粒子の水への分散性を高め、分散状態を安定に良好に保つことができる。
本発明で使用可能な界面活性剤として、特に限定されるものではないが、皮膚外用剤への適用を考慮し、低皮膚刺激性・低毒性のもの、例えば非イオン性の界面活性剤を挙げることができる。
具体的には、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキル(ポリ)グルコシド、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。なかでも、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、デシルグリコシド、ラウリン酸ポリグリセリル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等を挙げることができ、これらは室温で液状である観点からも好適である。
また界面活性剤のHLB値は、水への分散を考慮すると、例えば10以上とすることができる。
界面活性剤の配合量は特に制限はないが、例えば、上記MMPCの配合量(質量)に対して1~100質量%とすることができ、また5~30質量%とすることができる。界面活性剤の配合量が少ない場合、目的とする分散性向上の効果を得るこができず、また配合量が多すぎた場合には皮膚に適用した際にべとつきの原因となるなど、使用感を悪化させる虞がある。
[皮膚外用剤]
本発明の紫外線防御剤は、皮膚外用剤への使用に適し、当該皮膚外用剤も本発明の対象である。
本発明の紫外線防御剤を皮膚外用剤に配合する場合、その配合量は目的とする紫外線吸収能に応じて適宜決定すればよいが、通常、皮膚外用剤の全質量に対して、MMPC微粒子とUVA吸収能を有する紫外線吸収剤の合計量が例えば0.001乃至30質量%、また0.01乃至15質量%、あるいは1乃至15質量%などとなるように配合することができる。
本発明の紫外線防御剤は、皮膚外用剤への使用に適し、当該皮膚外用剤も本発明の対象である。
本発明の紫外線防御剤を皮膚外用剤に配合する場合、その配合量は目的とする紫外線吸収能に応じて適宜決定すればよいが、通常、皮膚外用剤の全質量に対して、MMPC微粒子とUVA吸収能を有する紫外線吸収剤の合計量が例えば0.001乃至30質量%、また0.01乃至15質量%、あるいは1乃至15質量%などとなるように配合することができる。
本発明の皮膚外用剤は、これまで医薬品、医薬部外品、化粧品等に使用されてきた形態を制限することなく適用可能である。
例えば、軟膏、クリーム、乳液、液体、ゲル、スプレー、また貼付剤等の製品形態を挙げることができ、また化粧水(ローション)、美容液、日焼け止め、口紅、フェイスカラー、アイライナー、ヘアスプレー、ヘアトニック、ヘアリキッド等の種々の医薬品、医薬部外品、化粧品への適用が可能である。
例えば、軟膏、クリーム、乳液、液体、ゲル、スプレー、また貼付剤等の製品形態を挙げることができ、また化粧水(ローション)、美容液、日焼け止め、口紅、フェイスカラー、アイライナー、ヘアスプレー、ヘアトニック、ヘアリキッド等の種々の医薬品、医薬部外品、化粧品への適用が可能である。
本発明の皮膚外用剤には、前記MMPC微粒子、UVA吸収能を有する紫外線吸収剤、金属酸化物微粒子、界面活性剤の他に、医薬品や医薬部外品、化粧品に通常配合可能な成分、例えば、MMPC以外のその他の紫外線吸収剤、水溶性基剤、溶剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、油脂類、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、低級アルコール、多価アルコール、エステル類、シリコーン類、被膜形成剤、キレート剤、糖類、アミノ酸類、有機アミン類、pH調整剤、安定化剤、酸化防止剤、香料、色素等を配合することができる。
〈水溶性基剤〉
水溶性基剤は、前記MMPC微粒子の分散性を向上させることが期待できる。
本発明で使用可能な水溶性基剤として、特に限定されるものではないが、例えば、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトールなどのアルコール及びグリコール類;カラギーナン、キサンタンガム、ペクチン、プルラン、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、アクリレーツコポリマーなどの水溶性高分子;などを挙げることができる。該水溶性高分子は増粘剤としての働きも有する。
水溶性基剤は、前記MMPC微粒子の分散性を向上させることが期待できる。
本発明で使用可能な水溶性基剤として、特に限定されるものではないが、例えば、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトールなどのアルコール及びグリコール類;カラギーナン、キサンタンガム、ペクチン、プルラン、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、アクリレーツコポリマーなどの水溶性高分子;などを挙げることができる。該水溶性高分子は増粘剤としての働きも有する。
