JP3438981B2 - 凝固卵及びその製法 - Google Patents

凝固卵及びその製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホール卵を用いた凝固
卵及びそれを製造しうる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、卵サラダ等の原料である凝固卵を
製造するには、殻付卵を一個ずつ、熱水、蒸気、遠赤外
線、マイクロ波等で加熱した後、冷却、除殻して茹で卵
とするのが、唯一の方法であった。かかる茹で卵は、卵
白が弾力のある状態で均一の硬さに凝固していると共
に、卵黄は卵黄膜に包まれた状態で凝固するのでホクホ
クした食感を有し、サラダ等の原料に好適だからであ
る。ところで、殻付卵を割卵して得られるホール卵(卵
殻を取り除いたままの全卵)は、卵黄が卵黄膜に包まれ
た状態であるから、これを一個ずつ加熱すると茹で卵と
同様の凝固卵を得ることができるが、この方法によると
著しい手間がかかり、コスト高となるので実用的でな
い。また、茹で卵と同じ食感であり、かつ大きな凝固卵
を得るため、多数のホール卵を集めて、これを上記茹で
卵の加熱法と同じ方法で加熱することも考えられるが、
この方法を実際に行ってみたところ集められた各ホール
卵の中心部が加熱不足で半熟ないし生状になり、せいぜ
い厚さ3cmの凝固卵を作るのが限度であった。一方、
高周波による通電加熱法を利用し、卵液を加熱すること
も考えられる。実際、卵白液、卵黄液等の均一な卵液が
薄層状ならば、高周波による通電加熱を行えば、単に加
熱時間や周波数の調整だけで、下記に示すホール卵ほど
ではないが、ある程度凝固状態が均一な凝固卵を得るこ
とが可能である。しかし多数のホール卵を集めて、これ
を高周波で通電加熱すると、上層部の加熱むらが激し
く、凝固した後でも部分的に半熟状態を呈し、また、内
部に発生した気泡により卵黄がホールの状態で凝固でき
ず、ホクホクした状態の凝固卵黄にはならなかった。こ
の状態を図6に示す。図中40は凝固卵黄、41は凝固
卵白、42は気泡である。
【0003】ところで、卵スプレッド及びサラダ類に原
料として大量に消費される凝固卵は、卵白部が適度に均
一に凝固し、また卵黄部はホクホク感があることが条件
とされるが、上記の事情からこの条件を満たすものとし
ては、殻付き卵を加熱凝固した後、卵殻を除去した茹で
卵しかなかった。しかし、茹で卵を業務用として大量に
作るのは作業上、大変手間がかかるという問題がある。
一方、茹で卵と同品位のホクホク感のある凝固卵黄と弾
力のある凝固卵白を大量に製造する方法においては、ホ
ール卵をそのままの状態で加熱しなければならないが、
上記のように、従来の方法では不可能であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来不可能で
あった凝固卵白中にホクホクした食感の卵黄を点在させ
た凝固卵とその製法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の多数
のホール卵の高周波による通電加熱による凝固卵の製造
の際の加熱むらの原因について鋭意研究を重ねた結果、
通電加熱液の表層に卵黄ホールが密に存在しているが、
卵黄は卵白に比べて電流が流れにくく、凝固温度が高い
にもかかわらず、表層からの放熱により表面は加熱温度
が不足していること、表層に塩類溶液の薄層を設けるこ
とにより加熱むらの発生が防止できることを見い出し、
この知見に基づき本発明をなすに至った。すなわち、本
発明は (1)多数のホール卵を集めて全体を均一の硬さに凝固
させてなり、凝固卵白相中に球状の凝固卵黄を点在させ
てなることを特徴とする凝固卵、 (2)多数のホール卵を集めて全体を均一の硬さに凝固
させてなり、凝固卵白相中に球状の凝固卵黄が一側にお
いて最も密であり、他の一側に行くに従い、粗になるよ
うに点在させてなることを特徴とする凝固卵、 (3)一側の表層が希可食塩類を含む凝固卵白の薄層か
