JPH07227259A - 多層シート成形体 - Google Patents
多層シート成形体Info
- Publication number
- JPH07227259A JPH07227259A JP1741294A JP1741294A JPH07227259A JP H07227259 A JPH07227259 A JP H07227259A JP 1741294 A JP1741294 A JP 1741294A JP 1741294 A JP1741294 A JP 1741294A JP H07227259 A JPH07227259 A JP H07227259A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oxygen
- layer
- thermoplastic resin
- sheet
- resin layer
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- Pending
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- Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】食品衛生上の取扱いが容易で、電子部品・精密
機械部品などに対する汚染性のない多層シート成形体を
提供すること。 【構成】熱可塑性樹脂15〜70wt%と粒径5〜200
μmで比表面積1000cm2/g以上の還元鉄粉30〜85w
t%からなる樹脂組成物であって微多孔化された酸素吸
収層(A)、これと熱可塑性樹脂層(B)および多孔質
層または酸素透過性樹脂層(C)が以下の層構成に積層
された酸素吸収多層シートであってシート端面が熱可塑
性樹脂層(B)で完全に被覆された多層シート成形体。
熱可塑性樹脂層(B)/酸素吸収層(A)/多孔質層ま
たは酸素透過性樹脂層(C)
機械部品などに対する汚染性のない多層シート成形体を
提供すること。 【構成】熱可塑性樹脂15〜70wt%と粒径5〜200
μmで比表面積1000cm2/g以上の還元鉄粉30〜85w
t%からなる樹脂組成物であって微多孔化された酸素吸
収層(A)、これと熱可塑性樹脂層(B)および多孔質
層または酸素透過性樹脂層(C)が以下の層構成に積層
された酸素吸収多層シートであってシート端面が熱可塑
性樹脂層(B)で完全に被覆された多層シート成形体。
熱可塑性樹脂層(B)/酸素吸収層(A)/多孔質層ま
たは酸素透過性樹脂層(C)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多層シート成形体に関す
る。詳しくは、シート端面が熱可塑性樹脂層で覆われた
食品衛生性に優れた酸素吸収性多層シート成形体に関す
る。
る。詳しくは、シート端面が熱可塑性樹脂層で覆われた
食品衛生性に優れた酸素吸収性多層シート成形体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】脱酸素剤は食品をはじめ、種々の製品の
保存に際して酸素が好まれないような場合に、酸素の除
去を目的として多方面で使用されている。従来、脱酸素
剤の使用形態としては、通気性を有する小袋に鉄粉など
の脱酸素剤を封入した、いわゆるパウチタイプが使用さ
れてきたが、近年取扱いが容易であり、これまでのパウ
チタイプでは使用できなかった用途分野への展開を念頭
においたシートタイプの開発が試みられてくるようにな
った。たとえば、酸素吸収能力を制御した酸素吸収シー
トとしては酸素吸収剤を樹脂に充填して多孔質化する方
法として特開平2−203937号公報に記載されるものが挙
げられる。
保存に際して酸素が好まれないような場合に、酸素の除
去を目的として多方面で使用されている。従来、脱酸素
剤の使用形態としては、通気性を有する小袋に鉄粉など
の脱酸素剤を封入した、いわゆるパウチタイプが使用さ
れてきたが、近年取扱いが容易であり、これまでのパウ
チタイプでは使用できなかった用途分野への展開を念頭
においたシートタイプの開発が試みられてくるようにな
った。たとえば、酸素吸収能力を制御した酸素吸収シー
トとしては酸素吸収剤を樹脂に充填して多孔質化する方
法として特開平2−203937号公報に記載されるものが挙
げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記酸素吸収
シートは、そのままの形で使用すると食品、医薬品、化
粧品、電子部品、精密機械部品などを汚染するおそれが
ある。それを改良するためにシートを袋に入れて使用す
るなどの工夫が必要であるが、手間がかかりコストアッ
プになることや用途に制限があるなどにより普及が遅れ
ていた。
シートは、そのままの形で使用すると食品、医薬品、化
粧品、電子部品、精密機械部品などを汚染するおそれが
ある。それを改良するためにシートを袋に入れて使用す
るなどの工夫が必要であるが、手間がかかりコストアッ
プになることや用途に制限があるなどにより普及が遅れ
ていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑み、食品衛生上の取扱いが容易で、電子部品・精密機
械部品などに対する汚染性のない多層シート成形体につ
いて鋭意検討を重ねてきた結果、上記課題を解決した多
層シート成形体を開発するに至った。すなわち、本発明
は、熱可塑性樹脂15〜70wt%と粒径5〜200μm
で比表面積1000cm2 /g以上の還元鉄粉30〜85wt%
からなる樹脂組成物であって微多孔化された酸素吸収層
(A)、これと熱可塑性樹脂層(B)および多孔質層ま
たは酸素透過性樹脂層(C)が以下の層構成に積層され
た酸素吸収多層シートであってシート端面が熱可塑性樹
脂層(B)で完全に被覆された多層シート成形体を提供
するものである。熱可塑性樹脂層(B)/酸素吸収層
(A)/多孔質層または酸素透過性樹脂層(C)
鑑み、食品衛生上の取扱いが容易で、電子部品・精密機
械部品などに対する汚染性のない多層シート成形体につ
いて鋭意検討を重ねてきた結果、上記課題を解決した多
層シート成形体を開発するに至った。すなわち、本発明
は、熱可塑性樹脂15〜70wt%と粒径5〜200μm
で比表面積1000cm2 /g以上の還元鉄粉30〜85wt%
からなる樹脂組成物であって微多孔化された酸素吸収層
(A)、これと熱可塑性樹脂層(B)および多孔質層ま
たは酸素透過性樹脂層(C)が以下の層構成に積層され
た酸素吸収多層シートであってシート端面が熱可塑性樹
脂層(B)で完全に被覆された多層シート成形体を提供
するものである。熱可塑性樹脂層(B)/酸素吸収層
(A)/多孔質層または酸素透過性樹脂層(C)
【0005】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の酸素吸収層(A)に用いられる熱可塑性樹脂とし
ては、例えば、高圧法で得られる分岐低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン
等のα−オレフィンホモポリマー、エチレンと炭素数3
〜18の少なくとも一種のα−オレフィンとの共重合
体、プロピレンとエチレンおよび/またはブテン−1と
の共重合体、エチレンと酢酸ビニルおよび/または(メ
タ)アクリル酸エステル類などエチレン性不飽和結合を
有する有機カルボン酸誘導体との共重合体、環状オレフ
ィン系共重合体、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリ
スチレン類、ポリカーボネート類などから選ばれる一種
または二種以上の混合物が挙げられる。
発明の酸素吸収層(A)に用いられる熱可塑性樹脂とし
ては、例えば、高圧法で得られる分岐低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン
等のα−オレフィンホモポリマー、エチレンと炭素数3
〜18の少なくとも一種のα−オレフィンとの共重合
体、プロピレンとエチレンおよび/またはブテン−1と
の共重合体、エチレンと酢酸ビニルおよび/または(メ
タ)アクリル酸エステル類などエチレン性不飽和結合を
有する有機カルボン酸誘導体との共重合体、環状オレフ
ィン系共重合体、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリ
スチレン類、ポリカーボネート類などから選ばれる一種
または二種以上の混合物が挙げられる。
【0006】また本発明の酸素吸収層(A)に用いられ
る酸素吸収剤である鉄粉は、粒径が5〜200μmで、
比表面積が1000cm2 /g以上の還元鉄粉である。粒径に
関しては、より好ましい範囲は50〜200μmであ
る。粒径が5μm未満の場合は延伸加工性が劣り、高倍
率の延伸が出来ず、実用レベルの酸素吸収能を達成でき
ない。また、200μmを超える場合は、薄肉加工性が
劣る。また鉄粉は前記粒径に加えて、シートとしての酸
素吸収性能の発現の点からその比表面積が1000cm2 /g
以上が好ましく、より好ましくは 5000cm 2 /g以上で
ある。このような粒径および比表面積を有する鉄粉とし
ては、その粒子が多孔質体(スポンジ状)あるいは微小
粒子からなる凝集体であることが好ましい。また、本発
明で用いられる鉄粉は還元鉄であり、できるだけ不純物
を含まないものが良い。不純物としては特にイオウ含量
は100ppm 以下が好ましく、これを越すと硫化水素な
どの悪臭発生の原因となり、好ましくない。また鉄の酸
化物は酸素吸収性能に悪影響を及ぼすだけでなく、特に
溶融状態のポリマーに対して臭気上の悪影響を及ぼすた
め、存在させないことが理想的である。本発明で用いる
鉄粉は、電解質を表面に付着またはコートさせて使用す
るのが好ましい。
る酸素吸収剤である鉄粉は、粒径が5〜200μmで、
比表面積が1000cm2 /g以上の還元鉄粉である。粒径に
関しては、より好ましい範囲は50〜200μmであ
る。粒径が5μm未満の場合は延伸加工性が劣り、高倍
率の延伸が出来ず、実用レベルの酸素吸収能を達成でき
ない。また、200μmを超える場合は、薄肉加工性が
劣る。また鉄粉は前記粒径に加えて、シートとしての酸
素吸収性能の発現の点からその比表面積が1000cm2 /g
以上が好ましく、より好ましくは 5000cm 2 /g以上で
ある。このような粒径および比表面積を有する鉄粉とし
ては、その粒子が多孔質体(スポンジ状)あるいは微小
粒子からなる凝集体であることが好ましい。また、本発
明で用いられる鉄粉は還元鉄であり、できるだけ不純物
を含まないものが良い。不純物としては特にイオウ含量
は100ppm 以下が好ましく、これを越すと硫化水素な
どの悪臭発生の原因となり、好ましくない。また鉄の酸
化物は酸素吸収性能に悪影響を及ぼすだけでなく、特に
溶融状態のポリマーに対して臭気上の悪影響を及ぼすた
め、存在させないことが理想的である。本発明で用いる
鉄粉は、電解質を表面に付着またはコートさせて使用す
るのが好ましい。
【0007】本発明の、酸素吸収層(A)に使用する熱
可塑性樹脂組成物における還元鉄粉の含有量は、30〜
85重量%である。還元鉄粉の含有量が30重量%未満
の場合には酸素を吸収する能力が低く実用性に乏しい。
一方、85重量%を超す場合は得られるシートが脆くな
って実用性に乏しい。また、酸素吸収層には必要に応じ
て活性炭を入れて用いてもよい。さらに該シートは必要
に応じて多孔質化してもよい。本発明の熱可塑性樹脂層
(B)に使用する熱可塑性樹脂は、酸素吸収層(A)に
使用する前記の熱可塑性樹脂と同じ範囲の樹脂が挙げら
れ、特に好ましい樹脂は、プロピレンの単独重合体、プ
ロピレンとエチレンおよび/またはブテン−1との共重
合体、ポリカーボネートである。そしてそれらの少なく
とも1種を30WT%以上含む熱可塑性樹脂組成物からな
る熱可塑性樹脂層(B)であることが好ましい。他の成
分として、他の熱可塑性樹脂や無機化合物などを含んで
いてもよいが、それらが70wt%を越すと多層シートの
端面、特に酸素吸収層(A)を完全に覆うことが困難と
なるので好ましくない。熱可塑性樹脂樹脂層(B)/酸
素吸収層(A)の厚み比は、特に制限されないが、0.2
以上が好ましい。
可塑性樹脂組成物における還元鉄粉の含有量は、30〜
85重量%である。還元鉄粉の含有量が30重量%未満
の場合には酸素を吸収する能力が低く実用性に乏しい。
一方、85重量%を超す場合は得られるシートが脆くな
って実用性に乏しい。また、酸素吸収層には必要に応じ
て活性炭を入れて用いてもよい。さらに該シートは必要
に応じて多孔質化してもよい。本発明の熱可塑性樹脂層
(B)に使用する熱可塑性樹脂は、酸素吸収層(A)に
使用する前記の熱可塑性樹脂と同じ範囲の樹脂が挙げら
れ、特に好ましい樹脂は、プロピレンの単独重合体、プ
ロピレンとエチレンおよび/またはブテン−1との共重
合体、ポリカーボネートである。そしてそれらの少なく
とも1種を30WT%以上含む熱可塑性樹脂組成物からな
る熱可塑性樹脂層(B)であることが好ましい。他の成
分として、他の熱可塑性樹脂や無機化合物などを含んで
いてもよいが、それらが70wt%を越すと多層シートの
端面、特に酸素吸収層(A)を完全に覆うことが困難と
なるので好ましくない。熱可塑性樹脂樹脂層(B)/酸
素吸収層(A)の厚み比は、特に制限されないが、0.2
以上が好ましい。
【0008】本発明のシート端面が熱可塑性樹脂層
(B)で完全に覆われた多層シート成形体を得る好まし
い方法は、刃の温度が室温から熱可塑性樹脂層(B)の
軟化点の範囲にあるシート打抜き刃、あるいは該打抜き
刃と受刃の組合せによって成形する方法である。打抜き
刃について、刀の角度は内側にテーパーがかかりそのテ
ーパー角は45度以下であってその刃先はアールがかか
っている形状であってもよい。さらに受刃は水平面との
角度が45度前後の傾斜面あるいは該傾斜面が単にフラ
ットではなくアールを有する凹面であってもよい。
(B)で完全に覆われた多層シート成形体を得る好まし
い方法は、刃の温度が室温から熱可塑性樹脂層(B)の
軟化点の範囲にあるシート打抜き刃、あるいは該打抜き
刃と受刃の組合せによって成形する方法である。打抜き
刃について、刀の角度は内側にテーパーがかかりそのテ
ーパー角は45度以下であってその刃先はアールがかか
っている形状であってもよい。さらに受刃は水平面との
角度が45度前後の傾斜面あるいは該傾斜面が単にフラ
ットではなくアールを有する凹面であってもよい。
【0009】本発明に用いられる多孔質層または酸素透
過性樹脂層(C)は、熱可塑性樹脂と無機化合物、他の
熱可塑性樹脂または高分子架体との溶融混合物を延伸、
微多孔化したもの、熱可塑性樹脂と水溶性無機化合物ま
たはオイルとを溶融混合して得られるシートを水または
有機溶剤で抽出し、微多孔化したもの、織布、不織布、
または、酸素透過係数が常温で1×10-13 〔cm3 〕
〔cm〕/〔cm2 〕〔sec〕〔Pa〕以上である樹脂で
あって、その厚さが0.1〜50μmであるものの中から
選ばれる1種または2種以上の組合せからなる層である
ことが好ましい。
過性樹脂層(C)は、熱可塑性樹脂と無機化合物、他の
熱可塑性樹脂または高分子架体との溶融混合物を延伸、
微多孔化したもの、熱可塑性樹脂と水溶性無機化合物ま
たはオイルとを溶融混合して得られるシートを水または
有機溶剤で抽出し、微多孔化したもの、織布、不織布、
または、酸素透過係数が常温で1×10-13 〔cm3 〕
〔cm〕/〔cm2 〕〔sec〕〔Pa〕以上である樹脂で
あって、その厚さが0.1〜50μmであるものの中から
選ばれる1種または2種以上の組合せからなる層である
ことが好ましい。
【0010】
【発明の効果】本発明の多層シート成形体は、シートの
端面が熱可塑性樹脂で完全に覆われているため食品衛生
上の問題がなく、全ての食品包装に対し使用できる上
に、安価で性能の良いシートを供給できる。また、食品
以外の医薬品、化粧品、電子部品や精密機械部品の包装
においても、製品を汚染することなく安価で高性能のシ
ートを提供できる。
端面が熱可塑性樹脂で完全に覆われているため食品衛生
上の問題がなく、全ての食品包装に対し使用できる上
に、安価で性能の良いシートを供給できる。また、食品
以外の医薬品、化粧品、電子部品や精密機械部品の包装
においても、製品を汚染することなく安価で高性能のシ
ートを提供できる。
【0011】
【実施例】以下実施例によって詳細に説明するが、本発
明はこれによって限定されるものではない。 酸素吸収性能:還元鉄粉1gを含む酸素吸収多層シート
(体)を200ml のKコートナイロン袋に切りモチ120 g
と一緒に入れ、1週間後の酸素濃度をガスクロマトグラ
フィーにて分析した。 臭気評価:官能評価 食品衛生性:酸素吸収剤の流出、汚染を目視にて判定し
た。 実施例1 線状ポリエチレン樹脂(ニポロンハード4010;東洋曹達
(株)製 密度0.963g/cm3 、メルトフローレート5.
5g/10分)30重量部と還元鉄粉(粒径100μ
m、比表面積15,000cm2 /gの還元鉄粉で1.5wt%の塩
化カルシウムを含む)70重量部とを35mmφ、2軸押
出機にて、樹脂組成物Aを窒素雰囲気下にて作製した。
次に、上記線状ポリエチレン40重量部と硫酸バリウム
(日本化学工業(株)製平均粒径5μm)60重量部か
らなる樹脂組成物Cを同様な方法で作製した。樹脂組成
物AおよびCを使用して2種2層のシート加工を行な
い、厚さがそれぞれ1mmおよび0.3mmのシートを得た。
このシートをロール型延伸機にて128℃で7倍に延伸
し多孔質の多層シートを得た。この多層シートに押出ラ
ミネーターにて、ポリプロピレン(住友ノーブレンFS
2011D;住友化学(株)製 密度0.91g/cm3 、メルト
フローレート2.5 g/10分)80重量部と低密度ポリ
エチレンベースの酸化チタン・マスターバッチ(酸化チ
タン濃度60wt%)20重量部の割合の樹脂組成物Bを
300μmの厚さで溶融、積層して3種3層のシートを
作製した。そして、該多層シートを、80℃に加熱した
直径50mmの打抜刃 (内側に約30度のテーパー角を有
する)およびすり鉢状の受刃(すり鉢の斜面の斜度約4
5°)にて打抜いた。得られた多層シート成形体は、そ
の端面が樹脂組成物Bからなる熱可塑性樹脂層Bによっ
て完全に覆われていた。該多層シート包装体をKコート
ナイロン製酸素バリア袋に切りモチと一緒に袋に入れヒ
ートシールで密封し、23℃で保存テストを行った。1
週間後の酸素濃度は0.01%で保存上の問題は無く、開封
後の臭気は全く認められなかった。また該多層シート包
装体はどの部分からも酸素吸収剤の流出汚染は認められ
ず食品衛生上良好な結果を示した。
明はこれによって限定されるものではない。 酸素吸収性能:還元鉄粉1gを含む酸素吸収多層シート
(体)を200ml のKコートナイロン袋に切りモチ120 g
と一緒に入れ、1週間後の酸素濃度をガスクロマトグラ
フィーにて分析した。 臭気評価:官能評価 食品衛生性:酸素吸収剤の流出、汚染を目視にて判定し
た。 実施例1 線状ポリエチレン樹脂(ニポロンハード4010;東洋曹達
(株)製 密度0.963g/cm3 、メルトフローレート5.
5g/10分)30重量部と還元鉄粉(粒径100μ
m、比表面積15,000cm2 /gの還元鉄粉で1.5wt%の塩
化カルシウムを含む)70重量部とを35mmφ、2軸押
出機にて、樹脂組成物Aを窒素雰囲気下にて作製した。
次に、上記線状ポリエチレン40重量部と硫酸バリウム
(日本化学工業(株)製平均粒径5μm)60重量部か
らなる樹脂組成物Cを同様な方法で作製した。樹脂組成
物AおよびCを使用して2種2層のシート加工を行な
い、厚さがそれぞれ1mmおよび0.3mmのシートを得た。
このシートをロール型延伸機にて128℃で7倍に延伸
し多孔質の多層シートを得た。この多層シートに押出ラ
ミネーターにて、ポリプロピレン(住友ノーブレンFS
2011D;住友化学(株)製 密度0.91g/cm3 、メルト
フローレート2.5 g/10分)80重量部と低密度ポリ
エチレンベースの酸化チタン・マスターバッチ(酸化チ
タン濃度60wt%)20重量部の割合の樹脂組成物Bを
300μmの厚さで溶融、積層して3種3層のシートを
作製した。そして、該多層シートを、80℃に加熱した
直径50mmの打抜刃 (内側に約30度のテーパー角を有
する)およびすり鉢状の受刃(すり鉢の斜面の斜度約4
5°)にて打抜いた。得られた多層シート成形体は、そ
の端面が樹脂組成物Bからなる熱可塑性樹脂層Bによっ
て完全に覆われていた。該多層シート包装体をKコート
ナイロン製酸素バリア袋に切りモチと一緒に袋に入れヒ
ートシールで密封し、23℃で保存テストを行った。1
週間後の酸素濃度は0.01%で保存上の問題は無く、開封
後の臭気は全く認められなかった。また該多層シート包
装体はどの部分からも酸素吸収剤の流出汚染は認められ
ず食品衛生上良好な結果を示した。
【0012】比較例 樹脂組成物AおよびCを使用して実施例と同様に2種2
層のシートを作製し、該シートの樹脂組成物Aからなる
層の側にポリエステルフィルム層(40μm)を高圧法
低密度ポリエチレン(L705;80μm)によってサ
ンドラミネーションを行って多層シートを得た。該多層
シートをJISのプラスチックシート引っ張り試験用に
使用される短冊型のダンベルで打ち抜き実施例と同様の
評価を行った。1週間後の酸素濃度や臭気は実施例と同
じ結果であったが、該サンプルのシート端面には酸化し
た鉄粉が露出し切りモチにその鉄粉が付着していた。
層のシートを作製し、該シートの樹脂組成物Aからなる
層の側にポリエステルフィルム層(40μm)を高圧法
低密度ポリエチレン(L705;80μm)によってサ
ンドラミネーションを行って多層シートを得た。該多層
シートをJISのプラスチックシート引っ張り試験用に
使用される短冊型のダンベルで打ち抜き実施例と同様の
評価を行った。1週間後の酸素濃度や臭気は実施例と同
じ結果であったが、該サンプルのシート端面には酸化し
た鉄粉が露出し切りモチにその鉄粉が付着していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は本発明の多層シート成形体の概念図で
ある。
ある。
【符号の説明】 1 熱可塑性樹脂層(B) 2 酸素吸収層(A) 3 多孔質層または酸素透過性樹脂層(C)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榊原 孝 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】熱可塑性樹脂15〜70wt%と粒径5〜2
00μmで比表面積1000cm2 /g以上の還元鉄粉30〜
85wt%からなる樹脂組成物であって微多孔化された酸
素吸収層(A)、これと熱可塑性樹脂層(B)および多
孔質層または酸素透過性樹脂層(C)が以下の層構成に
積層された酸素吸収多層シートであってシート端面が熱
可塑性樹脂層(B)で完全に被覆された多層シート成形
体。熱可塑性樹脂層(B)/酸素吸収層(A)/多孔質
層または酸素透過性樹脂層(C) - 【請求項2】熱可塑性樹脂層(B)が、プロピレンの単
独重合体、プロピレンとエチレンおよび/またはブテン
−1との共重合体、およびポリカーボネートの少なくと
も1種を30wt%以上含む熱可塑性樹脂である請求項1
記載の多層シート成形体。 - 【請求項3】刃の温度が、室温から熱可塑性樹脂層
(B)の軟化点の範囲の温度にあるシート打抜き刃また
は該打抜き刃と受刃の組合せによって成形された請求項
1または2記載の多層シート成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1741294A JPH07227259A (ja) | 1994-02-14 | 1994-02-14 | 多層シート成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1741294A JPH07227259A (ja) | 1994-02-14 | 1994-02-14 | 多層シート成形体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07227259A true JPH07227259A (ja) | 1995-08-29 |
Family
ID=11943299
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1741294A Pending JPH07227259A (ja) | 1994-02-14 | 1994-02-14 | 多層シート成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07227259A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7942996B2 (en) | 2002-07-25 | 2011-05-17 | Toyo Seikan Kaisha, Ltd. | Method of cutting multilayer body, method of forming multilayer container, and multilayer formed product |
JP2012055997A (ja) * | 2010-09-07 | 2012-03-22 | Iida Kasei Kk | シート面取打抜切断装置 |
-
1994
- 1994-02-14 JP JP1741294A patent/JPH07227259A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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