以下に本発明の実施例をあげて、本発明についてさらに詳細な説明を行なうが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、配合量は全て質量%で示す。
[参考例1]
パラメトキシケイヒ酸2-メチルフェニルの結晶50gと精製水450gを混合して混合液とし、これをビーズミル(ラボスター(登録商標)ミニ LMZ015)、アシザワ・ファインテック株式会社)を使用し、直径0.1mmと0.05mmのジルコニアビーズを用い、2段階で湿式粉砕・分散させて、MMPC微粒子が分散した白色の分散液を得た。
パラメトキシケイヒ酸2-メチルフェニルの結晶50gと精製水450gを混合して混合液とし、これをビーズミル(ラボスター(登録商標)ミニ LMZ015)、アシザワ・ファインテック株式会社)を使用し、直径0.1mmと0.05mmのジルコニアビーズを用い、2段階で湿式粉砕・分散させて、MMPC微粒子が分散した白色の分散液を得た。
得られたMMPC微粒子が分散した白色分散液について、マイクロトラックベル(株)(旧 日機装(株))の粒子径分布測定装置:マイクロトラック UPA150ST(動的光散乱(DLS)法)により粒度分布を得た。また粉砕前のMMPC結晶について、マイクロトラック MT3300EXII(レーザ回折・散乱法)により粒度分布を得た。
図1に粉砕前のMMPC結晶の粒度分布を、図2に白色分散液(粉砕後のMMPC微粒子)の粒度分布を示す。
図1及び図2に示すように、粉砕前のMMPC結晶は、およそ10μm乃至500μmの粒径を有し、累積度数分布における50体積%粒子径(D50)は104.9μm(図1)であるのに対し、粉砕後のMMPC微粒子は、およそ50nm乃至2000nmの粒径を有し、累積度数分布における50体積%粒子径(D50)は263nm(図2)であることが確認された。
図1に粉砕前のMMPC結晶の粒度分布を、図2に白色分散液(粉砕後のMMPC微粒子)の粒度分布を示す。
図1及び図2に示すように、粉砕前のMMPC結晶は、およそ10μm乃至500μmの粒径を有し、累積度数分布における50体積%粒子径(D50)は104.9μm(図1)であるのに対し、粉砕後のMMPC微粒子は、およそ50nm乃至2000nmの粒径を有し、累積度数分布における50体積%粒子径(D50)は263nm(図2)であることが確認された。
[例1~例5]
下記表1及び表2に示す処方にて各成分を混合し、例1~例5の乳液を得た。
得られた例1~例5の乳液について、下記〈紫外線抑制効果:評価方法〉に基づき、in vitroにてSPF値を測定した。
得られた結果を表2にあわせて示す。
下記表1及び表2に示す処方にて各成分を混合し、例1~例5の乳液を得た。
得られた例1~例5の乳液について、下記〈紫外線抑制効果:評価方法〉に基づき、in vitroにてSPF値を測定した。
得られた結果を表2にあわせて示す。
〈紫外線抑制効果:評価方法〉
得られた製剤を、1.3mg/cm2となるようにヘリオプレートHD6(Helioscreen社製)上に均一に塗布し、小さいスポット状にまんべんなくサンプルをのせ、最初の約30秒は軽く塗り広げ、後の約30秒は強くすりこむように塗り広げ、暗所で15分間放置し、測定サンプルとした。
SPFアナライザー(SPF-290S、Optometrics社製)を用いて、in vitroにてSPF値を測定した。
得られた製剤を、1.3mg/cm2となるようにヘリオプレートHD6(Helioscreen社製)上に均一に塗布し、小さいスポット状にまんべんなくサンプルをのせ、最初の約30秒は軽く塗り広げ、後の約30秒は強くすりこむように塗り広げ、暗所で15分間放置し、測定サンプルとした。
SPFアナライザー(SPF-290S、Optometrics社製)を用いて、in vitroにてSPF値を測定した。
表2に示すように、金属酸化物微粒子(紫外線散乱剤)に対してUVA吸収剤であるメチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(MMBT)を50%含有するチノソルブMを配合した例2の乳液のSPF値は4.47、MMPCの乳鉢粉砕物を配合した例3の乳液のSPF値は7.11、MMPC微粒子(50体積%粒子径(D50)250nm)を配合した例4の乳液のSPF値は42.43であった。そしてMMPC微粒子とチノソルブMを配合した例5の乳液のSPF値は56.32となり、例2及び例4と比較して、これらの併用によってSPF値が相乗的に向上することが確認された。
[例6~例7]
軟膏基剤を用いて、MMPC微粒子(D50:250nm)、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)、シリカ被覆酸化チタン微粒子(マックスライトTS-043、昭和電工株式会社、酸化チタン90%、シリカ10%、平均粒子径32nm)を含有する例6の軟膏を調製した。得られた例6の軟膏において、各成分の濃度は、MMPC:2.5質量%、BMDBM:1.5質量%、酸化チタン:7.5質量%である。
また例6の軟膏において、MMPC微粒子に替えて、汎用のUVB吸収剤である4-メトキシケイヒ酸2-エチルヘキシル(EHMC)を2.5質量%配合とした以外は同様の成分・手順にて例7の軟膏を調製した。
軟膏基剤を用いて、MMPC微粒子(D50:250nm)、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)、シリカ被覆酸化チタン微粒子(マックスライトTS-043、昭和電工株式会社、酸化チタン90%、シリカ10%、平均粒子径32nm)を含有する例6の軟膏を調製した。得られた例6の軟膏において、各成分の濃度は、MMPC:2.5質量%、BMDBM:1.5質量%、酸化チタン:7.5質量%である。
また例6の軟膏において、MMPC微粒子に替えて、汎用のUVB吸収剤である4-メトキシケイヒ酸2-エチルヘキシル(EHMC)を2.5質量%配合とした以外は同様の成分・手順にて例7の軟膏を調製した。
例6及び例7の軟膏の紫外線防御スペクトルを図3に示す。図3において、横軸は吸収波長を示し、縦軸は透過率の逆数(MPF)示す。
図3に示すように、MMPCとBMDBMを併用した例6は、320nm~360nmの波長域に亘ってMPFが10以上、すなわちこの波長域における透過光の量が入射光の10%以下となった(図3中、斜線の領域参照)。
一方、MMPCに替えてEHMCをBMDBMと併用した例7にあっては、320nm~360nmの波長域に亘って10以上のMPFを実現できなかった。
図3に示すように、MMPCとBMDBMを併用した例6は、320nm~360nmの波長域に亘ってMPFが10以上、すなわちこの波長域における透過光の量が入射光の10%以下となった(図3中、斜線の領域参照)。
一方、MMPCに替えてEHMCをBMDBMと併用した例7にあっては、320nm~360nmの波長域に亘って10以上のMPFを実現できなかった。
[例8~例11、例12~例15]
下記表3又は表4に示す処方にて各成分を混合し、例8~例11及び例12~例15の乳液を得た。なお以下に示す例において、MMPC微粒子は、MMPC微粒子の水分散液の形態にて配合可能であった。
得られた例8~例11及び例12~例15の乳液について、前記〈紫外線抑制効果:評価方法〉と同様の手段にて、SPFアナライザー(SPF-290S、Optometrics社製)を用いて、in vitroにてSPF値を測定した。また例12~例15についてはあわせてUVA/UVB比(UVA(320~400nm)とUVB(290
~320nm)の吸収度の比)を算出した。
得られた結果を表3及び表4にそれぞれ示す。
下記表3又は表4に示す処方にて各成分を混合し、例8~例11及び例12~例15の乳液を得た。なお以下に示す例において、MMPC微粒子は、MMPC微粒子の水分散液の形態にて配合可能であった。
得られた例8~例11及び例12~例15の乳液について、前記〈紫外線抑制効果:評価方法〉と同様の手段にて、SPFアナライザー(SPF-290S、Optometrics社製)を用いて、in vitroにてSPF値を測定した。また例12~例15についてはあわせてUVA/UVB比(UVA(320~400nm)とUVB(290
~320nm)の吸収度の比)を算出した。
得られた結果を表3及び表4にそれぞれ示す。
表3に示すように、MMPC微粒子の配合量に応じて、SPF値が増加傾向にあることが確認された。
また表4に示すように、本処方ではMMPC微粒子の配合量が8%程度となる濃度において最大のSPF値を示した。またいずれの処方もUVA/UVBが0.5に近似し、広い吸収領域で紫外線吸収能を有する製剤となることが確認された。
また表4に示すように、本処方ではMMPC微粒子の配合量が8%程度となる濃度において最大のSPF値を示した。またいずれの処方もUVA/UVBが0.5に近似し、広い吸収領域で紫外線吸収能を有する製剤となることが確認された。
[例16~例19、例20~例23]
下記表5又は表6に示す処方にて各成分を混合し、例16~例19及び例20~例23の乳液を得た。
得られた例16~例19及び例20~例23の乳液について、前記〈紫外線抑制効果:評価方法〉と同様の手段にて、SPFアナライザー(SPF-290S、Optometrics社製)を用いて、in vitroにてSPF値を測定した。また例20~例23についてはあわせてUVA/UVB比(UVA(320~400nm)とUVB(290~320nm)の吸収度の比)を算出した。
得られた結果を表5及び表6にそれぞれ示す。
下記表5又は表6に示す処方にて各成分を混合し、例16~例19及び例20~例23の乳液を得た。
得られた例16~例19及び例20~例23の乳液について、前記〈紫外線抑制効果:評価方法〉と同様の手段にて、SPFアナライザー(SPF-290S、Optometrics社製)を用いて、in vitroにてSPF値を測定した。また例20~例23についてはあわせてUVA/UVB比(UVA(320~400nm)とUVB(290~320nm)の吸収度の比)を算出した。
得られた結果を表5及び表6にそれぞれ示す。
表5に示すように、チノソルブM(MMBT50%含有)の配合量(MBBTの配合量:0~3%)に応じて、SPF値が増加傾向にあることが確認された。
また表6に示すよう、本処方(MBBT配合量:0~4.5%)ではMBBTの配合量が3%程度となる濃度において最大のSPF値を示した。また例21~例23はUVA/UVBが0.5に近似し、広い吸収領域で紫外線吸収能を有する製剤となることが確認された。
