JP2006043995A - 容器およびその成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性に優れ、優れたイージーピール性と安定した十分なイージーピール強度を有する易開封性の容器およびその成形方法を提供する。
【解決手段】 熱可塑性樹脂シートを加熱した後、金属金型により賦形・冷却する容器の成形方法において、凝集破壊タイプのイージーピール材から構成されたイージーピール層を一方の表面層として有する総厚さ150〜1000μmの熱可塑性樹脂シートを用い、該熱可塑性樹脂シートを加熱した後該イージーピール層の表面側に、表面粗さの指標で最大高さ(Rz)(JIS B 0601)が0.8μm以下の表面を有する金属金型に接触させて賦形・冷却することにより成形する容器の成形方法。
【選択図】なし

Description

本発明は容器および容器の成形方法に関し、詳しくは、主に食品の包装に用いられる、物品を収納後、不活性ガスを充填して包装するガスパック包装において好適に使用することのできる、透明性に優れた、易開封性の容器およびその成形方法に関する。
従来の各種包装体に易開封性(イージーピール性)を付与するための手段は、容器本体または蓋材の層構成による層間剥離タイプ(例えば、特許文献1、特許文献2参照)と、イージーピール層のイージーピール材を選択して易開封性を付与する凝集破壊タイプ(例えば、特許文献3、特許文献4参照)に大別される。層間剥離タイプのイージーピール材からなるイージーピール層を設けた従来の蓋材を用いてパックすると、シール温度やシール圧力の影響を受け易く、シール部でのイージーピール強度のフレが大きくなり易いという問題を有していた。これは層間剥離タイプのイージーピール材からなるイージーピール層に見られる一般的な現象であった。これに対して凝集破壊タイプのイージーピール材からなるイージーピール層では上記問題がなくイージーピール強度の安定性に優れていた。
しかし凝集破壊タイプのイージーピール材から形成されたイージーピール層を有する容器は透明性が悪く、ガスパック用には不向きであった。凝集破壊タイプでは、イージーピール材の凝集力を低下させるために相溶性の悪い二種以上の樹脂を混合した組成物をイージーピール材として使用し、このようなイージーピール材を押出成形してイージーピール層を形成することがなされている。このようにして形成したイージーピール層は、イージーピール材を構成する組成物が非相溶性による海島構造を有するために、表面が荒れ透明性が低下し易い。ここで包装形態が真空包装であればシートが内容物に密着するため表面凹凸が埋まって平滑化し、透明性が良くなるが、ガスパック包装では充填されるガスのためにシートが内容物に密着しないため表面凹凸が埋められず透明性が悪いままとなる。
特開平3−146342号公報 特開平7−32555号公報 特開2001−301831号公報 特開2002−128128号公報
本発明は、上記従来技術の現状に鑑み完成されたものであり、イージーピール層を構成するイージーピール材として凝集破壊タイプのイージーピール材を用いた、透明性に優れた、主として食品、例えば、スライスハム等の食品、のガスパック包装に用いた場合に、優れたイージーピール性と安定した十分なイージーピール強度を有する、易開封性の容器およびその成形方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決した本発明は、熱可塑性樹脂シートを加熱した後、金属金型により賦形・冷却する容器の成形方法において、凝集破壊タイプのイージーピール材から構成されたイージーピール層を一方の表面層として有する総厚さ150〜1000μmの熱可塑性樹脂シートを用い、該熱可塑性樹脂シートを加熱した後該イージーピール層の表面側に、表面粗さの指標で最大高さ(Rz)(JIS B 0601)が0.8μm以下の表面を有する金属金型に接触させて賦形・冷却することにより成形する容器の成形方法である。
上記本発明の成形方法は、前記金属金型が10〜50℃の表面温度を有する金属金型であることが好ましい。
また、上記本発明の成形方法は、前記熱可塑性樹脂シートを、該熱可塑性樹脂シートのイージーピール層を構成するイージーピール材に含まれる最高温融点樹脂の融点以上の温度に加熱した後に前記金属金型に接触させて成形することが好ましい。
また、上記本発明の成形方法は、前記熱可塑性樹脂シートが、該熱可塑性樹脂シートの総厚さの50%〜95%に相当する厚さの非晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂層、ポリプロピレン樹脂層またはポリスチレン樹脂層を有する熱可塑性樹脂シートであることが好ましい。
また、上記本発明の成形方法は、前記熱可塑性樹脂シートが、3〜50μmの厚さのエチレン含有量が29〜47モル%、ケン化度95%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層を有する熱可塑性樹脂シートであることが好ましい。
また、上記本発明の成形方法は、前記熱可塑性樹脂シートが、1〜20μmの厚さのイージーピール層を有する熱可塑性樹脂シートであることが好ましい。
さらに、上記課題を解決した本発明は、上記本発明の成形方法で成形した容器である。
また、上記本発明の容器は、ヘーズが15%以下の値を有することが好ましい。
本発明によれば、凝集破壊タイプのイージーピール材から構成されたイージーピール層を一方の表面層として有する総厚さ150〜1000μmの熱可塑性樹脂シートのイージーピール層の表面側に、表面粗さの指標で最大高さ(Rz)(JIS B 0601)が0.8μm以下の表面を有する金属金型に接触させて賦形・冷却して成形することにより、透明性の良好な、容器を提供することができる。また本発明の容器は、透明性に優れ、主として食品のガスパック包装に好適であり、食品を包装したときに、優れたイージーピール性と安定した十分なイージーピール強度を有する、易開封性の包装体が得られ保存や輸送時の衝撃にも十分に耐えることができる。
本発明の容器の成形方法は、熱可塑性樹脂シートを加熱した後、金属金型により賦形・冷却する方法であって、凝集破壊タイプのイージーピール材から構成されたイージーピール層を一方の表面層として有する総厚さ150〜1000μmの熱可塑性樹脂シートを用いる。この熱可塑性樹脂シートのイージーピール層の表面側に、特定の表面粗さを有する金属金型に接触させて賦形・冷却することにより成形する。
上記金属金型を用いる成形方式は、真空成形方式、圧空成形方式、真空圧空成形方式、深絞り成形方式、オスメス成形方式等様々な方式が利用できるが、これらの中ではオス型とメス型の金属金型で挟み込むオスメス成形方式の成形方式がイージーピール表面層側に平滑な金属金型が強く密着し、イージーピール層の表面の平滑性が良好となり、得られる容器の透明性が優れるので好ましい。
このときイージーピール層の表面側に接触する金属金型の表面は、JIS B 0601に準拠した方法で測定した表面粗さの指標で最大高さ(Rz)が0.8μm以下とすることが必要である。この最大高さ(Rz)が0.4μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることがさらに好ましい。これは金属金型の表面の表面粗さの指標で最大高さ(Rz)が小さく、金属金型の表面の平滑性が増すほど、容器のイージーピール層の表面の平滑性が増し、容器の透明性が良好となるためである。したがって加熱された熱可塑性樹脂シートを、オスメス成形方式の金型で強く挟み込むことにより成形することが好ましい。
ここで金属金型は、表面温度が、10〜50℃であることが好ましく、15〜40℃であることがより好ましく、20から30℃であることがさらに好ましい。これは金属金型の表面温度が10℃以上であると熱可塑性樹脂シートの冷却の効率が高くなり、成形された容器が十分冷却された後に金属金型から解放され、解放時に変形を起こすことがないためである。また、金属金型の表面温度が50℃以下であると金属金型の表面に結露する可能性がなく好ましい。
上記熱可塑性樹脂シートは、金属金型に接触する時に熱可塑性樹脂シートのイージーピール層表面が溶融状態であることが望ましい。したがって熱可塑性樹脂シートの温度をイージーピール層を構成するイージーピール材に含まれる最高温融点樹脂の融点以上の温度に加熱した後に、金属金型に接触させることが好ましい。これは、成形される容器のイージーピール層表面に金属金型の表面の平滑性を転写させる上で、熱可塑性樹脂シートのイージーピール層表面が溶融状態になっている方が、転写がスムーズに行えるためである。本発明によれば、EP層の組成によらず透明性を確保し易いという利点がある。
本発明においては、凝集破壊タイプのイージーピール材から構成されたイージーピール層を一方の表面層として有し、その総厚さが150〜1000μmである熱可塑性樹脂シートが用られる。総厚さは150〜1000μmであることが必要であるが、180〜700μmとするのが好ましく、200〜500μmとするのがより好ましい。これは熱可塑性樹脂シートの総厚さを150μm未満とすると容器の腰の強さが不充分となるばかりではなく、例えばオスメス成形方式の成形機を用いて成形したときオスメス金型のクリアランスの設定が困難となり、熱可塑性樹脂シートに加わる圧力が小さくなってしまうことがあるからであり、また1000μmを越えると成形された容器の透明性が悪くなるばかりか容器成形時の冷却が不十分となり容器が変形し易くなるからである。
また、この熱可塑性樹脂シートの層構成としては、例えば、
(1)APET層/AD層/EP層、
(2)PP層 /AD層/EP層、
(3)PS層 /AD層/EP層、
(4)APET層/AD層/EVOH層/AD層/EP層、
(5)PP層 /AD層/EVOH層/AD層/EP層、
(6)PS層 /AD層/EVOH層/AD層/EP層、
(7)APET層/AD層/EVOH層/Ny層/AD層/EP層、
(8)PP層 /AD層/EVOH層/Ny層/AD層/EP層、
(9)PS層 /AD層/EVOH層/Ny層/AD層/EP層、
(10)APET層/AD層/Ny層/EVOH層/AD層/EP層、
(11)PP層 /AD層/Ny層/EVOH層/AD層/EP層、
(12)PS層 /AD層/Ny層/EVOH層/AD層/EP層、
(13)APET層/AD層/Ny層/EVOH層/Ny層/AD層/EP層
(14)PP層 /AD層/Ny層/EVOH層/Ny層/AD層/EP層
(15)PS層 /AD層/Ny層/EVOH層/Ny層/AD層/EP層
等の様々な層構成が考えられる。
上記層構成において、「/]は、共押出法によってラミネートされたことを表し、また、APET層は、非晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂層を、PP層は、ポリプロピレン樹脂層を、PS層は、ポリスチレン樹脂層を、AD層は、接着樹脂層を、EVOH層はエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層を、Ny層は、ポリアミド樹脂層を、EP層は、イージーピール層を表す。
食品包装用途等ガスバリア性を要求される用途の容器を成形するには、高いガスバリア性を有するEVOH層を備えた(4)〜(15)の層構成を有する熱可塑性樹脂シートを用いるのが好ましい。またEVOH層を含む層構成の中ではAPET層(またはPP層もしくはPS層)/AD層/Ny層/EVOH層/Ny層/AD層/EP層が各層間接着強度が強く、好ましい。これはAD層/EVOH層に比べAD層/Ny層の方が層間接着強度が強いことによる。
熱可塑性樹脂シートは、その総厚さの50%〜95%、より好ましくは60%〜90%、さらに好ましくは70%〜85%に相当する厚さのAPET層、PP層またはPS層を有する熱可塑性樹脂シートであることが好ましい。これは容器としての腰を十分に大きくすることができるためである。
APET層を構成する非晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂(APETと表すことがある)としては、極限粘度(IVと表すことがある)が0.68〜0.95(g/dl)、好ましくは0.68〜0.90(g/dl)、より好ましくは0.70〜0.85(g/dl)の、通常のポリエチレンテレフタレート(PETと表すことがある)を使用することができる。ここでIV値が高いほど低温強度がアップし、好ましい。またAPETとしてはPETに他のポリエステル樹脂、例えば、共重合PET(テレフタル酸、アルコール成分としてエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールを使用して製造したポリエステル(PETGと表すことがある)等、ポリエチレンナフタレート(PENと表すことがある)、ポリブチレンテレフタレート(PBTと表すことがある)を添加してもよい。または、これらをAPETとして用いることも可能である。
PP層を構成するポリプロピレン(PPと表すことがある)樹脂としては、三塩化チタン型の触媒を用いて製造したPP、シングルサイト触媒、たとえばメタロセン触媒を用いて製造したPP等を用いることができる。具体的には、ホモタイプ、エチレンとのブロック共重合タイプ、エチレンとのランダム共重合タイプを挙げることができる。これらの中では、結晶性が低く透明性が出やすいことから、ランダム共重合タイプを好ましく用いることができる。
PS層を構成するポリスチレン(PSと表すことがある)樹脂としては、GPポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体を用いることができる。これらの中では、衝撃強度も有り透明性も良好なことからスチレン−ブタジエン共重合体を好ましく用いることができる。なお、ここでPS層を構成するために、成形が可能であれば、二軸延伸ポリスチレンシート(OPSと表すことがある)を使用してもよい。
EVOH層を構成するエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOHと表すことがある)としては、特に限定されないが、通常、エチレン含有量が29〜47モル%、好ましくは32〜44モル%、ケン化度が95%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を用いることが好ましい。ここでEVOH層の厚さは、通常、3〜50μmとするのが好ましく、5〜40μmとするのがより好ましく10〜30μmとするのがさらに好ましい。EVOH層の厚さを3μm以上とするとガスパック容器として十分なガスバリアー性を確保することができる。また、50μm以下とすると、材料コストを削減でき好ましい。
Ny層を構成するポリアミド樹脂(Nyと表すことがある)は特に限定されないが、強度および接着樹脂との接着強度の点から、通常、6ナイロンおよび6−66共重合ナイロンを好適に使用することができる。これら2種のナイロンは、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層との層間接着強度も強く好ましい。Ny層の厚さは、通常、3〜50μmとするのが好ましく、5〜40μmとするのがより好ましく10〜30μmとするのがさらに好ましい。Ny層の厚さを3μm以上とすると耐衝撃性を向上することができる。また、50μm以下とすると、成形性が向上し好ましい。
AD層は、熱可塑性樹脂シートを構成する各層間の接着強度を所望のものとするために必要な場合に設けられるものであり、AD層を構成する接着性樹脂(ADと表すことがある)としては、上記APET層、EP層、EVOH層、Ny層等から選ばれた任意の二つの層を相互に必要な強度に接着することができるものであれば、特に限定されず用いることができる。通常、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン系樹脂を好適に用いることができる。かかる不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸、またこれらの不飽和カルボン酸の誘導体であるこれらの酸無水物や、さらにアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、酢酸ビニル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の不飽和カルボン酸エステルや、アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミドや、アクリル酸ナトリウム等の不飽和カルボン酸の金属塩等を用いてエチレン、プロピレン、ブテン等のα−オレフィンの単独重合体若しくはこれらの共重合体、または、エチレン―酢酸ビニル共重合体、エチレン―アクリル酸エステル共重合体等を変性したものを使用することができる。例えば、接着性樹脂として、アドマー(三井化学(株)製、商品名)等の市販品を用いることもできる。これらのなかでは、アドマー(三井化学(株)製、商品名)が好ましい。
AD層の厚さは、通常、3〜50μmとするのが好ましく、10〜30μmとするのがより好ましい。AD層の厚さを3μm以上とすると接着強度が向上する。一方AD層の厚さを50μm以下とすると材料コストを削減することができる。
EP層は、凝集破壊タイプのイージーピール材から構成される層であり、その厚さは、通常、1〜20μmとするのが好ましく、1〜15μmとするのがより好ましく、3〜10μmとするのがさらに好ましい。一般に、凝集破壊タイプのイージーピール材はEP層の厚さを厚くするほどピールしたときにケバ立ちが発生し易くなる傾向がみられるが、EP層の厚さを20μm以下とするとケバ立ちの発生を抑えることができる。また、EP層の厚さを1μm以上とするとシール時の熱と圧力でEP層の厚さがバラつくのを容易に抑えることができ、安定したイージーピール強度を得ることができる。
EP層を構成するイージーピール材は、凝集破壊タイプのイージーピール材であれば、特に限定されないが、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPEと表すことがある)とポリブテン(PB)の組成物、LLDPEとポリプロピレンの組成物、低密度ポリエチレン(LDPEと表すことがある)とPPの組成物、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVAと表すことがある)とPPの組成物、アイオノマーとPPの組成物等を好ましく用いることができる。PPとして、三塩化チタン型の触媒を用いて製造したPP、シングルサイト触媒、例えばメタロセン触媒を用いて製造したPP(メタロセンPPと表すことがある)を用いてもよい。これらのイージーピール材を用いて形成したEP層のシール性、ホットタック性等を考慮すると、LLDPEベースのイージーピール材を用いるのが好ましい。
上記イージーピール材の組成は、特に限定されないが、通常、これらの組成は、質量比で85/15〜50/50とするのが好ましく、80/20〜60/40とするのがより好ましい。
熱可塑性樹脂シートは、防曇性を付与されていることが好ましい。防曇剤の種類については特に限定されないが、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルを使用することができる。防曇剤は、通常、EP層を構成するイージーピール材に添加することが好ましい。
熱可塑性樹脂シートの製造方法は、特に限定されず、共押出法、ドライラミネート法、押出ラミネート法等の、公知の方法の中から好適なものを選択し、熱可塑性樹脂シートを製造することができる。これらの方法のなかでは、通常、溶剤を使用せず、層間接着強度を高くすることが容易であることから共押出法が好適である。
本発明の容器は、主に、食品の包装、特に、食品のガスパック用容器の底材として用いられるものである。その形状は、特に限定されない。容器は、ヘーズが15%以下の値を有することが好ましく、10%以下であることがより好ましい。ヘーズが15%以下であると、透明な容器としての価値が高い。
また、容器は2.9〜17.6(N/15mm)のイージーピール強度を有することが好ましく、4.9〜14.7(N/15mm)のイージーピール強度を有することがより好ましく、5.9〜12.7N/1mmのイージーピール強度を有することがさらに好ましい。容器が、2.9(N/15mm)以上のイージーピール強度を有すると輸送中に破袋することがなく、17.6(N/15mm)以下のイージーピール強度を有すると開封性が良好となる。上記イージーピール強度は、[OPPフィルム層(厚さ20μm)//透明蒸着PETフィルム層(厚さ12μm)//LLDPEフィルム層(厚さ50μ)]の層構成を有する蓋材と本発明の容器とを最も好適と思われるシール温度(低温から徐々に温度を上げて、きちんとシールされる下限温度および上限温度を求め、この下限および上限温度の値から求めた算術平均値に該当する温度をいう)でシールし、これから、幅15mmの被験試料を切り出し、引張試験機を用い23℃、引張速度200mm/minの条件でEP層で凝集破壊を起こし剥離したときの強度を測定することにより求めることができる。
なお、上記蓋材の層構成において、OPPフィルム層は、二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムからなる層を、透明蒸着PETフィルム層は、透明蒸着ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムからなる層を、LLDPEフィルム層は、直鎖状低密度ポリエチレンフィルムからなる層を表し、「//]は、各々の層を構成するフィルムをドライラミネートしたことを示す。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本実施例においては、下記の層構成を有する熱可塑性樹脂シートを用いた。これらの熱可塑性樹脂シートは、共押出法で製造した多層構造を有する複合シートと、押出法で製造した単層シートをドライラミネートして得た。なお、「/]は共押出法で、「//]は、ドライラミネート法でラミネートしたことを表し、層構成の下側に記載した数値は各層の厚さ(μm)を表す。
<熱可塑性樹脂シート>
(シートA 厚み500μm)
APET層//EVOH層/Ny層/AD層/LLDPE層/EP層
400 20 20 10 40 10
APET:ユニペットRT543(日本ユニペット(株)社製;商品名)
EVOH:ソアノールAT4406(日本合成化学工業(株)社製;商品名)
Ny:ノバミッド2020(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製;商品名)
AD:アドマーNF528(三井化学(株)社製;商品名)
LLDPE:ノバテックLL UF420(日本ポリエチレン(株)社製;商品名)
イージーピール材:
LLDPE:(70質量部)ノバテックLL UF420(日本ポリエチレン(株)社製;商品名、融点(Tm)124℃)
PB:(30質量部)タフマーBL027(三井化学(株)社製;商品名、融点(Tm)116℃)
(シートB 厚み130μm)
PETG層//EVOH層/Ny層/AD層/LLDPE層/EP層
50 10 10 10 40 10
PETG:PETG6763(イーストマンケミカル(株)社製;商品名)
EVOH:ソアノールAT4406(日本合成化学工業(株)製;商品名)
Ny:ノバミッド2020(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製;商品名)
AD:アドマーNF528(三井化学(株)社製;商品名)
LLDPE:ノバテックLL UF420(日本ポリエチレン(株)社製;商品名)
イージーピール材:シートAと同様である。
(シートC 厚み1100μm)
APET層//EVOH層/Ny層/AD層/LLDPE層/EP層
1000 20 20 10 40 10
APET:ユニペットRT543(日本ユニペット(株)社製;商品名)
EVOH:ソアノールAT4406(日本合成化学工業(株)社製;商品名)
Ny:ノバミッド2020(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製;商品名)
AD:アドマーNF528(三井化学(株)社製;商品名)
LLDPE:ノバテックLL UF420(日本ポリエチレン(株)社製;商品名)
イージーピール材:シートAと同様である。
(実施例1、2および比較例1〜3)
オスメス成形方式の成形機(ムルチバック社製深絞り包装機R530;商品名)のEP層の表面に接するオス金型として、表面を粗さの指標である最大高さ(Rz)が表1に示す所定の値を有する金型を用い、この金型温度を25℃とし、シートA、BまたはCを150℃で5秒間加熱したのち、一度オス金型より若干小さめに圧空真空方式で成形し、その後オス金型に圧空で押し付けることにより形を整えて容器(ハム・ソーセージ用の透明ガスパック底材、サイズ:長さ170mm×幅127mm×高さ25mm、フランジ幅10mm)を成形した。得られた容器のヘーズ、イージーピール強度および腰の強さを次に示す方法によって評価した。得られた結果を表1に示した。
<ヘーズ>
得られた容器の底面部のヘ−ズをスガ試験機(株)社製のシングルビーム式ヘーズコンピューターHZ−1(商品名)を用いJIS K7105に基づき測定し、次に示す基準で評価した。
○:ヘーズが15%以下である
×:ヘーズが15%を越える
<イージーピール強度>
ムルチバック社製深絞り包装機R530(商品名)を用い、蓋材として、OPPフィルム層(厚さ20μm)//透明蒸着PETフィルム層(厚さ12μm)//LLDPEフィルム層(厚さ50μ)]の層構成を有するものを用いて、最も好適と思われるシール温度(低温から徐々に温度を上げて、きちんとシールされる下限温度および上限温度を求め、この下限および上限温度の値から求めた算術平均値に該当する温度をいう)で前記蓋材のLLDPEフィルム層と上記容器のEP層とを向かい合わせてシールした。
上記のシール部から15mm幅の短冊状の被験試料を切り出し23℃、引張速度200mm/minの条件で引張試験を行い、シール部が凝集破壊して剥離したときの荷重を測定しこれをイージーピール強度として測定した。
<腰の強さ>
得られた容器の容器の腰の強さを次のようにして評価した。
○:得られた容器を手で持ち、指で押したとき、押された個所が変形しなかった
×:得られた容器を手で持ち、指で押したとき、押された個所が変形した
Figure 2006043995
本発明により、透明性およびイージーピール性に優れた容器を製造することができる。また、得られた容器は、優れたイージーピール性と安定した十分なイージーピール強度を有し、主に、食品の包装、特に、食品のガスパック用の易開封性の容器としての利用性が大きい。

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂シートを加熱した後、金属金型により賦形・冷却する容器の成形方法において、凝集破壊タイプのイージーピール材から構成されたイージーピール層を一方の表面層として有する総厚さ150〜1000μmの熱可塑性樹脂シートを用い、該熱可塑性樹脂シートを加熱した後該イージーピール層の表面側に、表面粗さの指標で最大高さ(Rz)(JIS B 0601)が0.8μm以下の表面を有する金属金型に接触させて賦形・冷却することにより成形する容器の成形方法。
  2. 前記金属金型が、10〜50℃の表面温度を有する金属金型である請求項1記載の容器の成形方法。
  3. 前記熱可塑性樹脂シートを、該熱可塑性樹脂シートのイージーピール層を構成するイージーピール材に含まれる最高温融点樹脂の融点以上の温度に加熱した後に前記金属金型に接触させて成形する請求項1または2記載の容器の成形方法。
  4. 前記熱可塑性樹脂シートが、該熱可塑性樹脂シートの総厚さの50%〜95%に相当する厚さの非晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂層、ポリプロピレン樹脂層またはポリスチレン樹脂層を有する熱可塑性樹脂シートである請求項1から3のいずれかに記載の容器の成形方法。
  5. 前記熱可塑性樹脂シートが、3〜50μmの厚さのエチレン含有量が29〜47モル%、ケン化度95%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層を有する熱可塑性樹脂シートである請求項1〜4のいずれかに記載の容器の成形方法。
  6. 前記熱可塑性樹脂シートが、1〜20μmの厚さのイージーピール層を有する熱可塑性樹脂シートである請求項1〜5のいずれかに記載の容器の成形方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の成形方法で成形した容器。
  8. ヘーズが15%以下の値を有する請求項7記載の容器。
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