JP2003335367A - 脱酸素性密封容器 - Google Patents

脱酸素性密封容器

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JP2003335367A
JP2003335367A JP2002144106A JP2002144106A JP2003335367A JP 2003335367 A JP2003335367 A JP 2003335367A JP 2002144106 A JP2002144106 A JP 2002144106A JP 2002144106 A JP2002144106 A JP 2002144106A JP 2003335367 A JP2003335367 A JP 2003335367A
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container
gas barrier
synthetic resin
oxygen
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Takashi Kashiba
隆史 加柴
Tomotaka Wada
友孝 和田
Masaki Takeuchi
雅規 竹内
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Resonac Packaging Corp
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Showa Denko Packaging Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 被保存物品の品質を損なわずに保存でき
る上、脱酸素性密封容器を開封する際にスムースに開封
することができ、更に鉄粉が容器フランジ部に残留する
ことが防止され、外観を損なうことがない脱酸素性密封
容器を提供する。 【解決手段】 ガスバリア成形容器10が、少なくとも
金属箔とその片面に接合された合成樹脂積層シートから
なる複合シート1を素材として、合成樹脂積層シートを
内側にしてなる容器本体11及びフランジ部12を有
し、かつ合成樹脂シートは、相互に剥離自在に接合され
た熱可塑性合成樹脂フィルムからなる表面側の第1層及
び裏面側の第2層を有し、蓋材13が、容器外側から、
少なくとも、ガスバリア性物質からなるガスバリア層、
鉄系酸素吸収剤を配合した酸素吸収樹脂組成物からなる
酸素吸収層及び無延伸熱可塑性樹脂からなるヒートシー
ル層が積層された脱酸素多層フィルムからなり、かつ第
1層とヒートシール層とがのフランジ部で熱融着してな
ることを特徴とする脱酸素性密封容器である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱酸素性密封容器
に関する。さらに詳しくは、本発明は、易開封性を有
し、食品や医薬品等の包装材として内容物を保存する脱
酸素性密封容器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、脱酸素包装技術の一つとして、熱
可塑性樹脂に脱酸素剤を配合した酸素吸収性樹脂組成物
からなる酸素吸収層を配した多層材料で容器を構成し、
容器のガスバリア性の向上を図ると共に、容器自体に酸
素吸収機能を付与した包装容器の開発が行われている。
これらのうち、総厚みの薄い酸素吸収性多層体、いわゆ
る酸素吸収性多層フィルムは、ヒートシール層及びガス
バリア層が積層してなる従来のガスバリア性多層フィル
ムに中間層として酸素吸収剤を分散した熱可塑性樹脂層
である酸素吸収層を積層し、外部からの酸素透過を防ぐ
機能に容器内の酸素を吸収する機能を付与したものとし
て利用されており、押し出しラミネートや共押し出しラ
ミネート、ドライラミネート等の従来公知の製造方法を
利用して製造されている。具体的には、特開平9−40
024号公報に開示されているように、酸素吸収層とガ
スバリア層間に熱可塑性樹脂層クッション層が介在する
酸素吸収多層フィルムが知られている。また、特開平9
−234832号公報に開示されているように、酸素吸
収層とガスバリア層間に平滑化層を設けた酸素吸収多層
フィルムが知られている。また、これら酸素吸収多層フ
ィルムをバリア容器の蓋材とし、バリア容器と密封し、
内容物の酸化劣化を防止する技術も知られている。この
