JP2006334784A - 酸素吸収性多層構造体及び包装容器 - Google Patents

酸素吸収性多層構造体及び包装容器 Download PDF

Info

Publication number
JP2006334784A
JP2006334784A JP2005158309A JP2005158309A JP2006334784A JP 2006334784 A JP2006334784 A JP 2006334784A JP 2005158309 A JP2005158309 A JP 2005158309A JP 2005158309 A JP2005158309 A JP 2005158309A JP 2006334784 A JP2006334784 A JP 2006334784A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxygen
multilayer structure
deodorizing
conjugated diene
absorbing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005158309A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4631546B2 (ja
Inventor
Shizuo Kitahara
静夫 北原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP2005158309A priority Critical patent/JP4631546B2/ja
Publication of JP2006334784A publication Critical patent/JP2006334784A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4631546B2 publication Critical patent/JP4631546B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Packages (AREA)

Abstract

【課題】 酸素吸収性に優れ、酸素吸収時に不快臭成分を発生することがなく、これを用いた包装容器内に不快臭を発生させたり、包装容器から外部に不快臭を発散させたりすることがない酸素吸収性多層構造体及びこの酸素吸収性多層構造体からなる包装容器を提供する。
【解決手段】 共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収層と、脱臭成分を含有する脱臭層とを、必須構成層として有してなる酸素吸収性多層構造体。脱臭成分が吸着剤に担持された塩基性脱臭剤であることが好ましく、塩基性脱臭剤がアミン等であることが好ましい。また、脱臭層が熱可塑性樹脂と脱臭成分とを必須構成成分とするものであることが好ましい。この酸素吸収性多層構造体からなる包装容器。
【選択図】 なし

