JPWO2016013595A1 - イージーピール性の包装袋 - Google Patents

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Abstract

本発明は、内容物の有効成分を吸着せず、かつ酸素や水分等による劣化を防ぐことができる包装袋であって、適切なヒートシール強さに基づいてイージーピール性を有する包装袋を与える。第1の基材層(12)及び第1の熱接着層(11)を備える非吸着性フィルム(1)、並びに第2の基材層(23)、吸収層(22)及び第2の熱接着層(21)を備える吸収性フィルム(2)を含み、第1の熱接着層(11)と第2の熱接着層(22)とでヒートシールして形成されている包装袋(10)であって、前記第1の熱接着層(11)が、EVOH及び無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂を含有し、前記第2の熱接着層(21)が、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂を含有し、かつ前記第1の熱接着層(11)と前記第2の熱接着層(21)とが、JIS Z0238によるT型剥離試験に準拠して、引張速度300mm/minで測定した場合に、1.0〜7.0N/15mmのヒートシール強さでヒートシールされている、イージーピール性の包装袋(10)。

Description

本発明は、内容物の揮散成分を吸着しない非吸着性フィルムと、吸収性フィルムとがヒートシールして形成されている、イージーピール性の包装袋に関する。
薬効成分を経皮吸収させる貼付剤が知られている。このような貼付剤は、ポリオレフィン系樹脂等のプラスチックフィルム製又は不織布製の基材の片面に、薬効成分を含有する粘着剤層を備え、この粘着剤層は、その使用前は、はく離性のフィルムで被覆されている。このような貼付剤は、薬効成分の揮散を防止するため、薬効成分を吸着しない非吸着性フィルムで形成された包装袋に保存することが知られている。
非吸着性フィルムは、通常にはヒートシールすることが困難であるため、これを用いて包装袋を得るためには、接着剤によってフィルム同士を接着する必要があるが、接着剤による接着は、接着剤が内容物に悪影響を及ぼすおそれがあるため、適切ではない。
そこで、特許文献1は、ヒートシール可能な非吸着性のシーラントフィルムを有する非吸着性フィルムを開示している。特許文献1に記載の非吸着性フィルムによれば、非吸着性フィルム(非吸着性シーラントフィルム)同士のヒートシールによって形成可能な包装袋を得ることができる。
特開2013−28732号公報
しかし、特許文献1に記載の包装袋では、内容物が酸素や水分等で劣化する等の場合には、例えば通気性の小袋等に封入された酸素吸収剤、吸湿剤等を内容物と共に同梱する必要があった。その場合、これらの吸収剤を同封することによって、包装袋が嵩張る、封入に手間が掛かる等の課題があった。
そこで、本発明者らは、特許文献1に記載の非吸着性フィルムを、吸収剤を熱可塑性樹脂バインダー中に含む吸収性フィルムと貼り合わせることによって、別途吸収剤を同封する必要がない包装袋の検討を開始した。
しかし、例えば特開2012−158125号公報に記載のような酸素吸収性フィルムを、特許文献1に記載の非吸着性フィルムと貼り合わせようとすると、非吸着性フィルムの熱接着層が、薬効成分を吸着しない樹脂であるエチレン−ビニルアルコール共重合体と無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂とのポリマーアロイから構成され、かつ酸素吸収性フィルムの熱接着層が、通常のポリオレフィン系樹脂から構成されるため、ヒートシールによって単純にはこれらを接着させることができないことが分かった。
また、包装袋にはイージーピール性が求められることもあり、従来から知られている非吸着性フィルムの熱接着層の樹脂と、酸素吸収性フィルムの熱接着層の樹脂とを適宜選択してヒートシールができたとしても、イージーピールに適したヒートシール強さを有する包装袋を得ることは困難であった。
そこで、本発明は、吸収剤を同封する必要がなく、内容物の揮散成分を吸着せず、かつ酸素、水分等による劣化を防ぐことができる包装袋であって、適切なヒートシール強さに基づいてイージーピール性を有する包装袋を与えることを目的とする。さらに本発明は、そのような包装袋の中でも特に、容易に生産することができる包装袋を与えることを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、以下の構成を有する本発明の包装袋が、予想外にも上記の課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は以下のとおりである:
〈1〉 第1の基材層及び第1の熱接着層を備える非吸着性フィルム、並びに第2の基材層、吸収層及び第2の熱接着層を備える吸収性フィルムを含み、前記第1の熱接着層と前記第2の熱接着層とでヒートシールして形成されている包装袋であって、
前記第1の熱接着層が、EVOH及び無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂を含有し、
前記第2の熱接着層が、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂を含有し、かつ
前記第1の熱接着層と前記第2の熱接着層とが、JIS Z0238によるT型剥離試験に準拠して、引張速度300mm/minで測定した場合に、1.0〜7.0N/15mmのヒートシール強さでヒートシールされている、
イージーピール性の包装袋。
〈2〉 前記第1の熱接着層と前記第2の熱接着層とが、80℃〜280℃の温度範囲のうちの少なくとも10℃の温度範囲にわたって、前記ヒートシール強さでヒートシール可能である、〈1〉に記載の包装袋。
