JP3947831B2 - アルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーの凝集方法 - Google Patents

アルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーの凝集方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電解用陽イオン交換膜などに使用されるアルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電解用含フッ素陽イオン交換膜などに使用されているアルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーは、クロロフルオロカーボン(CFC)を溶媒に用いる溶液重合、または水を媒体として用いる乳化重合により製造されている。
【0003】
しかし、上記溶液重合は、上記CFCの環境上の心配から実施が困難である。一方、上記乳化重合においては、例えば、式Aの重合単位と式Bの重合単位を有し、イオン交換容量が1.2〜1.6ミリ当量/g乾燥樹脂である含フッ素ポリマーのラテックスは、金属塩や酸などの凝集剤または凝集剤の水溶液の通常の添加によって、凝集できることが知られている。なお、式A、式Bにおいて、mは1〜5の整数であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基である。
【0004】
【化3】
Figure 0003947831
【0005】
また、イオン交換容量が1.15ミリ当量/g乾燥樹脂以下であり、式Bの重合単位の含有割合が18モル%以下である含フッ素ポリマーのラテックスは、通常の凝集方法では、凝集ポリマーの粒子径が小さく、ろ過に長時間かかる、フィルタの孔を凝集ポリマーが通り抜けて歩留まりが低下するなどの問題点があった。しかし、含フッ素有機溶媒を添加して凝集することにより、粒子径の大きい凝集ポリマーを得る方法が開発されている(特開平8−159916)。
【0006】
しかし、式Bの重合単位の含有割合が20モル%以上である含フッ素ポリマーのラテックスについては、凝集ポリマーの粒子どうしが過剰に融着するため、凝集ポリマーが大きな塊状になり、取り扱いや洗浄が困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、式Bの重合単位の含有割合が20モル%以上である含フッ素ポリマーのラテックスについて、凝集後のポリマーの取り扱いおよび洗浄が容易な新規な凝集方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、式Aの重合単位と式Bの重合単位を有し、式Bの重合単位の含有割合が20モル%以上であるアルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーのラテックスを、凝集剤および含フッ素有機溶媒の存在下で凝集させる方法であって、アルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーの凝集時の、ラテックス、凝集剤および含フッ素有機溶剤の加重平均温度が、(T−25)℃以上かつT℃以下(Tは含フッ素有機溶媒の沸点)であることを特徴とするアルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーの製造方法を提供する。
【0009】
また、本発明は、式Aの重合単位と式Bの重合単位と式Cの重合単位とを有し、式Bの重合単位と式Cの重合単位の含有割合の合計が20モル%以上であるアルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーのラテックスを、凝集剤および沸点が0℃〜100℃の含フッ素有機溶媒の存在下で凝集させる方法であって、アルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーの凝集時の、ラテックス、凝集剤および含フッ素有機溶剤の加重平均温度が、(T−25)℃以上かつT℃以下(Tは含フッ素有機溶媒の沸点)であることを特徴とするアルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーの製造方法を提供する。
【0010】
ただし、式A、式B、式Cにおいて、mは1〜5の整数、nは0〜3の整数、Rは炭素数1〜5のアルキル基である。
【0011】
【化4】
Figure 0003947831
