JPH07255441A - 通電加熱食品の製造方法 - Google Patents

通電加熱食品の製造方法

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JPH07255441A
JPH07255441A JP6075390A JP7539094A JPH07255441A JP H07255441 A JPH07255441 A JP H07255441A JP 6075390 A JP6075390 A JP 6075390A JP 7539094 A JP7539094 A JP 7539094A JP H07255441 A JPH07255441 A JP H07255441A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 所定温度に調整した食品材料と導電液とを収
容した後、導電液に対し通電を施して、導電液の通電加
熱作用および通電作用により食品材料を一定の通電加熱
時間で、均一に加熱仕上げせしめ、高品質の製品を年間
を通し安定して製造することができるとともに、使用済
導電液を廃液処理した後、導電率および温度を調温調整
してその再使用を図ったものである。 【構成】 食品材料Aと、前記食品材料Aとともに収容
される導電液Bとを、予め定められた所定温度にそれぞ
れ調整した後、導電液Bに対し通電を施して導電液Bの
加熱昇温作用および通電作用により食品材料Aを通電加
熱処理したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、予め定められた所定温
度に調温調整された食品材料と導電液を収容し、導電液
に対し通電を施して導電液の加熱昇温作用および通電作
用により食品材料を略一定の通電加熱時間のもとで略均
一な加熱仕上がり状態になるよう通電加熱処理して高品
質の通電加熱食品を容易に製造することができる通電加
熱食品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内側に一対の対向電極を配設し、
かつ内部に導電液を収容した絶縁性容器内に含塩状態の
食品材料を冠水状態のもとに収容し、次いで前記絶縁性
容器を一方に向け移動せしめるとともに、その移動過程
中において対向電極間に亘り導電液を介し食品材料に通
電を施して熟熱殺菌した通電加工食品の製造方法および
食品材料を収容した複数の絶縁性収容籠を吊持移動レー
ルにより順次絶縁性容器内に収容した導電液中を冠水状
態のもとに通過せしめる過程で食品材料に対し自動的に
通電作用を施して熟熱殺菌された通電加工食品を量産す
る通電加工食品の製造方法は、さきに本発明者が開発し
た特開昭63−296671号公報および特開昭63−
296672号公報に記載されて公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従前のこの
種、通電加工食品の製造方法においては、食品材料およ
び通電加熱の媒体として使用する導電液については、も
っぱら、塩分濃度の調整による導電率の変化調整のみに
注意が払われ、食品材料および導電液の温度調整につい
ては具体的な手段が施されていなかった。そのため、例
えばハム、ソーセージ等の食品材料を通電加熱する場
合、その原材料を冷蔵庫から出し、ケーシング等に充填
する等の準備中において、その食品材料温度が例えば1
0℃〜15℃以上に高くならないよう配慮しながら行っ
ていたが、その作業が手作業に頼ることが多いばかり
か、作業場の配置状況等によって、通電加熱直前におけ
る食品材料の温度が例えば5℃であったり10℃あるい
は15℃と均一性が得られない。さらに、食品材料と導
電液の塩分濃度に差異がある場合、それぞれに対し略同
等の通電量を流すことができず、塩分濃度が高い方の昇
温が早く食品材料の所定の通電加熱完了温度と導電液の
温度が所定時間内に同時に到達せしめることができない
場合があった。また一方、導電液自体の温度も室温や気
温等の変化の影響を受けやすく、導電液についても正確
な温度管理を常時行っていなかったものである。そのた
め、通電加熱処理工程において、通電加熱完了時間にバ
ラつきが生じ、一定の通電加熱時間内に均一な加熱仕上
がりができないため高品質の製品を年間を通して安定し
て製造することができないという問題点があった。
【0004】そこで本発明者は、前記問題点を解決する
ために、ジュール加熱の原理を応用して通電加熱する際
に、食品材料あるいは導電液がもつ電気の通り易さの目
安として塩分濃度を調整して得られた導電率値が温度に
よりどのように変化するものであるかをNaCl1.0
%溶液およびNaCl1.3%溶液について実験を行っ
たところ、図2の結果を得た。図2によれば、NaCl
1.3%溶液の導電率は5℃の時14mS/cm、30
