JP2004099066A - 易開封性包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】密封性と、易開封性とを備え、開封時に酸素吸収性を示す層が露出せず、容器本体成形時に多量に発生する打ち抜きロス中に酸素吸収性を示す層を含まない易開封性包装体を提供すること。
【解決手段】容器本体3は6層構造の多層シートを熱成形して得られたものであり、第1の基材層11と、接着層12と、ガスバリア層13と、接着層14と、第2の基材層15と、最内層16とを有している。蓋材4は、ポリエチレン系樹脂からなる最外層41と、接着層42と、ガスバリア層43と、接着層44と、酸素吸収性層45と、ヒートシール層46とを備えている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、易開封性包装体に関する。
【0002】
【背景技術】
従来から、食品、飲料等の被包装物の保存、特に、酸化防止の観点からガスバリア層を設けた包装体が使用されている。しかし、単にガスバリア層を設け、包装体の外側からの酸素の侵入を防止するだけでは、保存性に限界がある。そこで、包装体内に残存する酸素ガス、あるいは、食品等の内容物に溶存する酸素ガスを除去することが望まれている。
さらに、これに加え、このような包装体においては、開封時に容易に開封できることも求められている。
【0003】
このような性能を有する包装体として、ガスバリア層と、脱酸層とを有する多層体を成形した容器を有する包装体がある(従来例1:例えば特許文献1)。この容器には、蓋材がヒートシールされており、ヒートシール層と、被ヒートシール層とが界面剥離を起こすことで、開封される。
また、シール層と、酸素吸収性層と、ガスバリア層とを有する複合シートを用いて形成された容器を有する包装体、あるいはこの複合シートを蓋材とした包装体がある(従来例2:例えば特許文献2)。開封時には、シール層が隣接する層との間で剥離される。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−34203号公報(第3〜4頁、図1〜4)
【特許文献2】
特開2000−158610号公報(第7〜10頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来例1の容器は、特定樹脂配合組成物からなるヒートシール層と、被ヒートシール層との界面剥離により開封されるものであるため、シール条件、被包装物の界面への付着等により充分な密封性が得られないという問題がある。
また、従来例2の包装体においては、シール層を酸素吸収性層上に直接積層した場合、開封により酸素吸収性層が露出して酸素吸収性層内の脱酸素剤が被包装物に付着する可能性がある。さらに、容器が酸素吸収性層を有する場合には、容器成形時に、多量に発生する打ち抜きロス中に酸素吸収性層を含むことなり、これらの回収が困難であるという問題もある。
【0006】
本発明の目的は、密封性と、易開封性とを備え、開封時に酸素吸収性を示す層が露出せず、容器本体成形時に多量に発生する打ち抜きロス中に酸素吸収性を示す層を含まない易開封性包装体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明は以下の構成を採用して前記目的を達成しようとするものである。
具体的には、本発明の易開封性包装体は、被包装物収納用の開口部周縁にフランジ部が形成された多層構造の容器本体と、前記容器本体のフランジ部にヒートシールされ、前記開口部を塞ぐ蓋材とを備えた易開封性包装体であって、前記容器本体は、ガスバリア性を有し、前記蓋材は、ガスバリア性及び酸素吸収性を備え、開封時には、前記蓋材がヒートシールされた前記フランジ部の最内層が前記蓋材とともに剥離されることを特徴とする。
【0008】
ここで、本発明においては、最内層を剥離層としてもよく、また、最内層を易開封性包装体の用途に応じた機能を有する樹脂、例えば、耐熱性、耐油性の樹脂等で構成し、この最内層に隣接する層を剥離層としてもよい。この場合には、最内層及びこの最内層に隣接する層が蓋材とともに剥離されることとなる。
さらに、前記剥離層は、層間剥離を起こす剥離層でもよく、層内凝集剥離を起こす剥離層であってもよい。
