JPH07118332A - フッ素化モノマーの回収方法 - Google Patents

フッ素化モノマーの回収方法

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JPH07118332A
JPH07118332A JP26631493A JP26631493A JPH07118332A JP H07118332 A JPH07118332 A JP H07118332A JP 26631493 A JP26631493 A JP 26631493A JP 26631493 A JP26631493 A JP 26631493A JP H07118332 A JPH07118332 A JP H07118332A
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正之 田村
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Abstract

(57)【要約】 【構成】常温で液状のフッ素化モノマーを乳化重合して
得られるラテックスから、未反応の前記モノマーをHC
FC225cb、CF3 CF2 CHCl2 、HFCまた
はFCから選ばれるフッ素系溶剤を用い、抽出回収す
る。 【効果】ラテックス中のフッ素化モノマーが、オゾン層
を破壊するおそれがない特定のフッ素系溶剤による抽出
操作で、定量的に高効率で容易に回収される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は常温で液状のフッ素化モ
ノマーの乳化重合ラテックスに含まれる未反応の該モノ
マーを回収する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フッ素系重合体は乳化重合、懸濁重合、
溶液重合、塊状重合などの方法で製造されているが、乳
化重合は重合槽の容積効率が高く、重合中の除熱や撹拌
時のトルクが低いなどの利点があり採用されている。乳
化重合では、四弗化エチレンのごとき常温で気体のモノ
マーは重合後パージすることで容易に回収が行なわれて
いる。しかし、常温で液状の未反応フッ素化モノマーは
生成したラテックス中に含まれており、特に官能基を含
有するモノマーなどはラテックス凝集時に変性し回収率
が低下する可能性があり、凝集に先立ち回収することが
好ましい。
【0003】従来、液状のフッ素化モノマーの回収に弗
素化塩素化飽和炭化水素の溶剤が用いられて、ラテック
スと該溶剤を混合静置し、二層分離した該溶剤に含まれ
る該モノマーを抽出回収する方法が採用されていた(特
公昭62−56886)。しかし従来用いられていたト
リクロロトリフルオロエタンのごときクロロフルオロカ
ーボンは入手が容易で安価であるものの、大気中のオゾ
ン層を破壊するおそれがあるとされ、その使用が制限さ
れるため代替抽出溶剤の適用が要請されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
の問題点を解決しようとするものである。すなわち、常
温で液状のフッ素化モノマーの乳化重合ラテックスに含
まれる未反応の該モノマーを定量的に効率よく抽出回収
できる方法を提供する。また、オゾン層を破壊するおそ
れがない抽出溶剤を用いる回収方法を提供するものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、常温で液状の
フッ素化モノマーを乳化重合して得られるラテックスか
ら、未反応の前記液状のフッ素化モノマーを回収するに
当たり、沸点が10〜250℃であり、CF2 ClCF
2 CFHCl、CF3 CF2 CHCl2 、ハイドロフル
オロカーボンおよびフルオロカーボンからなる群から選
ばれる少なくとも1種類のフッ素系溶剤と前記ラテック
スとを接触せしめ、前記フッ素系溶剤により前記未反応
モノマーを抽出回収することを特徴とするフッ素化モノ
マーの回収方法を提供する。
【0006】本発明における特定のフッ素系溶剤として
は、リサイクル性、常温での取扱い易さなどより沸点2
0〜200℃のものが好ましく、さらには液状のフッ素
化モノマーを抽出後の蒸留分離の容易さなどより該モノ
マーとの沸点差が20℃以上であるものが特に好まし
い。具体的には、ハドロフルオロカーボン(HFC)お
よびフルオロカーボン(FC)としては、構造が直鎖
状、分岐状、環状のいずれであってもよいが、炭素数は
HFC及びFCでは4〜12個の範囲が好ましい。HF
Cとして、C4925 、(CF32 CFCFH
CFHCF3 、C613H、C61325 およびC8
1725 から選ばれる少なくとも1種類のフッ素
系溶剤が、また、FCとして、化2から選ばれる少なく
とも1種類のフッ素系溶剤が、特性上および工業的に入
手が容易で特に好ましい。これらのフッ素溶剤は単独で
あるいは混合溶剤として使用され得るものである。
【0007】
【化2】
【0008】抽出操作は通常、ラテックスに前記のフッ
素系溶剤を加え、撹拌または振とうした後静置させるも
ので、該モノマーを含むフッ素系溶剤が下層に分離す
る。抽出操作は分離した下層を抜きだした後、新たに該
フッ素系溶剤を加え上記操作を数回繰り返すことで、未
反応のモノマーを定量的に回収することができる。
【0009】抽出操作時のラテックス/フッ素系溶剤の
混合割合は、20/1〜1/10の範囲が用いられる
が、あまりにフッ素系溶剤の混合比率を高めると抽出回
数は少なくできるが溶剤中のモノマー濃度が著しく低く
なり、蒸留回収時の装置容積が大きくなり好ましくな
い。一方、フッ素系溶剤の混合比率が小さすぎると抽出
回数が多くなり好ましくない。より好ましくは10/1
〜1/2の範囲である。
【0010】本発明の抽出処理は、常温で液状のフッ素
化モノマーを含有する乳化重合系のラテックスに対して
適用される。液状のフッ素化モノマーとしては、種々の
ものが例示され得るが、カルボン酸基、スルホン酸基、
リン酸基の如き官能基をペンダント側鎖に含有するフッ
素化モノマー、特にパーフルオロ系モノマーが好適であ
る。そして通常乳化重合系は、特定の液状フッ素化モノ
マーと常温でガス状のフッ素化したエチレン系不飽和単
量体との共重合系である場合が一般的である。
【0011】本発明で好適な特定液状フッ素化モノマー
としては、カルボン酸基もしくはカルボン酸基に変換し
得るカルボン酸型官能基あるいは、スルホン酸基もしく
はスルホン酸基に変換し得るスルホン酸型官能基を有す
る重合能あるフッ素化官能性単量体(1)が例示され得
る。かかるフッ素化官能性単量体(1)は、生成ポリマ
ーの用途、性能などを考慮すると、 通常はフルオロビニ
ル化合物、特にパーフルオロ系であることが望ましい。
【0012】好適なものとしては、カルボン酸型官能基
を有するモノマーは、一般式CF2=CF(OCF2
FCF3a O(CF2b COOCH3 (但し、式中
のaは0〜3、bは1〜5である)で表されるフルオロ
ビニル化合物が例示される。スルホン酸型官能基を有す
るモノマーは、一般式CF2 =CF(OCF2 CFCF
3c O(CF2d SO2 F(但し、式中のcは0〜
3、dは1〜5である)で表されるフルオロビニル化合
物が例示される。
【0013】次に、フッ素化したエチレン系不飽和単量
体(2)としては、四弗化エチレン、三フッ化塩化エチ
レン、六フッ化プロピレン、三フッ化エチレン、フッ化
ビニリデン、フッ化ビニルなどが例示され、好適には一
般式CF2 =CZY(ここで、Z、Yはフッ素原子、塩
素原子、水素原子、または−CF3 である)で表される
フッ素化オレフィン化合物である。なかでもパーフルオ
ロオレフィン化合物が好ましく、特に四フッ化エチレン
が好適である。
【0014】本発明においては、前記官能性単量体
(1)およびエチレン系不飽和単量体(2)の各モノマ
ー化合物を、それぞれ2種類以上で使用することもで
き、またこれらの化合物の他に、他の成分、例えば式C
2 =CR45 (ここで、R4 、R5 は水素原子、炭
素数1〜8のアルキル基または芳香核を示す)で表され
るオレフィン化合物(3)、式CF2 =CFORf(R
fは炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を示す)
の如きフルオロビニルエーテル、式CF2 =CF−CF
=CF2 、式CF2 =CFO(CF2e OCF=CF
2 (eは1〜4)の如きジビニルモノマーなどの1種ま
たは2種以上を併用することもできる。オレフィン化合
物(3)の好ましい代表例としては、エチレン、プロピ
レン、ブテン−1、イソブチレン、スチレン、α−メチ
ルスチレン、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−
1、3−メチル−ブテン−1、4−メチル−ペンテン−
1などが挙げられ、なかでも製造上および生成共重合体
の性能上などから、エチレン、プロピレン、イソブチレ
ンなどの使用が特に好ましい。また、例えばジビニルモ
ノマーの併用によって得られる共重合体を架橋し、膜の
如き成形物にした場合の機械的強度を改善せしめること
が可能である。
【0015】本発明におけるラテックス中の生成フッ素
化重合体における前記の官能性単量体(1)、 フッ素化
オレフィン化合物(2)、 更には前記オレフィン化合物
(3)その他の成分の組成割合は、性能に関係するので
重要である。
【0016】まず、官能性単量体(1)の存在量は、イ
オン交換容量と直接関係するが、共重合体中1〜50モ
ル%、好ましくは3〜35モル%が好適である。該単量
体(1)の存在量が大きすぎると、イオン交換膜など成
形物とした場合の機械的強度を損ない、更には含水量の
増大によるイオン交換性能の低下をきたし、またあまり
に少ない存在量ではイオン交換機能を示さないので好ま
しくない。
【0017】而して、本発明の共重合体中における前記
(1)の化合物の残りは、前記(2)と更には(3)そ
の他の化合物が占めることになるが、(3)のオレフィ
ン化合物の存在量は、電気的、機械的および耐塩素性な
どに大きく関係するので重要である。従って、 オレフィ
ン化合物(3)を併用する場合には、 オレフィン化合物
(3)/フッ素化オレフィン化合物(2)のモル比が、
好ましくは5/95〜70/30、特には10/90〜
60/40にするのが好適である。また、フルオロビニ
ルエーテルやジビニルエーテルなどを併用する場合に
も、共重合体中30モル%以下、好ましくは2〜20モ
ル%程度の割合とするのが好適である。
【0018】本発明の乳化重合系では、生成ポリマーの
イオン交換容量は、 0. 5〜2. 2ミリ当量/グラム乾
燥樹脂という広い範囲から選択されるが、特徴的なこと
は、イオン交換容量を大きくしても、生成共重合体の分
子量を高くでき、従って共重合体の機械的性質や耐久性
は低下することがないのである。イオン交換容量は、上
記の範囲でも、共重合体の種類に応じて異なるが、好ま
しくは0.8ミリ当量/グラム乾燥樹脂以上、特に1.
0ミリ当量/グラム乾燥樹脂以上の場合が、イオン交換
膜としての機械的性質および電気化学的性能上好まし
い。また、本発明で得られるフッ素化合重合体の分子量
は、イオン交換膜としての機械的性能および製膜性と関
係するので重要であり、 TQ の値で表示すると、150
℃以上、 好ましくは170〜340℃、特に180〜3
00℃程度とするのが好適である。
【0019】本明細書中において「TQ 」なる言葉は次
のように定義されるものである。即ち、 共重合体の分子
量に関係する容量流速100mm3 /秒を示す温度がT
Q と定義される。ここにおいて容量流速は、共重合体を
30kg/cm2 加圧下、一定温度の径1mm、長さ2
mmのオリフィスから熔融流出せしめ、流出する共重合
体量をmm3 /秒の単位で示したものである。
【0020】また、「イオン交換容量」については次の
通りである。即ち、H型の陽イオン交換樹脂膜を、 1N
のHCl中で60℃、5時間放置し、完全にH型に転換
し、HClが残存しないように水で充分洗浄した。その
後、このH型の膜0.5gを、0.1NのNaOH25
cm3 に水を25cm3 加えてなる溶液中に、室温で2
日間静置した。次いで膜をとり出して、溶液中のNaO
Hの量を0.1NのHClで逆滴定することにより求め
るものである。
【0021】本発明においては、官能性単量体とフッ素
化オレフィン化合物との共重合反応を、水性媒体中で実
施する。通常は、水性媒体の使用量を水性媒体/官能性
単量体の重量比で20/1以下にし、好ましくは10/
1以下に制御して実施するのが良い。水性媒体の使用量
が多すぎる場合には、共重合反応速度が著しく低下し、
高い共重合体収量を得るために長時間を要することにな
る。また、水性媒体が多すぎると高イオン交換容量にし
た場合に高い分子量を達成するのが難しくなる。更に水
性媒体の多量使用には、次の如き難点が認められる。例
えば、反応装置の大型化あるいは共重合体分離回収など
作業操作面の不利があげられる。
【0022】次に本発明においては、1kg/cm2
上の共重合反応圧力を採用することが好適である。共重
合反応圧力が低すぎる場合には、共重合反応速度を実用
上満足し得る高さに維持することができず、高分子量の
共重合体の形成に難点が認められる。また、共重合反応
圧力が低すぎると、生成共重合体のイオン交換容量が極
端に高くなり、含水量増大などによる機械的強度、イオ
ン交換性能の低下傾向が増大することになる。なお、共
重合反応圧力は、工業的実施における反応装置上または
作業操作上などを考慮して、50kg/cm2 以下から
選定されるのが好ましい。かかる範囲よりも高い共重合
反応圧力の採用は可能であるが、本発明の目的を比例的
に向上せしめ得るものではない。従って、本発明におい
ては、共重合反応圧力を1〜50kg/cm2 、好まし
くは3〜30kg/cm2 の範囲から選定するのが最適
である。
【0023】本発明の共重合反応に際しては、前記反応
条件の他の条件や操作は、特に限定されることなく広い
範囲にわたって採用され得る。例えば、共重合反応温度
は、重合開始源の種類や反応モル比などにより最適値が
選定され得るが、通常は余りに高温度や低温度は工業的
実施に対して不利となるので、10〜90℃、好ましく
は20〜80℃程度から選定される。
【0024】本発明において重合開始源としては、前記
の好適な反応温度において高い活性を示すものを選定す
るのが望ましい。例えば、室温以下でも高活性の電離性
放射線を採用することもできるが、通常はアゾ化合物や
パーオキシ化合物を採用する方法が工業的実施に対して
有利である。本発明で好適に採用される重合開始源は、
前記共重合反応圧力下に10〜90℃程度で高活性を示
すジコハク酸パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、ジペンタフルオロプロ
ピオニルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、
2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、
4,4−アゾビス(4−シアノワレリアン酸)、アゾビ
スイソブチロニトリル等のアゾ化合物、t−ブチルパー
オキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレー
ト等のパーオキシエステル類、ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシ
ジカーボネート等のパーオキシジカーボネート、ジイソ
プロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロ
パーオキサイド類、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム等の無機過酸化物およびそれらのレドックス系等であ
る。
【0025】本発明において重合開始剤濃度は、全単量
体に対して0.0001〜3重量%、好ましくは0.0
01〜2重量%程度である。開始剤濃度を下げることに
よって、生成共重合体の分子量を高めることが可能にな
り、高イオン交換容量を保持することが困難である。開
始剤濃度をあまり高くすると、分子量の低下傾向が増
し、高イオン交換容量で高分子量の共重合体の生成に対
して不利となる。その他通常の水性媒体重合において用
いられる界面活性剤、分散剤、緩衝剤、分子量調整剤等
を添加することもできる。
【0026】本発明においては、生成共重合体濃度を4
0重量%以下、好ましくは30重量%以下に制御して実
施するのが好適である。あまり高濃度にすると、撹拌負
荷の増大、除熱困難、フッ素化オレフィンモノマーの拡
散不充分などの難点がみとめられる。
【0027】以上の如くして水性媒体中での乳化重合に
より得られるラテックスは、前記の如くフッ素系溶剤を
加えて未反応液状モノマーを抽出分離する。なお、四フ
ッ化エチレンの如きガス状モノマーの未反応物は、パー
ジ法などにより容易に分離回収され得る。次いで未反応
モノマーが分離回収されたラテックスに塩酸あるいは硫
酸等の酸を添加しポリマーを凝集させる。その他塩析、
あるいは凍結凝集、機械的凝集等の周知乃至公知の凝集
手段が採用され得る。
【0028】凝集したポリマーを充分水洗し、次いでメ
タノール、アセトン等の水溶性有機溶剤を用いて水を置
換する。ポリマーを風乾した後、ポリマー100重量に
対し100cm3 好ましくは400〜600cm3 以上
のメタノールを加え、更に好ましくはこれに硫酸を添加
し撹拌しつつ20℃以上で1〜50時間処理する。次い
で、ポリマーとメタノールを分離し、硫酸を添加した場
合はこれを除くためにメタノールで洗浄を行った後、減
圧下に40〜80℃で乾燥させてポリマーを得る。
【0029】本発明によれば、高イオン交換容量および
高分子量を有し、且つ加熱熔融による成形性に優れたイ
オン交換基含有フッ素化重合体が円滑有利に得られる。
例えば、水性媒体中での共重合上りのフッ素化重合体
は、−COOR1 含有の官能性単量体を使用した場合で
も、TQ が300℃を超えているが、メタノールなどで
加熱接触処理することにより、TQ を220℃程度に下
げることが可能である。TQ が300℃以上のフッ素化
重合体では、加熱熔融成形が著しく困難であり、フィル
ム、シート状などに成形できないが、本発明によるフッ
素化重合体は押出成形などによってもフィルム、シート
状などに容易に成形することができる。
【0030】本発明の好適な実施態様で得られるフッ素
化重合体は、適宜手段にて製膜され得る。例えば、必要
により官能基を加水分解でカルボン酸基に転換するが、
かかる加水分解処理は製膜前でも製膜後でも可能であ
る。通常は製膜後に加水分解処理する方が望ましい。製
膜手段には種々のものが採用可能であり、例えば加熱溶
融成形、ラテックス成形、適当な溶液に溶解させての注
型成形など公知乃至周知の方法を適宜採用し得る。
【0031】本発明における生成フッ素化重合体からの
イオン交換膜は、種々の優れた性能を有するために、各
種分野、目的、用途などに広範囲に採用され得る。例え
ば拡散透析、電解還元燃料電池の隔膜などとして特に耐
蝕性が要求される分野で好適に使用される。なかでも、
アルカリ電解用の陽イオン選択性隔膜として使う場合に
は、従来のイオン交換膜では得られなかった高い性能を
発揮し得るものである。
【0032】例えば、本発明のフッ素化重合体からの陽
イオン交換樹脂膜にて、陽極と陰極とを区画して陽極室
と陰極室とを構成し、陽極室に塩化アルカリ水溶液を供
給して電解し陰極室から水酸化アルカリを得る、いわゆ
る二室型槽の場合でも、2規定以上の濃度の塩化ナトリ
ウム水溶液を原料として5〜20A/dm2 の電流密度
で電解することにより、40%以上の高濃度の水酸化ナ
トリウムが90%以上の高電流効率で長期にわたって安
定して製造できる。更に、4.5V以下の低い槽電圧で
の電解が可能である。
【0033】
【実施例】
[実施例1]0.2リットルのステンレス製オートクレ
ーブに、イオン交換水100g、C817COONH4
を0. 2g、Na2 HPO4 ・12H2 Oを0. 5g、
NaH2 PO4 ・2H2 Oを0.3g、(NH42
28 を0.026gおよびCF2 =CFO(CF2
3 COOCH3 を20g仕込み、液体窒素下で充分脱気
した。その後、55℃に昇温し、四フッ化エチレンを系
内に導入し圧力を10.4kg/cm2 に保持した。
3.3時間撹拌後、未反応の四フッ化エチレンをパージ
し、反応を終了させた。生成した共重合体は共重合した
CF2 =CFO(CF23 COOCH3 を20モル%
含む組成のラテックスで、生成量は15.5gであっ
た。
【0034】ラテックスは未反応のCF2 =CFO(C
23 COOCH3 を含んでいるが、ラテックス中の
ポリマー粒子に含浸されて均一層となっている。該ラテ
ックス100gに対しCF2 ClCF2 CHFCl(以
下、HCFC225cbという。沸点54℃)を30g
加え、分液ロート中10分間振とうした後30分間静置
した。下層のHCFC225cb層を分離した後、再び
HCFC225cbを同量加え抽出操作をくり返した。
6回抽出操作を行ったところ、HCFC225cb層お
よび水層ともガスクロマトグラフィーでCF2 =CFO
(CF23 COOCH3 は検出されず定量的に抽出さ
れることがわかった。HCFC225cbの各抽出層を
集め蒸留し、 CF2 =CFO(CF23 COOCH3
を11.5g回収した。
【0035】[実施例2]抽出溶剤をHCFC225c
bに換えて、C4925 (沸点68℃)を用いる
以外は実施例1と同様にして、抽出操作を行ったところ
未反応のCF2 =CFO(CF23 COOCH3 が1
1.3g回収された。
【0036】[実施例3]抽出溶剤としてC613
(沸点72℃)を用いる以外は実施例1と同様にして抽
出操作を行ったところ、未反応のCF2 =CFO(CF
23 COOCH3が12.0g回収された。
【0037】[実施例4]0.2リットルのステンレス
製オートクレーブに、イオン交換水を120g、C8
17COONH4 を0. 42g、Na2 HPO4 ・12H
2 Oを 0. 6g、 NaH2 PO4 ・2H2 Oを0.3
5g、(NH4228 を0.064g、(CH
32 CHOHを0・03gおよびCF2 =CFO(C
22 SO2 Fを12g仕込み、液体窒素下で充分脱
気した。その後、60℃に昇温し、四フッ化エチレンを
系内に導入し圧力を11.7kg/cm2 に保持した。
5.5時間撹拌後未反応の四フッ化エチレンをパージ
し、反応を終了させた。
【0038】生成した共重合体は共重合したCF2 =C
FO(CF22 SO2 Fを13.7モル%含む組成の
ラテックスで、生成量は19.8gであった。 ラテック
スは未反応のCF2 =CFO(CF22 SO2 Fを含
んでいるが、ラテックス中のポリマー粒子に含浸されて
均一層となっている。該ラテックス100gに対しHC
FC225cbを30g加え、実施例1と同様の抽出条
件で未反応のCF2 =CFO(CF22 SO2 Fの抽
出層を集め、蒸留によりCF2 =CFO(CF22
2 Fを4.1g回収した。抽出操作を6回繰り返すこ
とにより、水層およびHCFC225cb層ともガスク
ロマトグラフィーでCF2 =CFO(CF22 SO2
Fは検出されず、定量的に抽出されることがわかった。
【0039】[比較例1]抽出溶剤としてCF2 ClC
FCl2 (オゾン破壊係数0.8)を用いる以外は実施
例1と同様にして抽出操作を行ったところ、未反応のC
2 =CFO(CF23 COOCH3 が11.1g回
収された。
【0040】[比較例2]抽出溶剤としてCH2 Cl2
を用いる以外は実施例1と同様にして抽出操作を行った
ところ、静置後も水層が白濁しCH2 Cl2 層との分離
が充分でなく、水層にCH2 Cl2 が一部溶解すること
がわかった。
【0041】[比較例3]抽出溶剤としてCHCl2
3 を用いる以外は実施例1と同様にして抽出操作を行
ったが、静置後も水層とCHCl2 CF3 層が分離しな
かった。
【0042】[比較例4]抽出溶剤としてCFCl2
3 を用いる以外は実施例1と同様にして抽出操作を行
ったが、静置後も水層とCFCl2 CH3 層が分離しな
かった。
【0043】
【発明の効果】ラテックス中の液状の未反応のフッ素化
モノマーが、特定のフッ素系溶剤による抽出操作で、定
量的に高効率で容易に回収される。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】常温で液状のフッ素化モノマーを乳化重合
    して得られるラテックスから、未反応の前記液状のフッ
    素化モノマーを回収するに当たり、沸点が10〜250
    ℃であり、CF2 ClCF2 CFHCl、CF3 CF2
    CHCl2 、ハイドロフルオロカーボンおよびフルオロ
    カーボンからなる群から選ばれる少なくとも1種類のフ
    ッ素系溶剤と前記ラテックスとを接触せしめ、前記フッ
    素系溶剤により前記未反応モノマーを抽出回収すること
    を特徴とするフッ素化モノマーの回収方法。
  2. 【請求項2】常温で液状のフッ素化モノマーが、カルボ
    ン酸基もしくはカルボン酸基に変換し得るカルボン酸型
    官能基、あるいはスルホン酸基もしくはスルホン酸基に
    変換し得るスルホン酸型官能基を有するモノマーである
    請求項1の回収方法。
  3. 【請求項3】カルボン酸型官能基を有するモノマーが、
    一般式CF2 =CF(OCF2 CFCF3a O(CF
    2b COOCH3 (但し、式中のaは0〜3、bは1
    〜5である)で表されるフルオロビニル化合物である請
    求項2の回収方法。
  4. 【請求項4】スルホン酸型官能基を有するモノマーが、
    一般式CF2 =CF(OCF2 CFCF3c O(CF
    2d SO2 F(但し、式中のcは0〜3、dは1〜5
    である)で表されるフルオロビニル化合物である請求項
    2の回収方法。
  5. 【請求項5】ハイドロフルオロカーボンが、C49
    25 、(CF32 CFCFHCFHCF3 、C6
    13H、C61325 およびC81725 からな
    る群から選ばれる少なくとも1種類である請求項1〜4
    のいずれかの回収方法。
  6. 【請求項6】フルオロカーボンが化1から選ばれる少な
    くとも1種類である請求項1〜4のいずれかの回収方
    法。 【化1】
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