JP6628690B2 - 酢酸吸着フィルム積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、酢酸吸着フィルム積層体に関する。本発明はさらに、前記フィルム積層体を含む包装袋、及びその包装袋を用いた医療器材袋に関する。特に、本発明は、医薬分野、電子材料分野等の、酢酸ガスが発生する場所で用いるのに適切な酢酸吸着フィルム積層体に関する。
従来から医療器具の消毒液として、過酢酸が使用されている(例えば、特許文献1)。この場合、過酢酸は分解しやすいため、ガス抜き構造を有する容器に過酢酸を収容している。したがって、分解によって発生した酢酸ガスは、ガス抜き構造を通して容器外に漏れ出るため、生産後から使用されるまでの間、酢酸臭が問題となっている。
このため現在は、過酢酸が入っているボトル容器と、酢酸吸着剤を収容したパックとを一緒にチャック付き袋に入れて収納している。ボトル容器からは酢酸ガスが発生し続けるため、酢酸吸着剤には、長期的に酢酸ガスを吸着する能力が求められていた。さらに、このような使用態様では、酢酸吸着剤を収容したパックが、医療現場において異物となる可能性があった。
美術館に展示される美術品を設置する木製架台から酢酸ガスが微量に長期的に発生し、美術品を腐食させてしまう問題があることも分かっている。
同様の課題は、アセテートフィルムを用いた記録材料においても存在しており、特許文献2及び3では、これらのフィルムから発生する酢酸ガスを除去するための成形品を開示している。ここでは、フィルムの吸湿による劣化を避けるための調湿剤と、吸ガス剤とを熱可塑性樹脂に混練して、プレート状の成形品を得ている。特許文献2及び3では、このような構成とすることで、長期間にわたって調湿・吸ガス能力が持続し、遅効性を与えることができるとしている。
更に、電子材料の分野において封止剤として汎用されているエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)は、空気中の水分と徐々に反応して分解し、酢酸を発生する。そのため、封止剤としてEVAを使用した電子材料は、酢酸吸収剤の共存下に貯蔵され、場合により、酢酸吸収剤を貼付した状態で使用に供されることがある。
特許文献4の技術は、特定の樹脂バインダー中に酢酸吸着剤を分散含有させた酢酸吸着フィルムに関し、当該フィルムは成形が容易であるとともに、高い容量で長期的に酢酸を吸着することができると説明されている。
特開2002−350742号公報 特開平08−217913号公報 特開2013−104030号公報 特開2015−199785号公報
しかしながら、特許文献2及び3に記載の酢酸吸着用成形品では、酢酸の吸着容量が不十分な場合があった。また、これらの文献に記載されている酢酸吸着用成形品は、基本的にフィルム状ではないために使用法が制限される場合があった。
特許文献4の技術は、酢酸の吸着に関しては従来の問題を解決する優れた技術であるが、樹脂バインダー中に分散含有される酢酸吸着剤が継時的に脱落する懸念を払拭できない。
そこで、本発明は、長期的かつ高い吸着容量で、酢酸を吸着でき、酢酸吸着剤の脱落がなく、かつ成形が容易な酢酸吸着フィルムを与えることを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は以下のとおりである:
[1] エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル系モノマー共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、及びこれらの混合物からなる群より選択される樹脂を含むバインダー、並びに前記バインダーに分散している酢酸吸着剤を含有する、酢酸吸着フィルムと、
前記酢酸吸着フィルム上のスキン層と
を具備しており、そして
前記スキン層が、エチレン及びα−オレフィンから成る群より選択される少なくとも1種のモノマーと、(メタ)アクリル酸エステルと、の共重合体を含有する、酢酸吸着フィルム積層体。
[2] 前記スキン層が、前記酢酸吸着フィルムの両側に積層されている、[1]に記載のフィルム積層体。
[3] 前記酢酸吸着剤が、酢酸を化学的に吸着する無機吸着剤である、[1]又は[2]に記載のフィルム積層体。
[4] 前記酢酸吸着剤が、酸化マグネシウムを含む、[3]に記載のフィルム積層体。
[5] 前記スキン層が、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体により構成されている、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のフィルム積層体。
[6] 前記バインダー100質量部のうち、80質量部以上がエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル系モノマー共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、及びこれらの混合物からなる群より選択される樹脂である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載のフィルム積層体。
