JP2020083429A - 包装袋 - Google Patents

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周 加藤
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直美 関谷
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Abstract

【課題】金属系化学吸収剤を有し、かつ高温環境下での脆化が抑制されている包装袋を提供する。【解決手段】本発明の包装袋100a、100bは、内容物20、及びガス吸収フィルム10a、10bを有する、ガス吸収性を有する包装袋であって、ガス吸収フィルム10a、10bが、ガス吸収層12a、12bを具備しており、ガス吸収フィルム10a、10bが、包装袋100a、100bの少なくとも一部を構成しており、かつ/又は包装袋100a、100bの内部に封入されており、ガス吸収層12a、12bが、ポリプロピレン、及び金属系化学吸収剤を含有しており、かつ袋内の雰囲気中の酸素濃度が、大気雰囲気中の酸素濃度よりも低い。【選択図】図1

Description

本発明は、包装袋に関する。
従来、食品、医薬品、電子部品、精密機械、記録材料等の分野において、品質劣化を防ぐ目的で、ガス吸収剤を同梱する方法がとられている。また、包装内に別体のガス吸収剤を入れずに、包装材自体にガス吸収機能を持たせるため、吸収剤を包装材自体に含有させることが行われている。
具体的には、酸素を吸収する包装材として、特許文献1では、ポリオレフィン内面材、ポリオレフィンと鉄系酸素吸収剤との組成物から成る酸素吸収層、ポリオレフィン緩衝層、アルミニウム箔、延伸フィルム又は無機蒸着プラスチックフィルムが順次積層されていることを特徴とする酸素吸収性包装材が開示されている。
また、硫化物系のガス、例えば硫化水素、メルカプタン等を吸収する包装材として、特許文献2では、オレフィン系エラストマーを含む第1のスキン層、並びに硫化物を吸着する無機吸着剤及びバインダーを含む吸着層を有する、硫化物系ガス吸着用積層体が開示されている。
この特許文献2で言及されているように、硫化物を吸着するための無機吸着剤としては、金属系化学吸収剤、例えば銅、鉄、亜鉛、マンガン、コバルト、ニッケル、ジルコニウ
ム、及びランタノイド元素から選ばれる少なくとも1種の金属を含む化合物又は塩を用いることが知られている。
特開2000−343661号公報 特開2016−112510号公報
包装材の用途によっては、ガス吸収性に加え、高温環境で長期間形状を維持できる耐熱性が求められることがある。この場合には、フィルム化しやすく、かつ耐熱性に優れたポリプロピレン系樹脂を用いることが好ましい。しかしながら、ポリプロピレン系樹脂及び金属系化学吸収剤を用いてガス吸収フィルムを作製し、これを高温環境下に置くと、ガス吸収フィルムが短期間で脆化し、ポリプロピレンの耐熱性を十分に活かせない場合があることを、本発明者らは見出した。
そこで、金属系化学吸収剤を有し、かつ高温環境下での脆化が抑制されている包装袋を提供する必要性が存在する。
本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記のとおりである:
〈態様1〉内容物、及びガス吸収フィルムを有する、ガス吸収性を有する包装袋であって、
前記ガス吸収フィルムが、ガス吸収層を具備しており、
前記ガス吸収フィルムが、前記包装袋の内部に封入されており、かつ/又は前記包装袋の少なくとも一部を構成しており、
前記ガス吸収層が、ポリプロピレン、及び金属系化学吸収剤を含有しており、かつ
前記袋内の雰囲気中の酸素濃度が、大気雰囲気中の酸素濃度よりも低い、
包装袋。
〈態様2〉前記金属系化学吸収剤が、銅、コバルト、マンガン、鉄、ニッケル、亜鉛、銀、カルシウム、及びチタンからなる群より選択される少なくとも1つを含有している、態様1に記載の包装袋。
〈態様3〉前記袋内の前記雰囲気中の前記酸素濃度が、10mol%以下である、態様1又は2に記載の包装袋。
〈態様4〉前記内容物が、電子部材である、態様1〜3のいずれか一項に記載の包装袋。
〈態様5〉前記ガス吸収フィルムが、前記包装袋の少なくとも一部を構成しており、かつ前記ガス吸収層よりも外部側に基材層を有している、態様1〜4のいずれか一項に記載の包装袋。
〈態様6〉50℃以上の温度に達し得る環境において用いられる、態様1〜5のいずれか一項に記載の包装袋。
〈態様7〉前記包装袋の内部に封入されている酸素吸収フィルムを更に有する、態様1〜6のいずれか一項に記載の包装袋。
本発明によれば、金属系化学吸収剤を有し、かつ高温環境下での脆化が抑制されている包装袋を提供することができる。
図1は、本発明の包装袋の一態様を示す側面断面図である。 図2は、本発明の包装袋の一態様を示す側面断面図である。
《包装袋》
図1に示すように、本発明の包装袋100a、100bは、内容物20、及びガス吸収フィルム10a、10bを有する、ガス吸収性を有する包装袋であって、
ガス吸収フィルム10a、10bが、ガス吸収層12a、12bを具備しており、
ガス吸収フィルム10a、10bが、包装袋100a、100bの少なくとも一部を構成しており、かつ/又は包装袋100a、100bの内部に封入されており、
ガス吸収層12a、12bが、ポリプロピレン、及び金属系化学吸収剤を含有しており、かつ
袋内の雰囲気中の酸素濃度が、大気雰囲気中の酸素濃度よりも低い。
本発明者らは、酸素の存在下で、ポリプロピレン系樹脂と金属系化学吸収剤とが接触した状態で、高温環境下に置かれることにより、フィルムの脆化が促進されることを見出した。理論に拘束されることを望まないが、これは、酸化されやすいポリプロピレン系樹脂と酸素との反応が、金属系化学吸収剤が触媒として作用すること、及び高温環境により促進されることによると考えられる。この問題に対し、本発明者らは、上記の構成により、ポリプロピレン系樹脂の脆化の原因である酸素濃度を低減させることにより、上記のフィルムの脆化が抑制できることを見出した。
したがって、本発明のガス吸収フィルムは、高温、例えば50℃以上、60℃以上、70℃以上、80℃以上、又は90℃以上、また150℃以下、140℃以下、130℃以下、120℃以下、又は110℃以下の温度に達し得る環境において用いることができる。したがって、本発明のガス吸収フィルムは、例えば全固体リチウムイオン電池の包装のために用いることができる。
本発明の一態様においては、図1(a)に示すように、ガス吸収フィルム10aが、包装袋100aの少なくとも一部を構成している。この態様においては、図1(a)に示すように、ガス吸収フィルム10aが包装袋100aの全体を構成していてもよく、又は、図示していないが、ガス吸収フィルムが包装袋の一部を構成し、他のフィルムが包装袋の残りの部分を構成していてもよい。
本発明の一態様においては、図1(b)に示すように、ガス吸収フィルム10bが、包装袋100bの内部に封入されている。この場合、包装袋100bは、他のフィルム30で構成されていてよい。
本発明の一態様においては、図2(a)及び(b)に示すように、本発明の包装袋100c、100dは、包装袋100c、100dの内部に封入されている酸素吸収フィルム40を更に有する。
袋内の雰囲気中の酸素濃度は、20mol%以下、15mol%以下、10mol%以下、8mol%以下、7mol%以下、6mol%以下、又は5mol%以下であってよく、また0mol%超、1mol%以上、2mol%以上、又は3mol%以上であってよい。上記の酸素濃度は、例えば酸素吸収フィルムを包装袋内に封入すること、及び/又は包装袋内を窒素置換することにより得ることができる。
以下では、本発明の各構成要素について説明する。
〈内容物〉
内容物としては、外気との接触によって劣化しうる物であれば限定されるものではなく、薬剤の他、食品、化粧品、医療器具、医療機器、電子部材、精密機械、記録材料等を挙げることができる。また、薬剤としては、医薬品製剤の他、洗浄剤、農薬等を含む。
中でも、内容物が電子部材、特に硫化物系固体電解質を用いる全固体リチウムイオン電池である場合には、使用時の発熱に耐えることができる耐熱性、及び硫化物系固体電解質により発生する硫化水素の処理能力が要求されることとなるため、本発明の包装袋がより有益となる。
〈ガス吸収フィルム〉
図1に示すように、ガス吸収フィルム10a、10bは、ガス吸収層を少なくとも具備している。図1(a)に示すように、特にガス吸収フィルム10aが、包装袋100aの少なくとも一部を構成している場合には、ガス吸収フィルム10aは、前記ガス吸収層12aよりも外部側に基材層14を有していてもよい。また、基材層は、バリア層142及び基材樹脂層144を有していてよい。
また、図示していないが、ガス吸収フィルムは、ガス吸収層の片側又は両側に、スキン層を有していてもよい。
本発明のガス吸収フィルムは、種々のガスを吸収することができ、特に硫化水素を良好に吸収する硫化水素吸収フィルムであることができる。
ガス吸収フィルムは、例えばガス吸収層を構成する材料を、必要に応じて溶融混錬し、製膜し、そして各層を積層することにより製造することができる。
溶融混練は、例えばニーダー、ヘンシェルミキサー、ミキシングロールなどのバッチ式混練機、二軸混練機などの連続混練機などを用いて行うことができる。
製膜は、例えばインフレーション法、Tダイ法、カレンダー法、キャスティング法、熱プレス成形、押出成形又は射出成形等により行うことができる。
積層は、サンドラミネート法等の押出ラミネート法、ヒートシール法、熱プレス成形等により行うことができる。また、特に基材層の積層は、接着層を介して行うことができる。接着層としては、例えばドライラミネート接着剤、アンカーコート接着剤、ホットメルト接着剤、水溶性接着剤、エマルション接着剤、ノンソルベントラミネート接着剤、及び押出ラミネート用の熱可塑性樹脂等を用いることができる。
また、共押出インフレーション法及び共押出Tダイ法等の共押出法により、製膜及び積層を同時に行ってもよい。
(ガス吸収層)
ガス吸収層は、ポリプロピレン系樹脂、及び金属系化学吸収剤を含有している。金属系化学吸収剤は、ポリプロピレン系樹脂と接触していてよく、特にポリプロピレン系樹脂に分散していてよい。ガス吸収層は、単層であってもよく、又は積層体であってもよい。また、積層体の場合には、ガス吸収層は、金属系化学吸収剤を含有している層の一方又は両方の側に、ポリプロピレン系樹脂で構成されている層を有していてもよく、この場合、金属系化学吸収剤を含有している層は、以下で言及するポリエチレン系樹脂中に金属系化学吸収剤が分散している層であってもよい。
ガス吸収層における金属系化学吸収剤を含有している層中の金属系化学吸収剤の含有率は、良好な吸収能力を確保する観点から、上記の層全体の質量を基準として、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、7質量%以上、又は10質量%以上であることが好ましく、また良好な製膜性を確保する観点から、70質量%以下、65質量%以下、60質量%以下、55質量%以下、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、30質量%以下、25質量%以下、又は20質量%以下であることが好ましい。
ガス吸収層の厚さは、1μm以上、2μm以上、3μm以上、5μm以上、10μm以上、20μm以上、又は30μm以上であることが、良好な吸収能力を確保する観点から好ましく、また100μm以下、90μm以下、又は80μm以下であることが、フィルムのしなやかさを確保する観点から好ましい。
(ガス吸収層:ポリプロピレン系樹脂)
本明細書において、ポリプロピレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にプロピレン基の繰返し単位を、50mol%超、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂である。かかるポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン(PP)ホモポリマー、ランダムポリプロピレン(ランダムPP)、ブロックポリプロピレン(ブロックPP)、塩素化ポリプロピレン、カルボン酸変性ポリプロピレン、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
(ガス吸収層:金属系化学吸収剤)
金属系化学吸収剤は、銅、コバルト、マンガン、鉄、ニッケル、亜鉛、銀、カルシウム、及びチタンからなる群より選択される少なくとも1つを含有していてよく、特にこれらの単体又は化合物、特にこれらの塩、より特にこれらのケイ酸塩であってよい。
特に好ましい金属系化学吸収剤は、銅、亜鉛、マンガン、コバルト、ニッケルから選択される少なくとも1つの金属を含む金属ケイ酸塩であり、さらに好ましくは金属とケイ素の元素組成(モル)比が、金属/ケイ素=0.60〜0.80の範囲となるものである。このような無機吸着剤は、金属塩とケイ酸アルカリ塩とを反応させて製造することができる。上記金属塩としては、銅、亜鉛、マンガン、コバルト、ニッケルから選ばれる少なくとも1種の金属の、硫酸、塩酸、硝酸等の無機塩、及び/又はギ酸、酢酸、シュウ酸などの有機塩を用いることができる。これらの内で、金属として好ましいのは銅(I)、銅(II)、亜鉛(I)である。上記ケイ酸塩としては、MO・nSiO・xHO(ここで、式中Mは1価アルカリ金属を表し、nは1以上、かつxは0以上である。)の式のケイ酸アルカリ塩をあげることができる。最も好ましい金属ケイ酸塩は、硫酸銅(II)とケイ酸ナトリウムとの反応生成物である銅(II)ケイ酸塩であり、例えば特開2011−104274号公報に記載のものである。例えばケスモンNS−20Cの呼称で東亞合成株式会社から入手可能な銅(II)ケイ酸塩系吸着剤を用いることができる。特に、この金属系化学吸収剤を用いた場合には、特許文献2で言及されているように、硫化水素を良好に吸収することができる。
(スキン層)
スキン層は、ガス吸収層の片側又は両側に存在している層であってよい。また、スキン層は、ガス吸収層に融着されていてもよい。
スキン層は、金属系化学吸収剤の脱落や内容物への接触を防止することができる。また、スキン層は、金属系化学吸収剤を含有していない層であってよい。
スキン層は、例えばポリオレフィンで構成されていてよい。ポリオレフィンとしては、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。
本明細書において、ポリエチレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にエチレン基の繰返し単位を、50mol%超、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂である。かかるポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレンを用いてもよく、エチレンと、カルボキシル基又はエステル基を有するエチレン系モノマーとの共重合体を用いてもよい。
ポリプロピレン系樹脂としては、ガス吸収層に関して挙げたポリプロピレン系樹脂を用いることができる。
スキン層の厚さは、1μm以上、3μm以上、5μm以上、又は7μm以上であることができ、また50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、又は15μm以下であることができる。
(基材層)
基材層は、バリア性を有していてよい。また、基材層は、バリア層及び基材樹脂層を有していてよい。
基材層とガス吸収フィルムとの積層、及び基材層を構成することができる下記の層の積層は、例えば接着層を介して行うことができる。接着層としては、上記の接着層を用いることができる。
(基材層:バリア層)
バリア層としては、外部からの水分、有機ガス、及び酸素等の無機ガスがガス吸収層へと透過することを抑制することができる材料を用いることができる。バリア層としては、例えば、これに限られないが、アルミニウム箔、若しくはアルミニウム合金等の金属箔、アルミニウム蒸着膜、シリカ蒸着膜、アルミナ蒸着膜、若しくはシリカ・アルミナ二元蒸着膜等の無機物蒸着膜、又はポリ塩化ビニリデンコーティング膜、若しくはポリフッ化ビニリデンコーティング膜等の有機物コーティング膜を用いることができる。特に、バリア性及び取り扱い性を両立させやすくする観点から、バリア層としては、アルミニウム箔を用いることが好ましい。
バリア層の厚さは、7μm以上、10μm以上、又は15μm以上であることが、強度及びバリア性を確保する観点から好ましく、また45μm以下、40μm以下、又は35μm以下であることが、取り扱い性を向上させる観点から好ましい。
(基材層:基材樹脂層)
基材樹脂層としては、耐衝撃性、耐摩耗性等に優れた熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン、ビニル系ポリマー、ポリエステル、ポリアミド等を単独で、又は2種類以上組み合わせて複層で使用することができる。この基材樹脂層は、延伸フィルムであっても、無延伸フィルムであってもよい。また、この基材樹脂層は、バリア層の片面又は両面に存在していても良い。この基材樹脂層により、バリア層を保護することができる。
ポリオレフィンとしては、例えばスキン層に関して挙げたポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
ビニル系ポリマーとしては、例えばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル(PAN)等が挙げられる。
ポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
ポリアミドとしては、例えばナイロン(登録商標)6、ナイロンMXD6等のナイロン等が挙げられる。
基材樹脂層の厚さは、7μm以上、10μm以上、又は15μm以上であることが、バリア層を良好に保護する観点から好ましく、また55μm以下、50μm以下、又は45μm以下であることが、取り扱い性を向上させる観点から好ましい。
〈酸素吸収フィルム〉
酸素吸収フィルムは、酸素吸収層を少なくとも有する層である。また、酸素吸収層の酸素吸収剤と内容物との接触を防止するため、酸素吸収フィルムは、酸素吸収層の片側又は両側にスキン層を更に有していてもよい。
酸素吸収フィルムは、酸素吸収フィルムの各層を構成する材料を、必要に応じて溶融混錬し、製膜し、そして各層を積層することにより製造することができる。溶融混錬及び製膜は、ガス吸収層に関して挙げた方法により行うことができる。
積層は、サンドラミネート法等の押出ラミネート法、ヒートシール法、熱プレス成形等により行うことができる。
また、共押出インフレーション法及び共押出Tダイ法等の共押出法により、製膜及び積層を同時に行ってもよい。
(酸素吸収層)
酸素吸収層は、熱可塑性樹脂、及び熱可塑性樹脂中に分散している酸素吸収剤を含有していてよい。
酸素吸収層中の酸素吸収剤の含有率は、良好な吸収能力を確保する観点から、酸素吸収層全体の質量を基準として、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、7質量%以上、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、又は70質量%以上であることが好ましく、また良好な製膜性を確保する観点から、90質量%以下、85質量%以下、又は80質量%以下であることが好ましい。
酸素吸収層の厚さは、10μm以上、20μm以上、又は30μm以上であることができ、また300μm以下、200μm以下、100μm以下、80μm以下、又は50μm以下であることができる。
(酸素吸収層:熱可塑性樹脂)
酸素吸収層の熱可塑性樹脂としては、例えばポリオレフィンを用いることができる。ポリオレフィンとしては、例えば基材樹脂層に関して挙げたポリオレフィンを用いることができる。
(酸素吸収層:酸素吸収剤)
酸素吸収剤としては、例えば酸素欠損を有する金属酸化物、鉄系酸素吸収剤等の無機系酸素吸収剤、並びに金属及び多価フェノールを含有している酸素吸収性金属含有樹脂組成物等が挙げられる。
酸素欠損を有する金属酸化物としては、例えば酸素欠損を有する酸化セリウム、金属欠損を有する二酸化チタン等が挙げられる。中でも、吸収剤として酸素欠損を有する酸化セリウムが、酸素吸収性の観点から好ましい。
酸素欠損を有する金属酸化物についてより具体的に説明する。金属酸化物(MO)の酸素欠損は、強還元雰囲気下での還元処理によって、以下の式(1)で表されるように、金属酸化物の結晶格子中から酸素が強制的に引き抜かれて酸素欠損状態(MO2−x、0<x<2)となることによりもたらされる。還元処理は、例えば水素ガスなどの還元性雰囲気下、1000℃などの高温で熱処理すること等により行うことができる。
MO+xH→MO2−x+xHO ・・・(1)
そして、以下の式(2)に示すように、酸素が欠損した部分が、酸素と反応することにより、無機系酸素吸収剤としての効果が発揮される。
MO2−x+(x/2)O→MO ・・・(2)
上記のxの値は、1.0以下の正の数であることができ、中でも0.7以下の正の数であることが好ましい。上記の式(2)に示すように、金属酸化物は酸素との反応において雰囲気中に水が存在することは必要とされない。したがって、無機系酸素吸収剤として酸素欠損を有する金属酸化物を用いることは、水分を嫌う内容物に特に有効である。
鉄系酸素吸収剤としては、例えば鉄粉(例えば、還元鉄粉、噴霧鉄粉、活性鉄粉等)、酸化第一鉄、第一鉄塩等を用いることができる。
(スキン層)
スキン層は、酸素吸収層の片側又は両側に存在している層であってよい。また、スキン層は、酸素吸収層に融着されていてもよい。
スキン層は、酸素吸収剤の脱落や内容物への接触を防止することができる。また、スキン層は、酸素吸収剤を含有していない層であってよい。
スキン層は、例えばポリオレフィンで構成されていてよい。ポリオレフィンとしては、例えばガス吸収フィルムのスキン層に関して挙げたポリオレフィンを用いることができる。
スキン層の厚さは、1μm以上、3μm以上、5μm以上、又は7μm以上であることができ、また50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、又は15μm以下であることができる。
〈他のフィルム〉
包装袋を構成する他のフィルムは、バリア性を有するフィルムであってよい。他のフィルムは、例えば上記のバリア層及び上記の基材樹脂層を有していてよい。また、他のフィルムは、シーラント層を更に有していてもよい。
シーラント層としては、封止対象の材質によって選択されるが、例えばポリエチレン系樹脂でよい。これらの樹脂は、例えば、延伸又は無延伸フィルム、押出積層用の溶融樹脂、ホットメルト用の塗料などの形態でよい。
また、シーラント層としては、これらの樹脂で構成されていない、市販のイージーピール樹脂やイージーピールシーラントフィルムを用いてもよい。
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
《包装袋の作製》
〈実施例1〉
(ガス吸収フィルムの作製)
熱可塑性樹脂としてのポリプロピレン(ノバテックFL02A、日本ポリプロ株式会社)90質量部と、ガス吸収剤としての銅(II)ケイ酸塩系吸着剤(ケスモンNS−20C、東亞合成株式会社)10質量部とをバンバリーミキサーにより混錬し、これを所定の質量に切り分け、そして熱プレス成型(プレス温度190℃、圧力40MPa、プレス時間2分)することにより、厚さ100μmのガス吸収フィルムを作製した。
作製したガス吸収フィルムを5cmに切り分け、体積が50mlとなるようにカットしたアルミニウム袋(ADY株式会社)に入れ、窒素置換シーラーにより所定の酸素濃度となるようにして、袋内の窒素置換とともにヒートシールを行って、実施例1の包装袋を作製した。
酸素測定器(パックマスター 型番RO−103S、飯島電子工業株式会社)を用い、シールした袋の袋内の酸素濃度を測定して確認したところ、この時点での酸素濃度は、6.9mol%であった。
〈比較例1及び実施例2〜5〉
袋内の酸素濃度を表1に示すように窒素置換シーラーの条件を変更したことを除き、実施例1と同様にして、比較例1及び実施例2〜5の包装袋を作製した。なお、比較例1の包装袋では、窒素置換を行わずにヒートシールを行った。
〈比較例2及び実施例6〜10〉
アルミニウム袋の体積を250mlに変更したことを除き、比較例1及び実施例1〜5と同様にして、比較例2及び実施例6〜10の包装袋をそれぞれ作製した。
《評価》
作製した各包装袋を100℃のオーブンに入れ、5日間保管した。保管後、各包装袋からガス吸収フィルムを取り出し、以下の評価を行った。
〈色〉
保管後のガス吸収フィルムの色を目視観察した。評価結果は以下のとおりである。
A:変色していない
B:薄く変色している
C:濃く変色している
D:非常に濃く変色している
〈割れ〉
保管後のガス吸収フィルムを180°折り曲げた際の表面の割れを目視観察した。評価基準は以下のとおりである。
A:ひび及び割れが生じていない
B:わずかにひびが生じた
C:大きなひびが生じた
D:割れが生じた
実施例及び比較例の構成及び評価結果を以下の表1に示す。
Figure 2020083429
表1から、袋内の酸素濃度を大気雰囲気中の酸素濃度よりも低くした実施例1〜10の包装袋は、袋内の酸素濃度が大気雰囲気中の酸素濃度である20.8mol%であった比較例1〜2よりも、100℃で保管した後のフィルムの状態が良好であったことが理解できよう。特に袋内の酸素濃度が10mol%以下である実施例2〜5及び7〜10、より特に袋内の酸素濃度が6mol%以下である実施例3〜5及び8〜10においては、フィルムの状態が非常に良好であったことが理解できよう。
また、袋内酸素量が同程度である実施例2と実施例10とを比較すると、色及び割れのいずれにおいても差異が見られた。このことから、100℃で保管した後のフィルムの状態には、酸素濃度が寄与していることが理解できよう。
10a、10b ガス吸収フィルム
12a ガス吸収層
14 基材層
142 バリア層
144 基材樹脂層
20 内容物
30 他のフィルム
40 酸素吸収フィルム
100a、100b、100c、100d 包装袋

Claims (7)

  1. 内容物、及びガス吸収フィルムを有する、ガス吸収性を有する包装袋であって、
    前記ガス吸収フィルムが、ガス吸収層を具備しており、
    前記ガス吸収フィルムが、前記包装袋の内部に封入されており、かつ/又は前記包装袋の少なくとも一部を構成しており、
    前記ガス吸収層が、ポリプロピレン、及び金属系化学吸収剤を含有しており、かつ
    前記袋内の雰囲気中の酸素濃度が、大気雰囲気中の酸素濃度よりも低い、
    包装袋。
  2. 前記金属系化学吸収剤が、銅、コバルト、マンガン、鉄、ニッケル、亜鉛、銀、カルシウム、及びチタンからなる群より選択される少なくとも1つを含有している、請求項1に記載の包装袋。
  3. 前記袋内の前記雰囲気中の前記酸素濃度が、10mol%以下である、請求項1又は2に記載の包装袋。
  4. 前記内容物が、電子部材である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の包装袋。
  5. 前記ガス吸収フィルムが、前記包装袋の少なくとも一部を構成しており、かつ前記ガス吸収層よりも外部側に基材層を有している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の包装袋。
  6. 50℃以上の温度に達し得る環境において用いられる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の包装袋。
  7. 前記包装袋の内部に封入されている酸素吸収フィルムを更に有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の包装袋。
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