JPH07227262A - 酸素吸収多層シート - Google Patents

酸素吸収多層シート

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JPH07227262A
JPH07227262A JP1825294A JP1825294A JPH07227262A JP H07227262 A JPH07227262 A JP H07227262A JP 1825294 A JP1825294 A JP 1825294A JP 1825294 A JP1825294 A JP 1825294A JP H07227262 A JPH07227262 A JP H07227262A
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oxygen
layer
thermoplastic resin
absorbing
multilayer sheet
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JP1825294A
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Tadatoshi Ogawa
忠俊 小川
Toshio Kawakita
敏夫 川北
Takanori Kume
孝典 久米
Takashi Sakakibara
孝 榊原
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】臭気発生のない食品衛生性に優れた酸素吸収多
層シートを提供すること。 【構成】熱可塑性樹脂15〜70重量%と粒径5〜20
0μmで比表面積1000cm 2 /g以上の還元鉄粉30〜8
5重量%からなる酸素吸収層(A)、これと熱可塑性樹
脂層(B)、脱臭層(C)および多孔質層(D)を以下
の層構成に積層してなる酸素吸収多層シート。熱可塑性
樹脂層(B)/脱臭層(C)/酸素吸収層(A)/多孔
質層(D)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸素吸収多層シートに
関する。更に詳しくは、臭気発生の少ない食品衛生性に
優れた酸素吸収多層シートに関する。
【0002】
【従来の技術】脱酸素剤は食品をはじめ、種々の製品の
保存に際して酸素が好まれないような場合に、酸素の除
去を目的として多方面で使用されている。従来、脱酸素
剤の使用形態としては、通気性を有する小袋に鉄粉など
の脱酸素剤を封入した、いわゆるパウチタイプが使用さ
れてきたが、近年取扱いが容易であり、これまでのパウ
チタイプでは使用できなかった用途分野への展開をはか
るべくシートタイプの開発が試みられてくるようになっ
た。たとえば、酸素吸収能力を制御した酸素吸収シート
としては酸素吸収剤を樹脂に充填して多孔質化する方法
として特開平2-203937号公報に記載されるものが挙げら
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、該酸素
吸収シートは使用条件によっては臭気が発生する場合が
あり、また、酸素吸収剤がシート表面に露出しているた
め食品を汚染するなどのおそれがあり、食品用途への適
用には必ずしも充分とは言い難かった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑み、取扱いが容易で、使用時の臭気発生や酸素吸収剤
の溶出のない酸素吸収シートについて鋭意検討を重ねて
きた。その結果、酸素吸収剤である鉄粉と熱可塑性樹脂
を溶融混合の後、成形したシートを延伸してなる酸素吸
収シートに多孔質脱臭層と多孔質層を設けそれらを特定
の層構成とすることにより上記課題を解決できることを
見い出し本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、
熱可塑性樹脂15〜70重量%と粒径5〜200μmで
比表面積1000cm2 /g以上の還元鉄粉30〜85重量%
からなる酸素吸収層(A)、これと熱可塑性樹脂層
(B)、多孔質脱臭層(C)および多孔質層(D)を以
下の層構成に積層してなる酸素吸収多層シートを提供す
るものである。熱可塑性樹脂層(B)/脱臭層(C)/
酸素吸収層(A)/多孔質層(D)
【0005】本発明の酸素吸収層(A)のシートは熱可
塑性樹脂の中に特定の鉄粉を溶融混練により均一に分散
させて得られるシートまたは必要に応じ、特定条件下で
延伸して得られる酸素吸収性を有するシートである。本
発明で用いる鉄粉粒子は多孔質(スポンジ状)あるいは
微粒子の凝集構造をとらせるなどの工夫により、粒径の
割に、大きな比表面積を有するため高い酸素吸収性能を
発現する。本発明で酸素吸収層(A)および熱可塑性樹
脂(B)に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、
高圧法で得られる分岐低密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のα−オレフ
ィンホモポリマー、エチレンと炭素数3〜18の少なく
とも一種のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンと
エチレンおよび/またはブテン−1との共重合体、エチ
レンと酢酸ビニルおよび/または(メタ)アクリル酸エ
ステル類などエチレン性不飽和結合を有する有機カルボ
ン酸誘導体との共重合体、ポリアミド類、ポリエステル
類、ポリスチレン類、ポリカーボネートなどから選ばれ
る一種または二種以上の混合物が挙げられる。この中、
密度が0.945 g/cm3 以上でメルトフローレートが0.1
〜10g/10分である線状ポリエチレン樹脂が臭気発
生を少なくする点では好ましい。 さらに、その中でも
25℃におけるキシレン抽出成分量が0.5重量%以下で
ある線状ポリエチレンが好ましい。本発明で使用する酸
素吸収剤である鉄粉は、粒径が5〜200μmで比表面
積が1000cm2 /g以上の還元鉄粉である。粒径に関し、
より好ましい範囲は50〜200μmである。粒径が5
μm未満の場合はシート加工性延伸加工性が劣る。ま
た、200μmを超える場合は薄肉加工性が劣る。ま
た、酸素吸収性能の発現のためには鉄粉は前記粒径に加
えてその比表面積が1000cm2 /g以上であり、好ましく
は5000cm 2/g以上である。このような粒径および比表
面積を有する鉄粉としては、その粒子が多孔質体(スポ
ンジ状)あるいは、微小粒子からなる凝集体であること
が好ましい。また、本発明で用いられる鉄粉は還元鉄で
あることが必要で、できるだけ不純物を含まないものが
良い。不純物として特にイオウ含量は100ppm 以下が
好ましくこれを越すと硫化水素などの悪臭発生の原因と
なる。また鉄の酸化物は酸素吸収性能に悪影響を及ぼす
だけでなく、特に溶融状態のポリマーに対して臭気上の
悪影響を及ぼすことがあり存在させないことが好まし
い。上記鉄粉は電解質を表面に付着またはコートさせて
使用するのが好ましい。
【0006】本発明の酸素吸収層には、酸素吸収速度を
促進させるために電解質を含有していることが好まし
い。かかる電解質としては、例えばハロゲン化物、炭酸
塩、硫酸塩または水酸化物等が挙げられる。これらの中
で好ましいのはハロゲン化物であり、さらに好ましくは
CaCl2 、NaCl、MgCl2 等である。 本発明
の酸素吸収層に使用する熱可塑性樹脂組成物における還
元鉄粉の含有量は、30〜85重量%である。還元鉄粉
の含有量が30重量%未満の場合には大気中の酸素を吸
収する能力が低く好ましくない。一方、85重量%を超
す場合は得られるシートが脆くなって好ましくない。熱
可塑性樹脂と還元鉄粉からなる延伸前の熱可塑性樹脂組
成物シートの厚さは用途目的により適宜選択することが
できるが、通常30μm〜5mmである。30μm未満の
場合は所望の酸素吸収能を得るために非常に大面積のシ
ートを使用しなければならないケースもあり包装される
食品自体より大きくなり目立ってしまい好ましくない。
一方、5mmを超す場合は、シート加工後の必要に応じて
行う延伸においてシートを均一な延伸温度にすることが
難しく均一な延伸ができなかったり延伸応力が非常に大
きくなり通常の装置で延伸できない場合もある。また、
用途目的に応じ非常に高性能な酸素吸収性能が要求され
る場合には、酸素吸収層(A)を延伸加工により多孔化
するとよい。この際延伸条件は、通常、少なくとも一軸
方向に1.5 〜9倍の延伸倍率で行うと良好な酸素吸収性
能が得られる。9倍を超えるとシート強度が著しく低下
し好ましくない。本発明の酸素吸収層のシートを得るた
めの還元鉄粉含有熱可塑性樹脂組成物には、本発明の効
果を実質的に損わない範囲で酸化防止剤、分散剤等を配
合させることができる。
【0007】本発明に用いられる多孔質層(D)は耐水
