JPH08285Y2 - ヒートシール容器 - Google Patents

ヒートシール容器

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JPH08285Y2
JPH08285Y2 JP1990002705U JP270590U JPH08285Y2 JP H08285 Y2 JPH08285 Y2 JP H08285Y2 JP 1990002705 U JP1990002705 U JP 1990002705U JP 270590 U JP270590 U JP 270590U JP H08285 Y2 JPH08285 Y2 JP H08285Y2
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sealing
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宏 熊谷
宗機 山田
荘司 伊藤
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Toyo Seikan Group Holdings Ltd
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Toyo Seikan Kaisha Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、高められたヒートシール強度を有し、レト
ルト殺菌にも耐え得るヒートシール構造を備えたレトル
ト殺菌用易開封性ヒートシール容器に関する。本考案は
特に、ヒートシール界面で引き剥がしによる開封が容易
に行われると共に、ヒートシール界面における初期開封
力が高められ、その結果としてヒートシール部がレトル
ト殺菌時に生ずる圧力差に耐え得ると共に、偶発的な剥
離傾向からも防止されたレトルト殺菌用易開封性ヒート
シール容器に関する。
(従来の技術) 従来、単層或いは複層(積層)のプラスチックフィル
ム乃至はシートを、真空成形、圧空成形、プラグアシス
ト成形、プレス成形、張出し成形等の手段でフランジを
備えたカップの形に絞り成形し、この容器本体のフラン
ジと蓋体との間にヒートシールによる密封部を形成させ
た容器は、種々の食品類等を保存するための容器として
広く使用されるに至っている。このフランジと蓋体との
ヒートシール形式にも種々のものがあり、例えばオレフ
ィン樹脂等のヒートシール性樹脂をフランジ外面及び蓋
体内面の構成材とし、両者のヒートシール強度を1〜4k
g/1.5cmの範囲にしたものや、蓋体内面材として、オレ
フィン樹脂、ワックス類及び粘着付与剤の組成物を用い
て両者のヒートシール強度を易開封性(ピーラブル)と
呼ばれる500g/1.5cm乃至1.5kg/1.5cmの範囲に調節した
もの等が知られている。
然しながら、内容物をレトルト殺菌した容器の場合に
は、殺菌後のT−ピール強度が2.3kg/1.5cm巾以上の範
囲にあることが義務づけられており、前述した易開封接
着と呼ばれるヒートシール構造では、この要求を満足さ
せることは到底困難である。
(考案が解決しようとする課題) ところで、特開昭57-114462号公報には、容器本体の
フランジ外面と蓋体内面との両方に同系統のヒートシー
ル樹脂層を設け、ヒートシールを行ってこれら同系統の
ヒートシール樹脂同士をその界面で熱融着させたヒート
シール容器が開示されている。この容器では、十分なシ
ール面積を確保できることも相俟って、接着強度が高
く、レトルト殺菌用として適用される。しかし、このよ
うなヒートシール構造では、当然接着界面での剥離は困
難であり、易開封性の点で満足し得るものではない。従
って、この先行技術の容器では、蓋体にスコアで区画さ
れた開口形成部を設け、このスコアを引き裂くことによ
って開口を形成して容器の開封を行う様な構造となって
いる。
一方、実開昭59-35376号公報には、容器本体のフラン
