JP4120712B2 - 脱酸素性多層容器 - Google Patents

脱酸素性多層容器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱酸素性多層シートを用いた包装容器の外周縁の切断面を改良した脱酸素性多層容器に関する。更に詳しくは、錆の露出を防ぐために、フランジ外周縁の切断面において酸素吸収樹脂層が他の樹脂層によっ隠蔽されたフランジ付き脱酸素性多層容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、物品の酸化腐食を防止する包装体として、脱酸素性能を備えた包装材料で包装体を構成することが考えられ、容器自体に脱酸素性能を備えた包装容器が開発されている。このうち、粉末または粒状の金属鉄を主成分とする脱酸素剤組成物を配合してなる酸素吸収樹脂層を中間層とした脱酸素性多層容器は、現在、無菌炊飯米等の包装容器として使用されている。この容器は、通常、酸素吸収樹脂層が中間層となるように共押出しにて製造された脱酸素性多層シートを真空成形することによって製造される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
通常、真空成形法により、熱可塑性シートから容器を製造する手順としては、熱可塑性シートをヒーター等により加熱、軟化させた後、その熱可塑性シートと金型の間を真空にしてシートと金型を密着させて成形し、これを冷却した後、所定の容器形状にトリミングする。
【0004】
脱酸素性多層シートから脱酸素性多層容器を製造する場合にも、先述の容器の製造工程を適用することができるが、フランジ付き脱酸素性多層容器を同様の方法で製造すると、脱酸素剤組成物を含む酸素吸収樹脂層がフランジの外周縁の切断面に肉眼で確認できる程度の厚みで露出する。
【0005】
そして、このようなフランジ付き脱酸素性多層容器からなる包装体を長期保存したり、レトルト処理やボイル処理等を行うと、酸化して錆びた脱酸素剤組成物がフランジ外周縁の切断面に露出し、包装体の外観が悪化する欠点がある。ところが、このようなフランジ外周縁の切断面に酸素吸収樹脂層が露出したフランジ付き脱酸素性多層容器であっても、特別な処理が施されることもなくそのまま使用されているのが現状である。
【0006】
本発明の目的は、上述した問題点を解決するために、フランジ付き脱酸素性多層容器のフランジ外周縁の切断面における酸素吸収樹脂層の露出を無くし、容器を長期保存したりレトルト処理やボイル処理を施しても、フランジ外周縁の切断面に見られる脱酸素剤に起因する錆を隠蔽して、常に良好な外観が維持できるフランジ付き脱酸素性多層容器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記のような問題点に鑑み、長期保存したりレトルト処理やボイル処理等を施しても良好な外観維持が可能なフランジ付き脱酸素性多層容器について鋭意研究を重ねた結果、例えば真空成形によって脱酸素性多層シートを成形し引続きトリミングしてフランジ付き脱酸素性多層容器を得る際に、酸素吸収樹脂層の上または下に位置する熱可塑性樹脂層がフランジ外周縁の切断面において酸素吸収樹脂層を隠蔽するようにトリミングすることで、従来、脱酸素性多層容器のフランジ外周縁の切断面に見られた酸素吸収樹脂層の露出を無くすことができ、酸素吸収樹脂層中の脱酸素剤が酸化されて発生する錆が隠されるため、長期に渡って良好な外観を維持することが可能になることを見い出した。
【0008】
すなわち、本発明は、酸素透過性の熱可塑性樹脂からなる隔離層(層1)と、酸素バリア性の熱可塑性樹脂からなるガスバリア層(層3)の間に、熱可塑性樹脂中に脱酸素剤組成物を分散した酸素吸収性樹脂からなる酸素吸収層(層2)を設けた三層以上からなる脱酸素性多層シートを用いたフランジ付き脱酸素性多層容器であって、フランジ外周縁の切断面において、層1または層3によって層2が隠蔽されていることを特徴とする脱酸素性多層容器に関する。
【0009】
また本発明の脱酸素性多層容器においては、層1及び層3の層厚みがそれぞれ脱酸素性多層シート厚みの10〜80%の範囲であり、さらに層2の層厚みが脱酸素性多層シート厚みの10〜50%の範囲であることが好ましい。この範囲内で各層の厚みを設定することにより、層1及び層3がフランジ外周縁の切断面において酸素吸収樹脂層である層2を完全に隠蔽することが可能となる。
【0010】
また本発明の脱酸素性多層容器においては、層2中の脱酸素剤組成物が水分の供給を受けて酸素吸収反応を生起する還元性物質を主剤とする粒状脱酸素剤組成物であることが好ましい。
【0011】
また本発明の脱酸素性多層容器においては、層2中における脱酸素剤組成物の含有量が10〜70重量%であることが好ましい。
【0012】
また本発明の脱酸素性多層容器は、層2を隠蔽する層1または層2を隠蔽する層3を構成するいずれの層の熱可塑性樹脂の、ビカット軟化点±40℃であり且つ融点を越えない範囲の温度に保持された、トリミング用抜き型を使用して裁断を行い脱酸素性多層容器の外周縁を形成することにより製造された脱酸素性多層容器であることが好ましい。この方法により製造された脱酸素性多層容器は、容器フランジ外周縁における切断面が、層1または層3により酸素吸収樹脂層である層2が隠蔽されたものとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明を図面に即して説明する。なお、以下の説明において、フランジ付き脱酸素性多層容器を単に容器ということがあり、脱酸素性多層シートを単にシートということがある。
【0014】
本発明における脱酸素性多層シートは、厚さが0.3mm〜5mmのものであり、図1に示すように、脱酸素剤組成物を配合した酸素吸収樹脂層を層2とし、酸素吸収樹脂層が被包装物と直接接触するのを確実に防ぐ隔離層の役割を果たすと共に効率良い酸素透過を行う層1と、外部からの酸素の進入を防ぎ且つ酸素吸収樹脂層の酸素吸収能力を維持する層3の、少なくとも3層以上の多層構造をなし、酸素吸収樹脂層である層2が中間層となっている。
【0015】
酸素透過性の隔離層である層1を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィンやその変性物、ポリスチレン、シリコン樹脂とのグラフト重合物、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、熱可塑性エラストマーのうち一種以上を用いることができる。層1の形態は上記樹脂の単層または多層のいずれであっても良く、またこれらの樹脂からなる不織布や微多孔を形成した微多孔膜を使用しても良い。なお、層1はその材料構成や形態は上記に限定されることはなく、様々な形態を採ることができる。
【0016】
層1の層厚みは薄いほど効率が良い酸素透過性が得られるが、成形加工性、容器とした場合における被保存物との隔離性、またトリミング後に容器フランジ外周縁の切断面において層2を隠蔽することを考慮すると、その層厚みはシート厚みの10〜80%とすることが好ましく、20〜70%であればより好ましい。なお、層1には隠蔽や着色のための顔料、ヒートシール性向上のための添加剤、充填剤、帯電防止剤、安定化剤、酸化防止剤等の各種添加剤を配合することができる。
【0017】
酸素吸収樹脂層である層2は熱可塑性樹脂に鉄粉を主剤とした脱酸素剤組成物を分散してなる樹脂組成物からなる。層2を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィンやその変性物、ポリスチレン、シリコン樹脂とのグラフト重合物、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、熱可塑性エラストマーのうち一種以上を用いることができる。なお、層2を構成する熱可塑性樹脂は例示したものに限定されることはなく、脱酸素剤組成物と混練しても脱酸素剤組成物が酸素を吸収できるものであれば用いることができる。さらに、層2には必要に応じて隠蔽や着色のための顔料、シラン系やチタネート系等の分散剤、ポリアクリル酸系化合物等の吸水剤、酸化防止剤、クレー、マイカ、シリカ、デンプン等の充填剤、活性炭等を添加することもできる。
【0018】
熱可塑性樹脂に配合される脱酸素剤組成物は、水分の供給を受けて脱酸素反応を生起する、いわゆる水分依存型と呼ばれる脱酸素剤組成物が用いられ、鉄粉及びハロゲン化金属からなる公知の脱酸素剤組成物を使用することができる。鉄粉としては、還元鉄粉、噴霧鉄粉等の各種製法で得られる鉄粉を使用することができ、鉄粉の粒径は平均粒径10〜50μmが好ましく、その最大粒子径は酸素吸収樹脂層の加工を考慮して制限を受ける。ハロゲン化金属としては、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、又は塩化バリウム等で例示されるアルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物の一種または二種以上が好ましく用いられる。
【0019】
層2を構成する脱酸素性樹脂組成物における脱酸素剤組成物の含有量は10〜70重量%が好ましく、20〜50重量%であればより好ましい。脱酸素剤組成物の含有量が10%より少ない場合には酸素吸収性能が低下し、また、70%より多い場合にはシートの加工性が悪化する。
