JP3424734B2 - 脱酸素性包装袋 - Google Patents

脱酸素性包装袋

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JP3424734B2 JP04748898A JP4748898A JP3424734B2 JP 3424734 B2 JP3424734 B2 JP 3424734B2 JP 04748898 A JP04748898 A JP 04748898A JP 4748898 A JP4748898 A JP 4748898A JP 3424734 B2 JP3424734 B2 JP 3424734B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2枚の側面用フィ
ルムと1枚の底面用フィルムからなる自立性を有する脱
酸素性包装袋に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、脱酸素包装技術の一つとして、脱
酸素剤組成物を配合した酸素吸収性樹脂層を配した多層
材料で容器を構成し、容器のガスバリア性の向上を図る
と共に容器自体に脱酸素機能を付与した包装体の開発が
行われている。脱酸素性機能を備えた包装体は、通常、
脱酸素剤組成物を配合した酸素吸収性樹脂層を中間層と
し、その両側にガスバリア性を有するガスバリア層と酸
素透過性を有する酸素透過層とを備えた脱酸素性多層体
で構成されるが、シート状またはフィルム状の脱酸素性
多層体は、袋、カップ、トレイ等の容器に成形加工の容
易な多層樹脂積層構造体として開発されている。
【0003】脱酸素性多層体としては、例えば、特開平
2−72851号公報、特開平4−90848号公報等
に開示される、脱酸素組成物を樹脂中に分散させた層を
含む多層フィルムや多層シートが利用できる。また特開
平8−72941号公報には脱酸素性多層容器の脱酸素
性能の向上を図る技術が提案されている。また特開平7
−309323号公報には、特定の融点、軟化点を有す
るプロピレン系樹脂とエチレン−ビニルアルコール共重
合体を用いた脱酸素機能を有する多層容器が開示されて
いる。さらに脱酸素剤配合樹脂層とガスバリア層の間に
ポリオレフィン層を介在させた構成として、特開平8−
1325号公報、特開平9−40024号公報の開
がある。
【0004】脱酸素性多層体からなる包装体としては
袋、カップ、トレイ等があり、一般的に袋は脱酸素性多
層フィルムから成形加工され、カップ、トレイは脱酸素
性多層シートから成形加工され、被包装物が充填され
る。これらのうち、脱酸素性多層フィルムからなる袋の
場合、特に2枚の側面用フィルムと1枚の底面用フィル
ムからなる自立性を有する包装袋に被包装物を充填する
際は、袋を開口し袋内に被包装物を充填するスペースを
確保するために、袋の易開口性が要求される。しかし脱
酸素性多層フィルムは酸素吸収層を有するため、フィル
ムの総厚みが厚くなり、フィルム自体の柔軟性が低下す
る。そのため、袋の底面用フィルムとして該フィルムを
使用すると包装袋の開口性が悪化し、被包装物を充填す
る際に充填するのに十分なスペースが確保できない上、
底面用フィルムが開きにくいため、袋自体が自立せず、
機械による高速自動充填において充填不良が発生すると
いう問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、2枚の側面
用フィルムと1枚の底面用フィルムからなる自立性を有
する包装袋において、脱酸素性多層フィルムを使用して
も、被包装物を充填する際に袋を開口しやすく、充填不
良がなく、安定した充填ができるような自立包装袋を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、特定の部材フィルムを組み合わせること
によって上記課題が解決できることを見いだし、本発明
を完成するに至った。すなわち本発明は、2枚の側面用
フィルムと1枚の底面用フィルムからなる自立性を有す
る包装袋において、側面用フィルムの1枚又は2枚が、
酸素透過性のポリオレフィンからなる酸素透過層(層
1)ポリオレフィンに脱酸素剤組成物を配合した酸素吸
収性樹脂組成物からなる酸素吸収層(層2)及びガスバ
リア性物質からなるガスバリア層(層3)の少なくとも
3層が内側より順次積層されている脱酸素性多層フィル
ムからなり、且つ他のフィルムが脱酸素機能を有しない
ガスバリア性フィルムからなることを特徴とする自立性
を有する脱酸素性包装袋に関する。
【0007】本発明では、脱酸素性多層フィルムの総厚
みが80〜180μm であることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明を図面に即して説明する。
本発明に係る脱酸素性多層フィルムは図1に示すよう
に、酸素透過層(層1)、酸素吸収層(層2)、ガスバ
リア層(層3)の少なくとも3層がこれらの順に積層さ
れていて、さらに保護層(層4)が積層されていてもよ
い。脱酸素性多層フィルムを本発明の自立性を有する脱
酸素性包装袋の部材として使用する際には、層1が内面
となる。包装袋内部に存在する酸素は層1を透過し、層
2中の脱酸素剤組成物によって吸収され、さらに、包装
袋外部から透過、侵入してくる酸素は層3にて遮断され
るため、被包装物の長期保存が可能となる。
【0009】また、本発明の自立性を有する脱酸素性包
装袋の模式図を図2に示す。側面用フィルムの1枚又
は2枚に前記脱酸素性多層フィルムが用いられる。
【0010】本発明に係る脱酸素性多層フィルムの層1
は、酸素透過層であると共にヒートシール層としての役
割を有し、さらに層2と被包装物が直接接触するのを防
ぐ隔離層としての役割を有する。層1に使用される熱可
塑性樹脂としては、各種ポリエチレン、各種ポリプロピ
レン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−ア
クリル酸(またはメタクリル酸)共重合体、エチレン−
無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、アイオノマー、ポリブテン、ポリメチルペンテン等
のポリオレフィン類、熱可塑性エラストマー等のうち一
種以上を組み合わせたものが挙げられる。これらのう
ち、各種ポリエチレン、各種ポリプロピレン及びこれら
の混合物が良好な酸素透過、シール性、耐衝撃性、汎用
性、衛生性、加工性、及びコストの面から好ましく使用
される。また、層1は上記樹脂の単層に限らず2層以上
の多層構造を有してもよい。
【0011】層1の厚みは、10乃至100μmの範囲
に設定することが好ましく、より好ましくは20乃至8
0μmである。10μmより薄いと、押し出し安定性、
機械物性やヒートシール性が低下したり、酸素吸収樹脂
層中の脱酸素剤がシーラント層表面に露出して、被包装
物を汚染する場合があるため、好ましくない。また、1
00μmより厚いと、フィルムの総厚みが厚くなり、酸
素透過性が低下し、脱酸素性多層フィルムの酸素吸収速
度が低下するため、好ましくない。
【0012】シーラント層には必要に応じて、隠蔽や着
色のための顔料、シラン系やチタネート系等の分散剤、
酸化防止剤、クレー、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム
等の充填剤を添加することができる。本発明において、
シーラント層を着色することは、酸素吸収樹脂層を隠蔽
することを目的として好ましく行われる。なお、各種添
加剤は例示したものに限定されることなく用いることが
できる。
【0013】層2は、ポリオレフィンに脱酸素剤組成物
を配合した酸素吸収性樹脂組成物からなる。脱酸素剤組
成物としては、水分の供給を受けて脱酸素反応を起因す
る、いわゆる水分依存型と呼ばれる粒状の脱酸素剤組成
物が用いられ、鉄粉およびハロゲン化金属からなる公知
の脱酸素剤組成物を使用することができる。鉄粉として
は、還元鉄粉、噴霧鉄粉等の各種製法で得られる鉄粉を
使用することができ、鉄粉の粒径は平均粒径10乃至5
0μmが好ましく、その最大粒子径は酸素吸収樹脂層の
加工を考慮して制限をうける。ハロゲン化金属として
は、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウ
ム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩
化カルシウム、塩化マグネシウム、または塩化バリウム
等で例示されるアルカリ金属、またはアルカリ土類金属
のハロゲン化物の一種以上が好ましく用いられる。
【0014】酸素吸収性樹脂組成物の脱酸素剤組成物の
含有量は5乃至80重量%が好ましく、10乃至70重
量%であればより好ましい。脱酸素剤組成物の含有量が
5重量%より少ない場合には酸素吸収性能が低下し、ま
た、80重量%より多い場合には加工性が悪化する。
【0015】また、層2には、例えば酸化チタンや、カ
ーボンブラック等の顔料、炭酸カルシウム、クレー、マ
イカ等の無機充填剤、シラン系やチタネート系の分散
剤、ポリアクリル酸系化合物、酸化カルシウム等の吸水
剤、活性炭等の吸着剤、酸化防止剤等を添加することが
できる。
【0016】層2の厚みは脱酸素性多層フィルムの酸素
吸収性能を損なわない範囲にてできるだけ薄くすること
が好ましく、10乃至100μmに設定することが好ま
しく、20乃至80μmであればより好ましい。
【0017】層3は、外部から侵入する酸素を遮断する
役割を有し、その25℃での酸素透過度は100cc/
2 ・atm・day以下が好ましく、50cc/m2
・atm・day以下であればより好ましい。酸素透過
度が100cc/m2 ・atm・dayより大きいと、
ガスバリア層を透過する酸素量が多くなり、被包装物の
保存性が低下するため、好ましくない。
【0018】層3を構成する材料としては、従来公知の
ガスバリア性材料、例えば、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リアミド系樹脂等のガスバリア性樹脂、またはシリカ蒸
着フィルム、アルミ蒸着フィルム等の蒸着フィルム、更
にはアルミ箔等の金属箔等が用いられる。また層3の外
側には、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル
や、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロン6等
のポリアミド樹脂からなる保護層(層4)を設けた多層
構造であっても良く、層4としてポリアミド樹脂を用い
ることが、耐衝撃性の向上のため好ましい。また、層4
に層2を隠蔽するための顔料、例えば酸化チタンやカー
ボンブラック等を添加しても良い。層3の厚みは、5乃
至30μmとすることが好ましい。
【0019】本発明に係る脱酸素性多層フィルムは、各
種ラミネートや共押し出し等の公知の積層方法を用いて
製造することができるが、強度保持、接着、表面平滑化
等の目的で、これらの層以外にもさらに別の層を必要に
応じて組み合わせて積層できる。
【0020】本発明に係る脱酸素性多層フィルムの総厚
みは、80〜180μmの範囲になるように、各層の厚
みを設定することが好ましい。自立性を有する包装袋の
側面フィルムの1枚又は2枚に、総厚みを上記範囲に設
定した脱酸素性多層フィルムを用いることで、優れた開
口性を有するものとすることができる。
【0021】本発明の自立性を有する脱酸素性包装袋
は、食品等の被包装物を充填する際に、被包装物を充填
するスペースを確保したり開口し袋を自立させるため
に、包装袋の開口性が要求される。本発明における開口
性とは、被包装物の充填において包装袋口への空気等の
ガス吹き付けに対して容易に開口し、自動包装に対応で
きる特性をいう。
【0022】本発明の自立性を有する脱酸素性包装袋に
は、部材フィルムとして、2枚の側面用フィルムの1枚
又は2枚には脱酸素性多層フィルムが使用され、その他
の部分には脱酸素機能を有しないガスバリア性フィルム
が用いられる。具体的には、ヒートシール層/ガスバリ
ア層からなる一般的なバリア性多層フィルムのうち、酸
素透過度が100cc/m2 ・atm ・ day 以下のものが
好ましく用いられる。また、このガスバリア性フィルム
としては保護層等を積層した多層構造体であっても良
い。
【0023】2枚の側面用フィルムと1枚の底面用フィ
ルムからなる自立性を有する包装袋において、脱酸素性
多層フィルムを使用する形態としては、(1)側面用フ
ィルムの一方のみの場合、(2)側面用フィルムの両方
のみの場合、(3)底面用フィルムのみの場合、(4)
全面の場合が考えられる。(3)または(4)の様に底
面用フィルムに脱酸素性多層フィルムを使用した場合に
は、該フィルムの柔軟性が悪いために包装袋の開口性が
悪化し充填しにくいという問題があり、自動包装機にお
いて袋口への空気吹き付けに対して、自立性袋とならず
に倒れたり、充填物の十分なスペースを確保できずに所
定量充填した時にあふれ出すという問題が生じる。一
方、()または()の様に側面用フィルムの1枚又
は2枚に脱酸素性多層フィルムを使用し他は脱酸素機能
を有しないガスバリア性フィルムを使用した場合には、
包装袋の開口性が良好であり、このような問題は発生し
ない。
【0024】本発明の自立性を有する脱酸素性包装袋
は、被包装物を自動充填する際に、袋口への空気吹き付
けによって簡単に自立性袋を形成し、安定した充填が可
能になる。さらに脱酸素性多層フィルムを使用すること
で袋外から僅かに侵入する酸素の他袋内の酸素を吸収し
て、袋内被包装物の酸素による変質を防止し、優れた品
質保持効果を発揮することができる。
【0025】本発明の脱酸素性包装袋には、例えば、多
水分食品や飲料等の物品、具体的には、多水分食品とし
ては炊飯米、お粥、煮物、揚げ物等の惣菜類、和菓子や
ケーキ等の菓子類、ソーセージ、ハム等の畜肉加工品
類、飲料としてはオレンジジュース等のジュース類、日
本酒、ウイスキー等の酒類等の種々の物品を収納し、ヒ
ートシールによる密閉をすることで、被包装物の酸化腐
食等が防止されて、良好な品質保持のもとに長期保存が
可能になる。
【0026】本発明の脱酸素性包装袋は、食品または医
薬品を密封し次いで105℃〜135℃での加熱処理を
行うことができ、食品や医薬品の加熱殺菌保存が可能で
ある。即ち、該包装袋は前記温度範囲で加熱処理しても
耐熱性、密封性、耐衝撃性に優れ、包装袋内の酸素を除
去し、さらに包装袋外から侵入する酸素を遮断すること
により、食品や医薬品の品質保持に顕著な効果を発揮す
る。なお、殺菌のための加熱時間には特に制限はない
が、効果的な殺菌のためには4分〜90分が好ましい。
【0027】
【実施例】本発明を実施例に沿ってさらに詳しく説明す
る。なお、本発明は実施例に必ずしも限定されない。 [実施例1]平均粒径30μm の還元鉄粉100kgを
加熱ジャケット付き真空混合乾燥機中に投入し、10m
mHgの減圧下に140℃で加熱乾燥しつつ、塩化カル
シュウム50重量%水溶液5kgを噴霧し、得られた乾
燥粒子を篩い分けして80μm オーバーの粗粒を除き、
最大径80μm の脱酸素剤組成物を得た。 次に、ベン
ト付き45mmΦ同方向回転二軸押出機と定量フィーダ
ーからなる押し出し装置を用いてエチレンープロピレン
ブロック共重合体と上記脱酸素剤組成物と酸化カルシウ
ムを重量比40:58:2で混練し、ストランドダイか
ら押し出した後、空冷、破砕してマスターバッチを得
た。なお、その際に鉄粉の凝集物を除去することを目的
に二軸押出機のブレーカープレート部分に80メッシュ
のスクリーンメッシュを設置した。次いで、単軸押出
機、Tダイ、冷却ロールからなるタンデム押出ラミネー
ターを用い、厚さが50μm で融点が163℃のエチレ
ンープロピレンブロック共重合体からなる無延伸ポリプ
ロピレンフィルム(酸素透過層(層1))の片面に、押
出機から、前記マスターバッチを40μm の厚みで押し
出して、酸素透過層(層1)//酸素吸収層(層2)か
らなる多層フィルムを得た。
【0028】得られた多層フィルムの層2側に、厚さ9
μm のアルミ箔(ガスバリア層(層3))、厚さ15μ
m のナイロン6と厚さ12μm のポリエチレンテレフタ
レートフィルム(保護層(層4))を順次ドライラミネ
ートして、酸素透過層(層1)/酸素吸収層(層2)/
ガスバリア層(層3)/保護層(層4)からなる脱酸素
性多層体を得た。
【0029】次に2枚の側面用フィルムと1枚の底面用
フィルムからなる自立性を有する袋(スタンディングパ
ウチ)を作製した。2枚の側面用フィルム(150×9
0mm)の内、片面を前記脱酸素性多層体からなるフィ
ルム、もう一方の側面用フィルムと底面用フィルム(5
5×90mm)にポリエチレンテレフタレートフィルム
(12μm )/アルミ箔(9μm )/無延伸ポリプロピ
レンフィルム(60μm )からなるガスバリア性のアル
ミ箔積層フィルムを用い、底面用フィルムを2つ折りに
し、両端を1部切り欠き、2枚の側面用フィルムの間に
挟んで両者をヒートシールし接合することによって、上
部が開口したスタンディングパウチ(縦150mm×横
90mm×底面幅55mm)を得た。次に、このスタン
ディングパウチ30枚を自動充填機にセットし、袋内に
元圧が1.0kg/cm2 の空気を注入して、底面用フ
ィルムの開き具合から、袋の開口性、すなわち自立性を
有する充填可能な袋が安定して得られるかどうかを調査
した。この袋の充填機の空気注入による開口性は良好で
あった。次にスタンディングパウチにお粥150gを自
動充填機にて充填し、密封した。袋内部の空気量は約7
ccであった。この密封袋を135℃で10分間加熱処
理し、加熱処理直後の袋内酸素濃度を測定した。その
後、23℃下に保存し、3ヶ月後の香味及び風味につい
て評価した。結果を表1に示した。
【0030】[実施例2]2枚の側面用フィルムに前記
脱酸素性多層フィルム、1枚の底面用フィルムに前記ア
ルミ箔積層フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様
にしてスタンディングパウチを作製し、実施例1と同様
の評価を実施した。袋の開口性は良好であり、安定した
充填ができた。結果を表1に示す。
【0031】[比較例1]2枚の側面用フィルムに前記
アルミ箔積層フィルム、1枚の底面用フィルムに前記脱
酸素性多層体からなるフィルムを用いたこと以外は実施
例1と同様にしてスタンディングパウチを作製し、実施
例1と同様の評価を実施した。この袋の開口性は悪く、
空気を吹き付けても、袋内に十分な充填スペースが確保
できないうえ、底部フィルムが開かないために自立性の
袋にならず、お粥を充填することができなかった。 自
動充填機では充填できないため、手で袋を開口してお粥
150gを充填し、実施例1と同様の保存試験を実施し
た。結果を表1に示す。
【0032】[比較例2]全面に前記脱酸素性多層体か
らなるフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にし
てスタンディングパウチを作製し、実施例1と同様の評
価を実施した。この袋の開口性は悪く、空気を吹き付け
ても、袋内に十分な充填スペースが確保できないうえ、
底部フィルムが開かないために自立性の袋にならず、お
粥を充填することができなかった。 自動充填機では充
填できないため、手で袋を開口してお粥150gを充填
し、実施例1と同様の保存試験を実施した。結果を表1
に示す。
【0033】
【表1】
【0034】底面用フィルムに脱酸素性多層フィルムを
用いた比較例1又は比較例2の場合には、袋の開口性が
悪いために自動充填機によるお粥の充填は不調であり、
更には底面用フィルムのみに脱酸素性多層フィルムを用
いた比較例1の場合には、脱酸素が不十分なためにお粥
の保存性も不良であった。一方、実施例1、実施例2の
様に、側面用フィルムの1枚又は2枚が脱酸素性多層フ
ィルムからなり、他のフィルムが脱酸素機能を有しない
ガスバリア性フィルムからなる場合には、袋の開口性が
良好なために、自動充填機によるお粥の充填は順調であ
り、更には袋の脱酸素機能が高いので、3ヶ月保存後の
お粥の品質保持は極めて良好であった。
【0035】
【発明の効果】本発明の自立性を有する脱酸素性包装袋
