JP2006211976A - 清酒の製造方法 - Google Patents

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勇人 遊佐
Masayoshi Ito
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Abstract

【課題】 官能的に独特な香味を有する清酒の製造方法を提供すること。より詳しくは、豊かな香味を感じさせながら、キレがいいという独特の個性的な香味を有する清酒の製造方法を提供する。
【解決手段】 米と水を原料として、麹および清酒酵母の作用によって製造されるアルコール含有生成物を蒸留して得られるアルコール分を、清酒の製造工程に添加する清酒の製造方法。アルコール分が、米を原料として、蒸きょう工程、麹工程、酵母工程および醪工程を含む工程によって製造されるアルコール含有生成物を蒸留して得られるものである前記の清酒の製造方法は、好ましい態様である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、独特の香味を有する清酒の製造方法に関する。さらに詳しくは、清酒を蒸留して得られたアルコール分を製造過程で添加して製造する独特の香味を有する清酒の製造方法に関する。
清酒は、米、米麹および水を原料として発酵させて濾したものであり、その製造過程で醸造アルコールを添加する方法も採用されている。清酒の製造は、米が麹で糖化され、生成するブドウ糖が酵母によって発酵してアルコールになることによるが、これら糖化と発酵という二つの作用が清酒の味わいに深く関わっている。
近年、官能的に独特な香味を有する清酒が好まれる傾向にあるため、独特な香味を有する清酒を製造する種々の試みがなされてきた。例えば、特開平5−317034号公報では、清酒酵母701号と清酒酵母901号由来の一倍体株同士の交雑により育種される酵母菌を用いて、酢酸イソアミル及びカプロン酸エチルを含有する芳香性を有する清酒を得る方法が提案されている。
また、特開昭62−6669号公報では、イソアミルアルコ−ル、酢酸イソアミル等の香味成分を多量に生成する変異酵母を使用した清酒の製造法が提案されている。
特開平8−89230号公報には、ヒドロキシシナミック酸エステル加水分解酵素を醪糖化発酵熟成工程に添加して、フェルラ酸、フェルラ酸エチルエステル、バニリン、バニリン酸などの香味成分を有する清酒の製造法が提案されている。
しかしながら、従来提案の方法は特殊な酵母や酵素を必要とするため、作業性に劣りコストがかかるという問題解決に加えて、官能的に独特な香味を有する清酒の提供がなお求められているのが現状である。
特開平5−317034号公報 特開昭62−6669号公報 特開平8−89230号公報
本発明者らは、従来の清酒と異なる独特な香味を有する清酒の製造方法を鋭意研究した結果、本発明に到達した。
本発明は、官能的に独特な香味を有する清酒の製造方法を提供するものである。
本発明は、豊かな香味を感じさせながら、キレがいいという独特の個性的な香味を有する清酒の製造方法を提供する。
本発明は、米と水を原料として、麹および清酒酵母の作用によって製造されるアルコール含有生成物を蒸留して得られるアルコール分を、清酒の製造工程に添加する清酒の製造方法を提供する。
前記アルコール分が、米を原料として、蒸きょう工程、麹工程、酵母工程および醪工程を含む工程によって製造されるアルコール含有生成物を蒸留して得られるものである前記の清酒の製造方法は本発明の好ましい態様である。
前記アルコール含有生成物が純米酒である前記の清酒の製造方法は本発明の好ましい態様である。
前記米が、精米歩合80%以下で精米されたものである前記の清酒の製造方法は本発明の好ましい態様である。
前記アルコール分が清酒の香味成分を含有するものである前記の清酒の製造方法は本発明の好ましい態様である。