[7] 前記バインダー100質量部のうち、50質量部以上がエチレン−(メタ)アクリル系モノマー共重合体であり、かつ10質量部以上がエチレン−α−オレフィン共重合体、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン又はこれらの混合物である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載のフィルム積層体。
[8] [1]〜[7]のいずれか一項に記載のフィルム積層体を含む、包装袋。
[9] [1]〜[7]のいずれか一項に記載のフィルム積層体を有する、酢酸インジケーター。
本発明の酢酸吸着フィルム積層体によれば、長期的かつ高い吸着容量で酢酸を吸着できるとともに、使用を継続しても酢酸吸着剤の脱落がない。本発明のフィルム積層体は、樹脂組成物から容易に成形することができ、かつ様々な用途で用いることができる。さらに、このフィルム積層体で作られているか、又はこのフィルム積層体を収納している包装袋を用いることで、医療現場で有用な過酢酸ボトル収容袋、電子材料分野で有用なEVAを用いた電子材料の貯蔵袋等を提供することができる。
本発明の酢酸吸着フィルム積層体は、酢酸吸着フィルムに特定のスキン層が積層されているので、酢酸吸着フィルムに含有されている酢酸吸着剤の脱落が防止さすこ。
さらに、本発明所定のスキン層を有する酢酸吸着フィルム積層体は、酢酸吸着剤が酢酸を吸着して形成される酢酸塩が潮解してフィルム表面上に滲出し、場合によっては酢酸の吸着性が損なわれるという問題が解決されたものである。
本発明の酢酸吸着フィルム積層体に用いられるスキン層は、EVAとの密着性に優れる。従って、封止剤としてEVAを使用した電子材料における酢酸吸着剤として、EVA二貼付した態様で好適に使用することができる。
加えて、本発明の特定の態様における酢酸吸着フィルム積層体は、酢酸を吸着すると表面に凹凸が生じ、この凹凸が酢酸吸着量の増加と共に顕著になっていくため、酢酸吸着フィルム積層体の寿命を視覚的に認識することができる。
そして、本発明の酢酸インジケーターによれば、酢酸を吸着すると表面に凹凸が生じる酢酸吸着フィルム積層体の表面の粗さに基づいて、酢酸吸着の有無及び/又は吸着量を評価することができる。
図1は、本発明の酢酸吸着フィルム積層体の層構成の概略図である。 図2は、過酢酸ボトル収容袋の概略図である。
≪酢酸吸着フィルム積層体≫
本発明の酢酸吸着フィルム積層体は、酢酸吸着フィルム及びスキン層を具備している。
図1(a)に示すように、スキン層(4)は、酢酸吸着フィルム(2)の片側に積層されていてもよく、又は図1(b)に示すように酢酸吸着フィルム(2)の両側に積層されていてもよい。
図1(a)に示すように、スキン層(4)が酢酸吸着フィルム(2)の片側に積層されている場合、もう片側には他の層(6)、例えばバリア層を積層することができる。
酢酸吸着フィルム上にスキン層を積層することにより、酢酸吸着フィルムに含有されている酢酸吸着剤の脱落を防止することができる。
汎用の酢酸吸着剤は、酢酸と反応して潮解性の酢酸塩を形成する。従来公知の酢酸吸着フィルムは、酢酸を吸着して形成された潮解性の酢酸塩がフィルム表面に滲出し、場合によっては該フィルムの酢酸吸着性能を損なうとの問題があった。
本発明の酢酸吸着フィルム積層体は、酢酸を吸着して形成された酢酸塩が潮解して積層体表面に滲出するる前に、スキン層によってせき止めることができると考えられる。その結果、本発明の酢酸吸着フィルム積層体は、酢酸塩が表面に滲出しないという利点を有する。
本発明の酢酸吸着フィルム積層体は、特定の態様では、フィルムの表面の粗さ(例えば算術平均粗さRa)に基づいて、酢酸吸着の有無及び/又は吸着量を評価する、酢酸インジケーターとしても用いることができる。
ここで、算術平均粗さRaは、JIS B 0601に準拠する算術平均粗さを意味する。具体的には、算術平均粗さRaは、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さlだけを抜き取り、この抜取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、次の式(1)によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。
Figure 0006628690
以下、本発明の酢酸吸着フィルム積層体の各構成要素を説明する。
<酢酸吸着フィルム>
酢酸吸着フィルムは、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル系モノマー共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、及びこれらの混合物からなる群より選択される含むバインダー、並びにバインダーに分散している酢酸吸着剤を含む。