【0012】
本発明者らは、式Bの重合単位と式Cの重合単位の含有割合の合計が大きい含フッ素ポリマーのラテックスを、適当な粒子径に凝集させるため、含フッ素有機溶媒の添加が有効であることを見出し、本発明にいたった。
【0013】
本発明に用いられるラテックスは、例えばCF2 =CFO(CF2m COORおよび/またはCF2 =CFO(CF2 CF(CF3 )O)n (CF23 Fと、テトラフルオロエチレン(TFE)とを水性媒体中で乳化重合することにより得られる。
上記乳化重合は、水性媒体中、含フッ素乳化剤、重合開始源の存在下で行われる。また、必要に応じて分子量調整剤やpH調整剤が添加される。
【0014】
含フッ素乳化剤としては、従来よりTFEその他の含フッ素モノマーの乳化重合において採用されているペルフルオロカルボン酸型乳化剤などが、特に限定されることなく、広範囲にわたって使用される。例えば、ペルフルオロアルキル基を含有する、カルボン酸またはスルホン酸のアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩が例示され、その他ペルフルオロポリエーテル鎖を含む、上記カルボン酸またはスルホン酸の塩類などが例示される。
含フッ素乳化剤は、通常は水性媒体中0.001〜5重量%、好ましくは0.05〜2.0重量%の濃度で使用される。
【0015】
水性媒体とアルコキシカルボニル基含有含フッ素モノマーの混合比率は、重量比で、水性媒体/アルコキシカルボニル基含有含フッ素モノマー=20/1〜1/1、好ましくは10/1〜2/1に制御するのが好適である。水性媒体の使用量が多すぎると、反応装置の大型化をまねき、ポリマーの分離回収など作業操作面で不利になる。水性媒体の使用量が少なすぎると、重合中に水性媒体中のポリマー濃度が高くなり、ラテックスが不安定になる。
【0016】
重合圧力は、通常2〜50kg/cm2 、特には4〜30kg/cm2 が好ましい。重合圧力が低すぎる場合には、生成ポリマーのイオン交換容量の再現性が低下する。また、工業的実施における作業操作性または反応装置の簡便性などを考慮して、重合圧力は50kg/cm2 以下から選定されるのが好ましい。
【0017】
重合反応に際しては、前記反応条件の他の条件や操作は、特に限定されることなく広い範囲にわたって採用される。例えば、反応温度は、重合開始源の種類や生成ポリマーの共重合比などにより最適値が選定されるが、通常はあまりに高温度や低温度は工業的実施に対して不利となるので、20〜90℃、好ましくは30〜80℃程度から選定される。
【0018】
重合開始源としては、前記の反応温度において高い活性を示す化合物を選定するのが望ましい。例えば、室温以下でも高活性の電離性放射線を採用できるが、通常は、ペルオキシ化合物やアゾ化合物などの重合開始剤を採用する方が工業的実施に対して有利である。
【0019】
本発明における重合開始剤は、前記共重合反応条件下に20〜90℃程度で高活性を示すものが使用され、具体的には、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物およびそれらのレドックス系、ジコハク酸ペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ビス(ペンタフルオロプロピオニル)ペルオキシド等のジアシルペルオキシド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、t−ブチルペルオキシイソブチレート、t−ブチルペルオキシピバレート等のペルオキシエステル類、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ビス(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート等のペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド類等が挙げられる。
【0020】
重合開始剤濃度は、全モノマーに対して0.0001〜3重量%、好ましくは0.001〜2重量%程度である。開始剤濃度を制御することにより、重合速度や生成ポリマーの分子量を制御できる。
【0021】
その他通常の乳化重合において用いられる界面活性剤、分散剤、緩衝剤、分子量調整剤などを添加できる。重合反応を阻害しないもので、連鎖移動の少ないもの、例えばペルフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン(HFC)またはヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)等の不活性有機溶媒を添加できる。