また、蓋材は、ガスバリア層と、酸素吸収性層とを有することで、ガスバリア性及び酸素吸収性を示してもよく、また、ガスバリア層に酸素吸収剤等を混合することで、ガスバリア性及び酸素吸収性を示してもよい。
【0009】
この構成の本発明では、開封時には、最内層が蓋材とともにはがれるので蓋材と容器本体のシール強度を高くしても容易に開封できる。
また、容器本体のフランジ部の最内層が蓋材とともにはがれることにより、包装体が開封されるため、蓋材の酸素吸収性を示す層が開封により露出することはない。
さらに、容器本体は酸素吸収性を有していないので、シート成形時に発生する両端耳部や、容器本体成形時に多量に発生する打ち抜きロス中には酸素吸収性の層は含有されず、これらを回収し再利用することが容易となる。
また、本発明では、容器本体のフランジ部の最内層の蓋材にヒートシールされた部分がエッジ切れを起こし、蓋材とともにはがれることで、包装体が開封される。従って、最内層に切込みを形成する必要がないため、包装体の製造を容易化できる。
【0010】
この際、前記蓋材は、前記ガスバリア層と、前記酸素吸収性層とを有し、前記二層は異なる材料で形成されていることが好ましい。
ガスバリア層と、酸素吸収性層とを別の層とすることで、各層の厚さを自由に変えることができるので、ガスバリア性能や、酸素吸収性能の調整を容易に行うことができる。
【0011】
さらに、前記蓋材は、ガスバリア性と酸素吸収性とを備えた層を有し、前記層は、ガスバリア性樹脂に酸素吸収剤及び/又は酸素吸収性樹脂を混合して形成されたものであってもよい。
ガスバリア性と、酸素吸収性との両性能を有する層を形成することで、蓋材の層の数を減らすことができ、ガスバリア層と酸素吸収性層とを別の層にする場合に比べ、製造に手間を要しない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施形態の易開封性包装体2が示されている。この易開封性包装体2は、容器本体3と、蓋材4とを備えている。
容器本体3は、円形状の底面31と、この底面31から立ち上げて一体形成されるとともに上部に開口部32を有する円筒状の側面33とを備えている。また、開口部32の周縁には径方向外側に延出されたリング状のフランジ部34が一体形成されている。
【0013】
図2に示すように、この容器本体3は4種類6層構造の多層シートを熱成形して得られたものである。熱成形方法としては、多層シートを、容器本体外形状に形成されたキャビティ内にプラグで予備伸張し、その後、圧空成形、真空成形により容器本体とするプラグアシスト成形を用いる方法が挙げられる。
【0014】
容器本体3は、第1の基材層11と、接着層12と、ガスバリア層13と、接着層14と、第2の基材層15と、最内層16とを有している。
第1の基材層11及び第2の基材層15は、ポリオレフィン系樹脂、例えば、ポリプロピレン系樹脂を主成分とする。各基材層11,15の厚さ寸法は、100〜2000μmであり、特に好ましくは、200〜1000μmである。
【0015】
接着層12,14としては、例えば、不飽和カルボン酸またはその誘導体変性ポリオレフィン樹脂を使用できる。
ガスバリア層13としては、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン等の材料を使用することが好ましいが、中でもエチレン−ビニルアルコール共重合体を使用することが好ましい。
最内層16は、例えば、ポリプロピレン系樹脂を50〜95wt%、エチレン−アクリル酸系共重合体または、エチレン−酢酸ビニル共重合体を5〜50wt%含有する凝集破壊性樹脂層である。
【0016】
蓋材4は、容器本体3の開口部32を塞ぐものであり、容器本体3のフランジ部34の外径よりも大きな外径を備えている。
蓋材4は、ポリエチレン系樹脂からなる最外層41と、接着層42と、ガスバリア層43と、接着層44と、酸素吸収性層45と、ヒートシール層46とを備えている。
【0017】
最外層41としては、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂を使用することができる。
また、接着層42,44としては、接着層12,14と同様に、例えば、不飽和カルボン酸またはその誘導体変性ポリオレフィン樹脂を使用できる。