Description

本発明は、酸素吸収性多層構造体及びこの酸素吸収性多層構造体からなる包装容器に関する。更に詳しくは、酸素吸収性に優れ、酸素吸収時に不快臭成分を発生することがなく、従って、これを用いた包装容器内に不快臭を発生させたり、包装容器から外部に不快臭を発散させたりすることがない酸素吸収性多層構造体、及びこの酸素吸収性多層構造体からなる包装容器に関する。
ポリオレフィンやポリスチレン等の包装性に優れた熱可塑性樹脂とエチレン−ビニルアルコール共重合体のような酸素不透過性に優れたガスバリアー性樹脂とからなる多層構造体が、食品包装等の分野において多用されている。
しかしながら、この多層構造体からなる包装容器も酸素の透過を十分には阻止できないことから、これらの包装容器を構成する各層中に更にネオデカン酸コバルト等の重金属系酸素捕捉剤等を配合することが行われている。
ところが、これらの酸素捕捉剤を使用することにより、酸素捕捉の効果は向上するものの、酸素捕捉時に新たに臭気成分が発生することが指摘されている。この臭気成分が、包装容器内に充満して包装容器を開いたときに不快感を与えたり、包装容器を透過して外部に漏れ、冷蔵庫等に同時に保管されている他の食品等に移行したりするという問題がある。
この臭気成分の問題を解決しようとする試みも報告されている。特許文献1には、酸素掃去剤として遷移金属塩を用いたガスバリア性樹脂組成物において、珪酸亜鉛、酸化亜鉛と明礬の組成物等の脱臭剤をガスバリア性樹脂層や熱可塑性樹脂層に含有させる方法が提案されている。
また、特許文献2には、遷移金属触媒と酸化性有機成分とを含有する酸素吸収性樹脂組成物に、アミン担持多孔質シリカとエチレン−ビニルアルコール共重合体等の熱可塑性樹脂とを含む樹脂組成物を臭気バリア層として設けた多層構造体が報告されている。
しかしながら、上記の多層構造体等においては、遷移金属塩等の反応により多種多様の臭気成分が発生するので、提案された臭気バリア層で全ての臭気成分を捕捉することはできない。
従って、これまで、酸素吸収と臭気成分の捕捉という両課題を同時に解決する方法は、見出されていない。
特開2001−106920号公報 特開2005−906号公報
従って、本発明の目的は、酸素吸収性に優れ、酸素吸収時に不快臭成分を発生することがなく、これを用いた包装容器内に不快臭を発生させたり、包装容器から外部に不快臭を発散させたりすることがない酸素吸収性多層構造体を提供することにある。本発明の他の目的は、この酸素吸収性多層構造体からなる包装容器を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収層を有する酸素吸収性構造体において、脱臭層を設けることによって上記課題を解決することができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収層と、脱臭成分を含有する脱臭層とを、必須構成層として有してなる酸素吸収性多層構造体が提供される。
本発明において、脱臭成分は吸着剤であることができる。
本発明において、脱臭成分は、また、塩基性脱臭剤であることができる。
本発明において、脱臭成分が、吸着剤に担持された塩基性脱臭剤であることが好ましい。
本発明において、塩基性脱臭剤が、アミノ基含有化合物であることが好ましい。
また、本発明の酸素吸収性多層構造体において、脱臭層が熱可塑性樹脂と脱臭成分とを必須構成成分とするものであることが好ましい。
また、本発明において、共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率が10重量%以上であることが好ましい。
本発明の酸素吸収性多層構造体は、更にガスバリア層を有することができる。
更に、本発明によれば、上記酸素吸収性多層構造体からなる包装容器が提供される。
本発明の酸素吸収性多層構造体においては、酸素吸収性成分から発生する臭気成分の種類が極めて少なく、従って、この臭気成分を容易に捕捉することができる。従って、本発明によれば、酸素吸収性に優れ、しかも、酸素吸収後に不快臭成分を残存させることがない酸素吸収性多層構造体を得ることができる。従って、この酸素吸収性多層構造体を用いた包装容器内において、不快臭が発生したり、包装容器から外部に不快臭を発散したりすることがない。
従って、本発明の酸素吸収性多層構造体及びこれからなる包装容器は、特に食品包装等の分野で有用である。
本発明の酸素吸収性多層構造体は、共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収層と脱臭層とを必須構成層として有してなる。
本発明において、酸素吸収層の有効成分である共役ジエン重合体環化物は、酸触媒の存在下に共役ジエン重合体を環化反応させて得られるものである。
共役ジエン重合体としては、共役ジエン単量体の単独重合体及び共重合体並びに共役ジエン単量体とこれと共重合可能な単量体との共重合体を使用することができる。
共役ジエン単量体は、特に限定されず、その具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン等が挙げられる。
これらの単量体は、単独で使用しても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
共役ジエン単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−ブロモスチレン、2,4−ジブロモスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル単量体;エチレン、プロピレン、1−ブテン等の鎖状オレフィン単量体;シクロペンテン、2−ノルボルネン等の環状オレフィン単量体;1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等の非共役ジエン単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等のその他の(メタ)アクリル酸誘導体;等が挙げられる。
これらの単量体は、単独で使用しても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
共役ジエン単量体の単独重合体及び共重合体の具体例としては、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム(BIR)等を挙げることができる。中でも、ポリイソプレンゴム及びポリブタジエンゴムが好ましく、ポリイソプレンゴムがより好ましい。
共役ジエン単量体とこれと共重合可能な単量体との共重合体の具体例としては、スチレン−イソプレンゴム(SIR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレン−イソブチレン共重合体ゴム(IIR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)等を挙げることができる。
中でも、重量平均分子量が1,000〜500,000の芳香族ビニル重合体ブロックと少なくとも一つの共役ジエン重合体ブロックとを有してなるブロック共重合体が好ましい。
共役ジエン重合体における共役ジエン単量体単位の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択されるが、通常、40モル%以上、好ましくは60モル%以上、更に好ましくは80モル%以上である。共役ジエン単量体単位の含有量が少なすぎると、適切な範囲の不飽和結合減少率を得ることが困難になる恐れがある。
共役ジエン重合体の重合方法は常法に従えばよく、例えば、チタン等を触媒成分として含むチーグラー系重合触媒、アルキルリチウム重合触媒又はラジカル重合触媒等の適宜な触媒を用いて、溶液重合又は乳化重合により行われる。
環化反応に用いる酸触媒としては、公知のものを使用することができる。その具体例としては、硫酸;フルオロメタンスルホン酸、ジフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸、これらの無水物及びアルキルエステル等の有機スルホン酸化合物;三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、塩化アルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、臭化アルミニウム、五塩化アンチモン、六塩化タングステン、塩化鉄等のルイス酸;等が挙げられる。これらの酸触媒は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。中でも、有機スルホン酸化合物が好ましく、p−トルエンスルホン酸及びキシレンスルホン酸がより好ましい。
酸触媒の使用量は、共役ジエン重合体100重量部当たり、通常、0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.3〜2重量部である。
環化反応は、通常、共役ジエン重合体を炭化水素溶媒中に溶解して行う。
炭化水素溶媒としては、環化反応を阻害しないものであれば特に限定されない。その具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素;等が挙げられる。これらの炭化水素溶媒の沸点は、70℃以上であることが好ましい。
共役ジエン重合体の重合反応に用いる溶媒と環化反応に用いる溶媒とは、同一であってもよい。この場合は、重合反応が終了した重合反応液に環化反応用の酸触媒を添加して、重合反応に引き続いて環化反応を行うことができる。
炭化水素溶媒の使用量は、共役ジエン重合体の固形分濃度が、通常、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%となる範囲である。
環化反応は、加圧、減圧及び大気圧のいずれの圧力下でも行うことができるが、操作の簡便性の点から大気圧下で行うことが望ましい。環化反応を、乾燥気流下、特に乾燥窒素や乾燥アルゴンの雰囲気下で行うと水分によって引き起こされる副反応を抑えることができる。
環化反応における反応温度や反応時間は、特に限定されない。反応温度は、通常、50〜150℃、好ましくは70〜110℃であり、反応時間は、通常、0.5〜10時間、好ましくは2〜5時間である。
環化反応を行った後、常法により、酸触媒を不活性化し、酸触媒残渣を除去し、次いで炭化水素溶媒を除去して、固形状の共役ジエン重合体環化物を得ることができる。
共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率は、10%以上であることが好ましく、より好ましくは40〜75%、更に好ましくは45〜70%である。共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率は、環化反応における酸触媒の量、反応温度及び反応時間等を適宜選択して調節することができる。