ジ部上面の全周にわたって上方突起(湾曲シール面)を
形成し、フランジ部に形成されているこの突起と蓋体内
面との間でヒートシールが行われるヒートシール容器が
開示されている。この容器では、シール面がフランジ内
の突起部に限定されているため、シール面積が小さく、
従って易開封性の点で極めて優れている。然しながら、
接着界面での剥離が容易に進行することから、容器内部
と外部とで著しい圧力差が発生する工程での密封信頼性
は損なわれてしまうため、この容器はレトルト殺菌用と
しての適用性を欠いている。
従って本考案の目的は、レトルト殺菌にも耐え且つ接
着界面での引き剥がしによる開封も容易に行い得るヒー
トシール構造を有するレトルト殺菌用ヒートシール容器
を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本考案によれば、開口外周にフランジ部を備え且つ少
なくともフランジ部表面がヒートシール性オレフィン系
樹脂から形成されている容器本体と、少なくとも内表面
がヒートシール性オレフィン系樹脂から形成されている
蓋材とを、該フランジ部でヒートシールして成り、前記
フランジ部は垂直断面で見て上向きに凸の湾曲シール面
を有しているレトルト殺菌用容器において、 フランジ部表面の樹脂が溶融する温度及びフランジ部
表面樹脂が前記湾曲シール面から溶融流出するに十分な
圧力と時間下にヒートシールすることにより、湾曲シー
ル面の内周部にシールの中心に向って厚みが次第に小さ
くなる断面が液滴状のフランジ部表面樹脂のはみ出し部
が形成され、且つフランジ部表面樹脂のはみ出しに伴っ
て、該はみ出し部を取り囲む様にして蓋材内表面樹脂が
流出し、該はみ出し部が蓋体と一体に形成されているこ
とを特徴とするレトルト殺菌用易開封性ヒートシール容
器が提供される。
(作用) 本考案のヒートシール容器においては、少なくとも上
面がヒートシール樹脂から成るフランジ部に上向きの凸
の湾曲シール面が形成されており、この湾曲シール面の
上面と蓋材内面のヒートシール樹脂との間でヒートシー
ルが行われる。従って、フランジ部全面がヒートシール
される容器に比してヒートシール面積が小さく、該シー
ル面での引き剥がしによる開封を容易に行うことができ
る。
しかして凸の湾曲シール面を形成しただけでは、易開
封性のみが良好であるに過ぎず、前述した実開昭59-353
76号公報の容器と同様、容器内部と外部とで圧力差が発
生するような処理が行われた場合の密封信頼性が不十分
となり、レトルト殺菌用としての適用性を満足すること
ができない。本考案によれば、上記の凸状湾曲シール面
の少なくとも内周部に液滴状のはみ出し部を形成するこ
とによって、易開封性を損なわずに密封信頼性を向上さ
せることが可能となった。
即ち、フランジ部表面(湾曲シール面)の樹脂が溶融
し且つ流出するに十分な温度、圧力、時間下にヒートシ
ールを行うと、湾曲シール面上部の樹脂が蓋材からの圧
力によって水平方向に押し出されてはみ出し部が形成さ
れる。ところで、このようなはみ出し部の形成に際し
て、フランジ部表面樹脂の加熱は、蓋材の上側からのヒ
ートシールバーの伝熱によって行われるため、蓋材内面
のヒートシール樹脂も溶融し且つ流出し得る状態にあ
る。従って、上記はみ出し部は、フランジ部表面樹脂が
蓋材内面樹脂によって取り囲まれ、またはみ出し部内部
では、これらの樹脂同士が溶融一体化し、かくして該は
み出し部は蓋体と一体に形成されることになる。また、
このはみ出し部の形成に際しては、湾曲シール面の傾斜
部は、蓋材内面と離れているため、ほとんど樹脂の溶融
は生じていない。従って、上記はみ出し部と湾曲シール
面の傾斜部とは溶融一体化せず、該はみ出し部は、シー
ルの中心に向かって厚みが次第に小さくなっており、そ
の断面形状は液滴状となっている。
このような液滴状のはみ出し部が湾曲シール面の内周
部に形成されている本考案の容器においては、容器内圧
