JPH0767594A - 内容物保存性に優れたプラスチック多層容器 - Google Patents

内容物保存性に優れたプラスチック多層容器

Info

Publication number
JPH0767594A
JPH0767594A JP21749293A JP21749293A JPH0767594A JP H0767594 A JPH0767594 A JP H0767594A JP 21749293 A JP21749293 A JP 21749293A JP 21749293 A JP21749293 A JP 21749293A JP H0767594 A JPH0767594 A JP H0767594A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
layer
container
oxygen
intermediate layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP21749293A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3630706B2 (ja
Inventor
Masayasu Koyama
正泰 小山
Yasuhiro Oda
泰宏 小田
Shiyougo Mukouno
正悟 向野
Toshio Goryoda
俊雄 五領田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=16705092&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH0767594(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Toyo Seikan Kaisha Ltd filed Critical Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority to JP21749293A priority Critical patent/JP3630706B2/ja
Publication of JPH0767594A publication Critical patent/JPH0767594A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3630706B2 publication Critical patent/JP3630706B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Packages (AREA)
  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 容器内を高度の無酸素状態に維持しながら、
脱酸素剤の共存による香味保持性の低下を有効に防止
し、異味、異臭の発生なしに、容器毎内容物を電子レン
ジ等による加熱で調理できるマイクロ波加熱可能な多層
プラスチック容器を提供する。 【構成】 耐湿性熱可塑性樹脂から成る内層及び外層
と、外層側に位置するガスバリアー性樹脂から成る第一
の中間層と、内層側に位置する、脱酸素剤を配合した樹
脂組成物から成る第二の中間層とを備えた多層プラスチ
ック容器で、前記第二の中間層に、樹脂100重量部当
たり1乃至200重量部の脱酸素剤と、1乃至100重
量部の、比表面積が1.0m2 /g以上の吸着性消臭剤
とを含有する、或いは前記第二の中間層よりも内側の少
なくとも一層が吸着性消臭剤を含有する。 【効果】 異味異臭成分が内容物に移行するのを防止す
ることができ、配合操作や成形操作が容易であるばかり
ではなく、吸着性消臭剤と脱酸素剤を共存させることに
より優れた香味保持性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内容物保存性に優れた
多層プラスチック容器、特に食品の耐酸化劣敗と香味保
持性との組み合わせに優れたプラスチック多層容器に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来包装容器としては、金属缶、ガラス
ビン、各種プラスチック容器等が使用されているが、軽
量性や耐衝撃性、更にはコストの点からプラスチック容
器が各種の用途に使用されている。しかしながら、金属
缶やガラスビンでは容器壁を通しての酸素透過がゼロで
あるのに対して、プラスチック容器の場合には器壁を通
しての酸素透過が無視し得ないオーダーで生じ、内容品
の保存性の点で問題となっている。
【0003】これを防止するために、プラスチック容器
では容器壁を多層構造とし、その内の少なくとも一層と
して、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の耐酸素
透過性を有する樹脂を用いることが行われている。
【0004】容器内の酸素を除去するために、脱酸素剤
の使用も古くから行われており、これを容器壁に適用し
た例としては、特公昭62−1824号公報の発明があ
り、これによると、酸素透過性を有する樹脂に還元性物
質を主剤とする脱酸素剤を配合して成る層と、酸素ガス
遮断性を有する層とを積層して、包装用多層構造物とす
る。
【0005】更に、エチレン−ビニルアルコール共重合
体等の酸素バリヤー性樹脂は湿度に対して敏感であり、
吸湿により酸素透過性が増大する傾向があり、これを防
止するために、特開昭57−170748号公報には、
多層プラスチック容器において、エチレン−ビニルアル
コール共重合体層に近接して吸湿剤を含有させた樹脂層
を設けることが記載され、また特開昭61−11339
号公報には、このガスバリヤー性樹脂層と耐湿性樹脂層
との間に、熱可塑性樹脂媒質中に高吸水性樹脂粒子を分
散させたものを介在させることが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した先行技術で
は、容器壁中に存在する脱酸素剤が容器内の酸素を吸収
し、容器内を高度の無酸素状態に保持するものである
が、容器内を高度の無酸素状態に維持した場合にも、尚
容器内容物の香味保持性が低下する傾向が認められた。
また、この容器を、内容物が充填された状態で、電子レ
ンジ等で加熱した場合には、異味、異臭の発生があり、
未だ問題のあることも分かった。
【0007】これは真に以外の事実であった。即ち、内
容物の香味保持性の低下は、内容物の酸化やこれに伴う
劣敗によると信じられており、容器内を高度の無酸素状
態に維持した場合にも、容器内容物の香味保持性が低下
する場合があるなどとは到底予想もされていなかったか
らである。
【0008】本発明者らは、この原因について鋭意研究
を重ねた結果、この原因は脱酸素剤を樹脂中に配合する
ことにあり、脱酸素剤が酸素と反応することにより、ま
た脱酸素剤が樹脂の劣化に触媒的作用を与えることによ
り、香味低下の原因物質を生成することになることを突
き止めた。この傾向は、脱酸素剤が有効に作用すればす
るほど顕著になることも分かった。
【0009】従って、本発明の目的は、容器内を高度の
無酸素状態に維持しながら、脱酸素剤の共存による香味
保持性の低下を有効に防止できる多層プラスチック容器
を提供するにある。本発明の他の目的は、容器内を高度
の無酸素状態に維持することができると共に、喫食に際
しては、異味、異臭の発生なしに、容器毎内容物を電子
レンジ等による加熱で調理できる、香味保持性に優れた
マイクロ波加熱可能な多層プラスチック容器を提供する
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、耐湿性
熱可塑性樹脂から成る内層及び外層と、外層側に位置す
るガスバリアー性樹脂から成る第一の中間層と、内層側
に位置する脱酸素剤を配合した樹脂組成物から成る第二
の中間層とを備えたプラスチック多層容器であって、前
記第二の中間層が、樹脂100重量部当たり1乃至20
0重量部の脱酸素剤と、1乃至100重量部の、比表面
積が1.0m2 /g以上の吸着性消臭剤とを含有する樹
脂組成物の層であることを特徴とする内容物保存性に優
れた多層プラスチック容器が提供される。
【0011】本発明によればまた、耐湿性熱可塑性樹脂
から成る内層及び外層と、外層側に位置するガスバリア
