JP2698486B2 - 密閉容器 - Google Patents

密閉容器

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JP2698486B2
JP2698486B2 JP3148043A JP14804391A JP2698486B2 JP 2698486 B2 JP2698486 B2 JP 2698486B2 JP 3148043 A JP3148043 A JP 3148043A JP 14804391 A JP14804391 A JP 14804391A JP 2698486 B2 JP2698486 B2 JP 2698486B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、密封効果に優れ、かつ
幅広いシール条件下フランジ端部まで確実に密封シール
することができ、一般容器、プラスチック成形蓋、容器
本体の層間剥離を利用して開封を行う易開封性容器等と
して好適に用いられる密閉容器に関する。
【0002】
【従来の技術】容器を蓋材で密封するにあたり、従来の
熱シール法においては、通常、フラットな高温の金属板
で蓋材と容器フランジを押圧して密着させていた。しか
し、このような従来の熱シール法においては、容器フラ
ンジの偏肉、容器の抜きズレ、もしくは容器とシールバ
ケットのずれなどにより、熱シール時の圧力がフランジ
全周に均一に当たらなくなり、部分的なシール不良を起
こすことがしばしばあった。特に、層間剥離可能な多層
容器に蓋材を熱シールし、開封を強固に溶着したシール
部の剥離ではなく、シール部外端からの多層容器の層間
剥離を利用して行うシステムの密閉容器においては、こ
のようなシール不良がシール部外端に生じた場合には、
多層容器の層間剥離の開始を妨げ、開封困難となる原因
ともなっていた。
【0003】このようなシール不良を解決し、シール部
外端まで確実にシールを行うための手段として、シール
バーのシール面の外周から内周にかけて傾斜をつけるこ
とにより、端部に圧力を集中させようとするものがあ
る。また更に、蓋材とフランジとの間に挟雑物が入り込
んだ場合にも確実にシールを行うために、シールバーの
シール面にローレット加工を施し、表面に升目状に凹凸
をつけたものもある。しかし、これらも、フランジの偏
肉、シールバー温度のばらつき等の不確定因子による影
響で、シール不良を払拭するには至っていない。特に、
プラスチック落し蓋等のプラスチック成形蓋を用いて内
容物がフランジ上に溢れた場合などには、シール不良を
起こし易い技術であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決し、シール条件範囲が広く、プラスチック落し蓋
等のプラスチック成形蓋を用いた場合にもシール部端部
まで確実に密封シールすることが可能な密閉容器を提供
しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、少
なくとも表面層とそれに接する基材層とからなるフラン
ジ付開口部を有する多層の容器本体及び容器本体のフラ
ンジ上で容器本体の表面層と環状に熱溶着された蓋材か
らなる密封容器において、熱溶着部における蓋材と容器
本体の表面層との間の剥離強度が容器本体の表面層と基
材層との間の剥離強度より大きく、容器本体の表面層と
基材層との間の剥離強度が1.5kg/15mm幅(引
張速度300mm/分)以下であり、容器本体の表面層
には、フランジ上における環状の熱溶着部の内端部と容
器本体の開口部との間に環状の弱め線が設けられてお
り、蓋材は、熱溶着部上に位置する上部表面に、蓋材の
中心部を中心として略放射状の方向に延び、熱溶着部上
の全周に渡って略等間隔に並ぶ複数の凹部を有し、この
複数の凹部が容器本体と蓋材との熱溶着の際に熱圧成形
されたものであり、かつこの複数の凹部の少なくとも1
つが、密閉容器の開封を開始する部位の環状の熱溶着部
上に存在する密閉容器を提供するものである。
【0006】本発明はまた、少なくとも表面層とそれに
接する基材層とからなるフランジ付開口部を有する多層
の容器本体及び容器本体のフランジ上で容器本体の表面
層と環状に熱溶着された蓋材からなる密封容器におい
て、熱溶着部における蓋材と容器本体の表面層との間の