ようなバリア性容器としては、内外層に熱可塑性樹脂を
用い、中間層にEVOHやPVDC等のガスバリアー性
樹脂を用いた樹脂製バリア容器があるが、これは外観の
高級感に乏しく、また光・酸素・水分等の遮断性に劣る
ため、変質しやすい食品等の保存には不向きであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】また、酸素吸収多層フ
ィルムをガスバリア容器蓋材に用いて密封し保存した場
合、その容器を開封した際に、開封時の易開封性が確保
されず、蓋を開けにくいという問題や、開封した容器シ
ール部に酸素吸収多層フィルム中の鉄粉が付着し、外観
を損なうことがあるなどの問題があった。また、酸素吸
収多層フィルムを蓋材に使用しても、ガスバリア容器の
光、酸素、水分の遮断が不十分なため、食品等の変質を
防ぎにくいという問題もあった。すなわち、本発明の目
的は、被保存物品の品質を損なわずに保存できる上、脱
酸素性密封容器を開封する際にスムースに開封すること
ができ、更に鉄粉が容器フランジ部に残留することが防
止され、外観を損なうことがない脱酸素性密封容器を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の従
来技術の問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、ガスバリ
ア成形容器に金属箔層と合成樹脂積層シートを接合した
複合シートからなる易開封性容器を用い、蓋材に無延伸
熱可塑性樹脂からなる内層、ガスバリア層の外層を有す
る脱酸素多層フィルムを用いることにより、易開封性を
保持し、内容物保存性に優れた脱酸素性密封容器が得ら
れることを見出した。
【0005】すなわち、本発明は、(A)ガスバリア成
形容器、及びこれに物品を収納した後ヒートシールされ
る(B)蓋材からなる脱酸素性密封容器であって、前記
(A)ガスバリア成形容器が、少なくとも金属箔とその
片面に接合された合成樹脂積層シートからなる複合シー
トを素材として、該合成樹脂積層シートを内側にしてな
る容器本体及びフランジ部を有し、かつ前記合成樹脂シ
ートは、相互に剥離自在に接合された熱可塑性合成樹脂
フィルムからなる表面側の第1層及び裏面側の第2層を
有し、前記(B)蓋材が、容器外側から、少なくとも、
ガスバリア性物質からなるガスバリア層、鉄系酸素吸収
剤を配合した酸素吸収樹脂組成物からなる酸素吸収層及
び無延伸熱可塑性樹脂からなるヒートシール層が積層さ
れた脱酸素多層フィルムからなり、かつ前記(A)の第
1層と前記(B)のヒートシール層とが(A)のフラン
ジ部で熱融着してなることを特徴とする脱酸素性密封容
器に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を更に詳細に説明
する。本発明の脱酸素性密封容器は、(A)ガスバリア
成形容器、及びこれに物品を収納した後ヒートシールさ
れる(B)蓋材からなる脱酸素性密封容器である。本発
明の脱酸素性密封容器を構成する(B)蓋材は、容器外
側から、少なくとも、ガスバリア性物質からなるガスバ
リア層、鉄系酸素吸収剤を配合した酸素吸収樹脂組成物
からなる酸素吸収層及び無延伸熱可塑性樹脂からなるヒ
ートシール層が積層された脱酸素多層フィルムからな
る。
【0007】前記(B)蓋材の脱酸素多層フィルムを構
成するヒートシール層は、該脱酸素多層フィルムを包装
容器の蓋材に使用する際にガスバリア成形容器表面と熱
融着するシーラントとなる部分であり、また収納物品と
酸素吸収層を隔離する隔離層としての役割や、包装容器
内の酸素が透過して酸素吸収層中の酸素吸収剤に速やか
に吸収されるための酸素透過層としての役割を有する。
【0008】上記脱酸素多層フィルムを構成するヒート
シール層は、前述の役割を果たすことが可能な、酸素透
過性を有する無延伸の熱可塑性樹脂からなるものであれ
ば、制限することなく使用することができる。熱可塑性
樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低
密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、メタロセン
触媒によるポリエチレン等の各種ポリエチレン類、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−
アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン
−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチ
ル共重合体、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エ
チレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダ
ム共重合体、メタロセン触媒によるポリプロピレン等の
各種ポリプロピレン類、ポリメチルペンテン、熱可塑性
エラストマー等が挙げられ、これらを単独で、または適
宜組み合わせて使用することができる。好ましくは、低
密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密
度ポリエチレン、メタロセン触媒によるポリエチレン等
の各種ポリエチレン類、プロピレンホモポリマー、プロ
ピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチ
レンランダム共重合体、メタロセン触媒によるポリプロ
ピレン等の各種ポリプロピレン類、ポリメチルペンテン
等のポリオレフィンを用いる。
【0009】ヒートシール層には、酸化チタン等の着色
顔料、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、安定剤等
の添加剤、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、シリカ等
の充填剤、消臭剤等を任意に添加することができる。上
記ヒートシール層の膜厚は、層数に関わらず10〜10
0μmであることが好ましく、20〜80μmがより好
ましい。ヒートシール層の膜厚が10μmより薄いと酸
素吸収層の酸素吸収剤が表面に露出したり、ヒートシー
ル強度が低下することがある。また、ヒートシール層の
膜厚が100μmより厚いと積層が困難になったり、ま
た酸素透過性が低下してフィルムの酸素吸収性能が低下
することがある。
【0010】(B)蓋材の酸素吸収多層フィルムを構成
する酸素吸収層は、熱可塑性樹脂中に酸素吸収剤を分散
してなる酸素吸収性樹脂組成物からなる。酸素吸収層
は、容器内又は収納物品中に溶存する酸素を吸収する役
割、及びフランジ部分から侵入する微量の酸素を吸収し
て容器内部への酸素透過を防ぐ役割を有する。酸素吸収
層を構成する熱可塑性樹脂は、前述のヒートシール層に
用いる樹脂として挙げたものと同様のものが使用される
が、ヒートシール層との接合強度を考慮して、ヒートシ
ール層と同種又は類似の熱可塑性樹脂を選択するのが好
ましい。
【0011】酸素吸収層に分散配合される鉄系酸素吸収
剤としては、鉄粉及びハロゲン化金属の混合物を用いる
ことが好ましい。主剤である鉄粉としては、酸素吸収反
応を起こしうるものであれば純度等は特に制限すること
なく使用でき、例えば、表面の一部が既に酸化していて
も良く、他の金属を含有するものであっても良い。ま
た、鉄粉は粒状のものが好ましく、例えば、還元鉄粉、
噴霧鉄粉、電解鉄粉等の鉄粉、鋳鉄、鋼材等の各種鉄の
粉砕物や研削品等が用いられる。その平均粒径は、取り
扱い性や、酸素吸収層の膜厚を薄くすること、及びフィ
ルム外観に現れる酸素吸収剤の凹凸をできるだけ防ぐこ
とを考慮し、1〜100μmの範囲とすることが好まし
く、特に1〜80μmの範囲とすることが好ましい。
【0012】鉄系酸素吸収剤の助剤であるハロゲン化金
属としては、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類
金属の塩化物、臭化物またはヨウ化物が用いられ、リチ
ウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウ
ムまたはバリウムの塩化物またはヨウ化物が好ましく用
いられる。ハロゲン化金属の配合量は、鉄粉100重量
部当たり0.1〜20重量部が好ましく、特に0.1〜
5重量部が好ましい。
【0013】ハロゲン化金属は、鉄粉に付着して容易に
分離しないよう、予め鉄粉とを混合して添加することが
好ましい。例えば、ボールミル、スピードミル等を用い
てハロゲン化金属と鉄粉を混合する方法、鉄粉表面の凹
凸部にハロゲン化金属を埋め込む方法、バインダーを用
いてハロゲン化金属を鉄粉表面に付着させる方法、ハロ
ゲン化金属水溶液と鉄粉を混合した後乾燥して鉄粉表面
にハロゲン化金属を付着させる方法等を採ることができ
る。好ましい酸素吸収剤は、鉄粉とハロゲン化金属を含
む鉄粉系組成物であり、特に好ましくは、鉄粉にハロゲ
ン化金属を付着させたハロゲン化金属被覆鉄粉系組成物
である。
【0014】酸素吸収層中における酸素吸収剤の配合量
は10〜70重量%の範囲とすることが好ましく、10
〜60重量%の範囲がより好ましい。酸素吸収剤の配合
量が10重量%より低いと、酸素吸収能力が不十分であ
り、70重量%より高いと、酸素吸収層を製膜すること
が困難となることがある。酸素吸収層の膜厚は構成材料
によらず、10〜100μmの範囲とすることが好まし
く、特に好ましくは20〜80μmの範囲である。酸素
吸収層の膜厚が10μmより薄いと、製膜が困難となっ
たり、フィルム単位面積当たりの酸素吸収剤量が少なく
なり、十分な酸素吸収性能が得られないことがある。ま
た、100μmより厚いと、フィルム総厚みが厚くな
り、取り扱い性に不便を生じる場合があったり、コスト
に問題が生じる。
【0015】また、本発明の酸素吸収層には、必要に応
じて、酸化チタン等の着色顔料、酸化防止剤、スリップ
剤、帯電防止剤、安定剤等の各種添加剤、クレー、マイ
カ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バ
リウム等の充填剤、消臭剤、活性炭やゼオライト等の吸
着剤等を添加しても良い。(B)蓋材の脱酸素多層フィ
ルムを構成するガスバリア層としては、公知のガスバリ
ア性材料をいずれも用いることができる。たとえば、ナ
イロンMXD6、EVOH、PVA、PVDC等のガス
バリア性熱可塑性樹脂やシリカ蒸着あるいはアルミナ蒸
着等の蒸着膜、アルミニウム箔等の金属箔等が用いられ
る。遮光性、酸素バリアー性、水蒸気バリア性を考慮す
るとアルミニウム箔が好ましい。
【0016】上記ガスバリア層の外側の多層フィルム表
面には、耐衝撃性熱可塑性樹脂からなる外層を積層する
ことが好ましい。好ましい耐衝撃性熱可塑性樹脂として
は、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナ
イロン6やナイロン6, 6等のポリアミド、ポリプロピ
レンなどが例示される。ガスバリア層と外層の間には、
印刷層を設けることができる。また、酸素吸収層とガス
バリア層の間に熱可塑性樹脂層を設けても良い。該熱可
塑性樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6やナ
イロン6, 6等のポリアミド、各種ポリプロピレン、各
種ポリエチレン等が挙げられる。
【0017】(B)蓋材の脱酸素多層フィルムを構成す
る各層は、ウレタン系もしくはエポキシ系の接着剤又は
ポリオレフィン系のホットメルト剤を使用して接合する
ことができるが、接着剤を使用しないで熱融着法によっ
て接合してもよい。本発明の脱酸素性密封容器を構成す
る(A)ガスバリア成形容器は、容器外側から、少なく
とも金属箔とその片面に接合された合成樹脂積層シート
からなる複合シートを素材として、該合成樹脂積層シー
トを内側にしてなる容器本体及びフランジ部を有し、か
つ前記合成樹脂シートは、相互に剥離自在に接合された
熱可塑性合成樹脂フィルムからなる表面側の第1層及び
裏面側の第2層を有する。
【0018】(A)ガスバリア成形容器を構成する金属
箔としては、好ましくはアルミニウム箔であり、厚さ4
0〜200μm、好ましくは40〜180μmのものが
好ましく用いられる。40μmより薄ければ、容器成形
時にフランジ部に凹凸が形成され、フランジ部の変形を
防止することができないことがある。また、200μm
を超えると金属材料の使用量が多くなり、経済的に不利
である。(A)ガスバリア成形容器を構成する合成樹脂
積層シートの表面側の第1層及び裏面側の第2層の熱可
塑性合成樹脂フィルムを構成する熱可塑性合成樹脂とし
ては、例えばエチレン−プロピレンランダム共重合体、
エチレン−プロピレンブロック共重合体、プロピレンホ
モポリマー等の各種ポリプロピレン、低密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等、ある
いはこれらの組み合わせを用いることができる。
【0019】合成樹脂積層シートの表面側の第1層と裏
面側の第2層との層間剥離強度は、蓋材と容器のフラン
ジをヒートシールした時のシール強度よりも小さく、蓋
材を剥離するときに合成樹脂の層間で剥離がおこり、蓋
材の開封が容易なものであれば特に制限がないが、通常
この層間剥離強度は500〜1500g/15mm幅
(引張り速度300mm/min、以下同じ)、好まし
くは700〜900g/15mm幅程度である。上記表
面側の第1層と裏面側の第2層は共押出しにより積層し
合成樹脂積層シートを得ることが好ましい。
【0020】上記合成樹脂積層シートの厚さは、200
〜400μm、更に好ましくは250〜350μmであ
ることが好ましい。ここで合成樹脂積層シートの厚さが
200μm未満では、該積層シートのもつ復元性が期待
できず、いわゆるリジッド性が劣り、十分な強度が得ら
れないことがあり、かつ成形後の仕上がり形状に変形が
生じることもある。また、400μmを超えるといわゆ
るスプリングバックが大きく、冷間成形が不可能となる
ことがあり、容器の生産性が劣る。(A)容器外側の金
属箔または(B)蓋材の外面には、必要に応じて印刷層
を設けることができる。印刷層は、例えば、ポリ塩化ビ
ニル−酢酸ビニル系、ニトロセルロース系及びウレタン
系等のインキを用いて施される。尚、印刷層は金属箔と
接着剤層の間に設けても良い。
【0021】前記合成樹脂積層シートと金属箔とを、あ
るいは印刷層と金属箔とを接着する接着剤層は、例えば
通常のウレタン系、ポリエステル系接着剤等から構成さ
れるが、合成樹脂積層シートや印刷層等の被着体の種類
に応じて適宜選択することができる。接着剤の塗布量
は、約3〜5g/m2 程度とするのが好ましい。ガスバ
リア成形容器の最外側には金属箔を保護するため保護皮
膜層を設けることができ、該保護被膜層としては、耐薬
品性、耐候性等に優れた、例えばエポキシ系塗膜などの
合成樹脂コーティングやポリエチレンテレフタレート、
未延伸ポリプロピレン、ナイロン等のフィルムが使用可
能である。例えば、エポキシ系塗膜よりなるコーティン
グの場合には、1〜3g/m2 の塗布量とすることが好
ましく、またポリエチレンテレフタレートよりなるフィ
ルムの場合には、厚さ10〜20μm、未延伸ポリプロ
ピレンよりなる場合には、厚さ20〜50μm、ナイロ
ンよりなるフィルムの場合には、10〜30μmとする
のが好ましい。
【0022】本発明においては、フランジ部の合成樹脂
積層シートの第1層に切り目を設けることが好ましい。
特に、フランジ部の容器本体開口周縁部近傍部分におい
て、合成樹脂積層シートの表面側第1層にフランジ部全
周にわたって切り目を設けることが好ましい。このよう
な切り目は、フランジ部の容器本体開口周縁部自体に設
けられてもよい。
【0023】本発明においては、ガスバリア成形容器
(A)に食品等の物品を充填した後、脱酸素多層フィル
ムなどからなる蓋材(B)のヒートシール層と該ガスバ
リア成形容器の表面側第1層とを(A)のフランジ部に
おいて熱融着、すなわちヒートシールし包装する。この
場合、(A)のフランジ部形状に合わせて裁断した
(B)を一枚ずつヒートシールしてもよいし、多数の
(A)に(B)を重ねて(A)のフランジ部でヒートシ
ールした後、フランジ部形状に合わせて裁断してもよ
い。裁断する際には、フランジ部外側に開封用つかみ部
を設けて裁断する。この包装容器を開封する場合には、
密封容器の蓋周縁部の一部に設けられた開封用つかみ部
を持ち上げればよい。すなわち、フランジ部の合成樹脂
積層シートの第1層と第2層の間が1kg前後/15m
mの接着強度で、離れやすい状態に密着せしめられてい
るので、蓋のつかみ部を持って上方に引くと合成樹脂積
層シートの第1層が蓋材のヒートシール層と融着接合さ
れたままで、第1層と第2層の間において選択的に剥が
され、容易に開封することができる。同時に、開封の
際、蓋材に用いた脱酸素多層フィルムが酸素吸収層にお
いて破断することが防止され、鉄粉の容器フランジ面へ
の残留・付着を防ぐことができる。
【0024】本発明の密封容器には、食品、医薬品等の
物品を制限なく収納することができる。例えば、果肉入
りゼリー、栗羊羹、抹茶羊羹等の羊羹類、抹茶プリン等
のプリン、チーズケーキ等のデザート類、バター、マー
ガリン等の乳製品、ケチャップ、マヨネーズ等の調味
料、パイン、みかん、桃、あんず、なし、りんご等のフ
ルーツ類、液体だし、マヨネーズ、味噌、すり下ろし香
辛料等の調味料、ジャム、クリーム、チョコレートペー
スト等のペースト状食品、カレー、液体スープ、ミル
ク、濃縮コーヒー、濃縮茶、煮物、漬物、シチュー等の
液体加工食品に代表される液体系食品や、そば、うど
ん、ラーメン等の生麺及びゆで麺、精米、調湿米、無洗
米等の調理前の米類や調理された炊飯米、五目飯、赤
飯、米粥等の加工米製品類、粉末スープ、だしの素等の
粉末調味料等に代表される高水分食品、その他農薬や殺
虫剤等の固体状や溶液状の化学薬品、液体及びペースト
状の医薬品、化粧水、化粧クリーム、化粧乳液、整髪
料、染毛剤、シャンプー、石鹸、洗剤等、種々の物品を
収納することができる。
【0025】本発明の脱酸素性密封容器は、容器外部か
ら酸素が侵入することがなく、また容器内部の酸素は脱
酸素剤組成物によって吸収されることから、物品の酸化
腐食等が防止され、長期間の良好な品質保持が可能とな
る。また、本発明の脱酸素性密封容器は、物品収納後加
熱処理しても良い。加熱処理としては、80℃〜100
℃のボイル処理、煮沸処理や100℃〜135℃のセミ
レトルト、レトルト、ハイレトルト等のレトルト処理等
が挙げられる。
【0026】
【実施例】以下に、本発明を実施例を挙げてさらに具体
的に説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されな
い。 [実施例1]図1〜4は、それぞれ本実施例の容器を構
成する複合シート、容器本体及び該容器本体に蓋を施し
た状態を示す図であり、以下の実施例は、図面に従って
説明する。平均粒径30μmの鉄粉1000kgを加熱
ジャケット付き真空乾燥機中に投入し、10mmHgの
減圧下140℃で混合しつつ、塩化カルシウム50重量
%水溶液50kgを噴霧し、乾燥した後、篩い分けし粗
粒を除き、平均粒径30μmの鉄系酸素吸収剤を得た。
次に、ベント付き二軸押出機を用いて、直鎖状低密度ポ
リエチレン(三井化学( 株) 製; 商品名ウルトゼックス
UZ2080C)を押出しながら、サイドフィードにて
鉄系酸素吸収剤及び酸化カルシウムを供給し、ポリエチ
レン:鉄系酸素吸収剤:酸化カルシウム=73:25:
2重量比となるように、混練し、ストランドダイから押
し出した後、冷却、ペレタイザーにてペレット化し、酸
素吸収性樹脂組成物Aを得た。
【0027】次いで、2台の単軸押出機、Tダイ、冷却
ロール及びスリッター及び巻取機からなるタンデム押出
ラミネーター装置を用い、ヒートシール層として繰り出
される無延伸ポリエチレンフィルム50μm(出光ユニ
テック( 株) 製; 商品名ユニラックス760C)に酸素
吸収層として、酸素吸収樹脂組成物Aを厚さ25μmで
押出ラミネートし、酸素吸収層面をコロナ放電処理した
ラミネートフィルムを得た。酸素吸収層面に厚さ12μ
mのPET、厚さ15μmのアルミニウム箔及び外層に
厚さ12μmのPETフィルムを順次ドライラミネート
し、脱酸素多層フィルムを得た。得られた脱酸素多層フ
ィルムの構成は、無延伸ポリエチレン50μm/酸素吸
収層25μm/PET12μm/アルミニウム箔15μ
m/PET12μmとなる。
【0028】図1において、厚み120μmのアルミニ
ウム箔2とこれの片面に接着剤層5を介して厚さ300
μmの未延伸合成樹脂共押出シートよりなる合成樹脂積
層シート3を貼り合わせ、図1に示す成形用複合シート
1を得た。尚、この合成樹脂層は厚さ60μmの高密度
ポリエチレンよりなる第1層3aと厚さ240μmのポ
リプロピレンよなる第2層3bとを備えており、両層
は、接着強度800g/15mm幅程度の強度で密着せ
しめられている。そして、図2〜4において、この材料
を合成樹脂層が内側になるよう、容器形状に成形した
後、フランジ部12の第1層に全周に渡って深さ約15
0μmのV字形状の切り目16を入れ、その結果、図2
に示す開封性に優れたガスバリア成形容器10を得た。
【0029】前記ガスバリア成形容器10に、抹茶プリ
ン、栗羊羹、果肉入りゼリーの流動体を充填し、作製し
た脱酸素多層フィルムを蓋材13として用いて容器フラ
ンジ部12でヒートシールし、図3に示す蓋材に開封用
つかみ部を有する密封容器10を得た。当該容器を10
5℃で40分間の加熱処理を施した後、35℃で2ヶ月
保存し、その後開封した。図4は容器に蓋を施した状態
を示す拡大断面図である。包装容器を開封する場合に
は、密封容器の蓋周縁部の一部に設けられた開封用つか
み部15を持ち上げた。開封時、蓋材フィルムは問題な