共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率が低すぎるとガラス転移温度が低くなり接着強度が低下する。逆に、不飽和結合減少率が余りに高すぎる共役ジエン重合体環化物は、その製造が困難であり、脆いものしか得られない。
本発明において、共役ジエン重合体環化物は、1種類を単独で使用してもよく、単量体組成、分子量、不飽和結合減少率、ゲル量等が異なる2種類以上を併用してもよい。
ここで、不飽和結合減少率は、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、不飽和結合が環化反応によって減少した程度を表す指標であり、以下のようにして求められる数値である。即ち、プロトンNMR分析により、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、全プロトンのピーク面積に対する二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積の比率を、環化反応前後について、それぞれ求め、その減少率を計算する。
いま、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、環化反応前の全プロトンピーク面積をSBT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSBU、環化反応後の全プロトンピーク面積をSAT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSAUとすると、
環化反応前の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SB)は、
SB=SBU/SBT
環化反応後の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SA)は、
SA=SAU/SAT
従って、不飽和結合減少率は、下記式により求められる。
不飽和結合減少率(%)=100×(SB−SA)/SB
共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィで測定される標準ポリスチレン換算値で、通常、1,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜700,000、より好ましくは30,000〜500,000である。共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量は、環化に供する共役ジエン重合体の重量平均分子量を適宜選択して調節することができる。
共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量が小さすぎると、成形し難く、機械的強度が低くなる恐れがある。共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量が大きすぎると、環化反応の際の溶液粘度が上昇して、取り扱い難くなると共に、成形時の加工性が低下する恐れがある。
共役ジエン重合体環化物のゲル(トルエン不溶分)量は、通常、10重量%以下、好ましくは5重量%以下であるが、実質的にゲルを有しないことが特に好ましい。ゲル量が多いと、成形時に加工性が低下して平滑なフィルムを得難くなる恐れがある。
本発明において、共役ジエン重合体環化物の加工時の安定性を担保するため、共役ジエン重合体環化物に酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤の量は、共役ジエン重合体環化物の重量に対して、通常、3,000ppm以下、好ましくは10〜2,000ppm、更に好ましくは50〜1,500ppmの範囲である。
但し、酸化防止剤の添加量が多すぎると酸素吸収性を低下させるので、加工時の安定性を考慮しながら、添加量を適宜調節することが肝要である。
酸化防止剤は、樹脂材料又はゴム材料の分野において通常使用されるものであれば、特に制限されない。このような酸化防止剤の代表的なものとしては、ヒンダードフェノール系、リン系及びラクトン系の酸化防止剤を挙げることができる。また、アミン系光安定化剤(HALS)を添加してもよい。これらの酸化防止剤は、2種以上を組み合わせて使用することもできる。特に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤との併用が好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリストールテトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、チオジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド〕、ジエチル〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ホスフォネート、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、ヘキサメチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−フェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート等を示すことができる。
リン系酸化防止剤としては、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、亜リン酸ビス〔2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル〕エチルエステル、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)〔1,1−ビフェニル〕−4,4’−ジイルビスホスホナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト等を示すことができる。
また、5,7−ジ−t−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン等とo−キシレンとの反応生成物であるラクトン系酸化防止剤を併用してもよい。
アミン系光安定化剤(HALS)としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなどが挙げられる。
共役ジエン重合体環化物には、そのほか、必要に応じて、通常添加される各種の化合物を配合してもよい。そのような化合物としては、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化チタン等の充填剤;粘着性付与剤(水添石油樹脂、水添テルペン樹脂、ひまし油誘導体、ソルビタン高級脂肪酸エステル、低分子量ポリブテン等);可塑剤(フタル酸エステル、グリコールエステル等);界面活性剤;レベリング剤;紫外線吸収剤;光安定剤;脱水剤;ポットライフ延長剤(アセチルアセトン、メタノール、オルト酢酸メチル等);ハジキ改良剤;等を挙げることができる。
酸素吸収層は、共役ジエン重合体環化物のみで構成してもよく、共役ジエン重合体環化物と熱可塑性樹脂とから構成してもよい。酸素吸収層に於ける熱可塑性樹脂の比率は、特に限定されないが、好ましくは、50重量%以下である。
熱可塑性樹脂の具体例としては、特に限定されるものではないが、オレフィン樹脂;ポリスチレン等の芳香族ビニル樹脂;ポリ塩化ビニル等のハロゲン化ビニル樹脂;ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール樹脂;フッ素樹脂;メタクリル樹脂等のアクリル樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12及びこれらの共重合体等のポリアミド樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリウレタン樹脂;等を挙げることができる。これらのうち、オレフィン樹脂が好ましい。
オレフィン樹脂は、α−オレフィンの単独重合体、2種以上のα−オレフィンの共重合体又はα−オレフィンとα−オレフィン以外の単量体との共重合体の何れであってもよく、また、これらの(共)重合体を変性したものであってもよい。
オレフィン樹脂の具体例としては、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンの単独重合体又は共重合体、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセンポリエチレン等のポリエチレン、ポリプロピレン、メタロセンポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン等のα−オレフィン単独重合体;エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体、例えば、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ポリブテン−1共重合体及びエチレン−環状オレフィン共重合体等;α−オレフィンを主体とする、α−オレフィンとカルボン酸不飽和アルコールとの共重合体及びその鹸化物、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等;α−オレフィンを主体とする、α−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸エステル又はα,β−不飽和カルボン酸等との共重合体、例えば、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体(エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等)、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体(エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等)等;ポリエチレンやポリプロピレン等のα−オレフィン(共)重合体をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性オレフィン樹脂;エチレンとメタクリル酸との共重合体等にNaイオンやZnイオン等を作用させたアイオノマー樹脂;これらの混合物;等を挙げることができる。
これらの樹脂のうち、ポリエチレン、ポリプロピレン並びにランダム及びブロック状のエチレン−プロピレン共重合体が好ましい。
本発明の酸素吸収性多層構造体において酸素吸収層は、本発明の効果を損なわない限り、共役ジエン重合体環化物以外の公知の酸素吸収性成分を含有していてもよい。共役ジエン重合体環化物以外の酸素吸収性成分の量は、酸素吸収性成分の全量(共役ジエン重合体環化物と共役ジエン重合体環化物以外の酸素吸収性成分との合計量)に対して、50重量%未満、好ましくは40重量%未満、更に好ましくは30重量%未満である。