ー性樹脂から成る第一の中間層と、内層側に位置する脱
酸素剤を配合した樹脂組成物から成る第二の中間層とを
備えたプラスチック多層容器であって、前記第二の中間
層よりも内側の少なくとも一層が、樹脂100重量部当
たり、1乃至100重量部の、比表面積が1.0m2
g以上の吸着性消臭剤を含有する樹脂組成物の層である
ことを特徴とする内容物保存性に優れた多層プラスチッ
ク容器が提供される。
【0012】
【作用】本発明の多層容器は、耐湿性熱可塑性樹脂から
成る内層及び外層と、前記外層側に位置するガスバリア
ー性樹脂から成る第一の中間層と、脱酸素剤を配合した
樹脂組成物から成る第二の中間層とを備えている。耐湿
性熱可塑性樹脂から成る内層及び外層は、水分の透過を
抑制し、ガスバリアー性樹脂の吸湿によるガスバリアー
性の低下を抑制するものである。
【0013】ガスバリアー性樹脂から成る第一の中間層
は、容器壁を通しての酸素等の透過を抑制し、内容物の
保存性を高めるものである。脱酸素剤含有樹脂組成物か
ら成る第二の中間層は、容器内の残存酸素を吸収し、容
器内を高度の無酸素状態に維持するものである。ガスバ
リアー性樹脂の中間層を外層側に、脱酸素剤含有樹脂組
成物の中間層を内層側に位置させることにより、器壁を
通しての酸素の透過がガスバリアー性樹脂で遮断された
状態で、脱酸素剤による容器内残留酸素の吸収が行われ
るので、残留酸素の吸収が効率よく行われ、また万一ガ
スバリアー性樹脂を通して僅かの酸素の透過があって
も、この透過酸素は脱酸素剤により捕捉されるという利
点がある。
【0014】この断面構造の容器は、容器内酸素の除去
という点ではうまく機能するが、容器内容物の香味保持
という点では未だ問題がある。実際に、上記多層容器に
内容物を充填密封し、レトルト殺菌等の加熱殺菌を行っ
た場合や、或いは内容物充填状態で電子レンジ等による
加熱調理を行った場合には、内容物に異味、異臭が移行
して、香味保持性が低下することが認められた。
【0015】この原因は次のようなものと認められる。
即ち、脱酸素剤による酸素の除去は、酸化−還元反応で
あり、また脱酸素剤の多くのものはそれが配合されてい
る樹脂の劣化(例えば酸化)を促進する触媒的な作用を
する。これらの反応により、香味低下の原因物質が生成
するが、上記多層構造では、外側のガスバリアー性樹脂
中間層が、異味異臭成分の外側への透過をも抑制するの
で、結果として異味異臭成分は内容物中に移行するもの
と思われる。
【0016】本発明によれば、脱酸素剤を含有する内側
の中間層に、或いはこの脱酸素剤含有中間層とは別の内
側の中間層に、吸着性消臭剤を含有せしめるのである。
この吸着性消臭剤は、脱酸素剤と同じ層或いはこれより
も内側に存在して、脱酸素剤の酸素吸収には何等影響を
与えることなしに、前記反応により発生する、酸素より
も分子量の大きい異味異臭成分を吸着し、これらの異味
異臭成分が内容物に移行するのを防止するのである。
【0017】本発明において、吸着性消臭剤は、一般に
1.0m2 /g以上のBET比表面積を有するべきであ
り、この比表面積が上記範囲よりも小さいと、異味異臭
成分に対する吸着性が不十分であり、満足すべき結果が
得られない。また、吸着性消臭剤の樹脂に対する配合量
は、樹脂100重量部当たり1乃至100重量部の範囲
にあるのが適当であり、上記範囲よりも少ないと異味異
臭成分の捕捉の点で十分でなく、上記範囲よりも多い
と、成形性や中間層の強度の点で不満足となる。
【0018】本発明の多層プラスチック容器において、
吸着性消臭剤は脱酸素剤と別個の層に設けることもでき
るが、一般には樹脂中に一緒に配合することが好まし
い。こうする方が、配合操作や成形操作が容易であるば
かりではなく、吸着性消臭剤と脱酸素剤を共存させる方
が、優れた香味保持性が得られる。これは、両者の剤が
近接状態で存在する方が、異味異臭成分が化学的に活性
な状態で吸着性消臭剤に吸着されるためと思われる。こ
のために、脱酸素剤と吸着性消臭剤とを予め緊密に混合
し、この緊密混合物を樹脂に配合することが有利であ
る。
【0019】
【発明の好適態様】
[容器の多層構造]本発明の容器の多層構造の例を示す
図1において、この容器壁1は、耐湿性熱可塑性樹脂の
外層2、接着剤樹脂層3a、ガスバリヤー性樹脂から成
る第一の中間層4、接着剤樹脂層3b、脱酸素剤及び吸
着性消臭剤を配合した樹脂組成物から成る第二の中間層
5及び耐湿性熱可塑性樹脂の内層6からなっている。第
二の中間層5には、脱酸素剤と吸着性消臭剤との両方が
配合され、この第二の中間層はガスバリアー性樹脂層4
よりも内側に設けられていることが留意されるべきであ
る。
【0020】本発明の容器の多層構造の他の例を示す図
2において、この容器壁1は、耐湿性熱可塑性樹脂の外
層2、接着剤樹脂層3a、ガスバリヤー性樹脂から成る
第一の中間層4、接着剤樹脂層3b、脱酸素剤を配合し
た樹脂組成物から成る第二の中間層7、吸着性消臭剤を
配合した樹脂組成物から成る第三の中間層8及び耐湿性
熱可塑性樹脂の内層6からなっている。脱酸素剤と吸着
性消臭剤とは、それぞれ別個に第二の中間層7及び第三
の中間層8に配合され、外側から順に、ガスバリアー性
樹脂層4、脱酸素剤層7及び吸着性消臭剤層8となって
いることが了解されよう。
【0021】[吸着性消臭剤]本発明では、吸着性消臭
剤としては、比表面積が1.0m2 /g以上の公知の吸
着性消臭剤、特に比表面積が5.0乃至75m2 /gの
吸着性消臭剤が使用される。尚、吸着性消臭剤とは、消
臭の主たる作用が固体表面への吸着によるものを言う
が、勿論この吸着が化学吸着によるものであってもよ
い。
【0022】この吸着性消臭剤としては、各種活性炭、
珪藻土、各種アルミノ珪酸塩等が使用される。活性炭と
しては、椰子殻、木材或いは石炭等を原料とした活性炭
が使用され、これらの活性炭は通常のものでも、或いは
酸添着或いはアルカリ添着等の処理を行ったものでもよ
い。珪藻土は、含水非晶質二酸化珪素であって、非常に
ポーラスであり、マクロポアーを有し、異味異臭成分の
吸着性に優れている。
【0023】アルミノ珪酸塩としては、各種の天然或い
は合成のゼオライトのごときテクト珪酸塩や、天然或い
は合成のフィロ珪酸塩が使用される。フィロ珪酸塩とし
ては、フィロ珪酸マグネシュウム、フィロ珪酸亜鉛、ベ
ントナイト、活性白土、酸性白土等が使用される。
【0024】吸着性消臭剤は、一般に50μm以下の粒
径を有するのがよく、特に5乃至30μmの粒径を有す
るものが、樹脂への配合、分散が容易であるので好まし
い。
【0025】[脱酸素剤]本発明に用いる脱酸素剤とし
ては、従来この種の用途に使用されている脱酸素剤は全
て使用できるが、一般には還元性でしかも実質上水に不
溶なものが好ましく、その適当な例としては、還元性を
有する金属粉、例えば還元性鉄、還元性亜鉛、還元性錫
粉;金属低位酸化物、例えば酸化第一鉄、四三酸化鉄、
更に還元性金属化合物、例えば炭化鉄、ケイ素鉄、鉄カ
ルボニル、水酸化鉄;などの一種又は組合せたものを主
成分としたものが挙げられ、これらは必要に応じてアル
カリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、亜硫
酸塩、チオ硫酸塩、第三リン酸塩、第二リン酸塩、有機
酸塩、ハロゲン化物等と組合せて使用することができ
る。また多価フェノールを骨格内に有する高分子化合
物、例えば多価フェノール含有フェノール・アルデヒド
樹脂等が挙げられる。これらの脱酸素剤は、一般に平均
100μm 以下、特に50μm 以下の粒径を有すること
が好ましい。
【0026】上記脱酸素剤は、吸水剤と組み合わせて使
用することもでき、かかる吸水剤としては、潮解性無機
塩、潮解性有機化合物或いは高吸水性樹脂等が使用さ
れ、潮解性物質の例としては、塩化ナトリウム、塩化カ
ルシウム、塩化亜鉛、塩化アンモニウム、硫酸アンモニ
ウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素
二ナトリウム、二リン酸ナトリウム、炭酸カリウム、硝
酸ナトリウム等の無機塩類;グルコース、果糖、ショト
ウ、ゼラチン、変性カゼイン、変性デンプン、トラガン
トゴム等の有機化合物等が挙げられる。また、高吸水性
樹脂とは、本質的に水不溶性でしかも自重の数十倍から
数百倍に達する水を吸水し得る能力を有する樹脂として
定義される。この高吸水性樹脂は、一般に吸水性に寄与
