JPH055006Y2 - - Google Patents

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JPH055006Y2
JPH055006Y2 JP1985202934U JP20293485U JPH055006Y2 JP H055006 Y2 JPH055006 Y2 JP H055006Y2 JP 1985202934 U JP1985202934 U JP 1985202934U JP 20293485 U JP20293485 U JP 20293485U JP H055006 Y2 JPH055006 Y2 JP H055006Y2
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は臭気の発生の少ない包装材料に関する
ものである。
詳しくは、エクストルージヨン加工したポリエ
チレンもしくはポリエチレンを主材とするプレン
ドポリマーから発生する臭気を、この中に練り込
んだ無機酸化物と、この無機酸化物が水と反応し
て出来る無機水酸化物に吸収させた低臭の積層フ
イルムである。
酒、スープ等の風味を大切にする液体食品や、
粉末スープ、スナツク等の臭気を吸着しやすい食
品をこの積層フイルムから作つたパウチに入れる
とパウチから食品に移行する臭気が少なく、品質
の高いものが得られる。
〔従来の技術〕
食品包装に使う積層フイルムは耐熱性のあるフ
イルムの上にポリエチレンをエクストルージヨン
コートすることにより製造することが多い。耐熱
性のあるフイルムとの接着性を上げるために、ポ
リエチレンを290℃以上の温度で押し出し、表面
を酸化させることが行なわれる。この時、ポリエ
チレン分子は熱エネルギーで切れ、その末端にラ
ジカルが出来る。これと大気中の酸素が反応し
て、カルボニル基等の極性基が生成する。これが
接着に関与すると考えられている。
このようにポリエチレンが酸化する時に分子量
の小さい揮発性物質も生成しこれに基づく臭気の
発生が見られる。
このポリエチレンを使つた積層フイルムで臭気
に敏感な食品を包むと、食品に不快な臭気が移行
する場合がある。そこで、臭気を少なくする為に
いくつかの考案がなされている。
第一の方法として、インフレーシヨン法によ
り、低温で成膜したポリエチレンフイルムと耐熱
性のあるフイルムを接着剤を介して重ね合せ、積
層フイルムを作る方法がある。
第二の方法として、耐熱性のあるフイルムの上
に、接着強度を上げる為に通常の温度でポリエチ
レンを押し出し、次に臭気の発生を押える為に、
温度を下げたポリエチレンを押し出し、重ね合せ
て、臭気の少ない積層フイルムを作る方法があ
る。
また、ポリエチレンを表面に接着に必要な極性
基が出来ないような低い温度で押し出し、それを
補う為に、この表面にコロナ処理を行なつた上で
耐熱性のあるフイルムと貼り合せることも行なわ
れている。一方、従来の技術の中にもエチレン−
酢酸ビニル共重合体に水酸化カルシウム水酸化マ
グネシウムをブレンドすることにより臭いの原因
である酢酸を吸収させる考案がある。また、ポリ
エチレンに水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ムをブレンドして、γ線等の放射線を照射した時
に発生する臭気を吸収させる考案もある。
しかし、ポリエチレンを加工する時に発生する
臭気を少なくする為に水酸化カルシウム等をブレ
ンドするという提案は見られない。
〔考案が解決しようとする問題点〕
低臭の積層フイルムを作る従来技術には、それ
ぞれ欠点がある。
第一の方法はインフレーシヨン法で成膜したフ
イルムを貼り合せるので2つの工程が必要であ
り、コスト高となる。
第二の方法はポリエチレンを2度に分けて押し
出す為、やはりコスト高となる。
また、1回目のポリエチレンの押出し温度が高
い為、臭気が発生し、低臭化の方法としては十分
でない。
第三の方法は押し出し温度を下げるのでポリエ
チレンの流動性が悪くなり、速度が遅くなる。ま
た、コロナ処理を行なうための特別な設備が必要
でコストが高くなる。
これらの技術は臭気の発生を防いで、低臭の積
層フイルムを作るものである。それに対して本考
案を発生した臭気を取り除き、結果的に低臭の積
層フイルムを作るものである。
エチレン−酢酸ビニル共重合フイルムの脱臭方
法と同じに、水酸化カルシウムや、水酸化マグネ
シウムをブレンドしたポリエチレンを使つてエク
ストルージヨンコートすると、フイルムがすだれ
状態になり、加工することが出来ない。
しかし、エチレン−酢酸ビニル共重合体のフイ
ルムやポリエチレンのフイルムをインフレーシヨ
ン法で成膜する時にはこのすだれ状態は見られな
かつた。これはインフレーシヨン法の場合、その
成膜温度が150℃から200℃であり、この温度では
水酸化カルシウムに吸着している水の脱離は起こ
らず、水の発泡が原因であるポリエチレンのすだ
れ状態は見られない。しかし成膜温度が250℃を
こえると、水酸化カルシウムから水の脱離が起こ
り始め、温度の上昇とともに激しくなる。
それはフイルム化した時の発泡現象が激しくな
ることによつて、観察される。
ポリエチレンをエクストルージヨンコートする
場合、前述したように耐熱性のあるフイルムとの
接着を良くする為には290℃以上の加工温度が必
要である。この温度だとブレンドした水酸化カル
シウムから、水の脱離が激しく、押し出したフイ
ルムはすだれ状になつてしまう。
〔問題点を解決するための手段〕
この考案は、このような従来の問題点に着目し
てなされたもので、ポリエチレンもしくしはポリ
エチレンを主材とするブレンドポリマーのいずれ
かのポリマーの中に酸化マグネシウム、酸化カル
シウムなどの無機酸化物を練り込んぞ成形材料を
耐熱性のあるフイルムの片面に積層してなる臭気
の少ない積層フイルムを得ることによつて上記問
題点を解決することを目的としている。
以下、この考案を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第1図に本考案による積層フイルムの断面を示
す。
積層フイルム1は、接着剤3を介して、耐熱性
のあるフイルム2と酸化カルシウム等の無機酸化
物をブレンドとたポリエチレンもしくはポリエチ
レンを主材とするブレンドポリマーからなるフイ
ルム4からなつている。
この耐熱性のあるフイルム2には延伸ポリエス
テルフイルム、延伸ポリプロピレンフイルム、ア
ルミニウム蒸着延伸ポリアミドフイルム等や、さ
らにアルミニウム箔と延伸ポリエステルフイルム
を積層したフイルムやアルミニウム箔と紙を積層
したフイルム等も使用することが出来る。
接着剤3はポリエチレンフイルム4と耐熱性の
あるフイルム2を接着させることが出来るもので
あれば良く、例えば、ポリウレタン系接着剤、ポ
リエチレンイミン等がある。またフイルムとポリ
エチレンが接着剤なしで接着する場合にはこの接
着剤は必要ない。
ポリエチレンフイルム4は低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン等を使うことが出来る。
さらにこれにブレンドするポリマーはエチレンと
エチルアクリル酸エステルの共重合体、エチレン
とエチルメタアクリル酸エステルの共重合体、エ
チレンとα−オレフインの共重合体等の熱分解し
にくい、ポリオレフイン系ポリマーを使うことが
出来る。酸化カルシウムの添加量は0.001重量%
から10重量%程度が好ましい。添加量が少なすぎ
ると脱臭効果が十分でなく、多すぎると流動特性
(ドローダウン性)等が悪くなり、好ましくない。
〔作用〕
本考案によると、この発泡現象を生ずることな
く、ポリエチレンをエクストルージヨンコートす
ることが出来、かつ脱臭することが出来る。
つまり、水酸化カルシウムの替りに酸化カルシ
ウムをブレンドしたポリエチレンを使うと、290
℃で耐熱性のあるフイルムの上に発泡することな
くエクストルージヨンコートすることが出来る。
さらにポリエチレンの酸化により発生した臭気は
この酸化カルシウム及び酸化カルシウムの反応生
成物に吸収させることが出来る。
ポリエチレンや大気中に含まれている水分は酸
化カルシウムと反応して、水酸化カルシウムにな
る。このことは、たとえ、水分含有量の多いポリ
エチレンをエクストルージヨンコートしても、発
泡を防止することが可能である。
一方、さらに、酸化カルシウム自体は水酸化カ
ルシウムと異なり吸着水がないので、これが原因
で発泡が起こることはない。
酸化カルシウムはポリエチレンの酸化臭の原因
となる酢酸などを吸収する能力がある。一方、酸
化カルシウムが水と反応して生成する水酸化カル
シウムもこれらの物質と反応する。その結果、エ
クストルージヨンコートしたポリエチレンの臭い
は少なくなる。
〔実施例〕
(実施例 1) 延伸ポリエステルフイルム(厚み12μ)にポリ
ウレタン系接着剤を塗布し乾燥させる。この上に
エクストルージヨンコート機により、酸化カルシ
ウム粉末を0.1重量%ブレンドした低密度ポリエ
チレン(密度0.918g/cm2MI7.0)を厚み40μ、加
工速度80m/min、押出温度315℃でエクストル
ージヨンコートし、積層フイルムを作る。
次にこの積層フイルムのポリエチレン面同志が
向い合うように重ね合せ、四方をヒートシールし
パウチを作つた。(寸法20cm×20cm)この中に蒸
留水1を入れ、3日間20℃で保存した後官能テ
ストに供した。
(実施例 2) ポリエチレン系接着剤を介して積層した延伸ポ
リエステルフイルム(厚み12μ)とアルミニウム
箔(厚み9μ)の積層フイルムのアルミニウム箔
面にエクストルージヨンコート機を使い、酸化カ
ルシウム粉末を0.1重量%ブレンドした低密度ポ
リエチレン(密度0.918g/cm2MI7.0)を厚み40μ
加工速度80m/min押出温度315℃でエクストル
ージヨンコートし、積層フイルムを作つた。この
積層フイルムを実施例1と同様にパウチにし、そ
の中に蒸留水を入れ、官能テストを行なつた。
(比較例 1) 実施例1と同様に延伸ポリエステルフイルムの
上にポリウレタン系接着剤を介して低密度ポリエ
チレンをエクストルージヨンコートした。しか
し、この低密度ポリエチレンには酸化カルシウム
をブレンドしなかつた。その他の加工条件は実施
例と同様である。この積層フイルムも重ね合せ四
方をヒートシールすることによりパウチとし、蒸
留水を入れる3日間保存後官能テストに供した。
官能テストの結果、比較例1の蒸留水には低密度
ポリエチレン特有の臭気があつたが、実施例1実
施例2の蒸留水にはこの臭気はなく、良好であつ
た。
〔考案の効果〕
以上説明したように、この考案によると、発泡
現象を生ずることなく、ポリエチレンをエクスト
ルージヨンコートすることが出来かつ脱臭するこ
とが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の積層フイルムの断面を示す図
である。 図中1は積層フイルム、2は耐熱性のあるフイ
ルム、3は接着剤、4は酸化カルシウム等の無機
酸化物をブレンドしたポリエチレンもしくはポリ
エチレンを主材とするブレンドポリマーからなる
フイルムである。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 低密度ポリエチレンの中に0.01重量%から10重
    量%の酸化カルシウムを練り込んだ成形材料を、
    延伸ポリエステルフイルム、延伸ポリプロピレン
    フイルム、あるいはアルミニウム箔と延伸ポリエ
    ステルフイルムとを積層したフイルム、の片面に
    押出積層してなる積層フイルム。
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