JP2006056526A - 加熱処理用脱酸素包装容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】食品等の内容物を包装のままで、電子レンジにより加熱調理できる加熱処理用脱酸素包装容器の提供。
【解決手段】包装容器の少なくとも一部に、酸素バリア層、樹脂に酸素吸収剤を配合した酸素吸収層及びシーラント層から構成された多層体が使用され、該多層体のシーラント層において、加熱時に上昇した容器内部の圧力により開封する易通蒸手段を1箇所以上設けてシールすることにより密封された、加熱処理用脱酸素包装容器。
【効果】加熱時の容器内部圧の上昇により包装容器が膨らんだときにシール部の易通蒸手段が開口し、容器の破裂を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、食品等を充填する包装体において、食品等の内容物を包装体のまま、電子レンジにより加熱調理できると共に、内部の加熱上昇圧による包装体の破裂を好適に制御し、かつ食品等の風味、色調を保持することができる加熱処理用脱酸素包装体に関する。
従来より、調理済み食品、半調理済み食品等を樹脂製包装袋に充填し、電子レンジにてマイクロ波により加熱調理する包装食品が数多く市場提供されている。しかし、この包装食品は、電子レンジにより加熱すると、袋内部の空気の熱膨張や水蒸気の発生により、内圧が上昇し、この膨張圧により袋が破袋して内容物が飛散し、電子レンジ内を汚染してしまう欠点があった。
これらの問題を解決するために特許文献1及び特許文献2に記載されるような方法での電子レンジ加熱調理する包装袋が記載されている。しかしながら、これらの方法では、包装袋が樹脂製であるため収納した食品等の風味、色調が劣化する問題があった。
近年、脱酸素包装技術の一つとして、熱可塑性樹脂に脱酸素剤を配合した酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層を配した多層材料で容器を構成し、容器の酸素バリア性の向上を図ると共に、容器自体に酸素吸収機能を付与した包装容器の開発が行われている。これらのうち、総厚みの薄い酸素吸収性多層体、いわゆる酸素吸収性多層フィルムは、ヒートシール層及び酸素バリア層が積層してなる従来の酸素バリア性多層フィルムに中間層として脱酸素剤を分散した熱可塑性樹脂層である酸素吸収層を積層し、外部からの酸素透過を防ぐ機能に容器内の酸素を吸収する機能を付与したものとして利用され、押し出しラミネートや共押し出しラミネート、ドライラミネート等の従来公知の製造方法を利用して製造されている。例えば、特許文献3に開示されているように、酸素吸収層と酸素バリア層間に熱可塑性樹脂層クッション層が介在する酸素吸収多層フィルムが知られている。また、特許文献4に開示されているように、酸素吸収層と酸素バリア層間に平滑化層を設けた酸素吸収多層フィルムが知られている。
特開平9−150864号公報 特開平10−101154号公報 特開平9−40024号公報 特開平9−234832号公報
本発明は前記した問題点を解決するためになされたもので、食品等の内容物を包装のまま、電子レンジに加熱調理できるとともに、予め定められた箇所から開口し、包装体の破裂を制御して内容物の飛散を防止し、且つ、食品等の内容物の風味、色調等の劣化を長期に防止することができる加熱処理用脱酸素包装容器を提供することを目的にする。
前記した目的を達成するための本発明は、包装容器の少なくとも一部に、酸素バリア層、樹脂に酸素吸収剤を配合した酸素吸収層及びシーラント層から構成された多層体が使用され、該多層体のーラント層にてシールすることにより密封された包装容器において、
前記シール部に、加熱時に上昇した容器内部の圧力により開封する易通蒸手段を1箇所以上設けた加熱処理用脱酸素包装容器である。
易通蒸手段としては、シール部の外側端縁から設けてシール幅を局所的に狭くした非シール部と、この非シール部に対応して包装容器の内側に向かって該非シール部の内側縁から局所的に膨出させた膨出シール部からなる構造が使用できる。
また、易通蒸手段として、シール部の外側端縁から設けてシール幅を局所的に狭くした非シール部と、この非シール部に対応して包装容器の外側へ向かって該非シール部の内側縁から局所的に欠落させた未シール部からなる構造も使用できる。