が増大した場合、はみ出し部の付け根部分に応力が集中
する。このため、シール面での剥離は、該はみ出し部の
付け根部分が破断された後に生じる。従って、本考案の
容器においては、初期開封力がはみ出し部の破壊強度に
まで高められており、レトルト殺菌に対しても十分な密
封信頼性を有しているのである。
(考案の好適実施態様) 本考案を添付図面に示す具体例に基づき、以下に詳細
に説明する。
容器の構成 本考案のカップ状乃至トレイ状容器本体を示す第1図
及び第2図、並びにフランジ部を拡大して示す第3図に
おいて、この容器本体1は、熱可塑性樹脂から成る無継
目の一体構造のものとして形成されており、周状側壁部
2、この周状側壁部の下端に連なる底部3及び側壁部の
上端に連なるヒートシール用フランジ4から成ってい
る。
このカップ状乃至トレイ状容器本体1は、プラスチッ
クのフィルム乃至シートを、例えば真空成形、圧空成
形、プレス成形、プラグアシスト成形、張出し成形等の
手段で絞り成形することにより形成される。この場合、
フランジ4の厚みと、底部3及び側壁部2の厚みとは同
一であってもよいし、また周状側壁部2が軸方向に延伸
されて薄肉化されていてもよい。少なくともフランジ4
の上面側は、ヒートシール性オレフィン系樹脂で形成さ
れていなければならないという条件下において、この容
器は、単層の樹脂或いは複数層の樹脂から形成されてい
てよい。
最も好適には、容器本体1は、ヒートシール性オレフ
ィン系樹脂とガスバリヤー性樹脂とを含む多層構造から
成っている。この具体例においては、第4図の断面図に
示す通り、容器壁は、ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン−プロピレン共重合体、或いはこれらのブレン
ド物等のヒートシール性オレフィン系樹脂から成る内表
面層5及び外表面層6と、エチレン−ビニルアルコール
共重合体、塩化ビニリデン系樹脂、ハイニトリル樹脂、
ナイロン系樹脂等のガスバリヤー性熱可塑性樹脂から成
る中間層7とを備えており、これら内外表面層5,6と中
間層7とは、これら両者に熱接着性を示す樹脂、例えば
酸変性オレフィン系樹脂、コポリエステル系接着剤樹
脂、エポキシ変性熱可塑性接着剤樹脂等から成る接着剤
層8及び9を介して接合されていてもよい。
本考案における容器本体1は、第3図の拡大断面図及
び第1図の平面図に最もよく示されている様に、フラン
ジ部4に上向きに凸の突条10を備えており、その上面が
垂直断面でみて上向きに凸の湾曲シール面11となってい
る。さらに説明すると、突条10はフランジ部4の全周に
わたって設けられ、かくしてヒートシールすべきフラン
ジ部4の全周にわたって、上向きに凸の湾曲シール面11
が形成されることになる。このような湾曲シール面11の
形成により、シール面積が限定され、良好な易開封性が
確保されるのである。
突条10のフランジ部4平面部からの突出寸法は、容器
寸法等に応じて任意に変更し得るが、一般的に言って、
0.5乃至5mm、特に0.7乃至3mmの範囲の高さにあることが
望ましい。この高さが上記範囲よりも小さい場合には、
後に後述するはみ出し部を明確に形成させることが困難
となり、一方、上記範囲よりも大きい場合には、容器の
強度、外観特性及び経済性の全ての点で不利となる傾向
がある。また、突条10の面方向の巾も、容器の寸法や用
途等によっても相違するが、一般的に言って、0.2乃至5
mm、特に0.5乃至3mmの範囲にあるのが望ましい。即ち、
この巾が上記範囲よりも狭いときには、十分なヒートシ
ール強度とヒートシールの確実さとを保証することが困
難となる傾向がある。一方、上記範囲よりも広いときに
は、ヒートシール巾が広くなり、シール面積が大きくな
るため、易開封性が不満足なものとなって手による開封
が困難となる傾向がある。また、突条10の湾曲シール面
11も任意の形状であってよく、例えば半円、半楕円、放
物線、双曲線等の任意の曲線であってよい。
本考案に用いる蓋材12は、第3図に示す通り、可撓性
を有する積層材から形成されており、容器本体1の開口
部及びフランジ部4をほぼ完全に覆う寸法を有してい
る。この蓋材12の断面構造を示す第5図において、この
蓋材12は、ガスバリヤー性を付与するための金属箔基質
13、該基質の外側となる面に接着剤層14を介して設けら
れた外面保護樹脂被覆層15、及び金属箔基質の内側とな
る面に接着剤層16を介して設けられたヒートシール性内
面材層17から成っている。
金属箔基質としては、アルミ箔、鋼箔、鉄箔、ブリキ
箔等が使用され、これらの金属箔は、メッキ処理、化成
処理、化学処理等のそれ自体公知の表面処理が行われて
いてもよい。ヒートシール性内面材層17は、容器本体に
ついて述べたのと同様、ヒートシール性オレフィン系樹
脂から構成される。また接着剤層14,16としては、ウレ
タン系接着剤、エポキシ系接着剤、酸変性オレフィン系
樹脂接着剤、コポリエステル系接着剤等が使用される。
外面保護樹脂被覆層15としては、二軸延伸ポリエステル
(例えばポリエチレンテレフタレート)フィルム、二軸
延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィル
ム等のそれ自体公知の機械的特性や耐熱性に優れた樹脂
フィルムが使用される。
本考案において、特に蓋材及び容器本体に用いられて
いるヒートシール性オレフィン系樹脂が共にポリプロピ
レンである場合には、ヒートシール面の剥離強度がポリ
プロピレンの凝集破壊強度にまで高められている結果と
して、手による界面剥離が一般に困難となり、強いて剥
離を行うと、容器本体や蓋材の破壊を生じることがあ
る。このような見地からは、容器本体1のヒートシール
面となる内表面層5と蓋材12の内面材層17との間に、界
面剥離型乃至蓋内面材破壊型のヒートシール構造を形成
させるための素材は、当業者間に既に知られており、ヒ
ートシール用オレフィン系樹脂に対して、例えばエチレ
ン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−
非共役ジエンゴム(EPDM)、ポリイソブチレン、ブチル
ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム等の
合成ゴムや、該オレフィン樹脂とは異なる種類のオレフ
ィン樹脂を配合することにより上記目的を達成できる。
これら合成ゴム或いは異質のオレフィン樹脂は、ベース
となるオレフィン樹脂100重量部当り3乃至30重量部、
特に5乃至20重量部の量で配合するのがよい。加熱殺菌
に耐え且つ易剥離性を有するヒートシール材は、プロピ
レン100重量部当り5乃至20重量部のポリエチレンを含
有する樹脂組成物である。
本考案のヒートシール容器の要部を、ヒートシール前
後の状態で拡大して示す第6−A及び6−B図におい
て、フランジ部4の湾曲シール面11と蓋材12のヒートシ
ール性内面材層17との間には界面剥離型ヒートシール面
18が形成されるが、このヒートシール面18の少なくとも
内周部、好適には内外周の両方に、蓋体12及びフランジ
部4と一体にはみ出し部19が形成されていることが本考
案の重要な特徴である。即ち、この具体例においては、
はみ出し部19は垂直断面で見て、液滴(テイアドロッ
プ)または耳の形をしており、シール面の中心に向けて
厚みが次第に小さくなる形状を有している。実際に、こ
のはみ出し部19とフランジ湾曲面11との間には、間隔が
シール面18の中心に向けて小さくなる溝20が形成されて
いることがわかる。また、はみ出し部19は付け根21の部
分で厚みが最も小さくなっていることも了解されよう。
このようなヒートシール構造の容器において、蓋材12
の一端部を把持して蓋材12の容器本体1からの剥離を行
う場合には、はみ出し部19と蓋材12とが一体化されてい
るため、はみ出し部19の付け根21に応力が集中し、はみ
出し部19と蓋材12との間では直ちに剥離が行われず、は
み出し部19の付け根21の部分が破断されてからヒートシ
ール面における界面剥離等が進行する。このため、本考
案の容器においては、初期開封力がはみ出し部19の破壊
強度まで高められており、レトルト殺菌後のT−ピール
強度(第7図)を2.3kg/1.5cm巾以上に高めることが可
能となるのである。
これは、内容物を充填したヒートシール容器をレトル
ト殺菌に付する場合或いはこれを冷却処理する際に、容
器内外に圧力差を発生し、この圧力差によってヒートシ
ール部内周部に剥離力が作用する場合においても全く同
様であり、ヒートシール部の圧力差に基づく初期開封力
が著しく向上している。
本考案において、はみ出し部19の形状は、上に示した
形状、即ち液滴形状を有することが重要であり、はみ出
し部19が容器本体1のシール用フランジ4と一体化して
いる場合には(溝20が形成されず、この部分でははみ出
し部19が直接突条10の傾斜面に一体化している場合)、
殺菌後の初期開封力は液滴形はみ出し部が形成されてい
る場合に比してむしろ低下し、2.3kg/1.5cm巾以上のT
−ピール強度を得ることは到底困難となる。これは、は
み出し部19がフランジ4と一体化している場合には、容
器内圧上昇等を生じた場合の応力が、はみ出し部19と蓋
材12との接合部分に集中し、この結果、はみ出し部19の
付け根21の破断を生じることなく、蓋材12との接着界面
での剥離が開始するからと考えられる。
以上説明した通り、本考案によれば、開封部に界面剥
離型ヒートシール構造と、その前後にはみ出し部(液
滴)破断型開始構造とを形成することにより、初期開封
力を規制された2.3kg/1.5cm巾以上の値に維持しなが
ら、しかも手による蓋材の開封が可能な易開封構造とす
ることが可能であり、しかも内容物を充填、密封した後
の包装体をレトルト殺菌に付与することができるのであ
る。
ヒートシール容器の製法 本考案によるヒートシール容器は、前述した構造の容
器本体と蓋材とを使用することにより製造されるが、こ
の際注意すべきことは、湾曲シール面の少なくとも内周
側、好適には内外周の両方に、前述した液滴型のはみ出
し部が形成されるようにすることである。ヒートシール
に際しては、はみ出しの程度が小さい場合には初期開封
力の増大は行われず、またはみ出し部の程度が大きすぎ
ると、やはりはみ出し部が容器本体側と一体化して初期
開封力は本考案の場合よりも低下するようになる。
ヒートシール部からの樹脂のはみ出しの程度は、ヒー
トシール温度、ヒートシール時間及びヒートシール時の
圧力に依存する。即ち、温度が高く、時間が長く或いは
圧力が大きくなれば、形成されるはみ出し部は大きくな
り易い。またヒートシール温度が高くとも、圧力或いは
時間が十分でなければ、液滴形状のはみ出し部は形成さ
れない。このように、温度、圧力及び時間の全てを総合
的に配慮して適当な液滴状のはみ出し部が形成されるよ
うに設定することが必要である。具体的なヒートシール
の条件は、ヒートシール性樹脂の種類や物性によっても
著しく変化するが、具体的な樹脂の種類によって、本考
案で規定した液滴型のはみ出し部が形成されるヒートシ
ール時の温度、時間及び圧力は実験により容易に求める
ことができる。
用途 本考案によるヒートシール容器は、食品類等を充填、
密封し、次いでこれを加熱殺菌するレトルト殺菌用容器
として有用であり、密封信頼性が高く、しかも易開封性
を有する容器である。
(実施例) 本考案を次の例で説明する。
実施例1 低密度ポリエチレンを13重量%含有する低密度ポリエ
チレン−ポリプロピレン混合物(メルトインデックス:
0.6g/10min)を、直径が65mm、有効長さが1430mmのフル
フライト型スクリューを内蔵する押出機、Tダイ及び垂
直3本式冷却ロールからなるシート成形装置を使用し
て、0.6mm厚みのシートを成形した。
このシートを190℃に加熱し、プラグアシスト真空圧