℃の時25mS/cmに対し、NaCl1.0%溶液は
5℃の時11mS/cm、30℃の時20mS/cmと
なり、略同様な導電率の変化を示した。したがって、図
2より塩分濃度が高いもの程、温度に比例して導電率が
大きくなることがわかる。
【0005】また、食品材料の塩分濃度と導電液の塩分
濃度をそれぞれ略同等(例えば1.3%)に調整し、通
電加熱を両者とも同一温度(例えば5℃)から開始して
通電加熱完了温度(例えば70℃)に到達するまでの変
化の実験を行ったところ、図3の結果が得られた。そこ
で、図3を検討してみると、通電開始初期における両者
の通電量は略等しく通電が施され、その結果、加熱完了
温度(例えば70℃)に到達するまで両者は略同じ昇温
速度をもって加熱されることがわかる。したがって、図
3より食品材料および導電液の温度を略同等に調整し、
かつ両者の塩分濃度(導電率)を略同等とした場合には
両者は通電初期から通電加熱完了するまで略同等の昇温
速度をもって加熱されるので、食品材料は、その中心部
も外周部も略平均に通電加熱され略一定の通電加熱時間
のもとで均一に加熱仕上げされた高品質の製品が得られ
ることになる。
【0006】また、食品材料と導電液の導電率が異なる
場合、例えば食品材料の塩分濃度1.3%より薄い塩分
濃度1.0%の導電液を使用し、食品材料の温度を5℃
に調整し、導電液の温度を15℃に予め調整して通電加
熱処理した場合における両者の昇温変化について実験を
行ったところ図4が得られた。そこで、図4を検討して
みると、塩分濃度1.3%の食品材料の温度を5℃に調
整した場合には、図2に示されたようにその導電率が1
4mS/cmに、また、塩分濃度1.0%の導電液の温
度を15℃に調整した場合には、その導電率は同じく1
4mS/cmとなる。こうして両者を略同等の導電率値
に調整した状態のもとで交流の通電を開始すると両者に
略均等に電流が流れて加熱昇温する。そして、導電液温
度よりも10℃低温の食品材料は導電液より塩分濃度が
1.3%と濃いので、温度上昇にともない導電率は導電
液の導電率よりも増加するので昇温速度が早くなる。一
方、塩分濃度の薄い導電液は温度上昇にともない導電率
の増加の度合が少なく、すなわち昇温速度がゆるやかと
なりながら所定時間(例えば10分)経過後に両者はと
もに通電加熱完了温度(例えば70℃)に到達すること
が確認された。つまり、図4から明らかなように、食品
材料と導電液との間に導電率(塩分濃度)に相違があっ
ても、通電初期に両者を流れる電流量は略均等に流れて
所定時間経過後には所定の通電加熱完了温度に両者とも
同時に到達するので、食品材料は中心部も外周部も略均
一な通電加熱仕上がりとなる。
【0007】また、上述の図4とは反対に食品材料の塩
分濃度が薄く導電液の塩分濃度が濃い場合、例えば食品
材料の塩分濃度1.0%より濃い塩分濃度1.3%の導
電液を使用し、食品材料の温度を15℃に調整し、導電
液の温度を5℃に予め調整して通電加熱処理した場合に
おける両者の温度変化について実験を行ったところ図5
が得られた。そこで、図5を検討してみると、塩分濃度
1.0%の食品材料の温度を15℃に調整した場合に
は、図2に示されたように、その導電率が14mS/c
mに、また塩分濃度1.3%の導電液の温度を5℃に調
整した場合には、その導電率は同じく14mS/cmと
なる。こうして両者を略同等の導電率値に調整した状態
のもとで交流の通電を開始すると両者に略均等に電流が
流れて加熱昇温する。そして、食品材料の温度よりも1
0℃低温の導電液は食品材料より塩分濃度が1.3%と
濃いので、温度上昇にともない導電率は食品材料よりも
増加するので昇温速度が早くなる。一方、塩分濃度の薄
い食品材料は温度上昇にともない導電率の増加の度合が
少なく、すなわち昇温速度がゆるやかとなりながら所定
時間(例えば10分)経過後に両者はともに通電加熱完
了温度(例えば70℃)に到達することが確認された。
つまり、図5から明らかなように、通電開始時に食品材
料と導電液との間に導電率(塩分濃度)に相違があって
も、両者を流れる電流量は略均等に流れ所定時間経過後
には所定の通電加熱完了温度に両者とも同時に到達する
ので、食品材料は中心部も外周部も略均一な加熱仕上が
りとなる。
【0008】以上のことから、温度を15℃にした塩分
濃度1.0%の導電液と、温度を5℃に昇温した塩分濃
度1.3%の食品材料とは略同じ導電率(14mS/c
m)であることから、たとえ導電液の塩分濃度が薄く導
電率の低い導電液であっても、液温度を高くして導電率
値が略同等となるように所定温度に予め調整すれば、塩
分の添加量の少ない導電液を使用しても通電初期に塩分
濃度の濃い溶液と略同じ導電率値が得られることが理解
されるものである。また、温度を5℃にした塩分濃度
1.3%の導電液と、温度を15℃にした塩分濃度1.