らなる(1)項又は(2)項に記載の凝固卵、 (4)可食塩類が食塩である(3)項に記載の凝固卵、 (5)薄層の凝固卵白の食塩濃度が0.1〜0.7%
(本明細書では重量%を単に%と記す。)である(4)
項に記載の凝固卵、 (6)多数のホール卵を集めて全体を均一の硬さに凝固
させてなり、凝固卵白相中に球状の凝固卵黄を点在させ
てなる凝固卵を有し、かつ固形物として、動物性固形食
品及び/又は植物性固形食品を含むことを特徴とする加
熱凝固体、及び (7 )通電容器内にホール卵を充填し、その上部に希可
食性塩類溶液の薄層を形成したのち、高周波電流を通電
し、加熱することを特徴とする加熱凝固卵の製造方法を
提供するものである。
【0006】本発明の凝固卵に用いられるホール卵と
は、卵殻を取り除いたままの状態でろ過していない全卵
をいう。卵は鶏卵に限らず、あひる卵、うずら卵等の家
禽卵ならどのようなものでもよい。
【0007】本発明の凝固卵とは全体を均一の硬さに凝
固されたものである。硬さが均一とは凝固の状態におい
て半熟及び乾燥状態の固化がなく、ほぼ同じ状態でゲル
化していることをいう。より具体的には、凝固された固
まりの各部において各々が通常の茹で卵の卵白部と卵黄
部が有するゲル化状態と同じになっていることをいう。
例えば卵白のみのゲル強度を示せばプランジャー径(6
mm上昇、6cm/分)200〜400g、より好まし
くは250〜350gである。また、凝固卵白相中に凝
固卵黄が点在するとは、卵黄がホールの状態で卵白液中
に浮遊したまま凝固した状態をいう。したがって卵黄膜
が破れて一部乱れた状態のものがまだら状に全体的に点
在している状態のものは含まれない。卵黄が球状の状態
で凝固していないということは、卵黄膜が破れて凝固し
ていることであり、凝固卵黄はホクホクした食感とはな
っていない。また、本発明の凝固卵において、凝固卵黄
が一側において最も密で、他の一側は粗であるとは凝固
卵白相中に点在する凝固卵黄が上層(一側)において密
に、下層(他の一側)が粗になっている状態をいう。
【0008】次に、本発明の凝固卵の例を図1及び図2
に模式図として示す。図中、1は可食塩類を含む凝固卵
白の薄層、2は凝固卵黄、3は凝固卵白であり、4が凝
固卵黄が粗な下部を示す。5はこのようにして得られた
新しい食材としての凝固卵である。図2は凝固卵5の薄
層1と下部4をカットして得たホール卵のみからなる凝
固卵6を示す。ここで、図1と同符号は同じものを示
す。図2は凝固卵黄が全体にわたって平均して凝固卵白
相中に点在する凝固卵である。本発明の凝固卵の一側に
形成された凝固卵白の薄層は、微量で電解電流を高める
目的で加えた可食塩類を含むものである。可食塩類とは
具体的には、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫
酸カルシウム、硫酸カリウム、臭化マグネシウムなどで
ある。可食とするのは直接、間接的に食品として安全性
が必要であるからである。この可食塩類の濃度は好まし
くは、0.1〜0.7%、より好ましくは0.4%前後
が好適である。この凝固卵白の薄層の厚さは特に制限は
ないが、約2mm〜10mm程度の厚みの範囲で適宜に
設定される。
【0009】次に本発明の凝固卵の製造方法の一実施態
様を図面に従って説明するが、本発明はこれに制限され
るものではない。。凝固卵を製造するには、まず通電用
容器内に多数のホール卵を充填する。図3はこのように
ホール卵を充填した通電加熱用容器を断面図で示す説明
図である。図中、10は通電用容器内に充填したホール
卵、11は卵黄ホール、12は濃厚卵白、13は水様卵
白である。14は充填したホール卵の表層に形成した希
可食塩類層である。15、15は電極板、16は絶縁性
容器、17は絶縁性容器の内壁を示す。充填後のホール
卵10は、卵黄が卵黄膜に包まれたままであるが、図3
に示すように容器内で上部に密、下部に粗になって浮遊
する。比重の差により、比重の軽い卵黄は上部に浮き上
がり、濃厚卵白は卵黄に直接付着して卵黄と一緒に浮き
上がるが、濃厚卵白の外周の水様卵白は分離して容器の
