JPH1170605A - 電子レンジ加熱用調理済み食品包装体 - Google Patents

電子レンジ加熱用調理済み食品包装体

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JPH1170605A
JPH1170605A JP9232519A JP23251997A JPH1170605A JP H1170605 A JPH1170605 A JP H1170605A JP 9232519 A JP9232519 A JP 9232519A JP 23251997 A JP23251997 A JP 23251997A JP H1170605 A JPH1170605 A JP H1170605A
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JP
Japan
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food
oxygen
layer
resin
container
Prior art date
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JP9232519A
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English (en)
Inventor
Hidetoshi Hatakeyama
秀利 畠山
Hirokazu Tanaka
宏和 田中
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 品質劣化なしに良好な風味を保持したまま長
期間の保存が可能であり、調理することなく電子レンジ
加熱のみで喫食できる食品包装体を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂中に脱酸素剤組成物を分散
した酸素吸収性樹脂からなる酸素吸収層を中間層とし、
中間層の外側にガスバリア性樹脂からなるガスバリア層
と、中間層の内側に酸素透過性樹脂からなる酸素透過層
とを配した脱酸素性多層体からなるフランジ付き容器に
食品を収納し、ガスバリア性の蓋材をフランジ部でヒー
トシールして密封した後、加熱滅菌処理することを特徴
とする電子レンジ加熱用調理済み食品包装体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子レンジ加熱用
食品の包装体に関する。更に詳しくは、脱酸素性多層体
からなるフランジ付き容器に食品を密封後加熱滅菌処理
を行い、喫食前に電子レンジで再度加熱する電子レンジ
加熱用調理済み食品包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波によって食品等を短時間に加
熱調理することができる電子レンジの普及に伴い、喫食
前に電子レンジで加熱加温する調理済み食品が増えてい
る。特に煮物、焼き物、揚げ物等の総菜類、赤飯、おこ
わ、スパゲッティ、焼きそば等の米穀加工品類などの調
理された食品は、家庭で調理する手間が省けるばかりで
はなく、家庭では容易に得られない素材や調理法を用い
た「プロの味」が手軽に食せるため広く普及している。
これらの電子レンジ加熱をする調理済み食品は、包装容
器をそのまま食器として使用できるように、トレイ、カ
ップ等の形状のフランジ付き容器に入れられ、開口部を
フィルム等の蓋材で覆い、フランジ部でヒートシールし
て密封した包装形態が多く用いられている。またこれら
は長期の保存性を付与する目的で、通常、ボイル処理や
レトルト処理等の熱水または水蒸気を用いた加熱滅菌処
理がなされている。一方、調理済み食品は長期の保存期
間中に酸化による風味劣化を受けやすいため、酸化劣化
を防止する目的で包装容器中にガスバリア性樹脂層、金
属箔層、金属蒸着膜層等の酸素を透過しにくい材質を配
することが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら電子レン
ジ加熱用食品包装体に関しては、上記の酸素を透過しに
くい何れの材質を容器中に配しても、それぞれに問題が
あり、最適なものを選ぶことができなかった。即ち、ガ
スバリア性樹脂層を配した容器では、電子レンジ加熱時
にマイクロ波の殆どはガスバリア性樹脂層を透過するた
め、容器内の調理済み食品の加熱は良好に行われるもの
の、ガスバリア性樹脂の酸素遮断性は完全ではなく、長
期の保存中に酸化劣化が徐々に進行してしまう。更に、
ガスバリア性樹脂の酸素遮断性は高温多湿条件下では大
幅に低下することがあるため、加熱滅菌時の風味低下も
大きいという問題があった。一方、金属箔層を配した容
器は、酸素等のガス透過性は実質的にゼロであり、内容
物の加熱滅菌時の風味低下と長期保存中の酸化劣化はと
もに大幅に小さくなる。とはいえ、包装容器内の酸素及
び食品内の溶存酸素による加熱時の酸化劣化は防げず、
食品の風味劣化を完全には防止できなかった。また金属
箔は電子レンジ加熱時にマイクロ波を遮断してしまうた
め、金属箔を配した容器は容器上部が開口状態にあって
も加熱ムラが発生しやすいという欠点があった。加え
て、電子レンジ加熱時に金属箔が帯電し、フランジ部な
どの容器端部と電子レンジ本体との間または容器端部同
士の間でスパークが発生する危険性があり、安心してマ
イクロ波加熱ができないという大きな問題があった。ま
た金属蒸着膜を配した容器は、マイクロ波により蒸着膜
がスパークして発火する危険性があり、電子レンジ加熱
には極めて不向きであった。つまり電子レンジ加熱用食
品包装体用として、従来の包装容器は、風味劣化防止と
電子レンジ加熱適性という、どちらも重要な2つの機能
を同時には満足させることができなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、熱可塑性樹脂中
に脱酸素剤組成物を分散した酸素吸収性樹脂からなる酸
素吸収層とガスバリア性樹脂からなるガスバリア層とを
主たる層構成とした脱酸素性多層体からなる容器は、脱
酸素剤組成物が金属粉を主剤としたものであってもマイ
クロ波を透過し優れた電子レンジ加熱適性が発揮される
という事実を見出し、更にはこの容器を電子レンジ加熱
用食品の容器として用いた場合には包装体の加熱殺菌処
理時や長期保存時に酸化による風味劣化が防止されて、
包装体中の調理済み食品の品質が良好に保持できること
を見出して、本発明を完成した。
【0005】即ち本発明は、熱可塑性樹脂中に脱酸素剤
組成物を分散した酸素吸収性樹脂からなる酸素吸収層を
中間層とし、中間層の外側にガスバリア性樹脂からなる
ガスバリア層と、中間層の内側に酸素透過性樹脂からな
る酸素透過層とを配した脱酸素性多層体からなるフラン
ジ付き容器に食品を収納し、ガスバリア性の蓋材をフラ
ンジ部でヒートシールして密封した後、加熱滅菌処理す
ることを特徴とする電子レンジ加熱用調理済み食品包装
体に関する。
【0006】本発明において電子レンジ加熱用調理済み
食品包装体とは、喫食前に容器ごと電子レンジに入れマ
イクロ波照射して加熱することを前提とした調理済み食
品の包装体である。この調理済み食品の種類は、喫食前
の再加熱で一層おいしく食べられる調理済み食品であれ
ばよく、煮物、焼き物、揚げ物、和え物等の各種惣菜
類、赤飯、おこわ、スパゲッティ、焼きそば等の各種米
穀加工品類、その他の調理済み食品、菓子類など広く挙
げることができる。尚、家庭では調理が困難または面倒
な食品、あるいは成分や風味の劣化を高度に防止したい
食品への適用が好ましく、乳幼児用のベビーフード類、
消化器、循環器の異常、アレルギー、肥満等の疾病対策
食品類、特定の栄養素、食物繊維、必須元素を強化した
強化食品類、健康食品及びペットフードへの適用が特に
好適である。
【0007】本発明の電子レンジ加熱用調理済み食品包
装体は、脱酸素機能を有する容器に滅菌処理され且つ脱
酸素した状態で上記の食品がパックされている包装体で
あり、品質劣化なしに良好な風味を保持したまま長期間
の保存が可能な上、調理することなく電子レンジ加熱の
みで喫食できる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における酸素吸収層は、熱
可塑性樹脂中に脱酸素剤組成物を分散した酸素吸収性樹
脂からなる層であり、脱酸素性多層体の中間層を形成し
て容器内部の酸素及び容器外部から侵入する酸素を吸収
する機能を有する。
【0009】脱酸素剤組成物としては、鉄、亜鉛、アル
ミニウム等の金属粉、アスコルビン酸化合物、不飽和結
合を有する各種脂肪族化合物、グリセリン化合物、ポリ
フェノール化合物等を主剤とした公知のものが使用でき
るが、酸素吸収性能が高く安定な鉄粉を主剤とする脱酸
素剤組成物が好ましく用いられる。鉄粉を主剤とする脱
酸素剤組成物とは、鉄粉と反応促進剤である電解質とか
らなるものである。両者の単なる混合物だと熱可塑性樹
脂中に分散した際に分離してしまい脱酸素機能が充分に
発揮されないので、鉄粉と反応促進剤とは一体化し粒状
化したものが好ましく、中でもハロゲン化金属を表面に
付着させた鉄粉(以下ではコーティング鉄粉と略称す
る)が特に好ましい。コーティング鉄粉の粒度は適宜選
ばれるが、酸素吸収層の厚みの制約や酸素吸収速度を高
く維持する関係から、1〜200μが好ましく、5〜1
00μがより好ましい。粒度が大きすぎると酸素吸収速
度が低下したり、酸素吸収層の平滑度合いに問題が生じ
る。粒度が小さすぎると取り扱い時に発火の危険性が生
じる。
【0010】酸素吸収性樹脂は、押出機等を使って熱可
塑性樹脂とコーティング鉄粉とを溶融混練し樹脂中にコ
ーティング鉄粉を分散させたものであり、これをフィル
ム状に加工して酸素吸収層を形成する。
【0011】熱可塑性樹脂としては、酸素透過性であ
り、押し出し成形加工がしやすいものが用いられる。例
えば、エチレン、プロピレン、ブタジエン、メチルペン
テン等の重合体または共重合体であるポリオレフィン及
びこれらの変性物、エラストマー等が好ましく用いられ
る。 また酸素吸収性樹脂には、有機系または無機系の
染料または顔料、分散剤、脱臭剤、酸化防止剤、アルカ
リ土類金属酸化物、各種無機フィラー等を添加しても良
い。
【0012】酸素吸収性樹脂中の脱酸素剤組成物の含有
率は20〜50重量%が好ましい。含有率が低すぎると
酸素吸収能力が不足して加熱滅菌処理中及び長期保存中
に外部から侵入してくる酸素の除去が不十分になり、含
有率が高すぎると脱酸素性多層体の加工性が低下する上
にコーティング鉄粉の分散不良に起因する放電過熱など
の電子レンジ加熱特性の不良が生じることがある。また
酸素吸収層の層厚みは10〜200μが好ましい。層厚
みが大きすぎると脱酸素性多層体の容器への熱成形性が
損なわれやすく、また層厚みが小さすぎると酸素吸収能
力が不足する。
【0013】本発明におけるガスバリア層は、酸素透過
度の小さいガスバリア性樹脂からなり、酸素吸収層の外
側に配置されて外部から侵入する酸素を最少に抑える役
割を果たす。ガスバリア性樹脂としては、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体、ポリアミド、塩化ビニリデ
ン、ポリビニルアルコール等が用いられる。中でも、加
熱滅菌時のガスバリア性能の低下が少なく且つ押し出し
成形性も優れていることから、ポリメタキシリレンアジ
パミドと非晶性ポリアミドのそれぞれ単独または混合樹
脂が好ましく用いられる。
【0014】本発明における酸素透過層は、酸素透過性
樹脂からなり、酸素吸収層の内側、好ましくは容器内の
食品に直接接する面(最内層)に配置されて収納食品を
脱酸素剤組成物から隔離して衛生性を確保すると共に、
酸素吸収層への効率良い酸素透過とヒートシール性とを
確保する役割を果たす。酸素透過性樹脂としては、エチ
レン、プロピレン、その他のα−オレフィンの重合体ま
たは共重合体であるポリオレフィン類およびこれらの変
性物、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート
等の熱可塑性樹脂が単独または組み合わせて用いられ
る。酸素透過層は、酸素透過を阻害する接着層を介在さ
せることなく、酸素吸収層と直接積層することが好まし
い。また、上記の役割を損なわない範囲内で着色染料ま
たは顔料、各種フィラー等を加えても良い。酸素透過層
の酸素透過度は100cc/m2 ・atm ・day 以上である
ことが好ましく、層の厚みは20〜200μが好まし
い。また蓋材とのヒートシール強度及び開封時のピール
