JPH08164973A - ピーラブルシール容器 - Google Patents

ピーラブルシール容器

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JPH08164973A
JPH08164973A JP30779294A JP30779294A JPH08164973A JP H08164973 A JPH08164973 A JP H08164973A JP 30779294 A JP30779294 A JP 30779294A JP 30779294 A JP30779294 A JP 30779294A JP H08164973 A JPH08164973 A JP H08164973A
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JP
Japan
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material layer
heat
container
surface material
resin
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Application number
JP30779294A
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English (en)
Inventor
Yotaro Tsutsumi
陽太郎 堤
Muneki Yamada
宗機 山田
Hisakazu Yasumuro
久和 安室
Takaaki Mochida
隆明 持田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 容器の中心側から剥離強度がレトルト或はボ
イルなどの殺菌等による内圧の増大及び落下衝撃などに
耐える程大であり、容器の外側からの開封が手により行
える容器の提供。 【構成】 ヒートシール性樹脂内面材層6を備えたフラ
ンジ付容器本体1と、可撓性ヒートシール蓋2とをフラ
ンジ部12でヒートシールして成るピーラブルシール容
器において、容器本体1は、フランジ部外周縁に連なっ
て下方に延びているスカート部13を有しており、フラ
ンジ部の内縁よりも内側の内面材層6に第1のリング状
の弱化部20が形成されており、スカート部13の内面
材層6には、フランジ部12の外周縁近傍位置に第2の
リング状の弱化部21が形成されており、内面材層6と
容器本体基体との接着強度を内面材層6とヒートシール
蓋2との接着強度よりも小さくした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピーラブルシール容器
に関するもので、より詳細には、容器の中心側からの剥
離強度がレトルト或いはボイルなどの殺菌等による内圧
の増大及び落下衝撃などに耐える程大であり、且つ容器
の外側からの開封が手により確実に且つ安定に行い得る
ピーラブルシール容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ヒートシール包装体は、食品包装
等の多くの分野に広く使用されており、特にヒートシー
ル界面で剥離可能なものは、易開封性乃至ピーラブルな
ヒートシール蓋としてやはり広く使用されている。ピー
ラブルタイプの容器では、密封性能と開封性能とは相反
する関係にあり、レトルト殺菌時の内圧の増大に耐える
ほどの密封性能とした場合には開封性能は損なわれてし
まう。例えば日本では、ヒートシール包装体の内、内容
物にレトルト殺菌処理を施したものでは、ヒートシール
部のシール強度が2.3 Kg/15mm巾以上であることが義務
づけられており、容器本体と蓋とのシール強度がこの値
に達すると、もはや両者のヒートシール界面で手による
剥離を行うことは困難となってしまう。
【0003】この問題を解決するものとして、特公平5
−63385号公報には、フランジ付容器本体内面全体
にヒートシール性内面材層を設け、そして、その内面材
層とその内側の層との間を易剥離性シール及び内面材層
と蓋(トップフィルム)とをタイトシールとすると共
に、フランジ部状面に位置している内面材層のヒートシ
ール部よりも中心側に、この内面材層を切断するスコア
を設け、中心側から外方へのヒートシール強度を2.3 Kg
/15mm巾以上にしながら、外側からの開封を容易に行
えるようにしたヒートシール容器が既に提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したピーラブルシ
ール容器は、シール強度を2.3 Kg/15mm巾以上に保ち
ながら、易開封性を賦与したものとして意義深いもので
あるが、本来ヒートシールされるべきフランジ部上面の
内面材層にスコア加工を行い、このスコア部よりも外側
でヒートシールが行われるため、フランジ部全体にわた
ってヒートシールを行うことができず、ヒートシールに
際してヒートシールヘッドの位置を厳格に設定しなけれ
ばならない等、ヒートシール条件に制約を受け、製造工
程が極めて煩雑なものとならざるを得ない。また、フラ
ンジ上には、ヒートシール部とは別個にスコアを設ける
スペースを確保しなければならないため、必然的にフラ
ンジ幅を大きくせざるを得ない。実際、このタイプの容
器では、フランジ幅を4mm以下にすることが困難であ
る。このように、フランジ幅を大きくせざるを得ないこ
とは、容器素材使用量の増大、包装体の嵩の増大及び外
観特性の点からも好ましくない。しかも、容器のフラン
ジ部が大きいと、容器内に液が収容されている場合、一
般の消費者が、容器内中の液を飲んだり或いは注ぎ出し
たりすることが容易でないという問題もある。
【0005】また一般に、ピーラブルシール容器におい
ては、単にシール部に易剥離性シールが行われていれば
開封が容易に行われるというものでは決してなく、易剥
離性シール部に応力が集中する開封開始部を形成するこ
とが必要である。このような開封開始部をフランジ部に
設けると、やはりフランジ幅の増大やヒートシール工程
の制約等の不都合を生じてしまう。
【0006】従って、本発明の目的は、容器の中心側か
らの剥離あるいは破壊強度が、例えば2.3 Kg/15mm巾以
上のように大であることによりレトルト殺菌等による内
圧の増大や落下衝撃などにも耐えることができ、容器の
外側からの剥離強度が易開封性ヒートシール強度に保た
れていると共に、開封開始に際しては、易剥離性シール
部に応力が集中して手による開封が確実且つ安定に行わ
れるピーラブルシール容器を提供するにある。本発明の
他の目的は、ヒートシールが行われるフランジ部にスコ
ア等の格別の手段を設けることなく、したがってヒート
シール条件に格別の制限を受けず、しかもフランジ部の
増大を招くことなく、容器の中心側からの剥離乃至破壊
強度が高く且つ易開封性を有するピーラブルシール容器
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ヒート
シール性樹脂内面材層を備えたフランジ付容器本体と、
可撓性ヒートシール蓋とをフランジ部でヒートシールし
て成る容器において、前記容器本体は、フランジ部外周
縁に連なって下方に延びているスカート部を有してお
り、フランジ部の内縁よりも内側の内面材層に第1のリ
ング状の弱化部が形成されており、前記スカート部の内
面材層には、フランジ部の外周縁近傍位置に第2のリン
グ状の弱化部が形成されており、且つ、内面材層と容器
本体基体との接着強度を内面材層とヒートシール蓋との
接着強度よりも小さくしたことを特徴とするピーラブル
シール容器が提供される。
【0008】
【作用】本発明のピーラブルシール容器の一例を示す図
1において、この容器は、容器本体1とヒートシール蓋
2とから構成されている。容器本体1の器壁は、基体5
と、該基体の内面に形成されたヒートシール可能なプラ
スチックから成る内面材層6とから構成されている。こ
の容器本体1は、無継目の一体構造のものとしてカップ
状乃至トレイ状に形成されており、周状の側壁部10、
この側壁部10の下端に連なる底部11を有しており、
側壁部10の上端には、ヒートシール用フランジ部12
が形成され、さらにフランジ部12の外周縁からは下方
にスカート部13が延びている。即ち、ヒートシール蓋
2は、フランジ部12においてヒートシールされて容器
本体1に固定されるものである。
【0009】本発明においては、内面材層6と容器本体
基体5との接着強度を内面材層6とヒートシール蓋2と
の接着強度よりも小さく設定すると共に、フランジ部1
2の内縁よりも内側部分に位置している内面材層6に、
スコア等で形成された第1のリング状の弱化部20を形
成し、且つスカート部13のフランジ部12の外周縁近
傍位置において、内面材層6にスコア等から形成された
第2のリング状の弱化部21を形成したことが顕著な特
徴である。尚、リング状とは、容器本体の全周にわたっ
て弱化部が延びていることを意味する。
【0010】蓋2を開封している状態における容器のフ
ランジ部12の概略構造を示す図2を参照されたい。こ
の図2から理解される様に、ヒートシール蓋2の端部を
手で持って上方に引っ張ると、フランジ部12の外周縁
に位置している内面材層6とヒートシール蓋2との接着
強度が高いため、その近傍のスカート部13の内面材層
6に形成されている第2のリング状の弱化部21に応力
が集中し、しかも内面材層6と基体5との接着強度は、
内面材層6とヒートシール蓋2との接着強度よりも小さ
いため、この弱化部21から内面材層6と基体5とが剥
離し、開封が開始する。この開封の進行にしたがって、
フランジ部12の上面の内面材層6が蓋2と共に引き剥
がされるが、フランジ部12の内周縁よりも内側部分
(即ち、側壁部10)の内面材層には第1のリング状の
弱化部20が形成されているため、この弱化部20で蓋
2と共に引き剥がされた内面材層6は、基体5に接着さ
れている内面材層6から分断され、開封が有効に行われ
る。従って、本発明によれば、内面材層6と基体5との
界面を、例えば2kg/15mm 巾以下のピーラブルシールと
することにより、手による剥離開封を容易に行うことが
できる。
【0011】また容器に内圧が発生した状態における容
器のフランジ部を概略構造を示す図3を参照されたい。
この図3から理解される様に、容器内に内圧Pが発生す
ると、この内圧Pは、フランジ部12の内縁に位置して
いる内面材層6とヒートシール蓋2との接着界面(即
ち、ヒートシール端部)に集中する。しかるに、この内
面材層6とヒートシール蓋2との間の接着強度は高いた
め、この部分からの剥離乃至破断が有効に防止される。
即ち、内面材層6とヒートシール蓋2との接着界面を、
例えば2.3kg/15mm 巾以上のタイトシールとすることに
より、容器内圧Pに対しては2.3 Kg/15mm巾以上の大き
な剥離乃至破壊強度が得られる。
【0012】本発明において、側壁部10の内面材層6
に形成される第1のリング状の弱化部20は、耐内圧性
及び易開封性の両面からフランジ部12の内縁から2乃
至8mmの範囲に形成されていることが好ましい。フラン
ジ部12の内縁から過度に近接した位置に形成されると
内圧性が損なわれ、またフランジ部12の内縁から過度
に離れた位置に形成されると、蓋2の開封に際して、蓋
2と共に引き剥がされる内面材層6と容器本体1の基体
5に接着されている内面材層6との分断が有効に行われ
ないことがあり、また分断が行われたとしても、側壁部
10の基体5から剥がされる内面材層6が大きなものと
なり、容器の商品価値が損なわれる等の点で好ましくな
い。
【0013】またスカート部13の内面材層6に形成さ
れる第2のリング状の弱化部21は、易開封性の面から
フランジ部12の外縁から5mm以内に形成されているこ
とが好ましい。フランジ部12の外縁から過度に離れた
位置に形成されていると、蓋2の開封にあたって、弱化
部21からの内面材層6と基体5との剥離が有効に開始
しない場合があるからである。
【0014】かかる本発明の容器は、スコア等から形成
される第1及び第2のリング状の弱化部20,21が、
容器本体1の側壁部10或いはスカート部13に形成さ
れ、ヒートシール用のフランジ部12に形成されていな
いことから、大きな利点を有している。即ち、本発明に
よれば、フランジ部12の全面でヒートシールを行うこ
とができるため、ヒートシールに際して格別の制限がな
く、例えば通常のヒートシールヘッドを用いて通常の条
件でヒートシールを行うことが可能となり、生産効率が
極めて高い。またフランジ部12にスコア等を設ける必
要がないため、フランジ部12の大きさ(幅)は、必要
最小限のヒートシール面積が確保できればよく、その大
きさを可及的に小さくすることができる。例えば本発明
の容器では、フランジ部12の幅を0.5乃至4mmの範
囲とすることができ、これは従来公知の容器のフランジ
幅よりも小さく、容器素材使用量、容器の嵩の大きさ、
外観特性等の点で極めて有利となる。
【0015】また本発明において、内面材層6と容器本
体基体5との接着強度を内面材層6とヒートシール蓋2
との接着強度よりも低くすることは、内面材層6をピー
ラブル樹脂で構成して、内面材層6と容器本体基体5と
の界面を2kg/15mm 巾以下のピーラブルシールとし、且
つヒートシール蓋2の少なくとも内面を、タイトシール
樹脂で構成し、内面材層6と蓋2の内面との界面を2.3
kg/15mm 巾以上のタイトシールとすることにより行うこ
とができる。
【0016】
【発明の好適態様】
(容器本体)再び図1に戻って、容器本体1は、基体5
の内面に、ヒートシール可能なプラスチックで形成され
た内面材層6が形成されたものであり、基体5は、それ
自体公知の任意の容器形成素材、例えば樹脂、金属、
紙、ガラス、セラミック或いはそれらの積層体から形成
されていることができる。
【0017】またヒートシール可能なプラスチックの代
表的なものとしては、例えば低−中−高密度ポリエチレ
ン、アイソタクテイックポリプロピレン、プロピレン−
エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン系不飽和カルボン酸乃至その無水物でグラフト変
性されたオレフィン樹脂等のオレフィン系樹脂;比較的
低融点乃至低軟化点のポリアミド乃至コポリアミド樹
脂;比較的低融点乃至低軟化点のポリエステル乃至コポ
リエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂などがあるが、
内面材層6としては、特に凝集力の小さい樹脂であっ
て、基体5との界面に易剥離性界面を形成するものが使
用される。このような樹脂としては、例えば主たるヒー
トシール性樹脂に、反復単位を異にする他のヒートシー
ル性樹脂やその他の樹脂乃至ゴムをブレンドした樹脂組
成物が使用される。その一例として、ヒートシール用の
オレフィン樹脂に対して、エチレン−プロピレンゴム
(EPR)、エチレン−プロピレン−非共役ジエンゴム
(EPDM)、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、ポ
リブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブ
タジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム等の合成ゴム
や、該オレフィン樹脂とは種類の異なるオレフィン樹脂
を配合したものを挙げることができる。これらの合成ゴ
ム或いは異質のオレフィン樹脂は、ベースとなるオレフ
ィン樹脂100重量部当たり、3乃至30重量部、特に
5乃至20重量部の量で配合するのがよい。特に好まし
いものは、後述する蓋2の内面がポリプロピレン系樹脂
から成る場合にはポリプロピレン系樹脂を主体とし、少
量のポリエチレン系樹脂を含む樹脂組成物を用いるのが
よく、一方、蓋2の内面がポリエチレン系樹脂から成る
場合にはポリエチレン系樹脂を主体とし、少量のポリプ
ロピレン系樹脂を含む樹脂組成物を用いるのがよい。加
熱殺菌に耐え且つ易剥離性を示すものとして特に好適な
ものは、ポリプロピレン100重量部当たり5乃至20
重量部のポリエチレンを含有する樹脂組成物である。
【0018】かかる内面材層6の厚みは、通常、5乃至
100μm 、特に10乃至70μmとするのがよい。
