JP4760142B2 - 酸素吸収性多層チューブ - Google Patents

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Description

本発明は、複数の層を重ね合わせて形成した酸素吸収性多層チューブに関する。更に詳しくは、酸素吸収性に優れ、内容物の品質を長期間に亘って良好に維持することができる酸素吸収性多層チューブに関する。
練りわさびや練りからしのような各種食品、化粧品、医薬品、練り歯磨き等の衛生材料、接着剤等の化学品等の容器として、チューブ状容器が広く用いられている。これらのチューブ状容器は、内容物の変質、特に酸素による変質を防止するために、古くは、ガスバリアー材層としてアルミニウム箔を含有してなるものが用いられていた。これらのチューブは、アルミニウムにより十分なガスバリアー性が得られるので特に医薬品等の容器として賞用されてきた。
ところが、近年、廃棄物処理の問題から、アルミニウム箔を積層した多層チューブは、エチレン−ビニルアルコール共重合体やメタキシリレンアジパミド等のガスバリアー性樹脂やシリカ蒸着熱可塑性樹脂フィルム等を用いたガスバリアー性樹脂積層多層チューブに代替される傾向にある。
しかしながら、アルミニウム箔をガスバリアー性樹脂に変更することにより、酸素ガス不透過性が低下する、つまり、酸素ガスが多層チューブ内部に透過しやすくなり、このため、内容物の変質が起こりやすくなることが判明した。
このため、多層チューブを構成する層の一つとして酸素吸収性層を設けることが提案されている。特許文献1には、還元鉄粉等の鉄粉や、鋳鉄、鋼材等の粉砕物や研削品を主剤とし、ハロゲン化金属やアルカリ剤を助剤とする酸素吸収剤を熱可塑性樹脂に分散させた酸素吸収剤層を有する脱酸素性多層チューブが開示されている。
しかしながら、これらの脱酸素性多層チューブは、用いられている酸素吸収剤の能力が十分ではないために、内容物の品質保持の点で問題がある。また、チューブを構成する樹脂層中に含まれる化合物がマイグレーションしたり内容物によって抽出されたりすることにより、内容物が汚染される恐れが皆無とは言えない。更に、容器に透明性が要求される場合には、鉄粉等を使用することによる透明性の低下は好ましくない。
特開2002−103490号公報
従って、本発明の目的は、酸素吸収性に優れ、内容物の品質を長期間に亘って良好に維持することができ、更には透明性に優れる酸素吸収性多層チューブを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収剤層を必須構成層として設けることにより、上記目的に適う酸素吸収性多層チューブが得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、内容物の注出口を有する口頸部と、この口頸部に繋がりその尾端をフィッシュテール状に成形した胴部とからなるチューブであって、少なくとも胴部が、その内側から外側に向けて以下の順に積層された内面樹脂層、共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収剤層、ガスバリアー材層及び表面樹脂層を必須構成層として有してなる酸素吸収性多層チューブが提供される。
本発明の酸素吸収性多層チューブにおいて、口頸部はその内側から外側に向けて以下の順に積層された内面樹脂層、共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収剤層、ガスバリアー材層及び表面樹脂層を必須構成層として有してなるものであることができる。
また、本発明の酸素吸収性多層チューブは、脱臭剤層を有していてもよい。
本発明において、共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率が10重量%以上であることが好ましい。
本発明によれば、酸素吸収性に優れ、内容物の品質を長期間に亘って良好に維持することができ、更には透明性に優れる酸素吸収性多層チューブが提供される。
本発明の酸素吸収性多層チューブは、練りわさびや練りからしのような各種食品、化粧品、医薬品、練り歯磨き等の衛生材料、接着剤等の化学品等の容器として好適である。
本発明の酸素吸収性多層チューブは、内容物の注出口を有する口頸部と、この口頸部に繋がりその尾端をフィッシュテール状に成形した胴部とからなるチューブであって、少なくとも胴部が、その内側から外側に向けて以下の順に積層された内面樹脂層、共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収剤層、ガスバリアー材層及び表面樹脂層を必須構成層として有してなる。
多層チューブの胴部は、多層チューブにおいて、内容物を保持する空間を形成するものであり、内容物の注出口を有する口頸部と繋がっており、他方、その尾部は、フィッシュテール状に形成されている。
胴部は、内面樹脂層、共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収剤層、ガスバリアー材層及び表面樹脂層がこの順で積層され、内面樹脂層をチューブの内側とする多層構造を有している。
内面樹脂層は、熱によって溶融して相互に接着する(ヒートシールされる)ことによって、酸素吸収性多層チューブ内にチューブ外部と遮断された空間を形成する機能を有し、かつ、多層チューブ内部において酸素吸収剤層と被収容物との直接接触を防ぎつつ酸素を透過させて酸素吸収剤層に吸収させる層である。
内面樹脂層の形成には、ヒートシール性樹脂が用いられる。ヒートシール性樹脂の具体例としては、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンの単独重合体、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、メタロセンポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン;エチレンとα−オレフィンとの共重合体、例えば、エチレン−プロピレン共重合体;α−オレフィンを主体とする、α−オレフィンと酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等との共重合体、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体;ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性オレフィン樹脂;エチレンとメタクリル酸との共重合体にNaイオンやZnイオン等を作用させたアイオノマー樹脂;これらの混合物;等が挙げられる。
ヒートシール性樹脂には、必要に応じて、酸化防止剤;粘着性付与剤(水添石油樹脂、水添テルペン樹脂、ひまし油誘導体、ソルビタン高級脂肪酸エステル、低分子量ポリブテン等);帯電防止剤;充填剤;可塑剤(フタル酸エステル、グリコールエステル等);界面活性剤;レベリング剤;耐熱安定剤;耐候性安定剤;紫外線吸収剤;光安定剤;脱水剤;ポットライフ延長剤(アセチルアセトン、メタノール、オルト酢酸メチル等);ハジキ改良剤;ブロッキング防止剤;防曇剤;滑剤;補強剤;難燃剤;カップリング剤;発泡剤;離型剤;着色剤;顔料;等を添加することができる。
内面樹脂層の膜厚は、多層チューブの層数に拘わらず、20〜200μmであることが好ましく、30〜150μmであることがより好ましい。内面樹脂層の膜厚がこの範囲にあるとき、その酸素透過性が適切なものとなり、多層チューブ内部の酸素が酸素吸収剤によって、良好に吸収される。
本発明において、酸素吸収剤層の有効成分である共役ジエン重合体環化物は、酸触媒の存在下に共役ジエン重合体を環化反応させて得られるものである。