前記アルコール分が、酢酸イソアミル、カプロン酸エチル、イソアミルアルコールおよびβ−フェネチルアルコールを含有するものである前記の清酒の製造方法は本発明の好ましい態様である。
前記清酒が米を原料として、精米工程、蒸きょう工程、麹工程、酒母工程および醪工程を含む工程によって製造される前記の清酒の製造方法は本発明の好ましい態様である。
前記アルコール分の添加が、醪工程に添加される前記の清酒の製造方法は本発明の好ましい態様である。
前記アルコール分の添加が、熟成醪に添加することにより行われる前記の清酒の製造方法は本発明の好ましい態様である。
本発明により、従来の清酒と異なる独特な香味を有する清酒の提供が可能となる。
本発明によれば、官能的に独特な香味を有する清酒の製造方法が提供される。
本発明により提供される清酒は、豊かな香味を感じさせながら、キレがいいという独特の個性的な香味を有する清酒である。
本発明は、官能的に独特な香味を有する清酒の製造方法を提供するものである。本発明は、米と水を原料として、麹および清酒酵母の作用によって製造されるアルコール含有生成物を蒸留して得られるアルコール分を、清酒の製造工程に添加する清酒の製造方法を提供するものである。
本発明において、清酒とは通常清酒と認識されるものをいい、特には酒税法上の分類で清酒とされるものをいう。本発明の清酒を得る方法としては、特に制限はなく、従前公知の製造法を採用することができる。
通常清酒は、精白米を洗米し、浸漬して膨潤させた後、常法により蒸きょうして蒸米を得、これを一部麹とし、一部を掛米として水と共に仕込み、これに酸及び清酒酵母を添加して、酸を含んだ糖液で該酵母を淘汰的に培養して(もと発酵を行わせ)熟成酒母を調製し、この酒母に麹、掛米、汲水の3者を3段階にわたって仕込む(それぞれ初添、仲添、留添という)か、または4段階仕込みを行って醪を得て、醪に通常の方法により麹による糖化と酵母による酒精発酵とを並行して営ませ、熟成醪とした後圧搾、濾過、火入れ等を行って得られる。
本発明ではその他、例えば蒸米を全く使用せず、米麹を原料とする全麹仕込みによるものとした全麹清酒の製造方法によってもよいし、また掛け米液化仕込みの製造方法によってもよい。特に好ましいのは上記した通常の清酒の製造方法である。
本発明によれば、米と水を原料として、麹および清酒酵母の作用によって製造されるアルコール含有生成物を蒸留して得られるアルコール分を、清酒の製造工程に添加する清酒の製造方法が提供されるが、このアルコール含有生成物の製造は米を原料として、蒸きょう工程、麹工程、酵母工程および醪工程を含む工程によって製造することが好ましい。本発明の各工程は、後記に説明するような具体的態様を含む意味で用いられる。
このようなアルコール含有生成物の製造は、上記清酒の製造方法に準じて行うことができる。本発明においては、清酒の製造手段によって得られるアルコール含有生成物(すなわち清酒)を蒸留して得られるアルコール分を、清酒の製造工程に添加する清酒の製造方法が好ましい態様として挙げられる。アルコール含有生成物が純米酒である態様は、特に好ましい態様である。
本発明の蒸留によってアルコール分を得るためのアルコール含有生成物は、上記したような方法で製造することができるが、中でも原料を米および米麹とする純米酒の製造方法によることが好ましい。原料米の精米歩合が、80%以下、好ましくは70%以下、より好ましくは60%以下であれば、最終的に得られる清酒の個性をより発揮させることができるので好ましい。
本発明におけるアルコール分とは、アルコール含有生成物を蒸留して得られるエチルアルコールを主成分とする留分をいう。アルコール分は、エチルアルコールのほかに清酒の香味成分に相当する成分などを含有している。
前記で得られたアルコール分を清酒の製造工程に添加する量は100%アルコール換算で、米1トン当たり201〜1160、好ましくは117〜200L、より好ましくは10〜116Lであることが望ましい。
本発明のアルコール分のアルコール度は、36〜45%程度であることが好ましく、より好ましくは20〜35%である。
