JP7300257B2 - 硫化水素吸収フィルム - Google Patents
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Description
ム、及びランタノイド元素から選ばれる少なくとも1種の金属を含む化合物又は塩を用いることが知られている。
〈態様1〉ガス吸収層及び第一の耐熱層を具備しており、
前記ガス吸収層が、ポリプロピレン系樹脂以外のオレフィン系熱可塑性樹脂、及び前記熱可塑性樹脂に分散している金属系化学吸収剤を含有しており、かつ
前記第一の耐熱層が、ポリプロピレン系樹脂で構成されている、
ガス吸収フィルム。
〈態様2〉前記ガス吸収層の前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレン系樹脂である、態様1に記載のガス吸収フィルム。
〈態様3〉前記ガス吸収層の前記ポリエチレン系樹脂が、エチレンと、カルボキシル基又はエステル基を有するエチレン系モノマーとの共重合体である、態様2に記載のガス吸収フィルム。
〈態様4〉前記ガス吸収層の前記共重合体が、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-ビニルアセテート共重合体である、態様3に記載のガス吸収フィルム。
〈態様5〉前記金属系化学吸収剤が、銅、コバルト、マンガン、鉄、ニッケル、亜鉛、銀、カルシウム、及びチタンからなる群より選択される少なくとも1つを含有している、態様1~4のいずれか一項に記載のガス吸収フィルム。
〈態様6〉前記ガス吸収層と前記第一の耐熱層との間に、ポリプロピレン系樹脂以外のオレフィン系熱可塑性樹脂で構成されている第一の緩衝層を更に具備している、態様1~5のいずれか一項に記載のガス吸収フィルム。
〈態様7〉前記第一の緩衝層の前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレン系樹脂である、態様6に記載のガス吸収フィルム。
〈態様8〉前記第一の緩衝層の前記ポリエチレン系樹脂が、エチレンと、カルボキシル基又はエステル基を有するエチレン系モノマーとの共重合体である、態様7に記載のガス吸収フィルム。
〈態様9〉前記第一の緩衝層の前記共重合体が、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-ビニルアセテート共重合体である、態様8に記載のガス吸収フィルム。
〈態様10〉前記ガス吸収層の前記第一の耐熱層と反対側に、第二の耐熱層を更に具備している、態様1~9のいずれか一項に記載のガス吸収フィルム。
〈態様11〉前記ガス吸収層と前記第二の耐熱層との間に、ポリプロピレン系樹脂以外のオレフィン系熱可塑性樹脂で構成されている第二の緩衝層を更に具備している、態様10に記載のガス吸収フィルム。
〈態様12〉態様1~11のいずれか一項に記載のガス吸収フィルム、及び基材層を有し、かつ
前記基材層が、前記ガス吸収層の、前記第一の耐熱層と反対側に積層されている、
包装用積層体。
〈態様13〉前記基材層が、バリア層及び基材樹脂層を有し、かつ
前記バリア層の、前記ガス吸収層と反対側に、基材樹脂層を更に具備している、態様12に記載の包装用積層体。
〈態様14〉態様12又は13に記載の包装用積層体を1枚又は複数枚具備しており、かつ
1枚又は複数枚の前記包装用積層体の前記第一の耐熱層側の一部がこの包装用積層体の他の部分又は他のフィルムとヒートシールされていることによって袋状にされている、
包装袋。
図1(a)に示すように、本発明のガス吸収フィルム10aは、
ガス吸収層12及び第一の耐熱層14を具備しており、
ガス吸収層12が、ポリプロピレン系樹脂以外のオレフィン系熱可塑性樹脂、及び熱可塑性樹脂に分散している金属系化学吸収剤を含有しており、かつ
第一の耐熱層14が、ポリプロピレン系樹脂で構成されている。
ガス吸収層は、ポリプロピレン系樹脂以外のオレフィン系熱可塑性樹脂、及び熱可塑性樹脂に分散している金属系化学吸収剤を含有している。
オレフィン系熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン系樹脂以外のオレフィン系熱可塑性樹脂である。オレフィン系熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン系樹脂が挙げられる。ポリエチレン系樹脂は、耐熱性には劣るものの、加工性に優れていることから好ましい。
金属系化学吸収剤は、銅、コバルト、マンガン、鉄、ニッケル、亜鉛、銀、カルシウム、及びチタンからなる群より選択される少なくとも1つを含有していてよく、特にこれらの単体又は化合物、特にこれらの塩、より特にこれらのケイ酸塩であってよい。
第一の耐熱層は、ポリプロピレン系樹脂で構成されている層である。第一の耐熱層を、ガス吸収層と別体として設けることにより、ポリプロピレン系樹脂と金属系化学吸収剤との直接的な接触を抑制し、その結果、ガス吸収フィルムの脆化を抑制することができる。
本明細書において、ポリプロピレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にプロピレン基の繰返し単位を、50mol%超、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂である。かかるポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン(PP)ホモポリマー、ランダムポリプロピレン(ランダムPP)、ブロックポリプロピレン(ブロックPP)、塩素化ポリプロピレン、カルボン酸変性ポリプロピレン、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
第一の緩衝層は、ポリプロピレン系樹脂以外のオレフィン系熱可塑性樹脂で構成されている層である。耐熱層と吸収層との間に、かかる第一の緩衝層を設けることにより、金属系化学吸収剤とポリプロピレン系樹脂との直接的な接触を防止し、その結果、ガス吸収フィルムの脆化を更に抑制することができる。
第二の耐熱層は、ポリプロピレン系樹脂で構成されている層である。第二の耐熱層を構成するポリプロピレン系樹脂、及び第二の耐熱層の厚さは、第一の耐熱層と同一であってもよく、又は異なっていてもよい。
第二の緩衝層は、ポリプロピレン系樹脂以外のオレフィン系熱可塑性樹脂で構成されている層である。第二の緩衝層を構成する熱可塑性樹脂、及び第二の緩衝層の厚さは、第一の緩衝層と同一であってもよく、又は異なっていてもよい。
本発明のガス吸収フィルムは、ガス吸収フィルムの各層を構成する材料を、必要に応じて溶融混錬し、製膜し、そして各層を積層することにより製造することができる。
図2に示すように、本発明の包装用積層体100a、100bは、
上記のガス吸収フィルム10a、10d、及び基材層20を有し、かつ
基材層20が、ガス吸収層12の、第一の耐熱層14と反対側に積層されている。
基材層は、バリア性を有していてよい。また、基材層は、バリア層及び基材樹脂層を有していてよい。
バリア層としては、外部からの水分、有機ガス、及び酸素等の無機ガスがガス吸収層へと透過することを抑制することができる材料を用いることができる。バリア層としては、例えば、これに限られないが、アルミニウム箔、若しくはアルミニウム合金等の金属箔、アルミニウム蒸着膜、シリカ蒸着膜、アルミナ蒸着膜、若しくはシリカ・アルミナ二元蒸着膜等の無機物蒸着膜、又はポリ塩化ビニリデンコーティング膜、若しくはポリフッ化ビニリデンコーティング膜等の有機物コーティング膜を用いることができる。特に、バリア性及び取り扱い性を両立させやすくする観点から、バリア層としては、アルミニウム箔を用いることが好ましい。
基材樹脂層としては、耐衝撃性、耐摩耗性等に優れた熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン、ビニル系ポリマー、ポリエステル、ポリアミド等を単独で、又は2種類以上組み合わせて複層で使用することができる。この基材樹脂層は、延伸フィルムであっても、無延伸フィルムであってもよい。また、この基材樹脂層は、バリア層の片面又は両面に存在していても良い。この基材樹脂層により、バリア層を保護することができる。
本発明の包装袋は、上記の包装用積層体を1枚又は複数枚具備しており、かつ
1枚又は複数枚の包装用積層体の第一の耐熱層側の一部がこの包装用積層体の他の部分又は他のフィルムとヒートシールされていることによって袋状にされている。ここで、他のフィルムは、他の包装用積層体であってもよく、又は包装用積層体以外の他のフィルムであってもよい。
内容物としては、外気との接触によって劣化しうる物であれば限定されるものではなく、薬剤の他、食品、化粧品、医療器具、医療機器、電子部材、精密機械、記録材料等を挙げることができる。また、薬剤としては、医薬品製剤の他、洗浄剤、農薬等を含む。
〈比較例1-1〉
(ガス吸収層用シートの作製)
熱可塑性樹脂としてのポリプロピレン(ノバテックFL02A、日本ポリプロ株式会社)90質量部と、ガス吸収剤としての銅(II)ケイ酸塩系吸着剤(ケスモンNS-20C、東亞合成株式会社)10質量部とをバンバリーミキサーにより混錬し、これを所定の質量に切り分け、そして熱プレス成型(プレス温度190℃、圧力60MPa、プレス時間2分)することにより、厚さ60μmのガス吸収層用シートを作製した。
ポリプロピレン(ノバテックFL02A、日本ポリプロ株式会社)を所定の質量で秤量し、そして熱プレス成型(プレス温度190℃、圧力60MPa、プレス時間5分)することにより、厚さ30μmの耐熱層用シートを作製した。
作製したガス吸収層用シートの両側に、それぞれ耐熱層用シートを重ね合わせ、そしてこれを熱プレス成型(プレス温度150℃、圧力10MPa、プレス時間10秒)することにより、比較例1-1のガス吸収フィルムを作製した。
ガス吸収層の熱可塑性樹脂の種類及び含有率を、表1に示すように変更し、用いた熱可塑性樹脂の融点に応じて熱プレス温度を150~190℃の範囲内で調節したことを除き、比較例1-1と同様にして、比較例1-2~1-3及び実施例1-1~1-9のガス吸収フィルムを作製した。
低密度ポリエチレン(LDPE):ペトロセン202R(東ソー株式会社、MFR5.0g/10min)
エチレン-エチルアクリレート共重合体(EEA):レクスパール(登録商標)A6200(日本ポリエチレン株式会社、MF:20.0g/10min)
エチレン-メチルアクリレート共重合体(EMA):レクスパールEB440H(日本ポリエチレン株式会社、MFR18.0g/10min)
エチレン-メチルメタクリレート共重合体(EMMA):アクリフト(登録商標)WH401-F(住友化学株式会社、MFR20.0g/10min)
熱可塑性樹脂としてのポリプロピレン(ノバテックFL02A、日本ポリプロ株式会社)を所定の質量で秤量し、そして熱プレス成型(プレス温度190℃、圧力60MPa、プレス時間2分)することにより、厚さ30μmの緩衝層用シートを作製した。
緩衝層用シートに用いた熱可塑性樹脂の種類を、表2に示すように変更したことを除き、実施例2-1と同様にして、実施例2-2~2-8のガス吸収フィルムを作製した。
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE):エボリュー(登録商標)SP2520(株式会社プライムポリマー、MFR1.9g/10min)
低密度ポリエチレン(LDPE):ペトロセン342(東ソー株式会社、MFR8.0g/10min)
エチレン-エチルアクリレート共重合体(EEA):レクスパールA4250(日本ポリエチレン株式会社、MFR5.0g/10min)
エチレン-メチルアクリレート共重合体(EMA):レクスパールEB140F(日本ポリエチレン株式会社、MFR2.6g/10min)
エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA):ニュクレルAN4221C(三井デュポンポリケミカル株式会社、MFR10.0g/10min)
エチレン-メチルメタクリレート共重合体(EMMA):アクリフト(登録商標)WH206-F(住友化学株式会社、MFR2.0g/10min)
エチレン-ビニルアセテート共重合体(EVA):ウルトラセン625(東ソー株式会社、MFR14.0g/10min)
作製したガス吸収フィルムを100℃のオーブンに入れ、所定の期間ごとにフィルムを取り出して180度曲げ、ひび及び割れの有無を確認した。表1及び2では、ひび及び割れが発生するまでの期間に応じて、以下の評価基準で示している:
A:30日以上
B:17日以上30日未満
C:12日以上17日未満
D:7日以上12日未満
E:7日未満
A:3日以上
B:1日以上3日未満
C:0.5日以上1日未満
D:0.5日未満
12 ガス吸収層
14 第一の耐熱層
14’ 第二の耐熱層
16 第一の緩衝層
16’ 第二の緩衝層
20 基材層
22 バリア層
24 基材樹脂層
100a、100b 包装用積層体
Claims (13)
- ガス吸収層及び第一の耐熱層を具備しており、
前記ガス吸収層が、ポリプロピレン系樹脂以外のオレフィン系熱可塑性樹脂、及び前記熱可塑性樹脂に分散している金属系化学吸収剤を含有しており、前記金属系化学吸収剤が、銅、亜鉛、マンガン、コバルト、ニッケルから選択される少なくとも1つの金属を含む金属ケイ酸塩であり、かつ
前記第一の耐熱層が、ポリプロピレン系樹脂で構成されている、
硫化水素吸収フィルム。 - 前記ガス吸収層の前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレン系樹脂である、請求項1に記載の硫化水素吸収フィルム。
- 前記ガス吸収層の前記ポリエチレン系樹脂が、エチレンと、カルボキシル基又はエステル基を有するエチレン系モノマーとの共重合体である、請求項2に記載の硫化水素吸収フィルム。
- 前記ガス吸収層の前記共重合体が、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-ビニルアセテート共重合体である、請求項3に記載の硫化水素吸収フィルム。
- 前記ガス吸収層と前記第一の耐熱層との間に、ポリプロピレン系樹脂以外のオレフィン系熱可塑性樹脂で構成されている第一の緩衝層を更に具備している、請求項1~4のいずれか一項に記載の硫化水素吸収フィルム。
- 前記第一の緩衝層の前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレン系樹脂である、請求項5に記載の硫化水素吸収フィルム。
- 前記第一の緩衝層の前記ポリエチレン系樹脂が、エチレンと、カルボキシル基又はエステル基を有するエチレン系モノマーとの共重合体である、請求項6に記載の硫化水素吸収フィルム。
- 前記第一の緩衝層の前記共重合体が、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-ビニルアセテート共重合体である、請求項7に記載の硫化水素吸収フィルム。
- 前記ガス吸収層の前記第一の耐熱層と反対側に、ポリプロピレン系樹脂で構成されている第二の耐熱層を更に具備している、請求項1~8のいずれか一項に記載の硫化水素吸収フィルム。
- 前記ガス吸収層と前記第二の耐熱層との間に、ポリプロピレン系樹脂以外のオレフィン系熱可塑性樹脂で構成されている第二の緩衝層を更に具備している、請求項9に記載の硫化水素吸収フィルム。
- 請求項1~10のいずれか一項に記載の硫化水素吸収フィルム、及び基材層を有し、かつ
前記基材層が、前記ガス吸収層の、前記第一の耐熱層と反対側に積層されている、
包装用積層体。 - 前記基材層が、バリア層及び基材樹脂層を有し、かつ
前記バリア層の、前記ガス吸収層と反対側に、基材樹脂層を更に具備している、請求項11に記載の包装用積層体。 - 請求項11又は12に記載の包装用積層体を1枚又は複数枚具備しており、かつ
1枚又は複数枚の前記包装用積層体の前記第一の耐熱層側の一部がこの包装用積層体の他の部分又は他のフィルムとヒートシールされていることによって袋状にされている、
包装袋。
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WO2023145919A1 (ja) | 吸湿性フィルムおよび吸湿性積層体 |
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