空成形法にて第1図の平面図及び第2図の縦断面図に示
す外径(角型容器の対辺の最大間隔)107mm、高さ17mm
の容器を成形した。尚、凸状シール部の高さ(H)及び
巾(W)はそれぞれH=0.6mm、W=1.5mmとした。
また、ドライラミネーション及び押出コーティング法
により、12μm二軸延伸ポリエチレンテレフタレート/1
5μm二軸延伸ナイロン6/20μmアルミ箔/40μmポリプ
ピレン−ポリエチレンブレンド物の層構成を有するラミ
ネートフィルムを成形し、このフィルムを用いてシール
用蓋を作成した。
先の容器に水をほぼ一杯に充填し、前記蓋を、ポリプ
ロピレン−ポリエチレンブレンド物層がシール面となる
ようにして、220℃に設定した熱盤シーラーで3kg/cm
2(80mmφシリンダー径を有するエアーシリンダーの圧
縮エアー圧)の圧力で1.8秒間、熱盤ヒートシールを行
った。
得られた水充填ヒートシール容器50個を120℃で30分
間、定差圧レトルト殺菌を行った。レトルト殺菌した容
器50個は、全てレトルト時にシール部の剥離は見られ
ず、レトルトにより密封性は失われなかった。
また、これらのレトルト容器50個からランダムに10個
選び、カラス口(第1図引照符号22)より蓋全体の剥離
を試みたところ、全て容易に剥離可能(ピーラブル)で
あった。
更に、これらレトルト殺菌した容器を3個ランダムサ
ンプリングで選び、シール部断面を実体顕微鏡で行った
ところ、その断面形状は第6−B図の通りであった。ま
たシールされた平均巾約1mm、はみ出し部の根元長さは
平均98μmであった。
次にレトルト殺菌した容器からランダムに10個選び、
容器の4辺に対し垂直に15mm巾切り取り、第7図に示す
90度剥離を300m/min剥離速度で行った。1個の容器に対
し4試料採取し(1辺より1試料採取)、合計40試料の
剥離強度は、平均2.8kg/1.5cm巾、最小値2.5kg/1.5cm
巾、最大値3.1kg/1.5cm巾であった。
比較例1 実施例1で使用した容器及び蓋材を使用し、実施例1
と同様に水をほぼ一杯に充填し、蓋材のポリプロピレン
−ポリエチレンブレンド物層がシール面となるようにし
て、220℃に設定した熱盤シーラーで0.8kg/cm2の圧力で
0.8秒間、熱盤ヒートシールを行った。
得られた水充填ヒートシール容器50個を、実施例1と
同様にして120℃で30分間、定差圧レトルロ殺菌を行っ
た。レトルト殺菌した容器50個の内40個は、レトルト時
にシール部から水の漏洩を生じた。
漏洩が発生しなかった容器10個から5個選び、シール
部断面を実施例1と同様に観察したところ、はみ出し部
はほとんど観察されなかった。
さらに残りの5個について、実施例1と同様に、容器
の各辺に対し垂直に15mm巾切り取り90度剥離テストを行
ったところ、剥離強度は、平均2.2kg/1.5cm巾、最小値
2.0kg/1.5cm巾、最大値2.3kg/1.5cm巾であった。
比較例2 実施例1で使用したシート使用し、このシートを190
℃に加熱してプラグアシスト真空圧空成形法にて第8図
及び第9図に示す容器を成形した。この容器は、凸の湾
曲シール面を有せず、シール面が平面状であることを除
けば実施例1で成形した容器と全く同一形状の容器であ
る。尚、平面状シール面の巾は6mmであった。
これらの容器50個に水をほぼ一杯に充填し、実施例1
で用いた蓋材のポリプロピレン−ポリエチレンブレンド
物層がシール面となるようにして、220℃に設定した熱
盤シーラーで3kg/cm2の圧力で1.8秒間、熱盤ヒートシー
ルを行った。
得られた水充填ヒートシール容器50個について、実施
例1と同様にして定差圧レトルト殺菌を行った。
レトルト殺菌した容器50個の内6個は、レトルト時に
シール面の剥離が局部滴に発生し、水の漏洩を生じた。
漏洩が発生しなかった容器から10個選び、そのシール
部断面を実施例1と同様に観察したところ、シール面両
端(容器の内側及び外側)に小さなはみ出し部(はみ出