強度を勘案し、酸素透過層は多層構成であっても良い。
【0015】本発明における脱酸素性多層体は、必須の
層構成として酸素透過層/酸素吸収層(中間層)/ガス
バリア層の3層を有するが、必要に応じて各種機能を付
加するための他の樹脂層を加える事ができる。付加する
層は用途や製法により適宜選択されるが、例えば、酸素
透過層/酸素吸収層(中間層)/接着層/ガスバリア層
/接着層/強度保持層なる構成が挙げられる。ここで、
接着層は層同士の積層のために設けられ、また強度保持
層は多層体の剛性を向上させると共に容器への熱成形性
の改善のために設けられる。脱酸素性多層体の製造に当
たっては、射出成形、押し出し成形、共押し出し成形、
押し出しラミネート、ドライラミネート、熱ラミネート
等の公知の樹脂積層技術が単独または組み合わせて採用
できる。
【0016】本発明における脱酸素性多層体からなるフ
ランジ付き容器は、シート状の脱酸素性多層体を用い
て、真空成形や圧空成形等の熱成形により所望の容器形
状に成形する方法等によって製造される。容器の形状は
外周部にヒートシールのためのフランジが設けられてい
れば特に制限はないが、商品性を考慮した場合にはトレ
イ、カップまたは鉢の形状が好ましい。尚、容器内部に
仕切を設け、複数の内容物を入れられるようにしても良
い。また容器端部では多層体の断面が露出するので、容
器の外観を保持するために、端部の折り返し、塗料やテ
ープによる被覆、型抜き時に多層体外層樹脂によって内
層を覆う工夫等により断面露出を避けることが望まし
い。
【0017】本発明におけるフランジ付き容器の蓋材
は、容器を密封し酸素の侵入を防止する役割をはたし、
例えばガスバリア層とシーラント層を有するガスバリア
性フィルムが用いられる。このガスバリア層には本発明
に関わる脱酸素性多層体のガスバリア層を構成する前記
のガスバリア性樹脂が用いられる他、アルミ箔等の金属
箔や金属あるいは金属酸化物を蒸着したプラスチックフ
ィルムも用いることができる。これは、食品包装体を電
子レンジで加熱する際に蓋材は除去して加熱することが
可能だからである。蓋材としては、本発明に関わる脱酸
素性多層体も使用できるが、脱酸素機能は必須の要件で
はなく、ガスバリア性能が高いこと特に加熱滅菌時の高
温高湿度下での耐久性がより重要である。蓋材は、酸素
透過度が加熱処理直後でも5CC/m 2 ・atm ・day 以下
であることが好ましい。この条件を満たすガスバリア性
材料としては、一部のエチレン−ビニルアルコール共重
合体フィルム(商品名エバールEF−CR等)、延伸ポ
リアミドフィルム、金属あるいは金属酸化物を蒸着した
プラスチックフィルム又は金属箔が挙げられる。蓋材の
シーラント層としては、エチレン、プロピレン等の重合
体または共重合体であるポリオレフィン類およびこれら
の変性物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
アクリル酸化合物共重合体、アイオノマー等の熱可塑性
樹脂が単独または混合して用いられる。
【0018】フランジ付き容器に食品を収納し、上記蓋
材をフランジ部でヒートシールして密封した後、ボイル
処理やレトルト処理等の加熱滅菌処理を行う。容器に収
納する食品は調理された食品であり、調理済みの状態で
もよいが、加熱滅菌の際の加熱で調理が完成するか又は
喫食前に電子レンジ加熱をすることで調理が完成するよ
うに半調理状態で容器に収納してもよい。加熱滅菌処理
の条件は、滅菌対象の菌の種類、食品成分の耐熱性、加
熱後の食感等を考慮して適宜決められるが、加熱温度に
ついては60℃〜140℃が好ましい。食品を容器に収
納し密封する際には、短時間で容器内を脱酸素状態にす
る必要があり、ヘッドスペースをできるだけ少なくした
り、窒素、二酸化炭素又は水蒸気で置換することが望ま
しい。また食品を収納密封後、直ちに加熱せずに放置時
間をとることで、容器の脱酸素機能により容器内の残存
酸素を予め吸収除去しておくことも有効である。
【0019】本発明の電子レンジ加熱用調理済み食品包
装体は、喫食前に電子レンジでマイクロ波加熱されるこ
とが特徴である。電子レンジ加熱により容器内の食品は
加熱ムラがなく、均一に加熱される。また容器が異常に
加熱されたり、スパークする危険もない。マイクロ波加
熱の条件は電子レンジの出力と加熱時間を調節すること
により適宜選ばれる。尚、使用するマイクロ波は245
0MHz 付近の周波数が一般的である。電子レンジ加熱時
には、加熱により発生する水蒸気を逃がすために、蓋材
を除去するか、蓋材に楊子等で穴を開けるか、または蓋
材シール部分の一部を剥がすことが通常は必要である
が、加熱温度が高くなければ蓋材をシールしたままでの
加熱も可能である。
【0020】
【実施例】実施例により本発明をより詳細に説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0021】〔実施例1〕多層共押し出し成形によって
得られた以下に示す構成の脱酸素性多層シートを圧空真
空成形して、内寸が縦68mm横68mm深さ25mmで第1
の層が容器外側となるフランジ付き角形トレイ(内容積
100cc)を作成した。 [構成] 第1の層:酸化チタン顔料8wt%含有エチレン−プロピ
レンブロック共重合体からなる強度保持層 第2の層:変性ポリオレフィン系樹脂からなる接着剤層 第3の層:ポリメタキシリレンアジパミドと非結晶性ポ
リアミドを1;1の重量割合で混合した混合樹脂からな
るガスバリア層 第4の層:変性ポリオレフィン系樹脂からなる接着剤層 第5の層:塩化カルシウム1.7wt%をコーティングし
た鉄粉からなる脱酸素剤組成物35wt%、酸化チタン顔
料5wt%及び酸化カルシウム1wt%を分散したエチレン
−プロピレンランダム共重合体からなる酸素吸収層 第6の層:酸化チタン顔料15wt%含有のエチレン/プ
ロピレンブロック共重合体からなる酸素透過層 各層厚み:第1の層/第2の層/第3の層/第4の層/
第5の層/第6の層=440μ/20μ/50μ/20
μ/150μ/150μ このトレイに調理済み離乳食用野菜煮95mlを充填した
のち、窒素ガスを吹き込みつつポリエチレンテレフタレ
ート(12μ)/アルミ箔(9μ)/ポリプロピレン
(50μ)からなるガスバリア性積層フィルムを蓋材と
して、ポリプロピレン層を容器フランジ部とヒートシー
ルして密封した。このものを125℃30分の条件でレ
トルト処理し、食品包装体を得た。レトルト処理の翌
日、内容物である離乳食用野菜煮に含まれるビタミンC
含量を液体クロマトグラフを用いて測定したところ、レ
トルト処理前の含有量の90%が残存していた。また、
容器内空間の酸素濃度をガスクロマトグラフにより測定
したところ、0.01vol %以下であった。一方、同様
にして得た別の包装体を、温度が25℃で湿度が50〜
60%の室内に6ヶ月間保存した後、蓋材フィルムを取
り去り、家庭用電子レンジ(出力500w)で40秒加
熱したところ、加熱ムラもなく均一に適温まで加温され
た。保存後の食品は、青菜、人参、ごぼうの色調が良好
に保たれており、風味も良好であった。上記と同様にし
てビタミンC含量を分析したところ、レトルト処理前の
含有量の85%が残存しており、色調と風味の保持性を
考慮すると、ビタミンA等その他の栄養素も良好に保持
されていると推定された。また、同じく6ヶ月間保存し
た包装体を、蓋材のアルミ箔からのスパークを防止する
ために電子レンジ中央部にレンジ器壁から充分な距離を
とって置き、蓋材フィルムを剥がさずに加熱したとこ
ろ、内容物は充分に加温された。
【0022】〔比較例1〕アルミ箔(100μ)の片面
にポリプロピレン(400μ)を積層接着しもう片面を
ラッカー塗装した積層シートをプレス成形して、内寸が
縦67mm横67mm深さ25mmでラッカー塗装面が容器外
側となるフランジ付きトレイ容器を作成した。この容器
を用いたこと以外は実施例1と同様にして離乳食用野菜
煮の保存テストを実施した。 レトルト処理の翌日にお
けるビタミンC含量の残存率は45%であり、容器内空
間の酸素濃度は4vol %であった。6ヶ月間保存後に蓋
材を取り去り、家庭用電子レンジ(出力500w)で4
0秒加熱したところ、電子レンジ内壁と容器フランジ端
との間でスパークの発生が見られた。また6ヶ月間保存
後のビタミンC含量の残存率は22%であり、離乳食用
野菜煮中の青菜、人参、ごぼうの色調がいずれも退色ま
たは褐変し、風味や香りが劣化していた。また、実施例
1と同様に蓋材フィルムを剥がさずに電子レンジ加熱し
た場合にはマイクロ波は容器内部に到達せず、内容物は
温まらなかった。
【0023】〔比較例2〕ポリプロピレン(350μ)
/接着剤(20μ)/エチレン−ビニルアルコール共重
合体(60μ)/接着剤(20μ)/ポリプロピレン
(350μ)からなるガスバリアー性多層シートを圧空
真空成形して、内寸が縦68mm横68mm深さ25mmのフ
ランジ付き角形トレイ(内容積100cc)を作成した。
この容器を用いたこと以外は実施例1と同様にして離乳
食用野菜煮の保存テストを実施した。レトルト処理の翌
日におけるビタミンC含量の残存率は20%であり、容
器内空間の酸素濃度は5vol %であった。6ヶ月間保存
後に蓋材を取り去り、家庭用電子レンジ(出力500
w)で30秒加熱したところ、問題なく加温された。し
かし6ヶ月間保存後のビタミンC含量の残存率は1%以
下であり、食品の色調劣化が激しく食味も大幅に低下し
ていて、商品価値が全くなくなっていた。
【0024】
【発明の効果】本発明の電子レンジ加熱用調理済み食品
包装体は、脱酸素機能を有する容器に滅菌処理され且つ
脱酸素した状態で調理済みの食品がパックされている包
装体であり、品質劣化なしに良好な風味を保持したまま
長期間の保存が可能な上、調理することなく電子レンジ
加熱のみで喫食できる。対象とする食品は、惣菜類、米
穀加工品類等の調理済み食品であり、家庭で調理する手
間が省けるばかりではなく、家庭では容易に得られない
素材や調理法を用いた「プロの味」が手軽に食せるグル
メ食品も対象となるため、優れた商品性が狙える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B65D 81/26 B65D 81/26 L 81/34 81/34 V

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂中に脱酸素剤組成物を分散
    した酸素吸収性樹脂からなる酸素吸収層を中間層とし、
    中間層の外側にガスバリア性樹脂からなるガスバリア層
    と、中間層の内側に酸素透過性樹脂からなる酸素透過層
    とを配した脱酸素性多層体からなるフランジ付き容器に
    食品を収納し、ガスバリア性の蓋材をフランジ部でヒー
    トシールして密封した後、加熱滅菌処理することを特徴
    とする電子レンジ加熱用調理済み食品包装体。
  2. 【請求項2】 脱酸素剤組成物が鉄粉を主剤としたもの
    であり、ガスバリア性樹脂がポリメタキシリレンアジパ
    ミドと非結晶性ポリアミドのそれぞれ単独又は混合樹脂
    であり、ガスバリア性の蓋材の酸素透過度が加熱処理直
    後でも5CC/m2 ・atm ・day 以下である請求項1記載
    の電子レンジ加熱用調理済み食品包装体。
  3. 【請求項3】 電子レンジ加熱用調理済み食品包装体中
    の食品が、ベビーフード、疾病対策食品、強化食品、健
    康食品又はペットフードの何れかである請求項1又は2
    記載の電子レンジ加熱用調理済み食品包装体。
JP9232519A 1997-08-28 1997-08-28 電子レンジ加熱用調理済み食品包装体 Pending JPH1170605A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000211080A (ja) * 1999-01-22 2000-08-02 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 酸素吸収性多層フィルム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000211080A (ja) * 1999-01-22 2000-08-02 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 酸素吸収性多層フィルム

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