は、開口性に優れているため、自動充填に際して容易に
自立性袋の形状を維持して被包装物の充填を安定化し、
自動充填包装機による食品等包装体の大量製造を可能に
する。また本発明の脱酸素性包装袋は、優れた脱酸素機
能を有するため、袋外から僅かに侵入してくる酸素の他
袋内の酸素を吸収して速やかに脱酸素状態とし、被包装
物の酸素による変質を防止することにより長期間の品質
保持を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る脱酸素性多層フィルムの一態様
の断面図。
【図2】 本発明の自立性を有する脱酸素性包装袋の模
式図の一例。
【符号のの説明】
層1 酸素透過層 層2 酸素吸収層 層3 ガスバリア層 層4 保護層 側面用フィルム 底面用フィルム ヒートシール部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−328142(JP,A) 特開 平7−206034(JP,A) 特開 平7−268140(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B65D 30/00 - 30/28 B65D 81/00 - 81/30

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2枚の側面用フィルムと1枚の底面用フィ
    ルムからなる自立性を有する包装袋において、側面用フ
    ィルムの1枚又は2枚が、酸素透過性のポリオレフィン
    からなる酸素透過層(層1)、ポリオレフィンに脱酸素
    剤組成物を配合した酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素
    吸収層(層2)及びガスバリア性物質からなるガスバリ
    ア層(層3)の少なくとも3層が内側より順次積層され
    ている脱酸素性多層フィルムからなり、且つ他のフィ
    ルム(少なくとも底面用フィルムを含むことを必須とす
    る)、酸素吸収層を含まず、ヒートシール層/ガスバ
    リア層からなる、脱酸素機能を有しないガスバリア性フ
    ィルムからなることを特徴とする自立性を有する自動充
    填包装用脱酸素性包装袋。
  2. 【請求項2】脱酸素性多層フィルムの厚みが80〜18
    0μmである請求項記載の脱酸素性包装袋。
  3. 【請求項3】ガスバリア層(層3)の外側に、さらに保
    護層(層4)が積層された請求項1記載の脱酸素性包装
    袋。
  4. 【請求項4】脱酸素機能を有しないガスバリア性フィル
    ムが、さらに保護層を積層した多層構造体である請求項
    1記載の脱酸素性包装袋。
  5. 【請求項5】105℃〜135℃での加熱処理を行うこ
    とができる請求項1記載の脱酸素性包装袋。
  6. 【請求項6】自動充填包装機を用いる包装体の製造にお
    いて、 2枚の側面用フィルムと1枚の底面用フィルムからなる
    自立性を有する包装袋において、側面用フィルムの1枚
    又は2枚が、酸素透過性のポリオレフィンからなる酸素
    透過層(層1)、ポリオレフィンに脱酸素剤組成物を配
    合した酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層(層
    2)及びガスバリア性物質からなるガスバリア層(層
    3)の少なくとも3層が内側より順次積層されている脱
    酸素性多層フィルムからなり、且つ、他のフィルム(少
    なくとも底面用フィルムを含むことを必須とする)が、
    酸素吸収層を含まず、ヒートシール層/ガスバリア層か
    らなる、脱酸素機能を有しないガスバリア性フィルムか
    らなる自立性を有する自動充填包装用脱酸素性包装袋を
    使用することを特徴とする、包装体の製造方法。
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