JP2662845B2 - 魚節の加工方法 - Google Patents

魚節の加工方法

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JP2662845B2 JP5171985A JP17198593A JP2662845B2 JP 2662845 B2 JP2662845 B2 JP 2662845B2 JP 5171985 A JP5171985 A JP 5171985A JP 17198593 A JP17198593 A JP 17198593A JP 2662845 B2 JP2662845 B2 JP 2662845B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、魚節の加工方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鰹削り節及び少なくとも1種以上
の節用原料魚より成る他の削り節の製造方法としては、
水洗された原料鰹節と、不純物を除去後加水された鯖、
鰯、室鯵等の原料節を高圧蒸気釜で約1時間高圧蒸気処
理後、削り機にて薄く削り、さらに水分含有率が約15
〜17%になる迄乾燥させる。鰹削りはその後、品質検
査をしたものを酸化防止のために窒素ガスと共に気密性
包装用袋内に充填して製品化し、その他削り節について
は魚種別の削りを混合調合し、品質検査以下同様の方法
で製品化する方法が存在する。
【0003】又、粉末率が低く、且つ、花の大きい節を
得る目的で、魚節用原料魚を分割、煮熟後、特定のフィ
ルムで真空包装したものを特定温度で一定時間培乾処理
する魚節の製造方法が提案されている(例えば、特開平
5−23101号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の技術で述べ
たもののうち前者においては、加圧及び蒸気による高圧
蒸気処理が唯一の殺菌処理であったため、得られた花に
付着しているカビ菌、大腸菌等の細菌類の完全な死滅効
果は期待できず、倉庫等で保管中に細菌が増殖し、日持
ちが悪いという問題点があった。また、高圧蒸気釜によ
る加圧方式は、魚節の旨味成分を流出してしまうという
欠点があった。
【0005】又、削り加工により得られた花を適正な水
分含有率に迄乾燥させなければならず、乾燥工程に於い
て削り節の風味が流出し、出荷まで時間を要し、生産効
率が極めて悪く、新鮮な製品を提供できないという問題
点があった。
【0006】更に、特開平5−23101号公報開示の
発明においては、分割煮熟後真空包装した状態で培乾処
理するので、削り工程で得られた花が崩れにくく粉末率
の低い製品を製造し得るという長所がある反面、適正な
水分含有率に乾燥させることが困難なため食感の好まし
くない製品を製造するという欠点があった。
【0007】そこで、本発明は前記従来技術の有する問
題点を除去するために、前処理された節原料を蒸煮、焼
軟処理し、さらには恒温、恒湿環境下に放置することに
より、得られた花の水分値が適正で、花の形状が大きく
美しく、風味が良好で、日持ちがすると共に生産性の向
上を図った魚節の加工方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明魚節の加工方法においては、不純物の除去、加
水等の前処理が施された鰹節原料と、他の節原料とを蒸
煮したる後、加熱焼軟し、該焼軟された節原料を恒温、
恒湿環境下で適当時間放置後、削り処理をし、窒素ガス
若しくは脱酸素剤と共に気密性部材より成る包装用袋体
内に適当量を充填密封して製造するものである。
【0009】又、前記蒸煮温度を85〜105℃にする
と蒸煮時間が14〜18分で、後の焼軟処理が容易な節
原料となり、効果的である。
【0010】焼軟温度を約340〜360℃にすると、
焼軟時間が8〜15分で、原料節の芯温が約90℃に達
し、節全体の温度が均一化し、殺菌効果も得られるため
好適である。
【0011】恒温環境を19〜23℃とし、恒湿環境を
71〜78%にすると、24時間放置後の温度、水分含
有率が、原料別にその後の削り処理に適したものとなり
好適である。
【0012】
【作用】洗浄等の前処理を施した原料を蒸煮するのは、
蒸気により節原料に水分を与え、次の工程で節を軟化し
やすくするためである。
【0013】蒸煮された節原料の節の中心まで温度が均
一化するように加熱すると、節が本来的に有する旨味を
溶出することなく、蒸煮により節に与えられた水の膨張
作用によって節全体が均一に軟化し、後の削り処理を容
易にさせる。
【0014】焼軟された節原料を一定時間、恒温及び恒
湿環境下に放置すると、節の水分が温度により蒸発し、
後の削り処理に最適な水分含有率にまで低下する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について説明す
る。
【0016】鰹節原料をブラシ洗浄機内に投入し、入念
な水洗により表面のタール分や汚れを除去する。前記鰹
節原料とは別に、鯖、鰯、室鯵等の節原料は、削りにな
らない部分を除去するガラ取り処理後、金属検出機によ
り付着している金属片を除去し、加水処理する。この加
水処理は、水洗不可能な原料の汚れを除去すると共に節
原料に水分を与える目的のために行う。
【0017】前記前処理がなされた鰹節原料と他の削り
節原料を、機内温度が90〜100℃に加温された間接
ヒーター付蒸煮機内のコンベア上に載置し、約15〜1
7分間蒸煮しながら機内を通過させる。この蒸煮処理さ
れた節原料は、機内温度が約350℃に加熱保持されて
いる遠赤外線焼軟機内に入れ、約9〜14分間掛けて焼
軟機内を通過させる。この焼軟処理された節原料は、庫
内の温度が約21℃、湿度が約75%に保持されている
保温庫内に入れられ、約24時間放置される。保温庫内
には、例えば紫外線ランプ等の殺菌灯を取り付け、節原
料を保温庫内に保管中に、殺菌灯より発生するオゾン等
の殺菌作用により、前記蒸煮、遠赤外線焼軟処理によっ
ても死滅していない細菌を死滅させる。保温庫より出さ
れた節原料は、削り機で薄く削られる。得られた花は、
水分値等の品質検査を行われた後、酸化防止目的のため
に窒素ガスと共に気密性部材より成る包装用袋体内に適
当量を充填密封して製品を得るものである。
【0018】
【試験例】節原料の各々の平均的大きさが、荒本では1
50g、亀節では80gのものを使用し、下記の表1に
示す条件で蒸煮、遠赤外線焼軟処理、恒温恒湿の保管庫
への放置、及び削り加工の工程を行うと、水分含有率は
下記の表1に示す値となる。
【0019】
【表1】
【0020】上記表1に示す通り、各々の蒸煮17分処
理においては、吸水量に大きな差はなく、むしろ原料別
の差が大きいことが判明した。蒸煮後の水分含有率は経
験上、雑節では20〜23%程度が最適であることが知
られており、鰯以外の節原料は適性値内にあった。鰯の
場合は、他の節原料と比較して極めて吸水性が高く、水
分が過剰であったため、間接ヒーター処理を行った。そ
の結果、鰯の水分含有率は23.5%になり、適性値へ
の低減を図ることができた。
【0021】本実施例に示される蒸煮処理により、原料
節の芯温は約75℃程度に達した。更に、遠赤外線焼軟
処理により、原料節の芯温は約90℃程度に達した。
【0022】蒸煮及び遠赤外線焼軟処理により、バクテ
リア類を主とする一般生菌は減少した。しかし、これら
の処理工程で芽胞細菌の出芽が行われた。そのため、保
温庫内への放置処理中に、オゾンによる殺菌で芽胞細菌
を殺菌処理するものである。蒸煮、遠赤外線焼軟処理、
殺菌灯より発生するオゾンの殺菌作用により、得られた
削り花の菌数値は10以下となり、全国削節工業組合
の削り節菌数値指導基準である10を大幅に下回る極
めて良好な成績を示す。各処理工程後別の菌数値測定結
果を下記の表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】本実施例に示される温度21℃、湿度75
%の条件を保持している保温庫内に節原料を24時間保
管後の水分含有率は、下記の表3に示される通りであ
る。原料毎に削りに適した温度及び水分含有率となっ
た。
【0025】
【表3】
【0026】本実施例により得られた削り節は、下記の
表4に示す通り、水分含有率も適正で蛋白質等の栄養価
が高く、花の形状、色合い、香り等の官能面も良好であ
るという試験結果を得た。
【0027】
【表4】
【0028】