し部根元長さ約30μm)が一部の容器で観察された。
また残りの容器から10個選び、実施例1と同様にして
カラス口から蓋全体の剥離を試みたが、容易に開封する
ことができなかった。
さらに残りの容器について、実施例1と同様に、容器
の各辺に対し垂直に15mm巾切り取り90度剥離テストを行
ったところ、剥離強度は、平均2.2kg/1.5cm巾、最小値
2.0kg/1.5cm巾、最大値2.6kg/1.5cm巾であった。
実施例2 3種の押出機と内外層用分岐チャンネル及び接着剤層
用分岐チャンネルを備えた3種5層ダイを使用し、次の
層構成の3種5層の積層シートを成形した。
内外層:実施例1と同じ定密度ポリエチレン−ポリプ
ロピレンブレンド物 接着剤層:グラフト率0.4重量%の無水マレイン酸グ
ラフトポリプロピレン 中間層(ガスバリヤー層):エチレン含有量70モル%
及びケン化度99%のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
化物 厚み比:外層/接着剤層/中間層/接着剤層/内層=
8/1/4/1/8 厚み:0.8mm 実施例1における容器形成用シート(低密度ポリエチ
レン−ポリプロピレンブレンド物シート)の代わりに、
上記の3種5層の積層シートを用いて実施例1と同様に
容器本体に成形し、且つ実施例1と同様にして蓋材のヒ
ートシールを行った。
このヒートシール容器でも、第6−B図に示す液滴形
状のはみ出し部の形成が認められ、初期開封力は約3kg/
1.5cm巾に向上していることが認められた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に用いる容器本体の上面図、 第2図は第1図の容器本体のII-II側断面図、 第3図は第1図の容器本体の要部を蓋材と共に示す拡大
断面図、 第4図は、容器の層構成の一例を示す拡大断面図、 第5図は蓋材の層構成の一例を示す拡大断面図、 第6−A図及び第6−B図はヒートシール前後の容器の
要部を示す拡大断面図、 第7図は実施例における剥離試験法の説明図、 第8図は比較例2で用いた容器本体の上面図、 第9図は第8図の容器本体IV-IV断面図である。 1は容器本体、4はフランジ部、5は内表面層、10は突
条、11は湾曲シール面、12は蓋材、17はヒートシール性
内面材層、19ははみ出し部、20は溝、21は付け根をそれ
ぞれ示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−34323(JP,A) 特開 昭55−55937(JP,A) 実開 昭61−180975(JP,U) 実開 昭59−35376(JP,U)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】開口外周にフランジ部を備え且つ少なくと
    もフランジ部表面がヒートシール性オレフィン系樹脂か
    ら形成されている容器本体と、少なくとも内表面がヒー
    トシール性オレフィン系樹脂から形成されている蓋材と
    を、該フランジ部でヒートシールして成り、前記フラン
    ジ部は垂直断面で見て上向きに凸の湾曲シール面を有し
    ているレトルト殺菌用容器において、 フランジ部表面の樹脂が溶融する温度及びフランジ部表
    面樹脂が前記湾曲シール面から溶融流出するに十分な圧
    力と時間下にヒートシールすることにより、湾曲シール
    面の内周部にシールの中心に向って厚みが次第に小さく
    なる断面が液滴状のフランジ部表面樹脂のはみ出し部が
    形成され、且つフランジ部表面樹脂のはみ出しに伴っ
    て、該はみ出し部を取り囲む様にして蓋材内表面樹脂が
    流出し、該はみ出し部が蓋体と一体に形成されているこ
    とを特徴とするレトルト殺菌用易開封性ヒートシール容
    器。
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