通常、吸着剤を樹脂中に分散させると、樹脂のガス透過性の低さに起因して、吸着剤の吸着性能は大きく低下する。しかしながら、本発明者らは、本発明の酢酸吸着フィルム積層体の酢酸吸着フィルムにおいては、酢酸の吸着容量に関して、予想外にも一定程度その性能が維持できることを発見した。その理由について本発明者らは、以下のように推察している。ただし本発明は、いかなる理論にも拘束されるものではない。
バインダーとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−(メタ)アクリル系モノマー共重合体から選択される樹脂を用いた場合には、該樹脂が有するカルボキシル基又はカルボン酸エステル部分の存在が酢酸との親和性を高めており、かつ/又は、これらの分子構造が比較的嵩高い立体構造を有していることによって、酢酸のバインダーへの透過性が高いことに起因していると推測される。
バインダーとしてエチレン−α−オレフィン共重合体を用いた場合については、α−オレフィンに由来する分岐構造に起因してポリマーマトリクス中に大きな空間が存在し、酢酸分子が空間的に侵入しやすいため、バインダーへの透過性が高いことに起因していると推測される。
(バインダー)
酢酸吸着フィルムに用いられるバインダーには、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル系モノマー共重合体、及びエチレン−α−オレフィン共重合体から選択される一種以上の樹脂が含まれる。これらの樹脂は、上述の通り、酢酸の透過性が高いと推測されるだけではなく、フィルムへの加工が比較的容易であるため、好ましい。
酢酸吸着剤(後述)として化学吸着剤、特に酸化マグネシウムを用いる場合には、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−(メタ)アクリル系モノマー共重合体から選択される一種以上の樹脂を、酢酸吸着フィルムに用いられるバインダーとして使用することが好ましい。その理由としては、理論に拘束されるものではないが、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−(メタ)アクリル系モノマー共重合体は、カルボキシル基又はカルボン酸エステル部分の存在が、酢酸と化学吸着剤とが結合して生成する酢酸塩との親和性を高めていることによって、該酢酸塩を酢酸吸着フィルムの内部に閉じ込めることができるためと推測される。
(バインダー:エチレン−酢酸ビニル共重合体)
エチレン−酢酸ビニル共重合体は、エチレンと酢酸ビニルとを少なくとも含む単量体組成物を共重合して得られる樹脂である。単量体組成物中の酢酸ビニル含有量は、2重量%以上、3重量%以上、5重量%以上、又は10重量%以上であり、50重量%以下、40重量%以下、又は30重量%以下とすることができる。一般に、酢酸ビニル含有量が高い場合、得られる樹脂の結晶化度が低くなり、酢酸ビニル含有量が低い場合、得られる樹脂の密度が低くなる。酢酸吸着フィルム積層体の具体的な用途によって、適切な酢酸ビニル含有量の樹脂を選択することができる。
好ましいエチレン−酢酸ビニル共重合体の熱特性としては、例えば、そのメルトマスフローレートが、温度190℃かつ荷重21.18Nの条件の下でJIS K6924−1に準拠して測定した場合に、好ましくは0.1g/10min以上、0.5g/10min以上、1.0g以上、3.0g/10min以上、又は5.0g/10min以上であり、3000g/10min以下、100g/10min以下、50g/10min以下、又は30g/10min以下である。
(バインダー:エチレン−(メタ)アクリル系モノマー共重合体)
エチレン−(メタ)アクリル系モノマー共重合体は、エチレンと(メタ)アクリル系モノマーとを少なくとも含む単量体組成物を共重合して得られる樹脂である。単量体組成物中の(メタ)アクリル系モノマーの含有量は、2重量%以上、3重量%以上、5重量%以上、又は10重量%以上であり、50重量%以下、40重量%以下、又は30重量%以下とすることができる。一般に、(メタ)アクリル系モノマーの含有量が高い場合、得られる樹脂の軟化温度が低くなり、(メタ)アクリル系モノマーの含有量が低い場合、得られる樹脂の密度が低くなる。酢酸吸着フィルム積層体の具体的な用途によって、適切な(メタ)アクリル系モノマー含有量の樹脂を選択することができる。
適切な(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチルアクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルとメタクリルとを包含した概念である。
具体的なエチレン−(メタ)アクリル系モノマー共重合体の例としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−メタクリレート共重合体(EMMA)等を挙げることができる。
好ましいエチレン−(メタ)アクリル系モノマー共重合体の熱特性としては、例えば、そのメルトマスフローレートが、温度190℃かつ荷重21.18Nの条件の下でJIS K7210−1999に準拠して測定した場合に、好ましくは0.1g/10min以上、0.5g/10min以上、1.0g以上、3.0g/10min以上、又は5.0g/10min以上であり、500g/10min以下、100g/10min以下、50g/10min以下、又は30g/10min以下である。
(バインダー:エチレン−α−オレフィン共重合体)
エチレン−α−オレフィン共重合体は、α−オレフィンに由来する短鎖の分岐鎖を有し、メチレン基の繰返し単位を60mol%以上、70mol%以上、80mol%以上、90mol%以上、95mol%以上、又は98mol%以上含む樹脂である。α−オレフィンに由来する短鎖分岐鎖がメチレン基を含む場合(分岐鎖が炭素数2以上のアルキル基である場合)、上記のメチレン基には該短鎖分岐中のメチレン基も含まれる。エチレン−α−オレフィン共重合体は、好ましくは密度が0.910g/cm未満の超低密度ポリエチレンである。
エチレン−α−オレフィン共重合体としては、長鎖分岐を実質的に有していない直鎖状低密度ポリエチレンであり、低圧法でポリエチレンを製造する際にα−オレフィンを特定の割合で共重合させることによって得られるものであることが好ましい。エチレン−α−オレフィン共重合体としては特に、エチレンと少なくとも1種のα−オレフィンとを含む単量体組成物を、メタロセン触媒、チーグラー・ナッタ触媒等を用いて低圧法で重合した共重合体であることが好ましい。上記α−オレフィンとしては、炭素原子数4〜18、4〜10、又は4〜8のα−オレフィンが挙げられ、例えば1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、1−オクテンを挙げることができる。この共重合体には、プロピレンを共重合させてもよい。
具体的なエチレン−α−オレフィン共重合体の例としては、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体等を挙げることができる。
このエチレン−α−オレフィン共重合体は、好ましくは0.870g/cm以上、0.875g/cm以上、又は0.880g/cm以上の密度を有し、0.905g/cm以下の密度を有する。本明細書において、密度とは、JIS K7112−1999に準拠して測定した値をいう。
好ましいエチレン−α−オレフィン共重合体の熱特性としては、例えば、そのメルトマスフローレートが、温度190℃かつ荷重21.18Nの条件の下でJIS K7210−1999に準拠して測定した場合に、好ましくは0.1g/10min以上、0.5g/10min以上、1.0g以上、3.0g/10min以上、又は5.0g/10min以上であり、100g/10min以下、50g/10min以下、30g/10min以下、又は20g/10min以下である。
(バインダー:組成)
バインダーは、上記のエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル系モノマー共重合体、及びエチレン−α−オレフィン共重合体のみから構成されていてもよいし、これらの樹脂とこれら以外の樹脂との混合物であってもよい。バインダー100質量部のうち、上記のエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル系モノマー共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、又はこれらの混合物の占める量は、10質量部以上であることが好ましく、20質量部以上、30質量部以上、50質量部以上、60質量部以上、70質量部以上、80質量部以上、90質量部以上、又は95質量部以上であってもよい。
本発明者らは、上記の樹脂のうちの少なくとも2種類の樹脂を組み合わせることで、又は上記の樹脂のうちの少なくとも1種類の樹脂とその他の樹脂とを組み合わせることで、酢酸吸着性能及び/又はフィルムへの加工性を高められることを見出した。
具体的には、本発明者らは、上記のエチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−(メタ)アクリル系モノマー共重合体から選択される1種以上の樹脂のみを用いる場合と比較して、これらの樹脂と共に、その他の樹脂を組み合わせて用いることで、組成物の酢酸吸着性能をさらに向上できることを予想外にも見出した。これは、理論に拘束されないが、ポリマーブレンドによって生じる海島構造に起因して、酢酸の透過性が高まるためであると考えられる。
この場合、バインダー100質量部のうち、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル系モノマー共重合体、又はこれらの混合物は、50質量部以上、60質量部以上、70質量部以上、80質量部以上、90質量部以上、又は95質量部以上であり、残部がその他の樹脂である。
エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−(メタ)アクリル系モノマー共重合体以外にバインダーとして用いることができるその他の樹脂としては、特に限定されるものではない。しかしながら、上記のエチレン−α−オレフィン共重合体、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等を、特に好ましい例として挙げることができる。理論に限定されないが、ブレンドした場合に少なくとも部分的に海島構造を形成できる樹脂であることが好ましいと考えられる。
本明細書中で、低密度ポリエチレンとは、メチレン基の繰返し単位を80mol%以上、90mol%以上、95mol%以上、若しくは98mol%以上含み、又は実質的にすべての繰返し単位がメチレン基である、密度が0.910g/cm以上0.930g/cm未満のポリエチレンをいう。低密度ポリエチレンの分岐がメチレン基を含む場合、上記のメチレン基には該分岐中のメチレン基も含まれる。このような低密度ポリエチレンは、特に、長鎖の分岐構造を有し、エチレンを高圧法によってラジカル重合することによって得られるものである。
好ましい低密度ポリエチレンの熱特性としては、例えば、そのメルトマスフローレートが、温度190℃かつ荷重21.18Nの条件の下でJIS K6922−1に準拠して測定した場合に、好ましくは0.1g/10min以上、0.5g/10min以上、1.0g以上、3.0g/10min以上、又は5.0g/10min以上であり、100g/10min以下、50g/10min以下、30g/10min以下、又は20g/10min以下である。
本明細書中で、高密度ポリエチレンとは、メチレン基の繰返し単位を80mol%以上、90mol%以上、95mol%以上、若しくは98mol%以上含み、又は実質的にすべての繰返し単位がメチレン基である、密度が0.930g/cm以上のポリエチレンをいう。高密度ポリエチレンがメチレン基を含む分岐を有する場合、上記のメチレン基には該分岐中のメチレン基も含まれる。このような高密度ポリエチレンは、特に、0.942g/cm以上の密度を有し、長鎖の分岐構造を実質的に有しておらず、エチレンを低圧法によってラジカル重合することによって得られる。
好ましい高密度ポリエチレンの熱特性としては、例えば、そのメルトマスフローレートが、温度190℃かつ荷重21.18Nの条件の下でJIS K6922−2に準拠して測定した場合に、好ましくは0.1g/10min以上、0.5g/10min以上、1.0g以上、3.0g/10min以上、又は5.0g/10min以上であり、100g/10min以下、50g/10min以下、30g/10min以下、又は20g/10min以下である。
さらに、本発明者らは、特にエチレン−α−オレフィン共重合体をバインダーに用いた場合には、それよりも密度が高い樹脂を組み合わせて用いることで、本発明のフィルム積層体において、酢酸吸着性能を一定程度維持しながら、追加的に用いた樹脂と同程度の加工性が発揮されることを見出した。
この場合、バインダー100質量部のうち、10質量部以上、20質量部以上、30質量部以上、50質量部以上、60質量部以上、80質量部以上、又は90質量部以上が、エチレン−α−オレフィン共重合体よりも密度が高い樹脂であってよい。
エチレン−α−オレフィン共重合体よりも密度が高い樹脂としては、特に低密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレンを挙げることができる。
(酢酸吸着剤)
本発明で用いる酢酸吸着剤は、酢酸を吸着することができれば特に限定されず、化学吸着剤であっても物理吸着剤であってもよい。本発明で用いる酢酸吸着剤は、無機吸着剤であっても有機吸着剤であってもよく、有機−無機ハイブリッドの吸着剤であってもよい。好ましくは、酢酸を化学的に吸着する無機吸着剤である。
具体的には、本発明で用いる無機吸着剤としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、酸化アルミニウム、生石灰、シリカゲル、無機の分子篩等を挙げることができる。その中でも特に金属酸化物、特に酸化マグネシウムを好ましく挙げることができる。酸化マグネシウムを含む物質、例えばハイドロタルサイトも有用である。有機吸着剤としては、上記特許文献3に記載のカルボン酸塩を挙げることができる。
本発明で用いる酢酸吸着剤は、バインダー樹脂100質量部に対して、混練性及び吸着性能を考慮して、0.1質量部以上、1質量部以上、3質量部以上、5質量部以上又は10質量部以上含むことが好ましく、500質量部以下、300質量部以下、100質量部以下、50質量部以下、40質量部以下、又は30質量部以下で含むことが好ましい。
(酢酸吸着フィルムの厚み)