本発明のアルコール分には、少なくとも酢酸イソアミルおよびカプロン酸エチルが含まれていることが好ましく、さらにはイソアミルアルコールまたはβ−ペネチルアルコールなどが含まれていることがより好ましい。アルコール分中の成分は、JIS K 0114に準じたガスクロマトグラフィー分析によって確認することができる。
アルコール分中の酢酸イソアミルおよびカプロン酸エチルの含有量は、好ましくはアルコール度を25%となるように水で希釈した状態で、それぞれ1ppm以上であることが望ましい。
また、アルコール分の酸度は、租税特別措置法第第87条の3第2項第3号に規定する方法で測定した、原容量10cm中に含有する酸を中和するのに要した0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液の容量で表して、0.2〜1.0、好ましくは0.2〜0.6であることが望ましい。
本発明では、目的とする清酒の製造過程で、前記で得られたアルコール分が添加されるが、添加する清酒製造工程は醪醗酵の工程(醪工程)が好ましい。特には、醪醗酵の最終段階である熟成醪に添加するのが好ましい。アルコール分を添加直後〜2日で醪工程から圧搾、濾過の工程に入るよう圧搾、濾過の工程に入る直前〜2日前に添加することが好ましい。
清酒の製造過程に醸造アルコールを添加する方法は、広く知られた方法である。醸造アルコールとしては、通常モラセス(さとうきび)を発酵させ蒸留して得られるアルコールなどが用いられているが、従前公知の醸造アルコールは、エチルアルコールからなるものであって他の成分はほとんど検出されないものである。従前公知の醸造アルコールを添加する方法では、本発明の方法で製造される清酒が有するような独特の個性的な香味を得ることができない。
本発明の製造方法によって得られる清酒は、豊かな香味を有するが、その結果強くかつキレがいい香味を有するという、独特の個性的な香味を有する清酒である。この独特の個性的な香味は奥の深い個性的な清酒という印象を与えるもので、ごく味のある清酒である。
市販の醸造アルコールについて同様の分析を行っても、エチルアルコール以外の成分は検出されないので、本発明により得られる清酒の独特の個性的な香味には、清酒を蒸留して得られるアルコール分に上記成分が含まれていることが寄与しているものと推定される。
本発明の清酒の製造において使用される麹菌には、特に制限はなく市販の麹菌から適宜選択して使用することができるし、また自家製の麹菌を使用してもよい。
同様に本発明の清酒の製造において使用される清酒酵母にも特に制限はなく、市販の酵母から適宜選択して使用することができるし、また自家製の酵母を使用してもよい。市販の酵母としては、(財)日本醸造協会販売の協会701号(K701)、協会901号(K901)、協会7号(K7)、協会11号、協会14号(K14)、協会1401号(K1401)などがあるがこれに限定されるものではない。また、公開された特許出願公報(国際公開WO96/20272、特開平7−184638号など)に記載されたような酵母や、自家製酵母などを使用することができる。好ましくは、純米酒に吟醸香を与えるタイプの酵母の使用が好ましい。酵母を2種類以上使用して、これを段階的に添加したり、または混醸したりすることも可能である。
清酒製造に使用する麹菌および清酒酵母と、アルコール含有生成物の製造に使用する麹菌および清酒酵母とは、それぞれ同じであっても、異なっていてもよい。
使用する酵母によって、得られる清酒の香味成分が異なる清酒が生成されるが、本発明の製造方法を実施することによって、製造される清酒に、前記した本発明の独特の個性的な特徴を付与することができる。
本発明において清酒を蒸留する条件には特に制限がなく、通常アルコール成分の単式蒸留に適用される条件を採用することができ、最終的に得られる清酒の香味に応じて圧力などの条件を調整することができる。
本発明の理解を助けるために、本発明による清酒の製造方法の概略を、本発明の好ましい態様を示す添付図を用いて説明する。
図1は本発明を実施する態様の一例である。精米工程(S1)は玄米の外側を削り取って(精米)磨き上げて原料となる精白米とする工程である。続く蒸きょう工程(S2)は、米を蒸気で蒸す工程である。蒸すことによって、米粒内のデンプン組織が壊れて麹菌の繁殖が容易になり、酵素の作用を受けやすくし、溶けやすくするのであるが、同時に米の殺菌も兼ねている。なお、精米工程から蒸発工程に移行する間に、通常表面の糠(ぬか)やゴミなどを取り除く洗米、水に漬けて吸水させる浸漬およびその後の水切りの作業が行われる。
麹工程(S3)は、蒸きょう工程後所望の温度まで放冷した蒸米に麹菌を作用させて麹を調製する工程である。通常、蒸米を、麹用と後工程で使用するもの(例えば酒母用、掛米用など)に分けて、それぞれの目的に応じた温度まで放冷して使用される。麹用蒸米は、通常約30℃に冷却された蒸米に「もやし」と呼ばれる麹菌の胞子を均一に振りかけ、温度、湿度を最適に調整した麹室において麹とされる。
麹工程に続いて酵母工程(S4)がある。本発明の酵母工程は、次工程の醪工程のために清酒酵母を培養する工程である。通常蒸米、麹および水の混合物で清酒酵母を培養する目的で酒母が作られる。酒母は、乳酸を十分量に含み次工程の醪の発酵をつかさどる根源となるもので、健全かつ順調にアルコール発酵を行わせるために調製される。乳酸は酒造りの初期に雑菌の繁殖を抑える働きをするので、ある量が必要である。乳酸を自然に蓄積させる生もと系酒母と、既成の乳酸を添加する速醸系酒母などがありいずれを採用してもよい。
上記した通常の酒母を造る代わりに、糖蜜などの培養培地で酵母を培養して、遠心分離などの方法で酵母を分離して得られる培養酵母を、乳酸とともに醪に仕込む方法が採用されることがある。培養酵母は液状、泥状、固形、乾燥などの形態で使用される。このような仕込み方法は、酵母仕込(または酒母省略仕込)といわれるが、本発明の酵母工程では、このような酵母培養方法を採用して、酵母仕込を行ってもよい。また、酵母培養の方法として、市販されている培養酵母を購入してもよい。本発明の酵母工程は、このように市販されている培養酵母を購入して酵母仕込を行うことをも包含するものである。
醪工程(S5)では、少なくとも酵母、麹、蒸米および水が仕込まれ、酵素の力で蒸米のデンプンがブドウ糖に分解され、清酒酵母のアルコール発酵によってアルコールが生成する。この工程では、通常、酒母に麹、蒸米、水を「添(そえ)」「仲(なか)」「留(とめ)」の3回に分けて仕込む3段仕込みが一般的で、通常仕込みに用いる麹、蒸米、水の分量は、前の仕込み時の約2倍量となるよう加えられる。仕込みは4段仕込みであってもよい。前記した酒母を省略する酵母仕込みによって醪が形成されてもよい。酵母省略仕込によるときは、培養酵母と、麹、蒸米および水から醪が調製される。醪は15℃前後に保たれ、表面の泡の状態を様々に変化させながら、概ね14〜25日位で熟成醪となる。
図1では、別途米を、精米工程(S21)を経て、麹による糖化工程(S22)と、清酒酵母によるアルコール発酵工程(S23)によってアルコール含有生成物が製造される。糖化工程とアルコール発酵工程は、上記醪工程のように一工程で同時並行的に行われてもよい。製造されたアルコール含有生成物が蒸留工程(S24)で蒸留されてアルコール分が得られ、得られたアルコール分が前記醪工程(S5)に添加されている。アルコール分が添加される時期は、醪が熟成醪となった時期が最も効果的である。
醪工程(S5)を終えた熟成醪は圧搾工程(上槽)(S6)に移行して、圧搾機によって液体部分(新酒)と固形部分(酒粕)に分離される。その後不溶性のタンパク質、デンプン等を沈殿させ、滓を取り去って清澄した酒を濾過する滓引・濾過工程(S7)を経て、殺菌と残存酵素を破壊するため火入れ工程(S8)において例えば約65℃で火入れして清酒が完成する。その後貯蔵工程(S9)で熟成のためタンク内で約半年間貯蔵された後にビン詰めなどで出荷される。
図2は、本発明の好ましい実施態様のより具体的な例である。図2では、アルコール含有生成物が、前記清酒の製造工程(S1)〜(S5)と同様の工程である精米工程(S31)、蒸きょう工程(S32)、麹工程(S33)、酵母工程(S34)および醪工程(S35)を含む工程で製造されている態様を示している。製造されたアルコール含有生成物が蒸留工程(S36)で蒸留されてアルコール分が得られ、得られたアルコール分が前記清酒の製造の醪工程(S5)に添加されている。
なお、醪工程(S35)の後、醪を直接蒸留工程(S36)で蒸留することもできるし、圧搾工程(上槽)(S37)、滓引・濾過工程(S38)、火入れ工程(S39)および貯蔵工程(S40)を経て得られるアルコール含有生成物を蒸留工程(S36)で蒸留することもできる。また、圧搾工程(上槽)(S37)から貯蔵工程(S40)のいずれかの工程終了時点で得られるアルコール含有生成物を蒸留工程(S36)で蒸留してもよい。
以下に本発明を、実施例および比較例を用いてより具体的に説明する。本発明はこれらの例によって、何ら制限されるものではない。
(実施例1)
添加用アルコール分の調整
(1)精米歩合60%に精白した粳米225gを常法により洗米、浸漬、水切りし、蒸きょうした後放冷し、これに市販の清酒用種麹菌を接種し、常法により製麹して米麹を得た。
(2)上記で精白した粳米450gを常法により洗米、浸漬、水切りし、蒸きょうした後放冷して、蒸粳米を得た。
(3)汲水700mlに上記の米麹及び蒸粳米を混和し、これに種酵母(2×10個/ml)及び乳酸(10倍希釈液)をそれぞれ20ml及び4mlを混和し、10〜15℃で15日間糖化発酵させ、酸を含んだ糖液で該酵母を淘汰的に増殖して酒母を調製した。
(4)上記の酒母1200mlに米麹400g(生米換算)、蒸米950g(同)及び汲水1150mlを混和(初添)して、これを48時間発酵させて初添醪を得た。
(5)上記初添醪に蒸米2075g(生米換算)、米麹625g(同)及び汲水3250mlを混和(仲添)して、これを24時間発酵させて仲添醪を得た。
(6)上記仲添醪に、蒸米3450g(生米換算)、米麹825g(同)及び汲水6250mlを混和(留添)して、これを10〜15℃で20日間発酵熟成させ、常法により圧搾濾過し、醪液汁(純米酒)を得た。
(7)このようにして得られた純米酒を単式蒸留してアルコール度47%のアルコ−ル分を得た。得られたアルコール分の含有成分をJIS−K−0114に準じてガスクロマトグラフィーによって分析した。分析値を表1に示す。アルコール分の含有成分は、アルコール度が25%となるように希釈して測定した値である。表1にはエチルアルコール以外の成分を記載した。
また、希釈していないアルコール分の酸度(検体10mlを中和するのに要した1/10Nのカセイソーダ溶液量)は、0.51mlであり、275nmの光で測定した吸光度(OD)は0.125であった。
Figure 2006211976
清酒の製造
(1)精米歩合60%に精白した粳米225gを常法により洗米、浸漬、水切りし、蒸きょうした後放冷し、これに市販の清酒用種麹菌を接種し、常法により製麹して米麹を得た。
(2)上記で精白した粳米450gを常法により洗米、浸漬、水切りし、蒸きょうした後放冷して、蒸粳米を得た。
(3)汲水700mlに上記の米麹及び蒸粳米を混和し、これに種酵母(2×10個/ml)及び乳酸(10倍希釈液)をそれぞれ20ml及び4mlを混和し、10〜15℃で15日間糖化発酵させ、酸を含んだ糖液で該酵母を淘汰的に増殖して酒母を調製した。
(4)上記の酒母1200mlに米麹400g(生米換算)、蒸米950g(同)及び汲水1150mlを混和(初添)して、これを48時間発酵させて初添醪を得た。
(5)上記初添醪に蒸米2075g(生米換算)、米麹625g(同)及び汲水3250mlを混和(仲添)して、これを24時間発酵させて仲添醪を得た。
(6)上記仲添醪に、蒸米3450g(生米換算)、米麹825g(同)及び汲水6250mlを混和(留添)して、これを10〜15℃で20日間発酵熟成させて、熟成醪を
(7)えられた熟成醪に前記アルコール分調製工程で得られたアルコール分(35%)290mlを添加して、1日経過後に常法により圧搾、濾過して清酒を得た。
官能検査
上記で得られた清酒について、識別能力を有する10名のパネルにより官能検査を行った。官能検査は、香味の調和について行った。
口に含んだときに香味の調和を感じるか否かでおこない、心地よい香味を感じるものを○、香味を感じるが物足りないものを△、香味の感じ方が劣るものを×と評価した。
総合評価は、奥の深いごく味を感じるか否かを判定し、奥の深いごく味を感じる場合を○、ほぼ感じる場合を△、感じられない場合を×で評価した。
官能検査の結果を表2に示した。
(比較例1)
実施例1において、添加用アルコール分の調製工程で得られたアルコール分に代えて、市販の醸造アルコール(原料:サトウキビ)を用いるほかは同様にして清酒を製造した。
用いた醸造アルコールを、実施例1と同様に分析したところ、エチルアルコールが検出されたが、その他の成分は検出されなかった。
得られた清酒について、実施例1と同様にして官能検査を行った。官能検査の結果を表2に示した。
(比較例2)
実施例1において、アルコール分の添加を省略したほかは同様にして清酒を製造した。
得られた清酒について、実施例1と同様にして官能検査を行った。官能検査の結果を表2に示した。
Figure 2006211976
本発明により提供される清酒の製造方法は、従来の清酒と異なる独特な香味を有する清酒の提供を可能とするものである。
本発明により提供が可能な清酒は、官能的に独特な香味を有する清酒である。
本発明により、従来の清酒と異なった豊かな香味を感じさせながら、キレがいいという独特の個性的な香味を有する清酒が提供される。
本発明の実施態様の一例を示すフローチャートである。 本発明の図1の実施態様のより具体的な例を示すフローチャートである。

Claims (9)

  1. 米と水を原料として、麹および清酒酵母の作用によって製造されるアルコール含有生成物を蒸留して得られるアルコール分を、清酒の製造工程に添加する清酒の製造方法。
  2. 前記アルコール分が、米を原料として、蒸きょう工程、麹工程、酵母工程および醪工程を含む工程によって製造されるアルコール含有生成物を蒸留して得られることを特徴とする請求項1に記載の清酒の製造方法。
  3. 前記アルコール含有生成物が純米酒であることを特徴とする請求項1または2に記載の清酒の製造方法。
  4. 前記米が、精米歩合80%以下で精米されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の清酒の製造方法。
  5. 前記アルコール分が清酒の香味成分を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の清酒の製造方法。
  6. 前記アルコール分が、酢酸イソアミル、カプロン酸エチル、イソアミルアルコールおよびβ−フェネチルアルコールを含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の清酒の製造方法。
  7. 前記清酒が米を原料として、精米工程、蒸きょう工程、麹工程、酵母工程および醪工程を含む工程によって製造されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の清酒の製造方法。
  8. 前記アルコール分の添加が、醪工程に添加されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の清酒の製造方法。
  9. 前記アルコール分の添加が、熟成醪に添加することにより行われることを特徴とする請求項8に記載の清酒の製造方法。
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