JPH07179809A - 含フッ素水性分散液 - Google Patents

含フッ素水性分散液

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JPH07179809A
JPH07179809A JP32418893A JP32418893A JPH07179809A JP H07179809 A JPH07179809 A JP H07179809A JP 32418893 A JP32418893 A JP 32418893A JP 32418893 A JP32418893 A JP 32418893A JP H07179809 A JPH07179809 A JP H07179809A
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俊一 児玉
Masaru Yamauchi
優 山内
Takao Hirono
高生 廣野
Hiroko Kitahata
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Abstract

(57)【要約】 【構成】フルオロオレフィンに基づく重合した単位、親
水性部位を有するマクロモノマーに基づく重合した単
位、及び一般式:X−Y−Z(ここでXはラジカル重合
性不飽和基、Yは炭素数5以上の直鎖、分岐鎖または脂
環構造を有するアルキレン基を含有する2価の連結基、
Zは水酸基)で表される水酸基含有単量体に基づく重合
した単位を必須構成成分とする含フッ素共重合体を含む
含フッ素水性分散液。 【効果】従来の含フッ素水性塗料の耐候性を維持しつ
つ、水性ブロックイソシアネートや水性メラミンなどの
硬化剤と架橋させることで、より耐薬品性、耐溶剤性、
耐汚染性に優れた塗膜を得ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は含フッ素水性分散液に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フルオロオレフィンとシクロヘキ
シルビニルエーテル及びその他各種の単量体からなる共
重合体が室温で有機溶媒に可溶であり、塗料として用い
た場合に透明で高光沢を有し、しかも高耐候性、撥水撥
油性、耐汚染性、非粘着性などフッ素樹脂の有する優れ
た特性を備えた塗膜を与えることが知られており(例え
ば特開昭55-44083号公報)、建築などの分野で使用が増
大しつつある。
【0003】この一方で、近年大気汚染の観点から有機
溶剤の使用に対して規制が行われつつあるため、有機溶
剤を用いない水性塗料や粉体塗料に対する需要が高まっ
ている。フッ素樹脂についても、そのための検討がなさ
れており、官能基をもたないものについては乳化重合で
製造できることが報告されている(特開昭55-25411号公
報)。
【0004】また、水酸基を有する含フッ素共重合体を
乳化重合したものが、特開昭57-34107号公報、特開昭61
-231044 号公報に記載されている。しかし、これらの方
法では、乳化剤及び親水性有機溶剤を併用することを必
須としていた。これらの方法では乳化剤及び親水性有機
溶剤のいずれか一方あるいは両方を使用しない場合に
は、水性分散液が得られなかったり、水性分散液が得ら
れても、極めて機械的・化学的安定性が悪く、保存中に
凝集、沈降を起こすという問題があった。
【0005】この問題を解決するものとして、フルオロ
オレフィンに基づく重合した単位と親水性部位を有する
マクロモノマーに基づく重合した単位を必須構成成分と
する含フッ素共重合体が水に分散された水性分散液が提
案されている(特開平2-225550号公報)。この水性分散
液は、造膜性に優れ、かつ塗膜の機械的強度も良好であ
り、さらに乳化剤や親水性有機溶剤を用いなくても製造
することが可能である。
【0006】またこれらの含フッ素水性分散液に基づく
塗膜の耐薬品性、耐溶剤性、耐汚染性をさらに向上させ
るために、水性硬化剤を配合し水酸基との架橋反応を利
用する方法も検討されつつある。この場合、含フッ素共
重合体の水酸基価が高いほど、架橋の効果がより明確に
なるが、従来の技術では水酸基価の高い含フッ素共重合
体が分散された水性分散液を得ることはかなり困難であ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術の有する問題点を解決しようとするものである。す
なわち、水性硬化剤と架橋することにより、耐候性とと
もに耐薬品性、耐溶剤性、耐汚染性に優れた塗膜を得る
ことができる、水酸基価の高い含フッ素水性分散液を新
規に提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の問題点を
解決すべくなされたものであり、フルオロオレフィンに
基づく重合した単位、親水性部位を有するマクロモノマ
ーに基づく重合した単位、及び一般式:X−Y−Z(こ
こでXはラジカル重合性不飽和基、Yは炭素数5以上の
直鎖、分岐鎖または脂環構造を有するアルキレン基を含
有する2価の連結基、Zは水酸基)で表される水酸基含
有単量体に基づく重合した単位を必須構成成分とする含
フッ素共重合体を含む含フッ素水性分散液を新規に提供
しようとするものである。
【0009】本発明において、フルオロオレフィンとし
ては、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロ
ロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペ
ンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンな
どの炭素数2〜4程度のフルオロオレフィンが好ましく
採用される。特にパーハロオレフィンが好ましい。
【0010】本発明の含フッ素水性分散液では、乳化重
合によって得られる含フッ素共重合体が、親水性部位を
有するマクロモノマーに基づく重合した単位を有するこ
とが重要である。この単位が含フッ素共重合体の必須構
成成分として含まれているため、水性分散液の機械的・
化学的安定性が改善されるばかりでなく、造膜性、塗膜
の耐水性なども向上することができるのである。
【0011】本発明における親水性単位を有するマクロ
モノマーの、親水性部位とは、親水性基を有する部位、
または親水性の結合を有する部位及びこれらの組み合わ
せからなる部位を表している。
【0012】この親水性基は、イオン性、ノニオン性、
両性及びこれらの組み合わせのいずれであってもよい
が、上記親水性部位がイオン性の親水性基を有する単位
のみからなる場合としては、含フッ素水性分散液の化学
的安定性に問題があるため好ましくなく、ノニオン性ま
たは両性の親水性基を有する部位と組み合わせるか、親
水性の結合を有する部位と組み合わせることが望まし
い。
【0013】また、マクロモノマーとは片末端にラジカ
ル重合性不飽和基を有する低分子量のポリマーまたはオ
リゴマーのことをいう。すなわち、片末端にラジカル重
合性不飽和基を有し、繰り返し単位を少なくとも2個有
する化合物である。繰り返し単位の種類によって異なる
が、通常は繰り返し単位が100 個以下のものが重合性、
耐水性などの面から好ましく採用される。
【0014】親水性部位を有するマクロモノマーとし
て、例えば、(1) CH2=CHO(CH2)a[O(CH2)b]cOX ( aは1
〜10,b は1〜4,c は2〜20の整数,X はH または低
級アルキル基である)、 (2) CH2=CHCH2O(CH2)d[O(CH2)
e]fOX ( d ,e ,f ,X は(1) 式のものと同等である)、
(3) CH2=CHO(CH2)g(OCH2CH2)h(OCH2CH(CH3))kOX( gは
1〜10,h は2〜20,k は0〜20の整数,X はH または
低級アルキル基であり、オキシエチレン単位及びオキシ
プロピレン単位はブロック、ランダムのいずれの型で配
列されていてもよい)、 (4) CH2=CHCH2O(CH2)m(OCH2CH
2)n(OCH2CH(CH3))pOX (m ,n ,p ,X は(3) 式のもの
と同様であり、オキシエチレン単位とオキシプロピレン
単位はブロック、ランダムのいずれの型で配列されてい
てもよい)または (5) CH2=CHO(CH2)qO(CO(CH2)rO)sH
(q は1〜10、r は1〜10、s は1〜30の整数)などの
片末端にラジカル重合性不飽和基を有するポリエーテル
ポリエステル類などが例示される。
【0015】なかでも、片末端がビニルエーテル型の構
造を有するものがフルオロオレフィンとの共重合性に優
れているため好ましく採用される。特にポリエーテル鎖
部分が、オキシエチレン単位または、オキシエチレン単
位とオキシプロピレン単位からなるものが親水性などに
優れているため好ましい。
【0016】また、オキシエチレン単位を少なくとも2
個有するものでないと、安定性などの諸性質が達成され
ない。また、オキシアルキレン単位の数があまりに大き
いものは、塗膜の耐水性や耐候性などが悪くなり、好ま
しくない。
【0017】かかる親水性部位を有するマクロモノマー
は、ヒドロキシル基を有するビニルエーテルあるいはア
リルエーテルに、ホルムアルデヒド、ジオールを重合さ
せる方法またはアルキレンオキサイドあるいはラクトン
環を有する化合物を開環重合させる方法などにより製造
することが可能である。
【0018】また、親水性部位を有するマクロモノマー
として、親水性のエチレン性不飽和モノマーがラジカル
重合した鎖を有し、末端にビニルエーテルまたはアリル
エーテルのごときラジカル重合性不飽和基を有するマク
ロモノマーであってもよい。
【0019】このようなマクロモノマーは、山下らがPo
lym.Bull.,5. 335(1981)に述べている方法などにより製
造することができる。即ち、縮合可能な官能基を有する
開始剤及び連鎖移動剤の存在下に親水性基を有するエチ
レン性不飽和モノマーをラジカル重合させることによ
り、縮合可能な官能基を有する重合体を製造し、ついで
この重合体の官能基にグリシジルビニルエーテル、グリ
シジルアリルエーテルのごとき化合物を反応させ、末端
にラジカル重合性不飽和基を導入する方法などが例示さ
れる。
【0020】このマクロモノマーの製造に用いられるエ
チレン性不飽和モノマーとしては、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メチ
ロールメタクリルアミド、2-メトキシエチルアクリレー
ト、2-メトキシエチルメタクリレート、ジアセトンアク
リルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキ
シプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレー
ト、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレー
ト、多価アルコールのアクリル酸エステル及び多価アル
コールのメタクリル酸エステル及びビニルピロリドンな
どがある。
【0021】この他に、共重合可能なモノマーとして、
アクリルアミドとその誘導体、メタクリルアミドとその
誘導体、N-メチロールアクリルアミド誘導体、アクリル
酸エチルカルビトール、アクリル酸メチルトリグリコー
ル、2-ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、ブ
トキシエチルアクリレートなどがある。
【0022】また、このマクロモノマーの製造に用いら
れる開始剤として4,4'- アゾビス-4- シアノバレリアン
酸、2,2'- アゾビス-2- アミジノプロパン塩酸塩、過硫
酸カリウム、過硫酸アンモニウム、アゾビスイソブチロ
ニトリル、過酸化ベンゾイルなどがある。
【0023】本発明の水酸基含有単量体は、一般式:X
−Y−Z(ここでXはラジカル重合性不飽和基、Yは炭
素数5以上の直鎖または分岐鎖または脂環構造を有する
アルキレン基を含有する2価の連結基、Zは水酸基)で
表されるものを使用することが必要である。この構造以
外の水酸基含有単量体では、場合によっては重合時や貯
蔵時、あるいは塗料化時に凝集してしまうこともある。
【0024】ラジカル重合性不飽和基Xとしては、ビニ
ル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ア
クリロイル基、メタクリロイル基などを例示しうる。2
価の連結基Yに含有されるアルキレン基としては、炭素
数5以上の直鎖または分岐鎖または脂環構造を有してい
ることが重要である。具体的には、ネオペンチレン基、
n−ヘキシレン基、n−オクチレン基、2−エチルヘキ
シレン基、n−ノニレン基、シクロヘキサン−1,4−
ジメチレン基などを例示しうる。これらのアルキレン基
とラジカル重合性不飽和基Xを連結する結合としては、
エーテル結合が好ましく採用される。
【0025】この一般式:X−Y−Z(ここでXはラジ
カル重合性不飽和基、Yは炭素数5以上の直鎖または分
岐鎖または脂環構造を有するアルキレン基を含有する2
価の連結基、Zは水酸基)で表される水酸基含有単量体
として、具体的には(1) CH2=CHOCH2-cycloC6H10-CH2OH
、(2) CH2=CHCH2OCH2-cycloC6H10-CH2OH、(3) CH2=CHO
C9H18OH、(4) CH2=CHCH2OC9H18OH などが例示される。
なかでもビニルエーテル型の構造を有するものが、フル
オロオレフィンとの交互共重合性に優れ、塗膜の耐候性
が良好となる。
【0026】本発明における含フッ素共重合体は、上記
単位の他に、これらと共重合可能な単量体に基づく単位
が含まれていてもよい。かかる単量体としては、エチレ
ン、プロピレンなどのオレフィン類、エチルビニルエー
テル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、シクロヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテ
ル類や、ブタン酸ビニルエステル、オクタン酸ビニルエ
ステルなどのビニルエステル類、スチレン、ビニルトル
エンなどの芳香族ビニル化合物などのビニル系化合物、
エチルアリルエーテルなどのアリル化合物、アクリル酸
ブチルなどのアクリロイル化合物、メタクリル酸エチル
などのメタクリロイル化合物などが例示される。特に、
オレフィン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、
アリルエーテル類、アリルエステル類が好ましく採用さ
れる。
【0027】ここでオレフィン類としては炭素数2〜10
程度のものが好ましく、ビニルエーテル類、ビニルエス
テル類、アリルエーテル類、アリルエステル類として
は、炭素数2〜15程度の直鎖状、分岐状あるいは脂環状
のアルキル基を有するものが好ましく採用される。
【0028】かかる単量体は炭素に結合した水素の少な
くとも一部がフッ素に置換されていてもよい。
【0029】本発明における含フッ素共重合体は、フル
オロオレフィンに基づく重合した単位が20〜80モル%、
親水性部位を有するマクロモノマーに基づく重合した単
位が0.1 〜25モル%及び水酸基含有単量体に基づく重合
した単位が1〜40モル%の割合であることが好まし
い。
【0030】フルオロオレフィンに基づく重合した単位
があまりに少ないと耐候性が十分に発揮されず、また多
すぎると水分散性が極めて悪くなるため好ましくない。
特に30〜70モル%であることが好ましい。
【0031】また、親水性部位を有するマクロモノマー
に基づく重合した単位が、少なすぎると水分散性が極め
て悪くなり、また多すぎると塗膜の耐候性、耐水性が悪
くなるため好ましくない。特に造膜性に極めて優れた効
果を達成させるために、この単位が0.3 〜20モル%の割
合で含まれることが好ましい。
【0032】水酸基含有単量体に基づく重合した単位
は、共重合体の水酸基価が20mgKOH/g ポリマー以上
となるよう、含有することが望ましい。水酸基価が20
mgKOH/g ポリマー未満であると、水性ブロックイソシ
アネートや水性メラミンなどの硬化剤と架橋させたと
き、塗膜の耐溶剤性などに格段の向上効果が認められな
い。特に好ましい水酸基価は40mgKOH /g ポリマー以
上である。
【0033】本発明では、乳化剤を用いなくても分散安
定性に優れる含フッ素水性分散液が得られるが、乳化剤
を用いることを妨げるものではない。ノニオン性乳化剤
としては、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加
物、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、エチレ
ンオキサイドとプロピレンオキサイドブロックコポリマ
ーなどを例示しうる。アニオン性乳化剤としては、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホ
ン酸塩、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アル
キルエーテル硫酸エステル塩、リン酸エステル塩などを
例示しうる。
【0034】本発明での乳化重合の開始は、通常の乳化
重合の開始と同様に重合開始剤の添加により行われる。
かかる重合開始剤としては、通常のラジカル開始剤を用
いることができるが、水溶性開始剤が好ましく採用さ
れ、具体的には過硫酸アンモニウム塩などの過硫酸塩、
過酸化水素あるいはこれらと亜硫酸水素ナトリウム、チ
オ硫酸ナトリウムなどの還元剤との組み合わせからなる
レドックス開始剤、さらにこれらに少量の鉄、第一鉄
塩、硫酸銀などを共存させた系の無機系開始剤、または
ジコハク酸パーオキシド、ジグルタル酸パーオキシドな
どの二塩基酸過酸化物、アゾビスイソブチルアミジンの
塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリルなどの有機系開始
剤が例示される。
【0035】重合開始剤の使用量は、種類、乳化重合条
件などに応じて適宜変更可能であるが、通常は乳化重合
させるべき単量体 100重量部あたり 0.005〜 0.5重量部
程度が好ましく採用される。また、これらの重合開始剤
は一括添加してもよいが、必要に応じて分割添加しても
よい。
【0036】また乳化物のpHを上昇させる目的で、p
H調整剤を用いてもよい。かかるpH調整剤としては、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、オルトリン酸水素ナト
リウム、チオ硫酸ナトリウム、テトラホウ酸ナトリウム
などの無機塩基及びトリエチルアミン、トリエタノール
アミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノー
ルアミンなどの有機塩基類などが例示される。
【0037】pH調整剤の添加量は、通常乳化重合媒体
100重量部あたり0.05〜2重量部程度、好ましくは 0.1
〜2重量部程度である。pHの高い方が重合速度が速く
なる傾向である。
【0038】また、乳化重合開始温度は重合開始剤の種
類に応じて適宜最適値が選定されるが、通常は 0〜100
℃、特に10〜90℃程度が好ましく採用される。また反応
圧力は適宜選定可能であるが、通常は 1〜100 kg/c
2 、特に 2〜50kg/cm2 程度を採用するのが望ま
しい。
【0039】かかる製造方法において、単量体、水、乳
化剤、開始剤などの添加物をそのまま一括仕込みして重
合してもよいが、分散粒子の粒子径を小さくして分散液
の安定性及び塗膜の光沢などの諸物性を向上させる目的
で、重合開始剤を添加する以前にホモジナイザーなどの
撹拌機を用いて前乳化させ、その後に開始剤を添加して
重合してもよい。また、単量体を分割してあるいは連続
して添加してもよく、その際単量体組成は異なってもよ
い。
【0040】本発明の水性分散液は、そのままでも水性
塗料として使用可能であるが、必要に応じて着色剤、可
塑剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、皮
バリ防止剤、硬化剤などを混合してもよい。
【0041】着色剤としては、染料、有機顔料、無機顔
料などが例示される。可塑剤としては、従来公知のも
の、例えばジオクチルフタレートなどの低分子量可塑
剤、ビニル重合体可塑剤、ポリエステル系可塑剤などの
高分子量可塑剤などが挙げられる。
【0042】硬化剤としては、例えばヘキサメチレンイ
ソシアネート三量体などのブロックイソシアネートある
いはその乳化分散体、メチル化メラミン、メチロール化
メラミン、ブチロール化メラミンなどのメラミン樹脂、
メチル化尿素、ブチル化尿素などの尿素樹脂を挙げるこ
とができる。また、水性分散液の安定性を向上させるた
めにpH調整剤を添加してもよい。
【0043】
【実施例】以下に合成例、実施例を掲げて本発明を具体
的に説明するが、かかる実施例などにより本発明は何ら
限定されるものではない。
【0044】「実施例」内容積200mlのステンレス
製撹拌機付きオートクレーブ中に、表1に示す組成のエ
チルビニルエーテル(EVE)、シクロヘキシルビニル
エーテル(CHVE)、親水性マクロモノマー(EOV
E)、水酸基含有単量体(HBVE、HEVE、HCV
E、HNVE)、イオン交換水、炭酸カリウム(K2
3 )0.22g、亜硫酸ナトリウム(NaHSO3
0.02g、過硫酸アンモニウム(APS)0.07
g、ノニオン性乳化剤(Newcol−1110:日本乳化剤
製)3.1g、アニオン性乳化剤(ラウリル硫酸ナトリ
ウム)0.1gを仕込み、氷で冷却して、窒素ガスを3.
5 kg/cm2 になるよう加圧し脱気する。この加圧脱
気を2回繰り返した後10mmHgまで脱気して溶存空気を除
去した後、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)ま
たはテトラフルオロエチレン(TFE)を仕込み、30℃
で12時間反応を行った。
【0045】反応後、200メッシュのナイロン布で水
性分散液を濾過して凝集物を取り、真空乾燥を行って、
仕込みモノマーに対するラテックス収率を求めた。さら
に濾過した水性分散液を50gビーカーに入れ、ホモジ
ナイザーで5000rpm、5分間撹拌を行い機械的安
定性を試験した。このとき、凝集物がほとんど発生しな
いものを○、多量の凝集物が発生するものを×とした。
また30gの水性分散液を緩やかに撹拌しているビーカ
ー内に、酸化チタン(CR−97、石原産業製)3.5
gを加え、顔料安定性を試験した。このとき、凝集物が
ほとんど発生しないものを○、多量の凝集物が発生する
ものを×とした。
【0046】また含フッ素水性分散液30gに、水性ブ
ロックイソシアネート(ネオレッツR−990:ICI
製)15g、ブチルセロソルブアセテート1g、消泡剤
(FSアンチフォーム013B:ダウコーニング製)
0.01gを添加し、アルミ板上に乾燥膜厚30ミクロ
ンとなるよう塗布したのち、160℃で30分焼き付け
して塗膜を得た。この塗膜をキシレン含浸ガーゼでラビ
ングし、塗膜が損傷を受けるまでの回数を調べた。
【0047】なお親水性マクロモノマーと水酸基含有単
量体の構造は次の通りである。
【0048】EOVE:CH2=CHOCH2-cycloC6H10-CH2O(C
H2CH2O)nH 平均分子量830 HEVE:CH2=CHOC2H4OH HBVE:CH2=CHOC4H8OH HCVE:CH2=CHOCH2-cycloC6H10-CH2OH HNVE:CH=CHOC18OH
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明の含フッ素水性分散液は、耐候性
に優れ、さらに水性メラミンや水性ブロックイソシアネ
ートなどの硬化剤と架橋させることで、より耐薬品性や
耐溶剤性、耐汚染性が改善された塗膜を与えるものであ
る。
【0051】これらの優れた性質を有する本発明の水性
分散液は、耐候性水性塗料原料として極めて有用であ
る。また本発明の水性分散液を用いた水性塗料は、溶剤
規制などの問題がまったくなく、幅広い用途に適用が可
能である。例えば、ガラス、金属、セメントなど外装用
無機建材の塗装などに有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北畑 裕子 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フルオロオレフィンに基づく重合した単
    位、親水性部位を有するマクロモノマーに基づく重合し
    た単位、及び一般式:X−Y−Z(ここでXはラジカル
    重合性不飽和基、Yは炭素数5以上の直鎖、分岐鎖また
    は脂環構造を有するアルキレン基を含有する2価の連結
    基、Zは水酸基)で表される水酸基含有単量体に基づく
    重合した単位を必須構成成分とする含フッ素共重合体を
    含む含フッ素水性分散液。
  2. 【請求項2】含フッ素共重合体がフルオロオレフィンに
    基づく重合した単位20〜80モル%、親水性部位を有
    するマクロモノマーに基づく重合した単位0.1〜25
    モル%及び一般式:X−Y−Zで表される水酸基含有単
    量体に基づく重合した単位1〜40モル%からなる請求
    項1の含フッ素水性分散液。
  3. 【請求項3】含フッ素共重合体が乳化重合方法により得
    られるものである請求項1または2の含フッ素水性分散
    液。
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