本発明の酢酸吸着フィルム積層体における酢酸吸着フィルムの厚みは、十分に高い酢酸吸着能を発現する観点から、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることがさらに好ましい。一方で、得られる積層体が過度に重くなることを避けるとともに、本発明の酢酸吸着フィルムを包装体として使用する場合の内容物の視認性を十分に高く保つとの観点から、酢酸吸着フィルムの厚みは、200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、75μm以下であることがさらに好ましい。
<スキン層>
スキン層は、酢酸吸着フィルム上に存在する層である。酢酸は、該スキン層を通過して酢酸吸着フィルムに吸着される。このスキン層により、酢酸吸着フィルムに含有されている酢酸吸着剤の脱落を防止することができる。
スキン層は、エチレン及びα−オレフィンから成る群より選択される少なくとも1種のモノマー(第1モノマー)と、(メタ)アクリル酸エステル(第2モノマー)と、の共重合体(エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体)によって構成されることが好ましい。
上記第1モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、2−エチル1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等を挙げることができる。第1モノマーとしては、エチレンを使用することが好ましい。
上記第2モノマーとしては、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルが好ましい。この(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに含まれるアルキル基の炭素数は、1〜6の整数であることが好ましく、1〜4の整数であることがより好ましく、1〜3の整数であることがさらに好ましく、特に好ましくは1又は2であり、とりわけ好ましくは1である。第2モノマーの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、及び(メタ)アクリル酸t−ブチルを好ましいものとして挙げることができ、(メタ)アクリル酸メチル及び(メタ)アクリル酸エチルから選択されるモノマーがより好ましく、特に好ましくは(メタ)アクリル酸メチルである。
本発明者らの検討によると、(メタ)アクリル酸エステルの代わりに(メタ)アクリル酸を使用した、例えばエチレン−アクリル酸共重合体から構成されるスキン層を用いた場合、得られる酢酸吸着フィルム積層体は、酢酸吸着量が劣ることが明らかとなった(後述の比較例1参照)。酢酸の透過性に劣るためと考えられる。
スキン層を構成するエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体における第1モノマーの共重合割合は、得られる酢酸吸着フィルム積層体に適度の耐ブロッキング性を付与する観点から、75質量%以上であることが好ましくこの値は一方で、酢酸透過性をより高くするとの観点から、90質量%以下であることが好ましく。
スキン層は、上記のエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のみから構成されていてもよいし、該共重合体と、これ以外の樹脂との混合物から構成されていてもよい。
スキン層の厚さは、酢酸の透過を可能としつつ、酢酸吸着剤の脱落を防止できるように選択することができる。例えば酢酸吸着フィルムの厚さの5%以上、10%以上、又は15%以上であることができ、また35%以下、30%以下、又は25%以下であることができる。スキン層の厚さを適切に選択することにより、酢酸吸着フィルム積層体を酢酸インジケーターとして用いた場合に、表面の凹凸をより明確に認識することができる。
<他の層>
本発明の酢酸吸着フィルム積層体が任意的に有することのできる他の層としては、例えばバリア層が挙げられる。バリア層は、酢酸吸着フィルム上に積層されている層であって、酢酸を実質的に透過させない層である。バリア層としては、例えばアルミニウム箔等の金属箔を使用することができる。
≪酢酸吸着フィルム積層体の製造方法≫
本発明の酢酸吸着フィルム積層体における酢酸吸着フィルムは、上記のバインダー及び吸着剤を混練して樹脂組成物を得て、これをフィルム化することによって製造することができる。混練は、例えば、ニーダー、バンバリーミキサー、ミキシングロールコニカルミキサー等のバッチ式混練機;2軸混練機等の連続混練機等が用いられる。混錬の際には、使用する材料に応じて、100℃以上、120℃以上、又は140℃以上で、かつ220℃以下、200℃以下、又は180℃以下の温度で混練することができる。
上記の混練した樹脂組成物と、例えばエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体とを、それぞれ酢酸吸着フィルム及びスキン層に成形して、これを積層することにより、本発明の酢酸吸着フィルム積層体を得ることができる。酢酸吸着フィルム及びスキン層への成形には、例えば、プレス成型、インフレーション法、Tダイ法等の押出成型;射出成型等によることができる。これらの積層には、例えば、熱圧着法等を採用することができる他;共押出インフレーション法、共押出Tダイ法等の共押出法により、成形と積層とを同時に行うことも可能である。
