JPWO2015186585A1 - 易カット性の吸収性積層体、及びそれを用いた包装袋 - Google Patents

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Abstract

本発明は、高い吸収性を有し、かつ容易に切り裂くことができる、吸収性積層体を与えることを目的とする。本発明の吸収性積層体は、以下の層をこの順で有する:10.2体積%超60.0体積%以下である無機吸収剤、及び熱可塑性樹脂を含む、ヒートシール性の内スキン層;10.2体積%超70.0体積%以下である無機吸収剤、及び熱可塑性樹脂を含む、中間層;熱可塑性樹脂を含む、外スキン層;並びにバリア層。

Description

本発明は、容易に切り裂くことができる吸収性積層体及びそれを用いた包装袋に関する。
近年、水分、ガス等の吸収に用いられる吸収性積層体が、包装袋の内層として用いられている。この包装袋は、シリカゲルパック等の吸収剤パックを内部に封入する必要がなくなるため、非常に有用である。このような吸収性積層体は、例えば特許文献1〜4に開示されている。
特許文献1は、ポリエチレンテレフタレートフィルム等からなる外層、アルミニウム箔等からなるガスバリア層、ポリオレフィン系樹脂及び吸湿性無機化合物を含む吸湿層、並びにポリオレフィン樹脂からなるガスブロック層を含む積層体から形成された包装容器を開示している。
特許文献1では、吸湿層の吸湿性無機化合物として酸化カルシウムを用いており、これは水を吸収して水酸化カルシウムとなる。このようにして生成した水酸化カルシウムは、炭酸ガスと反応すると炭酸カルシウムを生成すると共に、水を再び生成してしまう。そこで、ガスブロック層を用いることによって、水を吸収して生成した水酸化カルシウムを、炭酸ガスと接触させないようにして、水の再生成を防止している。ここでは、吸湿層で再生成した水を吸収するため、かつ/又は吸湿層に水分を透過させるために、ガスブロック層にゼオライト、塩化カルシウム等の吸湿性無機化合物をさらに含有させてもよいとしているが、その配合量については検討されておらず、実際に配合されている具体例も開示されていない。
特許文献2は、ポリエチレンテレフタレートフィルム等からなる基材層、アルミニウム箔等からなるガスバリア層、ポリエチレン層、及び吸収層(乾燥剤フィルム)を含む吸収性積層体から形成された包装容器を開示している。ここで、この吸収層(乾燥剤フィルム)は、乾燥剤含有樹脂からなる中間層(乾燥剤フィルム層)が、その両面を直鎖状低密度ポリエチレンからなる2つのスキン層(補強層)にサンドイッチされている3層構造を有している。
特許文献3は、ポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミニウム箔、吸収層(乾燥剤フィルム)、及びポリアクリロニトリルフィルムをこの順に含む吸収性積層体から形成された包装容器を開示している。ここでは、吸収層(乾燥剤フィルム)は、乾燥剤含有樹脂からなる中間層(乾燥剤フィルム層)の両面が、乾燥剤含有樹脂からなるスキン層にサンドイッチされている3層構造を有している。
特開2004−210392号公報 特開2005−280188号公報 特開2006−346888号公報
特許文献1〜3のような包装袋は、ヒートシール性を有する包装材料を重ね合せ、周縁をヒートシールして製造される。その際、周縁ヒートシール部にノッチ等を形成しておくことで、ユーザーは切り裂いて開封することができる。しかしながら、特許文献1〜3においては、吸収性積層体及びそれを用いた包装袋の切り裂き易さ(易カット性)について考慮されていなかった。
実際に、特許文献1の低密度ポリエチレンからなるガスブロック層、及び特許文献2の直鎖状低密度ポリエチレンからなる2つのスキン層は、粘弾性の大きい、引き裂きにくい層であり、包装袋を引裂いて開封することができなかった。
また、特許文献3のポリアクリルニトリル層は、通常引裂きやすいフィルムであるが、特許文献3の構造とした場合には、引き裂くのに大きな力を必要とする。無理に開封したとしても包装材料が伸びてしまい、引き裂き断面の見栄えが悪くなる。
さらに、特許文献1及び特許文献3では、吸湿剤を含む吸収層がアルミニウム箔等のガスバリア層と積層されているため、その界面が一部剥離する、いわゆるラミ浮きが発生することがあった。
また、包装袋にレーザー処理やポーラス処理等の易カット加工を施して易カット性を付与することもできるが、この場合加工工数が増えるという課題がある。
