JPH07120491B2 - 平角状超薄膜絶縁電線 - Google Patents

平角状超薄膜絶縁電線

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JPH07120491B2
JPH07120491B2 JP2040385A JP4038590A JPH07120491B2 JP H07120491 B2 JPH07120491 B2 JP H07120491B2 JP 2040385 A JP2040385 A JP 2040385A JP 4038590 A JP4038590 A JP 4038590A JP H07120491 B2 JPH07120491 B2 JP H07120491B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は超薄膜絶縁電線に関し、更に詳しくは平角状超
薄膜絶縁電線に関する。
〔従来の技術〕
現在、極薄膜絶縁電線、特に平角状極薄膜絶縁電線とし
ては、精々8〜20μm程度の比較的厚膜の絶縁皮膜を形
成した絶縁電線が提案されているにすぎない。
しかしながら最近の技術の進歩に伴い、電気機器の軽量
小型化のために電線絶縁層の益々の薄膜化が強く要望さ
れる現状にあるが、これ以上の薄膜の、換言すれば超薄
膜の絶縁電線は全く開発されていない。この理由は、絶
縁性ワニスの塗布焼付方法によっては平角状導体の両平
坦面上に超薄膜絶縁層を形成することは比較的容易では
あっても、導体のコーナー部に超薄膜を安定して形成す
ることが極めて困難であることによる。一方、平角状絶
縁電線の別の製造方法として、丸状の絶縁電線を圧延す
る方法がある。しかしこの方法では絶縁皮膜に残留応力
が残るため耐電圧や耐ヒートショック性等が著しく低下
し、また圧延率が大きい場合や絶縁皮膜が超薄膜である
と、皮膜に割れが生ずる難点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕 本発明が解決しようとする課題は、現在の強い要望に応
え得る平角状の超薄膜絶縁電線を開発することであり、
更に詳しくは絶縁皮膜の厚さが3.0μm以下という超薄
膜の絶縁層を平角状導体上に、特に厚みが500mm以下の
平角状導体上に形成せしめた、即ち従来全く不可能視さ
れていた平角状超薄膜絶縁電線を開発することである。
〔課題を解決するための手段〕
この課題は、第1図に示す様に厚み8t)がたとえば500
μm以下、通常10〜200μmの平角状導体上に、厚みが
3.0μm以下の超薄膜絶縁層(1)が水分散樹脂ワニス
の電着により形成され、且つこの超薄膜絶縁層(1)は
そのコーナー部(2)に於いてはフラット部(平坦部)
(3)の1.1倍以上の厚みを有する平角状超薄膜絶縁電
線により解決される。
〔発明の構成並びに作用〕
本発明の絶縁電線は、原則として次の様な構成を有す
る。
(イ)導体は平角状導体、就中極細平角状導体であるこ
と、 (ロ)導体フラット部の絶縁皮膜は3.0μm以下の超薄
膜であること、 (ハ)導体コーナー部の絶縁皮膜の厚みはフラット部に
比し厚いこと、且つ (ニ)上記絶縁皮膜は濃度0.1〜10重量%の水分散樹脂
ワニスを電着し、焼付けて形成されたものであること、 である。
以下にこれ等項目について、更に詳しく説明する。
本発明で使用する導体としては、好ましくは極細平角状
のものであって、第1図に示す通り、その厚み(t)は
500μm以下、好ましくは10〜200μm程度である。巾
(w)は100〜5,000μm程度である。またアスペトク比
は1:3〜1:100程度である。導体の材質としては導電性の
良好なものであれば良く、たとえば通常の電気銅、銅合
金、銅クラッドアルミニウム等が例示できる。
導体フラット部の絶縁皮膜は3.0μm以下という従来全
く考えても見られなかった超薄膜絶縁皮膜であり、本発
明の最大の特徴の一つである。極細平角状導体につき従
来このような超薄膜絶縁層は形成されたことがなく、す
でに従来技術で説明した通り導体のコーナー部には殆ど
絶縁層を形成することが出来ず、絶縁皮膜とはなり得な
かったものである。
この絶縁皮膜の厚みは第1図に示す通り、そのフラット
部(3)に於いては3.0μm以下、たとえば0.5〜3.0μ
m、特に0.8〜2.0μm程度であり、そのコーナー部
(2)の厚みがフラット部(3)の厚みよりも厚く、通
常フラット部(3)の1.1倍以上、たとえば1.1〜10倍、
好ましくは1.2〜5程度のものである。本発明の絶縁電
線は、全体としてこのような超薄膜でありながらその絶
縁特性の目安の一つであるピンホール数(測定法はJIS
C3003に拠る)において100個/m以下(たとえば5〜70
個/m)であって、実際的な検地からして極めて優れた安
定被覆性を有する。
このような超薄膜を形成する方法について以下に説明す
る。
本発明において超薄膜絶縁層は、上記所定の導体上に水
分散樹脂ワニスを電着して電着皮膜を形成し、これを焼
付ける方法にて形成される。その際、後記する電着条件
により導体コーナー部(2)の厚みがフラット部(3)
の厚みよりも1.1倍以上となるようにする。次いで通常
の条件で焼付けを行っても良好な超薄肉絶縁層を形成す
ることができる。なお参考のために付言すると、溶液タ
イプの樹脂ワニスを用いて電着して形成せしめた超薄膜
の皮膜はこれを焼付けると、形成された超薄膜の皮膜が
焼付け時に垂れを生じて均一な皮膜が形成出来ず、特に
コーナー部に於いてはこれが著しく殆ど皮膜が形成でき
ず、たとえ形成出来たとしても部分的にしか形成できず
到底絶縁皮膜とはなり得ない。ピンホール数はやはり計
数できない程の多数のレベルになる。
水分散樹脂ワニスと溶液型樹脂ワニスとの上記した相違
については未だその理由は充分解明されていないが、本
発明者らは次のように考えている。
即ち溶液型樹脂ワニス使用の場合、該ワニスから形成さ
れた皮膜は、皮膜全体が樹脂と溶媒との均一物(濃厚溶
液)となっているため、換言すれば皮膜自体が未だ溶媒
で希釈された樹脂であるため焼付け時の高温度で硬化よ
り先に溶媒の存在に起因する著しい粘度低下が起こり、
表面張力の作用によりコーナー部からフラット部に流れ
る。しかも形成された皮膜が超薄膜であるため少しでも
流れが生じると超薄膜であるため皮膜に欠損部が生じ、
かかる理由により溶液型樹脂ワニスを用いた場合にはこ
の問題が致命的なものになると推定される。これに対し
て、水分散性樹脂ワニスを電着して形成した皮膜は樹脂
の細粒が幾重にも重なり合って堆積し、この細粒間に分
散媒たる水が存在する構造を有する。各細粒内には水が
存在していないので高温度での焼付時に分散媒たる水に
よる粘度の低下の問題は殆ど起こらず電着時そのままの
形状を保って硬化するものと考えられる。
本発明に於いて使用する水分散樹脂ワニスとしては、電
着により皮膜を形成しうるものであれば良く、従来から
電着用水分散樹脂ワニスとして使用されて来たものがい
ずれも使用することが出来る。これ等のなかで好ましい
ものはアクリル系樹脂の水分散ワニスである。この際の
アクリル系樹脂としては次の様なものを例示できる。即
ち、 (a)成分として、式(1); CH2=CR1R2 (1) (ここに、R1:水素原子、アルキル基、R2:ニトリル
基、アルデヒド基、カルボキシエステル基)にて表され
る少なくとも1種の化合物、及び (b)成分として、式(2); CH2=CR3R4 (2) (ここに、R3、R4;水素原子、アルキル基、アミド基、
N−アルキルアミド基、アルキロール基、グリシジルエ
ーテル基、グリシジルエステル基、但しR3とR4とが同時
に水素原子、或いはアルキル基の場合を除く) にて表される少なくとも1種の化合物、並びに(c)成
分として(1)式或いは(2)式で表される化合物の各
二重結合と反応し得る少なくとも1つの二重結合を有す
る不飽和有機酸、の少なくとも上記3成分を反応させて
得られる共重合体からなるアクリル系樹脂である。
上記(a)成分のR1、R2、(b)成分のR3、R4、及び
(c)成分である有機酸の各炭素数は、得られるポリア
クリル樹脂の耐熱性の点から約30以下、特に好ましくは
15以下である。
(a)成分の好ましい例としては、アクリロニトリル、
メタアクリロニトリル、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタ
アクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリ
ル酸プロピル、アクロレインがある。(a)成分のうち
特に好ましい例としては、得られるポリアクリル樹脂の
耐熱性の点から合計炭素数が15以下のものである。
(b)成分の好ましい例としては、グリジシルアクリレ
ート、グリジシルメタアクリレート、アリルグリジシル
エーテル、アクリルアミド、メチロールアクリルアミ
ド、エチロールアクリルアミド、がある。
(c)成分の好ましい例としては、一塩基酸としてアク
リル酸、クロトン酸、ビニール酢酸、メタアクリル酸、
α−エチルアクリル酸、β−メチルクロトン酸、チグリ
ン酸、2−ペンテン酸、2−ヘキセン酸、2−ヘプテン
酸、2−オクテン酸、10−ウンデセン酸、9−オクタデ
セン酸、桂皮酸、アトロパ酸、α−ベンジルアクリル
酸、メチルアトロパ酸、2,4−ペンタジエン酸、2,4ヘキ
サジエン酸、2,4−ドデカンジエン酸、9,12−オクタデ
カジエン酸等、二塩基酸としてマレイン酸、フマール
酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコ
ン酸、ムコン酸、ジヒドロムコン酸等、三塩基酸として
1,2,4−ブテントリカルボン酸等が例示される。より好
ましい(c)成分の例としてはアクリル酸、メタアクリ
ル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、マレイン
酸、フマール酸がある。
本発明で用いるポリアクリル樹脂は公知の重合法、たと
えば乳化重合、溶液重合、懸濁重合法により、上記
(b)成分1モル当たり、(a)成分1〜20モル、好ま
しくは2〜10モル、最も好ましくは4〜6モルと(a)
成分プラス(b)成分1モル当たり0.01〜0.2モル、好
ましくは0.03〜0.1モルの(c)成分とを反応させて得
られる。
上記のポリアクリル樹脂はスチレン及びその誘導体、ジ
オレフィンにより変性されたものであってもよい。この
際のスチレン誘導体としては、スチレンのフェニル基が
ニトリル基、ニトロ基、水酸基、アミノ基、ビニール
基、フェニル基、塩素、臭素等のハロゲン原子、アルキ
ル基、アラルキル基、N−アルキルアミノ基、の少なく
とも一つにより置換された化合物である。上記アルキル
基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等があ
り、アラルキル基としてはベンジル基、α或いはβ−フ
ェニルエーテル等があり、N−アルキルアミノ基として
はN−メチルアミン、N−エチルアミン、N−プロピル
アミン等がある。就中好ましいスチレン誘導体の例とし
てはメチルスチレン、エチルスチレン、ジビニルベンゼ
ン、クロロスチレンがあり、さらに上記ジオレフィンの
好ましい例としてはブタジエン、ペンタジエン、メチル
−ブタジエン等がある。これ等変性剤を含むポリアクリ
ル樹脂は前記した公知の重合法により(a)、(b)、
(c)成分の混合物に一つあるいはそれ以上の上記変性
剤を加えて重合する事により得られるが、スチレン及び
その誘導体やジオレフィンの添加量は(a)成分1モル
当たり前者の場合で約2モルあるいはそれ以下、後者の
場合で約1モルあるいはそれ以下に押さえるべきであ
る。この理由としてはスチレンの場合、得られるポリア
クリル樹脂の可撓性が乏しくなる事、一方ジオレフィン
の場合、軟化温度が低くなる事が挙げられる。
本発明で用いるポリアクリル樹脂は、通常、約10,000か
ら1,000,000の重合度を有すが、重合度があまり低いと
得られるポリアクリル樹脂の強靱さが乏しくなり、一方
重合度があまり高いと塗装に際し、作業性が悪くなるた
め、より好ましいポリアクリル樹脂の重合度は100,000
から500,000程度である。
アクリル系樹脂のうち、特に好ましいのはエポキシアク
リル系樹脂である。また一般に乳化重合により製造され
るポリアクリル樹脂の乳化物それ自身、あるいは界面活
性剤と共にポリアクリル樹脂を水中に分散せしめたもの
がワニスとして好ましい。
本発明の平角状超薄膜絶縁電線を製造する場合における
水分散ワニスの濃度は0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜
5重量%程度とするのが適当である。該水分散ワニスの
濃度が10重量%以上に高くなると良好な超薄膜は形成し
難くなり、一方0.1重量%より薄くなるとピンホール数
が増加して絶縁性が不充分となる。またこの水分散ワニ
ス中の樹脂分散粒子の大きさは通常1.0μm以下、好ま
しくは0.5μm以下程度であり、あまり分散粒子が大き
くなりすぎると良好な超薄膜は形成し難い。
本発明に於いて、この樹脂水分散ワニスに導体を浸漬し
電着する。この際の電着条件としては、D.C電圧5〜100
V、好ましくは7〜30V、電着時間は通常0.01〜30秒、好
ましくは0.03〜15秒程度、電着の際のワニス温度は5〜
40℃、好ましくは10〜35℃である。その際D.C荷電にA.C
荷電を重畳させる事も可能である。また、電着層の焼付
温度は通常100〜700℃、好ましくは200〜600℃である。
本発明の絶縁電線の製造方法を第2図により更に詳しく
説明する。第2図に於いてD.C電源(図示せず)の陽極
側に接続された銅、アルミの様な導体Wが水分散型樹脂
ワニス(4)で満たされた電着バス(6)中を通過す
る。円筒状の陰極(8)が電着バス(6)中に置かれ、
陽極である導体Wと陰極間の電位差により樹脂が導体W
上に均一に析出する。
なお本発明において、水分散型ワニスとして前記したポ
リアクリル樹脂系ワニスを用いた場合、その電着層を直
ちに乾燥、焼付けしてもよいが、乾燥、焼付け前に有機
溶剤(10)を満たした溶剤槽(12)中を通過させること
が特に好ましい。この有機溶剤(10)としては、水を少
なくとも約1重量%、好ましくは少なくとも約10重量%
溶解し、且つ導体上に析出した乾燥、焼付け前の、而し
て半硬化状態またはそれより前のポリアクポリアクリル
樹脂を少なくとも膨潤、好ましくは溶解するものが用い
られる。たとえばメタノール、エタノール、プロパー
ル、エチレングリコール、グリセリン等の1価又は多価
アコール、あるいはエチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレ
ングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエ
ーテル、エーテルグリコールジブチルエーテル、エーテ
ルグリコールモノフェニルエーテル等のセロソルブ類、
あるいはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルア
セトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の含窒素溶
剤、ジメチルスルホキシド等の含イオン溶剤が例示され
る。特にN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルア
セトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルス
ルホキシドが好ましい。
かかる有機溶媒による処理により電着層中のポリアクリ
ル樹脂粒子同士の焼付け時における融合が効果的に進行
し、而して一層ピンホールの少ない均一な皮膜を形成す
ることができる。なお電着樹脂層を溶剤槽(12)中を通
過させることに代えて、上記の有機溶剤の蒸気やミスト
中を通過させることによっても同様に効果的な処理を行
うことができる。
次に電着槽(4)及び有機溶剤槽(12)の出口に、たと
えばエアーワイパー、ローラーワイパー等のワイピング
装置を設け、析出樹脂層上に付着した電着槽液(4)及
び有機溶剤槽液(10)の過剰分を連続的に除去する事も
考えられる。特に高速にて電着塗装を行った際、付着し
た槽液が焼付工程にて発泡作用し、高速作業を妨げる事
がある。このため上記したワイピング方法により槽液を
除去すれば、発泡が防止され、約50m/min以上の高速作
業が可能になる。
有機溶剤槽(12)を出た導体は乾燥装置(14)に入る。
そこで導体は加熱され、析出樹脂層中の有機溶剤及び水
が蒸発除去される。乾燥装置(14)の温度は有機溶剤の
種類により変わるが、一般に約60〜300℃、好ましくは
約100〜250℃である。乾燥装置(14)に於いて高温度
(たとえば約200〜500℃)が液体の蒸発除去の促進と導
体上の電着樹脂の半硬化又は完全硬化を同時に行うため
に適用し得る。換言すれば、乾燥装置(14)の最後の部
分を電着樹脂を硬化しうる様な高温に維持してもよい
し、また乾燥装置の後に別の焼付、硬化装置を設けても
よい。この場合、樹脂層は最初約150℃程度の比較的低
温にて乾燥し、その後高温にて焼付、硬化する。
乾燥終了の後、焼付け炉(15)に移送され焼付、硬化が
行われ、巻き取機(16)により巻き取られる。焼付温度
は200〜700℃前後で行われる。尚乾燥時に焼付硬化まで
充分行われたものは焼付炉(15)での焼付、硬化を省略
しても良い場合がある。
本発明の電線には、それがコイルに巻かれる場合の作業
を助けるため自己融着層を絶縁層の上層として設けても
良いのは言うまでもない。この場合、絶縁層を半硬化、
あるいは完全硬化した後に自己融着層を形成する。自己
融着層の形成方法としては、それが絶縁としての機能は
不要であり、また層厚みはかなり不均一であっても許容
されるので従来のいわゆるディップ方式の塗装で良く、
ワニス絞りはフェルトなどで適宜行えば良い。
〔実施例〕
以下に実施例及び比較例を示して本発明をより詳しく説
明する。以下の実施例に於いて用いられる水分散ワニス
は、以下の方法により調製した。
〔ワニス−A〕
アクリルニトリル5モル、アクリル酸1モル、グリジシ
ルメタアクリレート0.3モル、イオン交換水760g、ラウ
リル硫酸エステルソーダ7.5g、過硫酸ソーダ0.13gから
なる混合物をフラスコ内に入れ、室温、窒素気流下15〜
30分間攪拌を続ける。
その後、この混合物を50〜60℃の温度にて4時間反応さ
せると水分散型アクリルワニスが得られた。
〔ワニス−B〕
〔ワニス−A〕の単量体混合物の替わりにアクロレイン
5モル、メタアクリル酸1モル、アクリルアミド0.3モ
ルを単量体として用いる以外は〔ワニス−A〕と同様の
方法で製造した。
〔ワニス−C〕
アクリル酸エチル5モル、アクリル酸1モル、メチロー
ルアクリルアミド0.3モル、イオン交換水1,200g、ラウ
リル硫酸エステルソーダ12g、過硫酸ソーダ0.2gを単量
体として用いる以外は〔ワニス−A〕と同様の方法で製
造した。
〔ワニス−D〕
アクリルニトリル5モル、マレイン酸1モル、グリシジ
ルメタアクリレート0.3モル、イオン交換水840g、ラウ
リル硫酸エステルソーダ8g、過硫酸ソーダ0.15gを単量
体として用いる以外は〔ワニス−A〕と同様の方法で製
造した。
〔ワニス−E〕 アクリル酸エチル5モル、マレイン酸1モル、グリジシ
ルアクリレート0.3モル、イオン交換水1,300g、ラウリ
ル硫酸エステルソーダ13g、過硫酸ソーダ0.2gを単量体
として用いる以外は〔ワニス−A〕と同様の方法で製造
した。
〔ワニス−F〕
メタアクリルニトリル5モル、メタアクリル酸1モル、
メチロールアクリルアミド0.3モル、イオン交換水900
g、ラウリル硫酸エステルソーダ9g、過硫酸ソーダ0.2g
を単量体として用いる以外は〔ワニス−A〕と同様の方
法で製造した。
〔ワニス−G〕
メタアクリルニトリル5モル、マレイン酸1モル、アリ
ールグリジシルエーテル0.3モル、イオン交換水970g、
ラウリル硫酸エステルソーダ10g、過硫酸ソーダ0.15gを
単量体として用いる以外は〔ワニス−A〕と同様の方法
で製造した。
〔ワニス−H〕
アクリルニトリル3モル、アクリル酸エチル2モル、ア
クリル酸0.5モル、メタアクリル酸0.5モル、グリジシル
メタアクリレート0.2モル、アクリルアミド0.1モル、イ
オン交換水950g、ラウリル硫酸エステルソーダ9.5g、過
硫酸ソーダ0.16gを単量体として用いる以外は〔ワニス
−A〕と同様の方法で製造した。
〔ワニス−I〕
メタアクリル酸メチル5モル、アクリル酸0.5モル、メ
タアクリル酸0.5モル、グリジシルメタアクリレート0.2
モル、アクリルアミド0.1モル、イオン交換水1,200g、
ラウリル硫酸エステルソーダ12g、過硫酸ソーダ0.2gを
単量体として用いる以外は〔ワニス−A〕と同様の方法
で製造した。
〔ワニス−J〕
アクリル酸ブチル5モル、アクリル酸0.5モル、メタア
クリル酸0.5モル、グリジシルメタアクリレート0.2モ
ル、アクリルアミド0.1モル、イオン換水1,500g、ラウ
リル硫酸エステルソーダ15g、過硫酸ソーダ0.25gを単量
体として用いる以外は〔ワニス−A〕と同様の方法で製
造した。
〔ワニス−K〕
アクリルニトリル5モル、アクリル酸1モル、グリジシ
ルメタアクリレート0.3モル、スチレン2モル、イオン
交換水1,200g、ラウリル硫酸エステルソーダ12g、過硫
酸ソーダ0.2gを単量体として用いる以外は〔ワニス−
A〕と同様の方法で製造した。
〔ワニス−L〕
アクリルニトリル3モル、アクリル酸エチル2モル、ア
クリル酸0.5モル、メタアクリル酸0.5モル、グリジシル
メタアクリレート0.2モル、アクリルアミド0.1モル、1,
3−ブタジエン1モル、イオン交換水1,100g、ラウリル
硫酸エステルソーダ11g、過硫酸ソーダ0.18gを単量体と
して用いる以外は〔ワニス−A〕と同様の方法で製造し
た。
〔ワニス−M〕
ビスフェノールAのジグリシジルポリエーテル100重量
部、無水トリメリト酸とアジピン酸と無水マレイン酸と
エチレングリコールとからなるポリエステル100重量
部、及びハイドロキノン0.2重量部とを150℃で1時間反
応させ、次いでこれに更にジオキサン40重量部とメチル
エチルケトン60重量部をそれぞれ徐々に添加して溶解し
て均一な樹脂溶液を得た。ラウリル硫酸エステルソーダ
2重量部を溶解した30重量%アンモニア水20重量部に前
記樹脂溶液を攪拌下に分散し、次いで該分散液を窒素雰
囲気中で加熱して有機溶剤とアンモニアを除去し、かく
してエポキシエステルの水分散液を得た。
該エポキシエステルの水分散液250重量部、スチレン10
重量部、過硫酸カリウム0.05重量部、亜硫酸水素ナトリ
ウム0.017重量部、及びイオン交換水50重量部とからな
る系を70℃で3時間乳化重合して水分散型エポキシエス
テルワニスを得た。
〔ワニス−N〕
酸価140のポリエステルアミドイミド樹脂の粉末100重量
部を、該粉末100重量部あたりベンゼンスルホン酸ソー
ダ1重量部と30重量%アンモニア水7重量部を溶解した
水に分散し、次いで該分散液を窒素雰囲気中で加熱して
アンモニアを除去して固形分20重量%のポリエステルア
ミドイミド樹脂の水分散液を得た。
実施例1 竪型炉にて線速30m/minにて下記条件の電着塗装法に従
って陽極である銅平角状導体(サイズ30×600μm)に
上記の〔ワニス−A〕を水で稀釈し2重量%の濃度とし
て塗布した。電着条件は以下に示す通りである。
陰極 :直径6cm、長さ30cmの銅円筒 極間距離 :3cm 電着電圧 :D.C15V ワニス温度:20℃ 次いで得られた塗装線は、N,N−ジメチルホルムアミド
の飽和蒸気で満たされた長さ1mのチヤンバーを通過す
る。そこで銅線上に析出しているアクリル樹脂層上にN,
N−ジメチルホルムアミドの蒸気が賦与される。この様
にN,N−ジメチルホルムアミド蒸気で処理された析出層
は、200℃で乾燥され、400℃で焼付け、第1図に示す超
薄膜(フラット部の厚さ3μm、コーナー部厚さ3.3μ
m)が形成された電線を得た。
実施例2〜14 実施例1と同様の工程により、ただし第1表に示す条件
で第1図に示す超薄膜が形成された電線を得た。
比較例1〜比較例3 水分散型ワニスに代えて各種の水溶性ワニスを使用した
以外は、実施例1と同様の条件で電着塗装、乾燥、焼付
け(ただしN,N−ジメチルホルムアミドの蒸気による処
理は行わず)を行ってフラット部の厚さ3.0μmの電線
を得た。
各実施例、比較例における電線製造の条件、製造された
電線の構造並びにピンホールテストの結果を示す。なお
ピンホールテストは、JIS C3003に従って電線1mあたり
のピンホール数を計量した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明絶縁電線の一例を示す図面であり、第2
図は本発明電線を製造する方法を説明するための工程図
である。 (1)……超薄膜絶縁層 (2)……コーナー部 (3)……フラット部(平坦部) W……導体 (4)……水分散型樹脂ワニス (6)……電着バス (8)……円筒状の陰極 (10)……有機溶剤槽液 (12)……有機溶剤槽(12) (14)……乾燥装置 (15)……焼付け炉 (16)……巻き取り機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−128577(JP,A) 特開 昭59−201312(JP,A) 特開 昭60−23911(JP,A) 特開 昭60−150504(JP,A) 特開 昭61−161607(JP,A) 特開 昭63−301428(JP,A) 特開 平3−152808(JP,A) 特開 平3−159014(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平角状導体上に、濃度が0.1〜10重量%の
    水分散樹脂ワニスの電着によって超薄膜絶縁皮膜が形成
    された電線であって、該導体のコーナー部に形成された
    絶縁皮膜層の厚みが該導体の平坦部に形成された絶縁皮
    膜層の厚みの1.1倍以上であって、且つ該平坦部の上記
    皮膜の厚みが3.0μm以下である平角状超薄膜絶縁電
    線。
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