JP4029239B2 - 酸素吸収性多層フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層フィルムの外側及び内側の両側からの耐衝撃性に優れた、酸素吸収性多層フィルムに関する。また、直線的引き裂き性の良い酸素吸収性多層フィルムに関する。本発明の酸素吸収性多層フィルムは、食品または医薬品等の包装容器として使用できる。
【0002】
【従来の技術】
近年、脱酸素包装技術の一つとして、脱酸素剤組成物を配合した酸素吸収性樹脂組成物を配した多層材料で包装体を構成し、容器のガスバリア性の向上を図ると共に包装容器に脱酸素機能を付与した包装体の開発が行われている。脱酸素機能を備えた包装体は、通常、脱酸素剤組成物を配合した酸素吸収性樹脂層からなる酸素吸収層を中間層とし、その両側にガスバリア性を有するガスバリア層と酸素透過性を有する酸素透過層とを備えた脱酸素性多層体で構成されるが、シート状またはフィルム状の脱酸素性多層体は袋、カップ、トレイ等の包装容器に成形加工の容易な多層樹脂積層構造体として開発されている。
【0003】
従来、脱酸素性多層フィルムは、酸素透過性の熱可塑性樹脂からなる酸素透過層、熱可塑性樹脂に脱酸素剤組成物を配合した酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンからなる接着層、ガスバリア性樹脂からなるガスバリア層及び保護層からなり、各層が順次積層された構成を基本とする。
【0004】
例えば、特開平2−56547号公報には、易酸素透過性樹脂層、接着剤層、酸素吸収性シート、接着剤層及び難酸素透過性シートからなる包装材料が開示されているが、積層に使用される接着剤として、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系熱可塑性樹脂熱溶融接着剤が記載されている。また、特開平8−132573号公報、特開平9−40024号公報には、シーラント層、酸素吸収機能を有する樹脂層、ポリオレフィン層及びガスバリア層からなる酸素吸収積層体が記載されている。
しかしながら、これまでの酸素吸収性多層フィルムは、酸素透過層同士が対面するように包装袋を作製し、冷凍食品や医薬品等の固形の内容物を充填密封した場合、輸送等の取り扱い時の衝撃により内容物が包装袋内側から突き破り、破損やピンホールが発生することがあった。また、耐衝撃性を高めるために、ガスバリア層又は保護層にポリアミド樹脂を使用することが知られているが、この方法では、包装体外側からの耐衝撃性は得られるが、包装袋内側からの耐衝撃性がやや劣るという問題がある。
【0005】
さらに、従来の酸素吸収性多層フィルムを酸素透過層同士が対面するように包装袋を作製し、内容物を充填密封した場合、開封時に該フィルムが直線的に引き裂かれず、内容物がこぼれたり、さらには酸素吸収層が伸びてしまいヒゲ状のクズが発生し、見栄えが悪くなることがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点を解決して、内容物の突き出しによる包装袋のピンホール、また開封時の内容物の漏洩、外観不良のない酸素吸収性多層フィルムを提供することにある。本発明では、酸素吸収性多層フィルムの内外両方の側からの耐衝撃性に優れた、しかも引き裂き性のよい酸素吸収性多層フィルムを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
少なくとも酸素透過層、酸素吸収層、中間層、ガスバリア層、保護層からなり各層が順次積層されてなる酸素吸収性多層フィルムにおいて、中間層がポリアミド樹脂からなることを特徴とする酸素吸収性多層フィルムを用いる。
さらにはポリアミド樹脂が延伸してなるポリアミド樹脂であることを特徴とする上記酸素吸収性多層フィルムを用いる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の酸素吸収性多層フィルム(多層フィルムと略すことがある)の構成は、少なくとも酸素透過層、酸素吸収層、中間層、ガスバリア層及び保護層の積層構成からなる。この多層フィルムの各層には必要に応じてさらに層を付加することができる。また保護層に酸化アルミニウムや酸化珪素等の蒸着やポリ塩化ビニリデン被覆等の特殊な処理を行った場合、保護層がガスバリア層を兼ねる場合がある。
【0009】
本発明の多層フィルムを使用し、包装袋とした場合の各層の機能について説明すると、酸素透過層は酸素吸収層と包装袋内容物との直接接触を防ぐ隔離層の役割、酸素吸収層がその酸素吸収機能を十分に発揮できるように容器内の酸素を迅速且つ効率よく透過する役割、および包装袋として密封する際、多層フィルムの酸素透過層同士および他のバリア性多層フィルムとのヒートシール面の役割を果たす。酸素吸収層はガスバリア層では完全に阻止し得なくて侵入する酸素は勿論のこと、容器内の酸素を吸収する役割を果たす。ガスバリア層は外部からの酸素の侵入を阻止する役割を果たす。
【0010】
酸素透過層に用いられる樹脂はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン類、ポリスチレン等のポリスチレン類、およびこれらの変性物、EVA、EMMA、EAA等の各種エチレン類共重合体、エラストマー類等の熱可塑性樹脂が例示され、ポリエチレンおよびポリプロピレン類が特に好ましい。
【0011】
酸素吸収層には、脱酸素剤を熱可塑性樹脂に配合した酸素吸収性樹脂組成物が用いられる。脱酸素剤には、鉄粉を主剤とし酸素吸収促進剤としてハロゲン化金属を配合した脱酸素剤組成物が好ましく用いられる。鉄粉としては例えば、噴霧鉄粉、海面鉄粉、電解鉄粉、鉄研削粉、粉砕鉄等が用いられるが、不純物としての酸素および珪素等の含量が少なく、金属鉄含量95重量%以上の鉄粉が特に好ましく用いられる。またハロゲン化金属としてはアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物、臭化物または沃化物が好ましい。本発明では鉄粉にハロゲン化金属水溶液を混合した後、乾燥して水分を除去して調製された、ハロゲン化アルキル金属またはハロゲン化アルキル土類金属を被覆した鉄粉が好適に用いられる。
脱酸素剤の粒径は1〜200μmが好ましく、5〜150μmがより好ましい。脱酸素剤の酸素吸収性樹脂組成物中の含有量は10〜50重量%が好ましく、15〜40重量%がより好ましい。
【0012】
酸素吸収層に用いられる熱可塑性樹脂はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン類、ポリスチレン等のポリスチレン類、およびこれらの変性物、EVA、EMMA、EAA等の各種エチレン類共重合体、エラストマー類等の熱可塑性樹脂が例示され、ポリエチレンおよびポリプロピレン類が特に好ましい。これらの樹脂は単独または適宜ブレンドして用いられる。また酸素吸収層には、アルカリ土類金属酸化物等の吸水剤、活性炭やゼオライト等の脱臭剤、硫酸カルシウムや硫酸バリウム、酸化アルミニウム等の白色無機フィラー、酸化チタン等の顔料などの各種添加剤を加えることができる。
【0013】
中間層には、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロンMXD6等のポリアミド樹脂が用いられる。ポリアミド樹脂からなる中間層に用いることにより、多層フィルムの酸素透過層側およびガスバリア層側からの耐衝撃性に優れた酸素吸収性多層フィルムになる。中間層には、好ましくは延伸されたポリアミド樹脂が用いられる。延伸されたポリアミド樹脂を中間層に用いることにより、多層フィルムの酸素透過層側、および保護層側からの耐衝撃性に優れるのみならず、さらには直線的引き裂き性に優れた酸素吸収性多層フィルムになる。延伸倍率は、縦方向、横方向ともに、1.1倍〜4.0倍が好ましく、3.0倍〜3.5倍がより好ましい。
【0014】
ガスバリア層にはアルミ箔等の金属箔、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ナイロンMXD6、ポリエステル等のガスバリア性樹脂フィルム、酸化アルミニウムや酸化珪素を蒸着した蒸着樹脂フィルム等が、単独ないしは組み合わせて用いられる。これらの内、食品等を密封保存して包装体ごと電子レンジ調理するための電子レンジ用包装袋とするためには、金属箔以外のガスバリア性樹脂フィルム又は蒸着樹脂フィルム等をガスバリア層に使用することが好ましい。
ガスバリア層の外側には、保護層を最外層として積層することが好ましい。なお、ガスバリア層として、ポリエステルフィルムやポリアミドフィルムのような耐熱性を有するフィルムに酸化アルミニウムや酸化珪素を蒸着したバリア性フィルム、あるいはポリ塩化ビニリデンの被覆等の処理を行ったフィルムを使用した場合、該フィルムをもってガスバリア層と保護層を兼ねることができる。
【0015】
保護層に用いる樹脂としてはポリエチレン類では高密度ポリエチレン、ポリプロピレン類ではプロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、ポリアミド類では、ナイロン6、ナイロン6,6、さらに、ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。これらのうち、ポリアミドまたはポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。
【0016】
本発明の酸素吸収性多層フィルムは中間層に延伸したポリアミド樹脂を使用することで、酸素透過層を内側として包装袋を作製し食品又は医薬品等の内容物を充填密封した場合、多層フィルム両側からの耐衝撃性、耐突き刺し性に優れるため、内容物の突き刺しによるピンホールがなく、また開封時の直線的引き裂き性に優れるため、内容物の漏れ、酸素吸収層に起因するヒゲ状のクズ等の外観不良がない、衛生的で取り扱い性の良い酸素吸収性多層フィルムとなる。
【0017】
【実施例】
本発明を実施例に沿ってさらに詳しく説明する。なお、本発明は実施例に必ずしも限定されない。
[実施例1]
平均粒径30μmの還元鉄粉100重量部を加熱ジャケット付き真空圧空乾燥機中に投入し、10mmHg以下の減圧下140℃で加熱しつつ、塩化カルシウム50重量%水溶液5重量部を噴霧、乾燥した後、篩い分けして80μmオーバーの粗粒を除き、最大径80μmの塩化カルシウム被覆鉄粉を得た。得られた被覆鉄粉100重量部に平均粒径30μmの硫酸カルシウム0.3重量部をタンブラーにて混合し、脱酸素剤組成物を得た。
次に、ベント付き45mmΦ同方向回転二軸押出機と定量フィーダーからなる押し出し装置を用いて、融点153℃、メルトフローレート22g/10分(JIS K7210;230℃ 2.16kgf)であるプロピレンーエチレンランダム共重合体(商品名;チッソポリプロF8090、チッソ(株)製)と前記脱酸素剤組成物とを重量比75:25で混練し、ストランドダイから押し出した後、空冷、破砕して酸素吸収性樹脂組成物からなるマスターバッチAを得た。
【0018】
次いで、単軸押出機、Tダイ、冷却ロールからなる押出装置を有するタンデム押出ラミネーターを用い、繰り出されるプロピレンーエチレンブロック共重合体からなる厚さ50μm、融点167℃の無延伸フィルム(商品名;RX−11、東セロ(株)製)の片面に、押出機から前記マスターバッチAを厚さ30μmで押し出しラミネートし、酸素透過層/酸素吸収層からなる積層フィルムを得た。
【0019】
得られた積層フィルムの酸素吸収層側に、中間層として厚さ15μmのナイロン−6フィルム、ガスバリア層として厚さ9μmのアルミ箔および保護層として厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを順次ドライラミネートして、酸素透過層/酸素吸収層/中間層/ガスバリア層/保護層からなる酸素吸収性多層フィルムを得た。得られた酸素吸収性多層フィルムの5℃下の耐衝撃強度(JIS P8134)を測定したところ、酸素透過層側、保護層側とも15Kgであった。
【0020】
この酸素吸収性多層フィルムを15cm×15cmに2枚切り取り、無延伸ポリプロピレンからなる酸素透過層同士を対面させて三辺をヒートシールにて接合し、ベビーフードを150g充填し、ヒートシールにて密封して、両面が酸素吸収性多層フィルムからなる包装袋を作製した。
【0021】
さらに、ベビーフードを密封した包装袋を121℃30分の加熱処理を行った。処理後、包装袋を開封するため、引き裂いたところ、直線的に引き裂くことができ、また酸素吸収層に起因するヒゲ状のクズは見られなく、引き裂き性に問題ないことを確認した。
【0022】
[比較例1]
実施例1のマスターバッチAをを得るところまでは実施例1と同様に試験を実施した。
次いで、単軸押出機、Tダイ、冷却ロールからなる押出装置2組を有するタンデム押出ラミネーターを用い、繰り出されるプロピレン−エチレンブロック共重合体からなる厚さ30μm、融点167℃の無延伸フィルムの片面に、第一押出機から前記マスターバッチAを厚さ30μmで押し出しラミネートし、さらに第二押出機から融点167℃のプロピレン−エチレンブロック共重合体を厚さ50μmで押し出しラミネートし、酸素透過層/酸素吸収層/中間層からなる多層フィルムを得た。
【0023】
得られた多層フィルムの酸素吸収層に厚さ9μmのアルミ箔、厚さ9μmナイロン−6フィルムのおよび厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを順次ドライラミネートして、酸素透過層/酸素吸収層/中間層/ガスバリア層/保護層からなる酸素吸収性多層フィルムを得た。得られた酸素吸収性多層フィルムの5℃下の耐衝撃強度(JIS P8134)を測定したところ、酸素透過層側は10Kg、保護層側は15Kgと酸素透過層側からの耐衝撃強度に低下が認められた。
【0024】
この酸素吸収性多層フィルムを15cm×15cmに2枚切り取り、無延伸ポリプロピレンからなる酸素透過層同士を対面させて三辺をヒートシールにて接合し、ベビーフードを150g充填し、ヒートシールにて密封して、両面が酸素吸収性多層フィルムからなる包装袋を作製した。
【0025】
さらに、ベビーフードを密封した包装袋を121℃30分の加熱処理を行った。処理後、包装袋を開封するため、引き裂いたところ、酸素吸収層に起因するヒゲ状のクズが発生し、また直線的に引き裂かれず、内容物がこぼれそうになった。
【0026】
[実施例2]
実施例1でマスターバッチA作製に用いたプロピレン−エチレンランダム共重合体を、融点109℃、メルトフローレート9.0g/10分(JIS K6750;190℃、2.16kgf)の低密度ポリエチレン(商品名;NUCポリエチレン8009、日本ユニカー(株)製)とした以外、実施例1と同様にして
マスターバッチBを得た。
【0027】
次いで、単軸押出機、Tダイ、冷却ロールからなる押出装置2組を有するタンデム押出ラミネーターを用い、繰り出される直鎖状低密度ポリエチレンからなる厚さ40μmフィルムの片面に、第一押出機から前記マスターバッチBを厚さ30μmで押し出しラミネートし、続いて第2押出機から、メルトフローレート9.0g/10分(190℃、2,16kgf、JIS K6750)の低密ポリエチレン(商品名;NUCポリエチレン8009、日本ユニカー(株)製)を20μmの厚みで押し出し、もう一方から、厚さ15μmの延伸ナイロン−6/厚さ9μmのアルミ箔/厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートからなる3層積層フィルムを巻きだしてサンドイッチラミネーションを行い、酸素透過層/酸素吸収層/中間層/ガスバリア層/保護層からなる酸素吸収性多層フィルムを得た。得られた酸素吸収性多層フィルムの5℃下の耐衝撃強度(JIS P8134)を測定したところ、酸素透過層側、保護層側とも13Kgであった。
【0028】
この酸素吸収性多層フィルムを15cm×15cmに2枚切り取り、直鎖状低密度ポリエチレンからなる酸素透過層同士を対面させて三辺をヒートシールにて接合し、ベビーフードを150g充填し、ヒートシールにて密封して、両面が酸素吸収性多層フィルムからなる包装袋を作製した。
【0029】
さらに、ベビーフードを密封した包装袋を90℃30分の加熱処理を行った。処理後、包装袋を開封するため、引き裂いたところ、直線的に引き裂くことができ、また酸素吸収層に起因するヒゲ状のクズは見られなく、問題ないことを確認した。
【0030】
[比較例2]
実施例2のマスターバッチBを得るところまでは実施例2と同様に試験を実施した。次いで、単軸押出機、Tダイ、冷却ロールからなる押出装置2組を有するタンデム押出ラミネーターを用い、繰り出される直鎖状低密度ポリエチレンからなる厚さ30μmのフィルムの片面に、第一押出機から前記マスターバッチBを厚さ30μmで押し出しラミネートし、さらに第二押出機から低密度ポリエチレン(商品名;NUCポリエチレン8009、日本ユニカー(株)製)厚さ50μmで押し出しラミネートし、酸素透過層/酸素吸収層/中間層からなる多層フィルムを得た。
【0031】
得られた多層フィルムの酸素吸収層に厚さ9μmのアルミ箔、厚さ9μmナイロン−6フィルムのおよび厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを順次ドライラミネートして、酸素透過層/酸素吸収層/中間層/ガスバリア層/保護層からなる酸素吸収性多層フィルムを得た。得られた酸素吸収性多層フィルムの5℃下の耐衝撃強度(JIS P8134)を測定したところ、酸素透過層側は8kg、保護層側は12kgと酸素透過層側からの耐衝撃強度に低下が認められた。
【0032】
この酸素吸収性多層フィルムを15cm×15cmに2枚切り取り、直鎖状低密度ポリエチレンからなる酸素透過層同士を対面させて三辺をヒートシールにて接合し、ベビーフードを150g充填し、ヒートシールにて密封して、両面が酸素吸収性多層フィルムからなる包装袋を作製した。
さらに、ベビーフードを密封した包装袋を121℃30分の加熱処理を行った。処理後、包装袋を開封するため、引き裂いたところ、酸素吸収層に起因するヒゲ状のクズが発生し、また直線的に引き裂かれず、内容物がこぼれそうになった。
【0033】
[実施例3]
実施例1の酸素透過層/酸素吸収層からなる積層フィルムを得るところまでは実施例1と同様に試験を実施した。
得られた積層フィルムの酸素吸収層側に、延伸ナイロン6と延伸MXD6を積層したフィルム(商品名;ナイロンスーパーニール、厚さ15μm、三菱化学製)を延伸ナイロン6と酸素吸収層が接するようにドライラミネーションで積層し、さらに印刷した厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムをドライラミネートして、酸素透過層/酸素吸収層/中間層/ガスバリア層/保護層からなる酸素吸収性多層フィルムを得た。得られた酸素吸収性多層フィルムの5℃下の耐衝撃強度(JIS P8134)を測定したところ、酸素透過層側、保護層側とも19kgであった。
【0034】
この酸素吸収性多層フィルムを15cm×15cmに2枚切り取り、無延伸ポリプロピレンからなる酸素透過層同士を対面させて三辺をヒートシールにて接合し、スパゲッティミートソースを150g充填し、ヒートシールにて密封して、両面が酸素吸収性多層フィルムからなる包装袋を作製した。
【0035】
さらに、スパゲッティミートソースを密封した包装袋を121℃30分の加熱処理を行い、その後23℃下に保存した。2ヶ月後、包装袋を開封するため、引き裂いたところ、直線的に引き裂くことができ、また酸素吸収層に起因するヒゲ状のクズは見られなく、引き裂き性に問題ないことを確認した。次いでそのまま電子レンジにて調理し、風味良好であることを確認した。
【0036】
[実施例4]
実施例1の酸素透過層/酸素吸収層からなる積層フィルムを得るところまでは実施例1と同様に試験を実施した。
得られた積層フィルムの酸素吸収層側に、印刷を施した延伸ナイロン6をドライラミネーションにて積層し、さらにシリカ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名;テックバリアT、厚さ12μm、三菱興人パックス(株)製)をドライラミネートして、酸素透過層/酸素吸収層/中間層/ガスバリア層兼保護層からなる酸素吸収性多層フィルムを得た。得られた酸素吸収性多層フィルムの5℃下の耐衝撃強度(JIS P8134)を測定したところ、酸素透過層側、保護層側とも18kgであった。
【0037】
この酸素吸収性多層フィルムを15cm×15cmに2枚切り取り、無延伸ポリプロピレンからなる酸素透過層同士を対面させて三辺をヒートシールにて接合し、中華合わせ調味料酢豚のもとを150g充填し、ヒートシールにて密封して、両面が酸素吸収性多層フィルムからなる包装袋を作製した。
【0038】
さらに、中華合わせ調味料酢豚のもとを密封した包装袋を121℃30分の加熱処理を行い、その後23℃下に保存した。2ヶ月後、包装袋を開封するため、引き裂いたところ、直線的に引き裂くことができ、また酸素吸収層に起因するヒゲ状のクズは見られなく、引き裂き性に問題ないことを確認した。次いでそのまま電子レンジにて調理し、風味良好であることを確認した。
【0039】
【発明の効果】
本発明の酸素吸収性多層フィルムは、これを食品または医薬品用包装容器の材料として使用され、輸送時または加熱処理等の取り扱い時に、容器の外側から又は内側から衝撃を受けた場合でも、破袋やピンホールの発生が防止され、衛生的で取り扱い性のよい包装袋となる。しかも、中間層に延伸したポリアミド樹脂を使用した場合は、開封時の直線的引き裂き性に優れるため、内容物の漏れ、酸素吸収層に起因するヒゲ状のクズ等の外観不良がなく、包装袋開封時の直線的引き裂き性に優れる。

Claims (2)

  1. 酸素透過層、酸素吸収層、中間層、ガスバリア層及び保護層からなり各層が順次積層されてなる酸素吸収性多層フィルムにおいて、中間層がポリアミド樹脂、該ガスバリア層がガスバリア性樹脂フィルムまたは酸化アルミニウムあるいは酸化珪素を蒸着した蒸着樹脂フィルムであることを特徴とする酸素吸収性多層フィルム。
  2. ポリアミド樹脂が、延伸されたポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項1記載の酸素吸収性多層フィルム。
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