そこで本発明は、容易に製造することができ、高い吸収性を有し、かつ容易に、見栄え良く切り裂くことができる、吸収性積層体及びそれを用いた包装袋を与えることを目的とする。さらに、バリア層と吸収層との間でラミ浮きが発生しにくい、吸収性積層体及びそれを用いた包装袋を与えることを目的とする。
本発明者らは、以下の手段により、上記課題を解決できることを見出した。
〈1〉 以下の層をこの順で有する、吸収性積層体:
10.2体積%超60.0体積%以下である無機吸収剤、及び熱可塑性樹脂を含む、ヒートシール性の内スキン層;
10.2体積%超70.0体積%以下である無機吸収剤、及び熱可塑性樹脂を含む、中間層;
熱可塑性樹脂を含む、外スキン層;並びに
バリア層。
〈2〉 少なくとも1つの方向において引裂強さが、5.0N/mm未満である、上記〈1〉に記載の積層体。
〈3〉 折り曲げて内スキン層同士を温度160℃、圧力0.10MPa、1秒間でヒートシールした場合に、ヒートシール強さが6.0N/15mm以上となる、上記〈1〉又は〈2〉に記載の積層体。
〈4〉 前記外スキン層中の無機吸収剤が、10.0体積%以下である、上記〈1〉〜〈3〉のいずれか一項に記載の積層体。
〈5〉 前記内スキン層の無機吸収剤含有量が16.6体積%以上35.3体積%以下である、上記〈1〉〜〈4〉のいずれか一項に記載の積層体。
〈6〉 前記中間層の無機吸収剤の体積含有率が、前記内スキン層の無機吸収剤の体積含有率よりも高い、上記〈1〉〜〈5〉のいずれか一項に記載の積層体。
〈7〉 前記中間層及び内スキン層の無機吸収剤が、ゼオライト、アルミナ、酸化アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、シリカゲル、酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、五酸化二リン、過塩素酸マグネシウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、鉄粉、酸化第一鉄、第一鉄塩、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、酸素欠乏酸化セリウム、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、亜ニチオン酸塩及びこれらの混合物からなる群よりそれぞれ独立して選択される、上記〈1〉〜〈6〉のいずれか一項に記載の積層体。
〈8〉 前記バリア層が、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、アルミニウム蒸着ポリエステルフィルム、アルミニウム蒸着ポリプロピレンフィルム、シリカ・アルミナ蒸着ポリエステルフィルム、シリカ・アルミナ蒸着ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニリデンコートポリプロピレンフィルム、及びこれらの2以上の積層フィルムからなる群より選択されるフィルムを含む、上記〈1〉〜〈7〉のいずれか一項に記載の積層体。
〈9〉 60〜200μmの厚みを有する、上記〈1〉〜〈8〉のいずれか一項に記載の積層体。
〈10〉 上記〈1〉〜〈9〉のいずれか一項に記載の1又は複数の積層体の前記内スキン同士をヒートシールして、又は前記内スキン層を他のフィルムとヒートシールして形成された、包装袋。
本発明の吸収性積層体によれば、容易に製造することができ、高い吸収性を有し、かつ容易に切り裂くことができる、包装袋を与えることができる。また、本発明の吸収性積層体は、手で引裂いた場合であっても、その切断面において、樹脂フィルムの伸びやガタツキがなく、比較的綺麗に引裂くことができる。
本発明の1つの実施態様に関する積層体の積層構造を示す概略図である。
〈吸収性積層体〉
本発明の易カット性の吸収性積層体は、10.2体積%超60.0体積%以下である無機吸収剤及び熱可塑性樹脂を含む、ヒートシール性の内スキン層;10.2体積%超70.0体積%以下である無機吸収剤及び熱可塑性樹脂を含む、中間層;熱可塑性樹脂を含む、外スキン層;並びにバリア層を含む。上記の内スキン層、中間層、及び外スキン層を、本明細書中では吸収層という。
本発明の積層体は、その1つの方向において、好ましくは引裂強さが5.0N/mm未満となる。例えば、本発明の積層体は、積層体を形成する際のその流れ方向(MD)及び幅方向(TD)の1つの方向、好ましくは両方向で、引裂強さが5.0N/mm未満となる。
本発明の積層体の厚さは、例えば250μm以下、200μm以下、150μm以下、又は100μm以下とすることができ、また50μm以上、60μm、又は70μm以上とすることができる。