【0020】
層2の厚みは脱酸素性多層シートの総厚みに対して10〜50%の範囲に設定することが好ましく、10〜40%であればより好ましい。層2の厚みをシート厚みの10%より薄く設定すると、容器の酸素吸収能力が低下する。また、層2の厚みをシート厚みの50%より厚く設定すると、容器フランジ外周縁の切断面において層2を層1や層3で完全に隠蔽することができず、容器の使用中に切断面に錆が発生し、外観が悪化する可能性が高い。
【0021】
ガスバリア層である層3を構成する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィンやその変性物、ポリスチレン、シリコン樹脂とのグラフト重合物、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、MXナイロン等の結晶性ポリアミドや非晶性ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンのうち一種以上を用いることができる。層3の形態は上記樹脂の単層または多層のいずれかであっても良く、また延伸加工したものを用いても良い。さらに、層3には隠蔽や着色のための顔料、充填剤、帯電防止剤、安定化剤、酸化防止剤等の各種添加剤を配合することができる。
【0022】
層3の層厚は厚いほど高いガスバリア性が得られるが、成形加工性、容器フランジ外周縁の切断面における層2の隠蔽を考慮すると、シート厚みの10〜80%とすることが好ましく、20〜80%とすればより好ましい。
【0023】
本発明では、前記のような構成を有する脱酸素性多層シートを用いて、例えば真空成形法によって層1を内側として成形を行い、所定の容器形状にトリミングして図2に示すようなフランジ付き脱酸素性多層容器を得る。尚、真空成形法としては、ストレート成形やプラグアシスト成形等の公知の方法を用いることができる。
【0024】
本発明では、容器フランジ外周縁の切断面において、酸素吸収樹脂層である層2を層1または層3によって隠蔽するようにトリミングを行う。その一例として、層1により層2を隠蔽する方法として、図3に示したように、層1側から、層1を構成する熱可塑性樹脂のビカット軟化点±40℃であり且つ融点を越えない範囲の温度に保持されたトリミング用の可動の抜き型を使用して裁断を行う。この方法によれば、軟化した層1が伸びてカッターの移動と共に層2を覆うため、容器フランジ外周縁において酸素吸収樹脂層である層2が層1によって隠蔽された脱酸素性多層容器を得ることができる。層3によって層2を隠蔽する場合は、層3側から、層3を構成する熱可塑性樹脂のビカット軟化点±40℃であり且つ融点を越えない範囲の温度に保持されたトリミング用の可動の抜き型を使用して先述の方法と同様の裁断を行えば良い。カッターの保持温度が該樹脂のビカット軟化点±40℃であり且つ融点を越えない温度範囲から外れた場合には、樹脂が伸びきれずに層2の隠蔽が不完全となるため、好ましくない。尚、この方法に限らず、中間層である酸素吸収樹脂層を隠蔽できる方法であれば、本発明の脱酸素性多層容器の製造方法として採用することができる。
【0025】
層2が層1または層3により隠蔽されることで、フランジ外周縁の切断面において、脱酸素剤組成物に起因する錆が露出することはなくなる。ただし、層1や層3に着色剤が添加されていない場合、錆が透けて見えることがある。このようなことを防ぐために、層1や層3に着色剤を添加することは容器の美観を整えることになり、本発明の脱酸素性多層容器に商品価値を付与する上で重要である。
【0026】
本発明のフランジ付き脱酸素性多層容器の使用に際しては、図4に示したように、被包装物を収納した後、バリア性を有するトップフィルムによってシールされる。このような形態をとることにより、容器内部の空間部や被包装物自体に存在する酸素が、被包装物と接する層1を透過して酸素吸収樹脂層である層2に吸収される。
【0027】
保存に適する被包装物としては、例えば、多水分食品や飲料、医薬品等が挙げられる。具体的には多水分食品としては、炊飯米、煮物や揚げ物等の惣菜類、和菓子やケーキ等の菓子類、ソーセージやハム等の畜肉加工品類等が挙げられる。飲料としては、オレンジジュース等のジュース類、日本酒やウイスキー等の酒類が挙げられる。医薬品としては輸液バッグ等が挙げられる。尚、本発明で得られる脱酸素性多層容器にて保存される物品は前記にて例示したものに限られず、様々な物品の保存に適用することができる。
【0028】