0%の食品材料とは略同じ導電率(14mS/cm)で
あることから、たとえ食品材料の塩分濃度が導電液の塩
分濃度よりも薄い場合であっても、導電液の液温度を低
くして、食品材料と略同等の導電率値となるように、所
定温度に予め調整すれば、塩分の添加量が少ない食品材
料を使用しても、通電初期において塩分濃度を略同等と
した場合と同じ導電率値が得られる。こうして、たとえ
食品材料と導電液の塩分濃度が異なり、導電率に差があ
ってもそれぞれの温度を適正な温度に調温調整して導電
率値を調整せしめれば、正確な通電加熱処理を常時適確
に行えることになる。してみれば、例えば近年の低塩分
志向により減塩食品を得たい場合は、減塩食品材料の塩
分濃度よりさらに薄い塩分の使用量を減じた導電液を使
用しても、あるいは、減塩食品材料の塩分濃度より濃い
導電液を使用した場合にあっても、通電開始時より減塩
食品材料および導電液に対し略同等の通電量を施すこと
ができ、一定の通電加熱時間で製品の仕上がりの良好な
減塩食品が得られると同時に塩分使用量の総量を減少さ
せることにより、製造原価の削減も図れるものである。
【0009】本発明は、食品材料と、食品材料とともに
収容される導電液を予め定められた所定温度に調整した
後、導電液に対し通電を施して導電液の加熱昇温作用お
よび通電作用により食品材料を通電加熱処理せしめて、
前記食品材料を一定の通電加熱時間のもとで均一に加熱
仕上げされるようにし、もって高品質の製品が年間を通
し安定して製造することができるとともに、使用済導電
液の温度および導電率を調温調整して再使用することが
できる通電加熱食品の製造方法を提供することを目的と
している。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の通電加熱食品の製造方法においては、第1
項の方法を、食品材料と、前記食品材料とともに収容さ
れる導電液とを、予め定められた所定温度にそれぞれ調
整した後、導電液に対し通電を施して導電液の加熱昇温
作用および通電作用により食品材料を通電加熱処理した
ものである。
【0011】第2項の方法を、食品材料および導電液の
温度は、略同等となるよう調整した後、食品材料を通電
加熱処理したものである。
【0012】第3項の方法を、食品材料よりも薄い塩分
濃度とした導電液を、食品材料よりも高い温度に調整し
た後、食品材料を通電加熱処理したものである。
【0013】第4項の方法を、食品材料よりも濃い塩分
濃度とした導電液を、食品材料よりも低い温度に調整し
た後、食品材料を通電加熱処理したものである。
【0014】第5項の方法を、通電加熱処理後の使用済
導電液は、その一部または全部を廃液処理した後、導電
率を再び調整するとともに、その温度も予め定められた
所定温度に調整した後、再使用したものである。
【0015】
【作用】図1において、塩分濃度を1.3%に調整した
未加熱の食品材料例えばハム(以下「ハム」と称する)
を通電加熱処理して通電加熱食品を製造する場合につい
て説明する。予め準備された塩分濃度を1.3%に調整
した未加熱のハムを調温室に搬入する。さすれば、調温
室内に搬入されたハムは搬送しながら、または調温室内
に集積した状態のもとで、ハムの中心部から外周部まで
が予め定められた任意の所定温度(例えば0℃〜15
℃)、本実施例においては5℃に略均一な温度分布とな
るよう調温調整される。
【0016】一方、導電液調整装置においてハムの塩分
濃度と略同等の塩分濃度例えば1.3%に調整され、し
かもハムの調整温度と略同等の温度5℃に調温調整され
た導電液を別個に準備する。
【0017】次いで、略同等の塩分濃度を有し、略同等
温度に予め調温調整されたハムおよび導電液をともに通
電加熱装置の通電槽に搬入し、一対の電極より導電液に
対し通電を施せば、導電液の加熱昇温作用および通電作
用によりハムは通電加熱完了温度例えば70℃まで加熱
される一方、導電液も図3に示された如くハムの昇温速
度と略同じ昇温速度をもって同じ温度に昇温される。し
たがって、ハムは一定の通電加熱時間内にその中心部も