【0022】
生成ポリマー濃度は40重量%以下、特には30重量%以下に制御されるのが好ましい。あまりに高濃度にすると、ポリマー組成が不均一になったり、ラテックスが破壊するなどの難点が認められる。
【0023】
本発明におけるアルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーのイオン交換容量は、特に限定されないが、好ましくはイオン交換容量が1.15当量/g乾燥樹脂超かつ2.5ミリ当量/g乾燥樹脂以下、特には1.6〜1.9ミリ当量/g乾燥樹脂とされる。イオン交換容量が2.5ミリ当量/g乾燥樹脂を超えるものは、工業的使用に耐えうる高分子量のものを得ることが困難になる。
【0024】
本発明においては、ラテックスを凝集してポリマーを単離する際に、含フッ素有機溶媒を添加することを特徴とする。含フッ素有機溶媒が添加されていない場合には、凝集したポリマーの粒径が大きくなり、取り扱いおよび洗浄が困難になる。
【0025】
上記含フッ素有機溶媒の常圧における沸点は、ラテックスの凝集時の温度とのかねあいから、0℃〜100℃、特には10℃〜50℃であるのが好ましい。
含フッ素有機溶媒としては、特に限定されず、CFC、HFC、HCFCまたはヒドロフルオロエーテル(HFE)が、1種単独でまたは2種以上の混合物で用いられる。
【0026】
具体的には、CFCl3 等のCFC、CH3 CFCl2 等のHCFC、CF3 CH2 CHF2 等のHFC、CF3 CF2 CF2 OCH3 、(CF32 CFOCH3 、C49 OCH3 (C49 の部分はn体、iso体、sec体、tert体のいずれでもよい)またはC49 OCH2 CH3 (C49 の部分はn体、iso体、sec体、tert体のいずれでもよい)等のHFEが例示される。
【0027】
なかでも地球環境保護の観点から、CH3 CH2 CHF2 等のHFCや、CF3 CF2 CF2 OCH3 、(CF32 CFOCH3 またはCF3 CFHCF2 OCH3 等のHFEが好ましい。
また、本発明おける含フッ素有機溶媒は、上記以外の溶媒との混合溶媒であってもよい。この混合溶媒の沸点は、前記含フッ素有機溶媒の沸点と同様に、0℃〜100℃であるものが好ましい。沸点が低すぎると混合溶媒自体の取り扱いが困難であり、沸点が高すぎると含フッ素ポリマーから溶媒を除去するのが困難になるので好ましくない。
含フッ素有機溶媒に添加可能な溶媒としては、具体的には、以下の化合物があげられる。
【0028】
ペルフルオロペンタン、ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロデカン、1H−ペルフルオロヘキサン、1H−ペルフルオロオクタン、1H,4H−ペルフルオロブタン、2H,3H−ペルフルオロペンタン、1H,6H−ペルフルオロヘキサン、1H,8H−ペルフルオロオクタン、1H,1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキサン、1H,1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクタン、2H,3H−ペルフルオロ(2−メチルペンタン)、3H,4H−ペルフルオロ(2−メチルペンタン)、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン等のフルオロアルカン化合物、ヘキサフルオロプロペンの2量体等のポリフルオロオレフィン化合物、ペルフルオロ(ジメチルシクロブタン)、ペルフルオロシクロヘキサン、ペルフルオロ(1,2−ジメチルシクロヘキサン)、ペルフルオロ(1,3−ジメチルシクロヘキサン)等のポリフルオロシクロアルカン化合物、ペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)等のポリフルオロ環状エーテル化合物等。
【0029】
含フッ素有機溶媒の含有量は、アルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーに対して、20〜200重量%、特には25〜100重量部であるのが好ましい。含フッ素有機溶媒の添加量が上記範囲外では、凝集ポリマーが餅状または塊状になり、凝集したポリマーを充分に洗浄できない。
【0030】
ポリマーの凝集は、従来より公知の方法で行いうる。例えば、凝集剤として、硫酸、塩酸、硝酸などの無機酸を添加する方法、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、鉄ミョウバンなどの無機酸塩を添加する方法、メタノールなどの水と混合可能な有機溶剤を大量添加する方法などにより行いうる。
【0031】
また、本発明におけるアルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーの凝集において、ラテックス、凝集剤および含フッ素有機溶剤の加重平均温度は、(T−25)℃以上かつT℃以下(Tは含フッ素有機溶剤の沸点)であるのが好ましい。
なお、上記加重平均温度とは、ラテックス、凝集剤および含フッ素有機溶媒の、混合前の温度の加重平均の値をいう。例えば、P℃のラテックスpグラムとQ℃の凝集剤qグラムとR℃の含フッ素有機溶媒rグラムの加重平均温度は、(p×P+q×Q+r×R)/(p+q+r)で表される。
【0032】
上記加重平均温度が上記範囲内である場合は、より好ましい粒子径の凝集ポリマーを得られ、容易に洗浄できる。これは、含フッ素有機溶媒から発生する蒸気が凝集ポリマーどうしの過剰な融着を抑制するためと考えられる。
【0033】
また、本発明におけるアルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーの分子量は、イオン交換膜としての機械的性質および製膜性と関係するので重要であり、TQの値で表示すると、150℃以上、特には170〜320℃程度とするのが好ましい。
【0034】
本明細書中において「TQ」は、共重合体の分子量に関係する、容量流速100mm3 /秒を示す温度と定義される。上記容量流速は、共重合体を30kg/cm2 加圧下、一定温度の径1mm、長さ1mmのオリフィスから溶融流出せしめ、流出する共重合体量をmm3 /秒の単位で示したものである。
【0035】
本発明におけるアルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーは、電解用陽イオン交換膜、特には水、酸またはアルカリ水溶液、ハロゲン化アルカリ水溶液または炭酸アルカリ水溶液などの水性溶液の電解に適した陽イオン交換膜に好ましく用いられる。
【0036】
【実施例】
[例1]
内容量20Lのステンレス製耐圧容器に、イオン交換水を11.9kg、n−C817COONH4 を41.7g、Na2 HPO4 ・12H2 Oを59.1g、NaH2 PO4 ・2H2 Oを34.6g、(NH4228 を9.4g、NaHSO3 を4.4g仕込み、次いで、3570gのCF2 =CFO(CF23 COOCH3 を仕込んだ。充分脱気した後、重合温度40℃まで昇温し、TFEにて所定圧6.1kg/cm2 まで昇圧し、反応を行わせた。TFEを導入しながら重合を行い、圧力を所定圧に保った。11時間後に反応を停止した。
【0037】
得られたラテックスにn−C613Hを添加し、分液ロートで振とう後、未反応モノマーが抽出された下層のn−C613H層を分離除去した。この抽出操作を5回繰り返して未反応モノマーを完全に除去し、ポリマー濃度が18重量%であるラテックスを得た(以下、このラテックスをラテックスAと称する)。
【0038】
CFCl3 (沸点23.8℃)10重量部を1N硫酸100重量部に添加し15℃に冷却した。これを撹拌しながら、25℃のラテックスA100重量部を添加し、ポリマーを凝集させた。なお、加重平均温度は19.8℃であった。水洗、ろ過を数回行い、メタノールで洗浄した後ろ過し、さらにメタノール中で60℃にて一晩撹拌し、冷却後、ろ過して真空乾燥した。
【0039】
上記の処理中に凝集ポリマーが過剰に融着する現象は認められなかった。得られたポリマーのイオン交換容量は1.8ミリ当量/グラム乾燥樹脂、TQは190℃であった。なお、ポリマー中のCF2 =CFO(CF23 COOCH3 の共重合割合は、28.6モル%であった。また、250℃、1時間オーブン加熱処理を行ったところ、ポリマーは溶融して板状になった。発泡現象は認められなかった。
【0040】
[例2]
CFCl3 の代わりに10重量部のCH3 CFCl2 (沸点32.1℃)を1N硫酸に添加し、この混合物の温度を25℃に調整した以外は例1と同様にして、ラテックスAの凝集、後処理を行った。加重平均温度は25℃であった。凝集ポリマーが過剰に融着する現象は認められなかった。真空乾燥したポリマーを250℃、1時間オーブン中で加熱処理したが発泡は認められなかった。
【0041】
[例3]
10℃に冷却した10重量部のCF3 CH2 CHF2 (沸点15.3℃)と100重量部の1N硫酸の混合物を撹拌しながら、10℃に冷却した。これに10℃に冷却したラテックスA100重量部を添加し、ポリマーを凝集し、例1と同様の後処理を行った。加重平均温度は10℃であった。凝集ポリマーが過剰に融着する現象は認められなかった。真空乾燥したポリマーを250℃、1時間オーブン中で加熱処理したが発泡は認められなかった。
【0042】
[例4]
CFCl3 の代わりに10重量部の(CF32 CFOCH3 (沸点29℃)を用いた以外は、例1と同様にラテックスAの凝集、後処理を行った。凝集ポリマーが過剰に融着する現象は認められなかった。得られたポリマーは、250℃、1時間オーブン中で加熱処理したが発泡は認められなかった。
【0043】
[例5]
CFCl3 の代わりに10重量部のCF3 CF2 CF2 OCH3 (沸点34℃)を1N硫酸に添加し、この混合物の温度を25℃に調整した以外は例1と同様にラテックスAの凝集、後処理を行った。加重平均温度は25℃であった。処理中に凝集ポリマーが過剰に融着する現象は認められなかった。真空乾燥したポリマーを250℃、1時間オーブン中で加熱処理したが発泡は認められなかった。
【0044】
[例6(比較例)]
25℃のラテックスAを25℃のラテックスAと等重量の1N硫酸に撹拌しながら添加したところ、ポリマーはひと塊になった。そのまま例1と同様に後処理をして真空乾燥した。250℃、1時間オーブン中で加熱処理したところ、洗浄不足に起因すると考えられる発泡が認められた。
【0045】
[例7(比較例)]
CFCl3 の代わりに2−メチルブタン(沸点28℃)を用いた以外は、例1と同様にラテックスAの凝集、後処理を行った。凝集ポリマーは一部ブロック状に融着した。得られたポリマーは、250℃、1時間オーブン中で加熱試験したところ発泡が認められた。
【0046】
[例8]
CF2 ClCF2 CHFClとCF3 CF2 CHCl2 との混合物(沸点54℃)10重量部を100重量部の1N硫酸に添加した。この混合物の温度を45℃に調整して、撹拌しながら、45℃のラテックスA100重量部を添加し、ラテックスAを凝集させた。加重平均温度は45℃であった。次いで、例1と同様の後処理を行ったが、処理中に凝集ポリマーが過剰に融着する現象は認められなかった。真空乾燥したポリマーを250℃、1時間オーブン中で加熱処理したが発泡は認められなかった。
【0047】
[例9]
内容量20リットルのステンレス製耐圧容器に、イオン交換水を11800g、n−C817COONH4 を41.3g、Na2 HPO4 ・12H2 Oを58.7g、NaH2 PO4 ・2H2 Oを34.4g、(NH4228 を11.8g仕込み、次いで、2800gのCF2 =CFO(CF23 COOCH3 と862gのCF2 =CFO(CF23 Fを仕込んだ。充分脱気した後、重合温度40℃まで昇温し、TFEにて所定圧7.0kg/cm2 まで昇圧し、反応を行わせしめた。TFEを導入しながら重合を行い、圧力を所定圧に保った。12時間後に反応を停止した。
【0048】
得られたラテックスにn−C613Hを添加し、分液ロートで振とう後、未反応モノマーが抽出された下層のn−C613Hを分離除去した。この抽出操作を5回繰り返し、未反応モノマーを除去し、ポリマー濃度が18重量%であるラテックスを得た(以下、このラテックスをラテックスBと称する)。
次いで、ラテックスAの代わりにラテックスBを用いた以外は例1と同様にして凝集、後処理を行った。加重平均温度は19.8℃であった。
【0049】
処理中に凝集ポリマーが過剰に融着する現象は認められなかった。得られたポリマーのイオン交換容量は1.26ミリ当量/グラム乾燥樹脂、TQは227℃であった。また、19F−NMRで分析したところ、CF2 =CFO(CF23 FとCF2 =CFO(CF23 COOCH3 のポリマー中への導入量の割合はモル比で26:74であった。なお、CF2 =CFO(CF23 FとCF2 =CFO(CF23 COOCH3 の共重合割合の合計は、25.5モル%であった。また、250℃、1時間オーブン加熱処理を行ったところ、ポリマーは溶融して板状になった。発泡現象は認められなかった。
【0050】
[例10]
ラテックスAの代わりにラテックスBを用いた以外は例2と同様に凝集、後処理を行った。処理中に凝集ポリマーが過剰に融着する現象は認められなかった。250℃、1時間オーブン加熱処理を行ったが発泡現象は認められなかった。
【0051】
[例11]
ラテックスAの代わりにラテックスBを用いた以外は例3と同様に凝集、後処理を行った。処理中に凝集ポリマーが過剰に融着する現象は認められなかった。250℃、1時間オーブン加熱処理を行ったが発泡現象は認められなかった。
【0052】
[例12]
ラテックスAの代わりにラテックスBを用いた以外は例4と同様に凝集、後処理を行った。処理中に凝集ポリマーが過剰に融着する現象は認められなかった。250℃、1時間オーブン加熱処理を行ったが発泡現象は認められなかった。
【0053】
[例13]
ラテックスAの代わりにラテックスBを用いた以外は例5と同様に凝集、後処理を行った。処理中に凝集ポリマーが過剰に融着する現象は認められなかった。250℃、1時間オーブン加熱処理を行ったが発泡現象は認められなかった。
【0054】
[例14(比較例)]
25℃のラテックスBをラテックスBと等重量の25℃の1N硫酸に撹拌しながら添加したところ、ポリマーはひと塊になった。そのまま例1と同様に後処理をして真空乾燥した。250℃、1時間オーブン中で加熱処理したところ発泡した。
【0055】
【発明の効果】
式Bの重合単位の含有割合、または式Bの重合単位と式Cの重合単位の含有割合の合計が大きいアルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーのラテックスを容易に凝集できる。

Claims (7)

  1. 式Aの重合単位と式Bの重合単位を有し、式Bの重合単位の含有割合が20モル%以上であるアルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーのラテックスを、凝集剤および含フッ素有機溶媒の存在下で凝集させる方法であって、アルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーの凝集時の、ラテックス、凝集剤および含フッ素有機溶剤の加重平均温度が、(T−25)℃以上かつT℃以下(Tは含フッ素有機溶媒の沸点)であることを特徴とするアルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーの凝集方法。
    ただし、式A、式Bにおいてmは1〜5の整数であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基である。
    Figure 0003947831
  2. 式Aの重合単位と式Bの重合単位と式Cの重合単位とを有し、式Bの重合単位と式Cの重合単位の含有割合の合計が20モル%以上であるアルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーのラテックスを、凝集剤および含フッ素有機溶媒の存在下で凝集させる方法であって、アルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーの凝集時の、ラテックス、凝集剤および含フッ素有機溶剤の加重平均温度が、(T−25)℃以上かつT℃以下(Tは含フッ素有機溶媒の沸点)であることを特徴とするアルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーの凝集方法。
    ただし、式A、式B、式Cにおいてmは1〜5の整数、nは0〜3の整数であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基である。
    Figure 0003947831
  3. アルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーのイオン交換容量が1.15ミリ当量/g乾燥樹脂超かつ2.5ミリ当量/g乾燥樹脂以下である請求項1または2記載の凝集方法。
  4. アルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーのイオン交換容量が1.6〜1.9ミリ当量/g乾燥樹脂である請求項1または2記載の凝集方法。
  5. 含フッ素有機溶媒が、ラテックス中のアルコキシカルボニル基含有含フッ素ポリマーに対して20〜200重量%存在する請求項1、2、3または4記載の凝集方法。
  6. 含フッ素有機溶媒の沸点が0℃〜100℃である請求項1、2、3、4または5記載の凝集方法。
  7. 含フッ素有機溶媒が、CHCClF、CFCHCHF、CFCFCFOCH、(CFCFOCHまたはCFCHFCFOCHである請求項1、2、3、4または5記載の凝集方法。
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