図1は、本発明の1つの実施態様についての積層体(100)の積層構造を示している。この積層体(100)は、内スキン層(11)、中間層(12)、及び外スキン層(13)からなる吸収層(1)に、バリア層(2)が積層されており、バリア層(2)は、アルミニウム箔層(21)及びポリエチレンテレフタレート層(22)を含んでいる。
(吸収層)
吸収層は、無機吸収剤及び熱可塑性樹脂を含む内スキン層、無機吸収剤及び熱可塑性樹脂を含む中間層、並びに熱可塑性樹脂を含む外スキン層を含む。好ましくは、中間層は、内スキン層よりも多くの無機吸収剤を含み、積層体に高い吸収性を付与する。そして、ヒートシール性の内スキン層を、多量の吸収剤の存在によってヒートシール性が比較的低い中間層に対して積層させることによって、積層体に高いヒートシール性を付与する。ただし、中間層の吸収剤の含有率を、内スキン層の含有率より低くすることもできる。
これらの層は、熱可塑性樹脂を含み、この樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が挙げられ、特に低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセン触媒を用いて重合したポリエチレン、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、メタロセン触媒を用いて重合したポリプロピレン、塩素化ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレン−アクリル酸共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー、カルボン酸変性ポリエチレン、カルボン酸変性ポリプロピレン、カルボン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体が挙げられ、さらに飽和ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、及びこれらの混合物も挙げられる。
吸収層の吸収対象としては、水分、有機及び無機のガス、例えば二酸化炭素、アンモニア、硫化水素、酸素、塩素、塩化水素等を挙げることができる。
内スキン層及び中間層に含まれる無機吸収剤としては、酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、五酸化二リン、過塩素酸マグネシウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の化学吸着剤、及びアルミナ、酸化アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、生石灰、シリカゲル、無機の分子篩等の物理吸着剤を挙げることができる。無機の分子篩の例としては、限定されないが、アルミノケイ酸塩鉱物、クレー、多孔質ガラス、微細孔性活性炭、ゼオライト、活性炭、又は水等の小分子を拡散させることが可能な開口構造をもつ化合物を挙げることができる。
また、無機吸収剤として、鉄粉(例えば、還元鉄粉、噴霧鉄粉、活性鉄粉等)、酸化第一鉄、第一鉄塩等の鉄系酸素吸収剤、ハロゲン化金属(例えば、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム等)、酸素欠乏酸化セリウム、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、亜ニチオン酸塩等の脱酸素剤を挙げることもできる。
無機吸収剤の平均粒子径(レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径)は、特に限定されるものではないが、例えば体積平均粒径が100nm以上、500nm以上、1μm以上、又は5μm以上であってもよく、又は100μm以下、50μm以下、30μm以下、又は15μm以下のものであってもよい。本発明では、吸収する目的物、内容物の性質、内スキン層の表面粗さ、目的の吸収速度等に合わせて、上記の無機吸収剤を適宜使い分けることができる。
吸収層を、多層インフレーション法によって製造することができる。これは複数の押出機によって同時に複数の樹脂をチューブ状に押出して、この中に空気を送って膨らませて、多層フィルムを製造する方法である。
また、吸収層の中間層をインフレーション法、Tダイ法、カレンダー法、キャスティング法、プレス成形、押出成形又は射出成形することによりフィルム状又はシート状に形成し、外スキン層及び/又は内スキン層を、公知の方法でフィルム化した後に、中間層を挟んでラミネートすることによって、吸収層を製造することもできる。
中間層をインフレーション法によって製造する前には、好ましくは熱可塑性樹脂と無機吸収剤とを二軸混練機で加熱混練した後に、ペレット状に加工することで、中間層および内スキン層用の樹脂組成物(ペレット)を作製する。さらに、上記ペレットと、熱可塑性樹脂のペレットとをドライブレンドすることで、無機吸収剤の含有率を希釈調整してもよい。そして、中間層及び内スキン層用のペレットと、外スキン層用の熱可塑性樹脂のペレットを用いて、インフレーション法により多層製膜を行うことで吸収層を製造する。中間層をインフレーション法により製造した後、別途製造した内外スキン層となるフィルムを熱圧着等によってラミネートして、吸収層を得てもよい。
吸収層をTダイ法によって製造する場合にも、事前にマスターバッチを作製してから、中間層及びスキン層のフィルムを成形することができる。この際に、中間層の両面又は片面にスキン層を共押出して、又はスキン層となるフィルムを熱圧着等によってラミネートして、吸収層を得てもよい。
吸収層の厚さは、例えば200μm以下、180μm以下、150μm以下、又は100μm以下であり、また30μm以上、40μm、又は50μm以上である。
(吸収層−内スキン層)
内スキン層は、本発明の易カット性の吸収性積層体の最外層(包装袋の最内層)に位置し、本発明の積層体にヒートシール性を与える。内スキン層が無機吸収剤を含むことで、吸収性積層体の易カット性及び飽和吸収量を向上させることができる。本発明者らは、この吸収性積層体を包装袋に用いた場合に、最内層である内スキン層が無機吸収剤を含んで易カット性となることによって、吸収性積層体全体が易カット性になることを見出した。
最内層である内スキン層が無機吸収剤を含むことで、吸収性積層体全体が易カット性になる理由としては、次の機構が考えられる。すなわち、粘弾性が強い熱可塑性樹脂のフィルムは、結合が強固であるため引き裂くことが困難である一方、吸収剤を混合した樹脂フィルムは、粒状の吸収剤が分散することで熱可塑性樹脂単体のフィルムよりも結合が緩められ、引裂き、引っ張り、突刺等の応力に対する物理的強度が弱くなることが考えられる。さらに、吸収剤を内スキン層に混合したことにより、内スキン層の表面が粗くなり、粗くなった表面の凹凸にねじれの応力が掛かることで、亀裂が入りやすく裂けの伝播が良くなることが考えられる。
内スキン層は、ヒートシール性を有する限り、無機吸収剤を多く含むことができ、内スキン層中に、10.2体積%超、11.0体積%以上、15.0体積%以上、16.6体積%以上、又は20.0体積%以上で、かつ60.0体積%以下、50.0体積%以下、45.6体積%未満、45.0体積%以下、40.0体積%以下、又は35.3体積%以下の範囲で無機吸収剤を含むことができる。無機吸収剤の含有量を高くする場合にはヒートシール性が損なわれる傾向にあり、樹脂の種類、ヒートシール温度、層厚み等を適切に選択する必要がある。60体積%を超えると、ヒートシール性を付与することは困難となる。
なお、層中に含まれる無機吸収剤の体積%を計算する場合に、無機吸収剤の比重が不明確な場合には、その層の比重を測定によって求め、その測定値と、無機吸収剤及び熱可塑性樹脂の添加重量と、熱可塑性樹脂の比重から求めてもよい。例えば、無機吸収剤50gと、比重0.90g/cmの熱可塑性樹脂50gとを用いて成形した層の比重が1.10g/cmであった場合には、その層に含まれている無機吸収剤は、比重が1.41g/cmと計算することができ、その層中で無機吸収剤が38.9体積%存在しているといえる。
内スキン層に用いられる樹脂は、ヒートシール性を付与するために、上述の樹脂の中でも特に、結晶性の樹脂から選ばれることが好ましい。
内スキン層は、内スキン層同士のヒートシール強さについては、内スキン層同士を温度160℃、圧力0.10MPa、1秒間でヒートシールした場合に、6.0N/15mm以上、8.0N/15mm以上、10.0N/15mm以上、15.0N/15mm以上、又は20.0N/15mm以上となることが好ましい。なお、JISZ0238によれば、一般包材の適正強度は、軽量−小サイズ−普通の強度が6N/15mm以上であり、重量−大サイズ−強めの強度が15N/15mm以上である。
内スキン層の厚さは、例えば30μm以下、20μm以下、又は15μm以下であり、また5μm以上、又は8μm以上である。
(吸収層−中間層)
中間層は、内スキン層の無機吸収剤の含有率以下とすることもできるが、内スキン層の無機吸収剤の含有率以上とすることが好ましい。被吸収物質の吸収量及び易カット性、並びにフィルム化安定性の観点から、中間層中に、10.2体積%超、11.0体積%以上、15.0体積%以上、又は20.0体積%以上で、かつ70.0体積%以下、60.0体積%以下、又は50.0体積%以下の範囲で無機吸収剤を含むことができる。
中間層の厚さは、例えば10μm以上、20μm以上、又は30μm以上であり、150μm以下、100μm以下、又は80μm以下である。
(吸収層−外スキン層)
外スキン層には、バリア層との貼り合わせの観点から、好ましくは無機吸収剤を含まない。外スキン層が無機吸収剤を多く含むと、外スキン層の表面が粗くなり、バリア層と外スキン層とが解離する、いわゆるラミ浮きが発生しやすくなるため、外スキン層が無機吸収剤を含む場合であっても、その層中で10.0体積%、7.0体積%、5.0体積%、3.0体積%、又は1.0体積%以下となることが好ましい。10.0体積%以下であれば、外スキン層の表面があまり粗くなることがないため、バリア層との間にラミ浮きが発生することはほとんどなく、7.0体積%以下の場合には特にその効果が高い。
外スキン層の厚さは、例えば20μm以下、又は15μm以下であり、また5μm以上、又は8μm以上である。
本発明者らは、外スキン層が無機吸収剤をほとんど含まずに、通常は粘弾性が高く、容易に切り裂くことができない樹脂、例えば低密度ポリエチレンから構成されていたとしても、吸収性積層体全体の易カット性には大きな影響を及ぼさないことを見出した。これは、外スキン層が比較的薄いこと、および外スキン層が接する上下の層によって押さえつけられ、伸びることができない構造であることにより、外スキン層が低密度ポリエチレン等であったとしても、上下の層と共に引裂くことができるためと考えられる。
(バリア層)
バリア層は、吸収層を外部環境と隔離するための層である。本発明の積層体を用いて包装袋を作製した場合には、袋外部にバリア層が位置する。バリア層は、本発明の積層体にバリア性を付与する他、適切なコシ、強度等も与えることが好ましい。さらに、本発明の積層体に易カット性を付与できるように、バリア層も易カット性であることが好ましい。ただし、バリア層の少なくとも1層は、易カット性でなくてもよい。
このようなバリア層としては、金属箔、樹脂フィルム(例えば、延伸樹脂フィルム)及びこれらの積層体が挙げられ、特にアルミニウム(Al)箔、アルミニウム合金箔、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)フィルム、ポリアクリロニトリル(PAN)フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体(PVA)フィルム、ポリアミド(例えば、ナイロン(登録商標)、ナイロン6、ナイロンMXD6)フィルム、及びこれらの2以上の積層フィルムからなる群より選択されるフィルムが挙げられる。例えばバリア層は、PETフィルムとAl箔との積層フィルムとすることができ、この場合PETフィルムを最外層とし、Al箔を吸収層側に位置させる。
その他、金属、半金属若しくはそれらの酸化物の蒸着層又はハロゲン化ポリマー層を少なくとも有する熱可塑性樹脂フィルムを、単独で又は上記のフィルムと組み合わせて用いることもできる。具体的には、金属、半金属又はそれらの酸化物の蒸着層としては、アルミニウム蒸着膜、シリカ蒸着膜、アルミナ蒸着膜、シリカ・アルミナ二元蒸着膜等を挙げることができ、ハロゲン化ポリマー層としては、ポリ塩化ビニリデンコーティング膜、ポリフッ化ビニリデンコーティング膜等を挙げることができる。これらを堆積させる樹脂フィルムとして、ポリオレフィン系樹脂(特に、延伸又は無延伸ポリプロピレン)、ポリ塩化ビニル、飽和ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミド(例えば、ナイロン(登録商標)、ナイロン6、ナイロンMXD6)を挙げることができる。
バリア層に熱可塑性樹脂フィルムが含まれる場合、そのフィルムは易カット性の観点から、延伸フィルムであることが好ましい。ただし、無延伸フィルムであっても、厚みが薄い場合、易カット性のフィルムと積層させて用いる場合等では、十分に易カット性を維持することができるため、好ましい。
バリア層が積層フィルムである場合、そのラミネートの方法としては、ドライラミネート、サンドラミネート、押出ラミネート、ホットメルト法など、公知のラミネート方法を用いることができる。
バリア層の厚さは、易カット性及びバリア性を維持し、かつ本発明の積層体全体に強度等を与える観点から、例えば200μm以下、150μm以下、又は100μm以下とすることができ、また20μm以上、30μm、又は50μm以上とすることができる。