外周部も略均一な加熱仕上がりとなり、高品質の製品が
極く短時間で製造される。
【0018】また、ハムの塩分濃度を1.3%とし、そ
の温度を5℃に調温調整せしめる一方、導電液の塩分濃
度を1.0%とし、その温度を15℃に調温調整したも
のを使用した場合には、図2の記載より明らかなよう
に、塩分濃度1.3%のハムが5℃の時の導電率と、塩
分濃度1.0%の導電液が15℃の時の導電率はともに
同等の14mS/cmとなり、その状態において一対の
電極に印加すれば、ハムと導電液には略同等の通電量が
流れ、ジュール熱による加熱昇温が開始され、図4に示
された如く塩分濃度の薄い導電液はゆるやかに温度上昇
するのに対し塩分濃度の濃いハムは導電液よりもやや早
い温度上昇をしながら昇温するので、当初両者間に10
℃の温度差があっても通電加熱完了温度(例えば70
℃)には略同一時間で到達することになるばかりか、そ
の時のハムの温度は導電液と同じ温度に昇温されること
から、ハムの中心部も外周部も略均一な加熱仕上がりと
なる。
【0019】また、ハムの塩分濃度を1.0%とし、そ
の温度を15℃に調温調整せしめる一方、導電液の塩分
濃度を1.3%とし、その温度を5℃に調温調整したも
のを使用した場合には、図2の記載より明らかなよう
に、塩分濃度1.0%のハムが15℃の時の導電率と、
塩分濃度1.3%の導電液が5℃の時の導電率はともに
同等の14mS/cmとなり、その状態において一対の
電極に印加すれば、ハムと導電液には略同等の通電量が
流れ、ジュール熱による加熱昇温が開始され、図5に示
した如く塩分濃度の薄いハムはゆるやかに温度上昇する
のに対し塩分濃度の濃い導電液はハムよりもやや早い温
度上昇をしながら昇温するので、当初両者間に10℃の
温度差があっても通電加熱完了温度(例えば70℃)に
は略同一時間で到達することになるばかりか、その時の
ハムの温度は導電液と同じ温度に昇温されることから、
ハムの中心部も外周部も略均一な加熱仕上がりとなる。
【0020】したがって、食品材料を減塩食品とするた
めに塩分濃度を通常より薄めた食品とし、しかも導電液
の塩分濃度をさらに薄くした減塩状態のものであって
も、あるいは導電液の塩分濃度が濃い場合であっても最
終的に略均一に加熱仕上げされ、ムラのない高品質の通
電加熱食品を安定して製造することができる。
【0021】以上のようにして、全体が略均一な加熱仕
上がりのハムが通電加熱食品として得られたら、通電槽
より搬出し、冷却室において速やかに冷却し、さらに乾
燥室において乾燥処理すれば高品質の製品が得られる。
【0022】一方、通電槽内にとり残された使用済導電
液は廃液処理装置に回収された後、導電液調温調整装置
に給液され、ここで所定の導電率(塩分濃度)および温
度に調整され、新鮮な導電液となって通電槽に供給さ
れ、再使用されるものである。
【0023】
【実施例】本発明に係る通電加熱食品の製造方法を実施
させるための実施例を図1の製造工程図に基づき説明す
る。図1において、Aは、ハム、ソーセージ、ウインナ
ーソーセージ、ハンバーグ、食肉塊、擂潰肉、かまぼ
こ、つみれ、その他の擂身材料、植物性材料、その他の
混合材料等からなる食品材料であって、前記食品材料A
は未包装状態あるいは、透水性または透湿性の包装材
(例えば、布、ネット、ファイブラスケーシング、セル
ロースケーシング、コラーゲンケーシング、羊腸、多孔
フィルム等)内に充填したもの、あるいは絶縁性の包装
材(例えば、塩化ビニリデンフィルム、ナイロンフィル
ム等)内に収納したものであってもよく、さらには調理
済密封包装食品等であってもよい。本実施例では、ファ
イブラスケーシングに充填したハムが示されている。1
は、搬送されながら、または集積した状態のもとで、食
品材料Aの中心部から外周部までが、予め定められた任
意の所定温度例えば0℃〜15℃となるよう略均一な温
度分布に調温調整するための調温室であって、該調温室
1には、熱交換器、送風機構(いずれも図示せず)およ
び温度センサ2を備えており、温度センサ2の検出制御