また表6に示すよう、本処方(MBBT配合量:0~4.5%)ではMBBTの配合量が3%程度となる濃度において最大のSPF値を示した。また例21~例23はUVA/UVBが0.5に近似し、広い吸収領域で紫外線吸収能を有する製剤となることが確認された。
[例24~例26]
下記表7に示す処方にて各成分を混合し、例24~例26のクリームを得た。
得られた例24~例26のクリームについて、前記〈紫外線抑制効果:評価方法〉と同様の手段にて、SPFアナライザー(SPF-290S、Optometrics社製)を用いて、in vitroにてSPF値を測定し、UVA/UVB比(UVA(320~400nm)とUVB(290~320nm)の吸収度の比)を算出した。
得られた結果を表7にあわせて示す。
下記表7に示す処方にて各成分を混合し、例24~例26のクリームを得た。
得られた例24~例26のクリームについて、前記〈紫外線抑制効果:評価方法〉と同様の手段にて、SPFアナライザー(SPF-290S、Optometrics社製)を用いて、in vitroにてSPF値を測定し、UVA/UVB比(UVA(320~400nm)とUVB(290~320nm)の吸収度の比)を算出した。
得られた結果を表7にあわせて示す。
表7に示すように、本処方において、例24及び例25の製剤は、MMPC微粒子は5%の配合でも高いSPF値を示しまた、UVA/UVBが0.5±0.1程度であり、広い吸収領域で紫外線吸収能を有する製剤となることが確認された。
一方、MMPC微粒子に替えて、汎用のUVB吸収剤である4-メトキシケイヒ酸2-エチルヘキシル(EHMC)を配合した例26のSPF値は、MMPC微粒子同量配合の例25のSPF値に劣り、またMMPC微粒子5%配合の例24よりも低い値となった。
一方、MMPC微粒子に替えて、汎用のUVB吸収剤である4-メトキシケイヒ酸2-エチルヘキシル(EHMC)を配合した例26のSPF値は、MMPC微粒子同量配合の例25のSPF値に劣り、またMMPC微粒子5%配合の例24よりも低い値となった。
Claims (9)
- 累積度数分布における50体積%粒子径(D50)が50乃至1,000nmであるパラメトキシケイヒ酸2-メチルフェニル(MMPC)微粒子と、
紫外線A波吸収能を有する紫外線吸収剤と、
水とを含む、紫外線防御剤。 - 前記紫外線A吸収能を有する紫外線吸収剤が、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(MBBT)、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)、2-4[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシル、ジヒドロキシジメトキベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム(オキシベンゾン-9)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、オキソチアゾリジン、
ジヒドロキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-1)、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-2)、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-3)、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-6)、ドロメトリゾールトリシロキサン、4-ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、及びトリスビフェニルトリアジンからなる群から選択される少なくとも1種である、
請求項1に記載の紫外線防御剤。 - 前記MMPC微粒子が、累積度数分布における50体積%粒子径(D50)が100乃至500nmである、
請求項1又は請求項2に記載の紫外線防御剤。 - 前記MMPC微粒子と前記紫外線A吸収能を有する紫外線吸収剤が、質量比で5:1~1:5にて含む、
請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載の紫外線防御剤。 - さらに、平均粒子径が1乃至1,000nmである金属酸化物微粒子を含む、請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載の紫外線防御剤。
- さらに、界面活性剤を含む、請求項1乃至請求項5のうちいずれか一項に記載の紫外線防御剤。
- 前記MMPC微粒子が、MMPC微粒子の水分散体の形態にある、
請求項1乃至請求項6のうちいずれか一項に記載の紫外線防御剤。 - 請求項1乃至請求項7のうちいずれか一項に記載の紫外線防御剤を配合してなる皮膚外用剤。
- 化粧料である、請求項8に記載の皮膚外用剤。
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