例えば、バリア層を、樹脂フィルム(例えば、延伸樹脂フィルム)と金属箔との積層体から構成する場合、樹脂フィルムの厚さは、例えば8μm以上、10μm以上、又は15μm以上とすることができ、100μm以下、50μm以下、又は30μm以下とすることができる。そして金属箔の厚さは、例えば6μm以上、9μm以上、又は12μm以上とすることができ、100μm以下、80μm以下、又は50μm以下とすることができる。樹脂フィルムが易カット性ではない場合には、樹脂フィルムの厚さは、小さいことが好ましい。
バリア層と吸収層とのラミネートの方法としては、ドライラミネート及び押出しラミネート等が挙げられる。ドライラミネートは、一方のフィルムに接着剤を塗布し乾燥させた後、もう一方のフィルムを重ね合せて加圧し、接着剤を硬化させて貼り合せる方法である。また押出しラミネートは、2枚のフィルムの間に、溶融したポリエチレン系樹脂等を押出し、貼り合せる方法である。
(その他の層)
本発明の易カット性の吸収性積層体は、易カット性を保つことができる限り、任意の2つの層の間に、積層体に適度なコシ、強度等を与えるための補強層、層間の接着を高めるための接着層、プライマー層、アンカーコート層等を含んでもよい。また、ラベル等を印刷するための印刷層と有していてもよく、バリア性を高めるための蒸着層を有していてもよい。
さらに、本発明の易カット性の吸収性積層体は、バリア層の外側に比較的薄いコート層を有していてもよい。例えば、そのようなコート層として、ブロッキング防止層、UVカットコート層、防水・防湿コート層、スリップコート層、スリップ防止コート層、光沢層、艶消しコート層、帯電防止コート層等を挙げることができる。
〈易カット性包装袋〉
本発明の包装袋を、上記の吸収性積層体を用いて形成することができる。この場合には、包装袋を、上記の吸収性積層体同士をヒートシールすることによって形成してもよく、又はヒートシール可能でかつバリア性のあるフィルム又は積層フィルムと、上記の吸収性積層体とをヒートシールすることによって形成してもよい。
この包装袋を、医薬品、医薬部材、体外診断薬、医療機器、衛生用品、精密機器、電子デバイス、化粧品、食品等を封入するために用いることができる。
≪吸収性積層体の作製≫
〈比較例1〜6、実施例7〜16の積層体〉
表1及び表2に記載の比較例1〜6、実施例7〜16の積層体を次のとおり作製した。
(中間層用ペレット)
まず、無機吸収剤としてゼオライト(ユニオン昭和株式会社製、ゼオライト3A)と、熱可塑性樹脂としてEMAA(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、ニュクレルAN42115C)のペレットとを、二軸押出機(株式会社池貝製、PCM70)を使用して、混練・リペレット化することで、ゼオライト含有率53重量%(45.6体積%)の中間層用ペレットを得た。
(内スキン層用ペレット)
上記のペレットと、LLDPE(株式会社プライムポリマー製、エボリューSP2520)のペレットとを、ドライブレンドによって混合することで、ゼオライト含有率を低くした比較例1〜6及び実施例7〜14の内スキン層用の各種のペレットを得た。なお、実施例15〜16については、このゼオライト含有率53重量%の中間層用ペレットを、内スキン層を形成する際に用いた。
(外スキン層用ペレット)
外スキン層用ペレットとして、LLDPE(株式会社プライムポリマー製、エボリューSP2520)のペレットを用意した。
(吸収層の形成)
インフレーション成形機(株式会社プラコー製、TUL−600R)を用いて、170℃での多層インフレーション法によって、上記の各層のペレットから比較例1〜6、実施例7〜16で用いる吸収層を得た。
(バリア層のラミネート)
これらの吸収層に、12μmのPETフィルム(東洋紡株式会社製、E5100)、及び9μmのアルミニウム箔(株式会社UACJ製箔製、BESPA)を、ドライラミネーター(株式会社テクノスマート製、INVEXパイロットコーター)を用いて積層した。このようにして、PETフィルム//アルミニウム箔//吸収層という層構成の積層体を得た。
〈比較例17の積層体〉
表3に記載のように、比較例17の積層体の吸収層を、比較例1の吸収層の中間層を60μmに変更したことを除いて、同じ条件で作製した。これに、ポーラス加工によって易カット性を付与した、12μmのPETフィルム(東洋紡株式会社製、E5100)と9μmのアルミニウム箔(株式会社UACJ製箔製、BESPA)との間に、LDPE(旭化成ケミカルズ株式会社製、サンテックL1850K)を15μmとなるように押出してサンドラミネートして、吸収性積層体を得た。
〈比較例18の積層体〉
表3に記載のように、比較例18の積層体の吸収層を、比較例1の吸収層の中間層を60μmに変更したことを除いて、同じ条件で作製した。これに、直線カット性を有する12μmのPETフィルム(ユニチカ株式会社製、エンブレットPC)、及び9μmのアルミニウム箔(株式会社UACJ製、BESPA)をドライラミネートして、吸収性積層体を得た。