≪包装袋≫
上記の酢酸吸着フィルム積層体を公知の方法により、本発明の包装袋に形成することができる(参照:「包装用フィルム概論 改訂版」,改訂第3版,株式会社東洋紡パッケージング・プラン・サービス)。この場合、酢酸吸着フィルム積層体のスキン層を、包装袋の最内層として用いることが好ましい。
≪過酢酸ボトル収容袋≫
本発明は、さらに上記の包装袋に過酢酸入りのボトルを収容した、医療器材消毒用の過酢酸ボトル収容袋に関する。上述のように医療器材、例えば内視鏡を消毒するために過酢酸が用いられており、医療現場では、医療器材の消毒に使うまでの間、過酢酸はガス抜き構造を有するボトルに入れられ、そのボトルが図2のように収納袋に入れられている。本発明の過酢酸ボトル収容袋(10)には、過酢酸入りのボトル(30)が、通常用いられる袋内(10a)に上記の酢酸吸着フィルム積層体(20)が入れられており、又は袋自体が上記の包装袋で構成されている。袋自体が上記の包装袋で構成されている場合には、酢酸吸着フィルム積層体(20)が、本発明の過酢酸ボトル収容袋(10)に収納されなくてもよい。
<<電子機器>>
本発明の酢酸吸着フィルム積層体は、封止剤としてEVAを用いた電子機器における酢酸吸着手段として好適に使用することができる。本発明の酢酸吸着フィルム積層体におけるスキン層は、EVAとの密着性に優れる。従って、該酢酸吸着フィルム積層体のスキン層を封止剤EVAに直接接するように前記電子機器に貼付することにより、EVAが吸湿して分解する際に発生する酢酸を吸着除去する効果を有する永久膜として使用することができ、好適である。
≪酢酸インジケーター≫
本発明の酢酸インジケーターは、本発明の酢酸吸着フィルム積層体を有し、酢酸吸着剤が酢酸と結合して潮解性の酢酸塩を形成する化学吸着剤であり、バインダーが、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−(メタ)アクリル系モノマー共重合体から選択される1種以上の樹脂を含み、かつスキン層がエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体から構成されている。
この酢酸インジケーターを用いることにより、スキン層の粗さ、例えばJIS B 0601に準拠する算術平均粗さに基づいて、酢酸吸着の有無及び/又は吸着量を評価することができる。
ここで、酢酸と結合して潮解性の酢酸塩を形成する化学吸着剤としては、例えば酸化マグネシウム等の金属酸化物が挙げられる。
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。
≪酢酸吸着フィルム積層体の作製≫
<実施例1>
まず、酢酸吸着剤としての酸化マグネシウム10質量部と、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(住友化学(株)製、アクリフトWD402)72質量部とを75Lバンバリーミキサーにて8分間混練してマスターバッチを得た。次いで、このマスターバッチを2軸混練機にてリペレットした。このリペレットしたマスターバッチ82質量部と、低密度ポリエチレン(東ソー(株)性、ペトロセン170R)18質量部とをドライブレンドした。これを、実施例に用いる酢酸吸着フィルム用組成物とした。
上記酢酸吸着フィルム用組成物を、スキン層用樹脂としてのエチレン−メタクリル酸メチル共重合体(住友化学(株)製、アクリフトWD201−F)と共に、2種3層の多層インフレーション製膜機により製膜して、実施例1の酢酸吸着フィルム積層体を得た。層構成としては、スキン層(10μm)/酢酸吸着フィルム(50μm)/スキン層(10μm)とした。
<実施例2及び3、並びに比較例1及び2>
スキン層用樹脂として表1に記載の樹脂をそれぞれ用いた他は上記実施例1と同様にして、各実施例及び比較例の酢酸吸着フィルム積層体を作製した。
≪評価≫
(1)酢酸吸着量の評価
実施例及び比較例の酢酸吸着フィルム積層体をそれぞれ100mm×100mmにトリミングし、100mLのバイアル瓶に100μLの氷酢酸と共に封入し、30℃のオーブン内に静置して保存した。これらのフィルム積層体について、表1に示す期間を経過した後に清浄な100mLバイアル瓶に入れ、30℃オーブン内で3時間30分シーズニングしてから質量を測定する方法により、酢酸の吸着量(単位:mL/m)を評価した。
(2)ブロッキング性の評価
実施例及び比較例の酢酸吸着フィルム積層体を2枚重ねにした後に、手で引き剥がしたときの様子を観察することにより、耐ブロッキング性の評価(ブロッキングの有無)を調べた。
(3)密着性評価
実施例及び比較例の各酢酸吸着フィルム積層体と、エバフレックスEV150(商品名、三井デュポンポリケミカル(株)製、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル含有量:33質量%、融点:61℃)を多層Tダイ製膜機にて単層50μmの厚みに製膜したフィルム(EVAフィルム)と、を重ね合せ、熱プレス試験機(井元製作所製 小型熱プレス機)にて70℃、10MPa、及び15秒の条件でプレスしてサンプルを得た。得られたサンプルを15mm幅に切り、引張試験機(東洋精機製 ストログラフVE10D)にて密着強度を測定し、剥離の状態を観察した。
結果を表1に示す。
Figure 0006628690
表1におけるスキン層用樹脂の略称は、それぞれ以下の意味である。
EMMA:エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、住友化学(株)製、アクリフトWD402
EEA:エチレン−アクリル酸エチル共重合体、日本ポリエチレン(株)製、レクスパールEEA A3100
EMA:エチレン−アクリル酸メチル共重合体、日本ポリエチレン(株)製、レクスパールEMA EB140F
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン、(株)プライムポリマー製、エボリューSP2520
EAA:エチレン−アクリル酸共重合体、日本ポリエチレン(株)製、レクスパールEAA A201M
表1より、実施例及び比較例を比較すると、実施例1〜3の酢酸吸着フィルム積層体は高い酢酸吸着性能を有することが理解されよう。
スキン層材料としてエチレン−メタクリル酸メチル共重合体を用いた実施例1は、優れた耐ブロッキング性を示し、本発明の酢酸吸着フィルム積層体をロール捲回体として保管、運送、販売等する際に有利であることが分かった。
スキン層としてEMMA、EEA、又はEMAを用いた実施例1〜3の積層体と、EVAフィルムとの密着強度は、EAA又はLLDPEをスキン層とする比較例1及び2の場合よりも高かった。
スキン層としてEMMAを用いた実施例1の酢酸吸着フィルム積層体は、EVAフィルムとの密着強度が高く、かつブロッキングも観察されなかった観点からはより好ましい。

Claims (9)

  1. エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル系モノマー共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、及びこれらの混合物からなる群より選択される樹脂を含むバインダー、並びに前記バインダーに分散している酢酸吸着剤を含有する酢酸吸着フィルムと、
    前記酢酸吸着フィルム上のスキン層と
    を具備しており、そして
    前記スキン層が、エチレン及びα−オレフィンから成る群より選択される少なくとも1種のモノマーと、(メタ)アクリル酸エステルと、の共重合体を含有することを特徴とする、酢酸吸着フィルム積層体。
  2. 前記スキン層が、前記酢酸吸着フィルムの両側に積層されている、請求項1に記載のフィルム積層体。
  3. 前記酢酸吸着剤が、酢酸を化学的に吸着する無機吸着剤である、請求項1又は2に記載のフィルム積層体。
  4. 前記酢酸吸着剤が、酸化マグネシウムを含む、請求項3に記載のフィルム積層体。
  5. 前記スキン層が、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体により構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルム積層体。
  6. 前記バインダー100質量部のうち、80質量部以上がエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル系モノマー共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、及びこれらの混合物からなる群より選択される樹脂である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィルム積層体。
  7. 前記バインダー100質量部のうち、50質量部以上がエチレン−(メタ)アクリル系モノマー共重合体であり、かつ10質量部以上がエチレン−α−オレフィン共重合体、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン又はこれらの混合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィルム積層体。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のフィルム積層体を含む、包装袋。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のフィルム積層体を有する、酢酸インジケーター。
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