剥離強度が容器本体の表面層と基材層との間の剥離強度
より大きく、容器本体の表面層と基材層との間の剥離強
度が1.5kg/15mm幅(引張速度300mm/
分)以下であり、容器本体の表面層には、フランジ上に
おける環状の熱溶着部の内端部と容器本体の開口部との
間に環状の弱め線が設けられており、蓋材は、熱溶着部
上に位置する上部表面に、蓋材の中心部を中心として略
放射状の方向に延びる少なくとも1つの凹部を有し、こ
の複数の凹部が容器本体と蓋材との熱溶着の際に熱圧成
形されたものであり、かつこの凹部が密閉容器の開封を
開始する部位の環状の熱溶着部上のみに存在する密閉容
器を提供するものである。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】図1は本発明の密閉容器の製造に用いられ
るシールバー8の凸部17の形状を示す図であり、図1
に表されるように、凸部11の形状は、底面(シール面
9の平坦面10)より幅の狭い平坦な頂部を有する台形
とすることが好ましく、凸部11の頂部の幅aは、20
mm未満とすることが好ましい。頂部の幅が20mm以
上であると、蓋材表面に凹部を形成し強固な熱溶着を得
るに十分な圧力が得られなくなることがある。特に好ま
しくは、0〜3mmである。また、熱溶着時の蓋材の切
れ等を防止するために、頂部の端に丸みをつけることが
好ましい。丸みの半径は、0.1mm以上、特に0.3
mm以上とすることが好ましい。凸部11の高さhは蓋
材の厚みより低い限り特に限定されないが、通常、0.
1から1mmが好適な高さである。シール面の内縁から
外縁までの幅は特に限定されず、通常1〜10mmであ
る。容器本体のフランジ外端まで確実に熱溶着を行うた
めには、容器本体のフランジ外径より大きめの外径のシ
ール面を有するシールバーを用いることが好ましい。シ
ールバーの材質としては、アルミニウム、銅等、熱伝導
性に優れ、耐久性のある金属、及びその複合材料等が用
いられる。
【0013】熱溶着は、凸部を有するシールバーのみを
用いる1段方式でもよく、また初めに平坦なシール面を
有するシールバーで平坦な熱溶着を行い、次いで凸部を
有するシールバーを用いて熱溶着を行い凹部を形成する
2段方式で行ってもよい。
【0014】図2及び図3は本発明の密閉容器の一態様
を示す図であり、図2はその密閉容器の部分平面図であ
り、図3は図2の密閉容器を線IV−IVで切断した部
分断面図である。この密閉容器においては、容器本体2
として表面層14とそれに接する基材層15からなる多
層容器が用いられており、蓋材1が容器本体2のフラン
ジ3上で容器本体2の表面層14と環状に熱溶着されて
いる。容器本体2の表面層14には、フランジ3上の熱
溶着部5の内端と開口部4との間に、環状の弱め線16
が形成されている。この態様の密閉容器は、開封を熱溶
着部の蓋材1と容器本体2の表面層14との間の剥離で
はなく、容器本体2の表面層14と基材層15との間の
層間剥離によって行い、易開封性と、ボイル、レトルト
処理などにおける内圧にも耐えうる優れた密封性とを両
立させたものである。従って、開封を容易ならしめるた
めに、容器本体2の表面層14とそれに接する基材層1
5との間の剥離強度は、各層の材質の選定により1.5
kg/15mm幅(引張速度300mm/分)以下に調
整されている。一方、蓋材1と容器本体2の表面層14
との間の熱溶着部における剥離強度は容器本体2の表面
層14と基材層15との間の剥離強度より大きく、通常
2kg/15mm幅(引張速度200mm/分)以上と
することが好ましい。この熱溶着部の剥離強度を強くす
ることにより、ボイル、レトルト等による内圧にも耐え
る密閉容器を得ることができる。
【0015】7は開封の開始を容易にするための蓋材1
のタブであり、タブ7の基部17から密閉容器の開封が
開始される密閉容器の開封は、タブ7をつかんで引き上
げることによって行われ、開封を開始する部位17に位
置するフランジ外端からの表面層14と基材層15との
間の層間剥離によって開始する。容器本体のフランジの
偏肉やシールバーの温度のばらつきなどがあったとして
も、蓋材1の凸部6の下部では、蓋材1と容器本体2の
表面層14とが熱溶着部5の外端まで確実に熱溶着され
ているため、表面層14と基材層15との層間の剥離を
確実かつ容易に開始することができる。従ってこの態様
の密閉容器においては、蓋材が、開封を開始する部位上
に少なくとも1つ、好ましくは図2に示されるように3
以上の凹部を有することが望ましい。図4は、開封を開
始する部位のみに3つの凹部を形成するためのシールバ
ーの底面図である。
【0016】弱め線16は、開封時の表面層14の切断
を容易にするものであり、開封が進むにつれ、表面層1
4が蓋材1と共に容器本体2の外端から弱め線16まで
の間で基材層15から剥離し、開封が達成される。
【0017】弱め線は通常、図3に示されるような環状
の切込みとして設けられているが、その他蓋材を剥すと
きに容器本体の表面層を容易に切断できるものであれば
どのようなものでもよい。また、表面層のみならず、そ
れに接する基材層内まで達していてもよい。また、この
弱め線はフランジ全周にわたってつけてもよいし、一部
は弱め線をつけずに残しておいてもよい。蓋材の一部を
剥さずに容器本体についたまま残すような場合には、そ
この部分だけ弱め線をつけないようにする。弱め線の形
成は、切込み刃による押圧、切削刃による切削、加熱手
段又はこれらの組合せにより行うことができる。ここで
加熱手段としては、特に限定はされず、電気ヒーター加
熱、熱媒体加熱、インパルス加熱、高周波加熱、超音波
加熱などがあり、通常U型、V型の環状押圧体と組み合
わせて形成する。弱め線と熱溶着部内縁との間には、
0.5〜10mm程度の間隔が開けられていることが好
ましい。
【0018】図2及び図3に示される密閉容器において
は、熱溶着部上の蓋材表面に全周にわたって複数の凹部
が形成されているが、フラットなシール面を有するシー
ルバーを用いても多少のばらつきはあっても密封性を保
つには十分な熱溶着が得られるような場合には、開封を
開始する部位にのみ凹部を形成してもよい。開封を開始
する部位で蓋材と容器本体と熱溶着部端部が確実に熱溶
着されていれば、容器本体の表面層とそれに接する基材
層との間の層間剥離が確実に開始され、易開封性が損な
われることがないからである。
【0019】また、図2及び図3に示される密閉容器に
おいては、開封を開始する部位において、蓋材表面の凹
部の外端が熱溶着部の外端よりタブ側へはみ出してい
る。これは、容器本体のフランジ外径より大きい外径を
有するシールバーを用いて熱溶着を行い、フランジ端部
の熱溶着を確実に行い、容器本体の層間剥離がフランジ
外端から容易に開始するようにしたためである。従っ
て、容器本体の層間剥離をフランジ外端から行わない密
閉容器においては、フランジ外径より小さい外径を有す
るシールバーを用いてもよい。その場合には、容器本体
の表面層に、熱溶着部の外縁とフランジ外端との間に、
もう1本の環状の弱め線を形成することにより、その弱
め線の位置から表面層と基材層との間の層間剥離を容易
に開始させることができる。
【0020】本発明に用いられる蓋材は、単層フイルム
であっても多層フイルムであってもよく、特に制限はな
い。単層フイルムの場合には、容器本体の表面層と熱溶
着しやすい材質のフイルム、例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体等からなるプラスチックフイ
ルムであることが好ましい。特に、容器本体の表面層と
同一または同系統の材質からなることが好ましい。多層
フイルムを用いた場合について説明すると、プラスチッ
クの単層フイルム、多層フイルム、紙、アルミニウム箔
またはこれらの複合材料等からなる基材層と、上記の単
層フイルムの材質と同様の材質からなるシーラント層か
らなるものが好適に用いられる。
【0021】また、蓋材はフイルム状のままでもよい
が、成形蓋、例えば落し蓋の形状とすることもできる。
落し蓋のくぼみの形状は容器本体の開口部と嵌合して空
気を追い出すことができれば、特に限定されず、湾曲
状、低面が平面である形状等とすることができる。ま
た、成形蓋の形成方法としては、真空成形、圧空成形な
どの熱成形、プレス成形などが用いられる。
【0022】本発明において用いられる容器本体は、単
層容器であっても、少なくとも表面層とそれに接する基
材層とかなる多層容器であってもよく、特に制限はな
い。容器本体の材質としては、強度、耐熱性に優れた材
料を用いることが好ましく、例えば、ポリオレフィン系
樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、あるいはこれ
らの混合物、あるいはこれらに熱可塑性エラストマー、
各種の添加剤又は無機充填剤を5〜70重量%混合した
樹脂、金属箔などがある。
【0023】多層容器本体の表面層と基材層との層間剥
離を利用して開封を行う図3に示されるような密閉容器
においては、表面層と基材層との材質を両層の剥離強度
が1.5kg/15mm幅(引張速度300mm/分)
以下となるように選択する。好ましい表面層の材料
(a)及びそれに接する基材層(b)の組合せとして
は、例えば次のような組合せを挙げることができる。
(a)高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のポ
リエチレン樹脂と(b)ポリプロピレン樹脂及びポリエ
チレン樹脂の混合樹脂、(a)ポリプロピレン樹脂と
(b)ポリプロピレン樹脂及びポリエチレン樹脂の混合
樹脂、(a)低密度ポリエチレンと(b)高密度ポリエ
チレン樹脂、(a)エチレン−酢酸ビニル共重合体と
(b)ポリプロピレン樹脂及びポリエチレン樹脂の混合
樹脂、(a)エチレン−酢酸ビニル共重合体と(b)エ
チレン−プロピレンランダム共重合体樹脂、(a)ポリ
プロピレン樹脂、又はポリプロピレン樹脂及びポリエチ
レン樹脂の混合樹脂と(b)無機充填剤含有ポリプロピ
レン樹脂及びポリエチレン樹脂の混合樹脂、(a)ポリ
プロピレン樹脂及びポリエチレン樹脂の混合樹脂と
(b)無機充填剤含有高密度ポリエチレン樹脂、(a)
ホモ又はランダム重合ポリプロピレン樹脂と(b)無機
充填剤含有高密度ポリエチレン樹脂、及び、(a)不飽
和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂と(b)アルミニ
ウム。
【0024】上記の多層の容器本体は上記のような材料
からなる2層のものでもよいが、ガスバリヤー性の向上
や、容器とした場合の変形を少なくする目的で、さらに
他の材料からなる層を積層した3層以上のものを用いて
もよい。他の材料からなる層としては、例えばエチレン
−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ナ
イロン(ポリアミド)、ポリエチレンテレフタレートな
どの樹脂層や、アルミ蒸着層、アルミニウム、鉄類など
の金属層などのガスバリヤー性に優れたものが挙げられ
る。これら他の材料からなる層は、1層のみであっても
よいし、2層以上からなる多層体であってもよく、ま
た、無機充填剤10〜80重量%を含有する樹脂層であ
ってもよい。
【0025】容器本体の成形方法としては、特に制限は
なく、単層容器本体の場合は、樹脂材料の真空成形、圧
空成形、絞り成形、射出成形、射出ブロー成形、ブロー
成形などにより、又は金属のプレス成形等により製造す
ることができる。多層容器本体にあっては、前述した組
合せ等の樹脂材料を用いて共押し出しにより得られた共
押出シート、ラミネート加工により得られたラミネート
シートを真空成形、圧空成形、絞り成形することにより
得ることができる。また、上記樹脂材料の多層射出成
形、多層射出ブロー成形、多層ブロー成形などにより得
ることもできる。ラミネート加工としては、例えばエキ
ストルージョンラミネート、ドライラミネート、ホット
メルトラミネートなどの方法を用いることができる。接
着剤、粘着剤などを用いてラミネート加工を行うことに
より、適当な層間剥離性を有する多層材料を容易に得る
ことができる。また、紙、金属などなどの容器本体の内
側に多層フイルムを熱成形することによっても得ること
ができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 下記の方法により、容器本体として多層容器を用いた密
閉容器を作製した。下記の層構成、ランダムポリプロピ
レン層(120μm)[出光石油化学(株)製、密度
0.90g/cm、MI7.0、融点145℃]/高
密度ポリエチレン層(120μm)[出光石油化学
(株)製、密度0.96g/cm、MI0.12、融
点131℃]/ホモポリプロピレン層(960μm)
[出光石油化学(株)製、密度0.91g/cm、M
I2.0、融点165℃]を有し、ランダムポリプロピ
レン層と高密度ポリエチレン層との間の剥離強度が0.