ガスバリア層43としては、ガスバリア層13と同様に、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン等の材料を使用することが好ましいが、中でもエチレン−ビニルアルコール共重合体を使用することが好ましい。
【0018】
さらに、酸素吸収性層45としては、例えば、鉄粉、アルミニウム粉、珪素分などの金属粉、鉄化合物などの還元性無機物質、多価フェノール類、アスコルビン酸又はその塩などの還元性有機物質、金属錯体などを酸素吸収反応の主剤とする酸素吸収剤などを樹脂に添加したものが考えられる。これらの中で、鉄粉と金属ハロゲン化物からなる酸素吸収剤を使用することが好ましい。特に、金属ハロゲン化物により表面を被覆した鉄粉を用いることにより、優れた酸素吸収性能を付与することができる。酸素吸収剤に用いる鉄粉は、樹脂中に分散することが可能で、酸素吸収反応を起こすことが知られている公知の鉄粉を使用することができる。また、酸素吸収剤に用いる金属ハロゲン化物に特に制限はなく、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩化物、臭化物、ヨウ化物などを挙げることができる。これらの中で、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム及びバリウムの塩化物を特に好適に使用することができる。
ヒートシール層46としては、例えば、酸素透過性のポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂を使用することができる。
【0019】
このような易開封性包装体2は、容器本体3のフランジ部34の上面に蓋材4をヒートシールすることにより得られる。
このヒートシールは、カラス口状の凸形の張出部を有する環状のシールリングを用いて行う。
なお、ヒートシール温度は、170〜230℃、好ましくは180〜210℃である。
この易開封性包装体2を開封するに当たって、蓋材4を引き剥がす力を加えると、最内層16内で凝集破壊が生じる。さらに、最内層16のうち蓋材4にヒートシールされた部分がエッジ切れを起こし、蓋材4とともに剥離される。これにより、易開封性包装体2が開封されることとなる。
【0020】
従って、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1) 開封時には、最内層16が凝集破壊を起こし、蓋材4とともにはがれるので蓋材4と容器本体3のシール強度を高くしても容易に開封できる。
【0021】
(2) また、容器本体3のフランジ部34の最内層16が蓋材4とともにはがれることにより、開封されるため、蓋材4の酸素吸収性層45が開封により露出することはない。従って、開封の際に酸素吸収性層45内の酸素吸収剤が被包装物に接触することを防止できる。
【0022】
(3) さらに、容器本体3は酸素吸収性の層を有していないので、容器本体3成形時に、多量に発生する打ち抜きロス中には酸素吸収性の層は含有されず、打ち抜きロスの回収、再利用が容易となる。
【0023】
(4) 蓋材4のガスバリア層43と、酸素吸収性層45とが別の層であるため、各層の厚さを自由に変えることができ、蓋材4のガスバリア性能や、酸素吸収性能の調整を容易に行うことができる。
【0024】
(5) 層間剥離を起こすものの場合は、熱履歴、延伸等の成形、層厚み等により層間剥離強度が変化し易い。従って、剥離強度を一定に制御することが困難となる。これに対し、本実施形態では、最内層16内で凝集破壊を起こして剥離を行っているため、剥離強度を一定とすることができる。また、最内層16と、基材層15との界面が剥離しないようにすることで、剥離強度をより安定化することができる。
【0025】
(6) また、最内層16は、蓋材4にヒートシールされた部分がエッジ切れを起こして、剥離されるため、最内層16に切込みを形成する必要がなく、易開封性包装体2の製造に手間を要しない。
【0026】
(7) さらに、蓋材4のヒートシール層46を高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリスチレン、相溶化剤の4成分を配合したものとした場合には、耐熱性、耐油性に劣る可能性がある。これに対し、本実施形態では、ヒートシール層46として、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等を使用することが可能であり、耐熱性、耐油性に優れたものとすることができる。