〈3〉 前記第2の熱接着層が、10重量%〜90重量%の無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂及び90重量%〜10重量%のポリオレフィン系樹脂を含有する、〈1〉又は〈2〉に記載の包装袋。
〈4〉 前記無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂が無水マレイン酸変性LDPEであり、かつ前記ポリオレフィン系樹脂がPPである、〈3〉に記載の包装袋。
〈5〉 前記第2の熱接着層が、20重量%の〜90重量%の無水マレイン酸変性LDPE、及び80重量%〜10重量%のLLDPEを含有する、〈3〉に記載の包装袋。
〈6〉 前記第2の熱接着層が、無水マレイン酸変性LDPEと無水マレイン酸変性LLDPEとを合計で20重量%〜60重量%含有し、かつLLDPEとPPとを合計で80重量%〜40重量%含有している、〈3〉に記載の包装袋。
〈7〉 前記第2の熱接着層が、10重量%〜100重量%の無水マレイン酸変性PP及び90重量%〜0重量%のポリオレフィン系樹脂を含有する、〈1〉又は〈2〉に記載の包装袋。
〈8〉 前記第2の熱接着層が、30〜70重量%の無水マレイン酸変性PP、及び70〜30重量%のLLDPEを含有する、〈7〉に記載の包装袋。
〈9〉 前記第1の熱接着層が、70重量%〜90重量%のEVOH及び30重量%〜10重量%の無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂を含有している、〈1〉〜〈8〉のいずれか一項に記載の包装袋。
〈10〉 前記吸収性フィルムの吸収層が、無機系吸収剤及び熱可塑性樹脂バインダーを含む、〈1〉〜〈9〉のいずれか一項に記載の包装袋。
本発明の包装袋によれば、別途吸収剤を同封する必要がなく、内容物の有効成分を吸着せず、かつ酸素、水分等による劣化を防ぐことができ、さらにイージーピール性を有するため、容易に内容物を取り出すことができる。また、本発明の特定の実施態様によれば、生産が容易な包装袋を得ることができる。
本発明の包装袋の断面概略図である。
《包装袋》
本発明の包装袋は、内容物の揮散成分を吸着しない非吸着性フィルムの第1の熱接着層と、内容物の劣化をもたらす成分を吸収する吸収性フィルムの第2の熱接着層とがヒートシールされて形成される。ここで、そのヒートシール強さは、JIS Z0238によるT型剥離試験に準拠して、引張速度を300mm/minで測定した場合に、1.0〜7.0N/15mmの範囲である。ヒートシール強さが、この範囲であることで、イージーピール性を持つことができる。ヒートシール強さは、好ましくは1.5〜6.0N/15mmの範囲であり、さらに好ましくは2.0〜5.5N/15mmの範囲である。
非吸着性フィルムの第1の熱接着層と吸収性フィルムの第2の熱接着層の樹脂の組合せを選択することによって、このような範囲のヒートシール強さを、80℃〜280℃、好ましくは130℃〜220℃、さらに好ましくは140℃〜210℃の温度範囲内の少なくとも10℃の温度範囲にわたって発現させることができることが好ましい。この範囲が10℃以上であれば、この包装袋を生産する際に、歩留まりを高めることができる。したがって、この温度範囲は、広ければ広いほど好適であり、20℃以上であることが特に好ましい。
〈非吸着性フィルム〉
本発明の包装袋で用いられる非吸着性フィルムは、第1の基材層、並びにエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)及び無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂を含有する第1の熱接着層を備える。
本明細書において、非吸着性とは、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)を60重量%以上、70重量%以上、又は80重量%以上含むことによって、メントール、リモネン、サルチル酸メチル、カンファー、トコフェロール等の揮発成分、わさび、からし、マスタード等の食品の香気成分の吸着が少なく、特に実質的に吸着せず、包装容器内部の香気成分等を維持することができる性質をいう。特に、本明細書において、非吸着性とは、メントール蒸気中に1週間暴露したフィルムが吸着するメントール重量値(mg)が、測定限界以下であることを意味する。この場合、メントール吸着量は、非吸着性フィルム(100mm×100mm)を40℃で発生させたメントール蒸気に一週間曝露した後、フィルムに吸着したメントールをメチルエチルケトンで抽出し、ガスクロマトグラフィーにより吸着量を定量する。この場合、微量(0.05mg未満)で定量できないものを測定限界以下であるとする。
第1の熱接着層は、好ましくは70重量%〜90重量%のEVOH及び30重量%〜10重量%の無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂を含有し、特に好ましくは82重量%〜90重量%のEVOH及び18重量%〜10重量%の無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂を含有する。第1の熱接着層において、EVOHの配合量が70重量%以上であると、フィルムの非吸着性が良好であり、EVOHの配合量が90重量%以下であるとフィルムのヒートシール性が良好となる。なお、EVOH及び無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂以外の他の熱可塑性樹脂を、第1の接着層が含んでもよい。
EVOHは、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物であり、エチレン単位の含有量は特に制限はないが、10モル%〜70モル%の範囲で選ばれ、好ましくは15モル%〜60モル%、さらに20モル%〜60モル%が好ましく、最適には25モル%〜55モル%である。また、EVOHのビニルエステル単位のケン化度としては90モル%〜100モル%の範囲から選ばれ、95モル%〜100モル%が好ましく、99モル%〜100モル%がより好ましい。ケン化度が高いと、結晶化しやすく、ガスバリア性も高まる。そして、溶融時の熱安定性も安定するため、ケン化度は高い方が好ましい。ここでビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表例として挙げられるが、その他にプロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステルも挙げられる。これらのビニルエステルは1種又は2種以上混合して使用してもよい。またEVOHはエチレン含有量、ケン化度、重合度の内の少なくとも一つが異なるEVOHを混合して使用してもよい。EVOHには本発明の目的が阻害されない範囲で他の共重合成分を含有させてもよい。これらのEVOHを複数種組み合わせて用いてもよい。
無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂は、無水マレイン酸を、ポリオレフィン系樹脂にグラフト重合したものである。ポリオレフィン系樹脂として、ポリエチレン{低密度ポリエチレン(LDPE)、直線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)}、ポリプロピレンが好適に用いられる。これらの無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂を複数種組み合わせて用いてもよい。
例えば、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、無水マレイン酸を0.05重量部以上、0.1重量部以上、0.3重量部以上、0.5重量部以上、又は1.0重量部以上で、50重量部以下、30重量部以下、20重量部以下、10重量部以下、又は5.0重量部以下でグラフト重合したものを用いることができる。このような無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂としては、特開平9−278956号公報に記載のものを挙げることができる。
本発明の包装袋で用いられる非吸着性フィルムは、上記の第1の熱接着層の他に、さらに第1の基材層を備える。第1の基材層は、非吸着性フィルムに、適度なコシ及び外部からの水分や酸素等の浸入を防止するバリア性を付与できることが好ましい。
このような第1の基材層としては、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリクロロトリフルオロエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、飽和又は不飽和ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、及びこれらの2以上の積層体等を挙げることができる。さらにバリア性を高める目的で、純アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔を積層させてもよい。
また、第1の基材層として、上記の樹脂フィルムに、金属、半金属若しくはそれらの酸化物の蒸着層又はハロゲン化ポリマー層を堆積させたフィルムを用いることもできる。ここで、金属、半金属又はそれらの酸化物の蒸着層としては、アルミニウム蒸着膜、シリカ蒸着膜、アルミナ蒸着膜、シリカ・アルミナ二元蒸着膜等を挙げることができ、ハロゲン化ポリマー層としては、ポリ塩化ビニリデンコーティング膜、ポリフッ化ビニリデンコーティング膜等を挙げることができる。
第1の熱接着層の厚さは、5μm以上、10μm以上、20μm以上、30μm以上、又は40μm以上であってよく、150μm以下、100μm以下、又は80μm以下であってよい。また、第1の基材層の厚さは、20μm以上、30μm以上、又は50μm以上であってよく、また200μm以下、150μm以下、又は100μm以下であってよい。
〈非吸着性フィルム−製造方法〉
本発明の包装袋で用いる非吸着性フィルムの第1の熱接着層は、好ましくはEVOHと無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂とを、ポリマーアロイ化して得られた混合樹脂から形成され、例えば、以下に述べる方法で製造することができる。
EVOHと無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂とを、2.2MJ/Kg以上の比エネルギーで溶融混合した後、製膜する。ここで、溶融混合時の比エネルギーの範囲は、好ましくは、2.7MJ/Kg以上12.1MJ/Kg以下である。2.2MJ/Kg以上の比エネルギーで、これらを溶融混合することで、得られる樹脂の混合状態が好適となる。比エネルギーが、12.5MJ/Kg以下である場合には、樹脂が劣化する等の問題が発生しにくい。
比エネルギーとは、溶融混練する際に、単位重量当り(1kg)の樹脂に溶融混練設備から与えられるエネルギーをいい、以下の式により求められる値であり、数値が大きいほど、練りの効果が高いことになる。
Figure 2016013595
ここで、トルク、混練機回転数、樹脂押出量は、以下を意味する。
トルク:混練機のスクリューを回転させるのに必要な力
混練機回転数:単位時間当たりの混練機のスクリューを回転させるのに必要な混練機モータの回転数
樹脂押出量:単位時間当たりに混練機から押し出される樹脂の量
EVOHと無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂との溶融混合は、二軸以上のスクリュー混練機で行うことができる。二軸以上のスクリュー混練機においては、スクリュー形状と樹脂押出量が比エネルギーに影響する。スクリュー形状は、フライト部のみの汎用のスクリューを用いたもの(以下、フルフライト型という。)より、フライト部にニーディング部、逆フライト部及び/又はミキシング部を組み合わせて練りの効果を大きくしたもの(以下、高剪断型という。)を用いることが望ましい。
