JP2874920B2 - 酒類の製造方法 - Google Patents

酒類の製造方法

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敦 島田
伸 坂本
晃 大林
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は酒類の製造方法に関し、更に詳細には香味を
付与され、品質の改善され、更には原料選択範囲も拡大
を可能とした酒類の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来より酒類や食品のうち例えば清酒、焼酎及びみり
んの原料処理は玄米の精白、洗米、浸漬及び蒸煮からな
る掛米と麹を使用して調製される。この従来の原料処理
法により醸造された清酒、焼酎及びみりんは通常の市販
製品として親しまれている。しかし、近年製品の多様化
が進み、これら清酒、焼酎及びみりんとは異なった原料
処理に工夫を加えることと麹の替りに酵素を用いること
で香味の改善された品質の雑酒、焼酎、酒精含有調味料
の製品が望まれていた。また、甘酒の様な甘味食品にお
いても同様の品質改善の要望があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかるに、従来の原料処理工程では、例えば香味に特
徴のある多様化した酒類製品は得られ難いという一面が
ある。また、穀類の外層部には脂質が内層部に比べより
多量に存在するが、これが製品の香味、保存安定性等の
品質劣化に大きな影響を与えるという問題点がある。
本発明の目的は上記従来技術にかんがみ、風味豊か
な、特徴ある香味を有し、麹臭のなく、品質が向上し、
更には従来より限定されていた原料選択が拡大し主原料
の変動にも容易に対応を可能とし、麹を用いず酵素のみ
を使用した酒類の製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明を概説すれば、本発明は酒類の製造方法に関す
る発明であって、原料を、麹を使用することなく、酵素
を使用して糖化及び/又は醸造することにより得られる
酒類を製造する方法において、原料を焙炒する工程を含
むことを特徴とする。
本発明における雑酒の製造は原料処理、仕込、発酵、
上槽及び精製工程よりなり、焼酎製造では原料処理、仕
込、糖化・発酵及び蒸留工程により行われる。また、酒
精含有調味料の製造は、原料処理、仕込、糖化、熟成、
上槽及び精製工程よりなる。
本発明における原料は、米、麦、ヒエ、アワ、コーリ
ャン、トウモロコシなどの穀類、サツマイモ、サトイ
モ、ジャガイモ、キャツサバ等の芋類、更にはデーツに
限られる。
酵素としては、例えば生物より抽出した酵素や、抽出
・精製した酵素又は市販の酵素剤等がある。
本発明者らは前記の従来技術の課題を解決するため、
鋭意検討を重ねた結果、例えば、雑酒、焼酎及び酒精含
有調味料の製造において、原料の1種である精白米を焙
炒処理し、それを浸漬、水切後、蒸煮し、その蒸米を掛
米として用いる方法、焙炒処理の後浸漬し、水切後、無
蒸煮のまま掛米として用いる方法、また焙炒処理し、そ
のまま掛米として用いる方法のいずれの方法でも米由来
の焙炒香が加味された独特の香を有する製品を得ること
が可能であることを見出した。
この焙炒工程は、得られる製品に焙炒香を付与する目
的であるが、原料の1種である米を例にとれば、焙炒工
程で米は多孔質の形状となり浸漬における吸水能が向上
し、蒸煮における米中のデンプンのα化率も高くなる。
また、焙炒処理により白米中のデンプンがα化されるた
め、無蒸煮のまま掛米として用いることができる。この
ため本方法を用いることにより蒸煮工程、更には浸漬工
程を省くことができる。更に焙炒工程で脂質の減少がみ
られ、米中脂質の少ない醸造用原料として好適な条件を
有することが見出された。このことは低い精白度でも脂
質含量の少ない焙炒米が得られ、結果として品質の改善
された酒類が得られることを意味する。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は原料を焙炒することにより焙炒に由来する香
味を付与し、α化率の増加、脂質含量の減少により、製
品品質の改善された酒類の製造方法を提供するものであ
る。
本発明の酒類とは、原料を、麹を使用することなく、
酵素を使用して糖化及び/又は醸造する工程において焙
炒工程をいれることにより得られるもので、例えば雑
酒、焼酎、酒精含有調味料等が挙げられる。したがっ
て、本発明の対象は、麹を使用しない酒類であり、麹を
使用する酒類、その代表的なものとしての清酒、焼酎及
びみりんは対象としない。
焙炒条件の検討については、特開平2-79965号公報に
記載の通りである。その結果を加味して芋類やデーツで
は70℃でも効果を示し焙炒香の良好な範囲は70〜400℃
数秒〜2時間未満であり、好ましくは250〜300℃、1分
間が省エネルギーと操作上の観点からも好ましい。また
これらの焙炒原料を使用することにより得られる酒類は
具体的には実施例に示されるように、焙炒に由来する香
味を持ち、麹臭がなく品質の改善された製品となった。
〔実施例〕
以下本発明を実施例により更に具体的に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例1 80%精白ウルチ米を用い、250℃及び300℃で1分間焙
炒したものを原料としてこれら浸漬/蒸煮あるいは浸漬
/無蒸煮を行ったものを掛米として用いて雑酒を試作し
た。
雑酒仕込配合を下記第1表に示す。
対照米の浸漬は通常通り行った。
焙炒米の方は80%精白ウルチ米と同様な水分含量にな
るように(乾物量が等量となるように)加えるべき水の
量及び原料米の使用量を計算した。
酵素剤はタカジアスターゼA(三共製)を用いた。
この仕込で得られた雑酒について成分分析及び官能検
査を行った結果を第2表に示す。
第2表の様に対照米を用いた雑酒に比べ焙炒米を用
い、蒸煮及び無蒸煮により生成された雑酒は、適度の焙
炒香味が付与された窒素分の少ない、麹風味のないスッ
キリした香味となった。
実施例2 実施例1と同様に、80%精白ウルチ米を用い、250℃
及び300℃で1分間焙炒した後、蒸煮し焼酎の試醸を行
った。仕込配合を第3表に示す。
酵素剤はタカジアスターゼAの290mgを添加した。
75%(w/v)乳酸は一次仕込に1.4ml添加した。
13日間、30℃で発酵を行った。13日目の醪の分析値を
第4表に示す。
第4表に示すごとく一般成分は大同小異で有意差は認
められなかったが、官能的には焙炒米使用醪にはホウジ
茶様の芳香が認められた。次にこれら、3点の熟成醪を
減圧ポットスチルで蒸留し中留区分を分取し、官能検査
を行った。
すなわち、味については淡麗さ、香りについてはホウ
ジ茶様の芳香を評価対象とし、パネラー22名で香り及び
味について5点法(1点良→5点悪)で行った結果を第
4表に併記した。
第4表に示すごとく、官能評価においても250℃/1分
間及び300℃/1分間の焙炒米を使用すると新しいタイプ
の香味を得、味も原料由来の脂肪酸等の成分が少ないた
め、また麹を使用しないこともあって淡麗であるという
評価を得た。
また、従来の技術として特開昭59-227292号がある
が、この方法を用いて試作した焼酎と比べて、本発明方
法の焼酎は焙炒香を有し明らかに異なった品質が得られ
た。
実施例3 250℃又は300℃で1分間焙炒した大麦、あるいは150
℃又は200℃で1分間焙炒したコーンを使用し、酵素剤
を用いて糖化し、その糖化液を発酵、蒸留して焼酎を調
製した。
焼酎の糖化液の仕込配合を第5表に示す。
酵素剤はターマミル(ノボ・インダストリー)10g及
びサンスーパー(ノボ・インダストリー)3gを添加し
た。
糖化は60℃て18時間行った。
酒母の調製として、得られた糖化液0.7lに井水0.35l
を加え、焼酎酵母を接種し、30℃で36時間振とう培養し
た。得られた酒母0.7lを糖化液6.3lへ添加し、25℃で5
日間発酵して、熟成醪を調製した。これら焙炒大麦及び
コーンの熟成醪は対照の焙炒しないそれぞれの熟成醪に
比べ、エステル香が豊富で、焙炒に由来する軽い焙炒香
を有していた。
熟成醪を単式蒸留機で蒸留し、得られた粗留液のアル
コール濃度を25%(v/v)に調節して25%焼酎を得た。
第6表に焼酎の成分分析値を示す。
第6表に示すごとく、焙炒大麦又はコーンを用いた焼
酎には、エステル及び高級アルコール類が多く含量さ
れ、更に焙炒独特の軽い焙炒香を有する製品が得られ
た。
実施例4 サツマイモを250℃又は300℃で1分間焙炒後、酵素剤
を用いて糖化し、その糖化液を発酵し、蒸留して焼酎を
試作した。糖化工程で、サツマイモ10kg、汲水15lを混
合し、酵素剤としてターマミル(ノボ・インダストリ
ー)10g及びサンスーパー(ノボ・インダストリー)3g
を添加し、60℃で18時間行った。酒母及び発酵は実施例
3と同様の方法で行った。このようにして得られた熟成
醪は、対照の焙炒しないサツマイモを用いた醪に比べエ
ステル香が豊富で、軽い焙炒香を有していた。
熟成醪を単式蒸留機で蒸留した。得られた粗留液のア
ルコール濃度を調節して25%焼酎を得た。
第7表にイモ焼酎の成分分析値を示す。
第7表に示すごとく、焙炒サツマイモを用いた焼酎に
は、エステル及び高級アルコール類が多く含有され、更
に焙炒香がほのかに有する製品が得られた。
実施例5 80%精白ウルチ米を用いて、実施例1と同様に250℃
及び300℃で1分間焙炒し各々浸漬、加圧蒸煮、(124
℃,20分)を行い、蒸米を得た。対照として通常の80%
精白モチ蒸米を調製し、共に同様にして仕込み30℃で30
日間熟成した。この酒精含有調味料の仕込配合を第8表
に示す。
酵素剤は、各仕込につきタカジアスターゼAを880mg
添加した。
熟成終了後、固液分離して酒精含有調味料と粕に分
け、酒精含有調味料の成分分析と官能検査を行った結果
を第9表に示す。
第9表に示すごとく80%精白ウルチ米の焙炒米を用い
ると、対照のモチ米とほぼ同様の化学組成の酒精含有調
味料が得られ、官能検査の結果、焙炒香の香ばしい香と
風味を生じ、麹臭もなく、スッキリした米風味の製品で
あると評価された。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明の焙炒処理を用いて原料を
処理することにより、その原料としての特性であるデン
プンのα化率、脂質含量についての向上が見られ、結果
として品質が改善され、また原料の焙炒により、雑酒、
焼酎、酒精含有調味料に焙炒に由来する香味を付与さ
れ、かつ麹臭のない特徴を持つ製品とすることができる
ので、本発明は製品品質の多様化に対して極めて有用な
酒類の製造方法である。
フロントページの続き (72)発明者 島田 敦 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒 造株式会社中央研究所内 (72)発明者 坂本 伸 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒 造株式会社中央研究所内 (72)発明者 大林 晃 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒 造株式会社中央研究所内 (72)発明者 富士野 公也 京都府長岡京市泉が丘17番5号 (56)参考文献 特開 昭60−199379(JP,A) 特開 昭62−236454(JP,A) 特開 昭50−116664(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12G 3/00 - 3/12 A23L 2/38 A23L 1/23 JICSTファイル(JOIS) JAFICファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料を、麹を使用することなく、酵素を使
    用して糖化及び/又は醸造することにより得られる酒類
    を製造する方法において、原料を焙炒する工程を含むこ
    とを特徴とする酒類の製造方法。
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