く容易に開封でき、さらに、密封容器フランジ部分に鉄
の付着がなく、外観良好であった。(A)の第1層と第
2層の間で剥離が起こり、(A)の第1層は(A)から
分離して(B)のヒートシール層に固着していた。ま
た、抹茶プリン、栗羊羹、果肉入りゼリーの色調は充填
前と同様に変化がなく、風味も良好であった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、脱酸素多層フィルムを
ガスバリア成形容器の蓋材に用いて密封することによ
り、被保存物の品質を損なわずに保存できる上、当該脱
酸素吸収性密封容器を開封する際に、スムースに開封す
ることができ、鉄粉が容器フランジ部に残留することが
防止され、更に外観を損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の容器を構成する複合シートの部分
拡大断面図である。
【図2】 実施例1の容器本体の概略断面図である。
【図3】 第2図の容器に蓋を施した状態の概略斜視図
である。
【図4】 第2図の容器に蓋を施した状態の要部拡大断
面図であり、第3図III −III 線に沿うものである。
【符号の簡単な説明】
1 複合シート 2 アルミニウム箔 3 合成樹脂積層シート 3a 第1層 3b 第2層 4 酸素吸収層 5、8 接着剤層 6 印刷層 7 保護被覆層 10 食品包装用容器 11 容器本体 12 フランジ部 13 蓋材 14 ヒートシール層 15 つかみ部 16 切り目
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 友孝 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号三菱 瓦斯化学株式会社平塚研究所内 (72)発明者 竹内 雅規 滋賀県彦根市清崎町60 Fターム(参考) 3E033 AA08 BA07 BA13 BB08 CA16 DA07 DA08 DD01 FA04 GA03 3E067 AB01 AB81 BA07A BB11A BB14A BB25A BC07A CA04 EA06 EA11 EB11 EB27 FA01 GB13 GD01 GD06 GD08 3E084 AA06 AA12 AA22 AA24 AA37 AB05 AB10 BA02 BA09 CA01 CB04 CC08 FD13 GA08 GB08 GB12 HA01 HB01 HC08 HD01 LA02 4F100 AB02B AB02H AB10D AB33D AK01C AK04B AK04C AK42A AK63B BA03 BA04 BA10A BA10C CA09B DA03 DE01B DE01H GB16 GB18 GB23 GB66 JB16C JD02 JD14B JL12C

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ガスバリア成形容器、及びこれに物
    品を収納した後ヒートシールされる(B)蓋材からなる
    脱酸素性密封容器であって、前記(A)ガスバリア成形
    容器が、少なくとも金属箔とその片面に接合された合成
    樹脂積層シートからなる複合シートを素材として、該合
    成樹脂積層シートを内側にしてなる容器本体及びフラン
    ジ部を有し、かつ前記合成樹脂シートは、相互に剥離自
    在に接合された熱可塑性合成樹脂フィルムからなる表面
    側の第1層及び裏面側の第2層を有し、前記(B)蓋材
    が、容器外側から、少なくとも、ガスバリア性物質から
    なるガスバリア層、鉄系酸素吸収剤を配合した酸素吸収
    樹脂組成物からなる酸素吸収層及び無延伸熱可塑性樹脂
    からなるヒートシール層が積層された脱酸素多層フィル
    ムからなり、かつ前記(A)の第1層と前記(B)のヒ
    ートシール層とが(A)のフランジ部で熱融着してなる
    ことを特徴とする脱酸素性密封容器。
  2. 【請求項2】(A)ガスバリア成形容器のフランジ部の
    容器本体開口周縁部もしくは該周辺部近傍部分におい
    て、合成樹脂積層シートの表面側の第1層にフランジ部
    全周にわたって切り目が設けられている請求項1記載の
    脱酸素性密封容器。
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