本発明の酸素吸収性多層構造体は、酸素吸収層のほかに、脱臭成分を含有する脱臭層を必須構成層とする。
脱臭成分としては、公知のものを使用することができる。脱臭成分は、臭気成分を吸着作用によって捕捉する吸着剤であってもよく、また、化学反応等によって臭気成分を無臭成分に変化させる脱臭作用を有する脱臭剤であってもよい。また、吸着作用と脱臭作用とを兼ね備えるものであってもよい。
吸着剤は、有機吸着剤でも無機吸着剤でもよいが、耐熱性の観点からは、無機吸着剤が好ましい。
有機吸着剤の具体例としては、大豆粉、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等を挙げることができる。
無機吸着剤の具体例としては、天然ゼオライト、合成ゼオライト、シリカゲル、活性炭、添着活性炭、活性白土、活性酸化アルミニウム、クレー、珪藻土、カオリン、タルク、ベントナイト、酸化マグネシウム、酸化鉄、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、合成ハイドロタルサイト、二酸化珪素、セピオライト、雲母等の粘度鉱物、等を挙げることができる。
本発明において、脱臭剤としては、塩基性化合物が好適である。これは、本発明の酸素吸収層の有効成分である共役ジエン重合体環化物の酸素吸収作用は、先ず、共役ジエン重合体環化物の活性水素が引き抜かれてラジカルが発生し、次いで、このラジカルが酸素分子を捕捉してパーオキシラジカルとなり、このパーオキシラジカルが水素原子を引き抜くというサイクルを繰り返すという機構で進み、その結果、アルデヒドや酸といった酸性成分が発生すると考えられるからである。
塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物;水酸化鉄等のその他の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の脱臭成分を含有する炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩;等の無機塩基性化合物、アンモニア及びアミノ基又はイミノ基を含有する化合物(総称して「アミノ基含有化合物」という。);アミド基又はイミド基を含有する化合物(総称して「アミド基含有化合物」という。);尿素結合含有化合物;等の有機塩基性化合物を挙げることができる。
アミノ基含有化合物は、一価のアミンでも多価アミンでもよく、鎖状でも環状でもよく、水酸基やカルボキシル基等の官能基を有していてもよい。また、アミノ基は1級でも2級でも3級でもよい。アミノ基含有化合物の具体例としては、イソプロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、アリルアミン等の一価アミン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン(1,3−ジアミノプロパン)、1,2−ジアミノプロパン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、等の多価アミン;グリシン、アラニン、ザルコシン、グルタミン酸、アミノ安息香酸等のアミノ酸;ヒドロキシルアミン、メタノールアミン、エタノールアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール等の水酸基含有アミン;クロルアミン等のハロゲン含有アミン;エチレンイミン、モルホリン、ピペリジン、2−アミノ−4,5−ジシアノイミダゾール、プロリン、ヒドロキシプロリン、メラミン、グアニン等の環状アミン;その他ジシアンジアミド、炭酸グアニジン等を挙げることができる。
アミド基含有化合物としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、フタルイミド、スクシンイミド、ヒダントイン、バルビツール酸、イソシアヌル酸、α−アミノ−ε−カプロラクタム等を挙げることができる。
尿素結合含有化合物としては、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、アセチル尿素、グアニル尿素、アゾジカルボンアミド等を挙げることができる。
アミノ基含有化合物を初めとする塩基性化合物は、本発明の目的から、揮発性の低いものが好ましい。従って、アミノ基含有化合物も、不揮発性の各種化合物にアミノ基を導入した構造の化合物が好ましい。その一つの具体例として、アミノ基を有するシランカップリング剤を挙げることができる。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、下記式(1)で表されるものが好ましい。
N−X−SiR (OR3−n(1)
(式中、nは0、1又は2を表す。Xは炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖の2価の炭化水素基を表し、具体的には、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCH(CH)−、−CHCHCHCH−、−CHCH(CH)CH−、−CHCHCH(CH)−、−CHC(CH−、−CHCHCHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−、−CHCHCH(CH)CH−、−CHCHCHCH(CH)−、−CHC(CHCH−、−CHCHC(CH−等である。Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、具体的には、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH)CH等である。Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、具体的には、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH)CH等である。)
アミノ基を有するシランカップリング剤の好ましいものは、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランであり、特に衛生性の点でγ−アミノプロピルトリエトキシシランが好ましい。
本発明において、脱臭成分として、吸着剤に担持させた脱臭剤、中でも吸着剤に担持させた塩基性化合物、特に吸着剤に担持させたアミノ基含有化合物を好適に使用することができる。
その具体例としては、一般式HN(CNH)NH(但し、nは、0以上の整数である。)で表されるポリアミンを水酸化アルミニウムに担持させたアミン担持水酸化アルミニウム(東亜合成化学社製、商品名「ケスモンNS−231」等として市販されている。)、アミノ基含有シランカップリング剤等をシリカの表面に結合させたアミン担持シリカ、アミノ基含有シランカップリング剤等を多孔質シリカの表面に結合させたアミン担持多孔質シリカ等を挙げることができる。
アミン担持珪酸アルミニウムやアミン担持シリカは、その含水率を0.01〜5重量%とし、担持化合物量を0.02〜10ミリモル/gとするのが好ましい。
上記アミン担持珪酸アルミニウムの製法は、特に限定されるものではないが、一例として湿式法を示すことができる。この方法では、ポリアミン化合物を水等で希釈して珪酸アルミニウムと混合することによって、均一にポリアミン化合物を担持した珪酸アルミニウムを得ることができる。通常、珪酸アルミニウムに対して過剰量のポリアミン化合物を混合し、混合後に珪酸アルミニウムを純水で洗浄して、その表面に付着した過剰のポリアミン化合物を除去し、次いで、50〜120℃で乾燥する。
アミノ基を含有するシランカップリング剤によるシリカや多孔質シリカの表面処理方法は、特に限定されるものではなく、乾式法、スラリー法、スプレー法等の前処理法やインテグラルブレンド法等の公知の方法を用いることができる。シリカ表面を均一に処理できるという点で前処理法が好ましい。
シリカ又は多孔質シリカに担持するアミノ基を有するシランカップリング剤の量は、担体1gに対して、0.1〜1ミリモルであるのが好ましく、0.3〜0.8ミリモルであるのがより好ましい。
本発明の酸素吸収性多層構造体において、脱臭層は、脱臭成分のみで構成してもよいが、脱臭成分を樹脂中に分散した脱臭性樹脂層とするのが好ましい。
このとき、脱臭性樹脂層中の脱臭成分の量は、0.1〜5重量%であることが好ましい。
また、均一分散性を確保するために、脱臭成分の平均分散粒径が0.01〜50μmとするのが好ましく、0.01〜20μmがより好ましく、0.1〜5μmが特に好ましい。
脱臭層に用いる樹脂としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂であることが好ましく、熱可塑性樹脂としては、酸素吸収層に於ける熱可塑性樹脂として前述したものを示すことができる。熱可塑性樹脂の中でもオレフィン樹脂が好ましい。好ましいオレフィン樹脂としては、酸素吸収層において好ましく使用し得るものを挙げることができる。
本発明の酸素吸収層及び脱臭層を必須構成成分とする酸素吸収性多層構造体の一構成層として、ガスバリア層を設けることができる。
ガスバリア層は、酸素吸収性多層構造体の酸素吸収層側に設けても脱臭層側に設けてもよいが、酸素吸収性多層構造体から包装容器を形成したときに、包装容器外面を構成する側に設けることが好ましく、酸素吸収成分の酸素吸収作用に伴って発生する臭気成分の悪影響を阻止するという発明の目的からすると、酸素吸収層−脱臭層−ガスバリア層の順に構成するのが好ましい。
ガスバリア層を構成するための材料は、酸素、水蒸気等の気体透過性の低いものであれば、特に限定されず、金属、無機材料、樹脂等が用いられる。
金属としては、一般に気体透過性の低いアルミニウムが用いられる。金属は、箔としてこれを樹脂フィルム等に積層してもよく、蒸着によって樹脂フィルム等上に薄膜を形成してもよい。
無機材料としては、シリカやアルミナ等の金属酸化物が用いられ、これらの金属酸化物を単独で又は併用して、樹脂フィルム等に蒸着して用いられる。
樹脂は、ガスバリアー性では金属及び無機材料に及ばないものの、機械的性質、熱的性質、耐薬品性、光学的性質、並びに製造方法において多用な選択肢があり、これらの利点からガスバリア材として好ましく使用されている。本発明において、ガスバリア層に使用される樹脂は特に限定されず、良好なガスバリア性を有する樹脂であればいずれも使用することができるが、塩素を含まない樹脂を使用すると焼却処分時に有害ガスを発生することがないので好ましい。
これらのうち、樹脂フィルムに無機酸化物を蒸着した透明蒸着フィルムが好ましく用いられる。