また、易通蒸手段が、所定幅のヒートシールにより合掌状に接着されたシール部を設け、そのシール部が包装袋容器の一方の側部へ片寄せさせて設けたシール部であることも使用できる。
さらに、易通蒸手段として、加熱時に軟化する樹脂をシーラント層に配合して、90℃でのヒートシール強度が1200g /15mm以下の易開封性シールとする構造も使用できる。
あるいは、易通蒸手段として、シール部に、融点が120℃以下、好ましくは90〜105℃であって、シーラント層樹脂よりも融点の低いポリオレフィン系樹脂を挿入してなる易開封性シールとする構造も使用できる。
さらには、易通蒸手段として、酸素バリア層と酸素吸収層の間または酸素吸収層とシーラント層の間に、融点が120℃以下、好ましくは90〜105℃であって、酸素バリア層樹脂、酸素吸収層樹脂及びシーラント層樹脂よりも融点の低いポリオレフィン系樹脂を挿入してなる構造も使用できる。
易通蒸手段は、容器の上部またはコーナー部等、シール部のあらかじめ定められた位置に設定することができる。
加熱時の容器内部圧の上昇により包装容器が膨らんだときにシール部の易通蒸手段が開口し、容器の破裂を制御することができる。これにより、電子レンジ等により加熱処理の可能な、脱酸素包装容器が提供される。
次に、この発明に関する包装容器の一例を図に基づいて説明する。図1〜3及び図6は加熱処理用刷酸素包装袋で、その内部に電子レンジにて加熱されることにより使用される食品等を収納して、電子レンジに加熱するものである。
第一例の構成は、図1に示すように、例えば、方形状の脱酸素多層体を重ね合わせて、その3方を所定幅のヒートシールによるシール部2を設けた3方袋において、このシール部に易通蒸手段3が設けられている。
この易通蒸手段3は、図1〜5に示すように、非シール部4と、膨出シール5とからなるもので、このうち、非シール部4は、シール部2に向かって設けて、シール部2に外側端縁から内方に向かって設けて、シール部2のシール幅をその全長に対して局所的に狭くしてあるもので、図1に示すようにヒートシールされない空白状態か、シール部2を切欠いた状態に形成する。
また、膨出シール部5は、シール部2において設けられた非シール部4に対応して包装袋の内側に向かって、該非シール部の内側縁から局所的に膨出させてある。
この易通蒸手段3は、図2(a)に示すように、3方シール部2における1方縦辺又は横辺において2箇所又は2箇所以上設けてもよい。また、図2(b)のように一方の縦辺又は横辺のみ1箇所に設けてもよい。
更に、図9に示すように、シール部を設けてそのシール部を一方の側部へ片寄せさせた状態で合掌状の袋を形成することもできる。
更に、図3(a)に示すように、合掌上に形成した包装袋Aにおいて、そのシール部2における底辺部に設けたり、図3(b)に示すように、合掌状に形成した包装袋Aにおいて、そのシール部2における縦辺部に設けたり、図3(a)に示すように、底辺シール部2を低部より所定量上方に偏らせて位置させ、その合掌状にヒートシールしたシール部2に設けることができる。
本発明の包装容器は、その少なくとも一部に、酸素バリア層、樹脂に酸素吸収剤を配合した酸素吸収層及びシーラント層から構成された多層体が使用され、該多層体のシーラント層にてシールすることにより密封される。酸素バリア層、酸素吸収層及びシーラント層の他に、接着層またはその他の層を有する多層体を使用した包装容器であってもよい。
包装容器の形状は、三方シール袋、ガセット袋、スタンディングパウチ等が例示される。
脱酸素多層体を構成するヒートシール層は、本発明の包装袋を作製する際の熱融着するシーラントとなる部分であり、また収納物品と酸素吸収層を隔離する隔離層としての役割、及び包装容器内の酸素が透過して酸素吸収層中の酸素吸収剤に速やかに吸収されるための酸素透過層としての役割を有する。