する電離性基を有すると共に、この樹脂を水不溶性にす
るための網状乃至架橋構造或いはゲル状構造を有してい
る。
【0027】この高吸水性樹脂としては、アクリル酸
(塩)グラフト化澱粉、澱粉のアクリロニトリルグラフ
ト化加水分解物、アクリル酸(塩)グラフト化セルロー
ス等の澱粉乃至セルロース系のグラフト誘導体や、架橋
ポリアクリル酸(塩)、特にアクリル酸(塩)とジビニ
ルベンゼン等の多官能モノマー或いは更にスチレン、ア
クリルエステル類等の疎水性モノマーとの共重合体;酢
酸ビニルとアクリル酸エステルとの共重合体のケン化で
製造されるビニルアルコール−アクリル酸(塩)ブロッ
ク共重合体;ポリビニルアルコールに無水マレイン酸、
無水フタル酸等の酸無水物を反応させ、側鎖にカルボキ
シル基と架橋構造を同時に導入シた変性ポリビニルアル
コール等が知られている。これらの樹脂において、澱
粉、セルロース或いはポリビニルアルコール成分は、ポ
リアクリル酸成分を不溶化してゲル状に保つ作用を有す
る。また上記吸水性樹脂と異なるメカニズムによる吸水
性を有するポリエチレンオキサイド変性物も知られてい
る。これらの高吸水性樹脂を全て使用できるが、就中架
橋ポリアクリル酸(塩)が好ましく、このものはアクア
キーブ4S、アクアキーブ10SHの商品名で製鉄化学
(株)から市販されている。他の好適な例は、ビニルア
ルコール−アクリル酸(塩)ブロック共重合体やポリエ
チレンオキサイド変性物であり、住友化学(株)からス
ミカゲルSタイプ、Rタイプとして市販されている。
【0028】[耐湿性樹脂]本発明において、容器の両
側に設ける耐湿性樹脂(低吸水性樹脂)としては、ASTM
D 570で測定した吸水率が0.5 %以下、特に0.1 %
以下の熱可塑性樹脂が使用され、その代表例として、低
−、中−或いは高−密度のポリエチレン、アイソタクテ
イツクポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、
プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレ
ン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)或
いはこれらのブレンド物等のオレフイン系樹脂を挙げる
ことができ、更にポリスチレン、スチレン−ブタジエン
共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、ABS樹脂
等のスチレン系樹脂や、ポリエチレンフタレート、ポリ
テトラメチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステ
ルやポリカーボネートであることもできる。これらの内
でも、衛生性の点では、オレフィン系樹脂が好適であ
り、耐熱性の点では、プロピレン系樹脂が好適である。
【0029】[ガスバリヤー性樹脂]ガスバリヤー性樹
脂としては、前述した酸素透過係数と吸湿性とを有し且
つ熱成形可能な熱可塑性樹脂が使用される。ガスバリヤ
ー性樹脂の最も適当な例としては、エチレン−ビニルア
ルコール共重合体を挙げることができ、例えば、エチレ
ン含有量が20乃至60モル%、特に25乃至50モル
%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が
96モル%以上、特に99モル%以上となるようにケン
化して得られる共重合体ケン化物が使用される。このエ
チレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物は、フイル
ムを形成し得るに足る分子量を有するべきであり、一般
に、フェノール:水の重量比で85:15の混合溶媒中
30℃で測定して0.01dl/g以上、特に0.05dl/g以上の粘
度を有することが望ましい。
【0030】また、前記特性を有するガスバリヤー性樹
脂の他の例としては、炭素数100個当りのアミド基の
数が5乃至50個、特に6乃至20個の範囲にあるポリ
アミド類;例えばナイロン6、ナイロン6,6、ナイロ
ン6/6,6共重合体、メタキシリレンアジパミド、ナ
イロン6,10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロ
ン13等が使用される。これらのポリアミドもフイルム
を形成するに足る分子量を有するべきであり、濃硫酸中
1.0g/dlの濃度で且つ30℃の温度で測定した相対粘度
(ηrel )が 1.1以上、 特に 1.5以上であることが望ま
しい。
【0031】[吸着性消臭剤及び/または脱酸素剤含有
組成物]吸着性消臭剤及び/または脱酸素剤を配合する
熱可塑性樹脂としては、前述した耐湿性樹脂やガスバリ
アー性樹脂の何れをも使用できる。勿論、これらの樹脂
の混合物も使用できるし、これら以外の樹脂も使用する
こともできる。耐湿性樹脂との接着性の点では、耐湿性
樹脂と同様の樹脂を使用することが好ましいし、ガスバ
リアー性樹脂との接着性の点では、同種のガスバリアー
性樹脂を使用することが好ましい。
【0032】脱酸素剤は、樹脂当り1乃至200重量
%、特に10乃至100重量%の濃度で用いるのがよ
い。脱酸素剤の含有量が上記範囲よりも低いと、容器内
の酸素濃度を微生物の生育に適した濃度以下に抑制する
ことが困難となり、一方上記範囲以上の濃度としても、
酸素濃度の低下の点では、格別の効果がなく、成形作業
性や価格の点ではかえって不利となる。
【0033】一方、吸着性消臭剤は、樹脂当り1乃至1
00重量%、特に5乃至75重量%の濃度で用いるのが
よい。吸着性消臭剤の含有量が上記範囲よりも低いと、
この配合量が上記範囲内にある場合に比して、香味保持
性が低下し、上記範囲よりも多いと、香味保持性の点で
は格別の利点がなく、やはり成形作業性や価格の点では
かえって不利となる。
【0034】[接着剤樹脂]エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体の場合のように、用いるガスバリヤー性樹脂
と耐湿性熱可塑性樹脂との間には積層に際して十分な接
着性が得られない場合があるが、この場合には両者の間
に接着剤樹脂層を介在させる。
【0035】このような接着剤樹脂としては、カルボン
酸、カルボン酸無水物、カルボン酸 を主鎖又は側鎖に、1乃至700ミリイクイバレント
(meq)/100g樹脂、特に10乃至500meq /10
0g樹脂の濃度で含有する熱可塑性樹脂が挙げられる。
接着剤樹脂の適当な例は、エチレン−アクリル酸共重合
体、イオン架橋オレフイン共重合体、無水マレイン酸グ
ラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリプロ
ピレン、アクリル酸グラフトポリオレフイン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、共重合ポリエステル、共重合ポ
リアミド等の1種又は2種以上の組合せである。これら
の樹脂は、同時押出或いはサンドイッチラミネーション
等による積層に有用である。また、予じめ形成されたガ
スバリヤー性樹脂フイルムと耐湿性樹脂フイルムとの接
着積層には、イソシアネート系或いはエポキシ系等の熱
硬化型接着剤樹脂も使用される。
【0036】[積層構成]脱酸素剤及び吸着性消臭剤配
合樹脂層は、容器内に許容される酸素量や容器形状によ
っても相違するが、一般に10乃至200μm 、特に2
0乃至150μmの厚みを有することが望ましい。また
脱酸素剤含有層と吸着性消臭剤含有層とを別個に設ける
場合には、トータルの厚みを上記範囲にすればよく、両
者の厚み比は、9:1乃至1:9の範囲とすればよい。
【0037】ガスバリアー性樹脂層の厚みは、一般に5
乃至100μm、特に10乃至50μmの厚みを有する
ことが好ましい。一方、耐湿性樹脂層は、一般に20乃
至300μm、特に50乃至150μmで且つ中間層の
厚みの0.1乃至30倍、特に0.5乃至10倍の厚み
を有するのがよい。また、内層と外層の厚みは、等しく
てもよく、内層又は外層の何れか一方が他方の層よりも
厚さの大きい構造となっていてもよい。
【0038】[製造法]本発明の容器は、前述した層構
成とする点を除けば、それ自体公知の方法で製造が可能
である。
【0039】多層同時押出に際しては、各樹脂層に対応
する押出機で溶融混練した後、T−ダイ、サーキュラー
ダイ等の多層多重ダイスを通して所定の形状に押出す。
また、各樹脂層に対応する射出機で溶融混練した後、射
出金型中に共射出又は遂次射出して、多層容器又は容器
用のプリフォームを製造する。更にドライラミネーショ
ン、サンドイッチラミネーション、押出コート等の積層
方式も採用し得る。
【0040】成形物は、フイルム、シート、ボトル乃至
チューブ形成用パリソン乃至はパイプ、ボトル乃至チュ
ーブ成形用プリフォーム等の形をとり得る。パリソン、
パイプ或いはプリフォームからのボトルの形成は、押出
物を一対の割型でピンチオフし、その内部に流体を吹込
むことにより容易に行われる。また、パイプ乃至はプリ
フォームを冷却した後、延伸温度に加熱し、軸方向に延
伸すると共に、流体圧によって周方向にブロー延伸する
ことにより、延伸ブローボトル等が得られる。
【0041】また、フイルム乃至シートを、真空成形、
圧空成形、張出成形、プラグアシスト成形等の手段に付
することにより、カップ状、トレイ状等の包装容器が得
られる。更に、多層フイルムにあっては、これを袋状に
重ね合せ或いは折畳み、周囲をヒートシールして袋状容
器とすることもできる。
【0042】[用途]本発明のプラスチック多層容器
は、内容物を湯殺菌、熱間充填、レトルト殺菌等で加熱
する密封包装容器として有用であり、また密封された内
容物を開封後、電子レンジ等でマイクロ波加熱し、調理
する包装容器として有用である。
【0043】通常の状態において、酸素の透過防止、即
ち酸素遮断に役立つのは、ガスバリヤー性樹脂層である
が、熱殺菌のように水分と熱とが同時に作用する条件で
は、中間樹脂層中に存在する脱酸素剤が酸素遮断に有効
に役立ち、容器が置かれる状態に応じて機能分担が効果
的に行われるのである。即ち、水分と熱とが同時に作用
する条件下では、耐湿性樹脂層を通して水分の透過が著
しく生じ、ガスバリヤー性樹脂はその吸湿によりまた更
に温度の上昇により、本来の酸素バリヤー性能を低下さ
せることになるのであるが、吸湿される水分と与えられ
る熱とが脱酸素剤を活性化し、脱酸素剤による酸素の捕
捉が有効に行われ、その結果として、熱殺菌時における
酸素の透過も抑制されるのである。又、湯殺菌や熱間充
填、レトルト殺菌を行なわない内容品であり、かつ低湿
内容品に対して使用する際には、充填前に容器内に微量
の水分を添加するか、容器にスチーム等を当てるなどし
て酸素捕捉を活性化することも出来る。
【0044】一方、吸着性消臭剤含有樹脂層を設けるこ
とは、熱殺菌時或いは調理加熱時の脱酸素剤による異味
異臭の移行を吸着により防止するが、それと同時に水分
を吸収することによってガスバリヤー樹脂の酸素バリヤ
ー性の低下を防ぐことができるが、この効果は主として
殺菌後の保存中の酸素透過を抑制することに由来してお
り、殺菌中の温度上昇による酸素透過量の増大には効果
を示さない。一方、脱酸素剤をガスバリヤー性熱可塑性
樹脂に配合した場合は殺菌中の温度上昇に基づく酸素透
過量の増大を抑制するのに顕著な効果を示し、その後の
保存中の酸素透過抑制にも有効であるが吸湿による影響
も受ける。したがって容器壁中に脱酸素剤と吸水剤を共
存させることによって酸素透過度がより少ないレベルに
抑制されるのである。
【0045】
【実施例】本発明を次の例より更に説明する。
【0046】実施例1 ポリプロピレン樹脂(MI0.5g/10min、23
0℃)に平均粒径が30μmの鉄系酸素吸収剤と吸着性
物質として平均粒径30μmのケイソウ土をそれぞれ2
0重量%、10重量%の割合でバッチ式高速攪拌翼型混
合機を用いて混合した。次いで、この混合物を50mm
径スクリューを内蔵する押出機/ストランドダイ/ブロ
ワー冷却機/カッターで構成されるペレタイザーにてペ
レット化した。上記ペレット化したポリプロピレンと酸
素吸収剤、吸着性物質よりなる混合物(POA)を第一
の中間層とし、エチレンビニルアルコール共重合体(エ
チレン含有量32モル%、ケン化度99.6モル%、E
VOH)を第二の中間層とし、メルトインデックスが
0.5g/10min(230℃)のポリプロピレン
(PP)を内外層とし、メルトインデックス1.0g/
10min(230℃)の無水マレイン酸変性PP(A
DH)を接着剤層とした4種6層シート(全厚み0.5
mm、構成比 PP/POA/ADH/EVOH/AD
H/PP=5:10:1:2:1:30)を成形した。
得られたシートを約190℃に加熱後、真空成形機にて
POA層がEVOH層より内側になった深さ35mm、
長軸135mm、短軸105mmの楕円形容器を成形し
た。
【0047】このカップを、酸素濃度1%の雰囲気中に
て1mlのH2 Oとガラス玉を充填して容器内空間が4
0mlになるようにして、ガス不透過性のアルミニウム
ラミネート蓋材によってヒートシールした。22℃にて
保存し、一定期間経過毎に容器内酸素濃度を測定した。
その結果を表1に記す。対照品として第一の中間層のか
わりにポリプロピレンの層を有する容器を作成した(対
照品1)。また第一の中間層に酸素吸収剤及びケイソウ
土のみを配合したものをそれぞれ作成した(対照品2,
3)。これらの容器も同様に密封シールし、一定期間毎
に容器内の酸素濃度を測定した。又、1週間経時した容
器の蓋を除去し、電子レンジ(東芝;ER240)にて
5分間加熱した後、容器の臭いを評価した。評価結果を
表1に記した。表より明らかなように、本発明品は対照
品と較べて、酸素吸収能力及び電子レンジによる加熱で
もフレーバー性能が低下しないことが判かる。
【0048】実施例2 第一の中間層として樹脂成分をポリプロピレン:ポリビ
ニルアルコール=95:5とし、吸着成分をカーボンブ
ラック(3重量%)とした他は、実施例1と同様の容器
を作成し、実施例1に従って性能評価試験を行なった。
対照品として、カーボンブラックを除去した他は同様の
容器を用いた。結果を表1に記した。対照品は酸素吸収
能力を有するものの電子レンジによる加熱でフレーバー
性能が低下することが明かであった。
【0049】実施例3 実施例1の本発明容器を用い、蓋材としてポリエチレン
テレフタレート/接着剤/エチレンビニルアルコール共
重合体/接着剤/ポリプロピレンよりなるラミネート材
を用いて、実施例1と同様のテストを行なった。対照品
として、酸素吸収剤、吸着性物質を含まないポリプロピ
レン層を第一の中間層とし、他は本発明品と同様の容器
を用いた。結果を表2に記した。対照品は蓋材を透過し
て外部より容器内に侵入してくる酸素によって容器内酸
素濃度は初期値である1.0%より漸次増加していく
が、本発明品は透過酸素を吸収するだけでなく、容器内
残留酸素をも吸収し、その結果、容器内酸素濃度は低下
していきやがて0%となる。又、1ヶ月間保存後の容器
蓋を開け、電子レンジによる加熱を行ない、容器より発
生する加熱臭を調べたが、問題は無かった。
【0050】実施例4 実施例1の本発明と同様に、第一の中間層に酸素吸収剤
と吸着性物質を混合された多層プラスチック容器(本発
明品)及び、対照品として第一の中間層に何も混合され
ていないポリプロピレン層のみの容器(対照品)に、炊
飯済の米飯200gを充填し、実施例3のラミネート材
を蓋材として窒素置換しながらヒートシールして密封し
た。容器内酸素濃度は1%であった。室温にて1ヶ月間
保存した後、2点嗜好試験法により官能検査を行なっ
た。結果は下記表3に示す通り、危険率5%で有意差が
あった。
【0051】
【表1】 電子レンジ加熱測定 ○ 良好 × 劣悪
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】実施例5 ポリプロピレン樹脂(MI0.5g/10min ,230
℃,PP)を内層及び外層とし、外層側に位置する第一
の中間層としてエチレン−ビニルアルコール共重合体
(エチレン含有量32モル%,ケン化度99.6モル
%,EVOH)、内層側の第二の中間層として鉄径酸素
吸収剤を30重量%含んだメルトインデックス0.5g
/10min (230℃)のポリプロピレン樹脂層(P
O)、更に前記第二の中間層より内側に平均粒径30μ
mのケイソウ土を20重量%含んだメルトインデックス
0.5g /min(230℃)のポリプロピレン樹脂層
(PA)を有するシートを作成した。第一の中間層の両
側にはメルトインデックス1.0g/10min (230
℃)の無水マレイン酸変性PP(ADH)を接着剤とし
て用いた。シート構成はPP/ADH/EVOH/AD
H/PO/PA/PP=30/1/2/1/5/5/
5,全厚み,0.5mmであった。実施例2と同様の容
器を作成し性能評価を行った。容器内の酸素濃度は初期
値の1.0%より漸時低減していき、3日後に0.1%
を下まわった。電子レンジによる加熱でも異臭は認めら
れなかった。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、脱酸素剤を含有する内
側の中間層に、或いはこの脱酸素剤含有中間層とは別の
内側の中間層に、吸着性消臭剤を含有せしめることによ
り、この吸着性消臭剤は、脱酸素剤と同じ層或いはこれ
よりも内側に存在して、脱酸素剤の酸素吸収には何等影
響を与えることなしに、前記反応により発生する、酸素
よりも分子量の大きい異味異臭成分を吸着し、これらの
異味異臭成分が内容物に移行するのを防止することがで
きる。
【0056】また、本発明の好適態様によれば、樹脂中
に、脱酸素剤と吸着性消臭剤とを一緒にしかも特定の割
合で配合することにより、配合操作や成形操作が容易で
あるばかりではなく、吸着性消臭剤と脱酸素剤を共存さ
せる方が、優れた香味保持性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容器の多層構造の例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の容器の多層構造の他の例を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 容器壁 2 耐湿性熱可塑性樹脂の外層 3a,3b 接着剤樹脂層 4 ガスバリヤー性樹脂から成る第一の中間層 5 脱酸素剤及び吸着性消臭剤を配合した樹脂組成物か
ら成る第二の中間層 6 耐湿性可塑性樹脂の内層 7 脱酸素剤を配合した樹脂組成物から成る第二の中間
層7 8 吸着性消臭剤を配合した樹脂組成物から成る第三の
中間層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】上記脱酸素剤は、吸水剤と組み合わせて使
用することもでき、かかる吸水剤としては、潮解性無機
塩、潮解性有機化合物或いは高吸水性樹脂等が使用さ
れ、潮解性物質の例としては、塩化ナトリウム、塩化カ
ルシウム、塩化亜鉛、塩化アンモニウム、硫酸アンモニ
ウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素
二ナトリウム、二リン酸ナトリウム、炭酸カリウム、硝
酸ナトリウム等の無機塩類;グルコース、果糖、ショト
ウ、ゼラチン、変性カゼイン、変性デンプン、トラガン
トゴム、ポリビニルアルコール等の有機化合物等が挙げ
られる。また、高吸水性樹脂とは、本質的に水不溶性で
しかも自重の数十倍から数百倍に達する水を吸水し得る
能力を有する樹脂として定義される。この高吸水性樹脂
は、一般に吸水性に寄与する電離性基を有すると共に、
この樹脂を水不溶性にするための網状乃至架橋構造或い
はゲル状構造を有している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】実施例1 ポリプロピレン樹脂(MI0.5g/10min、23
0℃)に平均粒径が30μmの鉄系酸素吸収剤と吸着性
物質として平均粒径30μmのケイソウ土をそれぞれ2
0重量%、10重量%の割合でバッチ式高速攪拌翼型混
合機を用いて混合した。次いで、この混合物を50mm
径スクリューを内蔵する押出機/ストランドダイ/ブロ
ワー冷却機/カッターで構成されるペレタイザーにてペ
レット化した。上記ペレット化したポリプロピレンと酸
素吸収剤、吸着性物質よりなる混合物(POA)を第二
の中間層とし、エチレンビニルアルコール共重合体(エ
チレン含有量32モル%、ケン化度99.6モル%、E
VOH)を第一の中間層とし、メルトインデックスが
0.5g/10min(230℃)のポリプロピレン
(PP)を内外層とし、メルトインデックス1.0g/
10min(230℃)の無水マレイン酸変性PP(A
DH)を接着剤層とした4種6層シート(全厚み0.5
mm、構成比 PP/POA/ADH/EVOH/AD
H/PP=5:10:1:2:1:30)を成形した。
得られたシートを約190℃に加熱後、真空成形機にて
POA層がEVOH層より内側になった深さ35mm、
長軸135mm、短軸105mmの楕円形容器を成形し
た。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】このカップを、酸素濃度1%の雰囲気中に
て1mlのH2 Oとガラス玉を充填して容器内空間が4
0mlになるようにして、ガス不透過性のアルミニウム
ラミネート蓋材によってヒートシールした。22℃にて
保存し、一定期間経過毎に容器内酸素濃度を測定した。
その結果を表1に記す。対照品として第二の中間層のか
わりにポリプロピレンの層を有する容器を作成した(対
照品1)。また第二の中間層に酸素吸収剤及びケイソウ
土のみを配合したものをそれぞれ作成した(対照品2,
3)。これらの容器も同様に密封シールし、一定期間毎
に容器内の酸素濃度を測定した。又、1週間経時した容
器の蓋を除去し、電子レンジ(東芝;ER240)にて
5分間加熱した後、容器の臭いを評価した。評価結果を
表1に記した。表より明らかなように、本発明品は対照
品と較べて、酸素吸収能力及び電子レンジによる加熱で
もフレーバー性能が低下しないことが判かる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】実施例2第二 の中間層として樹脂成分をポリプロピレン:ポリビ
ニルアルコール=95:5とし、吸着成分をカーボンブ
ラック(3重量%)とした他は、実施例1と同様の容器
を作成し、実施例1に従って性能評価試験を行なった。
対照品として、カーボンブラックを除去した他は同様の
容器を用いた。結果を表1に記した。対照品は酸素吸収
能力を有するものの電子レンジによる加熱でフレーバー
性能が低下することが明かであった。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】実施例3 実施例1の本発明容器を用い、蓋材としてポリエチレン
テレフタレート/接着剤/エチレンビニルアルコール共
重合体/接着剤/ポリプロピレンよりなるラミネート材
を用いて、実施例1と同様のテストを行なった。対照品
として、酸素吸収剤、吸着性物質を含まないポリプロピ
レン層を第二の中間層とし、他は本発明品と同様の容器
を用いた。結果を表2に記した。対照品は蓋材を透過し
て外部より容器内に侵入してくる酸素によって容器内酸
素濃度は初期値である1.0%より漸次増加していく
が、本発明品は透過酸素を吸収するだけでなく、容器内
残留酸素をも吸収し、その結果、容器内酸素濃度は低下
していきやがて0%となる。又、1ヶ月間保存後の容器
蓋を開け、電子レンジによる加熱を行ない、容器より発
生する加熱臭を調べたが、問題は無かった。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】実施例4 実施例1の本発明と同様に、第二の中間層に酸素吸収剤
と吸着性物質を混合された多層プラスチック容器(本発
明品)及び、対照品として第二の中間層に何も混合され
ていないポリプロピレン層のみの容器(対照品)に、炊
飯済の米飯200gを充填し、実施例3のラミネート材
を蓋材として窒素置換しながらヒートシールして密封し
た。容器内酸素濃度は1%であった。室温にて1ヶ月間
保存した後、2点嗜好試験法により官能検査を行なっ
た。結果は下記表3に示す通り、危険率5%で有意差が
あった。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 1 容器壁 2 耐湿性熱可塑性樹脂の外層 3a,3b 接着剤樹脂層 4 ガスバリヤー性樹脂から成る第一の中間層 5 脱酸素剤及び吸着性消臭剤を配合した樹脂組成物か
ら成る第二の中間層 6 耐湿性可塑性樹脂の内層 7 脱酸素剤を配合した樹脂組成物から成る第二の中間
8 吸着性消臭剤を配合した樹脂組成物から成る第三の
中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/18 8413−4F F 8413−4F B65D 81/26 R