底部に沈殿する。卵黄と卵白の比は重量比で1対2であ
るが濃厚卵白が卵黄に付着しているため完全には分離し
ない。卵黄に付着した卵白と水様卵白の比は重量比で2
対1から経時変化により1対2にまで変化する。
【0010】次に充填したホール卵の上部に希可食塩類
溶液の層14を薄層として形成する。この可食塩類溶液
は表層全体を覆うようにする。この場合、薄層の厚み
は、部分によって多少の凹凸があっても表層全体を覆う
ことができればよい。薄層は2、3mm〜10mmの厚
さとするのが好ましい。通常、薄層の厚さ及び可食塩類
の濃度は導電性を高める効果と正の相関関係にある。し
たがって、薄層が薄すぎると導電性が不足し、また、可
食塩類の濃度が低すぎると表層自体が凝固せず、高すぎ
ると加熱過剰となる。この薄層は高周波通電時において
表面の表層部を早目に凝固させ、容器内の内容物と外気
とを遮断させ、内容物と外気との対流をなくす作用を有
する。
【0011】このように可食塩類の溶液を形成したの
ち、図3の電極15、15より高周波電流により通電加
熱する。通電加熱とは材料自体を一つの通電体とみなし
てその発熱を目的とする手法である。ここでいう高周波
とはkHz(キロヘルツ)単位のもので1〜1000k
Hzの範囲の周波数のものが好ましく用いられる。本発
明では高周波を用いることが必要であり、低周波では均
一に凝固しない。また、マイクロ波では厚みのあるもの
は均一迅速加熱できない。好ましくは150kHz〜4
00kHzの高周波である。通電加熱の時間は特に制限
はないが、通常10〜70分で十分である。この加熱に
より卵液の温度は90〜100℃となる。通電加熱後、
凝固卵を取り出して速やかに常温以下に冷却させる。冷
却法は特に制限はないが、真空冷却、密封包装後のチラ
ー冷却方法などを採用してもよい。
【0012】このようにして本発明の製法により図1に
示される凝固卵が得られる。これはそのまま用いること
ができるが、その上部表面の希可食塩類の薄層を含む部
分を取り除いて使用に供することもでき、さらに、下部
をカットして図2のようにして用いることもできる。本
発明に係る凝固卵は用途に応じてどのような形としても
よく、また適宜切断して任意の大きさで提供しうること
はいうまでもない。本発明の凝固卵の製造方法は、上記
から明らかなようにホール卵を一個ずつ凝固させるので
はなく、多数を同時に凝固させて凝固卵白相中に球状の
凝固卵黄を点在させた均一の硬さの一体の凝固物としう
る点に特徴があり、本発明の凝固卵はこうして得られた
全く新しい食材である。ここでホール卵が多数とは、本
発明の製法においてある程度の個数であれば十分であ
り、凝固卵黄が、通常2個以上、好ましくは10個以
上、より好ましくは20個以上をいう。また得られた凝
固卵は適宜に切断しうるものであり、したがって凝固卵
中に多数の凝固卵黄が存在することは、凝固卵白相中に
複数の凝固卵黄が存在すれば足り、通常2個以上であ
り、好ましくは10個以上である。なお上記の説明で
は、熱凝固物としてホール卵を例にとって説明したが、
本発明はこれに限定されず、その他熱凝固物の凝固体の
形成に適用できることはもちろんである。そのような物
質としては液部には卵液として卵白、全卵及び加工卵液
があり、固形物には、ハム、ソーセージ、蒲鉾等の動物
性固形食品、及びグリーンピース、カット野菜等の植物
性固形食品がある。
【0013】
【作用】本発明に係る加熱凝固方法では、通電用容器の
加熱不足部分にあらかじめ希可食塩類溶液を薄層として
表面に添加してから、高周波通電加熱を行うので、図3
のように独特の分布を有する2つの物性の異なるホール
卵においても、容器中全体にわたってほぼ均一に加熱が
施される。よって、従来のように、加熱の過不足部分が
生じることもなく、加熱むらを防止することができる。
これは表面に薄層があると電導度の高い表層部が早く熱
凝固し、放熱を防止することにより上下の凝固が同時に
進行し、均一に固まるためと考えられる。また、下部か
らの加熱オーバーによる気泡の発生が生じることもな
く、各ホール卵の卵黄膜を傷つけることなく、卵黄を凝
固させることができるので、卵黄はホクホクした食感に
仕上がる。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、従来不可能であった凝
固卵白相中にホクホクした食感の凝固卵黄を点在させた
新しい食材としての凝固卵を提供できる。ホクホクした
食感とは殻付き卵を茹でて得られる茹で卵から分離し
て、取り出した卵黄が本来有する独特の食感であり、従
来の方法で、一旦卵黄膜を破り、その後卵黄液をそのま
ま熱凝固しても得られない食感である。この凝固卵は全
体がほぼ均一の硬さで凝固していて、点在した凝固卵黄
はホクホクした食感を有するので、サラダやスプレッド
の原料として好適である。また、従来不可能であった厚
さ3cm以上、例えば厚さ20cmのブロック状等の大
きな凝固卵を製造することができ、厚さ10cmの板状
のブロックで重量10〜20kgのものを製造できる。
このような凝固卵は卵スプレッドの原料としてダイサー
処理しうるため、実用上、取り扱いに便利な形状と重量
であり、量産化が容易であり、生産性の向上を図ること
ができる。
【0015】次に本発明の試験例を説明する。 試験例 図3に示すと同様の、両サイドに電極板を取り付けた、
底面積150mm×150mmの直方体の通電用容器に
ホール卵1500g(鶏卵約30個分に相当)を充填
し、厚みが6cm程度になるようにした。次にこのホー
ル卵液の表面に下記のように表層を形成して、あるいは
形成しないで、通電加熱を行った。これをテスト〜
とする。 No. 表層 テスト 希可食塩類溶液の無添加 テスト 0.1%希可食塩類溶液の添加 テスト 0.4%希可食塩類溶液の添加 テスト 0.6%希可食塩類溶液の添加 テスト 0.8%希可食塩類溶液の添加 テストについては0.1%の食塩水40gを2倍量の
卵白80gに予め均一混合したものを0.1%希可食塩
類溶液として使用した。テスト〜についても同様な
方法で調製した。
【0016】このようなホール卵について周波数400
kHz、電圧250V、電流12Aで10分間、通電加
熱し、テスト〜に対応する凝固卵のブロック試料
〜を得た。また、テスト及びにおけるホール卵液
の通電加熱中の上部薄層部分(又は表層部分)(イ)と
底部中心部分(ロ)について測定した結果を図4及び図
5に示した。図4から明らかなように、希可食塩類溶液
を添加しない場合、表層部は、他の部位とほとんど同じ
速度で品温が上昇するため、結果的にホール卵が密の状
態で存在する卵液の上層部の加熱不足が生ずる。これに
対し、図5から明らかなように、希可食塩類溶液を添加
しているので、上部薄層部分が他の部位より早く温度上
昇することにより、結果として卵液の上層部の加熱不足
を解消することができる。
【0017】また対照として熱水加熱方式による試験を
行った。耐熱ポリ袋(220mm×220mm)に15
00gのホール卵を充填シール後、厚さ3cmとし、こ
れを90℃の熱水で30分加熱したものを対照、殻付
き卵を90℃の熱水で20分加熱したものを対照とし
た。テスト〜、対照及びのそれぞれについて、
得られた凝固卵のブロック(または茹で卵)の上部、中
部、下部のゲル強度とへこみを調べたところ表1のよう
な結果を得た。
【0018】
【表1】
【0019】表1の結果より、テストとはほぼ均一
に卵白部が凝固しており、凝固した卵白部の硬さが茹で
卵(対照)とほぼ同等であることがわかる。
【0020】また、テスト〜、対照及びの卵黄
の形状、気泡の有無、卵黄の食感(ホクホク感)を調べ
たところ、表2のような結果を得た。
【0021】
【表2】
【0022】テスト〜は、加熱オーバーによる気泡
の発生が少ないため、充填時に若干つぶれることを除け
ばほぼつぶれることなく凝固している。このため、テス
ト〜の卵黄がホクホクした状態で凝固していること
がわかる。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明する。 実施例1 ホール卵16kgを図3に示したと同様の通電用容器
(500mm×400mm×80mm)に充填し、その
表面に0.4%の食塩水350gを2倍量の卵白700
gに混合した溶液1050gを添加した。通電条件とし
て、周波数400kHz、電圧250V、電流12Aに
て、25分間加熱した。電極板は40cm幅の両サイド
に取り付けた。加熱後、真空冷却を行い、無菌的なホー
ル卵の固まりを取り出し、その後表層1cmの厚さを切
断することにより食塩含有の薄層部分を除くことによ
り、厚さ7cm前後で14kg重量の固まりの大きさ
(500mm×400mm×70mm)の全体が均一の
硬さで凝固した凝固卵が得られた。その中の凝固卵黄の
食感は茹で卵のそれと同様、良好であった。
【0024】実施例2 ホール卵100kgを図3に示したと同様の通電用容器
(1000mm×1000mm×100mm)に充填
し、その表面に0.3%の食塩水1800gを2倍量の
卵白3600gに混合した溶液5400gを添加した。
通電条件として、周波数400kHz、電圧250V、
電流12Aにて65分間加熱した。電極板は100cm
幅の両サイドに取り付けた。加熱後、真空冷却を行い、
無菌的なホール卵の固まりである幅100cmで厚さ2
0cmの200kg重量の固まりの大きさ(1000m
m×1000mm×200mm)の全体が均一の硬さで
凝固した凝固卵が得られた。その中の凝固卵黄の食感は
茹で卵のそれと同様、良好であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の凝固卵の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の凝固卵の他例を示す模式図である。
【図3】本発明の通電加熱容器を示す説明図である。
【図4】比較例の内部品温度変化を示すグラフである。
【図5】本発明の内部品温度変化を示すグラフである。
【図6】従来法により多数のホール卵を加熱して得た凝
固卵の状態を示す説明図である。
【符号の説明】 1 凝固卵白の薄層 2 凝固卵黄 3 凝固卵白相 4 凝固卵の下部 5、6 凝固卵 10 ホール全卵 11 卵黄ホール 12 濃厚卵白 13 水様卵白 14 希可食塩類層 15 電極板 16 絶縁性容器 17 絶縁性容器の内壁
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/01 A23L 1/31 - 1/325 A23L 1/326 - 1/333

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数のホール卵を集めて全体を均一の硬
    さに凝固させてなり、凝固卵白相中に球状の凝固卵黄を
    点在させてなることを特徴とする凝固卵。
  2. 【請求項2】 多数のホール卵を集めて全体を均一の硬
    さに凝固させてなり、凝固卵白相中に球状の凝固卵黄が
    一側において最も密であり、他の一側に行くに従い、粗
    になるように点在させてなることを特徴とする凝固卵。
  3. 【請求項3】 一側の表層が希可食塩類を含む凝固卵白
    の薄層からなる請求項1又は2に記載の凝固卵。
  4. 【請求項4】 可食塩類が食塩である請求項3に記載の
    凝固卵。
  5. 【請求項5】 薄層の凝固卵白の食塩濃度が0.1〜
    0.7%である請求項4に記載の凝固卵。
  6. 【請求項6】 多数のホール卵を集めて全体を均一の硬
    さに凝固させてなり、凝固卵白相中に球状の凝固卵黄を
    点在させてなる凝固卵を有し、かつ固形物として、動物
    性固形食品及び/又は植物性固形食品を含むことを特徴
    とする加熱凝固体
  7. 【請求項7】 通電容器内にホール卵を充填し、その上
    部に希可食性塩類溶液の薄層を形成したのち、高周波電
    流を通電し、加熱することを特徴とする加熱凝固卵の製
    造方法。
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