JPH07255454A - 酒類及び甘味調味料の製法 - Google Patents

酒類及び甘味調味料の製法

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JPH07255454A
JPH07255454A JP7923094A JP7923094A JPH07255454A JP H07255454 A JPH07255454 A JP H07255454A JP 7923094 A JP7923094 A JP 7923094A JP 7923094 A JP7923094 A JP 7923094A JP H07255454 A JPH07255454 A JP H07255454A
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rice
sweet
sake
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JP7923094A
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English (en)
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Shigeru Katayama
滋 片山
Takayuki Matsuda
孝之 松田
Fumio Kobayashi
文男 小林
Masaaki Yoshikawa
正明 吉川
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GODO SHIYUSEI KK
Godo Shusei KK
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GODO SHIYUSEI KK
Godo Shusei KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 清酒、焼酎等の酒類、みりん等の甘味調味料
の製造にあたり、原料穀物を、無洗、無浸漬及び無蒸煮
で直接発酵処理に付すことができ、作業性を向上させる
と共に、製品の品質を向上させる製法を提供する。 【構成】 うるち米、もち米等の米類や麦などの穀物
を、蒸気を導入しつつ102℃から150℃に5〜12
0分間加熱加圧処理を行う湿熱処理により、水分8〜4
0重量%の範囲に調整した原料穀物を水洗、浸漬、蒸煮
の諸工程を省略し、直接発酵工程を行うことにより品質
の優れた清酒、みりん、焼酎、ビール等を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、清酒、焼酎等の酒類、
みりん等の甘味調味料の製法に関し、原料穀物、特に米
を特殊湿熱処理することにより、無洗、無浸漬及び無蒸
煮で直接発酵処理に付すことができ、作業性を向上させ
ると共に、製品の品質を向上させる酒類及び甘味調味料
の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、清酒、焼酎、みりん等の酒類や甘
味調味料は玄米及び原料穀物から精白、洗浄、浸漬及び
蒸煮の工程を経た後、仕込み工程が行われていた。清酒
にあっては原料米中の脂肪や蛋白質が製品の香味に悪影
響を及ぼすこと、及びこれら成分が米粒の比較的外側に
偏在していることから、酒造米は丹念に精米され、精米
により20〜40%もの米の重量が減少していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】洗米、浸漬等の工程に
おいては大量の廃水が排出し、しかもこれらの廃水はB
ODも大きく廃水処理に要する経費も膨大であった。例
えば、洗米工程を省略することにより、米1000kg
あたり約10klの水が節約できる。洗米による廃水は
BODで約 2,000ppm、SSで約 1,000ppmという
非常に高い値であり、洗米工程の省略により廃水の問題
を解決することができる。更に、澱粉質をα化するため
の蒸煮工程は大量の熱エネルギーを必要とし、この工程
はエネルギー効率も低く、蒸煮工程を省略すると、約 6
5,000 k cal の熱量が節約できる。更に、従来の工程に
よりα化した澱粉は粘性が高く作業を困難にしていた。
また、一連の作業工程の煩雑さが問題となり、原料処理
の改善が要望され、更に、近年嗜好の多様化が進み、原
料処理工程に工夫を加えることにより香味に特徴のある
製品が求められていた。
【0004】
【課題解決の手段】本発明は、上記課題を解決すること
を目的とし、その構成は、原料穀物、特に米に蒸気を導
入しつつ102℃から150℃で5〜120分間加熱加
圧処理を行い、直接発酵工程を行うことにより清酒、み
りん、焼酎、ビール等を製造することを特徴とする。
【0005】本発明に使用される原料穀物としては、も
ち米、うるち米を含む米をはじめ、麦、とうもろこし、
あわ、ひえ、こうりゃん等、粒状の穀物が挙げられる。
【0006】本発明においては、先ず原料穀物を湿熱処
理する。湿熱処理とは原料穀物を密閉できる耐圧容器内
に装入し、水蒸気を導入して加圧加熱する工程を指称す
る。更に、水蒸気導入に先立ち、耐圧容器内を減圧する
ことが好ましい。減圧とは0.093MPa(700m
mHg)以下であれば充分である。わずかに減圧された
程度、例えば720mmHgでも十分な効果が得られ
る。原料穀物を投入した耐圧容器の内部が減圧状態にな
ったら、直ちに加圧蒸気を導入し、102℃から150
℃で5〜120分間、好ましくは105〜140℃で1
0〜90分間、より好ましくは110〜135℃で15
〜50分間維持する。場合によっては、減圧後加熱加圧
する工程を2回以上繰返してもよい。湿熱処理により、
原料穀物の含水率は8〜40重量%の範囲にある。米、
麦、とうもろこし等の通常の穀物は8〜20重量%、好
ましくは8〜15重量%の範囲である。
【0007】湿熱処理が完了した後、清酒においては通
常の仕込み工程を行う。水洗、浸漬及び蒸煮の各工程を
省略しているため、従来方法において含有する水分はほ
ぼ同等の水分を補給しながら発酵工程を行う。掛米を加
える毎に水分を添加して従来方法とほぼ同様の含水率を
維持する。米焼酎も清酒の場合と同様、湿熱処理が完了
した後、水分を調整しつつ仕込み工程を行うことにより
容易に製造することができる。
【0008】みりんを製造する場合にはもち米、或いは
もち米とうるち米を併用し、精白米をそのまま湿熱処理
し、無洗、無浸漬のまま汲水させて強酸性下で酵素を加
えて消化させる。次いでpHを5〜6に調整し、常法に
よりアルコール、アミラーゼ、麹米等を加えて撹拌し熟
成させる。
【0009】
【作用】本発明は一旦減圧した後、蒸気導入により加熱
加圧状態に維持し、場合によってはこの操作を繰返す湿
熱処理を穀物に施すと、穀物の原型を維持したままその
物性を変化させ、その変化が酒類や甘味調味料の原料処
理に適した変化であることを見出し、本発明を完成した
ものである。一旦減圧することにより穀物内部への蒸気
の浸透が円滑化する効果を有する。
【0010】湿熱処理工程は原料穀物中の澱粉の一部を
α化し、酵素の作用を受け易くするが、この他に下記の
効果を有することが判明した。第一に、澱粉粒子中のア
ミロースやアミロペクチンの結晶化が生じるために浸漬
後、蒸煮後共に原料同士の結着性が減少し粘度が低下し
作業性が向上する。第二に、酒類及び甘味調味料のよう
に、糖類発酵産物において、蛋白質や脂肪の存在は一般
にその香味を低下させるものであるが、湿熱処理の結果
蛋白質及び脂質が変質し酵素による分解を受け難くな
り、香味が向上した。第三に、洗浄、浸漬、蒸煮の工程
が省略されたため、廃水の放出量及び濃度が激減し廃水
による環境の汚染も減少し、使用エネルギーが節減され
る効果を有する。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0012】〔実施例1〜3及び比較例1〕減圧ノズル
と蒸気導入ノズルを有する耐圧容器に、65%精白酒造
米を給水させることなく装入し、減圧ノズルから吸引し
て内圧700mmHgに達したとき、減圧ノズルを閉じ
て蒸気導入ノズルから蒸気を導入し、110℃で30分
間維持して湿熱処理を行い、この原料米を実施例1とし
た。更に、実施例1と同一原料精白米を、温度120℃
とした以外は実施例1と同一方法で処理して原料米を
得、これを実施例2とした。実施例1と同一原料精白米
を、温度130℃とした以外は実施例1と同一方法で処
理して原料米を得、これを実施例3とした。
【0013】
【表1】
【0014】協会7号酵母を用いて、添、踊は14℃、
仲、留は10℃とし、その後1℃/日の割合で温度を上
げ、15℃になったところでそのまま維持させた。掛米
は比較例1の無湿熱処理米のみ蒸煮工程を行い、蒸米吸
収率を40%とし、湿熱処理米はこれに相当する水を汲
水として加えた。得られた清酒の成分分析と熟練したバ
ネル25名による官能評価を表2に示した。官能評価は
3点法によって香味を総合的に判定し、「大変良い」を
評点1、「良い」を評点2、「良くない」を評点3と
し、25名の平均点をとった。
【0015】
【表2】
【0016】分析の結果、湿熱処理米を用いた清酒は比
較例1の無湿熱処理米に比してアミノ酸度、全窒素の少
ない淡麗な酒質となった。香気成分においては、清酒の
香りとして重要である酢酸イソアミルや香りの官能評価
との相関が高いとされる酢酸イソアミルとイソアミルア
ルコールの比(醸試報,No.145,26(1973))が
比較例1よりも高い値を示している。また、香味的には
湿熱処理米由来の清酒は原料処理法に起因すると考えら
れる独特の香気を感じさせ、従来の清酒にはない香味を
有していた。
【0017】〔実施例4及び比較例2〕実施例1と同様
の装置及び方法でもち米を130℃、30分間湿熱処理
し、無洗、無浸漬のまま汲水させると共に乳化させた
後、pHを3.0に調整し、酸性プロテアーゼを加えて
40℃で20時間消化させた。次いでpHを5.5と
し、α−アミラーゼ、アルコール、麹米を加えて撹拌し
た後30℃の恒温器で熟成させ、20日目に水飴を加え
28日目に上槽した。比較例2として、洗米、浸漬及び
蒸煮を行う方法で常法に従いみりんを製造した。得られ
たみりんの成分分析と熟練したバネル25名による官能
評価を表3に示した。官能評価は3点法によって香味を
総合的に判定し、「大変良い」を評点1、「良い」を評
点2、「良くない」を評点3とし、25名の平均点をと
った。
【0018】
【表3】
【0019】分析の結果、湿熱処理米を用いた実施例4
のみりんは、比較例2の無湿熱処理米を用いて得られた
みりんに比してボーメ、アミノ酸、全窒素、全糖が低い
値になった。官能的には原料処理法に由来すると考えら
れる独特の香気を感じ、従来のみりんにはない独特の香
味を有していた。
【0020】〔実施例5及び比較例3〕精白砕米を実施
例1と同様の装置及び方法で130℃、30分間湿熱処
理し、無洗、無浸漬、無蒸煮で米焼酎を製造し、実施例
5とした。その仕込み配合を表4に示した。別に、同一
精白砕米を用い、水洗、浸漬及び蒸煮を行う従来の方法
で米焼酎を製造し、比較例3とした。
【0021】
【表4】
【0022】実施例5は酵母を11〜26℃で8日間、
一次仕込と踊りを15〜16℃、二次仕込を10〜11
℃、三次仕込後5〜16℃で18日間発酵を行った後、
もろみ温度45℃で減圧蒸留した。掛米は比較例3の蒸
煮工程後の蒸米給水率を40%とし、湿熱処理米はこれ
に相当する水分を汲水として加えた。得られた米焼酎の
成分分析と熟練したバネル25名による官能評価を表5
に示した。官能評価は3点法によって香味を総合的に判
定し、「大変良い」を評点1、「良い」を評点2、「良
くない」を評点3とし、25名の平均点をとった。
【0023】
【表5】
【0024】分析の結果、湿熱処理米を用いた実施例5
の米焼酎は、比較例3の無湿熱処理米を用いて得られた
米焼酎に比して香りとして重要であるカプロン酸エチル
はわずかに低いものの、酢酸イソアミルや香りの官能評
価との相関関係が高いとされる酢酸イソアミルとイソア
ミルアルコールの比(醸試報,No.145,26(197
3))が比較例3よりも高い値を示している。また、香
味的には湿熱処理米を用いた焼酎は、原料処理法に由来
すると考えられる独特の香気を感じ、従来の米焼酎には
ない香味を有していた。
【0025】
【発明の効果】湿熱処理により前処理された原料穀物を
用いる本発明により、仕込工程が大幅に簡略化され、廃
水の量及び濃度が激減し、且つ、新しいタイプの酒類や
甘味調味料を提供することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸気を導入しつつ加熱加圧処理を行った
    原料穀物に直接発酵工程を施すことを特徴とする酒類及
    び甘味調味料の製法。
  2. 【請求項2】 蒸気を導入しつつ102℃から150℃
    で加熱加圧処理を行った水分8〜40重量%の穀物を原
    料とし、直接発酵工程を行うことを特徴とする酒類及び
    甘味調味料の製法。
  3. 【請求項3】 蒸気を導入しつつ102℃から150℃
    で5〜120分間加熱加圧処理を行った原料米を、蒸煮
    することなく発酵工程を行うことを特徴とする清酒の製
    法。
  4. 【請求項4】 蒸気を導入しつつ102℃から150℃
    で5〜120分間加熱加圧処理を行った原料米を、蒸煮
    することなく水を加えて乳化させ、酵素を作用させるこ
    とを特徴とするみりんの製法。
  5. 【請求項5】 蒸気を導入しつつ102℃から150℃
    で10〜120分間加熱加圧処理を行った原料米を、蒸
    煮することなく水分を加えて発酵工程を行うことを特徴
    とする焼酎の製法。
JP7923094A 1994-03-28 1994-03-28 酒類及び甘味調味料の製法 Pending JPH07255454A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103215167A (zh) * 2013-03-26 2013-07-24 无为县华运酒厂 一种强肾健体的五谷白酒及其酿造方法
CN104046550A (zh) * 2014-07-05 2014-09-17 彭常安 一种八月瓜果酒的酿造工艺
CN107779351A (zh) * 2017-11-29 2018-03-09 安徽天下福酒业有限公司 一种黑糯米酒的生产方法
CN109112030A (zh) * 2018-08-31 2019-01-01 天峨县平昌生态农业有限公司 红薯甜酒的制备方法

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CN107779351A (zh) * 2017-11-29 2018-03-09 安徽天下福酒业有限公司 一种黑糯米酒的生产方法
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