8kg/15mm幅(300mm/分)である3層シー
トを用いて、熱成形により、上記ランダムポリプロピレ
ン層を表面層とするフランジ外径82mm、フランジ幅
4mm、フランジ面積10cm、高さ64mmの円形
の容器本体を作製した。フランジの厚みは1.2mm±
100μmであり、均一ではなかった。次いで、熱成形
により、シーラント層:ランダムポリプロピレン層(6
0μm)[出光石油化学(株)製、密度0.90g/c
、MI7.0、融点145℃]/基材層:ホモポリ
プロピレン層(220μm)[出光石油化学(株)製、
密度0.91g/cm、MI2.0、融点165℃]
からなり、タブ及び上記容器本体の開口部に嵌合するく
ぼみを有するポリプロピレン系落し蓋である蓋材を作製
した。この蓋材の外径は81mm、厚みは280μmで
あり、タブの幅は14mm、長さは30mmであった。
【0027】得られた容器本体と蓋材とを、1段目には
フラットなシール面(外径85mm、内径68mm)を
有するシールバーを用い、2段目には平坦面と高さ0.
3mmの複数の凸部からなるシール面(外径85mm、
内径68mm)を有するシールバーを用いる2段方式で
熱溶着し、密閉容器を作製した。2段目に用いる凸部を
有するシールバーとして、表1記載の条件で複数の凸部
がフランジ全周にわたって略等間隔に並ぶ複数の種類の
シールバーを用意した。1段目、2段目ともに、熱溶着
時間1.1秒、押圧5kg/cm2 の条件で熱溶着を行
った。
【0028】得られた密閉容器の評価を下記の要領で行
った。1段目熱溶着温度270℃、2段目熱溶着温度2
60℃を基準値とし、各熱溶着温度を±5℃の間隔で変
え、各温度につき10個ずつの密閉容器を作製した。各
10個ずつの密閉容器におけるシール不良の有無によ
り、評価を行った。シール不良のない温度範囲をシール
可能範囲とし、下記のとおり評価した。 × シール可能範囲なし D 0±5℃ C 0±10℃ B 0±14℃ A 0±14℃以上 ここで、シール不良とは、凹部下におけるフランジ端部
の未溶着部の存在、シーラント層の未溶融部の存在、蓋
材の切れをいう。評価結果を表1に示す。表1において
nは、開封を開始する部位、すなわちタブの基部に存在
する凹部の数を表す。Rは、シールバーの凸部の平坦な
頂部の両端につけられた丸みの半径を表し、aは、シー
ルバーの凸部の平坦な頂部の幅を表す。また、表1中、
n=0、R=0、a=0とは、フラットなシール面のシ
ールバーのみを用いて熱溶着を行った密閉容器を意味す
る。
【0029】
【表1】
【0030】得られた密閉容器のうち、端部未溶着によ
るシール不良のあったものは、容器本体の層間剥離の開
始が困難で、易開封性を示さなかった。一方、シール不
良がなく、開封を開始する部位に1以上の凹部を有する
ものは、開封時にフランジ端部から容器本体の層間剥離
が容易に開始し、優れた易開封性を示した。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、容器本体のフランジの
偏肉やシールバー温度のばらつきなどに影響されず、容
器本体と蓋材とを広いシール条件下で熱溶着部端部まで
確実に熱溶着することができ、密封性に優れた密閉容器
を得ることができる。また、容器外端からの容器本体の
層間剥離を利用して開封を行う易開封性の密閉容器にお
いては、蓋材表面の凹部の下では蓋材と容器本体の表面
層とが容器外端まで確実に熱溶着しているため、層間剥
離を容易に開始することができ、シール不良により易開
封性が損なわれることがない。また、本発明によれば、
蓋材としてプラスチック成形蓋を用いた場合にも、成形
蓋の偏肉、溢れた内容物等の挟雑物に影響されずに、十
分な密封性を有する密閉容器、また、優れた開封性を有
する易開封性密閉容器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の密閉容器の製造に用いられるシールバ
ーの一態様を表す断面図である。
【図2】本発明の密閉容器の一態様を表す部分平面図で
ある。
【図3】図2の密閉容器を線IV−IVで切断した部分
断面図である。
【図4】本発明の密閉容器の製造に用いられるシールバ
ーの一態様を表す底面図である。
【符号の説明】
1 蓋材 2 容器本体 3 フランジ 4 開口部 5 熱溶着部 6 凹部 7 タブ 8 シールバー 9 シール面 10 平坦面 11 凸部 12 支持体 13 平坦な上面 14 表面層 15 基材層 16 弱め線 17 開封を開始する部位

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも表面層とそれに接する基材層
    とからなるフランジ付開口部を有する多層の容器本体及
    び容器本体のフランジ上で容器本体の表面層と環状に熱
    溶着された蓋材からなる密閉容器において、熱溶着部に
    おける蓋材と容器本体の表面層との間の剥離強度が容器
    本体の表面層と基材層との間の剥離強度より大きく、容
    器本体の表面層と基材層との間の剥離強度が1.5kg
    /15mm幅(引張速度300mm/分)以下であり、
    容器本体の表面層には、フランジ上における環状の熱溶
    着部の内端部と容器本体の開口部との間に環状の弱め線
    が設けられており、蓋材は、熱溶着部上に位置する上部
    表面に、蓋材の中心部を中心として略放射状の方向に延
    び、熱溶着部上の全周に渡って略等間隔に並ぶ複数の凹
    部を有し、この複数の凹部が容器本体と蓋材との熱溶着
    の際に熱圧成形されたものであり、かつこの複数の凹部
    の少なくとも1つが、密閉容器の開封を開始する部位の
    環状の熱溶着部上に存在する密閉容器。
  2. 【請求項2】 少なくとも表面層とそれに接する基材層
    とからなるフランジ付開口部を有する多層の容器本体及
    び容器本体のフランジ上で容器本体の表面層と環状に熱
    溶着された蓋材からなる密封容器において、熱溶着部に
    おける蓋材と容器本体の表面層との間の剥離強度が容器
    本体の表面層と基材層との間の剥離強度より大きく、容
    器本体の表面層と基材層との間の剥離強度が1.5kg
    /15mm幅(引張速度300mm/分)以下であり、
    容器本体の表面層には、フランジ上における環状の熱溶
    着部の内端部と容器本体の開口部との間に環状の弱め線
    が設けられており、蓋材は、熱溶着部上に位置する上部
    表面に、蓋材の中心部を中心として略放射状の方向に延
    びる少なくとも1つの凹部を有し、この複数の凹部が容
    器本体と蓋材との熱溶着の際に熱圧成形されたものであ
    り、かつこの凹部が密閉容器の開封を開始する部位の環
    状の熱溶着部上のみに存在する密閉容器。
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