スクリューは、形状がフライトスクリューとパイナップル、ニーディングディスクからなるスクリューを単独又は組み合わせて使用することができる。
EVOH及び酸変性ポリオレフィン系樹脂以外に、通常使用する程度の耐熱安定剤、耐候安定剤、滑剤、帯電防止剤、核剤、充填剤、顔料、染料、難燃剤、アンチブロッキング剤等の添加物を含有させてもよい。
溶融混合して得られたポリマーアロイを、Tダイ法又はインフレーション法等の成形方法によってフィルムに成形して第1の熱接着層を得る。
一般に、非相溶性の樹脂成分同士を溶融混合し、製膜して得られるフィルムは、一方の樹脂が海状に、他方の樹脂成分が島状に分散した、海島構造を有することが知られている。
EVOH及び無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂をポリマーアロイ化して得られた混合樹脂から形成した、本発明で用いられるような非吸着性フィルムの第1の熱接着層は、EVOHが海状に、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂が島状に分散した構造を有する傾向がある。この場合、島状に分散して分布する酸変性ポリオレフィン系樹脂のアスペクト比は、好ましくは2.0以上9.5以下の範囲であり、さらに好ましくは2.2以上9.3以下の範囲である。
このアスペクト比の測定は、原子間力顕微鏡の画像を解析し、島を形成して分布する無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂の粒子の長径と短径との比の平均値を、アスペクト比として求める。画像解析は、MOUNTECH社製画像解析式粒度分布測定ソフト Mac−View ver.4.0を用いて測定する。これによりアスペクト比、面積等は自動計測される。画像中の粒子100個以上の平均値として算出される。
島状に形成された無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂のアスペクト比が、上記の範囲である場合、酸素吸収性フィルムの第2の熱接着層とヒートシールした際に、適度なヒートシール強さとなるため好ましい。
第1の熱接着層と第1の基材層とのラミネートの方法としては、ドライラミネート及び押出しラミネート等が挙げられる。ドライラミネートは、一方のフィルムに接着剤を塗布し乾燥させた後、もう一方のフィルムを重ね合せて加圧し、接着剤を硬化させて貼り合せる方法である。また押出しラミネートは、2枚のフィルムの間に、溶融したポリエチレン系樹脂等を押出し、貼り合せる方法である。
〈吸収性フィルム〉
本発明の包装袋で用いられる吸収性フィルムは、第2の基材層、吸収層、及び第2の熱接着層を備える。上記の通り、第2の熱接着層は、非吸着性フィルムの第1の熱接着層とヒートシールされるため、包装袋の最内層に位置し、吸収層は、第2の熱接着層と第2の基材層の間に位置する。
本発明の包装袋で用いる吸収性フィルムの第2の熱接着層は、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂を含有する。非吸着性フィルムの第1の熱接着層が一定量の無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂を有し、かつ第2の熱接着層も、一定量の無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂を含有することによって、包装袋に適切なヒートシール強さを与えることができる。
無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂としては、非吸着性フィルムに関して記載したものと同様の樹脂を用いることができる。
第2の熱接着層は、第1の熱接着層との間で適切なヒートシール強さを発現できる限り、その全てが無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂であってもよいが、他の熱可塑性樹脂を含んでもよい。
無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂以外に第2の熱接着層に含めることができる熱可塑性樹脂としては、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。この中でも特に、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、特に無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂以外のポリエチレン系樹脂(PE)及びポリプロピレン系樹脂(PP)が挙げられる。そのようなポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレンビニルアセテート共重合体(EVA)、アイオノマー、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。また、そのようなポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレンホモポリマー、ランダムポリプロピレン(ランダムPP)、ブロックポリプロピレン(ブロックPP)、塩素化ポリプロピレン、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
これらのポリオレフィン系樹脂を含む場合、第2の熱接着層は、10重量%〜90重量%(好ましくは20重量%〜80重量%)の無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂、及び90重量%〜10重量%(好ましくは80重量%〜20重量%)のポリオレフィン系樹脂を含有することが好ましい。