【0027】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。尚、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図3に本実施形態にかかる易開封性包装体5を示す。
この易開封性包装体5は、容器本体6と、蓋材7とを備えている。
蓋材7は、前記実施形態の蓋材4と同様の層構成であるが、蓋材7には、タブ部71が形成されている点で蓋材4と異なっている。
【0028】
また、前記実施形態では、容器本体3は4種6層構造であったが、本実施形態の容器本体6は、5種7層構造となっている。容器本体6は、第1の基材層11と、接着層12と、ガスバリア層13と、接着層14と、第2の基材層15と、次層17と、最内層18とを有している。
次層17、最内層18は、非凝集破壊性の樹脂層である。
最内層18と、次層17との間では、層間剥離が起こるようになっている。従って、次層17、最内層18に使用される樹脂は、剥離強度が3〜20N/15mm程度になるようなものであることが好ましい。例えば、次層17としては、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂を使用することができ、最内層18としては、ポリエチレン系樹脂等を使用することができる。
【0029】
容器本体6は、前記実施形態の容器本体3とほぼ同様の形状であるが、フランジ部64の構造が容器本体3とは異なっている。図4にも示すように、フランジ部64には、開口部32を囲むように同心円状のヒートシール部641が形成されている。このヒートシール部641は、蓋材7を溶着するものであり、円環状の第1シール部641Aと、この第1シール部641Aの領域内に第1シール部641Aに沿って形成された第2シール部641Bとを備えている。
第2シール部641Bは、蓋材7のタブ部71に対応する位置に突起状に張り出した張り出しシール部641Cを有している。
【0030】
このような易開封性包装体5は、容器本体6のフランジ部64の上面に蓋材7をヒートシールすることにより得られる。
具体的には、第1シール部641Aの形状に対応するシールリングを、蓋材7を介してフランジ部64の上面に押圧する。第2シール部641Bの形状に対応したシールリングを、蓋材7を介してフランジ部64の上面に押圧して、第2シール部641Bを形成する。第2シール部641Bのヒートシール温度は、第1シール部641Aのヒートシール温度より20℃以上高くすることが好ましい。
【0031】
易開封性包装体5の開封に当たっては、まず、タブ部71を把持して蓋材7を引き剥がす。この際、最内層18のうち、蓋材7にヒートシールされた部分は、次層17との間で層間剥離を起こす。さらに、最内層18はエッジ切れを起こして、蓋材7とともに剥離される。これにより、易開封性包装体5が開封されることとなる。
【0032】
従って、本実施形態によれば、前記実施形態の(1)〜(4)、(6)、(7)と同様の効果を奏することができるうえ、以下の効果を奏することができる。(8) フランジ部64および蓋材7は、第1シール部641Aと、この第1シール部641Aの領域内部に第1シール部に沿って形成された第2シール部641Bとでヒートシールされているので、高い密封性を確保することができる。
【0033】
(9) また、蓋材7のタブ部71に応じた位置には、第2シール部641Bのシール樹脂が容器本体6外側に溶出した張り出しシール部641Cが形成されていることから、タブ部71に加わった力が第2シール部641Bまで伝わることとなるので、容易に蓋材7を開封することができる。
【0034】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、最内層16、18が、層内凝集剥離または層間剥離を起こすものとしたが、この最内層に隣接する層を層内凝集剥離または層間剥離を起こすものとしてもよい。この場合、開封時には、最内層及び最内層に隣接する層が蓋材とともに剥離されることとなる。また、このように、最内層に隣接する層を層内凝集剥離または層間剥離を起こすものとした場合には、最内層に使用する樹脂を容器本体の用途に応じたものとすることが可能であり、例えば、最内層に使用する樹脂を耐熱性の樹脂とすれば、耐熱性の高い容器本体とすることが可能である。