性を持たせつつ、通気性を有することを目的として設け
るものであり、実用上は食品衛生性を改良するものであ
る。この多孔質層は、特開昭63−139925号公報に記載さ
れているように充填剤と熱可塑性樹脂とからなる樹脂組
成物を延伸微多孔化したフィルムでもよいし、または非
相溶性の樹脂を混練し、一方の樹脂を溶媒により溶出さ
せて微多孔化したフィルムでもよい、または連通発泡体
よりなるフィルムでもよい。本発明に用いられる多孔質
層(D)は気体は透過するが水は透過させないものであ
る。上記製法の中では、延伸微多孔化法が経済的観点な
どから好ましく、用いられる充填剤の量は、熱可塑性樹
脂100重量部に対して50〜400重量部の範囲が好
ましくそのときの充填剤の粒径は0.1 〜20μmの範囲
が好ましい。また、上記多孔質層(C)を酸素吸収層
(A)と多層化する方法は、適宜選ぶことができるが、
気体透過性を損わない範囲での熱貼合、例えばポリウレ
タン系樹脂の様な気体透過性に優れた樹脂を用いての貼
合でもよいし、あるいは酸素吸収層(A)と充填剤を含
む樹脂組成物とを2層押出しておいて2層同時延伸する
方法等が挙げられる。この中、作業工数を少なくする点
で、後者の2層押出しておいて2層同時延伸する方法が
好ましい。
【0008】本発明に用いられる脱臭層は、活性炭粒状
物を樹脂に混練しシート加工する。また必要に応じて延
伸多孔化してもよい。多孔化については互いに非相溶性
の2種の樹脂と活性炭を混練し、一方の樹脂を溶解する
溶媒により溶出させることにより作製してもよいし、ま
たは活性炭を混練した樹脂組成物を連通発泡することに
よりなるものでもよい。用いられる活性炭としては、粒
径が10〜500μmのものがシート加工性および延伸
加工性の点から好ましい。活性炭の比表面積は300m
2 /g以上が好ましく、500m2 /g以上がさらに好
ましい。活性炭の細孔径は10Å以上であることが好ま
しく、10Å未満であると臭気分子の大サイズのものが
吸着できず好ましくない。
【0009】脱臭層を作製する場合は、酸素吸収層
(A)、あるいは耐水性を付与するための多孔質層とす
る樹脂組成物を同時に多層押出し延伸加工しあてもよい
し酸素吸収層(A)にラミネートしてもよい。工程数を
少なくする点から樹脂と脱臭剤とを含む組成物を同時に
多層押出しし、延伸することが好ましい。用いられる脱
臭剤は、活性炭のように物理吸収効果により脱臭するも
の、化学的に臭気成分と結合し臭気成分を吸着するも
の、化学的に臭気成分を分解するもの、微生物によるも
のなどを挙げることができる。これらの中、価格面およ
び熱可塑性樹脂との混練の際の熱的安定性の点から、活
性炭が好ましい。また、本発明の酸素吸収多層シートに
は、意匠を目的として印刷等を施したフィルムを熱可塑
性樹脂側の最外層に設けてもよい。
【0010】本発明の酸素吸収多層シートは、例えば以
下の様な方法で作製することができる。まず、熱可塑性
樹脂と還元鉄粉(酸素吸収剤)、必要に応じて分散剤や
安定剤等を含む樹脂組成物を、バンバリー型の混練機あ
るいは一軸、または二軸押出機等を用い作製する。この
際に不活性ガスを通じておくと混練時に樹脂と鉄粉によ
る臭気発生を抑制することができる。こうして得られた
コンパウンドを、好ましくはそのまま溶融状態でTダイ
によりシート化するか、もしくは一旦ペレット化して押
出機を通してシート化し、必要に応じて延伸加工を行
う。このシート加工時、粒状活性炭と熱可塑性樹脂から
なる樹脂組成物と硫酸バリウムのような充填剤と熱可塑
性樹脂からなる樹脂組成物を別々の押出機によりT−ダ
イへ流すことによって多層シートを得てもよい。また、
延伸は一軸または二軸で行う。一軸延伸の場合には通
常、ロール延伸が好ましい。また、延伸は一段でも二段
以上でも可能であり、二軸延伸の場合は同時二軸延伸で
も可能であるし、縦方向の延伸を行った後に横方向を延
伸する逐次二次延伸でも可能である。その後シート状脱
臭層の上部より樹脂ラミネートを行い熱可塑性樹脂層を
設けることができる。
【0011】
【発明の効果】本発明の酸素吸収多層シートは酸素吸収
能力および酸素吸収速度の制御性に優れ、使用時の臭気
発生が著しく少なく、酸素吸収剤の溶出もないので、食
品用途への酸素吸収シートとして極めて有用である。
【0012】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。実施例および比較例に示した物性の測定法は以下の
通りである。 一次粒子径:凝集粒子を一次粒子に分解するために、エ
タノール中に粒子を分散させ超音波振とう処理を行な
う。これを島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定装
置(SALD−1100型) にて、粒度分布を測定し、最小
粒子から体積を積算し、全体積の50%に達する粒子径
を求める。その後、再び超音波振とう処理をし、粒度分
布を測定し前の測定値との変化が1%以下になるまで繰
り返し行い、その粒子径を一次粒子径とした。
【0013】凝集粒子径:島津製作所製レーザー回折式
粒度分布測定装置(SALD−1100型) にて、凝集粒子
の粒度分布を測定し、最小粒子から体積を積算し、全体
積の50%に達する粒子径を求め、これを凝集粒子径と
した。 比表面積:試料約0.3gを吸着試料管に入れ、窒素30
vol %、ヘリウム70vol %の混合ガスのフロー(30
ml/分)下、200℃で20分間加熱処理を行ない放冷
後、約−196℃の液体窒素の中に吸着試料管を入れN
2 ガスの吸着量を22℃1気圧の吸着量(V)として測
定した。BET式より近似して求めた次式に吸着量
(V)を入れてサンプルの全表面積Stを求めた。 注) St=2.84×V〔m2 〕 全表面積をサンプル重量(W)で割ることにより比表面
積Sを算出した。 S=St/W〔m2 /g〕 注)B.E.T.式 ここで P : 吸着ガスの蒸気圧 Po: 冷却温度での吸着ガスの飽和蒸気圧 X : 相関圧力P/Poにおいて試料表面に吸着され
たガス量(重量) Xm: 単分子層に吸着したガス量(重量) C : 吸着エネルギーに関する定数 Xm = X(1−P/Po) ガスの理想状態方程式から ここで P’: 大気圧 V : 吸着又は脱着したガス量(体積) M : 1モルの吸着ガス量(重量) R : 気体定数 T : 大気温度 Xを(2)に代入すると そしてサンプルの全表面積は次式により求められる。 ここで St : 単分子層を形成した全表面積。即ち、サンプ
ルの全表面積 N : アボガドロ数 M : 1モルの吸着ガス量 AcS: 吸着ガスの断面積 従って 吸着ガスとして窒素を用い、22℃1気圧のもとで上式
は次のように表される。 St= V(1−P/Po)×4.03 (6) Poは大気圧より平均して15mmHg高いと仮定すると
(6)式は次のように表される。(P/Po=760/
775) St=2.84×V 〔m2
【0014】酸素吸収性能:還元鉄粉1gを含む酸素吸
収多層シートを加えた場合に密閉中の23℃、100%
RH下の空気200cm3 中の酸素 (40cm3 ) を除くの
に要する時間である。 臭気:臭気は還元鉄粉1.4gを含むサイズの酸素吸収シ
ートと水2cm3 を容積500cm3 のガラス瓶にいれ密閉
し、60℃で1時間放置し30分間放冷した後の開放時
の臭気を以下の5段階の基準で評価した。 A:無臭 B:ほとんど無臭 C:弱く臭う D:臭う E:かなり臭う 酸素吸収剤溶出性(食品衛生性):酸素吸収多層シート
を23℃、100%RH下に2週間保持し、酸素吸収シ
ートの表面に濾紙を軽く押しつけ酸素吸収剤の溶出性を
以下の様に評価した。 ○:全く転写されず、溶出は観測されなかった △:若干の鉄錆、鉄粉、電解質または鉄化合物の転写が
観測された ×:かなりの鉄錆、鉄粉、電解質または鉄化合物の転写
が観測された
【0015】実施例1 線状ポリエチレン樹脂(ニポロンハード4010;東洋曹達
(株)製 密度0.963g/cm3 MFR=5.5g/10
分、25℃におけるキシレン抽出量0.3重量%)30重
量部と還元鉄粉(一次粒子径7μmからなる凝集径10
6μmで比表面積1m2 /gである鉄粉に電解質として
2重量%の塩化カルシウムを含む)70重量部とでバン
バリー型の混練機にて樹脂組成物Aを窒素雰囲気下にて
作製した。次に、多孔質層の樹脂組成物として、線状ポ
リエチレン樹脂としてニポロンハード4010を40重量部
と硫酸バリウム(日本化学工業(株)、平均粒径5μ
m)60重量部からなる重量組成物Bを同様に作製し
た。また脱臭層用の樹脂組成物として粒径10μm、比
表面積1000m2 /g、細孔径10Åの粒状活性炭3
0重量部と熱可塑性樹脂としてニポロンハード4010を7
0重量部混練し、樹脂組成物Cを作製した。この3種の
樹脂組成物を樹脂組成物Aを1.0 mm、樹脂組成物Bを0.
2 mm、樹脂組成物Cを0.3 mmの厚みでA,B,Cの順序
になるように多層シート加工を行った。このようにして
作製したシートを、ロール型の延伸機にて128℃で縦
方向に7倍に延伸し酸素吸収シートを得た。次に、印刷
フィルム層(ポリエチレンテレフタレート製)を高圧法
ポリエチレン(G701;住友化学工業(株)製 密度
0.918 g/cm3 MFR=7g/10分)により樹脂組成
物Cの側の酸素吸収層に坪量20g/cm2 でサンドラミ
ネートすることにより酸素吸収多層シートを得た。結果
として、酸素吸収能に優れ臭気発生が少なく酸素吸収剤
の流出のない酸素吸収多層シートとなった。
【0016】実施例2 樹脂組成物C中の充填剤を、粒径200 μm、比表面積50
0 m2 /g、細孔径35Åの粒状活性炭とすること以外は
実施例1と同様に加工を行い酸素吸収多層シートを得
た。結果として実施例1と同様に酸素吸収能に優れ臭気
発生の少なく酸素吸収剤の流出のない酸素吸収多層シー
トとなった。
【0017】実施例3 樹脂組成物A、BおよびCを用いて実施例1と同様に多
層シート加工を行ない、その後延伸せず、樹脂組成物A
層の側にG701を坪量50g/m 2でラミネートし酸
素吸収多層シートを得た。
【0018】比較例1 多孔質層を設けないこと以外は実施例1と同様に加工を
行い酸素吸収多層シートを得たが、酸素吸収剤の流出が
ひどく実際の使用には耐えないものとなった。
【0019】比較例2 多孔質脱臭剤層を設けないこと以外は実施例1と同様に
加工を行い酸素吸収多層シートを得たが、臭気発生があ
り食品用の使用には耐えないものとなった。
【0020】比較例3 樹脂組成物Aにおける熱可塑性樹脂を90重量部、還元
鉄粉を10重量部とした以外は実施例3と同様に加工を
行い酸素吸収多層シートを得た。酸素吸収速度が非常に
遅く実用的価値に乏しい。結果を表1にまとめた。
【0021】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榊原 孝 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂15〜70重量%と粒径5〜
    200μmで比表面積1000cm2 /g以上の還元鉄粉30
    〜85重量%からなる酸素吸収層(A)、これと熱可塑
    性樹脂層(B)、脱臭層(C)および多孔質層(D)を
    以下の層構成に積層してなる酸素吸収多層シート。熱可
    塑性樹脂層(B)/脱臭層(C)/酸素吸収層(A)/
    多孔質層(D)
  2. 【請求項2】酸素吸収層(A)および熱可塑性樹脂層
    (B)に用いる熱可塑性樹脂が、α−オレフィンホモポ
    リマー、エチレンと炭素数3〜18の少なくとも一種の
    α−オレフィンとの共重合体、プロピレンとエチレンお
    よび/またはブテン−1との共重合体、エチレン性不飽
    和結合を有する有機カルボン酸誘導体との共重合体、ポ
    リアミド類、ポリエステル類、ポリスチレン類、ポリカ
    ーボネートから選ばれる一種、あるいはこれらの混合物
    である請求項1記載の酸素吸収多層シート。
  3. 【請求項3】酸素吸収層(A)に使用される熱可塑性樹
    脂の密度が0.945 g/cm3 以上、メルトフローレートが
    0.1〜10g/10分である線状ポリエチレン樹脂であ
    り、延伸温度(Tk 〔℃〕)が樹脂の融点(T
    m 〔℃〕)と以下の関係式で表される請求項1または2
    記載の酸素吸収多層シート。 Tm −20≦TK ≦Tm −2
  4. 【請求項4】線状ポリエチレン樹脂の25℃におけるキ
    シレン抽出成分量が0.5重量%以下である請求項3記載
    の酸素吸収多層シート。
  5. 【請求項5】脱臭層(C)が、粒径10〜500μmで
    比表面積300m2 /g以上、細孔径10Å以上である
    活性炭10〜40体積%と熱可塑性樹脂90〜60体積
    %からなる多孔性または非多孔性である請求項1、2ま
    たは4記載の酸素吸収多層シート。
  6. 【請求項6】多孔質層(D)が、熱可塑性樹脂100重
    量部と粒径が0.1 〜20μmである充填剤50〜400
    重量部からなる請求項5記載の酸素吸収多層シート。
JP1825294A 1994-02-15 1994-02-15 酸素吸収多層シート Pending JPH07227262A (ja)

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