共役ジエン重合体としては、共役ジエン単量体の単独重合体及び共重合体並びに共役ジエン単量体とこれと共重合可能な単量体との共重合体を使用することができる。
共役ジエン単量体は、特に限定されず、その具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン等が挙げられる。
これらの単量体は、単独で使用しても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
共役ジエン単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−ブロモスチレン、2,4−ジブロモスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル単量体;エチレン、プロピレン、1−ブテン等の鎖状オレフィン単量体;シクロペンテン、2−ノルボルネン等の環状オレフィン単量体;1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等の非共役ジエン単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等のその他の(メタ)アクリル酸誘導体;等が挙げられる。
これらの単量体は、単独で使用しても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
共役ジエン単量体の単独重合体及び共重合体の具体例としては、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム(BIR)等を挙げることができる。中でも、ポリイソプレンゴム及びポリブタジエンゴムが好ましく、ポリイソプレンゴムがより好ましい。
共役ジエン単量体とこれと共重合可能な単量体との共重合体の具体例としては、スチレン−イソプレンゴム(SIR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレン−イソブチレン共重合体ゴム(IIR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)等を挙げることができる。
中でも、重量平均分子量が1,000〜500,000の芳香族ビニル重合体ブロックと少なくとも一つの共役ジエン重合体ブロックとを有してなるブロック共重合体が好ましい。
共役ジエン重合体における共役ジエン単量体単位の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択されるが、通常、40モル%以上、好ましくは60モル%以上、更に好ましくは80モル%以上である。中でも、実質的に共役ジエン単量体単位のみからなるものが特に好ましい。共役ジエン単量体単位の含有量が少なすぎると、適切な範囲の不飽和結合減少率を得ることが困難になる恐れがある。
共役ジエン重合体の重合方法は常法に従えばよく、例えば、チタン等を触媒成分として含むチーグラー系重合触媒、アルキルリチウム重合触媒又はラジカル重合触媒等の適宜な触媒を用いて、溶液重合又は乳化重合により行われる。
環化反応に用いる酸触媒としては、公知のものを使用することができる。その具体例としては、硫酸;フルオロメタンスルホン酸、ジフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸、これらの無水物及びアルキルエステル等の有機スルホン酸化合物;三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、塩化アルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、臭化アルミニウム、五塩化アンチモン、六塩化タングステン、塩化鉄等のルイス酸;等が挙げられる。これらの酸触媒は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。中でも、有機スルホン酸化合物が好ましく、p−トルエンスルホン酸及びキシレンスルホン酸がより好ましい。
酸触媒の使用量は、共役ジエン重合体100重量部当たり、通常、0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.3〜2重量部である。
環化反応は、通常、共役ジエン重合体を炭化水素溶媒中に溶解して行う。
炭化水素溶媒としては、環化反応を阻害しないものであれば特に限定されない。その具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素;等が挙げられる。これらの炭化水素溶媒の沸点は、70℃以上であることが好ましい。
共役ジエン重合体の重合反応に用いる溶媒と環化反応に用いる溶媒とは、同一であってもよい。この場合は、重合反応が終了した重合反応液に環化反応用の酸触媒を添加して、重合反応に引き続いて環化反応を行うことができる。
炭化水素溶媒の使用量は、共役ジエン重合体の固形分濃度が、通常、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%となる範囲である。
環化反応は、加圧、減圧及び大気圧のいずれの圧力下でも行うことができるが、操作の簡便性の点から大気圧下で行うことが望ましい。環化反応を、乾燥気流下、特に乾燥窒素や乾燥アルゴンの雰囲気下で行うと水分によって引き起こされる副反応を抑えることができる。
環化反応における反応温度や反応時間は、特に限定されない。反応温度は、通常、50〜150℃、好ましくは70〜110℃であり、反応時間は、通常、0.5〜10時間、好ましくは2〜7時間である。
環化反応を行った後、常法により、酸触媒を不活性化し、酸触媒残渣を除去し、次いで炭化水素溶媒を除去して、固形状の共役ジエン重合体環化物を得ることができる。
共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率は、通常、10%以上、好ましくは40〜75%、より好ましくは45〜65%である。共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率は、環化反応における酸触媒の量、反応温度及び反応時間等を適宜選択して調節することができる。
共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率が低すぎるとガラス転移温度が低くなり接着強度が低下する。逆に、不飽和結合減少率が余りに高すぎる共役ジエン重合体環化物は、その製造が困難であり、脆いものしか得られない。
ここで、不飽和結合減少率は、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、不飽和結合が環化反応によって減少した程度を表す指標であり、以下のようにして求められる数値である。即ち、プロトンNMR分析により、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、全プロトンのピーク面積に対する二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積の比率を、環化反応前後について、それぞれ求め、その減少率を計算する。
いま、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、環化反応前の全プロトンピーク面積をSBT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSBU、環化反応後の全プロトンピーク面積をSAT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSAUとすると、
環化反応前の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SB)は、
SB=SBU/SBT
環化反応後の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SA)は、
SA=SAU/SAT
従って、不飽和結合減少率は、下記式により求められる。
不飽和結合減少率(%)=100×(SB−SA)/SB
共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィで測定される標準ポリスチレン換算値で、通常、1,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜700,000、より好ましくは30,000〜500,000である。共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量は、環化に供する共役ジエン重合体の重量平均分子量を適宜選択して調節することができる。
共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量が小さすぎると、フィルムに成形し難く、機械的強度が低くなる恐れがある。共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量が大きすぎると、環化反応の際の溶液粘度が上昇して、取り扱い難くなると共に、成形時の加工性が低下する恐れがある。
共役ジエン重合体環化物のゲル(トルエン不溶分)量は、通常、10重量%以下、好ましくは5重量%以下であるが、実質的にゲルを有しないことが特に好ましい。ゲル量が多いと、成形時に加工性が低下して平滑なフィルムを得難くなる恐れがある。
本発明において、共役ジエン重合体環化物は、1種類を単独で使用してもよく、単量体組成、分子量、不飽和結合減少率、ゲル量等が異なる2種類以上を併用してもよい。
本発明において、共役ジエン重合体環化物の加工時の安定性を担保するため、共役ジエン重合体環化物に酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤の量は、共役ジエン重合体環化物の重量に対して、通常、3,000ppm以下、好ましくは10〜2,000ppm、更に好ましくは50〜1,500ppmの範囲である。
但し、酸化防止剤の添加量が多すぎると酸素吸収性を低下させるので、加工時の安定性を考慮しながら、添加量を適宜調節することが肝要である。
酸化防止剤は、樹脂材料又はゴム材料の分野において通常使用されるものであれば、特に制限されない。このような酸化防止剤の代表的なものとしては、ヒンダードフェノール系、リン系及びラクトン系の酸化防止剤を挙げることができる。また、アミン系光安定化剤(HALS)を添加してもよい。これらの酸化防止剤は、2種以上を組み合わせて使用することもできる。特に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤との併用が好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリストールテトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、チオジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド〕、ジエチル〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ホスフォネート、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、ヘキサメチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−フェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート等を示すことができる。
リン系酸化防止剤としては、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、亜リン酸ビス〔2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル〕エチルエステル、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)〔1,1−ビフェニル〕−4,4’−ジイルビスホスホナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト等を示すことができる。
また、5,7−ジ−t−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン等とo−キシレンとの反応生成物であるラクトン系酸化防止剤を併用してもよい。
アミン系光安定化剤(HALS)としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなどが挙げられる。
共役ジエン重合体環化物には、そのほか、必要に応じて、通常添加される各種の化合物を配合してもよい。そのような化合物としては、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化チタン等の充填剤;粘着性付与剤(水添石油樹脂、水添テルペン樹脂、ひまし油誘導体、ソルビタン高級脂肪酸エステル、低分子量ポリブテン等);可塑剤(フタル酸エステル、グリコールエステル等);界面活性剤;レベリング剤;紫外線吸収剤;光安定剤;脱水剤;ポットライフ延長剤(アセチルアセトン、メタノール、オルト酢酸メチル等);ハジキ改良剤;等を挙げることができる。
酸素吸収剤層は、共役ジエン重合体環化物のみで構成してもよく、共役ジエン重合体環化物と熱可塑性樹脂とから構成してもよい。酸素吸収剤層に於ける熱可塑性樹脂の比率は、特に限定されないが、好ましくは、50重量%以下である。
熱可塑性樹脂の具体例としては、特に限定されるものではないが、オレフィン樹脂;ポリスチレン等の芳香族ビニル樹脂;ポリ塩化ビニル等のハロゲン化ビニル樹脂;ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール樹脂;フッ素樹脂;メタクリル樹脂等のアクリル樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12及びこれらの共重合体等のポリアミド樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリウレタン樹脂;等を挙げることができる。これらのうち、オレフィン樹脂が好ましい。
オレフィン樹脂は、α−オレフィンの単独重合体、2種以上のα−オレフィンの共重合体又はα−オレフィンとα−オレフィン以外の単量体との共重合体の何れであってもよく、また、これらの(共)重合体を変性したものであってもよい。
その具体例としては、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンの単独重合体又は共重合体、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、メタロセンポリエチレン、ポリプロピレン、メタロセンポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン;エチレンとα−オレフィンとの共重合体、例えば、ランダム及びブロック状のエチレン−プロピレン共重合体;α−オレフィンを主体とする、α−オレフィンと酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等との共重合体、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体;ポリエチレンやポリプロピレン等のα−オレフィン(共)重合体をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性オレフィン樹脂;エチレンとメタクリル酸との共重合体等にNaイオンやZnイオン等を作用させたアイオノマー樹脂;これらの混合物;等が挙げられる。
これらのうち、ポリエチレン、ポリプロピレン、ランダム及びブロック状のエチレン−プロピレン共重合体が好ましい。
本発明の酸素吸収性多層チューブにおいて酸素吸収剤層は、本発明の効果を損なわない限り、共役ジエン重合体環化物以外の公知の酸素吸収性成分を含有していてもよい。共役ジエン重合体環化物以外の酸素吸収性成分の量は、酸素吸収性成分の全量(共役ジエン重合体環化物と共役ジエン重合体環化物以外の酸素吸収性成分との合計量)に対して、50重量%未満、好ましくは40重量%未満、更に好ましくは30重量%未満である。
酸素吸収剤層の膜厚は、構成材料によらず、3〜100μmの範囲であることが好ましく、5〜80μmの範囲であることがより好ましい。酸素吸収剤層の厚みがこの範囲内にあるとき、良好な酸素吸収性を発揮させることができ、また、経済性、材料の可撓性や柔軟性等の容器特性の観点からも好ましい。
本発明の酸素吸収性多層チューブは、酸素吸収剤層のほかに、脱臭成分を含有する脱臭剤層を有していてもよい。脱臭層を設ける位置は、特に限定されないが、酸素吸収剤層とガスバリアー材層との間が好ましい。
脱臭成分としては、公知のものを使用することができる。脱臭成分は、臭気成分を吸着作用によって捕捉する吸着剤であってもよく、また、化学反応等によって臭気成分を無臭成分に変化させる脱臭作用を有する脱臭剤であってもよい。また、吸着作用と脱臭作用とを兼ね備えるものであってもよい。
吸着剤は、有機吸着剤でも無機吸着剤でもよいが、耐熱性の観点からは、無機吸着剤が好ましい。
有機吸着剤の具体例としては、大豆粉、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等を挙げることができる。
無機吸着剤の具体例としては、天然ゼオライト、合成ゼオライト、シリカゲル、活性炭、添着活性炭、活性白土、活性酸化アルミニウム、クレー、珪藻土、カオリン、タルク、ベントナイト、酸化マグネシウム、酸化鉄、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、合成ハイドロタルサイト、二酸化珪素、セピオライト、雲母等の粘度鉱物、等を挙げることができる。
本発明において、脱臭剤としては、塩基性化合物が好適である。これは、本発明の酸素吸収剤層の有効成分である共役ジエン重合体環化物の酸素吸収作用は、先ず、共役ジエン重合体環化物の活性水素が引き抜かれてラジカルが発生し、次いで、このラジカルが酸素分子を捕捉してパーオキシラジカルとなり、このパーオキシラジカルが水素原子を引き抜くというサイクルを繰り返すという機構で進み、その結果、アルデヒドや酸といった酸性成分が発生すると考えられるからである。
塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物;水酸化鉄等のその他の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の脱臭成分を含有する炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩;等の無機塩基性化合物、アンモニア及びアミノ基又はイミノ基を含有する化合物(総称して「アミノ基含有化合物」という。);アミド基又はイミド基を含有する化合物(総称して「アミド基含有化合物」という。);尿素結合含有化合物;等の有機塩基性化合物を挙げることができる。
アミノ基含有化合物は、一価のアミンでも多価アミンでもよく、鎖状でも環状でもよく、水酸基やカルボキシル基等の官能基を有していてもよい。また、アミノ基は1級でも2級でも3級でもよい。アミノ基含有化合物の具体例としては、イソプロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、アリルアミン等の一価アミン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン(1,3−ジアミノプロパン)、1,2−ジアミノプロパン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、等の多価アミン;グリシン、アラニン、ザルコシン、グルタミン酸、アミノ安息香酸等のアミノ酸;ヒドロキシルアミン、メタノールアミン、エタノールアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール等の水酸基含有アミン;クロルアミン等のハロゲン含有アミン;エチレンイミン、モルホリン、ピペリジン、2−アミノ−4,5−ジシアノイミダゾール、プロリン、ヒドロキシプロリン、メラミン、グアニン等の環状アミン;その他ジシアンジアミド、炭酸グアニジン等を挙げることができる。
アミド基含有化合物としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、フタルイミド、スクシンイミド、ヒダントイン、バルビツール酸、イソシアヌル酸、α−アミノ−ε−カプロラクタム等を挙げることができる。
尿素結合含有化合物としては、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、アセチル尿素、グアニル尿素、アゾジカルボンアミド等を挙げることができる。
アミノ基含有化合物をはじめとする塩基性化合物は、本発明の目的から、揮発性の低いものが好ましい。従って、アミノ基含有化合物も、不揮発性の各種化合物にアミノ基を導入した構造の化合物が好ましい。その一つの具体例として、アミノ基を有するシランカップリング剤を挙げることができる。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、下記式(1)で表されるものが好ましい。
N−X−SiR (OR3−n(1)
(式中、nは0、1又は2を表す。Xは炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖の2価の炭化水素基を表し、具体的には、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCH(CH)−、−CHCHCHCH−、−CHCH(CH)CH−、−CHCHCH(CH)−、−CHC(CH−、−CHCHCHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−、−CHCHCH(CH)CH−、−CHCHCHCH(CH)−、−CHC(CHCH−、−CHCHC(CH−等である。Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、具体的には、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH)CH等である。Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、具体的には、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH)CH等である。)
アミノ基を有するシランカップリング剤の好ましいものは、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランであり、特に衛生性の点でγ−アミノプロピルトリエトキシシランが好ましい。
本発明において、脱臭成分として、吸着剤に担持させた脱臭剤、中でも吸着剤に担持させた塩基性化合物、特に吸着剤に担持させたアミノ基含有化合物を好適に使用することができる。
その具体例としては、一般式HN(CNH)NH(但し、nは、0以上の整数である。)で表されるポリアミンを水酸化アルミニウムに担持させたアミン担持水酸化アルミニウム(東亜合成化学社製、商品名「ケスモンNS−231」等として市販されている。)、アミノ基含有シランカップリング剤等をシリカの表面に結合させたアミン担持シリカ、アミノ基含有シランカップリング剤等を多孔質シリカの表面に結合させたアミン担持多孔質シリカ等を挙げることができる。
アミン担持珪酸アルミニウムやアミン担持シリカは、その含水率を0.01〜5重量%とし、担持化合物量を0.02〜10ミリモル/gとするのが好ましい。
上記アミン担持珪酸アルミニウムの製法は、特に限定されるものではないが、一例として湿式法を示すことができる。この方法では、ポリアミン化合物を水等で希釈して珪酸アルミニウムと混合することによって、均一にポリアミン化合物を担持した珪酸アルミニウムを得ることができる。通常、珪酸アルミニウムに対して過剰量のポリアミン化合物を混合し、混合後に珪酸アルミニウムを純水で洗浄して、その表面に付着した過剰のポリアミン化合物を除去し、次いで、50〜120℃で乾燥する。
アミノ基を含有するシランカップリング剤によるシリカや多孔質シリカの表面処理方法は、特に限定されるものではなく、乾式法、スラリー法、スプレー法等の前処理法やインテグラルブレンド法等の公知の方法を用いることができる。シリカ表面を均一に処理できるという点で前処理法が好ましい。
シリカ又は多孔質シリカに担持するアミノ基を有するシランカップリング剤の量は、担体1gに対して、0.1〜1ミリモルであるのが好ましく、0.3〜0.8ミリモルであるのがより好ましい。
本発明の酸素吸収性多層チューブにおいて、脱臭剤層は、脱臭成分のみで構成してもよいが、脱臭成分を樹脂中に分散した脱臭性樹脂層とするのが好ましい。
このとき、脱臭性樹脂層中の脱臭成分の量は、0.1〜5重量%であることが好ましい。
また、均一分散性を確保するために、脱臭成分の平均分散粒径が0.01〜50μmとするのが好ましく、0.01〜20μmがより好ましく、0.1〜5μmが特に好ましい。
脱臭剤層に用いる樹脂としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂であることが好ましく、熱可塑性樹脂としては、酸素吸収剤層に於ける熱可塑性樹脂として上述したものを示すことができる。熱可塑性樹脂の中でもオレフィン樹脂が好ましい。好ましいオレフィン樹脂としては、酸素吸収剤層において好ましく使用し得るものを挙げることができる。
本発明の酸素吸収性多層チューブの一構成層として、ガスバリアー材層を設けることが必須である。
ガスバリアー材層は、酸素吸収性多層チューブにおいて、酸素吸収剤層と表面樹脂層との間に設ける。これにより、外部からの酸素その他のガスの透過を防ぎ、かつ、酸素吸収剤層による多層チューブ内部の酸素吸収効果を維持する。
ガスバリアー材層を構成するための材料は、酸素、水蒸気等の気体透過性の低いものであれば、特に限定されず、金属、無機材料、樹脂等が用いられる。廃棄物処理の観点等からは、樹脂又は無機材料の薄膜を表面に形成した樹脂が好ましい。
金属としては、一般に気体透過性の低いアルミニウムが用いられる。金属は、箔としてこれを樹脂フィルム等に積層してもよく、蒸着によって樹脂フィルム等上に薄膜を形成してもよい。
無機材料としては、シリカやアルミナ等の金属酸化物が用いられ、これらの金属酸化物を単独で又は併用して、樹脂フィルム等に蒸着して用いられる。
樹脂は、ガスバリアー性では金属及び無機材料に及ばないものの、機械的性質、熱的性質、耐薬品性、光学的性質、並びに製造方法において多用な選択肢があり、これらの利点からガスバリアー材として好ましく使用されている。本発明において、ガスバリアー材層に使用される樹脂は特に限定されず、良好なガスバリアー性を有する樹脂であればいずれも使用することができるが、塩素を含まない樹脂を使用すると焼却処分時に有害ガスを発生することがないので好ましい。
これらのうち、樹脂フィルムに無機酸化物を蒸着した透明蒸着フィルムが好ましく用いられる。
ガスバリアー材層として用いられる樹脂の具体例としては、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、MXDナイロン(ポリメタキシリレンアジパミド)、及びこれらの共重合体等のポリアミド樹脂;ポリアラミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリアセタール樹脂;フッ素樹脂;ポリエーテル系、アジペートエステル系、カプロラクトンエステル系、ポリ炭酸エステル系等の熱可塑性ポリウレタン;ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化ビニル樹脂;ポリアクリロニトリル;α−オレフィンと酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等との共重合体、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体;ポリエチレンやポリプロピレン等のα−オレフィン(共)重合体をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性オレフィン樹脂;エチレンとメタクリル酸との共重合体等にNaイオンやZnイオン等を作用させたアイオノマー樹脂;これらの混合物;等を挙げることができる。これらのガスバリアー材層に酸化アルミニウムや酸化シリコン等の無機酸化物の蒸着を行うこともできる。
これらの樹脂は、ガスバリアー性、強度や靭性や剛性等の機械的特性、耐熱性、印刷性、透明性、接着性等、所望の要求特性を勘案して、多層フィルムとする目的に応じて適宜選択することができる。これらの樹脂は、一種類を単独で用いてもよく、二種類以上を併用してもよい。
これらの中でも、溶融成形が可能で、高湿度下でのガスバリアー性が良好な点から、エチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましい。
ガスバリアー材層として用いる樹脂には、熱安定剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;着色剤;顔料;中和剤;フタル酸エステル、グリコールエステル等の可塑剤;充填剤;界面活性剤;レベリング剤;光安定剤;アルカリ土類金属酸化物等の脱水剤;活性炭やゼオライト等の脱臭剤;粘着性付与剤(ひまし油誘導体、ソルビタン高級脂肪酸エステル、低分子量ポリブテン);ポットライフ延長剤(アセチルアセトン、メタノール、オルト酢酸メチル等);ハジキ改良剤;他の樹脂(ポリα−オレフィン等);等を配合することもできる。
また、必要に応じて、ブロッキング防止剤、防曇剤、耐熱安定剤、耐候性安定剤、滑剤、帯電防止剤、補強剤、難燃剤、カップリング剤、発泡剤、離型剤等を添加することができる。
酸化防止剤としては、共役ジエン重合体環化物に添加することができるものを同様に使用することができる。
ブロッキング防止剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、ゼオライト、でんぷん等を示すことができる。ブロッキング防止剤は、樹脂に練り込んでもよく、樹脂の表面に付着させてもよい。
防曇剤としては、ジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノパルミテート、ジグリセリンモノオレエート、ジグリセリンジラウレート、トリグリセリンモノオレエート等の高級脂肪酸グリセリド;ポリエチレングリコールオレエート、ポリエチレングリコールラウレート、ポリエチレングリコールパルミテート、ポリエチレングリコールステアレート等のポリエチレングリコール高級脂肪酸エステル:ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレン高級脂肪酸アルキルエーテル;等を挙げることができる。
滑剤としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;高級脂肪酸エステル;ワックス;等を挙げることができる。
帯電防止剤としては、高級脂肪酸のグリセリンエステルやソルビタンエステル、ポリエチレングリコールエステル等を挙げることができる。
補強剤としては、金属繊維、ガラス繊維、炭素繊維等を挙げることができる。
難燃剤としては、リン酸エステル、ハロゲン化リン酸エステル、ハロゲン化物等を挙げることができる。
カップリング剤としては、シラン系、チタネート系、クロム系、アルミニウム系カップリング剤を挙げることができる。
着色剤ないし顔料としては、フタロシアニン系、インジゴ系、キナクリドン系、金属錯塩系等の各種アゾ系顔料;塩基性及び酸性の水溶性染料;アゾ系、アントラキノン系及びペリレン系の油溶性染料;酸化チタン系、酸化鉄系、複合酸化物系等の金属酸化物;クロム酸塩系、硫化物系、ケイ酸塩系、炭酸塩系等のその他の無機顔料を挙げることができる。
発泡剤としては、塩化メチレン、ブタン、アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。
離型剤としては、ポリエチレンワックス、シリコーンオイル、長鎖カルボン酸、長鎖カルボン酸金属塩等を挙げることができる。
ガスバリアー材層の膜厚は、構成材料によらず、5〜45μmの範囲であることが好ましく、10〜40μmの範囲であることがより好ましい。酸素吸収剤層の厚みがこの範囲内にあるとき、良好なガスバリアー性が得られ、また、経済性、材料の可撓性や柔軟性等の容器特性の観点からも好ましい。
酸素吸収性多層チューブにおいて、ガスバリアー材層の外側に表面樹脂層を設ける。
表面樹脂層の形成に使用する樹脂は、内面樹脂層−酸素吸収剤層−ガスバリアー材層−表面樹脂層の構成を有する多層積層体を丸めて、その重なり合った端部を溶着して筒状の胴部を形成する必要から、加熱により溶融して相互に融着することができ、押出成形が可能であるヒートシール性樹脂が好ましい。
また、多層チューブを各種容器として使用するときに内容物の表示等のために、グラビア印刷やフレキソ印刷等による印刷が可能であることが好ましい。
表面樹脂層の形成に用いる樹脂の具体例としては、内面樹脂層の形成に用いるものとして例示したものを挙げることができる。
表面樹脂層の膜厚は、構成材料によらず、5〜150μmの範囲であることが好ましく、10〜100μmの範囲であることがより好ましい。表面樹脂層の膜厚が上記範囲内にあるときに、十分な酸素吸収能力が発揮される。
本発明の酸素吸収性多層チューブにおいて、表面樹脂層の外側に、耐熱性付与等の目的で、保護層を形成することができる。
保護層に用いる樹脂としては、高密度ポリエチレン等のエチレン重合体;プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体等のプロピレン重合体;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;等を挙げることができる。これらのうち、ポリアミド及びポリエステルが好ましい。
本発明の酸素吸収性多層チューブにおいて、内面樹脂層、酸素吸収剤層、脱臭剤層、ガスバリアー材層、表面樹脂層及び保護層は、いずれも、単一層であっても複数層であってもよく、複数層であるとき、それぞれ、同一であっても相異なるものであってもよい。
本発明の酸素吸収性多層チューブにおいて、内面樹脂層、酸素吸収剤層、脱臭剤層、ガスバリアー材層、表面樹脂層及び保護層等の各層間に接着剤樹脂からなる接着剤層を介在させることも可能である。接着剤層には、熱によって溶融し相互に融着し得る樹脂のフィルム又はシートを使用することができる。このような樹脂の具体例としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィンの単独重合体又は共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体;ポリエチレンやポリプロピレン等のα−オレフィン(共)重合体をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性オレフィン樹脂;エチレンとメタクリル酸との共重合体等にNaイオンやZnイオン等を作用させたアイオノマー樹脂;これらの混合物;等を挙げることができる。
本発明の酸素吸収性多層チューブは、内容物を注出するための、上記胴部と繋がった口頸部を有する。
口頸部は、その内側から外側へ向けて、内面樹脂層、共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収剤層、ガスバリアー材層及び表面樹脂層を必須構成層として積層されたものであることが好ましい。
各層の構成に用いる材料は、上記胴部の構成について使用するものと同様の材料を使用することができる。
なお、口頸部は、その最内側にアルミカップを挿入固着したものであってもよい。
本発明の酸素吸収性多層チューブの製造方法は、従来公知の方法によればよく、例えば、押し出しラミネートや共押し出しラミネート、ドライラミネート等の方法で、内面樹脂層、共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収剤層、ガスバリアー材層及び表面樹脂層を必須構成層として有してなる酸素吸収性多層積層体を製造した後、これを丸めて、この多層積層体の両端部の外層である表面樹脂層の面と最内層である内面樹脂層の面とを重ね合わせ、その重ね合わせ端部を融着して筒状胴部を形成し、次に、この筒状胴部の一方の開口部の上部にチューブ容器を形成する肩部を常法により形成し、これにインジェクション成形により製造した口頸部を接合し、口頸部にキャップをとりつける方法により製造することができる。
また、共押し出しにより成形した上記酸素吸収性多層積層体を中間層とする多層チューブとインジェクションにより成形した口頸部とを接合する方法、又は、ダイレクト多層ブローにより酸素吸収層を中間層とする多層チューブを成形する方法等によってもよい。
本発明の酸素吸収性多層チューブには、例えば、マヨネーズ、味噌、からし、わさび、生姜、ニンニク等のすり下ろし香辛料等の調味料、ジャム、クリーム、バター、マーガリン、チョコレートペースト等のペースト状食品等の各種食品;医薬品;化粧クリーム、染毛剤、石鹸等の化粧品;練り歯磨き等の衛生材料;接着剤等の化学品;等、種々の物品を収納することができる。
以下に製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、各例中の部及び%は特に断りのない限り、質量基準である。
なお、各特性は、以下の方法により評価した。
〔共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量(Mw)〕
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーを用いて、ポリスチレン換算分子量として求める。
〔共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率〕
下記(i)及び(ii)の文献に記載された方法を参考にして、プロトンNMR測定により求める。
(i) M.A.Golub and J.Heller,Can.J.Chem.,
第41巻,937(1963).
(ii) Y.Tanaka and H.Sato,J.Polym.Sci:
Poly.Chem.Ed.,第17巻,3027(1979).
いま、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、環化反応前の全プロトンピーク面積をSBT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSBU、環化反応後の全プロトンピーク面積をSAT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSAUとすると、
環化反応前の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SB)は、
SB=SBU/SBT
環化反応後の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SA)は、
SA=SAU/SAT
従って、不飽和結合減少率は、下記式により求められる。
不飽和結合減少率(%)=100×(SB−SA)/SB
〔酸素吸収後の酸素濃度〕
酸素吸収性多層チューブを100mm×400mmの大きさに裁断し、両端をヒートシーラーを用いて熱融着し、袋を作成した。この内部の空気を完全に除去した後、改めて100ccの空気(酸素濃度20.7%)を封入して、25℃で14日間放置した後、袋内部の酸素濃度を、酸素濃度計(米国セラマテック社製、商品名「フードチェッカー HS−750」)を用いて測定する。
(製造例1:スチレン−イソプレンブロック共重合体環化物AK及びそのペレットakの製造)
攪拌機付きオートクレーブに、シクロヘキサン233部、スチレン25部、及び、n−ブチルリチウム0.113部(1.56モル/リットル濃度のヘキサン溶液で添加)を含むヘキサン溶液を仕込み、内温を60℃に昇温して30分間重合させた。スチレンの重合転化率は、ほぼ、100%であった。次いで、内温が75℃を超えないように制御しながら、イソプレン75部を60分間に亘って連続的に添加した。添加終了後、70℃で更に1時間反応させた。この時点の重合転化率は、ほぼ100%であった。
このようにして得られた重合溶液に、β−ナフタレンスルホン酸−ホルマリン縮合物のナトリウム塩0.016部を1%水溶液で添加して重合反応を停止して、ポリスチレンブロックとポリイソプレンブロックとからなるジブロック構造のスチレン−イソプレンブロック共重合体Aを得た。この一部を採取し、重量平均分子量を測定したところ、78,000であった。
上記スチレン−イソプレンブロック共重合体Aの溶液に、水分量150ppm以下のp−トルエンスルホン酸1.01部を15%トルエン溶液で投入し、75℃で6時間環化反応を行った。この後、炭酸ナトリウムを0.391部含む量の25%炭酸ナトリウム水溶液を投入して環化反応を停止した。80℃で、共沸還流脱水により水を除去した後、孔径2μmのガラス繊維フィルターを用いて系中の触媒残渣を除去した。
得られたスチレン−イソプレンブロック共重合体環化物AKの溶液に、スチレン−イソプレンブロック共重合体環化物AKに対して300ppmのヒンダードフェノール系酸化防止剤n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名「イルガノックス1076」)及び同じく600ppmのリン系酸化防止剤2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト(旭電化工業社製、商品名「アデカスタブHP−10」)を添加した後、溶液中のシクロヘキサンを留去し、更に真空乾燥を行ってトルエンを除去して、固形のスチレン−イソプレンブロック共重合体環化物AKを得た。得られたスチレン−イソプレンブロック共重合体環化物AKの不飽和結合減少率は50%であり、重量平均分子量は73,000であった。
得られたスチレン−イソプレンブロック共重合体環化物AKを、短軸混練押出機(池貝製作所製、池貝短軸混練押出機(40φ、L/D=25、ダイスφ=3mm、一穴))を使用して、シリンダー1の温度:140℃、シリンダー2の温度:150℃、シリンダー3の温度:160℃、シリンダー4の温度:170℃、ダイスの温度:170℃、回転数25rpmの混練条件で混練して、ペレット化し、スチレン−イソプレンブロック共重合体環化物AKのペレットakを得た。
(製造例2:ポリイソプレン環化物BK及びそのペレットbkの製造)
攪拌機、温度計、還流冷却管及び窒素ガス導入管を備えた耐圧反応器に、10mm角に裁断したポリイソプレン(シス−1,4構造単位73%、トランス−1,4構造単位22%、3,4構造単位5%、重量平均分子量144,000)300部を、シクロヘキサン700部とともに仕込み、反応器内を窒素置換した。内容物を75℃に加温して攪拌下でポリイソプレンをシクロヘキサンに完全に溶解した後、水分量が150ppm以下のp−トルエンスルホン酸2.85部を25%トルエン溶液として投入し、内温が80℃を超えない様に制御しながら、環化反応を行った。7時間反応を継続した後、25%炭酸ナトリウム水溶液4.4部を投入して反応を停止した。80℃で共沸還流脱水により水分を除去した後、孔径2μmのガラス繊維フィルターを用いて、系中の触媒残渣を除去して、ポリイソプレン環化物BKの溶液を得た。
得られたポリイソプレン環化物BKの溶液に、ポリイソプレンBKに対して300ppmのヒンダードフェノール系酸化防止剤n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名「イルガノックス1076」)及び同じく600ppmのリン系酸化防止剤2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト(旭電化工業社製、商品名「アデカスタブHP−10」)を添加した後、溶液中のシクロへキサンの一部を留去し、更に真空乾燥を行ってシクロヘキサン及びトルエンを除去して、固形状のポリイソプレン環化物BKを得た。
ポリイソプレン環化物BKの重量平均分子量は107,000、不飽和結合減少率は57%であった。
このポリイソプレン環化物BKを製造例1と同様の混練条件で混練して、ペレット化し、ポリイソプレン環化物BKのペレットbkを得た。
(製造例3:鉄系脱酸素剤配合樹脂組成物Cのペレットcの製造)
出口部分にストランドダイを装着した二軸押出機(東芝機械社製、商品名「TEM−35B」)を用いて、平均粒径30μmの還元鉄粉100重量部に対して、塩化カルシウム3重量部をコーティングした粒状の脱酸素剤40重量部と低密度ポリエチレン樹脂(日本オレフィン社製、商品名「LC−600A」)60重量部とを、スクリュー回転数100ppmで高真空ベントを行いながら、185℃でストランド状に押し出して鉄系脱酸素剤配合樹脂組成物Cのペレットcを作製した。
(多層シートの作成)
製造例1で製造したスチレン−イソプレンブロック共重合体環化物AKのペレットakを中間層とし、低密度ポリエチレン樹脂(日本ポリオレフィン社製、商品名「LC−600A」)を外層として、単軸押出機にTダイ及び二軸延伸試験装置(いずれも東洋精機製作所社製)を接続して押出成型し、中間層の厚さ20μm、両外層の厚さ50μmの二種三層(低密度ポリエチレン樹脂層−スチレン−イソプレンブロック共重合体環化物層−低密度ポリエチレン樹脂層)からなる多層シートを得た。
この多層シートに、厚さ12μmのエチレン/ビニルアルコール共重合体フィルム(クラレトレーディング社製、商品名「エバールEF−XL」)と厚さ150μmのポリエチレンシート(密度=0.92、日本ユニカー社製、商品名「NUC G5371」)とを、ホットロールラミネーターー(Gmp Co.Ltd社製、商品名「EXCELAM II 355Q」)を用いて、ラミネーター接着させて、低密度ポリエチレン樹脂層(内面樹脂層)−(スチレン−イソプレンブロック共重合体環化物AK)層(酸素吸収剤層)−低密度ポリエチレン樹脂層−(エチレン−ビニルアルコール共重合体)層(ガスバリアー材層)−低密度ポリエチレン樹脂層(表面樹脂層)の五層の構成を有する酸素吸収性多層積層体akfを得た。
また、スチレン−イソプレンブロック共重合体環化物AKのペレットakに代えてポリイソプレン環化物BKのペレットbk及び鉄系脱酸素剤配合樹脂組成物のペレットcを使用するほかは同様にして、それぞれ、酸素吸収性多層積層体bkf(本発明例)及びcf(比較例)を得た。
(実施例1)
上記酸素吸収性多層積層体akfを使用してラミネートチューブ容器を構成する積層シートを打ち抜き加工してブランク板を製造し、次いで、該ブランク板を、前記内面樹脂層が内側になるように丸めて、その重ね合わせ端部の背貼り部を215℃、3秒間、3Kg/cm2の熱溶着条件下にヒートシールして、直径35mm、高さ160mmのラミネートチューブの胴部となる円筒体を製造した。
次いで、この円筒体をチューブ容器整形用のマンドレルに装着し、高密度ポリエチレン98部及び乳白顔料(チタン白)2部からなる高密度ポリエチレン組成物を使用して、円錐台形状の肩部とそれに連続する細首の口頸部とからなる頭部を、該円筒体の一方の端部に、樹脂温度245℃で圧縮成形法により形成して、本発明に係る酸素吸収性多層チューブaktを作製した。
この酸素吸収性多層チューブaktの内部を酸素濃度20.7%の空気で置換した後、100ccの酸素濃度20.7%の空気を封入して、アルミニウム製のキャップを螺旋し、25℃で14日間保存した。この後、チューブ内の酸素濃度を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2)
酸素吸収性多層積層体akfに代えて、酸素吸収性多層積層体bkfを用いるほかは実施例1と同様にして、酸素吸収性多層チューブbktを得た。このチューブについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
酸素吸収性多層積層体akfに代えて、酸素吸収性多層積層体cfを用いるほかは実施例1と同様にして、酸素吸収性多層チューブctを得た。このチューブについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0004760142
表1の結果から、本発明の酸素吸収性多層チューブは、酸素吸収性に優れていることが分かる(実施例1及び実施例2)。
共役ジエン重合体環化物に代えて、酸素吸収性成分として、還元鉄含有酸素吸収成分を使用した場合は、酸素吸収性に劣ることが分かる(比較例1)。

Claims (4)

  1. 内容物の注出口を有する口頸部と、この口頸部に繋がりその尾端をフィッシュテール状に成形した胴部とからなるチューブであって、少なくとも胴部が、その内側から外側に向けて以下の順に積層された内面樹脂層、共役ジエン重合体環化物を有効成分とし、遷移金属触媒を含有しない酸素吸収剤層、ガスバリアー材層及び表面樹脂層を必須構成層として有してなる酸素吸収性多層チューブ。
  2. 口頸部がその内側から外側に向けて以下の順に積層された内面樹脂層、共役ジエン重合体環化物を有効成分とし、遷移金属触媒を含有しない酸素吸収剤層、ガスバリアー材層及び表面樹脂層を必須構成層として有してなる請求項1に記載の酸素吸収性多層チューブ。
  3. 更に脱臭剤層を有する請求項1又は2に記載の酸素吸収性多層チューブ。
  4. 共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率が10重量%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の酸素吸収性多層チューブ。
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