〈比較例19の積層体〉
吸収層の代わりに、40μmのLLDPE(株式会社アイセロ製、L−185)のシーラントフィルムを用いたことを除いて、比較例1と同様にして、比較例19の積層フィルムを得た。
〈比較例20のフィルム〉
比較例20のフィルムとして、無延伸ポリプロピレン(CPP)のフィルム(三菱樹脂株式会社製、スーパーホイル E0020NA)を用いた。
〈比較例21の積層体〉
比較例1及び比較例15の積層体の内スキン層側に、さらに30μmの厚みのPANフィルム(タマポリ株式会社製、ハイトロンBX)をドライラミネートによって積層させて、比較例21の積層体をそれぞれ得た。
≪評価方法≫
〈易カット性−引裂強さ〉
引裂強さは、JIS K7128−1に準拠したトラウザー引裂法に基づいて測定した。ここでは、株式会社東洋精機製作所製のストログラフVES1Dを用いて、115mm×50mmのサンプルサイズかつ長手方向のスリット45mmで、試験速度200mm/min、つかみ具間距離75mm、測定距離150mmとし、内スキン層を上向きにして測定して、3回の測定値の平均値を用いた。この場合の測定値は、区間平均荷重Nを読取り、これをサンプルの厚みで割ることで得た。
〈易カット性−引裂き断面の外観〉
積層体に切り込みを入れて、手で引き裂けるかどうかを確認した。さらに、引裂いた断面において、樹脂フィルムの伸び及びガタツキがないかを目視で観察した。伸び及びガタツキがある場合には×とし、ガタツキのみが生じている場合には△とし、断面がキレイな場合には○とした。
〈易カット性−判定〉
引裂強さが5.0(N/mm)未満で、かつ引裂き断面に伸び及びガタツキがない場合には、易カット性の判定を○とし、 引裂強さが5.0(N/mm)以上6.0(N/mm)未満で、かつ引裂き断面に伸び及びガタツキがある場合には、易カット性の判定を△とし、引裂強さが6.0(N/mm)以上である場合には、易カット性の判定を×とした。なお、本明細書において、「易カット性」という場合には、この判定において△又は○である積層体の性質をいう。
〈ヒートシール性−ヒートシール強さ〉
ヒートシール強さは、JIS Z0238に準拠して測定した。ここでは、株式会社東洋精機製作所製のストログラフVE10Dを用いて、幅15mm、展開長さ100mm以上のサンプルサイズで、つかみ間の相対移動速度300mm/min、つかみの間隔50mm、MD方向で測定し、この3回の測定値の平均値を用いた。
〈ヒートシール性−判定〉
内スキン層同士を温度140℃〜170℃、圧力0.10MPa、1秒間でヒートシールした場合に、ヒートシール強さが、少なくとも一部の温度条件で15.0N/15mm以上の場合にはヒートシール性を○とし、全ての温度条件で15.0N/15mm未満であるものの、一部の温度条件で6.0N/15mm以上となる場合にはヒートシール性を△とし、全ての温度条件で6.0N/15mm未満となる場合にはヒートシール性を×とした。
〈飽和吸収量〉
吸収性積層体による水の吸収能力の確認のために、次のように飽和吸収量を評価した。まず、瓶に水を浸した不織布を敷き、60℃のオーブンに入れることで高温多湿の環境を準備した。次に予め吸湿前の重量を測定した10cm角サンプルを瓶に入れ、60℃のオーブンに14時間保管した。保管後、サンプルを取り出し、表面の水分を拭き取り、温度23℃相対湿度50%の環境で3時間静置し、吸湿後の重量を測定した。吸湿前後の重量変化から飽和吸収量を換算した。
≪結果≫
比較例1〜6、実施例7〜16及び比較例17〜21について、易カット性、ヒートシール性及び飽和吸湿量について試験を行った。結果を以下の表1〜表3に示す。
Figure 2015186585
Figure 2015186585
Figure 2015186585
比較例1〜6の積層体は、易カット性が不良であり、また内スキン層の厚みが増加するとさらに易カット性が悪化する傾向があることがわかる。一方、実施例7〜16では、内スキン層の厚みによらず引裂強さが低く、易カット性が良好であることが分かる。
実施例7〜14と比較すると、実施例15〜16では、易カット性がさらに良好であるものの、ヒートシール性は高くない。これは内スキン層の無機吸収剤含有量が高いためと考えられる。
比較例17及び18では、バリア層に易カット性を付与されたフィルムや直線カット性のあるフィルムを用いているので、吸収性積層体の易カット性は多少良化している。しかし、これらの易カット性は、依然として不十分であることから、内スキン層の易カット性の悪さが大きく影響していることが分かる。
比較例19は、従来から包装袋に用いられている積層体であるが、LLDPEの分子間の絡み合いが強く、またその表面も比較的滑らかであることから、亀裂が入りにくいために、易カット性が極端に悪いものと推測される。
比較例20は、ブリスターパックやPTP(プレススルーパック)等に多く用いられる無延伸ポリプロピレンフィルムであり、その粘弾性は高く、厚いフィルムであることから伸びやすいため、亀裂が入りにくく、引裂くことはできなかった。
比較例21を参照すると、通常易カット性であるPANフィルムを、易カット性が高い吸収性積層体にラミネートしても、易カット性が悪化することが分かる。これは、亀裂の入りやすい内スキン層が、積層体の外側に位置することが重要であることを示唆している。
1 吸収層
11 内スキン層
12 中間層
13 外スキン層
2 バリア層
21 アルミニウム箔層
22 PET層
100 易カット性の吸収性積層体

Claims (10)

  1. 以下の層をこの順で有する、吸収性積層体:
    10.2体積%超60.0体積%以下である無機吸収剤、及び熱可塑性樹脂を含む、ヒートシール性の内スキン層;
    10.2体積%超70.0体積%以下である無機吸収剤、及び熱可塑性樹脂を含む、中間層;
    熱可塑性樹脂を含む、外スキン層;並びに
    バリア層。
  2. 少なくとも1つの方向において引裂強さが、5.0N/mm未満である、請求項1に記載の積層体。
  3. 折り曲げて内スキン層同士を温度160℃、圧力0.10MPa、1秒間でヒートシールした場合に、ヒートシール強さが6.0N/15mm以上となる、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記外スキン層中の無機吸収剤が、10.0体積%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 前記内スキン層の無機吸収剤含有量が16.6体積%以上35.3体積%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 前記中間層の無機吸収剤の体積含有率が、前記内スキン層の無機吸収剤の体積含有率よりも高い、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体。
  7. 前記中間層及び内スキン層の無機吸収剤が、ゼオライト、アルミナ、酸化アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、シリカゲル、酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、五酸化二リン、過塩素酸マグネシウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、鉄粉、酸化第一鉄、第一鉄塩、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、酸素欠乏酸化セリウム、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、亜ニチオン酸塩及びこれらの混合物からなる群よりそれぞれ独立して選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層体。
  8. 前記バリア層が、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、アルミニウム蒸着ポリエステルフィルム、アルミニウム蒸着ポリプロピレンフィルム、シリカ・アルミナ蒸着ポリエステルフィルム、シリカ・アルミナ蒸着ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニリデンコートポリプロピレンフィルム、及びこれらの2以上の積層フィルムからなる群より選択されるフィルムを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層体。
  9. 60〜200μmの厚みを有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層体。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の1又は複数の積層体の前記内スキン同士をヒートシールして、又は前記内スキン層を他のフィルムとヒートシールして形成された、包装袋。
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