JP2015202607A - 積層体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、各層間の接着性に優れる、ポリオレフィン系重合体を含む基材と、反応性基を有する変性ポリオレフィン系重合体を含むプライマー層と、架橋性基を有する含フッ素重合体、硬化剤及び媒体を含む塗料組成物から形成された硬化塗膜層とが、この順に積層された積層体及びその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
本発明の積層体は、ポリオレフィン系重合体を含む基材と、反応性基を有する変性ポリオレフィン系重合体を含むプライマー層と、架橋性基を有する含フッ素共重合体、硬化剤及び媒体を含む塗料組成物から形成された硬化塗膜層とが、この順に積層され、前記反応性基の少なくとも一部と硬化剤の少なくとも一部とが共有結合を形成してなる。
プライマー層の反応性基の少なくとも一部と、フッ素樹脂を含む硬化塗膜層を形成する硬化剤の少なくとも一部とが反応して共有結合を形成することで、硬化塗膜層と基材との間の接着性に優れる積層体を構成することができる。これは例えば、プライマー層と硬化塗膜層との間に共有結合が形成されることで、プライマー層の基材に対する優れた接着性により、硬化塗膜層と基材との優れた接着性が達成されるためと考えることができる。
積層体を構成する基材はポリオレフィン系重合体を含むものであれば特に制限されず、目的等に応じて適宜選択することができる。ポリオレフィン系重合体とは、オレフィンに由来する構成単位を有する重合体であり、オレフィンに由来する構成単位のみを有する重合体であっても、オレフィンに由来する構成単位及びオレフィンと共重合可能な重合性化合物の少なくとも1種に由来する構成単位を有する共重合体であってもよい。ポリオレフィン系重合体を含むとは、基材の少なくとも一部がポリオレフィン系重合体からなることを意味する。
オレフィンに由来する構成単位を形成するオレフィンは、1種単独でも、2種以上を組合せて用いてもよい。したがって、ポリオレフィン系共重合体はホモポリマーであってもよく、また2種以上のオレフィンから形成されるコポリマーであってもよい。
ポリオレフィン系共重合体を形成するオレフィン以外のモノマーは1種単独でも、2種以上を組合せて用いてもよい。
これらの中でもポリオレフィン系共重合体が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)からなる群から選択される少なくとも1種である場合には、接着性向上の効果が大きい。
プライマー層は、反応性基を有する変性ポリオレフィン系重合体の少なくとも1種を含む。反応性基を有する変性ポリオレフィン系重合体は、例えば、ポリオレフィンに由来する構成単位と反応性基を有する構成単位とを有している。このような反応性基を有する変性ポリオレフィン系重合体は、例えば、ポリオレフィンに反応性基を有するモノマーをグラフト重合や、共重合することで得ることができる。
CH2=CH−R (I)
式中、Rは2級アルキル基、3級アルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。
また、式(I)において、Rで表される2級アルキル基とは、ビニル基(CH2=CH−)に結合している炭素原子に直接結合する水素原子が1つのみである分枝状アルキル基を意味する。2級アルキル基の炭素数は、通常3〜20である。
Rで表される3級アルキル基とは、ビニル基に結合している炭素原子が水素原子と結合していない分枝状アルキル基を意味する。3級アルキル基の炭素数は、通常4〜20である。
Rで表される脂環式炭化水素基とは、シクロアルカン、シクロアルキン、シクロアルケンなどの脂環式炭化水素から水素原子を1個除いた残りの原子団である。脂環式炭化水素基の炭素数は、通常、3〜20である。水素原子が除かれた結合手はビニル基(CH2=CH−)と結合する。
置換基Rとしては、3〜10員環を有する炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、炭素数
4〜20の3級アルキル基が好ましい。
不飽和カルボン酸類は、これらの中でもアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。
硬化塗膜層は、架橋性基を有するフッ素樹脂、硬化剤及び媒体を含む塗料組成物から形成される。硬化塗膜層は、架橋性基を有する含フッ素共重合体が硬化剤によって架橋硬化されて形成され、さらに硬化剤の少なくとも一部がプライマー層に含まれる変性ポリオレフィン系重合体が有する反応性基の少なくとも一部と反応して共有結合を形成している。そのためプライマー層と硬化塗膜層との間に共有結合が形成された状態となり、フッ素樹脂を含む硬化塗膜層の基材に対する接着性に優れる。
(含フッ素共重合体)
硬化塗膜層を形成する架橋性基を有する含フッ素共重合体(以下、単に「フッ素樹脂」ともいう)は、硬化剤と反応可能な架橋性基を有する。架橋性基は、後述する硬化剤と共有結合を形成可能であればとくに制限されず、硬化剤の種類等に応じて適宜選択することができる。フッ素樹脂が有する架橋性基として具体的には、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基、エポキシ基、ニトリル基、イソシアネート基、オキサゾリン基、カルボジイミド基及びアジリジン基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基であることが好ましく、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基であることがより好ましく、ヒドロキシ基及びカルボキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基であることが更に好ましく、ヒドロキシ基が最も好ましい。
架橋性モノマーのうち、ヒドロキシ基を有するモノマーの具体例としては、ヒドロキシ基を有する基とエチレン性不飽和基とがエーテル結合またはエステル結合で連結されたモノマーが好ましく、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、9−ヒドロキシノニルビニルエーテル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチル)ビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル類;ジエチレングリコールモノビニルエーテル等のエチレングリコールモノビニルエーテル類;2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、9−ヒドロキシノニルアリルエーテル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチル)アリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル類;ヒドロキシエチルビニルエステル、ヒドロキシブチルビニルエステル等のヒドロキシアルキルビニルエステル類;ヒドロキシエチルアリルエステル等のヒドロキシアルキルアリルエステル類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類などを挙げることができる。
CF2=CF2(テトラフルオロエチレン、TFE)、CClF=CF2(クロロトリフルオロエチレン、CTFE)、CHCl=CF2、CCl2=CF2、CClF=CClF、CHF=CCl2、CH2=CClF、CCl2=CClF、CF2=CH2(フッ化ビニリデン、VdF)、CH2=CHF(フッ化ビニル、VF)等のフルオロエチレン。
CF2ClCF=CF2、CF3CCl=CF2、CF3CF=CFCl、CF3CF=CF2(ヘキサフルオロプロペン、HFP)等のフルオロプロペン類。
CF3CCl=CFCF3、CF2=CFCF2CClF2、CF3CF2CF=CCl2等の炭素数4以上のフルオロオレフィン系化合物。
下記一般式(II)で表されるパーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)。
CF2=CFORf (II)
式中、Rfは、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基若しくはω−ヒドロパーフルオロアルキル基又はポリ(パーフルオロアルキレンオキシ)フルオロアルキル基を示す。
R31−O−R32 (IIIa)
R31−COO−R32 (IIIb)
R31−OCO−R32 (IIIc)
式中、R31は4級炭素を含まない直鎖又は分岐鎖の炭素数2〜20のアルキル基を示し、R32はエチレン性不飽和基を示す。
親水性部位を有するマクロモノマーの具体例は、例えば、特開平07−179809号公報に記載の化合物を挙げることができる。
また、架橋性モノマーに基づく単位の割合は、フッ素樹脂中の全単位に対して2〜30モル%であることが好ましく、8〜25モル%であることがより好ましい。さらに、アルキル基含有モノマーに基づく単位の割合は、フッ素樹脂の全単位に対して0〜65モル%であることが好ましく、10〜50モル%であることがより好ましい。また、その他のモノマーに基づく単位を有する場合には、その割合は、フッ素樹脂中の全単位に対して0モル%又は0モル%超10モル%以下であることが好ましい。
フッ素樹脂の製造方法は、塗料用組成物の形態によって適宜選定すればよい。例えば、塗料用組成物に含まれる媒体が溶剤系媒体の場合には、溶液重合によりフッ素樹脂を製造することが好ましい。また、媒体が水を主成分とする水系媒体の場合には、フッ素樹脂を乳化重合により製造することが好ましい。また、水系媒体においては、溶液重合によって得られたフッ素樹脂にカルボキシ基を導入し、該カルボキシ基を塩基性化合物で中和するなどして溶媒を溶剤系から水系に転相し、水に分散させたフッ素樹脂を用いることも可能である。
フッ素樹脂は、溶剤系媒体に溶解または分散したもの、水系媒体に分散したものともに、市販品を目的に応じて適宜選定し、入手、使用することができる。この様な市販品としては、ルミフロン(旭硝子社製)、ボンフロン(AGC旭硝子コーテック社製)、ゼッフル(ダイキン社製)、Vフロン(大日本塗料社製)、ニューガーメット(トウペ社製)等が挙げられる。
硬化塗膜層を形成する硬化剤は、含フッ素共重合体の架橋性基及び変性ポリオレフィン系重合体の反応性基と反応して共有結合を形成可能な反応性官能基を少なくとも2つと、反応性官能基を連結する連結基とを有する。
硬化剤が有する反応性官能基は、含フッ素共重合体の架橋性基及び変性ポリオレフィン系重合体の反応性基に応じて適宜選択することができる。硬化剤の反応性官能基は、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アミド基、カルバモイル基、エポキシ基、ニトリル基、イソシアネート基、オキサゾリン基、カルボジイミド基及びアジリジン基からなる群から選択することができ、好ましくは、イソシアネート基である。すなわち、硬化剤はポリイソシネート化合物であることが好ましい。
イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」ともいう)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)−シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート;
m−またはp−フェニレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチルジフェニルなどの芳香族ジイソシアネート;
これらのポリイソシアネート化合物が、ビューレット型、イソシアヌレート環型、ウレトジオン型等の態様で2量体または3量体になっているポリイソシネート化合物;
これらのポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とから形成されるアダクト型のポリイソシアネート化合物;
などが挙げられる。
膜を硬化させる際の加熱温度を低くできる点で好ましい。
通常、ブロック化剤は140℃以上で解離するものが多いが、低温解離型としては120℃以下で解離するものが良く、この様な性質のブロック化剤としては、炭素数1〜3のアルキル基を1個または2個有するピラゾール誘導体が挙げられる。なかでもジメチルピラゾールが好ましく、3,5−ジメチルピラゾールがより好ましい。
ベースポリイソシアネート化合物は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートより選ばれるジイソシアネートから誘導される2個以上の末端イソシアネート基を有するポリイソシアネート類であることが好ましく、分子内に、ビウレット構造、イソシアヌレート構造、ウレタン構造、ウレトジオン構造又はアロファネート構造を有することがより好ましい。
また塗料組成物における固形分率は例えば、3〜50質量%であり、好ましくは30〜50質量%である。なお、固形分率とは、塗料組成物中における不揮発性成分の総質量の割合を意味する。
塗料組成物に含まれる媒体は、水を含む水系媒体であっても、実質的に水を含まない溶剤系媒体であってもよい。
媒体が水系媒体である場合、水系媒体は水に加えて有機溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤としてはトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール溶剤等を挙げることができる。
水系媒体が有機溶剤を含む場合その含有率は、塗料組成物中に10質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。
塗料組成物は、上記必須成分に加えて、必要に応じてその他の成分として、各種の添加剤を更に含んでいてもよい。添加剤としては、硬化触媒、造膜助剤、表面調整剤、増粘剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、顔料、顔料分散剤、密着改良剤、つや消し剤等を挙げることができる。
これらの硬化触媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ロキサン等が好ましく挙げられる。
増粘剤としては、ポリウレタン系会合性増粘剤等が好ましく挙げられる。
密着改良剤としては、グリシドキシプロピルトリメチルシラン等が好ましく挙げられる。密着改良剤を含むことで、基材に対する接着性がより向上する。
消泡剤の消泡効果は親水基と疎水基のバランス(HLB価)で左右され、HLBが6以下、特に4以下のものが好ましく採用される。
加すればよい。
また、着色が必要な場合には、市販の有機顔料、無機顔料、有機染料、これらを複合化
した顔料もしくは染料等の着色材を分散若しくは混合添加すればよい。
本発明の積層体の製造方法は、ポリオレフィン系重合体を含む基材上に、反応性基を有する変性ポリオレフィン系重合体を含むプライマー層を形成する工程(以下、「プライマー層形成工程」ともいう)と、プライマー層上に、架橋性基を有する含フッ素共重合体、硬化剤及び媒体を含む塗料組成物を塗布し、媒体の少なくとも一部を除去して硬化塗膜層を形成する工程(以下、「硬化塗膜層形成工程」ともいう)と、を有し、前記硬化塗膜層を形成する工程が、反応性基の少なくとも一部と硬化剤の少なくとも一部とが共有結合を形成することを含む。
プライマー層形成工程では、基材上に、反応性基を有する変性ポリオレフィン系重合体を含むプライマー層を形成する。基材の詳細は既述の通りであり、好ましい態様も同様である。
プライマー層の形成方法は、基材上にプライマー層が形成されるかぎり特に制限されず、通常用いられる方法から適宜選択することができる。プライマー層の形成方法としては例えば、基材上にプライマー組成物を塗布してプライマー層を形成する塗布法、押出法等により基材の表面に直接プライマー層を形成する方法等を挙げることができる。プライマー層形成工程は、塗布法を含むことが好ましい。
プライマー組成物を構成する反応性基を有する変性ポリオレフィン系重合体の詳細は既述の通りであり、好ましい態様も同様である。
プライマー組成物を構成する媒体としては、水系媒体であっても、溶剤系媒体であってもよく、既述の塗料組成物における媒体をプライマー組成物にも好適に適用することができる。中でもプライマー組成物の媒体は水系媒体であることが好ましい。
表面調整剤としては例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン等が好ましく挙げられる。
プライマー組成物が表面調整剤を含む場合、その含有率は例えば0.01〜5質量%とすることができ、0.01〜1質量%であることが好ましい。
基材上に塗布されたプライマー組成物からの媒体の除去量は、例えば、塗布された媒体の50質量%以上除去すればよく、90質量%以上除去することが好ましい。
硬化塗膜層形成工程では、プライマー層上に、架橋性基を有するフッ素樹脂、硬化剤及び媒体を含む塗料組成物を塗布し、媒体の少なくとも一部を除去して硬化塗膜層を形成する。塗料組成物の詳細は既述の通りであり、好ましい態様も同様である。
基材上に塗布された塗料組成物からの媒体の除去量は、例えば、塗布された媒体の90質量%以上除去すればよく、95質量%以上除去することが好ましい。
本発明の硬化塗膜層形成用キットは、反応性基を有する変性ポリオレフィン系重合体及び媒体を含むプライマー組成物と、架橋性基を有する含フッ素共重合体、硬化剤及び媒体を含む塗料組成物とを含む。硬化塗膜層形成用キットは、ポリオレフィン系重合体を含む基材上にフッ素樹脂を含む硬化塗膜層を形成することに好適に用いられ、形成される硬化塗膜層は基材との接着性に優れる。
塗料組成物は例えば、架橋性基を有する含フッ素共重合体、媒体及び必要に応じて含まれる添加剤を含む主剤と、硬化剤とを使用する前に混合して調製することができる。すなわち、硬化塗膜層形成用キットは、プライマー組成物と主剤と硬化剤とを含んでいてもよい。
プライマー組成物の調製
反応性基を有する変性ポリオレフィン系重合体として、スミフィットZ9901−E101(住化ケムテック社製、特殊ポリオレフィン、不揮発分30%、分子量50000〜60000、酸価50mgKOH/g)99.50質量部と、界面活性剤(表面調整剤)として、BYK−346(BYK社製、ポリエーテル変性シロキサン、不揮発分45%)0.50質量部とを混合して水系のプライマー組成物を調製した。
主剤の調製
架橋性基を有する含フッ素共重合体として、ルミフロンFE4400(旭硝子社製、不揮発分48%)49.94質量部と、水38.60部と、密着改良剤としてZ−6040(東レ・ダウコーニング社製、グリシドキシプロピルトリメチルシラン)1.00質量部と、表面調整剤としてAQUAMAT272(BYK社製、変性ポリエチレンワックス、不揮発分55%)4.36質量部と、造膜助剤としてエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル5.80質量部と、増粘剤としてSNシックナー612NC(サンノプコ社製、有効成分40%)0.30質量部とを混合して塗料組成物の主剤を調製した。
上記で調製した主剤17質量部と、硬化剤としてデュラネートWL76−100(旭化成ケミカルズ社製)1質量とを混合して塗料組成物を調製した。
ポリオレフィン系重合体を含む基材として、EPDMゴム製及びポリプロピレン(PP)製の7×7cmの板状部材をそれぞれ用意した。EPDMゴム製の板状部材としては、表面がマット状のものを用い、PP製の板状部材としては、サンドペーパー(#240)で表面を粗面化したものを用いた。
次いで上記で調製した塗料組成物を形成されたプライマー層上にバーコーターを用いて塗布し、100℃の乾燥機中で5分間加熱乾燥した。これによりプライマー層上にフッ素樹脂を含む厚さ約4μmの硬化塗膜層を形成された評価用サンプルを得た。
評価用サンプルを室温で24時間放置した後、クロスカット法(JIS K5600−5−6に準拠)による接着性の評価を行った。クロスカットは1mm間隔の100マスとし、下記評価基準に従って評価した。評価結果を表1に示す。
評価基準
分類0 剥離なし
分類1 剥離面積が5%未満
分類2 剥離面積が5%以上15%未満
分類3 剥離面積が15%以上35%未満
分類4 剥離面積が35%以上65%未満
分類5 剥離面積が65%以上
実施例1において、塗料組成物の代わりに、硬化剤を含まない主剤のみを塗布してフッ素樹脂を含む塗膜層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして評価用サンプルを調製して評価した。
実施例1において、プライマー層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして評価用サンプルを調製して評価した。
Claims (7)
- ポリオレフィン系重合体を含む基材と、
反応性基を有する変性ポリオレフィン系重合体を含むプライマー層と、
架橋性基を有する含フッ素共重合体、硬化剤及び媒体を含む塗料組成物から形成された硬化塗膜層とが、この順に積層され、
前記反応性基の少なくとも一部と硬化剤の少なくとも一部とが共有結合を形成してなる積層体。 - 前記反応性基及び架橋性基がそれぞれ独立に、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基、エポキシ基、ニトリル基、イソシアネート基、オキサゾリン基、カルボジイミド基及びアジリジン基からなる群から選択される官能基である請求項1に記載の積層体。
- ポリオレフィン系重合体を含む基材上に、反応性基を有する変性ポリオレフィン系重合体を含むプライマー層を形成する工程と、
プライマー層上に、架橋性基を有する含フッ素共重合体、硬化剤及び媒体を含む塗料組成物を塗布し、媒体の少なくとも一部を除去して硬化塗膜層を形成する工程と、
を有し、
前記硬化塗膜層を形成する工程が、反応性基の少なくとも一部と硬化剤の少なくとも一部とが共有結合を形成することを含む積層体の製造方法。 - 前記プライマー層を形成する工程が、前記基材上に、反応性基を有する変性ポリオレフィン系重合体及び媒体を含むプライマー組成物を塗布し、媒体の少なくとも一部を除去することを含む請求項3に記載の積層体の製造方法。
- 前記反応性基及び架橋性基がそれぞれ独立して、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基、エポキシ基、ニトリル基、イソシアネート基、オキサゾリン基、カルボジイミド基及びアジリジン基からなる群から選択される官能基である請求項3又は4に記載の積層体の製造方法。
- 反応性基を有する変性ポリオレフィン系重合体及び媒体を含むプライマー組成物と、
架橋性基を有する含フッ素共重合体、硬化剤及び媒体を含む塗料組成物と、
を含む二液型塗料用キット。 - 前記反応性基及び架橋性基がそれぞれ独立して、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基、エポキシ基、ニトリル基、イソシアネート基、オキサゾリン基、カルボジイミド基及びアジリジン基からなる群から選択される官能基である請求項6に記載の二液型塗料用キット。
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