ガスバリア層として用いられる樹脂の具体例としては、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、MXDナイロン(ポリメタキシリレンアジパミド)、及びこれらの共重合体等のポリアミド樹脂;ポリアラミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリアセタール樹脂;フッ素樹脂;ポリエーテル系、アジペートエステル系、カプロラクトンエステル系、ポリ炭酸エステル系等の熱可塑性ポリウレタン;ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化ビニル樹脂;ポリアクリロニトリル;α−オレフィンと酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等との共重合体、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体;ポリエチレンやポリプロピレン等のα−オレフィン(共)重合体をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性オレフィン樹脂;エチレンとメタクリル酸との共重合体等にNaイオンやZnイオン等を作用させたアイオノマー樹脂;これらの混合物;等を挙げることができる。これらのガスバリア層に酸化アルミニウムや酸化シリコン等の無機酸化物の蒸着を行うこともできる。
これらの樹脂は、ガスバリア性、強度や靭性や剛性等の機械的特性、耐熱性、印刷性、透明性、接着性等、所望の要求特性を勘案して、多層フィルムとする目的に応じて適宜選択することができる。これらの樹脂は、一種類を単独で用いてもよく、二種類以上を併用してもよい。
これらの中でも、溶融成形が可能で、高湿度下でのガスバリア性が良好な点から、エチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましい。
ガスバリア層として用いる樹脂には、熱安定剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;着色剤;顔料;中和剤;フタル酸エステル、グリコールエステル等の可塑剤;充填剤;界面活性剤;レベリング剤;光安定剤;アルカリ土類金属酸化物等の脱水剤;活性炭やゼオライト等の脱臭剤;粘着性付与剤(ひまし油誘導体、ソルビタン高級脂肪酸エステル、低分子量ポリブテン);ポットライフ延長剤(アセチルアセトン、メタノール、オルト酢酸メチル等);ハジキ改良剤;他の樹脂(ポリα−オレフィン等);等を配合することもできる。
また、必要に応じて、ブロッキング防止剤、防曇剤、耐熱安定剤、耐候性安定剤、滑剤、帯電防止剤、補強剤、難燃剤、カップリング剤、発泡剤、離型剤等を添加することができる。
酸化防止剤としては、共役ジエン重合体環化物に添加することができるものを同様に使用することができる。
ブロッキング防止剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、ゼオライト、でんぷん等を示すことができる。ブロッキング防止剤は、樹脂に練り込んでもよく、樹脂の表面に付着させてもよい。
防曇剤としては、ジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノパルミテート、ジグリセリンモノオレエート、ジグリセリンジラウレート、トリグリセリンモノオレエート等の高級脂肪酸グリセリド;ポリエチレングリコールオレエート、ポリエチレングリコールラウレート、ポリエチレングリコールパルミテート、ポリエチレングリコールステアレート等のポリエチレングリコール高級脂肪酸エステル:ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレン高級脂肪酸アルキルエーテル;等を挙げることができる。
滑剤としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;高級脂肪酸エステル;ワックス;等を挙げることができる。
帯電防止剤としては、高級脂肪酸のグリセリンエステルやソルビタンエステル、ポリエチレングリコールエステル等を挙げることができる。
補強剤としては、金属繊維、ガラス繊維、炭素繊維等を挙げることができる。
難燃剤としては、リン酸エステル、ハロゲン化リン酸エステル、ハロゲン化物等を挙げることができる。
カップリング剤としては、シラン系、チタネート系、クロム系、アルミニウム系カップリング剤を挙げることができる。
着色剤ないし顔料としては、フタロシアニン系、インジゴ系、キナクリドン系、金属錯塩系等の各種アゾ系顔料;塩基性及び酸性の水溶性染料;アゾ系、アントラキノン系及びペリレン系の油溶性染料;酸化チタン系、酸化鉄系、複合酸化物系等の金属酸化物;クロム酸塩系、硫化物系、ケイ酸塩系、炭酸塩系等のその他の無機顔料を挙げることができる。
発泡剤としては、塩化メチレン、ブタン、アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。
離型剤としては、ポリエチレンワックス、シリコーンオイル、長鎖カルボン酸、長鎖カルボン酸金属塩等を挙げることができる。
ガスバリア層の外側、つまり、酸素吸収性多層構造体から容器を構成したときの外側、に、耐熱性付与等の目的で、保護層を形成することができる。
保護層に用いる樹脂としては、高密度ポリエチレン等のエチレン重合体;プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体等のプロピレン重合体;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;等を挙げることができる。これらのうち、ポリアミド及びポリエステルが好ましい。
なお、ガスバリア層として、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、無機酸化物蒸着フィルム、塩化ビニリデン被覆フィルム等を使用した場合は、これらのガスバリア層が同時に保護層としても機能する。
本発明の酸素吸収性多層プラスチック構造体は、必要に応じて支持基材層を有していてもよい。
支持基材層を構成する材料としてはオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂;ナイロン6やナイロン6−ナイロン66共重合体等のポリアミド樹脂;天然繊維;合成繊維;これらを抄造して得られる紙;が用いられる。
支持基材層は、本発明の酸素吸収性多層プラスチック構造体から容器を構成したときに酸素吸収層の外側となる側に設けるのが好ましい。
本発明の酸素吸収性多層構造体の内層として、密封材層を設けることができる。
本発明の酸素吸収性多層構造体において、密封材層は、熱によって溶融して相互に接着する(ヒートシールされる)ことによって、酸素吸収性多層構造体から形成される包装容器に包装容器外部と遮断された空間を形成する機能を有し、かつ、包装容器内部において酸素吸収層と被包装物との直接接触を防ぎつつ酸素を透過させて酸素吸収層に吸収させる層である。
密封材層の形成に用いられるヒートシール性樹脂の具体例としては、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンの単独重合体、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、メタロセンポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン;エチレンとα−オレフィンとの共重合体、例えば、エチレン−プロピレン共重合体;α−オレフィンを主体とする、α−オレフィンと酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等との共重合体、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体;ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性オレフィン樹脂;エチレンとメタクリル酸との共重合体にNaイオンやZnイオンを作用させたアイオノマー樹脂;これらの混合物;等が挙げられる。
ヒートシール性樹脂には、必要に応じて、ガスバリア層として用いる樹脂と同様に各種の化合物を添加することができる。
本発明の多層構造体において、酸素吸収層、脱臭層、ガスバリア層、密封材層及び保護層は、いずれも、単一層であっても複数層であってもよく、複数層であるとき、それぞれ、同一であっても相異なるものであってもよい。
本発明の多層構造体において、酸素吸収層、脱臭層、ガスバリア層、密封材層、保護層等の各層間に接着剤樹脂からなる接着剤層を介在させることも可能である。接着剤層には、熱によって溶融し相互に融着し得る樹脂のフィルム又はシートを使用することができる。このような樹脂の具体例としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィンの単独重合体又は共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体;ポリエチレンやポリプロピレン等のα−オレフィン(共)重合体をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性オレフィン樹脂;エチレンとメタクリル酸との共重合体等にNaイオンやZnイオン等を作用させたアイオノマー樹脂;これらの混合物;等を挙げることができる。
本発明の酸素吸収性多層構造体の形状は、特に限定されず、フラットフィルム、シームレスチューブ等のいずれであってもよい。
本発明の酸素吸収性多層構造体において、酸素吸収層の厚みに特に制限はないが、通常、3〜100μm、好ましくは5〜80μmである。酸素吸収層の厚みがこの範囲内にあるとき、良好な酸素吸収性を発揮させることができ、また、経済性、材料の可撓性や柔軟性等の容器特性の観点からも好ましい。
また、脱臭層の厚みに特に制限はないが、通常、5〜50μm、好ましくは10〜40μmである。脱臭層の厚みがこの範囲内にあるとき、良好な脱臭性を発揮することができ、また、経済性、材料の可撓性や柔軟性等の容器特性の観点からも好ましい。
更に、ガスバリア層を設けるとき、その厚みに特に制限はないが、通常、5〜45μm、好ましくは10〜40μmである。酸素吸収層の厚みがこの範囲内にあるとき、良好なガスバリア性が得られ、また、経済性、材料の可撓性や柔軟性等の容器特性の観点からも好ましい。
本発明の酸素吸収性多層構造体において、全体の厚みは、用途によっても相違するが、通常、30〜7,000μm、好ましくは50〜5,000μmである。
本発明の酸素吸収性多層構造体は、公知の共押出方法(水冷式又は空冷式インフレーション法、T−ダイ押出し法(T−ダイ成形法))等により、各層を構成する共役ジエン重合体環化物、樹脂等を、溶融し、押出機から共押出することによって得ることができる。例えば、水冷式インフレーション法では、各樹脂を数台の押出機によりそれぞれ溶融加熱し、多層環状ダイから押出し、直ちに冷却水等の液状冷媒により急冷固化させてチューブ状原反とする。
押出し機としては、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー等の混練機を使用することができる。
本発明の酸素吸収性多層構造体の製造にあたっては、共役ジエン重合体環化物及び各層用樹脂の温度を160〜250℃とすることが好ましい。160℃未満では厚みむらや多層構造体の切断を生じ、250℃を超えると多層構造体の切断を引き起こす場合がある。より好ましくは、180〜230℃である。