第2の熱接着層の全てを無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂で構成する場合には、無水マレイン酸変性PPを用いることが好ましい。また、第2の熱接着層が、10重量%以上、30重量%以上、又は50重量%以上で無水マレイン酸変性PPを含有し、及び90重量%以下、70重量%以下、又は50重量%以下でポリオレフィン系樹脂を含有することも好ましい。
本発明者らは、20重量%〜90重量%(好ましくは25重量%〜80重量%、さらに好ましくは30重量%〜70重量%)の無水マレイン酸変性LDPE、及び80重量%〜10重量%(好ましくは75重量%〜20重量%、さらに好ましくは70重量%〜30重量%)のLLDPEを含む第2の熱接着層が、非常に広い範囲のヒートシール温度で、イージーピール性を与えるヒートシール強さを付与できることを見出した。
また本発明者らは、無水マレイン酸変性LDPEと無水マレイン酸変性LLDPEとを合計で20重量%〜60重量%(好ましくは30重量%〜50重量%)含み、LLDPEとPPとを合計で80重量%〜40重量%(好ましくは70重量%〜50重量%)含む第2の熱接着層も、非常に広い範囲のヒートシール温度で、イージーピール性を与えるヒートシール強さを付与できることを見出した。
さらに本発明者らは、無水マレイン酸変性PPを30〜70重量%(好ましくは40重量%〜60重量%)含み、LLDPEを70〜30重量%(好ましくは60重量%〜40重量%)含む第2の熱接着層も、非常に広い範囲のヒートシール温度で、イージーピール性を与えるヒートシール強さを付与できることを見出した。
第2の熱接着層が無水マレイン酸変性PEを含む場合に、その表面をFT−IRで測定した際、C=Oの伸縮振動の吸収帯に起因する1710〜1712cm−1の吸光度の、ポリオレフィンのC−H変角振動の吸収帯に起因する1462〜1464cm−1の吸光度に対する比が、0.010以上、0.015以上、0.020以上、0.025以上、又は0.030以上で、0.100以下、0.080以下、0.060以下、又は0.050以下あることが好ましい。また、第2の熱接着層が無水マレイン酸変性PPを含む場合に、その表面をFT−IRで測定した際、C=Oの伸縮振動の吸収帯に起因する1710〜1712cm−1の吸光度の、ポリオレフィンのC−H変角振動の吸収帯に起因する1462〜1464cm−1の吸光度に対する比が、0.015以上、0.020以上、0.025以上、0.028以上、又は0.030以上で、0.080以下、0.060以下、0.050以下、又は0.040以下あることが好ましい。この場合、測定は実施例に記載の方法によって行われる。これらの比の値から、第2の吸着層における無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂の含有量、及び無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂の無水マレイン酸による変性の度合いを推定することができる。
吸収層に含有させる吸収剤としては、例えば酸素吸収剤、吸湿剤等又はこれらを組み合わせた吸収剤を挙げることができる。ここで用いる吸収剤は、内容物の有効成分(例えば薬効成分)を実質的に吸収せず、かつ内容物を劣化させる成分を吸収する物質であることが好ましい。
吸収剤としては、特に無機系吸収剤が用いられ、無機系吸収剤としては、酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム等の化学吸着剤、及び酸化アルミニウム、生石灰、シリカゲル、無機化合物の分子篩等の物理吸着剤を挙げることができる。無機化合物の分子篩の例としては、限定されないが、アルミノケイ酸塩鉱物、クレー、多孔質ガラス、微細孔性活性炭、ゼオライト、活性炭、又は水等の小分子を拡散させることが可能な開口構造をもつ化合物を挙げることができる。このような無機系吸収剤は、低湿度領域でも高い吸湿性を得ることができるため、吸湿剤として有用である。
ゼオライトとしては、天然ゼオライト、人工ゼオライト、合成ゼオライト等を使用することができる。ゼオライトは、分子の大きさの違いによって物質を分離するのに用いられる多孔質の粒状物質であり、均一な細孔をもつ構造であって、細孔の空洞に入る小さな分子を吸収して一種の篩の作用を有するため、水(蒸気、水蒸気)、有機ガス等を吸収することができる。合成ゼオライトの一例としてはモレキュラーシーブがあり、この中でも特に細孔(吸収口)径が0.3nm〜1nmのモレキュラーシーブを使用することができる。通常、細孔径が0.3nm、0.4nm、0.5nm、1nmのモレキュラーシーブを、それぞれモレキュラーシーブ3A、モレキュラーシーブ4A、モレキュラーシーブ5A、モレキュラーシーブ13Xと称する。モレキュラーシーブの平均粒子径(レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径)は、例えば10μm前後のものが用いられる。本発明では、吸収する目的物や内容物の性質等に合わせて、これらのゼオライトを適宜使い分けることができる。
吸収剤として、鉄粉、酸化セリウム等の公知の酸素吸収剤を用いることもできる。例えば、このような酸素吸収剤としては、特開平9−70531号公報、特開2001−9273号公報、特開2012−158125号公報等に記載のものを用いることができる。この中でも特に、酸素欠陥を有する酸化セリウムが好ましい。酸素欠陥を有する酸化セリウムとは、酸化セリウムを水素、一酸化炭素、アセチレンなどの還元性ガス中にて加熱することで得られる物質で、蛍石類似の構造を有しており、一般式CeO2−xで表される。酸素欠陥の程度を表すxは、0より大きく1以下の範囲である。1を超えると、結晶構造を保てなくなるため好ましくない。
吸収剤は、吸収能力の観点から、吸収層の重量に対して、5重量%以上、10重量%以上、20重量%以上、30重量%以上、40重量%以上、又は50重量%以上の範囲で吸収層に含まれることができ、また熱可塑性樹脂バインダーへの分散性及び成形性の観点から90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、又は60重量%以下の範囲で吸収層に含まれることができる。
吸収層で用いる熱可塑性樹脂バインダーとしては、熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。この中でも特にポリオレフィン系樹脂が好適であり、第2の熱接着層に用いることができるポリオレフィン系樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
第2の基材層としては、上述の非吸着性フィルムの第1の基材層と同様の層を使用することができる。
吸収層と第2の基材層との間に、さらにスキン層を含んでもよく、これにより吸収層と第2の基材層との間の層間はく離を防いでもよい。この場合、スキン層は、第2の熱接着層と同じ樹脂で構成されていてもよく、吸収層で用いることができる熱可塑性樹脂バインダーから構成されていてもよい。
第2の熱接着層及びスキン層の厚さは、5μm以上、10μm以上又は20μm以上であってよく、80μm以下、50μm以下、又は30μm以下であってよい。酸素吸収層の厚さは、10μm以上、20μm以上、又は30μm以上であってよく、100μm以下、80μm以下、又は50μm以下であってよい。また、第2の基材層の厚さは、20μm以上、30μm以上、又は50μm以上であってよく、また200μm以下、150μm以下、又は100μm以下であってよい。
〈吸収性フィルム−製造方法〉
吸収性フィルムは、第2の熱接着層と吸収層とを、多層インフレーション法、多層Tダイ法、多層キャスト法等によって製造することができる。
第2の熱接着層と吸収層とを多層インフレーション法、多層Tダイ法、多層キャスト法等によって製造する前には、吸収層の熱可塑性樹脂バインダーと吸収剤とを、ニーダー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、ミキシングロール等のバッチ式又は連続混練機、単軸押出機、或いは二軸混練機等で加熱混練した後に、ペレット状に加工することで、吸収層用の樹脂組成物(ペレット)を作製することができる。さらに、上記ペレットと、熱可塑性樹脂バインダーのペレットとをドライブレンドすることで、吸収剤の含有率を希釈調整してもよい。また、第2の熱接着層が無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂と他の熱可塑性樹脂を含む場合、吸収層と同様に、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂と他の熱可塑性樹脂とを、バッチ式又は連続混練機、単軸押出機、或いは二軸混練機等で加熱混練した後に、ペレット状に加工することで、第2の熱接着層用の樹脂組成物(ペレット)を作製することができる。
そして、吸収層用のペレットと、第2の熱接着層用の樹脂のペレットを用いて、インフレーション法等により多層製膜を行うことで吸収性フィルムを製造することができる。吸収性フィルムにスキン層を与える場合には、同様にしてスキン層を多層インフレーション法等によって、吸収層と第2の熱接着層と共に多層製膜製造することができる。吸収層をインフレーション法等により製造した後、別途製造した第2の熱接着層及び随意のスキン層を熱圧着又はドライラミネート等公知のラミネート法によってラミネートしてもよい。
吸収性フィルムの第2の基材層と、吸収層又はスキン層とのラミネート方法としては、非吸着性フィルムの第1の熱接着層と第1の基材層とのラミネートの方法と同様の方法を使用することができる。また、吸収性フィルムの製造の際には、非吸着性フィルムを製造するときと同様に、通常使用する程度の耐熱安定剤、耐候安定剤、滑剤、帯電防止剤、核剤、充填剤、顔料、染料、難燃剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、アンチブロッキング剤等の添加物を含有させてもよい。
〈内容物〉
本発明の包装袋に入れる内容物としては、酸素、水分等の存在によって影響を受けるものであれば特に限定されない。例えば、食品、薬品、化学物質等を挙げることができる。薬品としては、例えば酸素で劣化する薬効成分を経皮吸収させる貼付剤を挙げることができる。また、水分により劣化する薬剤等を挙げることもできる。
図1は、内容物(100)を含む本発明の包装袋(10) を示す。この包装袋(10)は、第1の熱接着層(11)及び第1の基材層(12)を含む非吸着性フィルム(1)と、第2の熱接着層(21)、吸収層(22)、及び第2の基材層(23)を含む吸収性フィルム(2)とがヒートシールされて形成されている。
例えば、吸収性フィルム(2)を酸素吸収性フィルムとし、かつ内容物を、支持体(A)上に塗布された薬効成分層(B)がプラスチック製のはく離フィルム(C)で被覆されている貼付剤(100)とする。このような薬効成分貼付剤において、薬効成分は、貼付剤(100)の支持体(A)側から揮散しやすい。したがって、貼付剤(100)の支持体(A)を、非吸着性フィルム(1)側に配置し、はく離フィルム(C)を酸素吸収性フィルム(2)側に配置して、貼付剤(100)を本発明の包装袋(10)に同封すれば、薬効成分の揮散を防止することができ、また包装袋内の酸素量を酸素吸収性フィルム(2)によって低濃度に保つことが可能となる。
《包装袋の製造方法》
本発明の包装袋を、上記の非吸着性フィルムの第1の熱接着層と、上記の吸収性フィルムの第2の熱接着層とをヒートシールすることによって、製造することができる。
ヒートシール条件は、上記のヒートシール強さを与えることができれば得に限定はされないが、例えば熱接着層同士を80℃〜280℃の範囲で、0.05MPa〜5.0MPaの圧力で、0.05秒〜5.0秒間の条件で実行することができる。ヒートシール温度は、例えば、80℃以上、100℃以上、110℃以上、120℃以上又は130℃以上とし、280℃以下、250℃以下、230℃以下、又は210℃以下とすることができる。ヒートシール圧力は、例えば、0.05MPa以上、0.1MPa以上、又は0.2MPa以上とし、5.0MPa以下、3.0MPa以下、1.0MPa以下、0.8MPa以下、又は0.5MPa以下とすることができる。ヒートシール時間を、例えば、0.05秒以上、0.1秒以上、0.2秒以上、又は0.3秒以上とし、5.0秒以下、3.0秒以下、2.0秒以下、1.0秒以下、又は0.8秒以下とすることができる。
本発明の包装袋は、少なくとも一部が、非吸着性フィルムの第1の熱接着層と吸収性フィルムの第2の熱接着層とをヒートシールし、四方袋、ガゼット袋等の形態に形成することができる。ヒートシールは、インパルス方式等の公知の方法を、上記の条件に準じて実行することもできる。
《サンプル作製》
〈非吸着性フィルムの作製〉
12部の無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂(モディックDU6400、三菱化学株式会社)及び88部のEVOH(エバールE171B、株式会社クラレ)を比エネルギー5.6MJ/kgで溶融混合して得られたポリマーアロイをTダイで製膜し、第1の熱接着層として、厚み30μmのフィルムを成形した(無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂の島のアスペクト比:2.59、メントール吸着量:測定限界以下)。溶融混合とTダイでの製膜は、フライトスクリューとパイナップル、ニーディングディスクの3つの部分を備えるスクリューを備え、L/D=30の二軸混練押出機(ラボプラストミル、株式会社東洋精機製作所)を用いて行った。この第1の熱接着層に、第1の基材層として、PETフィルム(厚さ12μm)及びアルミニウム箔(厚さ9μm)をドライラミネートして、PETフィルム/アルミニウム箔/第1の熱接着層からなる非吸着性フィルムとした。第1の熱接着層を製膜する際には、ヒートシール性に対して影響を与えない程度の量でアンチブロッキング剤含有樹脂ペレット(PEX ABR−24AL、東京インキ株式会社)も添加した。
この非吸着性フィルムを用いて、実施例1〜16及び比較例1の包装袋を作製し、評価した。
〈吸収性フィルムの作製〉
吸収性フィルムとして、酸素吸収性フィルムを作製した。表1に記載の実施例1〜16及び比較例1の組成で、酸素吸収性フィルムの第2の熱接着層用の樹脂ペレットを用意した。ここでも、ヒートシール性に対して影響を与えない程度の量でアンチブロッキング剤含有樹脂ペレット(PEX ABR−24AL、東京インキ株式会社)を添加した。
吸収層に添加する酸素吸収剤として、酸素欠陥を有する酸化セリウムを用意した。この酸素吸収剤75重量部と、LDPE(MFR=8.0g/10min)25重量部とを、二軸混練押出機(ラボプラストミル、株式会社東洋精機製作所)を用いて窒素ガス雰囲気化で混練、成形し、酸素吸収層用のペレットを作製した。
また、スキン層用として、LLDPE(エボリューSP2520、株式会社プライムポリマー)のペレットを用意した。
用意した第2の熱接着層用の樹脂ペレットと、酸素吸収層用樹脂ペレットと、スキン層用の樹脂ペレットを用いて、多層Tダイ製膜機(KZW15TW−45MG−NH(−2200、株式会社テクノベル)により、3層構造の酸素吸収性多層フィルム(スキン層20μm/酸素吸収層30μm/第2の熱接着層20μm)を作製した。
第2の基材層として、厚み12μmのPETフィルム、及び厚み9μmのアルミニウム箔とをポリエチレンにより押出しラミネートした積層基材を用意した。第2の基材層のアルミニウム箔面と、上記の方法で作製した3層構造の酸素吸収性多層フィルムのスキン層とを、押出しラミネートし、酸素吸収性フィルムを得た。
〈包装袋の成形〉
上記非吸着性フィルムの第1の熱接着層と、酸素吸収性フィルムの第2の熱接着層とを向かい合わせて、それらのフィルムの4辺を、圧力0.2MPa、加熱時間0.5秒で、10℃間隔の様々な温度でヒートシールし、4方シール袋を作製した。
《評価》
〈ヒートシール強さの評価〉
ヒートシール強さを、JIS Z0238によるT型剥離試験に準拠して、引張速度を300mm/minで測定した。この測定によって、1.0〜7.0N/15mmの範囲のヒートシール強さが得られた場合には、イージーピール性を与えるヒートシール強さを有するとして○と評価し、この範囲のヒートシール強さが得られなかった場合には×とした。
さらに、10℃間隔の様々な温度でヒートシールした各例の包装袋について、20℃以上の広い範囲のヒートシール温度において、イージーピール性を与えるヒートシール強さで接着できた場合には、包装袋の製造適性を◎、温度範囲が10℃以上であった場合には製造適性を○、10℃未満であった場合にはこれを△とした。
〈酸素吸収性フィルムの第2の熱接着層の無水マレイン酸由来の吸光度の測定〉
フーリエ変換赤外分光分析装置(スペクトラム100、株式会社パーキンエルマージャパン)を用いて、1回反射ATR法(クリスタル=ダイヤモンド/ZnSe)によって、酸素吸収性フィルムの第2の熱接着層表面をFT−IR測定し、無水マレイン酸のC=Oの伸縮振動の吸収帯に起因する1710〜1712cm−1の吸光度、及びポリオレフィンのC−H変角振動の吸収帯に起因する1462〜1464cm−1の吸光度を確認した。そして、これらの比(C=Oの伸縮振動の吸収帯の吸光度/C−H変角振動の吸収帯の吸光度)を求めた。この測定は、複数回行われ、その平均値を用いた。
《結果》
以下の表1に結果を示す。
Figure 2016013595
この結果から分かるように、吸収性フィルムの第2の熱接着層が、LLDPEのみからなる場合には、非吸着性フィルムの第1の熱接着層と、ヒートシールできなかった。一方で、吸収性フィルムの第2の熱接着層が無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂を含有する場合には、その量が少なくてもヒートシール温度を高めることで、ヒートシール自体は可能になることが分かる。
第2の熱接着層が、一定量の無水マレイン酸変性LDPEとLLDPEを含有する場合には、非常に広い範囲のヒートシール温度で、イージーピール性を与えるヒートシール強さを付与できることが分かる。同様にして、第2の熱接着層に、無水マレイン酸変性LDPEと無水マレイン酸変性LLDPEとを併用し、かつLLDPEとPPとを併用して、それぞれを一定程度含有させる場合にも、非常に広い範囲のヒートシール温度で、イージーピール性を与えるヒートシール強さを付与できることが分かる。さらに、第2の熱接着層が、無水マレイン酸変性PPを有している場合にも、非常に広い範囲のヒートシール温度で、イージーピール性を与えるヒートシール強さを付与できることが分かる。
吸光度の比(C=Oの伸縮振動の吸収帯の吸光度/C−H変角振動の吸収帯の吸光度)の結果をみると、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂の量が多いほど、この比の値が高くなっていることが分かる。
上記の実施例の他、発明者らは、9重量部の無水マレイン酸変性LDPE(モディックDL2500、三菱化学株式会社)と1重量部のLLDPE(エボリューSP2520、株式会社プライムポリマー)を含む第2の熱接着層を用いたこと以外は実施例3と同様にして、包装袋を作製したところ、良好なイージーピール性及び広い範囲のヒートシール温度を確認することができた。
さらに、発明者らは、この包装袋の第2の熱接着層において、1重量部のLLDPEを1重量部のPP(ノバテックPP(FG3DC)、日本ポリプロ株式会社)に変更して包装袋を作製したところ、ここでも良好なイージーピール性及び広い範囲のヒートシール温度を確認することができた。
また、酸素吸収性多層フィルムの層厚みを、スキン層10μm/酸素吸収層20μm/第2の熱接着層10μmとしたこと以外は実施例2と同様にして、包装袋を作製したところ、良好なイージーピール性及び広い範囲のヒートシール温度を確認することができた。酸素吸収性多層フィルムの層厚みを、スキン層20μm/酸素吸収層20μm/第2の熱接着層20μmとしても同様であった。
1 非吸着性フィルム
11 第1の熱接着層
12 第1の基材層
2 吸収性フィルム(酸素吸収性フィルム)
21 第2の熱接着層
22 酸素吸収層
23 第2の基材層
10 包装袋
100 内容物(貼付剤)
A 支持体
B 薬効成分層
C はく離フィルム

Claims (10)

  1. 第1の基材層及び第1の熱接着層を備える非吸着性フィルム、並びに第2の基材層、吸収層及び第2の熱接着層を備える吸収性フィルムを含み、前記第1の熱接着層と前記第2の熱接着層とでヒートシールして形成されている包装袋であって、
    前記第1の熱接着層が、EVOH及び無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂を含有し、
    前記第2の熱接着層が、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂を含有し、かつ
    前記第1の熱接着層と前記第2の熱接着層とが、JIS Z0238によるT型剥離試験に準拠して、引張速度300mm/minで測定した場合に、1.0〜7.0N/15mmのヒートシール強さでヒートシールされている、
    イージーピール性の包装袋。
  2. 前記第1の熱接着層と前記第2の熱接着層とが、80℃〜280℃の温度範囲のうちの少なくとも10℃の温度範囲にわたって、前記ヒートシール強さでヒートシール可能である、請求項1に記載の包装袋。
  3. 前記第2の熱接着層が、10重量%〜90重量%の無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂及び90重量%〜10重量%のポリオレフィン系樹脂を含有する、請求項1又は2に記載の包装袋。
  4. 前記無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂が無水マレイン酸変性LDPEであり、かつ前記ポリオレフィン系樹脂がPPである、請求項3に記載の包装袋。
  5. 前記第2の熱接着層が、20重量%の〜90重量%の無水マレイン酸変性LDPE、及び80重量%〜10重量%のLLDPEを含有する、請求項3に記載の包装袋。
  6. 前記第2の熱接着層が、無水マレイン酸変性LDPEと無水マレイン酸変性LLDPEとを合計で20重量%〜60重量%含有し、かつLLDPEとPPとを合計で80重量%〜40重量%含有している、請求項3に記載の包装袋。
  7. 前記第2の熱接着層が、10重量%〜100重量%の無水マレイン酸変性PP及び90重量%〜0重量%のポリオレフィン系樹脂を含有する、請求項1又は2に記載の包装袋。
  8. 前記第2の熱接着層が、30〜70重量%の無水マレイン酸変性PP、及び70〜30重量%のLLDPEを含有する、請求項7に記載の包装袋。
  9. 前記第1の熱接着層が、70重量%〜90重量%のEVOH及び30重量%〜10重量%の無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂を含有している、請求項1〜8のいずれか一項に記載の包装袋。
  10. 前記吸収性フィルムの吸収層が、無機系吸収剤及び熱可塑性樹脂バインダーを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の包装袋。
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