本発明のように、フランジ外周縁の切断面において酸素吸収樹脂層が隠蔽されたフランジ付き脱酸素性多層容器は、酸素吸収樹脂層が露出した部分が完全に無くなることから、容器表面に脱酸素剤組成物に起因する錆の露出が無くなる。そのため、本発明の脱酸素性多層容器を利用した包装体を、例えば、長期保存したり、レトルト処理やボイル処理等を施しても、外観を良好に保つことが可能となる。
【0029】
【実施例】
実施例1
平均粒径が35μmの鉄粉を加熱ジャケット付き真空混合乾燥機中に入れ、130℃、10mmHgの減圧下で加熱乾燥しつつ、鉄粉100重量部に対し、塩化カルシウム:塩化ナトリウム:水=1:1:5(重量部)の割合で混合した混合水溶液を噴霧し、塩化カルシウム及び塩化ナトリウムを鉄粉表面に付着させた粒状の脱酸素剤組成物を得た。次に、45mmΦの同方向回転二軸押出機にて、ポリプロピレン:脱酸素剤組成物=7:3の重量比で混合し、ブロワ付きネットベルトで冷却後、ペレタイザーを経て、脱酸素剤組成物配合ペレットを得た。
【0030】
第1〜第4押出機、フィードブロック、Tダイ、冷却ロール及びシート引取機からなる4種6層多層シート製造装置を用い、第1の押出機に酸化チタン添加ポリプロピレンのペレット(ビカット軟化点145℃、融点160℃)を、第2の押出機に前記脱酸素剤組成物配合ペレットを、第3の押出機にエチレン−ビニルアルコール共重合体を、第4の押出機に無水マレイン酸変成ポリプロピレンを入れ、各押出機から押し出して、脱酸素性多層シート(厚み600μm)を得た。この脱酸素性多層シートは、図1に示すように、白色顔料添加ポリプロピレンからなる層1(150μm)と、前記脱酸素剤組成物配合ペレットからなり、酸素吸収性能を有する層2(150μm)と、無水マレイン酸変成ポリプロピレンからなる層3−1(30μm)、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層3−2(40μm)、無水マレイン酸変成ポリプロピレンからなる層3−3(30μm)、白色顔料添加ポリプロピレンからなる層3−4(200μm)から構成される、酸素バリア性を有する層3(300μm)がこの順に積層されている。()内は膜厚を示す。
【0031】
次に、真空成形機を用いて、前記脱酸素性多層シートを層1を内側として約180℃でトレイ状にプラグアシスト成形した。次いで、フランジ形状の抜き型を備えたトリミング機を用い図3に示す方法によって、可動の抜き型を125℃に保持しながら成形シートを層1側から裁断し、図2に示すようなフランジ付きトレイ状容器(縦150mm×横100mm×深さ30mm、内容積350cc、フランジ幅10mm)を得た。フランジ外周縁の切断面は、層1によって層2が完全に隠蔽されていた。
【0032】
次に、トレイ状容器に関し、レトルト釜を使用して、120℃で30分間の加熱処理を行い、処理後のフランジ外周縁における切断面の外観を観察した。また、加熱処理を行わずに、トレイ状容器を室温にて120日間保存し、フランジ外周縁における切断面の外観の変化を観察した。結果を表1に示す。
【0033】
実施例2
脱酸素性多層シート(600μm)の各層厚みを、層1(60μm)、層2(150μm)、及び層3−1(20μm)、層3−2(40μm)、層3−3(20μm)、層3−4(310μm)から構成される層3(390μm)とした以外は、実施例1と同様にシート成形、真空成形、トリミングを行い、トレイ状容器を得た。フランジ外周縁の切断面は、層1によって層2が完全に隠蔽されていた。このトレイ状容器を用いて実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
【0034】
実施例3
脱酸素性多層シート(600μm)の各層厚みを、層1(90μm)、層2(240μm)、及び層3−1(20μm)、層3−2(40μm)、層3−3(20μm)、層3−4(190μm)から構成される層3(270μm)とした以外は、実施例1と同様にシート成形、真空成形、トリミングを行い、トレイ状容器を得た。フランジ外周縁の切断面は、層1によって層2が完全に隠蔽されていた。このトレイ状容器を用いて実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
【0035】
実施例4
抜き型の保持温度を150℃としたこと以外は、実施例1と同様にシート成形、真空成形、トリミングを行い、トレイ状容器を得た。フランジ外周縁の切断面は、層1によって層2が完全に隠蔽されていた。このトレイ状容器を用いて実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
【0036】
実施例5
成形されたシートを層3側から裁断したこと以外は、実施例1と同様にシート成形、真空成形、トリミングを行い、トレイ状容器を得た。フランジ外周縁の切断面は、層3−4によって層2が完全に隠蔽されていた。このトレイ状容器を用いて実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
【0037】
比較例1
抜き型の保持温度を25℃としたこと以外は、実施例1と同様にシート成形、真空成形、トリミングを行い、トレイ状容器を得た。フランジ外周縁の切断面は、層2が露出されていた。このトレイ状容器を用いて実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
【0038】
比較例2
脱酸素性多層シート(600μm)の各層厚みを、層1(60μm)、層2(350μm)、及び層3−1(20μm)、層3−2(40μm)、層3−3(20μm)、層3−4(110μm)から構成される層3(190μm)とした以外は、実施例1と同様にシート成形、真空成形、トリミングを行い、トレイ状容器を得た。フランジ外周縁の切断面は、層1による層2の隠蔽が不完全であり、層2の一部が露出されていた。このトレイ状容器を用いて実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0004120712
【0040】
表1に示すように、フランジ外周縁の切断面において酸素吸収樹脂層が隠蔽された本発明の実施例1乃至実施例5では、加熱処理を施した場合あるいは長期間室温で保存した場合に、フランジ外周縁の切断面に錆が全く見られず、良好な外観を保持することが認められた。これに対して、切断面に酸素吸収樹脂層が露出した比較例1や、層2が厚いために酸素吸収樹脂層が完全に隠蔽されていない比較例2では、加熱処理後にフランジ外周縁の切断面に錆が見られ、長期間室温で保存した場合においてもフランジ外周縁の切断面に錆が見られて、容器の外観が悪化することが認められた。
【0041】
【発明の効果】
本発明の脱酸素性多層容器は、長期保存したりレトルト処理やボイル処理を行った場合に、フランジ外周縁の切断面において酸素吸収樹脂層が他の樹脂層によって隠蔽されているために、酸素吸収樹脂層中の脱酸素剤組成物に起因する錆が全く見られず、良好な外観が維持できる。
従って、これまで脱酸素機能を必要としながらも、錆の発生による外観の悪化が原因で需要が広がらなかった分野においても、本発明の脱酸素性多層容器が有用に適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る脱酸素性多層シートの一態様の断面図
【図2】本発明に係る脱酸素性多層容器の一態様の断面図
【図3】本発明に係る脱酸素性多層容器の製造工程のうち、加熱されたトリミング用のカッターを使用し、フランジ外周縁の切断面に見られる層2を層1にて隠蔽する裁断工程の一態様の模式図。
【図4】本発明に係る脱酸素性多層容器に被包装物を収納してトップフィルムにて密封した包装容器の断面図
【符号の説明】
層1 隔離層
層2 酸素吸収層
層3 ガスバリア層
層3−1 接着剤層
層3−2 ガスバリア性樹脂層
層3−3 接着剤層
層3−4 熱可塑性樹脂層
1 本発明に係る脱酸素性多層容器
2 層2
3 可動の抜き型(加熱装置付き)
4 固定の抜き型
5 脱酸素性多層容器フランジ形成部
6 脱酸素性多層容器フランジ部の断面図
7 トップフィルム
8 本発明に係る脱酸素性多層容器
9 被包装物

Claims (4)

  1. 酸素透過性の熱可塑性樹脂からなる隔離層(層1)と、酸素バリア性の熱可塑性樹脂からなるガスバリア層(層3)の間に、熱可塑性樹脂中に脱酸素剤組成物を分散した酸素吸収性樹脂からなる酸素吸収層(層2)を設けた三層以上からなる脱酸素性多層シートを用いたフランジ付き脱酸素性多層容器であって、層1または層3を構成する熱可塑性樹脂のビカット軟化点±40℃であり且つ融点を越えない範囲の温度に保持されたトリミング用抜き型を使用して前記層1または層3の側から前記脱酸素性多層シートの裁断を行い、伸びた層1または層3によって層2が隠蔽された外周縁を形成する、脱酸素性多層容器の製造方法。
  2. 層1及び層3の層厚みがそれぞれ脱酸素性多層シート厚みの10〜80%の範囲であり、さらに層2の層厚みが脱酸素性多層シート厚みの10〜50%の範囲である請求項1記載の脱酸素性多層容器の製造方法
  3. 層2中の脱酸素剤組成物が水分の供給を受けて酸素吸収反応を生起する還元性物質を主剤とする粒状脱酸素剤組成物である請求項1記載の脱酸素性多層容器の製造方法
  4. 層2中における脱酸素剤組成物の含有量が10〜70重量%である請求項1記載の脱酸素性多層容器の製造方法
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