酸素吸収性多層構造体製造時の多層構造体巻取り速度は、通常、2〜200m/分、好ましくは50〜100m/分である。巻取り速度が低すぎると生産効率が悪くなる恐れがあり、速すぎると多層構造体の冷却を十分に行うことができず、巻取り時に融着する場合がある。
本発明の酸素吸収性多層構造体からなるフィルムやシートの製造には、押出コート法やサンドイッチラミネーションを用いることができる。また、予め形成された各層のフィルムのドライラミネーションによって多層構造体とすることも可能である。
酸素吸収性多層構造体が延伸可能な材料からなり、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン等のように、延伸することによってフィルム特性が向上する場合は、共押出によって得られた酸素吸収性多層構造体を更に一軸又は二軸延伸することができる。必要であれば、更にヒートセットすることもできる。
延伸倍率は、特に限定されないが、通常、縦方向(MD)及び横方向(TD)に、それぞれ、1〜5倍、好ましくは、縦横方向に、それぞれ、2.5〜4.5倍である。
延伸は、テンター延伸方式、インフレーション延伸方式、ロール延伸方式等の公知の方法で行うことができる。延伸の順序は、縦横いずれが先でも構わないが、同時が好ましく、チューブラー同時二軸延伸法を採用してもよい。
また、本発明の酸素吸収性多層構造体の外層側には、例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄を通常の印刷法で表刷り印刷あるいは裏刷り印刷等を施すことができる。
本発明の酸素吸収性多層構造体から包装容器を形成することができる。包装容器の形態としては、ケーシング、パウチ類、ガゼット付きパウチ類、スタンディングパウチ類、ピロー包装袋等の袋状物等を示すことができる。多層構造体がフラットフィルムである場合は、通常の方法により成形して所望の形態の包装材料とすればよく、シームレスチューブの場合は、そのまま、ケーシングや袋状物とすればよい。
本発明の酸素吸収性多層構造体は、ビール、ワイン、フルーツジュース、炭酸ソフトドリンク、ウーロン茶、緑茶等の飲料;果物、ナッツ、野菜、肉製品、幼児食品、コーヒー、ジャム、マヨネーズ、ケチャップ、食用油、ドレッシング、ソース類、佃煮類、乳製品等の各種食品;その他の食品(弁当、惣菜類、餅、ラーメン等);接着剤、粘着剤等の化学品;化粧品;医薬品;ケミカルカイロ等の雑貨品;その他の物品;等の充填包装に好適に使用することができる。
以下に製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、各例中の部及び%は特に断りのない限り、質量基準である。
なお、各特性は、以下の方法により評価した。
〔共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量(Mw)〕
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーを用いて、ポリスチレン換算分子量として求める。
〔共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率〕
下記(i)及び(ii)の文献に記載された方法を参考にして、プロトンNMR測定により求める。
(i) M.A.Golub and J.Heller,Can.J.Chem.,
第41巻,937(1963).
(ii) Y.Tanaka and H.Sato,J.Polym.Sci:
Poly.Chem.Ed.,第17巻,3027(1979).
いま、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、環化反応前の全プロトンピーク面積をSBT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSBU、環化反応後の全プロトンピーク面積をSAT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSAUとすると、
環化反応前の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SB)は、
SB=SBU/SBT
環化反応後の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SA)は、
SA=SAU/SAT
従って、不飽和結合減少率は、下記式により求められる。
不飽和結合減少率(%)=100×(SB−SA)/SB
〔酸素吸収後の臭気〕
酸素吸収性多層構造体を100mm×400mmの大きさに裁断し、ヒートシーラーを用いて両端を熱融着し、袋を作成した。この内部の空気を完全に除去した後、改めて100ccの空気を封入して、40℃で10日間放置した後、袋を開封して、下記の基準に従って、5名のパネルメンバーによる袋内部の臭気の評価を行い、その評価点を平均する。評価点の小さい方が、より臭いが少ない。
全く臭いが感じられない・・・・・評価点 0
僅かに臭いが感じられる・・・・・評価点 1
少し酸臭が感じられる・・・・・・評価点 2
酸臭が強い・・・・・・・・・・・評価点 4
〔酸素吸収後の酸素濃度〕
酸素吸収性多層構造体を100mm×400mmの大きさに裁断し、両端をヒートシーラーを用いて熱融着し、袋を作成した。この内部の空気を完全に除去した後、改めて100ccの空気(酸素濃度20.7%)を封入して、40℃で10日間放置した後、袋内部の酸素濃度を、酸素濃度計(米国セラマテック社製、商品名「フードチェッカー HS−750」)を用いて測定する。
(製造例1:共役ジエン重合体環化物の製造及び共役ジエン重合体環化物酸素吸収性フィルムの製造)
攪拌機、温度計、還流冷却管及び窒素ガス導入管を備えた耐圧反応器に、10mm角に裁断したポリイソプレン(シス−1,4構造単位73%、トランス−1,4構造単位22%、3,4−構造単位5%、重量平均分子量124,000)300部を、シクロヘキサン700部とともに仕込み、反応器内を窒素置換した。内容物を75℃に加温して攪拌下でポリイソプレンをシクロヘキサンに完全に溶解した後、水分量150ppm以下のp−トルエンスルホン酸2.7部を15%トルエン溶液で投入し、内温が80℃を超えないように制御しながら、環化反応を行った。7時間反応を継続した後、25%炭酸ナトリウム水溶液4.12部を投入して反応を停止した。80℃で、共沸還流脱水により水を除去した後、孔径2μmのガラス繊維フィルターを用いて系中の触媒残渣を除去した。
得られた環化ポリイソプレンの溶液に、環化ポリイソプレンに対して、400ppmに相当する量の酸化防止剤テトラキス〔メチレン3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名「イルガノックス1010」)及び800ppmに相当する量のリン系酸化防止剤2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト(旭電化工業社製、商品名「アデカスタブHP−10」)を添加した後、溶液中のシクロヘキサンを留去し、更に真空乾燥を行ってトルエンを除去して、固形の環化ポリイソプレンAKを得た。得られた環化ポリイソプレンAKの不飽和結合減少率は61%であり、重量平均分子量は107,000であった。
得られた環化ポリイソプレンAKを、短軸混練押出機(池貝製作所製、池貝短軸混練押出機(40φ、L/D=25、ダイスφ=3mm、一穴))を使用して、シリンダー1の温度:140℃、シリンダー2の温度:150℃、シリンダー3の温度:160℃、シリンダー4の温度:170℃、ダイスの温度:170℃、回転数25rpmの混練条件で混練して、ペレット化し、環化ポリイソプレンAKのペレットakを得た。
この環化ポリイソプレンAKのペレットakから、Tダイ押出機及び二軸延伸試験装置(いずれも東洋精機製作所製)を用いて、幅100mm、厚さ20μmの酸素吸収性フィルムakfを得た。
(製造例2:脱臭剤配合樹脂組成物ペレット及び脱臭性フィルムの製造)
出口部分にストランドダイを装着した二軸押出機(東芝機械社製、商品名「TEM−35B」)を用いて低密度ポリエチレン樹脂(日本オレフィン社製、商品名「LC−600A」)98重量部に対して、アミン担持水酸化アルミニウム(東亜合成社製、商品名「ケスモンNS−231」)が2部となるように、粉体フィーダーによりサイドフィードして、スクリュー回転数100ppmで高真空ベントを行いながら、185℃でストランド状に押し出して脱臭剤配合樹脂組成物ペレットbを作製した。
この脱臭剤配合樹脂組成物ペレットbから、製造例1と同様にして、幅100mm、厚さ20μmの脱臭性フィルムbfを得た。
(製造例3:遷移金属配合酸素吸収性樹脂組成物C及びそのペレットの製造)
低密度ポリエチレン樹脂(日本ポリオレフィン社製、商品名「LC−600A」)95重量部に、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体(日本ゼオン社製、商品名「クインタック3451」)5重量部、及びコバルト量換算で350ppmのコバルト含有率14重量%のネオデカン酸コバルト(大日本インキ化学工業社製、商品名「DICNATE5000」)を、配合して、攪拌乾燥機(ダルトン社製)で予備混練後、ホッパーに投入した。次いで、出口部分にストランドダイを装着した二軸押出機(東芝機械社製、商品名「TEM−35B」)を用いて、スクリュー回転数100rpmで、真空ベント下、185℃でストランド状に押し出して、遷移金属配合酸素吸収性樹脂組成物Cのペレットcを作製した。
このペレットcから、製造例1と同様にして、幅100mm、厚さ20μmの酸素吸収性フィルムcfを得た。
(製造例4)
エチレン−ビニルアルコール共重合体(クラレ社製、商品名「EP−E105B」)から、製造例1と同様にして、幅100mm、厚さ20μmのガスバリアフィルムgfを押出成形した。
(実施例1、比較例1及び比較例2)
脱臭性フィルム、酸素吸収性フィルム及びガスバリアフィルムを表1に示す組み合わせでこの順序で重ね合わせて125℃に設定したホットラミネーター(Gmp Co.Ltd社製、商品名「EXCELAM II 355Q」)を用いてラミネーター接着させて、酸素吸収性多層構造体を得た。
これらの酸素吸収性多層構造体について、一定時間経過後の酸素濃度を測定し、酸素吸収後の臭気を観察した。
結果を、併せて、表1に示す。
Figure 2006334784
表1の結果から、本発明の酸素吸収性多層構造体は、酸素吸収性に優れ、酸素吸収後の臭気も少ないことが分かる(実施例1)。
共役ジエン重合体環化物に代えて、酸素吸収性成分として、遷移金属含有酸素吸収成分を使用した場合は、酸素吸収性に劣り、酸素吸収後の臭気も強いことが分かる(比較例1)。
また、脱臭成分を用いず、共役ジエン重合体環化物のみを用いた場合は、酸素吸収性には優れるものの、臭気が残ることが分かる(比較例2)。