により調温室1内を所定温度に恒温維持できるように構
成されている。なお、食品材料Aを調温室1に搬入する
前にくん煙処理を施したり、調温室1内に搬入した食品
材料Aに対し調温と同時にくん煙処理を施せば、くん香
風味の食品材料Aが容易に得られる。また、調温室1を
くん液が収容された液くん槽とし、前記くん液を熱交換
器等の調温手段により所定温度に調温調整できるように
すれば、食品材料Aを液くん処理する過程で任意の所定
温度に調温調整せしめることができる。3は、食品材料
Aを通電による導電液Bの加熱昇温作用および通電作用
により通電加熱処理することができる通電加熱装置であ
って、前記通電加熱装置3は、上面を開放あるいは被蓋
した有底筺状を呈する絶縁性の通電槽4と、通電槽4の
内面に対向して配設された一対の電極5,6と、食品材
料Aの中心温度を検出する温度センサ7とにより構成さ
れている。Bは、通電槽4内に収容された導電液であ
る。8は、通電槽4内において使用された以後の使用済
導電液を回収管9を経て回収し、使用済導電液中に混入
した油脂分を分離除去するとともに、不純物等の除去や
除菌作用を営ませたり、不要な塩分の除去または濃縮等
をすることができる廃液処理装置であって、前記廃液処
理装置8は例えばイオン交換樹脂、限外ろ過膜あるいは
浸透性膜等の膜分離装置またはその他のろ過装置等であ
って、上述の目的を達成できるものであれば、その構成
は任意のものであってもよい。10は、廃液処理装置8
において処理された導電液を所定の導電率(塩分濃度)
および所定温度に調温調整して新鮮導電液として再使用
することができる導電液調温調整装置であって、前記導
電液調温調整装置10には、導電液温度を制御する熱交
換器(図示せず)を備えているほか、導電液の導電率を
検出する導電率センサ11と、液温度を検出する温度セ
ンサ12と、導電率調整用の例えば塩水を補給する補給
管13を備えている。なお、導電液調温調整装置10は
接続管14を介して廃液処理装置8に、また給液管15
を介して通電槽4にそれぞれ接続されているものであ
る。16は、通電加熱処理された食品材料を速やかに常
温まで冷却するための冷却室であって、前記食品材料の
冷却手段は水シャワ(図示せず)、その他適当な手段を
採用する。17は、冷却された食品材料を送風手段、そ
の他適宜の手段により乾燥せしめて高品質の通電加熱製
品Cを得ることができる乾燥室である。
【0024】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような方法を有
するので、以下に記載されるような効果を奏する。請求
項1に記載された発明によれば、通電加熱直前の食品材
料と導電液の温度をそれぞれ予め定められた好ましい所
定温度に調整した後、導電液に対し通電を施して導電液
の加熱昇温作用および通電作用により一定の通電加熱時
時間内に食品材料の中心部も外周部も略平均に通電加熱
処理せしめ、もって均一な加熱仕上がりと、通電加熱時
間にバラつきのない安定した製造工程を連続して営ま
せ、高品質の通電加熱食品を容易に製造することができ
る。
【0025】請求項2に記載された発明によれば、予め
食品材料と導電液の温度を略同等となるよう調整したの
で、通電開始から通電加熱完了温度まで食品材料および
導電液を略同じ昇温速度をもって加熱昇温せしめること
ができ、その結果、確実で均一な加熱仕上がりで、しか
も正確な一定の通電加熱処理時間をもって通電加熱処理
せしめ、高品質の通電加熱食品を製造することができ
る。
【0026】請求項3に記載された発明によれば、食品
材料より薄い塩分濃度とした導電液の液温を、食品材料
よりも高い温度に調整して導電率値を高め、食品材料と
略同等の導電率に調整することにより、通電開始時より
食品材料および導電液に対し略同等の通電量を流すこと
ができるので、たとえ、食品材料と導電液との間に塩分
濃度差があっても、通電加熱完了時には、食品材料およ
び導電液を同時に略同一温度に到達せしめ、食品材料の
中心部および外周部を平均に加熱せしめることができる
ばかりか、導電液も略同一温度に昇温されるので、たと
え減塩食品であっても正確な通電加熱時間内に、加熱仕
上がりの均一な高品質の製品を安定して製造することが
できる。
【0027】請求項4記載の方法によれば、食品材料よ
り濃い塩分濃度とした導電液の液温を、食品材料よりも
低い温度に調整して、導電率値を低めて食品材料と略同
等の導電率に調整することにより、通電開始時より食品
材料および導電液に対し略同等の通電量を流すことがで
きるので、たとえ食品材料と導電液との間に塩分濃度差
があっても、通電加熱完了時には、食品材料および導電
液を略同時に同一温度に到達せしめ、食品材料の中心部
および外周部を平均に加熱せしめることができるばかり
か、導電液も略同一温度に昇温されるので、たとえ減塩
食品であっても、確実な通電加熱時間内に加熱仕上がり
の均一な高品質の製品を安定して製造することができ
る。
【0028】請求項5記載の方法によれば、通電加熱処
理後の使用済み導電液は、回収して廃液処理した後、導
電率を再び調整するとともに、その温度を予め定められ
た所定温度に調整した後再使用できるので、使用済み導
電液は毎回廃棄することなく、浄化処理してから常に予
め定められた所定温度に調温調整されて、しかも導電率
も調整された新鮮導電液として使用することにより廃液
公害の発生を未然に防止できるばかりか、大量生産工程
における品質の安定化、さらには製造コストの低減化を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施させるための一部を縦断し
た製造工程図である。
【図2】導電液の温度と導電率との関係を示す特性図で
ある。
【図3】導電液と食品材料に対する通電時間と温度上昇
の関係を示す特性図である。
【図4】導電液と食品材料に対する通電時間と温度上昇
の関係を示す特性図である。
【図5】導電液と食品材料に対する通電時間と温度上昇
の関係を示す特性図である。
【符号の説明】 1 調温室 2 温度センサ 3 通電加熱装置 4 通電槽 5,6 一対の電極 7 温度センサ 8 廃液処理装置 10 導電液調温調整装置 11 導電率センサ 12 温度センサ 13 補給管 16 冷却室 17 乾燥室 A 食品材料 B 導電液 C 製品
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A23B 4/02 A23L 1/31 E

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食品材料と、前記食品材料とともに収容
    される導電液とを、予め定められた所定温度にそれぞれ
    調整した後、導電液に対し通電を施して導電液の加熱昇
    温作用および通電作用により食品材料を通電加熱処理し
    たことを特徴とする通電加熱食品の製造方法。
  2. 【請求項2】 食品材料および導電液の温度は、略同等
    となるよう調整した後、食品材料を通電加熱処理したこ
    とを特徴とする請求項1記載の通電加熱食品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 食品材料よりも薄い塩分濃度とした導電
    液を、食品材料よりも高い温度に調整した後、食品材料
    を通電加熱処理したことを特徴とする請求項1記載の通
    電加熱食品の製造方法。
  4. 【請求項4】 食品材料よりも濃い塩分濃度とした導電
    液を、食品材料よりも低い温度に調整した後、食品材料
    を通電加熱処理したことを特徴とする請求項1記載の通
    電加熱食品の製造方法。
  5. 【請求項5】 通電加熱処理後の使用済導電液は、その
    一部または全部を廃液処理した後、導電率を再び調整す
    るとともに、その温度も予め定められた所定温度に調整
    した後、再使用することを特徴とする請求項1記載の通
    電加熱食品の製造方法。
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