JPH0725966Y2

JPH0725966Y2 - 避難器具用格納箱の取付け構造

Info

Publication number: JPH0725966Y2
Application number: JP1987173234U
Authority: JP
Inventors: 維前田
Original assignee: 城田鉄工株式会社
Priority date: 1987-11-12
Filing date: 1987-11-12
Publication date: 1995-06-14
Anticipated expiration: 2002-11-12
Also published as: JPH0177767U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、伸縮自在な避難器具を収納した格納箱を、マ
ンシヨン或は一般住宅家屋等のベランダや高層ビルの廊
下等の床に取付ける為の避難器具用格納箱の取付け構造
に関する。

（従来の技術）一般に、伸縮自在な避難器具を収納する格納箱として
は、例えば特公昭53−27600号公報に開示された構造の
ものが知られている。

即ち、前記格納箱は、四角形状に枠組され、内部に伸縮
自在な避難器具が収納される本体と、本体の上端部に枢
着された上開可能な上蓋と、本体の下端部に枢着された
下開可能な下蓋と、上蓋と下蓋の開閉を同期的に行う開
閉連動機構等から構成されて居り、本体内に避難器具を
収納した状態でベランダや廊下等の床に形成した開口に
取付けられている。

ところで、従来、格納箱を床に取付ける場合には、その
本体を床に穿設した開口に直に嵌着し、該本体を床へ固
定するようにしている為、本体を開口に嵌挿するときに
ハツリ作業等を必要とし、据え付け作業が煩雑になると
云う問題がある。

又、格納箱は、その本体がコンクリート製の床の開口内
面に接触している為、本体がコンクリートによつて腐蝕
され易いと云う問題がある。若し、格納箱が腐蝕或は老
化した場合には、これを取替えなければならないが、本
体が腐蝕していたり或は本体が開口内面に接触している
と、格納箱が開口から極めて抜け難くなり、格納箱の取
替えやメンテナンスを容易に行えないことになる。

（考案が解決しようとする問題点）本考案は、上記の問題点を解消する為に創案されたもの
であり、その目的は格納箱の据え付けや取替え等を簡単
且つ容易に行えると共に、格納箱の早期腐蝕を防止でき
る避難器具用格納箱の取付け構造を提供するにある。

（問題点を解決する為の手段）本考案の避難器具用格納箱の取付け構造は、床に穿設さ
れた開口と、床に取付けられ、開口内面の少なくとも上
部を被覆すると共に、その上端縁が床面よりも上方へ突
出するステンレス製のアングル枠と、床に埋設され、ア
ングル枠に連結された補強用部材と、複数枚の側板によ
り平面四角形状に枠組されて上端縁部が外方側へ略逆Ｕ
字型に折り曲げられた本体を備え、当該本体がアングル
枠に嵌挿自在で且つその上端縁部がアングル枠の上端縁
に掛止されて該アングル枠に支持載置される避難器具用
格納箱と、格納箱に設けられ、格納箱内方から操作でき
ると共に、格納箱をアングル枠へ固定し得る固定具とか
ら構成したことに特徴がある。

（作用）格納箱をベランダ等の床に取付ける場合には、先ず、床
及び開口の形成と同時に、補強用部材を連結したアング
ル枠を開口周縁部の床に取付ける。尚、アングル枠は、
開口内面の少なくとも上部を被覆し且つその上端部が床
面よりも上方へ突出した状態になつている。又、補強用
部材は、床に埋設された状態になつている。

次に、格納箱をアングル枠に嵌挿し、これに支持載置す
る。

そして、格納箱を固定具によりアングル枠へ固定する。

（実施例）以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

第１図及び第２図は伸縮自在な避難器具を収納した格納
箱をベランダ等の床に取付けた状態の縦断正面図及び縦
断側面図であつて、１は床、２はアングル枠、３は補強
用部材、４は格納箱、５は固定具、６は避難器具であ
る。

前記床１は、スラブ層７及びその上面に形成された防水
仕上げ層８から成り、その所定位置には格納箱４が嵌挿
される開口９が穿設されている。

前記アングル枠２は、第４図に示す如く、ステンレス鋼
板製のアングル材を枠組みすることにより作製されて居
り、その各片の断面形状がＬ字型を呈している。

前記補強用部材３は、ステンレス鋼板若しくは鋼板によ
り作製されて居り、への字型の板状を呈している。又、
補強用部材３は、四本使用されて居り、第４図に示す如
く、一端側がボルト・ナツト10によりアングル枠２の各
片に夫々連結固定されている。

尚、本実施例に於いては、補強用部材３をボルト・ナツ
ト10によりアングル枠２へ取付けるようにしたが、他の
実施例に於いては、補強用部材３の一端をアングル枠２
に溶着するようにしても良く、或はアングル枠２と補強
用部材３とを一体的に形成するようにしても良い。

前記格納箱４は、避難口を形成すべく前後左右の四板の
側板11,12,13,14により平面四角形状に枠組され、伸縮
自在な避難器具６が収納される本体15と、本体15の上端
部に軸16により枢着され、本体15の上方開口を開閉する
上蓋17と、本体15の下端部に軸18により枢着され、本体
15の下方開口を開閉する下蓋19と、上蓋17と下蓋19との
間に介装され、上蓋17の開閉に応じて下蓋19を、又、下
蓋19の開閉に応じて上蓋17を夫々連動的に開閉し得るリ
ンク構造の連動開閉機構20と、上蓋17に設けられ、上蓋
17の開放時にこれを所定位置でロツクし得るロツク体21
等から構成されている。又、格納箱４の本体15は、アン
グル枠２に嵌挿できる大きさに作製されて居り、各側板
11,12,13,14の上端縁部は本体15をアングル枠２に嵌挿
したときにアングル枠２の上端縁に掛止されるように略
逆Ｕ字型に折り曲げられている。

従つて、格納箱４は、その本体15をアングル枠２に嵌挿
すると、本体15の上端縁部がアングル枠２の上端縁に掛
止され、該アングル枠２に支持載置されることになる。

尚、格納箱４は、上記実施例のものに限定されるもので
はなく、アングル枠２に嵌挿自在で且つこれに支持載置
されれば、如何なる構造及び形式のものであつても良
い。例えば、格納箱４に特公昭53−27600号公報に開示
されたものを使用しても良い。

前記固定具５は、格納箱４に設けられ、これをアングル
枠２へ固定し得るものであり、格納箱４内方から操作で
きるように為されている。即ち、固定具５は、第３図に
示す如く、格納箱４の本体15に内方から外方へ向つて螺
挿された締付ボルト22と、締付けボルト22に螺挿された
ロツクナツト23とから成り、締付ボルト22を締付けるこ
とにより本体15をアングル枠２へ固定することができ
る。又、固定具５は、本体15の前後側板11,12に夫々二
個所づつ設けられている。

尚、本実施例に於いては、固定具５は、締付けボルト22
及びロツクナツト23から構成したが、これは上記実施例
のものに限定されるものではなく、格納箱４内方から操
作でき且つ格納箱４をアングル枠２へ固定できれば、如
何なる構造及び形式のものであつても良い。

前記避難器具６は、パンタグラフ構造を呈して居り、当
該避難器具６には実開昭59−88200号公報に開示された
ものが使用されている。この避難器具６は、その上端部
が本体15の前側板11に固定されたブラケツト24に伸縮可
能に取付けられて居り、収納時には折り畳まれた状態で
格納箱４内へ収納され、使用時には伸長垂下状態にな
る。又、避難器具６の上端部には避難器具６を折り畳み
状態で保持すると共に、伸長状態の避難器具６を折り畳
んで格納箱４内に再収納する為のストツパー兼巻取装置
25が取付けられて居り、当該ストツパー兼巻取装置25に
は例えば実開昭59−88200号公報等に開示されたものが
使用されている。

尚、本実施例に於いては、避難器具６にはパンタグラフ
構造のものを使用したが、これは上記実施例のものに限
定されるものではない。例えば避難器具６に実開昭56−
167200号公報及び実開昭57−192400号公報等に開示され
たものを使用しても良い。

而して、避難器具６を収納した格納箱４をベランダ等の
床１に取付ける場合には、先ず、床用型枠26及び避難口
用型枠27を組立てると共に、避難口用型枠27の周囲に補
強用部材３を連結したアングル枠２を水平になるように
して配設する。