本発明の脱酸素多層体を構成するヒートシール層には前述の役割を果たすことが可能な、酸素透過性を有する無延伸の熱可塑性樹脂であれば、制限することなく使用することができる。熱可塑性樹脂の種類としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、メタロセン触媒によるポリエチレン等の各種ポリエチレン類、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、メタロセン触媒によるポリプロピレン等の各種ポリプロピレン類、ポリメチルペンテン、熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらを単独で、または組み合わせて使用することができる。特に、後述するが、ヒートシール層において、剥離強度を800g/15mm以下と調整するために、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の樹脂を混合し、ヒートシール層同士のヒートシール時の剥離強度を調整することが好ましい。
脱酸素多層体を構成するヒートシール層の膜厚は、層数に関わらず10〜100μmであることが好ましく、20〜60μmであればより好ましい。ヒートシール層の膜厚が10μmより薄いと酸素吸収層の酸素吸収剤が表面に露出したりするため好ましくない。また、ヒートシール層の膜厚が100μmより厚いと、積層が困難になったり、また酸素透過性が低下してフィルムの酸素吸収性能が低下したり、さらにコストに問題があるため好ましくない。
脱酸素多層体を構成する酸素吸収層は、熱可塑性樹脂中に酸素吸収剤を分散してなるものである。酸素吸収層は、容器内又は収納物品中に溶存する酸素を吸収する役割、また、酸素バリア層外部から侵入する微量の酸素を吸収して容器内部への酸素透過を防ぐ役割を有する。特に、電子レンジにて加熱調理するため、金属箔、金属蒸着の酸素バリア性の高い材料を使用できないため、外部から侵入する酸素を吸収することが、食品等の内容物の保存性を高めるための重要な機能となる。
酸素吸収層を構成する熱可塑性樹脂は、前述のヒートシール層に用いる樹脂として挙げたものと同様の樹脂が使用されるが、ヒートシール層との接合強度を考慮して、ヒートシール層を構成し同種又は混合系の場合、主とした材料の熱可塑性樹脂を選択するのが好ましい。これにより、ヒートシール層と酸素吸収層のラミ剥離強度を一定以上に保つことができる。
酸素吸収層に分散される脱酸素剤成分としては、鉄系酸素吸収剤使用され、鉄粉及びハロゲン化金属の混合物が用いられる。主剤である鉄粉としては、酸素吸収反応を起こしうるものであれば純度等には特に制限することなく使用でき、例えば、表面の一部が既に酸化していても良く、他の金属を含有するものであっても良い。また、鉄粉は粒状のものが好ましく、例えば、還元鉄粉、噴霧鉄粉、電解鉄粉等の鉄粉、鋳鉄、鋼材等の各種鉄の粉砕物や研削品等が用いられる。その平均粒径は、取り扱い性や、酸素吸収層の膜厚を薄くすること、及びフィルム外観に現れる酸素吸収剤の凹凸をできるだけ防ぐことを考慮し、1〜100μmの範囲とすることが好ましく、特に1〜80μmの範囲とすることが好ましい。
鉄系酸素吸収剤の助剤であるハロゲン化金属としては、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物、臭化物またはヨウ化物が用いられ、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムまたはバリウムの塩化物またはヨウ化物が好ましく用いられる。ハロゲン化金属の配合量は、鉄粉100重量部当たり0.1〜20重量部が好ましく、特に0.1〜5重量部が好ましい。
ハロゲン化金属は、鉄粉に付着して容易に分離しないよう、予め混合して添加することが好ましい。例えば、ボールミル、スピードミル等を用いてハロゲン化金属と鉄粉を混合する方法、鉄粉表面の凹凸部にハロゲン化金属を埋め込む方法、バインダーを用いてハロゲン化金属を鉄粉表面に付着させる方法、ハロゲン化金属水溶液と鉄粉を混合した後乾燥して鉄粉表面にハロゲン化金属を付着させる方法等を採ることができる。好ましい酸素吸収剤は、鉄粉とハロゲン化金属を含む鉄粉系組成物であり、特に好ましくは、鉄粉にハロゲン化金属を付着させたハロゲン化金属被覆鉄粉系組成物である。
酸素吸収層中における酸素吸収剤の配合量は10〜70重量%の範囲とすることが好ましく、10〜60重量%の範囲がより好ましい。酸素吸収剤の配合量が10重量%より低いと、酸素吸収能力が不十分であり好ましくなく、70重量%より高いと、酸素吸収層を製膜することが困難であるため好ましくない。
酸素吸収層の膜厚は、構成材料によらず、10〜100μmの範囲とすることが好ましく、特に好ましくは20〜80μmの範囲である。酸素吸収層の膜厚が10μmより薄いと、製膜が困難となったり、フィルム単位面積当たりの酸素吸収剤量が少なくなり、十分な酸素吸収性能が得られなくなる。また、100μmより厚いと、フィルム総厚みが厚くなり、取り扱い性に不便を生じる場合があったり、コストに問題が生じる。
また、本発明の酸素吸収層には、必要に応じて、酸化チタン等の着色顔料、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、安定剤等の各種添加剤、クレー、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤、消臭剤、活性炭やゼオライト等の吸着剤等を添加しても良い。
脱酸素多層体を構成する酸素バリア層には、公知の酸素バリア性材料が用いられる。たとえば、ナイロンMXD6、EVOH、PVA、PVDC等の酸素バリア性熱可塑性樹脂やシリカ蒸着やアルミナ蒸着等の蒸着膜が用いられる。
脱酸素多層体を構成する酸素バリア層の内側又は外側には、必要に応じて耐衝撃性熱可塑性樹脂からなる層を積層してもよい。好ましい耐衝撃性熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6やナイロン6,6等のポリアミド、ポリプロピレンが例示される。
前記酸素バリア層と耐衝撃性熱可塑性樹脂からなる層との間には、印刷層を設けることが好ましい。
酸素吸収層とバリア層等の間に多層体の補強、層間強度の向上、酸素吸収層の隠蔽など必要に応じて、各種樹脂層を積層してもよい。例えば、白色顔料入りポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6やナイロン6,6等が挙げられる。
脱酸素多層体を構成する各層は、ウレタン系もしくはエポキシ系の接着剤又はポリオレフィン系のホットメルト剤を使用して接合してもよく、接着剤を使用しないで熱融着法によって接合してもよい。
本脱酸素多層体は、包装容器の一部に使用されていればよい。例えば、3方袋の両面に使用する場合、3方袋の片面に使用する場合、側面フィルムと底面フィルムからなる自立製袋の全面に使用する場合、側面フィルムの両面に使用する場合、側面フィルムの片面に使用する場合などがあり、コスト、内容物等を考慮し、適宜使用される。脱酸素多層体以外の部分には少なくとも前記記載の酸素バリア層、前記記載のヒートシール層からなる多層体が用いられる。
この包装体にあって、その上部に内容物収納口6が設けられており、該内容物が収納された後、ヒートシール部7を形成することにより、この内容物が密封包装される。収納される内容物としては、カレー、シチュー、スープ、粥、米飯、牛丼、親子丼、卵丼等の丼の具材、スパゲティミートソース、ホワイトソース、シュウマイ、肉まん、あんまん、餃子、焼き鳥、むき栗、豆等が挙げられる。
本発明の包装体は、加熱に適し、特に電子レンジによる加熱に適する。包装体のまま電子レンジに収納して所定の時間を加熱して、開封後直ちに食することができる。加熱に伴って、容器内部において水蒸気の発生やあらかじめ密封された内部空気の熱膨張により、その内部圧力が上昇すると、包装体シール部に設けた、易通蒸手段の少なくとも1箇所が前記内圧により剥離を起して開口し、内部の水蒸気や膨張空気等の気体を排出することで圧力が低下される。
シール部の外側端縁から設けてシール幅を局所的に狭くした非シール部と、この非シール部に対応して包装容器の内側に向かって該非シール部の内側縁から局所的に膨出させた膨出シール部からなる易通蒸手段を設けた場合、容器内部は、すなわち、膨出シール部5を有する包装容器では、加熱による圧力上昇により膨出シール部5が、剥離する方向に力を受ける。
そのため、膨出シール部5において剥離が開始し、図4に示されるように、剥離がシール部2内へ至ると、容器が開口して容器内部の圧力気体が放出される。
シール部の外側端縁から設けてシール幅を局所的に狭くした非シール部と、この非シール部に対応して包装容器の外側へ向かって該非シール部の内側縁から局所的に欠落させた未シール部からなる易通蒸手段を設けた場合は、図8に示されるように、剥離がシール部2内へ至ると、容器が開口して容器内部の圧力気体が放出される。
剥離を進行させ、効率的に通蒸するためには、剥離h部のヒートシール層同士の剥離強度が800g/15mm以下であり、ヒートシール層及び酸素吸収層の層間ラミ強度及び酸素吸収層とバリア層又は熱可塑性樹脂層との層間ラミ強度が800g/15mm以上であることが必要である。層間ラミ強度がそれより低いと、剥離部hでヒートシール層同士の剥離が発生せずに、効率的な通蒸がなされない。
さらに、電子レンジ時の内圧上昇を考慮し、90℃下のヒートシール層同士の剥離強度が500g/15mm以下であり、ヒートシール層及び酸素吸収層の層間ラミ強度及び酸素吸収層とバリア層又は熱可塑性樹脂層との層間ラミ強度が500g/15mm以上であることがより好ましい。
易通蒸部3のヒートシール層同士の剥離強度を800g/15mm以下に調整する方法としては、融点120℃以下のポリオレフィン、好ましくは90〜105℃のポリオレフィンからなるテープを、易通蒸部3に挿入したり、疎水性のオイルを塗布して調整してもよい。疎水性のシリコンオイルは、衛生上問題なければよく、シリコンオイル、大豆油、菜種油、パラフィン系プロセスオイル、脂肪酸及び脂肪酸誘導体が挙げられる。
以下に本発明の実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
平均粒径30μmの還元鉄粉100重量部に対して塩化カルシウム3重量部を含む水溶液を混合、乾燥して粒状の被覆鉄粉系脱酸素剤組成物を得た。得られた脱酸素剤組成物30重量部、エチレン−プロピレンランダム共重合体樹脂(チッソ(株)製、商品名F8090)69重量部及び酸化カルシウム1重量部をブレンドし、35mm二軸押し出し機にて押し出しを行い、ブロワ付きネットベルトで冷却後ペレタイザーを経て、酸素吸収剤含有コンパウンドを得た。
単軸押出機、Tダイ、冷却ロール、スリッター及び巻き取り機からなる押出ラミネート装置を用い、内面側に、繰り出される厚さ50μmのオレフィン混合系フィルム((株)東セロ製、商品名CMPS013)をシーラント層とし、その上に作成した前記酸素吸収剤含有コンパウンドを厚さ30μmで押出しラミネートし、酸素吸収層とした。さらに、その上に中間層として厚さ15μmの延伸ナイロンフィルムをドライラミネートし、さらにその上に、厚さ12μmの蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(凸版印刷(株)製、商品名GL−AEH)の蒸着面が内面側となるようにドライラミネートし積層し、酸素バリア層とした。さらに、その外側に印刷を施した厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートを積層した。得られた脱酸素多層体は、内面側より、オレフィン混合フィルム(ヒートシール層)/酸素吸収剤含有層(酸素吸収層)//延伸ナイロン//シリカ蒸着膜PET(バリア層)/印刷PETの構成からなる。(//はドライラミネートを表す。)
次に、得られた脱酸素多層体から、図1記載のシール幅を局所的に狭くした非シール部と、内側に向かって局所的に膨出させた膨出シール部を備えた袋を内寸18cm×15cmの三方シール袋として作製し、たれ付焼き鳥250gを充填し、上部をヒートシールにて密封した包装袋を作成した。この包装袋を115℃、40分間の条件にて加熱処理を施した後、35℃、80%RHの恒温恒湿槽内に1ヶ月間保存した後、500W電子レンジにて、包装袋をそのまま120秒間マイクロ波照射して加熱を行った。約100秒後に、包装袋が内圧で膨張し、膨出シール部2箇所が剥離、非シール部より通蒸した。電子レンジより取り出し、開封して、焼き鳥の臭気及び色調を調査した。焼き鳥は良好な風味及び色調を保持していた。
[実施例2]
実施例1の脱酸素多層体のヒートシール層をブロックポリプロピレンからなる厚さ50ミクロンの無延伸ポリプロピレン(昭和電工プラスチックプロダクツ(株)製;製品名アロマーUSN1)とし、内容物を枝豆とした以外は、実施例1と同様にして試験した。500W電子レンジにて、包装袋をそのまま120秒間マイクロ波照射して加熱を行った。約100秒後に、包装袋が内圧で膨張し、膨出シール部2箇所が剥離、非シール部より通蒸した。電子レンジより取り出し、開封して、枝豆の臭気及び色調を調査した。枝豆は良好な風味及び色調を保持していた。
[実施例3]
厚み70ミクロンの無延伸ポリプロピレン(昭和電工プラスチックプロダクツ(株)製;製品名アロマーUSN1)と中間層として厚さ15μmの延伸ナイロンフィルムをドライラミネートし、さらにその上に、厚さ12μmの蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(凸版印刷(株)製、商品名GL−AEH)を積層し、ポリプロピレン/ナイロン/蒸着PETからなる酸素バリア性多層体を作製した。このフィルムを片側とし、さらにもう一方のフィルムを実施例2で作製した脱酸素多層体とし、図1記載のシール幅を局所的に狭くした非シール部と、内側に向かって局所的に膨出させた膨出シール部を備えた袋を内寸18cm×15cmの三方シール袋として作製した。この包装袋にシュウマイ200gを充填し、120℃45分のレトルト処理を行った後、35℃、80%RHの恒温恒湿槽内に1ヶ月間保存した後、500W電子レンジにて、包装袋をそのまま120秒間マイクロ波照射して加熱を行った。約100秒後に、包装袋が内圧で膨張し、膨出シール部2箇所が剥離、非シール部より通蒸した。電子レンジより取り出し、開封して、シュウマイの臭気及び色調を調査した。シュウマイは良好な風味及び色調を保持していた。
[実施例4]
実施例1で作製した脱酸素性多層体を用いて、図9記載の袋を内寸13cm×18cmとして作製した。この包装袋に、スパゲティミートソースを200g充填密封し、115℃、40分間のレトルト処理を行った後、35℃、80%RHの恒温恒湿槽内に1ヶ月間保存した後、500W電子レンジにて、包装袋をそのまま120秒間マイクロ波照射して加熱を行った。約100秒後に、包装袋が内圧で膨張し、片寄せしヒートシールした合掌部の未シール部が剥離し、通蒸した。包装袋を電子レンジより取り出し、開封して、スパゲティミートソースの色調、風味を調査した。スパゲティミートソースは良好な風味及び色調を保持していた。
本発明の第一例の加熱処理用脱酸素包装容器を示す説明図である。 図1における加熱処理用脱酸素包装容器の各変形例を示す正面図である。 図1における加熱処理用脱酸素包装容器のさらに各変形例を示す正面図である。 本発明の第二例の加熱処理用脱酸素包装容器を示すものである。 本発明の加熱処理用脱酸素包装袋容器の一例を示す斜視図である。
符号の説明
A 包装容器
1 脱酸素多層体
2 シール部
3 易通蒸手段
4 非シール部
5 膨出シール部
9 未シール部

Claims (4)

  1. 包装容器の少なくとも一部に、酸素バリア層、樹脂に酸素吸収剤を配合した酸素吸収層及びシーラント層から構成された多層体が使用され、
    該多層体のシーラント層において、加熱時に上昇した容器内部の圧力により開封する易通蒸手段を1箇所以上設けてシールすることにより密封された、
    加熱処理用脱酸素包装容器。
  2. 易通蒸手段が、前記シール部の外側端縁から設けてシール幅を局所的に狭くした非シール部と、この非シール部に対応して包装容器の内側に向かって該非シール部の内側縁から局所的に膨出させた膨出シール部からなることを特徴とする請求項1記載の加熱処理用脱酸素包装容器。
  3. 易通蒸手段が、前記シール部の外側端縁から設けてシール幅を局所的に狭くした非シール部と、この非シール部に対応して包装容器の外側へ向かって該非シール部の内側縁から局所的に欠落させた未シール部からなることを特徴とする請求項1記載の加熱処理用脱酸素包装容器。
  4. 易通蒸手段が、包装容器の一方の側部へ片寄せさせて設けた、ヒートシールにより合掌状に接着されたシール部であることを特徴とする請求項1記載の加熱処理用脱酸素包装容器。
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