Claims (9)

  1. 共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収層と、脱臭成分を含有する脱臭層とを、必須構成層として有してなる酸素吸収性多層構造体。
  2. 脱臭成分が、吸着剤である請求項1に記載の酸素吸収性多層構造体。
  3. 脱臭成分が、塩基性脱臭剤である請求項1に記載の酸素吸収性多層構造体。
  4. 脱臭成分が、吸着剤に担持された塩基性脱臭剤である請求項3に記載の酸素吸収性多層構造体。
  5. 塩基性脱臭剤が、アミノ基含有化合物である請求項3又は4に記載の酸素吸収性多層構造体。
  6. 脱臭層が熱可塑性樹脂と脱臭成分とを必須構成成分とするものである請求項1に記載の酸素吸収性多層構造体。
  7. 共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率が10重量%以上である請求項1に記載の酸素吸収性多層構造体。
  8. 更にガスバリア層を有する請求項1に記載の酸素吸収性多層構造体。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の酸素吸収性多層構造体からなる包装容器。
JP2005158309A 2005-05-31 2005-05-31 酸素吸収性多層構造体及び包装容器 Expired - Fee Related JP4631546B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005158309A JP4631546B2 (ja) 2005-05-31 2005-05-31 酸素吸収性多層構造体及び包装容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005158309A JP4631546B2 (ja) 2005-05-31 2005-05-31 酸素吸収性多層構造体及び包装容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006334784A true JP2006334784A (ja) 2006-12-14
JP4631546B2 JP4631546B2 (ja) 2011-02-16

Family

ID=37555746

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005158309A Expired - Fee Related JP4631546B2 (ja) 2005-05-31 2005-05-31 酸素吸収性多層構造体及び包装容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4631546B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011115984A (ja) * 2009-12-01 2011-06-16 Dainippon Printing Co Ltd 酸素吸収性積層フィルムおよび包装容器
JP2011131565A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Dainippon Printing Co Ltd 酸素吸収性積層フィルムおよび包装容器
JP2011157406A (ja) * 2010-01-28 2011-08-18 Kuraray Co Ltd 酸素吸収性樹脂組成物からの臭気成分の発生を抑制する方法
JP2012240329A (ja) * 2011-05-20 2012-12-10 Sumitomo Bakelite Co Ltd 積層フィルムおよび包装体
JP2013079085A (ja) * 2011-09-30 2013-05-02 Dainippon Printing Co Ltd シーラント、それを用いた積層体および電子レンジ用包装袋
JP2018199527A (ja) * 2013-05-31 2018-12-20 大日本印刷株式会社 Ptpブリスター用シート及びそれよりなるptpブリスター包装体
JP2019069817A (ja) * 2017-10-06 2019-05-09 宇部フィルム株式会社 鮮度保持用プラスチックフィルム及び包装材
JP2020069724A (ja) * 2018-10-31 2020-05-07 共同印刷株式会社 ガス吸収フィルム

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07227262A (ja) * 1994-02-15 1995-08-29 Sumitomo Chem Co Ltd 酸素吸収多層シート
JP2002067231A (ja) * 2000-09-01 2002-03-05 Kuraray Co Ltd 多層構造体
JP2003266619A (ja) * 2002-03-18 2003-09-24 Toyo Seikan Kaisha Ltd 酸素バリヤー性に優れた多層構造物
JP2004225015A (ja) * 2003-01-27 2004-08-12 Toyo Seikan Kaisha Ltd 低臭性酸素吸収性樹脂組成物及びこれを用いた低臭性酸素吸収性積層体
JP2005186060A (ja) * 2003-12-04 2005-07-14 Nippon Zeon Co Ltd 酸素吸収剤
JP2005230805A (ja) * 2004-01-23 2005-09-02 Nippon Zeon Co Ltd 酸素吸収剤
JP2006143864A (ja) * 2004-11-18 2006-06-08 Dainippon Printing Co Ltd 酸素吸収性フィルム及びそれを用いた積層体、包装用容器

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07227262A (ja) * 1994-02-15 1995-08-29 Sumitomo Chem Co Ltd 酸素吸収多層シート
JP2002067231A (ja) * 2000-09-01 2002-03-05 Kuraray Co Ltd 多層構造体
JP2003266619A (ja) * 2002-03-18 2003-09-24 Toyo Seikan Kaisha Ltd 酸素バリヤー性に優れた多層構造物
JP2004225015A (ja) * 2003-01-27 2004-08-12 Toyo Seikan Kaisha Ltd 低臭性酸素吸収性樹脂組成物及びこれを用いた低臭性酸素吸収性積層体
JP2005186060A (ja) * 2003-12-04 2005-07-14 Nippon Zeon Co Ltd 酸素吸収剤
JP2005230805A (ja) * 2004-01-23 2005-09-02 Nippon Zeon Co Ltd 酸素吸収剤
JP2006143864A (ja) * 2004-11-18 2006-06-08 Dainippon Printing Co Ltd 酸素吸収性フィルム及びそれを用いた積層体、包装用容器

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011115984A (ja) * 2009-12-01 2011-06-16 Dainippon Printing Co Ltd 酸素吸収性積層フィルムおよび包装容器
JP2011131565A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Dainippon Printing Co Ltd 酸素吸収性積層フィルムおよび包装容器
JP2011157406A (ja) * 2010-01-28 2011-08-18 Kuraray Co Ltd 酸素吸収性樹脂組成物からの臭気成分の発生を抑制する方法
JP2012240329A (ja) * 2011-05-20 2012-12-10 Sumitomo Bakelite Co Ltd 積層フィルムおよび包装体
JP2013079085A (ja) * 2011-09-30 2013-05-02 Dainippon Printing Co Ltd シーラント、それを用いた積層体および電子レンジ用包装袋
JP2018199527A (ja) * 2013-05-31 2018-12-20 大日本印刷株式会社 Ptpブリスター用シート及びそれよりなるptpブリスター包装体
US11534519B2 (en) 2013-05-31 2022-12-27 Dai Nippon Printing Co., Ltd. PTP blister sheet, and PTP blister pack formed from same
JP2019069817A (ja) * 2017-10-06 2019-05-09 宇部フィルム株式会社 鮮度保持用プラスチックフィルム及び包装材
JP2020069724A (ja) * 2018-10-31 2020-05-07 共同印刷株式会社 ガス吸収フィルム
JP7300257B2 (ja) 2018-10-31 2023-06-29 共同印刷株式会社 硫化水素吸収フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4631546B2 (ja) 2011-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4941292B2 (ja) 酸素吸収剤及び酸素吸収性多層体
JP5493270B2 (ja) 酸素吸収性バリアー樹脂組成物、これからなるフィルム、多層構造体及び包装容器
JP5446259B2 (ja) 酸素吸収性樹脂組成物、酸素吸収性バリア樹脂組成物、酸素吸収性成形体、この成形体からなる包装材料及び包装容器
JP4631546B2 (ja) 酸素吸収性多層構造体及び包装容器
JP5370145B2 (ja) 酸素吸収性樹脂組成物、酸素吸収性成形体、包装材料及び包装容器
JP5181671B2 (ja) 酸素吸収性ガスバリアー樹脂組成物及びこれを含有してなる酸素吸収性ガスバリアー構造体
JP4661790B2 (ja) 酸素吸収性多層フィルム、これからなる包装材料及び包装容器
JP4661789B2 (ja) 酸素吸収性多層シート、これからなる包装材料及び包装容器
US20080138549A1 (en) Oxygen-Absorbing Multilayer Film, Packaging Material Comprising the Same and Packaging Container
WO2007049739A1 (ja) 酸素吸収性樹脂組成物、酸素吸収性フィルム及び酸素吸収性多層体
JP4760142B2 (ja) 酸素吸収性多層チューブ
US20130030104A1 (en) Resin composition
JP5660052B2 (ja) 被加熱殺菌処理包装用樹脂組成物ならびに被加熱殺菌処理包装用フィルムおよびその製造方法
JP4682704B2 (ja) 酸素吸収性多層チューブ
JP5082848B2 (ja) 酸素吸収剤、酸素吸収性フィルム及び包装容器
JP2007119607A (ja) 酸素吸収性樹脂組成物、酸素吸収性フィルム並びに酸素吸収性多層体
JP2007119606A (ja) 酸素吸収性樹脂組成物、酸素吸収性フィルム並びに酸素吸収性多層体
JP2011184477A (ja) 包装用樹脂組成物および包装用フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080326

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101007

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101019

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131126

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees