JPH0923855A - 加熱肉及びそれを用いた食肉加工食品の製造方法 - Google Patents

加熱肉及びそれを用いた食肉加工食品の製造方法

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JPH0923855A
JPH0923855A JP7197172A JP19717295A JPH0923855A JP H0923855 A JPH0923855 A JP H0923855A JP 7197172 A JP7197172 A JP 7197172A JP 19717295 A JP19717295 A JP 19717295A JP H0923855 A JPH0923855 A JP H0923855A
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meat
heated
temperature
electric heating
heating
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JP7197172A
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Yoshiki Narasaka
佳樹 奈良坂
Kaname Yoshino
要 吉野
Mitsuru Kawamura
満 河村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 格別の前処理等を必要とせず、内部が十分に
火が入り、外側が過剰加熱されない、柔らかくて食感及
び味のよい加熱肉の製造方法を提供する。さらに、食感
及び味の良い食肉加工食品の製造方法を提供する。 【解決手段】 通電加熱容器内の希可食塩類溶液に肉を
いれ、希可食塩類溶液の温度を一定温度以下に維持し
て、肉の高周波による通電加熱を行う加熱肉の製造方
法、及びこの加熱肉をさらに焼成するか又は揚げ物とす
る食肉加工食品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は厚みのある肉を加熱
し、旨味を保持した加工肉と食肉加工食品の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】肉を加熱する場合、熱水、蒸気、油、直
火等で加熱する方法が一般的に行われているが、これら
は肉の外側から内側へ熱を伝えるので、肉が厚いとき
は、その中心が十分に加熱される(火が入る)頃には、
それ以外のほとんどの部分が過剰加熱になることにな
る。肉を過剰加熱すると、肉の歩留りが低下し、さら
に、肉が繊維状となって、本来肉の持っているジューシ
ー感が損なわれたものになってしまう。これは、肉のタ
ンパク質の変性が過剰に進み、旨味成分を含んだ水分が
抜けてしまうためである。また、マイクロ波、遠赤外
線、通電加熱等による加熱方法があるが、外側と内側が
ほぼ同時に加熱されるため、外側が生肉でないので、衣
つきが悪く、この前処理後に、さらにフライ、焼成等の
処理をすると、過剰加熱になってしまうという難点があ
る。また、通電加熱による食肉製品の製造方法の改良法
として、例えば、特開平7−87882号に記載される
方法がある。この方法は生の肉塊に、全体又は外側に予
め塩分を添加したりして、肉塊の内部と外側部の加熱に
よる変色を調整し、その後肉塊の表面は焙り処理する方
法であり、通電加熱処理に対して、肉塊に塩分を含有さ
せるという前処理が必要であるという難点がある。ま
た、生の肉塊にかなりの塩分を含有させるので、塩味が
つき、肉の旨味に影響し、料理に利用する際、用途が制
限されることとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、肉塊を加熱する方法であって、柔らかくて食感及び
味のよい加熱肉(焼肉)の製造方法を提供することを目
的とする。また本発明は、格別の前処理等を必要とせ
ず、内部が十分に火が入り、外側が過剰加熱されない加
熱肉の製造方法を提供することを目的とする。さらに本
発明は、食感及び味の良い食肉加工食品の製造方法を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の本発明の目的は、
(1)通電加熱容器内の希可食塩類溶液に肉をいれ、希
可食塩類溶液の温度を一定温度以下に維持して、肉の高
周波による通電加熱を行うことを特徴とする加熱肉の製
造方法、(2)希可食塩類溶液を冷却するか、又は、液
交換することを特徴とする(1)項記載の加熱肉の製造
方法、及び(3)通電加熱容器内の希可食塩類溶液に肉
をいれ、希可食塩類溶液の温度を一定温度以下に低く維
持して、肉の高周波による通電加熱を行って加熱肉を
得、この加熱肉をさらに焼成するか又は揚げ物とするこ
とを特徴とする食肉加工食品の製造方法により達成され
た。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、高周波による通
電加熱により肉を加熱するが、この通電加熱とは材料自
体を通電体とみなして発熱させる方法であり、これ自体
は公知の方法である。ここでいう高周波とはkHz(キ
ロヘルツ)単位のもので1〜1000kHzの範囲の周
波数のものが好ましく用いられる。マイクロ波では厚み
のあるものは均一迅速加熱できない。好ましくは150
〜400kHzの高周波である。通電加熱の時間は、肉
の内部が目的とする加熱程度に加熱されるのに十分な時
間であればよく、特に制限はないが、通常1〜15分で
十分である。このような方法は例えば特公昭49−45
570号に記載されている。本発明において、通電加熱
容器内の媒体として、希可食塩類溶液(水溶液)を用い
る。塩類は微量で通電性を高めるために添加される。可
食塩類とは塩化ナトリウム、塩化カリウム、カルシウム
塩、マグネシウム塩等の無機塩がある。塩濃度は特に制
限はないが、0.1〜0.5重量%程度が好ましい。こ
こで可食塩類とするのは、当然に、直接または間接に食
品としての安全性を考慮したためである。塩類が濃すぎ
ると溶液の方にばかり電流が流れ、肉が加熱されなくな
り、濃度が低すぎると全体としての電流が小さく、肉が
加熱されない。より好ましくは、塩類濃度は0.1〜
0.3重量%である。
【0006】本発明において加熱しうる肉は、牛肉、豚
肉、鶏肉等の畜肉に限らず、カレイ肉、マグロ肉等の魚
肉も含めた動物の肉である。加熱する肉の形状は、厚さ
等は問わない。本発明は肉が厚い程、その利点を発揮す
るという特徴があり、特に好ましいのは厚さ3cm以上
であり、上限はない。カット肉では2〜3cmでもよ
い。本発明方法の通電加熱は、希可食塩類溶液(水溶
液)の温度を上げすぎないようにし、肉の内部に比べて
外側が先に加熱されないようにする。これは通電加熱容
器内の希可食塩類溶液を冷却し、または、液交換するこ
とで、その温度を一定に保ち、昇温を防ぐことにより行
うことができる。このときの一定温度とは、肉の外側の
みが加熱されない温度をいう。肉の種類、厚さによって
違いはあるが、実用的には−5℃〜30℃の範囲で、上
記の加熱上の条件をみて適宜に設定される。具体的に
は、目安として、肉を処理後に切断した場合、外側の2
3〜10mmが生で、中心部だけが加熱されている状態
にすることを目的とする。この場合、希可食塩類溶液の
温度が、上記範囲を越えて上りすぎると、外側だけが加
熱された状態にならず、低すぎると溶液が凍ってしま
う。肉の種類、厚さにもよるが、望ましくは常温(20
℃)以下、5℃以上に維持して通電加熱するのが好適で
ある。本発明方法における通電加熱による肉の内部温度
は、肉の種類、所望する加熱程度によって異なるが、通
常55〜100℃、好ましくは65〜85℃である。
【0007】可食塩類溶液と加熱する肉の比率は特に制
限はないが、重量比で通常、可食塩類溶液:加熱する肉
=2:1〜20:1、好ましくは4:1〜10:1とす
る。本発明により得られる加熱肉は、そのまま料理に用
いることができるが、これをさらに加工して、各種の肉
加工食品を調理することができる。その代表的な例とし
て、唐揚げ等のフライ製品、チキンステーキ等の焼成
品、ビーフシチュー等のレトルト品などがある。なお、
この場合の揚げ物、焼成等の加工は常法に準じて行うこ
とができる。
【0008】本発明の実施に用いるのに好適な通電加熱
装置の一例を図1に、その断面図として示す。図中1は
電気絶縁性容器、2、3は電極板、4は食塩水(通常、
0〜30℃に温度コントロール)であり、5が食肉(牛
肉、鶏肉など)である。
【0009】本発明の肉の内部加熱法では、通電加熱容
器内に入っている一定温度以下、望ましくは常温(20
℃)以下の希可食塩類溶液中に肉を入れ、高周波による
通電加熱をするので、肉の中心と外側が同時に加熱され
る。この際、通電時に希可食塩類溶液の温度を一定温度
以下、望ましくは常温(20℃)以下に維持することに
よって、肉の外側の部分は放熱により加熱が進行しない
ために、肉の内側だけ加熱されたものができる。従来の
肉のフライは外側より加熱するので外側表層部が加熱オ
ーバーぎみになり、かたくなってしまう。これに対し、
本発明方法によれば、通電で内部のみ加熱したのちプレ
フライで表面部をすこし加熱しておき、使用時にフライ
にて外側を完全加熱するようにできる。この時に内部を
再度加熱する必要がないので、内外とも加熱オーバーに
ならず、均一に熱がかかり美味となる。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、従来不可能であった、
肉を前処理などしないでそのまま加熱して、肉の内部の
みを加熱するということが可能である。これによって得
られる肉は、内部と外側表面の加熱をうまくコントロー
ルできるので、内部から加熱により肉汁が流出するのを
防止することができる。そのために、肉の歩留りが向上
し、従来よりも柔らかくて食感が良く、ジューシー感の
ある加熱肉を得ることができる。したがって、その後、
さらにフライ処理、焼成処理及び直火処理する場合で
も、その時間を短縮することができ、しかも味のよい食
品とすることができる。
【0011】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づきさらに詳細に
説明する。なお、例中、組成を表わす%は重量%を示
す。 実施例1 タンブリング処理をした若鶏ムネ肉を用い、通電加熱
処理をして作った唐揚げと従来製法で作った唐揚げを
比較した。ここでタンブリング処理とは、一般的に行わ
れている、肉の内部に、加熱前に調味液をしみこませる
(加水する)処理であり、ここでは0〜30%までの範
囲で加水した。通電加熱容器は図1に示したと同様のも
のであり、底面積が15cm×15cm、深さ15cm
の立方体のものを使用し、両サイドに電極板をとりつけ
てある。容器内に10〜15℃の0.2%食塩水を入
れ、次いで20〜30gカットの肉を投入し、通電し
た。通電条件は、電圧250V、周波数200kHz
で、3分間行った。通電と同時に上記の食塩水を18リ
ットル/分の流速で液交換し、これにより食塩水の温度
は通電加熱中約10〜17℃に維持した。この時の、加
熱時間と肉の中心品温及び食塩水の水温の関係を図2に
示した。
【0012】
【表1】
【0013】この処理肉に対し20%のバッターをつ
け、160℃で1分フライした。急速凍結した後、17
5℃で3分フライしたものをのサンプルとした。サン
プルとして、タンブリング処理した肉を上記と同様に
バッターをつけ、160℃で1分フライをし、急速凍結
後、175℃で6.5分フライした比較サンプルを調製
した。このようにして調理したフライについて、通電加
熱したものとしないものの鶏肉の柔らかさを官能検査し
た結果を図3に示した。パネラーは50人であり、数字
は柔らかいと答えた人数を示す。図3より明らかなよう
に、本発明の方法により通電加熱後フライにしたもの
は、タンブリング処理による加水の量にかかわらず、通
電加熱しないものに比べ、柔らかさの点が極めて優れた
評価であった。また、このようにして得られたフライの
肉について、レオメータにより、直径8mmの球形プラ
ンジャーを用いて破断応力(kg)及び硬度(dyn/
cm2)を試験した。この結果を表1に示した。表1の
結果より、通電加熱を行ったフライの肉が破断応力及び
硬度のいずれも通電加熱を行わないものに比べ、非常に
低いことが分かる。次に、通電加熱したものと、しない
ものの、それぞれの加水0〜30%までのものについ
て、48名のパネラーに最も食べたいと思うフライを選
択してもらって、その人数をグラフにした。その結果を
図4に示した。図の結果より、約8割の人が通電加熱処
理したものを最も食べたいと答えたことが分かる。
【0014】実施例2 10〜15℃の0.2%食塩水15kgを、図1に示し
たと同様の通電加熱容器(500×400×80mm)
に入れ、その中に20〜30gカットの鶏肉を2kg入
れた。通電条件は、周波数200kHz、電圧250V
で、約3分加熱した。通電により食塩水の水温も上昇す
るが、氷で冷却することによって10〜15℃の水温を
維持して、内部のみ加熱された肉を得た。
【0015】実施例3 10〜15℃の0.2%食塩水90kgを、図1に示し
たと同様の通電加熱容器(100×100×10cm)
に入れ、その中に15gカットの牛肉を10kg入れ
た。通電条件は、周波数200kHz、電圧250V
で、約4分加熱した。食塩水の水温が上昇しないように
容器内の液交換を行い、10〜15℃の水温を維持して
内部のみ加熱された肉を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いられる通電加熱装置の一例
の縦断面図である。
【図2】本発明方法による実施例1の肉の加熱時間と中
心品温及び通電加熱容器内の水温の関係を示すグラフで
ある。
【図3】本発明の実施例1により得られた鶏肉の柔らか
さについての官能試験の結果を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例1により得られたフライの味に
ついての官能試験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 絶縁性容器 2、3 電極板 4 食塩水 5 食肉

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通電加熱容器内の希可食塩類溶液に肉を
    いれ、希可食塩類溶液の温度を一定温度以下に維持し
    て、肉の高周波による通電加熱を行うことを特徴とする
    加熱肉の製造方法。
  2. 【請求項2】 希可食塩類溶液を冷却するか、又は、液
    交換することを特徴とする請求項1記載の加熱肉の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 通電加熱容器内の希可食塩類溶液に肉を
    いれ、希可食塩類溶液の温度を一定温度以下に低く維持
    して、肉の高周波による通電加熱を行って加熱肉を得、
    この加熱肉をさらに焼成するか又は揚げ物とすることを
    特徴とする食肉加工食品の製造方法。
JP7197172A 1995-07-11 1995-07-11 加熱肉及びそれを用いた食肉加工食品の製造方法 Pending JPH0923855A (ja)

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JP (1) JPH0923855A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014011968A (ja) * 2012-07-04 2014-01-23 Nippon Meat Packers Inc 畜肉成型品
JP2014150786A (ja) * 2013-02-13 2014-08-25 Fron Tier Engineering Co Ltd 食品の加熱装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014011968A (ja) * 2012-07-04 2014-01-23 Nippon Meat Packers Inc 畜肉成型品
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