【0035】
さらに、前記実施形態では、蓋材4,7では、ガスバリア層43と、酸素吸収性層45とが異なる層から形成されていたが、これらはひとつの層で構成されていてもよい。例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体やポリ塩化ビニリデン等のガスバリア性の樹脂と、酸素吸収性樹脂とを混合してガスバリア性及び酸素吸収性を有する層を形成してもよい。ここで、酸素吸収性樹脂としては、公知の樹脂を使用することができ、例えば、炭素−炭素二重結合を有する熱可塑性樹脂、具体的にはエチレン、ブタジエン、イソプレンなどのジエン化合物単位を有する熱可塑性樹脂である。ガスバリア性及び酸素吸収性を有する層としては、前記酸素吸収性樹脂を1〜30wt%含有するエチレン−ビニルアルコール共重合体を例示できる。
さらに、前記実施形態では、ヒートシール部分の内周側がエッジ切れしていたが、これに限らず、ヒートシール部分の内周側及び外周側がエッジ切れするように形成してもよい。
【0036】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
[ 多層シート ]
6層構造の多層シートを共押し出し成形により成形した。多層シートの構成を以下に示す。
(1)第1の基材層11
原料樹脂:ポリプロピレン(E−203GK、出光石油化学(株)製)
層の厚み:200μm
【0037】
(2)接着層12
原料樹脂:接着樹脂(アドマーQF−500、三井化学(株)製)
層の厚み:20μm
(3)ガスバリア層13
原料樹脂:エチレン−ビニルアルコール樹脂(エバール、クラレ(株)製)
層の厚み:50μm
【0038】
(4)接着層14
原料樹脂:接着樹脂(アドマーQF−500、三井化学(株)製)
層の厚み:20μm
(5)第2の基材層15
原料樹脂:ポリプロピレン(E−203GK、出光石油化学(株)製)
層の厚み:350μm
【0039】
(6)最内層16
原料樹脂:ポリプロピレン(E−105GM、出光石油化学(株)製)70wt%と、エチレン・アクリル酸エステル・無水マレイン酸共重合体系樹脂(EMA)(日本ポリオレフィン(株)製)30wt%とを配合した樹脂
融点(DSC法で測定) 99℃
MFR(JIS K6760によって測定) 8g/10分
層の厚み:200μm
【0040】
[ 容器本体3 ]
上記多層シートを用いて、第1実施形態と同様の容器本体3をプラグアシスト圧空熱成形により得た。前記実施形態では容器本体3は平面円形形状であったが、本実施例では平面矩形形状である。容器本体3の大きさ寸法は200mm×100mm×30mm(高さ)である。
【0041】
[ 蓋材4 ]
共押し出し成形により、蓋材4を成形した。
【0042】
(1)最外層41
原料樹脂:ポリエチレン樹脂
層の厚み:40μm
(2)接着層42
原料樹脂:接着樹脂(アドマーQF−500、三井化学(株)製)
層の厚み:20μm
【0043】
(3)ガスバリア層43
原料樹脂:エチレン−ビニルアルコール樹脂(エバール、クラレ(株)製)
層の厚み:40μm
(4)接着層44
原料樹脂:接着樹脂(アドマーQF−500、三井化学(株)製)
層の厚み:20μm
【0044】
(5)酸素吸収性層45
原料樹脂:ポリプロピレン樹脂40wt%、ポリエチレン樹脂40wt%、鉄系酸素吸収剤(鉄粉と食塩他)20wt%
層の厚み:60μm
(6)ヒートシール層46
原料樹脂:ポリエチレン樹脂
層の厚み:40μm
【0045】
[ 易開封性包装体2 ]
容器本体3内に炊飯直後の米飯を充填した後、窒素ガスで置換し、蓋材4をヒートシールし、易開封性包装体2を得た。
【0046】
(実施例2)
[ 多層シート ]
7層構造の多層シートを共押し出し成形により成形した。多層シートの構成を以下に示す。
【0047】
(1)第1の基材層11
原料樹脂:ポリプロピレン(E−105GM 出光石油化学(株)製)
層の厚み:200μm
(2)接着層12
原料樹脂:接着樹脂(アドマーQF−500、三井化学(株)製)
層の厚み:10μm
【0048】
(3)ガスバリア層13
原料樹脂:エチレンービニルアルコール樹脂(エバール、クラレ(株)製)
層の厚み:70μm
(4)接着層14
原料樹脂:接着樹脂(アドマーQF−500、三井化学(株)製)
層の厚み:10μm
【0049】
(5)第2の基材層15
原料樹脂:ポリプロピレン(E−105GM 出光石油化学(株)製)
層の厚み:350μm
(6)次層17
原料樹脂:ポリプロピレン(E−105GM 出光石油化学(株)製)80重量部、低密度ポリエチレン(LDPE−fz−038三菱商事(株)製)20重量部
層の厚み:180μm
【0050】
(7)最内層18
原料樹脂:高密度ポリエチレン(HDPE−445M 出光石油化学(株)製)層の厚み:20μm
【0051】
[ 容器本体6 ]
上記多層シートを用いて、第2実施形態と同様の容器本体6をプラグアシスト圧空熱成形により得た。前記実施形態では容器本体6は平面円形形状であったが、本実施例では平面矩形形状である。容器本体6の大きさ寸法は200mm×100mm×30mm(高さ)である。
【0052】
[ 蓋材7 ]
共押し出し成形により、蓋材7を成形した。蓋材7の層構成は蓋材4と同様である。
【0053】
[ 易開封性包装体5 ]
容器本体6内に炊飯直後の米飯を充填した後、窒素ガスで置換し、蓋材7をヒートシールし、易開封性包装体5を得た。
【0054】
[ 実施例1及び実施例2の評価方法及び結果 ]
内圧強度及び5日後の易開封性包装体2,5内の酸素濃度を測定した。
内圧強度は易開封性包装体2,5に空気を注入して測定する方法で測定した。
易開封性包装体2,5内の酸素濃度は、検出限界以下であった。内圧強度は、易開封性包装体2では0.3MPa、易開封性包装体5では、0.5MPaであった。さらに、開封を容易に行うこともできた。
【0055】
次に、本発明の効果を確認するために、次のような比較実験を行った。
(比較例)
酸素吸収性層45がない蓋材を使用した。他の点は、実施例1と同様である。
【0056】
[ 比較例の評価方法及び結果 ]
実施例と同様に、5日後の酸素濃度を測定した。
易開封性包装体内の酸素濃度は、0.3%程度であった。
【0057】
【発明の効果】
このような本発明によれば、密封性と、易開封性とを備え、開封時に酸素吸収性を示す層が露出せず、容器本体成形時に多量に発生する打ち抜きロス中に酸素吸収性を示す層を含まない易開封性包装体を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる易開封性包装体を示す斜視図である。
【図2】前記易開封性包装体の断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態にかかる易開封性包装体の断面図である。
【図4】前記易開封性包装体の容器本体の平面図である。
【符号の説明】
2,5  易開封性包装体
3,6  容器本体
4,7  蓋材
13    ガスバリア層
16    最内層
18    最内層
34    フランジ部
43    ガスバリア層
45    酸素吸収性層
64    フランジ部

Claims (3)

  1. 被包装物収納用の開口部周縁にフランジ部が形成された多層構造の容器本体と、前記容器本体のフランジ部にヒートシールされ、前記開口部を塞ぐ蓋材とを備えた易開封性包装体であって、
    前記容器本体は、ガスバリア性を有し、
    前記蓋材は、ガスバリア性及び酸素吸収性を備え、
    開封時には、前記蓋材がヒートシールされた前記フランジ部の最内層が前記蓋材とともに剥離されることを特徴とする易開封性包装体。
  2. 請求項1に記載の易開封性包装体において、
    前記蓋材は、前記ガスバリア層と、前記酸素吸収性層とを有し、前記二層は異なる材料で形成されていることを特徴とする易開封性包装体。
  3. 請求項1に記載の易開封性包装体において、
    前記蓋材は、ガスバリア性と酸素吸収性とを備えた層を有し、
    前記層は、ガスバリア性樹脂に酸素吸収剤及び/又は酸素吸収性樹脂を混合して形成されたものであることを特徴とする易開封性包装体。
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