【発明の効果】従来の削り加工処理後にコンベア方式の
蒸気熱乾燥で乾燥させていた製造方法と異なり、本発明
は乾燥工程を省略して削り加工前に恒温、恒湿の保温庫
内で一定の温度及び水分含有率に低下するまで放置する
ため、乾燥コンベアで発生する菌の付着を防止し衛生的
である。又、乾燥工程が省略された分、生産ラインが合
理化され、生産がスピード化し、生産効率の向上により
注文から生産及び出荷まで2〜3日の日数でなし得ると
いう効果がある。これに関連して、本発明を採用すると
工場レイアウトが合理化され、注文生産中心の生産方式
を採用することが可能となり、仕掛品在庫減少率が86
%、製品在庫減少率が30%と大幅に在庫を圧縮するこ
とが可能となるという効果がある。
【0029】蒸煮と焼軟及び恒温恒湿環境下での殺菌灯
の使用により、あらゆる種類の細菌の死滅を図り得るた
め、細菌管理の徹底した日持ちがし、かつ高品質の製品
を提供し得るという効果がある。
【0030】従来の製造方法の高圧蒸気釜による加熱、
加圧方式を廃止し、短時間蒸煮、焼軟処理を行うことに
より、蒸気釜による鰹節の旨味成分の流出を防止でき、
保温庫の導入により、削り加工前の魚節を一定温度及び
水分含有率にコントロールすることにより、削り加工後
の乾燥工程を廃止でき、乾燥時の削り節の風味の拡散を
防ぐことができたので、従来品にくらべ、風味や旨味が
損なわれることなく、花の形状、色合い、香り、風味及
び旨味が格段に良好な製品を提供し得るという効果があ
る。
【0031】恒温、恒湿の環境下に一定時間放置して、
削り加工前の節原料を一定温度及び水分含有率に低下せ
しめるので、水分含有率に過不足が無く、削り加工に適
した水分含有率を呈し、削り加工後の乾燥工程を省略す
るという効果がある。
【0032】85〜105℃で14〜18分間蒸煮する
と原料節の芯温が約75℃に達するので、後の焼軟処理
を容易にするという効果がある。
【0033】340〜360℃程度で8〜15分間焼軟
すると、原料節の芯温が約90℃程度に達し、軟化効果
及び加熱殺菌効果が得られるという効果がある。
【0034】温度約19〜23℃、湿度71〜78%の
環境下に放置すると、一定温度、湿度まで節原料の温
度、湿度が低下し、その低下した状態を保持するので、
水分含有率が適正値となり、後の削り処理を容易にする
という効果がある。
【0035】恒温恒湿環境下で放置中に殺菌灯を使用す
ると、あらゆる種類の菌が死滅し、細菌が少ない、日持
ちのする製品を提供し得るという効果がある。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純物の除去、加水等の前処理が施され
    た鰹節原料と、他の節原料とを蒸煮したる後、加熱焼軟
    し、該焼軟された節原料を恒温、恒湿環境下に放置後、
    削り処理をし、窒素ガス若しくは脱酸素剤と共に気密性
    部材より成る包装用袋体内に適当量を充填密封したこと
    を特徴とする魚節の加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の蒸煮温度が85〜105
    ℃であることを特徴とする請求項1記載の魚節の加工方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の焼軟温度が約340〜3
    60℃であることを特徴とする請求項1又は2記載の魚
    節の加工方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の恒温環境が19〜23
    ℃、恒湿環境が71〜78%であることを特徴とする請
    求項1、2又は3記載の魚節の加工方法。
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JP2769796B2 (ja) * 1995-02-06 1998-06-25 株式会社マルアイ 削り節の製造装置
JP4967118B2 (ja) * 2006-03-22 2012-07-04 国立大学法人広島大学 魚節の削り節製造方法及び削りだし装置

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