【0019】勿論、容器本体2は、上記のヒートシール
性樹脂単独から形成されていてもよいし、他の樹脂との
積層体から形成されていてもよく、アルミ、鋼、ブリキ
等の金属箔を中間層として含む積層体から形成されてい
てもよい。
【0020】本発明において、好適な容器本体2として
は、基体5がガスバリヤー性樹脂を含む多層構造から成
るものを挙げることができる。例えば容器壁構造の一例
を示す図4において、基体5として、内面材層6側に設
けられたガスバリヤー層30と外表面層31とから成る
積層体を用いる。
【0021】上記の外表面層31は、耐湿性を有する熱
可塑性樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィンや、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト等の熱可塑性ポリエステルなどから構成される。また
中間に位置するガスバリヤー層30は、ガスバリヤー性
熱可塑性樹脂、例えばエチレン−ビニルアルコール共重
合体、塩化ビニリデン樹脂、ハイニトリル樹脂、ナイロ
ン樹脂等から構成される。また、外表面層31とガスバ
リヤー層30とは、両者に接着性を示す樹脂、例えば酸
変性オレフィン系樹脂、コポリエステル系接着樹脂、エ
ポキシ変性熱可塑性接着樹脂等から成る接着剤層を介し
て接合されていてもよい。
【0022】上述した樹脂多層構造の容器本体1は、一
例として、多層のプラスチックのフィルム乃至シート
を、例えば真空成形、圧空成形、プレス成形、プラグア
シスト成形、張出し成形等の手段で成形することにより
形成される。この場合、フランジ1の厚みと、周状側壁
部20及び底部21の厚みとは同一であってもよいし、
また周状側壁部20が軸方向に延伸されて薄肉化されて
いてもよい。
【0023】また本発明においては、容器本体となる積
層体をカップ状乃至トレイ状に成形するに先立って或い
は成形後に、ヒートシール用フランジ部12よりも内側
となる位置(即ち周状側壁部10)及びフランジ部12
よりも外側となる位置(スカート部13)において、内
面材層6にそれぞれリング状の弱化部20、21が形成
される。かかる弱化部20、21の形成は、例えばレー
ザビームの走査照射やカッター等を用いてスコアを形成
し、内面材層6を局部的に可及的に薄肉とすることによ
って容易に行うことができる。またサンドブラスト加工
によって、内面材層6を薄肉とすることによって形成す
ることもできる。特にスコアにより弱化部20、21を
形成する場合には、例えば図6に示す様に、小間隔(通
常5mm以下)でスコアリング50を二重に設けること
により弱化部20、21を形成することもできる。この
場合には、開封にあたっての弱化部21からの剥離乃至
破断の開始及び内面材層6の弱化部20での破断を確実
に行うことができる。
【0024】(可撓性ヒートシール蓋)本発明で用いる
可撓性ヒートシール蓋2は、少なくとも内面が、容器本
体1の内面材層6との間にタイトシール可能なヒートシ
ール性樹脂で形成されている限り、それ自体公知の任意
の形成素材、例えば樹脂、金属、紙、ガラス、セラミッ
ク或いはこれらの積層体から成り、勿論、上記のヒート
シール性樹脂単独のものから形成されていてもよい。
【0025】蓋2の内面材として使用されるヒートシー
ル性樹脂は、凝集力の大きいヒートシール性樹脂から成
るものであり、且つ容器本体1の内面材層6との間にタ
イトシールを形成して強固に、例えば2.3kg/15mm 巾以
上の剥離乃至破壊強度で接着し、強固に保持されるもの
である。
【0026】このようなヒートシール性樹脂としては、
容器本体1の内面材層6に使用されているヒートシール
性樹脂と主たる反復単位を共通にするものがよい。特に
好適なヒートシール性樹脂は、アイソタクティックポリ
プロピレン、結晶性のプロピレン−エチレンランダム共
重合体、結晶性のプロピレン−エチレンブロック共重合
体のようなポリプロピレン系樹脂や、低密度、中密度或
いは高密度ポリエチレンや線状低密度ポリエチレンの如
きオレフィン樹脂であり、耐熱性が要求される場合に
は、特にポリプロピレン系樹脂が使用される。
【0027】本発明において、上述したヒートシール性
樹脂により内面が形成されている可撓性ヒートシール蓋
2は、勿論、このヒートシール性樹脂のみで構成されて
いてもよいが、一般的には、アルミ箔、スズ箔、鋼箔、
ブリキ箔等の金属箔;エチレン−ビニルアルコール共重
合体、塩化ビニリデン樹脂、ナイロン樹脂等の高酸素バ
リヤー性樹脂フィルム;二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム、ポリカー
ボネートフィルム等の熱可塑性樹脂フィルム;各種の
紙;或いはこれらのラミネート等の酸素バリヤー性を有
するもの等からなる基体の内面に、ヒートシール性樹脂
層が形成された積層構造を有しているものが好適であ
る。この場合、ヒートシール性樹脂層の厚みは、通常、
5乃至100μm 、特に20乃至60μm の範囲とする
のがよい。また蓋2の外側となる面には、必要により接
着剤層を介して外面保護樹脂被覆層を設けることもでき
る。
【0028】(容器の製造)本発明のピーラブルシール
容器は、前述した構造の容器本体1と蓋2とを使用し、
両者を重ね合わせ、シール面がほぼフラットなシールヘ
ッドを用いてフランジ1の上面でヒートシールを行うこ
とによって製造される。
【0029】上記ヒートシールは、少なくとも蓋2の内
面のヒートシール樹脂が溶融し、フランジ部12の内面
材層6との間で確実なヒートシールが行われるような条
件で行われ、一般に蓋2の内面のヒートシール樹脂の融
点乃至軟化点よりも20℃高く温度から120℃高い温
度までの範囲で行うのがよい。融点乃至軟化点とは、融
点が明瞭な場合には、一義的に融点を意味し、融点が明
瞭でない場合には軟化点を意味する。ヒートシール圧力
は、内面材層6との間で確実なヒートシールが行われる
ものであれば特に制限がないが、一般にシールヘッドの
押圧力が50乃至250kg程度のものである。またヒ
ートシール時間は、0.3乃至2秒程度が適当である。
【0030】本発明のピーラブル容器は、内容物をレト
ルト殺菌乃至ボイル殺菌し、或いは熱間充填により滅菌
する食品類保存用として特に有用であり、密封信頼性が
高く、しかも易開封性を有している。
【0031】
【実施例】
(実施例1) 容器本体の作成:下記層構成の5層共押出シートを作成
した。 シートの層構成;全体厚み800μm 内面材層(厚み350μm ):低密度ポリエチレン10
重量%とホモのポリプロピレン90重量%とから成る樹
脂(MI=0.5g/10min ,密度=0.90g/cm3 ) 接着剤層(厚み20μm ):酸変性ポリプロピレン 中間層(厚み60μm ):エチレン−ビニルアルコール
共重合体 接着剤層(厚み20μm ):上記接着剤層に同じ 最外面層(厚み350μm ):上記内面材層に同じ この5層共押出シートの内面材層の所定位置にレーザを
走査照射し、周状側壁部となる部分及びスカート部とな
る部分にリング状のスコアを形成した。次いで、この積
層体を真空成形し、このフランジ内の一辺が83mm、フ
ランジ幅が3mm、高さが25mmの正方形状の容器本体を
作成した。(周状側壁部のスコアは、フランジ部の内周
縁から2mm離れた位置に形成し、且つスカート部のス
コアは、フランジ部の外周縁から2mm離れた位置に形
成した。)
【0032】蓋材の作成:基体フィルム上に、ヒートシ
ール樹脂層が内面となる様にラミネートして下記層構成
の複合フィルムを作成した。 複合フィルム構成(全体厚み92μm ) 基体(厚み42μm ):12μm のポリエチレンテレフ
タレート層/15μm のエチレン−ビニルアルコール共
重合体層/15μm のナイロン層から成る3層構成の二
軸延伸フィルム ヒートシール樹脂層(厚み50μm ):ホモポリプロピ
レン この複合フィルムを蓋状に打ち抜いて蓋材を作成した。
【0033】容器の製造:容器本体に蓋材を載せ、フラ
ットなシールヘッドを用いてフランジ部でヒートシール
を行った。ヒートシール条件は、以下の通りである。 温度:190℃ 圧力:150kg/カップ 時間:13秒
【0034】実験:上記で製造された容器について、外
側から内側に向けての開封強度Fo と、内側から外側に
向けての開封強度Fp をプッシュスケールにて測定し
た。その結果は、以下の通りであった。 Fo =1.5kg/15mm 巾, Fp =3.0kg/15mm 巾
【0035】(実施例2)各スコアを2mm間隔の二重ス
コアリングとした以外は、実施例1と同様にして容器を
製造し、同様の実験を行った。その結果は以下の通りで
あった。 Fo =1.5kg/15mm 巾, Fp =3.0kg/15mm 巾
【0036】(比較例1)スカート部にスコアを設けな
かった以外は、実施例1と同様にして容器を製造し、同
様の実験を行った。その結果は以下の通りであった。 Fo =3.1kg/15mm 巾, Fp =3.0kg/15mm 巾
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、容器本体のヒートシー
ル用のフランジ部にスコア等の弱化部を設けることな
く、容器の中心側からの剥離あるいは破壊強度を2.3kg
/15mm 以上の高強度とし、且つ開封開始に際しては確実
且つ安定に剥離開始を行うことが可能となった。
【0038】本発明においては、ヒートシール用のフラ
ンジ部にスコアを設ける必要がないので、ヒートシール
条件に制限を受けることがなく、生産効率が著しく向上
するという利点がある。またフランジ部を必要以上に大
きくする必要もなく、例えばフランジ部幅を0.5乃至4
mm程度の大きさとすることもでき、容器素材使用量、容
器の嵩の大きさ、外観特性等の点で極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピーラブルシール容器の一例を示す
図。
【図2】図1の容器の蓋を開封している状態におけるフ
ランジ部を概略構造を示す図。
【図3】図1の容器に内圧が発生した状態における容器
のフランジ部を概略構造を示す図。
【図4】本発明の容器における容器本体の器壁構造の好
適例を示す断面図。
【図5】本発明の容器における容器本体のフランジ部近
辺の好適例を示す図。
【符号の説明】
1:容器本体 2:蓋 5:基体 6:内面材層 10:周状側壁部 11:底部 12:ヒートシール用フランジ部 13:スカート部 20:第1のリング状弱化部 21:第2のリング
状弱化部 30:ガスバリヤー層 31:外表面層 50:スコアリング

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒートシール性樹脂内面材層を備えたフ
    ランジ付容器本体と、可撓性ヒートシール蓋とをフラン
    ジ部でヒートシールして成る容器において、 前記容器本体は、フランジ部外周縁に連なって下方に延
    びているスカート部を有しており、 フランジ部の内縁よりも内側の内面材層に第1のリング
    状の弱化部が形成されており、 前記スカート部の内面材層には、フランジ部の外周縁近
    傍位置に第2のリング状の弱化部が形成されており、且
    つ、 内面材層と容器本体基体との接着強度を内面材層とヒー
    トシール蓋との接着強度よりも小さくしたことを特徴と
    するピーラブルシール容器。
  2. 【請求項2】 第1及び第2のリング状弱化部がスコア
    であり、内面材層のスコアをレーザビームの走査照射で
    形成して成ることを特徴とする請求項1記載のピーラブ
    ルシール容器。
  3. 【請求項3】 第1及び第2のリング状弱化部が小間隔
    で設けられた二重スコアリングから成る請求項1記載の
    ピーラブルシール容器。
  4. 【請求項4】 第1及び第2のリング状弱化部がサンド
    ブラストにより薄肉化された内面材層から成る請求項1
    記載のピーラブルシール容器。
  5. 【請求項5】 フランジ部の幅が0.15乃至4mmの範
    囲にある請求項1記載のピーラブルシール容器。
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