次に、コンクリートを打設してスラブ層７及び開口９を
形成すると同時に、アングル枠２を開口周縁部のスラブ
層７に取付ける（第５図参照）。このとき、アングル枠
２は、その内面がスラブ層７の開口９内面と同一か、若
しくは開口９内面よりも内方へ若干量だけ突出した状態
になつている。又、アングル枠２の上端縁は、スラブ層
７の上方へ適宜量突出している。更に、補強用部材３
は、スラブ層７に埋設された状態になつている。

そして、スラブ層７表面に防水モルタル等を充填して防
水仕上げ層８を形成すると共に、アングル枠２の外周囲
にコーキング材28を充填して完全防水を図る。このと
き、アングル枠２の上端縁部が防水仕上げ層８の床面か
ら適宜量突出するように床面調整が行われる。

その後、床用型枠26及び避難口用型枠27を撤去し、格納
箱４の本体15をアングル枠２に嵌挿し、該本体15の上端
縁部をアングル枠２の上端縁に掛止させる。これによつ
て、格納箱４は、アングル枠２に支持載置される。

最後に、格納箱４の本体15を固定具５によりアングル枠
２へ固定する。尚、格納箱４がアングル枠２へ固定され
たときには本体15とアングル枠２並びに本体15と開口９
内周面との間に夫々若干の間隙が形成される。

このようにして、格納箱４がベランダ等の床１へ取付け
られる。

一方、格納箱４を床１から取外す場合には、固定具５を
操作して本体15とアングル枠２との固定状態を解除し、
本体15をアングル枠２から引き抜く。

（考案の効果）上述の通り、本考案は、床の開口近傍位置に、その開口
内面の少なくとも上部を被覆すべくアングル枠を取付
け、該アングル枠に避難器具を収納した格納箱を固定具
により着脱自在に取付けるようにした為、従来のように
格納箱を床の開口に嵌挿するときにハツリ作業等を必要
とすることもなく、据え付けを簡単且つ容易に行える。
又、格納箱が老化してこれを取替える場合でも、格納箱
をアングル枠から容易に引き抜くことができ、格納箱の
取替えやメンテナンスも簡単且つ容易に行える。更に、
アングル枠をステンレス製とし、これに格納箱を支持載
置している為、格納箱は腐蝕し難くなり、耐久性の向上
を図れる。然も、固定具は、格納箱内から操作できる
為、格納箱とアングル枠との固定及び解除を簡単に行え
る。加えて、アングル枠に補強用部材を連結し、これを
床に埋設している為、アングル枠は床に確実且つ強固に
固定されることになり、アングル枠に格納箱等の荷重が
掛つても充分に耐え得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る避難器具用格納箱の取付
け構造を示し、避難器具を収納する格納箱を床に設置し
た状態の概略縦断正面図、第２図は同じく概略縦断側面
図、第３図は要部の拡大縦断面図、第４図は補強用部材
を連結したアングル枠の平面図、第５図は床等の施工を
行うときの概略縦断面図である。１は床、２はアングル枠、３は補強用部材、４は格納
箱、５は固定具、６は避難器具、９は床の開口。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】床（１）に穿設された開口（９）と、床
（１）に取付けられ、開口（９）内面の少なくとも上部
を被覆すると共に、その上端縁が床面よりも上方へ突出
するステンレス製のアングル枠（２）と、床（１）に埋
設され、アングル枠（２）に連結された補強用部材
（３）と、複数枚の側板（11），（12），（13），（1
4）により平面四角形状に枠組されて上端縁部が外方側
へ略逆Ｕ字型に折り曲げられた本体（15）を備え、当該
本体（15）がアングル枠（２）に嵌挿自在で且つその上
端縁部がアングル（２）枠の上端縁に掛止されて該アン
グル枠（２）に支持載置される避難器具用格納箱（４）
と、格納箱（４）に設けられ、格納箱（４）内方から操
作できると共に、格納箱（４）をアングル枠（２）へ固
定し得る固定具（５）とから構成したことを特徴とする
避難器具用格納箱の取付け構造。