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐湿性熱可塑性樹脂から成る内層及び外
    層と、外層側に位置するガスバリアー性樹脂から成る第
    一の中間層と、内層側に位置する、脱酸素剤を配合した
    樹脂組成物から成る第二の中間層とを備えたプラスチッ
    ク多層容器であって、前記第二の中間層が、樹脂100
    重量部当たり1乃至200重量部の脱酸素剤と、1乃至
    100重量部の、比表面積が1.0m2 /g以上の吸着
    性消臭剤とを含有する樹脂組成物の層であることを特徴
    とする内容物保存性に優れた多層プラスチック容器。
  2. 【請求項2】 耐湿性熱可塑性樹脂から成る内層及び外
    層と、外層側に位置するガスバリアー性樹脂から成る第
    一の中間層と、内層側に位置する、脱酸素剤を配合した
    樹脂組成物から成る第二の中間層とを備えたプラスチッ
    ク多層容器であって、前記第二の中間層よりも内側の少
    なくとも一層が、樹脂100重量部当たり、1乃至10
    0重量部の、比表面積が1.0m2 /g以上の吸着性消
    臭剤を含有する樹脂組成物の層であることを特徴とする
    内容物保存性に優れた多層プラスチック容器。
JP21749293A 1993-09-01 1993-09-01 内容物保存性に優れたプラスチック多層容器 Expired - Fee Related JP3630706B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21749293A JP3630706B2 (ja) 1993-09-01 1993-09-01 内容物保存性に優れたプラスチック多層容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21749293A JP3630706B2 (ja) 1993-09-01 1993-09-01 内容物保存性に優れたプラスチック多層容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0767594A true JPH0767594A (ja) 1995-03-14
JP3630706B2 JP3630706B2 (ja) 2005-03-23

Family

ID=16705092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21749293A Expired - Fee Related JP3630706B2 (ja) 1993-09-01 1993-09-01 内容物保存性に優れたプラスチック多層容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3630706B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997032722A1 (en) * 1996-03-07 1997-09-12 Chevron Chemical Company Llc Oxygen scavenging system including a by-product neutralizing material
EP0812677A1 (en) * 1995-12-27 1997-12-17 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Deoxidizing multilayered body and method of manufacturing the same
JPH10248541A (ja) * 1997-03-13 1998-09-22 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 惣菜類の保存方法
JP2002504159A (ja) * 1996-03-07 2002-02-05 クライオバツク・インコーポレイテツド 包装フィルムにおけるゼオライト
JP2004243523A (ja) * 2002-12-17 2004-09-02 Toyo Seikan Kaisha Ltd 多層バリヤーフィルム及びそれを用いた包装体
JP2006056526A (ja) * 2004-08-17 2006-03-02 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 加熱処理用脱酸素包装容器
JP2008265881A (ja) * 2008-06-02 2008-11-06 Toyo Seikan Kaisha Ltd 酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器及び多層成形用シート並びに多層成形用シートの製造方法
US7491359B2 (en) 2003-10-16 2009-02-17 Graham Packaging Pet Technologies Inc. Delamination-resistant multilayer container, preform, article and method of manufacture
WO2010023899A1 (ja) * 2008-08-26 2010-03-04 三菱瓦斯化学株式会社 脱酸素性多層体
WO2010134137A1 (ja) * 2009-05-18 2010-11-25 三菱瓦斯化学株式会社 脱酸素性多層体
US8075966B2 (en) 2004-07-22 2011-12-13 Graham Packaging Company, Ltd. Delamination-resistant multilayer container, preform, article and method with oxygen barrier formulations
JP2012087295A (ja) * 2010-09-21 2012-05-10 Unitika Ltd 脱酸素塗剤、脱酸素剤含有塗膜及び積層体

Cited By (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0812677A1 (en) * 1995-12-27 1997-12-17 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Deoxidizing multilayered body and method of manufacturing the same
EP0812677A4 (en) * 1995-12-27 2002-05-02 Mitsubishi Gas Chemical Co DEOXIDIZING MULTILAYER BODY AND MANUFACTURING METHOD THEREOF
WO1997032722A1 (en) * 1996-03-07 1997-09-12 Chevron Chemical Company Llc Oxygen scavenging system including a by-product neutralizing material
US6057013A (en) * 1996-03-07 2000-05-02 Chevron Chemical Company Oxygen scavenging system including a by-product neutralizing material
JP2002504159A (ja) * 1996-03-07 2002-02-05 クライオバツク・インコーポレイテツド 包装フィルムにおけるゼオライト
JPH10248541A (ja) * 1997-03-13 1998-09-22 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 惣菜類の保存方法
JP2004243523A (ja) * 2002-12-17 2004-09-02 Toyo Seikan Kaisha Ltd 多層バリヤーフィルム及びそれを用いた包装体
US7491359B2 (en) 2003-10-16 2009-02-17 Graham Packaging Pet Technologies Inc. Delamination-resistant multilayer container, preform, article and method of manufacture
US8075966B2 (en) 2004-07-22 2011-12-13 Graham Packaging Company, Ltd. Delamination-resistant multilayer container, preform, article and method with oxygen barrier formulations
JP2006056526A (ja) * 2004-08-17 2006-03-02 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 加熱処理用脱酸素包装容器
JP2008265881A (ja) * 2008-06-02 2008-11-06 Toyo Seikan Kaisha Ltd 酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器及び多層成形用シート並びに多層成形用シートの製造方法
US20110171074A1 (en) * 2008-08-26 2011-07-14 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Deoxidizing multilayered body
US8679468B2 (en) 2008-08-26 2014-03-25 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Deoxidizing multilayered body
CN102131641A (zh) * 2008-08-26 2011-07-20 三菱瓦斯化学株式会社 脱氧性多层体
KR101464812B1 (ko) * 2008-08-26 2014-11-24 미츠비시 가스 가가쿠 가부시키가이샤 탈산소성 다층체
WO2010023899A1 (ja) * 2008-08-26 2010-03-04 三菱瓦斯化学株式会社 脱酸素性多層体
JPWO2010023899A1 (ja) * 2008-08-26 2012-01-26 三菱瓦斯化学株式会社 脱酸素性多層体
EP2319686A4 (en) * 2008-08-26 2012-02-29 Mitsubishi Gas Chemical Co DEOXIDANT LAMINATE
JP5472109B2 (ja) * 2008-08-26 2014-04-16 三菱瓦斯化学株式会社 脱酸素性多層体
JP5152705B2 (ja) * 2009-05-18 2013-02-27 三菱瓦斯化学株式会社 脱酸素性多層体
WO2010134137A1 (ja) * 2009-05-18 2010-11-25 三菱瓦斯化学株式会社 脱酸素性多層体
US20120064272A1 (en) * 2009-05-18 2012-03-15 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Deoxidizing multilayered body
US8889238B2 (en) 2009-05-18 2014-11-18 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Deoxidizing multilayered body
KR101464813B1 (ko) * 2009-05-18 2014-11-24 미츠비시 가스 가가쿠 가부시키가이샤 탈산소성 다층체
CN102149543A (zh) * 2009-05-18 2011-08-10 三菱瓦斯化学株式会社 脱氧性多层体
JP2012087295A (ja) * 2010-09-21 2012-05-10 Unitika Ltd 脱酸素塗剤、脱酸素剤含有塗膜及び積層体

Also Published As

Publication number Publication date
JP3630706B2 (ja) 2005-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0367835B1 (en) Multilayered plastic container
US4919984A (en) Multilayer plastic container
JPH0490848A (ja) 酸素吸収剤及び該酸素吸収剤を用いた樹脂組成物並びに樹脂組成物からなるフィルム又はシート,包装用容器
KR100245362B1 (ko) 향 보존성이 우수한 플라스틱 다층용기 및 밥 포장체
AU2063500A (en) Oxygen absorptive resin composition
JP3630706B2 (ja) 内容物保存性に優れたプラスチック多層容器
JPH08197692A (ja) ガスバリヤー積層材
JP2001106866A (ja) 酸素吸収性樹脂組成物
EP0836935B1 (en) Oxygen-absorbing thermoplastic resin composition featuring excellent preservation property
JPH0733475B2 (ja) 熱成形可能な酸素吸収性樹脂組成物
JP3969524B2 (ja) プラスチック多層構造体
JP3882234B2 (ja) 保存性に優れた酸素吸収性多層プラスチック容器
JPH1180555A (ja) 酸素吸収性樹脂組成物及び包装容器
JPH08118552A (ja) ガスバリヤー積層材
JPS61249750A (ja) 多層プラスチツク容器
JP3166817B2 (ja) 脱酸素性多層構造体及びこれよりなる包装体
JPH0490847A (ja) 酸素吸収剤及び該酸素吸収剤を用いた樹脂組成物並びに樹脂組成物からなるフィルム又はシート,包装用容器
JP2626482B2 (ja) 包装米飯の製造法
JPH06263172A (ja) 脱臭能を有する酸素バリアー性積層体
JP3962882B2 (ja) 脱酸素性樹脂組成物、これよりなるシート又はフィルム及び包装容器
JP3844021B2 (ja) 脱酸素性多層構造体及び包装容器
JPH07268140A (ja) 酸素吸収性樹脂組成物、シート、フィルムおよび酸素吸収性容器
JP2830739B2 (ja) 内容物保存性に優れた多層成形容器
JP3855617B2 (ja) 酸素吸収性積層体
JPH0460827B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020820

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071224

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081224

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081224

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091224

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091224

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101224

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101224

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111224

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121224

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees