JP3525462B2 - フッ素化モノマーの回収方法 - Google Patents

フッ素化モノマーの回収方法

Info

Publication number
JP3525462B2
JP3525462B2 JP26631493A JP26631493A JP3525462B2 JP 3525462 B2 JP3525462 B2 JP 3525462B2 JP 26631493 A JP26631493 A JP 26631493A JP 26631493 A JP26631493 A JP 26631493A JP 3525462 B2 JP3525462 B2 JP 3525462B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
monomer
fluorinated
fluorinated monomer
fluorine
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26631493A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07118332A (ja
Inventor
正之 田村
孝志 三枝木
晴久 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP26631493A priority Critical patent/JP3525462B2/ja
Publication of JPH07118332A publication Critical patent/JPH07118332A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3525462B2 publication Critical patent/JP3525462B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は常温で液状のフッ素化モ
ノマー乳化重合して得られるラテックスに含まれる未
反応の前記フッ素化モノマーを回収する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】フッ素系重合体は乳化重合、懸濁重合、
溶液重合、塊状重合などの方法で製造されているが、乳
化重合は重合槽の容積効率が高く、重合中の除熱や撹拌
に必要とされるトルクが低いなどの利点がある。乳化
重合では、四フッ化エチレンのごとき常温で気体のモノ
マーは重合後パージすることで容易に回収が行なわれて
いる。しかし、常温で液状の未反応フッ素化モノマーは
生成したラテックス中に含まれており、特に官能基を含
有するモノマーはラテックス凝集時に変性し回収率が低
下する可能性があり、凝集に先立ち回収することが好ま
しい。
【0003】従来、液状のフッ素化モノマーの回収に
素化塩素化飽和炭化水素の溶剤が用いられて、ラテッ
クスと該溶剤を混合静置し、二層分離した該溶剤に含ま
れる該モノマーを抽出回収する方法が採用されていた
(特公昭62−56886)。しかし従来用いられてい
たトリクロロトリフルオロエタンのごときクロロフルオ
ロカーボンは入手が容易で安価であるものの、大気中の
オゾン層を破壊するおそれがあるとされ、その使用が制
限されるため代替抽出溶剤の適用が要請されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
の問題点を解決しようとするものである。すなわち、常
温で液状のフッ素化モノマーの乳化重合ラテックスに含
まれる未反応の該モノマーを定量的に効率よく抽出回収
できる方法を提供する。また、オゾン層を破壊するおそ
れがない抽出溶剤を用いる回収方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、常温で液状の
フッ素化モノマーを乳化重合して得られるラテックスか
ら、未反応の前記フッ素化モノマーを回収するに当た
り、沸点が10〜250℃であり、CFClCF
HFCl、CFCFCHCl、ハイドロフルオロ
カーボンおよび式1〜6で示される化合物からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種類のフッ素系溶剤と前記ラテ
ックスとを接触せしめ、前記フッ素系溶剤により前記フ
ッ素化モノマーを抽出回収することを特徴とするフッ素
化モノマーの回収方法を提供する。
【0006】本発明で用いるフッ素系溶剤としては、リ
サイクル性、常温での取扱い易さなどより沸点20〜2
00℃のものが好ましい。さらには常温で液状のフッ素
化モノマー(以下、液状フッ素化モノマーという)を抽
出後の蒸留分離の容易さなどより液状フッ素化モノマー
との沸点差が20℃以上であるものが特に好ましい。ハ
イドロフルオロカーボンとしては、構造が直鎖状、分岐
状、環状のいずれであってもよいが、炭素数は4〜12
個の範囲が好ましい。ハイドロフルオロカーボンとし
て、C、(CFCFCHFCHF
CF、C13H、C13およびC
17から選ばれる少なくとも1種類のフッ素
系溶剤が、また、パーフルオロカーボンである式1〜6
で示される化合物から選ばれる少なくとも1種類のフッ
素系溶剤が、特性上および工業的に入手が容易で特に好
ましい。これらのフッ素系溶剤は単独であるいは混合溶
剤として使用され得るものである。
【0007】
【化2】
【0008】抽出操作は通常、ラテックスに前記のフッ
素系溶剤を加え、撹拌または振とうした後静置させるも
ので、液状フッ素化モノマーを含むフッ素系溶剤が下層
に分離する。抽出操作は分離した下層を抜きだした後、
新たに該フッ素系溶剤を加え上記操作を数回繰り返すこ
とで、未反応の液状フッ素化モノマーを定量的に回収す
ることができる。
【0009】抽出操作時のラテックス/フッ素系溶剤の
混合割合は、20/1〜1/10の範囲が用いられる
が、あまりにフッ素系溶剤の混合比率を高めると抽出回
数は少なくできるがフッ素系溶剤中の液状フッ素化モノ
マー濃度が著しく低くなり、蒸留回収時の装置容積が大
きくなり好ましくない。一方、フッ素系溶剤の混合比率
が小さすぎると抽出回数が多くなり好ましくない。より
好ましくは10/1〜1/2の範囲である。
【0010】本発明の抽出処理は、液状フッ素化モノマ
ーを含有する乳化重合系のラテックスに対して適用され
る。液状フッ素化モノマーとしては、種々のものが例示
され得るが、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基の
如き官能基をペンダント側鎖に含有するフッ素化モノマ
ー、特にパーフルオロ系モノマーが好適である
【0011】本発明で好適な液状フッ素化モノマーとし
ては、カルボン酸基もしくはカルボン酸基に変換し得る
カルボン酸型官能基、または、スルホン酸基もしくはス
ルホン酸基に変換し得るスルホン酸型官能基を有する重
合能あるモノマーが例示され得る。かかる液状フッ素
化モノマーは、生成ポリマーの用途、性能などを考慮す
ると、通常はフルオロビニル化合物、特にパーフルオロ
系であることが望ましい。
【0012】好適なものとしては、カルボン酸型官能基
を有する液状フッ素化モノマーは、一般式CF2 =CF
(OCF2 CFCF3 a O(CF2b COOC
3(但し、式中のaは0〜3、bは1〜5である)で
表されるフルオロビニル化合物が例示される。スルホン
酸型官能基を有する液状フッ素化モノマーは、一般式C
2 =CF(OCF2 CFCF3 c O(CF2
d SO2 F(但し、式中のcは0〜3、dは1〜5であ
る)で表されるフルオロビニル化合物が例示される。
【0013】そして通常乳化重合系は、前記カルボン酸
基、スルホン酸基、リン酸基の如き官能基をペンダント
側鎖に含有する液状フッ素化モノマー(以下、液状フッ
素化モノマー(1)という)と常温でガス状のフッ素化
したエチレン系不飽和モノマー(以下、フッ素化エチレ
ン系モノマー(2)という)と共重合することが好まし
い。フッ素化エチレン系モノマー(2)は、一般式CF
2 =CZY(ここで、Z、Yはフッ素原子、塩素原子、
水素原子、またはトリフルオロメチル基である)で表さ
れるフッ素化オレフィン化合物が好ましく、なかでもパ
ーフルオロオレフィン化合物が好ましい。具体的には、
四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン、六フッ化プ
ロピレン、三フッ化エチレン、フッ化ビニリデン、フッ
化ビニルなどが例示され、特に四フッ化エチレンが好適
である。
【0014】液状フッ素化モノマー(1)およびフッ素
エチレン系モノマー(2)の各モノマーは、それぞれ
2種類以上で使用することもでき、またこれらの化合物
の他に、他の成分、例えば式CH2 =C 4 5 (ここ
で、 4 、R 5 は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基
またはアリール基を示す)で表されるオレフィン化合物
(以下モノマー(3)という)、式CF2 =CFORf
(Rfは炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を示
す)の如きフルオロビニルエーテル、式CF2=CF−
CF=CF2 、式CF2 =CFO(CF2e OCF=
CF2 (eは1〜4)の如きジビニルモノマーなどの1
種または2種以上を併用することもできる。モノマー
(3)の好ましい代表例としては、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、イソブチレン、スチレン、α−メチル
スチレン、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−
1、3−メチル−ブテン−1、4−メチル−ペンテン−
1などが挙げられ、なかでも製造上および生成共重合体
の性能上などから、エチレン、プロピレン、イソブチレ
ンなどの使用が特に好ましい。また、例えばジビニルモ
ノマーの併用によって得られる共重合体を架橋し、膜の
如き成形物にした場合の機械的強度を改善せしめること
が可能である。
【0015】テックス中の生成フッ素化重合体にお
て、前記の液状フッ素化モノマー(1)、フッ素化エチ
レン系モノマー(2)、更には前記モノマー(3)その
他のモノマーに由来する繰り返し単位の組成割合は、性
能に関係するので重要である。以下、フッ素化重合体中
のモノマー由来の繰り返し単位の割合を表現するとき、
由来するモノマーの割合として表現する。
【0016】まず、液状フッ素化モノマー(1)の存在
量は、イオン交換容量と直接関係するが、共重合体中1
〜50モル%、好ましくは3〜35モル%が好適であ
る。該液状フッ素化モノマー(1)の存在量が大きすぎ
ると、イオン交換膜など成形物とした場合の機械的強度
を損ない、更には含水量の増大によるイオン交換性能の
低下をきたし、またあまりに少ない存在量ではイオン交
換機能を示さないので好ましくない。
【0017】前記液状フッ素化モノマー(1)以外は、
前記フッ素化エチレン系モノマー(2)と更にはモノマ
(3)その他のモノマーが占めることになるが、モノ
マー(3)の存在量は、電気的、機械的および耐塩素性
などに大きく関係するので重要である。従って、モノマ
(3)を併用する場合には、モノマー(3)/フッ素
エチレン系モノマー(2)のモル比、好ましくは5
/95〜70/30、特には10/90〜60/40に
するのが好適である。また、フルオロビニルエーテルや
ジビニルエーテルなどを併用する場合にも、共重合体中
30モル%以下、好ましくは2〜20モル%程度の割合
とするのが好適である。
【0018】生成フッ素化重合体のイオン交換容量は、
0.5〜2.2ミリ当量/グラム乾燥樹脂という広い範
囲から選択される。このフッ素化重合体は、イオン交換
容量を大きくしても、生成共重合体の分子量を高くで
き、従って共重合体の機械的性質や耐久性は低下しない
という特徴がある。イオン交換容量は、上記の範囲で
も、共重合体の種類に応じて異なるが、0.8ミリ当量
/グラム乾燥樹脂以上、特に1.0ミリ当量/グラム乾
燥樹脂以上の場合が、イオン交換膜としての機械的性質
および電気化学的性能上好ましい。また、本発明で得ら
れるフッ素化重合体の分子量は、イオン交換膜としての
機械的性能および製膜性と関係するので重要であり、T
Q の値で表示すると、150℃以上、好ましくは170
〜340℃、特に180〜300℃程度とするのが好適
である。
【0019】本明細書中において「TQ 」なる言葉は次
のように定義されるものである。即ち、共重合体の分子
量に関係する容量流速100mm3 /秒を示す温度がT
Q と定義される。ここにおいて容量流速は、共重合体を
30kg荷重下、一定温度の径1mm、長さ2mmのオ
リフィスから融流出せしめ、流出する共重合体量をm
3 /秒の単位で示したものである。
【0020】また、「イオン交換容量」については次の
通りである。即ち、H型の陽イオン交換樹脂膜を、1N
のHCl中で60℃、5時間放置し、完全にH型に転換
し、HClが残存しないように水で充分洗浄した。その
後、このH型の膜0.5gを、0.1NのNaOH25
cm3 に水を25cm3 加えてなる溶液中に、室温で2
日間静置した。次いで膜をとり出して、溶液中のNaO
Hの量を0.1NのHClで逆滴定することにより求め
るものである。
【0021】液状フッ素化モノマー(1)およびフッ素
化エチレン系モノマー(2)を共重合反応させる場合
、水性媒体中で実施する。通常は、水性媒体の使用量
を水性媒体/液状フッ素化モノマー(1)の重量比で2
0/1以下にし、好ましくは10/1以下に制御して実
施するのが良い。水性媒体の使用量が多すぎる場合に
は、共重合反応速度が著しく低下し、高い共重合体収量
を得るために長時間を要することになる。また、水性媒
体が多すぎると高イオン交換容量にした場合に高い分子
量を達成するのが難しくなる。更に水性媒体の多量使用
には、次の如き難点が認められる。例えば、反応装置の
大型化あるいは共重合体分離回収など作業操作面の不利
があげられる。
【0022】上記共重合反応においては、1kg/cm
2 以上の共重合反応圧力を採用することが好適である。
共重合反応圧力が低すぎる場合には、共重合反応速度を
実用上満足し得る高さに維持することができず、高分子
量の共重合体の形成に難点が認められる。また、共重合
反応圧力が低すぎると、生成共重合体のイオン交換容量
が極端に高くなり、含水量増大などによる機械的強度、
イオン交換性能の低下傾向が増大することになる。な
お、共重合反応圧力は、工業的実施における反応装置上
または作業操作上などを考慮して、50kg/cm2
下から選定されるのが好ましい。かかる範囲よりも高い
共重合反応圧力の採用は可能であるが、本発明の目的を
比例的に向上せしめ得るものではない。従って、本発明
においては、共重合反応圧力を1〜50kg/cm2
好ましくは3〜30kg/cm2 の範囲から選定するの
が最適である。
【0023】上記共重合反応に際しては、前記反応条件
の他の条件や操作は、特に限定されることなく広い範囲
にわたって採用され得る。例えば、共重合反応温度は、
重合開始源の種類や反応モル比などにより最適値が選定
され得るが、通常はあまりに高温度や低温度は工業
的実施に対して不利となるので、10〜90℃、好まし
くは20〜80℃程度から選定される。
【0024】合開始源としては、前記の好適な反応温
度において高い活性を示すものを選定するのが望まし
い。例えば、室温以下でも高活性の電離性放射線を採用
することもできるが、通常はアゾ化合物やパーオキシ化
合物を採用する方法が工業的実施に対して有利である。
本発明で好適に採用される重合開始源は、前記共重合反
応圧力下に10〜90℃程度で高活性を示すジコハク酸
パーオキド、ベンゾイルパーオキド、ラウロイルパ
ーオキド、ビスペンタフルオロプロピオニルパーオキ
ド等のジアシルパーオキド、2,2−アゾビス(2
−アミジノプロパン)塩酸塩、4,4−アゾビス(4−
シアノレリアン酸)、アゾビスイソブチロニトリル等
のアゾ化合物、t−ブチルパーオキシイソブチレート、
t−ブチルパーオキシピバレート等のパーオキシエステ
ル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス
−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート等のパ
ーオキシジカーボネート、ジイソプロピルベンゼンハイ
ドロパーオキド等のハイドロパーオキド類、過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物および
それらのレドックス系等である。
【0025】合開始剤濃度は、全単量体に対して0.
0001〜3重量%、好ましくは0.001〜2重量%
程度である。開始剤濃度が低すぎると、生成共重合体の
分子量くなりすぎ、高イオン交換容量を保持するこ
とが困難である。開始剤濃度をあまり高くすると、分子
量の低下傾向が増し、高イオン交換容量で高分子量の共
重合体の生成に対して不利となる。その他通常の水性媒
体重合において用いられる界面活性剤、分散剤、緩衝
剤、分子量調整剤等を添加することもできる。
【0026】成共重合体濃度を40重量%以下、特に
30重量%以下に制御して実施するのが好適である。あ
まり高濃度にすると、撹拌負荷の増大、除熱困難、フッ
素化エチレン系モノマー(2)の拡散不充分などの難点
がみとめられる。
【0027】以上の如くして水性媒体中での乳化重合に
より得られるラテックスは、前記の如くフッ素系溶剤を
加えて未反応の前記液状フッ素化モノマーを抽出分離す
る。なお、四フッ化エチレンの如きガス状モノマーの未
反応物は、パージ法などにより容易に分離回収され得
る。次いで未反応の前記液状フッ素化モノマーが分離回
収されたラテックスに塩酸または硫酸等の酸を添加し
ッ素化重合体を凝集させる。その他塩析、凍結凝集、機
械的凝集等の周知または公知の凝集手段が採用され得
る。
【0028】凝集したフッ素化重合体を充分水洗し、次
いでメタノール、アセトン等の水溶性有機溶剤を用いて
水を置換する。フッ素化重合体を風乾した後、フッ素化
重合体100重量に対し100cm3 好ましくは400
〜600cm3 以上のメタノールを加え、更に好ましく
はこれに硫酸を添加し撹拌しつつ20℃以上で1〜50
時間処理する。次いで、フッ素化重合体とメタノールを
分離し、硫酸を添加した場合はこれを除くためにメタノ
ールで洗浄を行った後、減圧下に40〜80℃で乾燥さ
せてフッ素化重合体を得る。
【0029】本発明によれば、高イオン交換容量および
高分子量を有し、且つ加熱融による成形性に優れたイ
オン交換基含有フッ素化重合体が円滑有利に得られる。
例えば、水性媒体中での共重合上りのフッ素化重合体
は、カルボン酸型官能基を有する液状フッ素化モノマー
を使用した場合でも、TQ が300℃を超えているが、
メタノールなどで加熱接触処理することにより、TQ
220℃程度に下げることが可能である。TQ が300
℃以上のフッ素化重合体では、加熱融成形が著しく困
難であり、フィルム、シート状などに成形できないが、
本発明によるフッ素化重合体は押出成形などによっても
フィルム、シート状などに容易に成形することができ
る。
【0030】本発明の好適な実施態様で得られるフッ素
化重合体は、適宜手段にて製膜され得る。例えば、必要
により官能基を加水分解でカルボン酸基に転換するが、
かかる加水分解処理は製膜前でも製膜後でも可能であ
る。通常は製膜後に加水分解処理する方が望ましい。製
膜手段には種々のものが採用可能であり、例えば加熱溶
融成形、ラテックス成形、適当な溶液に溶解させての注
型成形など公知または周知の方法を適宜採用し得る。
【0031】本発明における生成フッ素化重合体からの
イオン交換膜は、種々の優れた性能を有するために、各
種分野、目的、用途などに広範囲に採用され得る。例え
ば拡散透析、電解還元燃料電池の隔膜などとして特に耐
蝕性が要求される分野で好適に使用される。なかでも、
アルカリ電解用の陽イオン交換膜として使う場合には、
従来のイオン交換膜では得られなかった高い性能を発揮
し得るものである。
【0032】例えば、本発明のフッ素化重合体からの陽
イオン交換膜にて、陽極と陰極とを区画して陽極室と陰
極室とを構成し、陽極室に塩化アルカリ水溶液を供給し
て電解し陰極室から水酸化アルカリを得る、いわゆる二
室型槽の場合でも、2以上の濃度の塩化ナトリウム水
溶液を原料として5〜20A/dm2 の電流密度で電解
することにより、40%以上の高濃度の水酸化ナトリウ
ムが90%以上の高電流効率で長期にわたって安定して
製造できる。更に、4.5V以下の低い槽電圧での電解
が可能である。
【0033】
【実施例】[実施例1] 0.2リットルのステンレス製オートクレーブに、イオ
ン交換水100g、C817COONH4 を0.2
g、Na2 HPO4 ・12H2 Oを0.5g、NaH2
PO4 ・2H2 Oを0.3g、(NH4228
0.026gおよびCF2 =CFO(CF23 COO
CH3 を20g仕込み、液体窒素下で充分脱気した。そ
の後、55℃に昇温し、四フッ化エチレンを系内に導入
し圧力を10.4kg/cm2 に保持した。3.3時間
撹拌後、未反応の四フッ化エチレンをパージし、反応を
終了させた。生成したラテックス状の共重合体は、繰り
返し単位にCF2 =CFO(CF23 COOCH3
20モル%含む組成で、生成量は15.5gであった。
【0034】ラテックスは未反応のCF2 =CFO(C
23 COOCH3 を含んでいるが、ラテックス中の
ポリマー粒子に含浸されて均一層となっている。該ラテ
ックス100gに対しCF2 ClCF2 CHFCl(以
下、HCFC225cbという。沸点54℃)を30g
加え、分液ロート中10分間振とうした後30分間静置
した。下層のHCFC225cb層を分離した後、再び
HCFC225cbを同量加え抽出操作をくり返した。
6回抽出操作を行ったところ、HCFC225cb層お
よび水層ともガスクロマトグラフィーでCF2 =CFO
(CF23 COOCH3 は検出されず定量的に抽出さ
れることがわかった。HCFC225cbの各抽出層を
集め蒸留し、CF2 =CFO(CF23 COOCH3
を11.5g回収した。
【0035】[実施例2] CFC225cbの代りに、抽出溶媒として49
25 (沸点68℃)を用いる以外は実施例1と同様
にして、抽出操作を行ったところ未反応のCF2 =CF
O(CF23 COOCH3 が11.3g回収された。
【0036】[実施例3]HCFC225cbの代りに、 抽出溶剤としてC613
H(沸点72℃)を用いる以外は実施例1と同様にして
抽出操作を行ったところ、未反応のCF2 =CFO(C
23 COOCH3 が12.0g回収された。
【0037】[実施例4] 0.2リットルのステンレス製オートクレーブに、イオ
ン交換水を120g、C817COONH4 を0.42
g、Na2 HPO4 ・12H2 Oを0.6g、NaH2
PO4 ・2H2 Oを0.35g、(NH4228
を0.064g、(CH32 CHOHを003gお
よびCF2 =CFO(CF22 SO2Fを12g仕込
み、液体窒素下で充分脱気した。その後、60℃に昇温
し、四フッ化エチレンを系内に導入し圧力を11.7k
g/cm2 に保持した。5.5時間撹拌後未反応の四フ
ッ化エチレンをパージし、反応を終了させた。
【0038】生成したラテックス状の共重合体は、繰り
返し単位にCF2 =CFO(CF22 SO2 Fを1
3.7モル%含む組成で、生成量は19.8gであっ
た。 ラテックスは未反応のCF2 =CFO(CF22
SO2 Fを含んでいるが、ラテックス中のポリマー粒子
に含浸されて均一層となっている。該ラテックス100
gに対しHCFC225cbを30g加え、実施例1と
同様の抽出条件で未反応のCF2 =CFO(CF22
SO2 Fの抽出層を集め、蒸留によりCF2 =CFO
(CF22 SO2 Fを4.1g回収した。抽出操作を
6回繰り返すことにより、水層およびHCFC225c
b層ともガスクロマトグラフィーでCF2 =CFO(C
22 SO2 Fは検出されず、定量的に抽出されるこ
とがわかった。
【0039】[比較例1]HCFC225cbの代りに、 抽出溶剤としてCF2
lCFCl2 (オゾン破壊係数0.8)を用いる以外は
実施例1と同様にして抽出操作を行ったところ、未反応
のCF2 =CFO(CF23 COOCH3 が11.1
g回収された。
【0040】[比較例2]HCFC225cbの代りに、 抽出溶剤としてCH2
2 を用いる以外は実施例1と同様にして抽出操作を行
ったところ、静置後も水層が白濁しCH2 Cl2 層との
分離が充分でなく、水層にCH2 Cl2 が一部溶解する
ことがわかった。
【0041】[比較例3]HCFC225cbの代りに、 抽出溶剤としてCHCl
2 CF3 を用いる以外は実施例1と同様にして抽出操作
を行ったが、静置後も水層とCHCl2 CF3層が分離
しなかった。
【0042】[比較例4]HCFC225cbの代りに、 抽出溶剤としてCFCl
2 CH3 を用いる以外は実施例1と同様にして抽出操作
を行ったが、静置後も水層とCFCl2 CH3層が分離
しなかった。
【0043】
【発明の効果】ラテックス中の液状の未反応の液状フッ
素化モノマーが、特定のフッ素系溶剤による抽出操作
で、定量的に高効率で容易に回収される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 6/00 - 6/28

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】常温で液状のフッ素化モノマーを乳化重合
    して得られるラテックスから、未反応の前記フッ素化モ
    ノマーを回収するに当たり、沸点が10〜250℃であ
    り、CFClCFCHFCl、CFCFCHC
    、ハイドロフルオロカーボンおよび式1〜6で示さ
    れる化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種類の
    フッ素系溶剤と前記ラテックスとを接触せしめ、前記フ
    ッ素系溶剤により前記フッ素化モノマーを抽出回収する
    ことを特徴とするフッ素化モノマーの回収方法。 【化1】
  2. 【請求項2】前記フッ素化モノマーが、カルボン酸基も
    しくはカルボン酸基に変換し得るカルボン酸型官能基、
    または、スルホン酸基もしくはスルホン酸基に変換し得
    るスルホン酸型官能基を有するモノマーである請求項1
    記載の回収方法。
  3. 【請求項3】前記カルボン酸型官能基を有するモノマー
    が、一般式CF=CF(OCFCF(CF))
    O(CFCOOCH(但し、式中のaは0〜
    3、bは1〜5である)で表されるフルオロビニル化合
    物である請求項2記載の回収方法。
  4. 【請求項4】前記スルホン酸型官能基を有するモノマー
    が、一般式CF=CF(OCFCF(CF))
    O(CFSOF(但し、式中のcは0〜3、d
    は1〜5である)で表されるフルオロビニル化合物であ
    る請求項2記載の回収方法。
  5. 【請求項5】前記フッ素系溶剤が、C
    (CFCFCHFCHFCF、C13H、
    13およびC17からなる
    群から選ばれる少なくとも1種類である請求項1〜4の
    いずれか記載の回収方法。
JP26631493A 1993-10-25 1993-10-25 フッ素化モノマーの回収方法 Expired - Fee Related JP3525462B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26631493A JP3525462B2 (ja) 1993-10-25 1993-10-25 フッ素化モノマーの回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26631493A JP3525462B2 (ja) 1993-10-25 1993-10-25 フッ素化モノマーの回収方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07118332A JPH07118332A (ja) 1995-05-09
JP3525462B2 true JP3525462B2 (ja) 2004-05-10

Family

ID=17429209

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26631493A Expired - Fee Related JP3525462B2 (ja) 1993-10-25 1993-10-25 フッ素化モノマーの回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3525462B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001505128A (ja) * 1996-12-06 2001-04-17 アドバンスト・ファイトニックス・リミテッド 物質処理
US8344192B2 (en) 2006-12-08 2013-01-01 Daikin Industries, Ltd. Process for the recovery of fluoromonomers
JP4720734B2 (ja) * 2006-12-08 2011-07-13 ダイキン工業株式会社 フルオロモノマーの回収方法
CN103534282B (zh) 2011-05-18 2016-08-17 旭硝子株式会社 含氟共聚物及离子交换膜
JP5862661B2 (ja) 2011-05-18 2016-02-16 旭硝子株式会社 含フッ素共重合体の製造方法およびイオン交換膜の製造方法
WO2012173153A1 (ja) 2011-06-15 2012-12-20 旭硝子株式会社 含フッ素共重合体の製造方法
WO2018235911A1 (ja) * 2017-06-21 2018-12-27 Agc株式会社 含フッ素重合体、官能基含有含フッ素重合体および電解質膜の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07118332A (ja) 1995-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4116888A (en) Process for producing fluorinated copolymer having ion-exchange groups
US9464176B2 (en) Process for producing fluorinated copolymer
EP1939222B2 (en) Process for producing an AQUEOUS POLYTETRAFLUOROETHYLENE EMULSION, AND POLYTETRAFLUOROETHYLENE FINE POWDER AND POROUS MATERIAL PRODUCED FROM THE SAME
JP5482652B2 (ja) 含フッ素重合体の製造方法および含フッ素イオン交換膜
US4138373A (en) Process for producing fluorinated copolymer having ion-exchange groups
JPS63449B2 (ja)
US9624329B2 (en) Process for producing fluorinated copolymer
EP0030104B1 (en) Process for preparing organic dispersion of acid-type fluorinated polymer
JP3525462B2 (ja) フッ素化モノマーの回収方法
JP3804197B2 (ja) フッ素化モノマーの回収方法
JP2780590B2 (ja) スルホン酸型官能基を有するパーフルオロカーボン重合体の製造方法
JPS6256886B2 (ja)
JP4253928B2 (ja) フルオロカーボンポリマー粒子の製造方法
JP3356474B2 (ja) スルホン酸型官能基を有するパーフルオロカーボン重合体の製造方法
JP3280727B2 (ja) パーフルオロカーボン重合体の製造方法
JP3470427B2 (ja) アルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーの製造方法
EP1741729A1 (en) Polymerization process
JPH0689074B2 (ja) スルホン酸型官能基を有するパ−フルオロカ−ボン重合体の製造法
JP7276330B2 (ja) 含フッ素ポリマーの製造方法および含フッ素イオン交換ポリマーの製造方法
JP3947831B2 (ja) アルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーの凝集方法
JPH06199959A (ja) スルホン酸型官能基を有するパーフルオロカーボン重合体の製造法
JPH1135638A (ja) スルホン酸型官能基を有するパーフルオロカーボン重合体の製造方法
JP4674399B2 (ja) フルオロカーボンポリマー粒子の製造方法
JPH0689075B2 (ja) スルホン酸型官能基を有するパ−フルオロカ−ボン重合体の製造方法
JPS6256901B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080227

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090227

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100227

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100227

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110227

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 8

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 8

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees