JPH07116559B2 - シャドウマスク用Fe―Ni合金薄板およびその製造方法 - Google Patents

シャドウマスク用Fe―Ni合金薄板およびその製造方法

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JPH07116559B2
JPH07116559B2 JP2218946A JP21894690A JPH07116559B2 JP H07116559 B2 JPH07116559 B2 JP H07116559B2 JP 2218946 A JP2218946 A JP 2218946A JP 21894690 A JP21894690 A JP 21894690A JP H07116559 B2 JPH07116559 B2 JP H07116559B2
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【発明の詳細な説明】 「発明の目的」 (産業上の利用分野) 本発明はシャドウマスク用Fe−Ni合金薄板およびその製
造方法に係り、カラーテレビブラウン管のシャドウマス
クを製造するためのFe−Ni系合金薄板においてエッチン
グ穿孔性が優れ、特に穿孔時のムラ発生を防止し、かつ
穿孔後のフラットマスクを焼鈍するときの密着焼付を防
止し適切な製品を得るための技術に関するものである。
(従来の技術) 近年、カラーテレビの高品位化に伴い、色ずれの問題に
対応できる低熱膨脹のシャドウマスク材料としてFe−Ni
系のインバー合金が注目されているが、この合金は従来
の低炭素鋼によるシャドウマスク材に比し、エッチング
穿孔時におけるフラットマスクのムラ発生および穿孔後
のフラットマスクを焼鈍するときにおいて密着焼付性が
著しい。
これらのうち、前者の問題を解決すべく、特開昭61−
39344号公報、特開昭62−243780号公報、同243781
号公報および同243782号公報が提案されている。
即ちはシャドウマスク用素材の表面粗さ(中心線平均
粗さRa)を0.1〜0.4μmとすることにより開孔形状の規
則性および開孔のシャドウマスク全体における均一性を
得ている。又はシャドウマスク用素材の表面粗度(R
a)を0.2〜0.7μm、Sm(基準長さ内における表面粗度
を示す断面曲線の凹凸間隔平均値)を100μm以下、結
晶粒度を粒度番号で8.0以上とすることによりエッチン
グ穿孔後のムラ品位の高いマスクを提供している。更に
は前記の規定に加えてRe(透過孔径α1/エッチング
孔径α)を0.9以上とすることによりエッチング穿孔
後のムラ品位の高いマスクを提供している。なおはエ
ッチング素材の集合組織を強冷延−最結晶焼鈍によって
集積させ、且つ結晶粒度を粒度番号で8.0以上とし、そ
の後に前記に記載の表面粗度への調整をダルロールに
より冷間加工度3〜15%としてエッチング穿孔後のムラ
品位の高いマスクを製造しようとするものである。
一方上記した後者の問題を解決するに好ましい提案はな
されていない。
即ち特開昭62−238003号公報の如き従来の低炭素鋼フ
ラットマスクの焼鈍時密着焼付を表面粗度の適正化、即
ちRaを0.2〜2.0μmで、Rsk(粗さ曲線の高さ方向にお
ける偏りの指標)を0以上とするような提案はみられる
としてもFe−Ni系インバー合金の強度は低炭素鋼に比し
て高く、その曲面プレス前の焼鈍温度は低炭素鋼の場合
よりも高く採らざるを得ず、また数十枚〜数百枚重ね合
わせて800〜1100℃のように相当の高温で焼鈍を行って
いるものであるからこの低炭素鋼フラットマスクの技術
ではFe−Ni系インバー合金のフラットマスクにおける焼
鈍時密着焼付防止をなし得ないことになり、その焼付防
止に関する好ましい技術は見当らない。
更に特開昭64−52022号においてはSiなどの合金成分
と冷間圧延率、更に結晶粒度を規定し、また5特開平
1−252725号においてはスラブの均一化熱処理を行い、
Niの偏析を低減することによりスジムラを抑制すること
が開示されている。
(発明が解決しようとする課題) 上記したエッチング穿孔時におけるフラットマスクのム
ラ品位向上を図った前記〜の技術では何れも曲面プ
レス前の焼鈍における密着焼付防止が達成されていな
い。又では上述のように従来における低炭素鋼フラッ
トマスクの焼鈍時密着焼付を防止しているのみで、実際
のインバー合金強度は低炭素鋼に比して高く、その曲面
プレス前の焼鈍温度は低炭素鋼の場合に比し高く採らざ
るを得ず、ブラウン管メーカーではFe−Niインバー合金
のフラットマスク焼鈍を数十枚〜数百枚重ね合わせて81
0〜1100℃という低炭素鋼フラットマスクの焼鈍温度よ
りも相当な高温で行っているのが現状である。このよう
な焼鈍温度において前記の技術ではインバー合金フラ
ットマスク焼鈍時の焼付防止をなし得ない。
前記のものは表面性状や密着焼付防止について考慮さ
れていないのでむらの発生や焼付発生が不可避であり、
のものもせいぜいNiの偏析を低減する程度であって、
密着焼付防止、表面性状との関係における焼付防止など
を適切に得ることができない。
従って従来のFe−Ni系インバー合金のシャドウマスク用
素材においてエッチング穿孔時のムラ発生を防止し、又
穿孔後の焼鈍時密着焼付を適切に防止する技術が確立さ
れていない。
「発明の構成」 (課題を解決するための手段) 本発明は上記したような実情に鑑み、エッチング穿孔性
が優れ、特に穿孔時のムラ発生を防止し、かつ穿孔時の
フラットマスクを焼鈍するときの密着焼付を防止したFe
−Ni系インバー合金のシャドウマスク用素材を得べく、
検討を重ねて創案されたものであって、以下の如くであ
る。
1. Si:0.01〜0.15wt%、Ni:34〜38wt%を含有し、残部
がFeおよび不可避的不純物から成り、かつその合金鋼帯
の板厚はフラットマスクの多数枚を積み重ねて焼鈍処理
する工程を含むシャドウマスクの製造に供する該フラッ
トマスクと実質上同等であり、その表面粗度(Ra)が0.
3〜0.8μm、(Sm)が70〜160μmで、しかも粗さ曲線
の高さ方向のとがり指標であるクルトシス(Rkr)が3
〜7で且つ の条件を満足し、またエッチング直前での合金板の表面
におけるSiの成分偏析率 が10%以下であることを特徴とするシャドウマスク用Fe
−Ni合金薄板。
2. Si:0.01〜0.15wt%、Ni:34〜38wt%を含有し、残部
がFeおよび不可避的不純物から成り、かつその合金鋼帯
の板厚はフラットマスクの多数枚を積み重ねて焼鈍処理
する工程を含むシャドウマスクの製造に供する該フラッ
トマスクと実質上同等であり、その表面粗度(Ra)が0.
3〜0.8μm、(Sm)が70〜160μmで、しかも粗さ曲線
の高さ方向のとがり指標であるクルトシス(Rkr)が3
〜7で且つ 且つ、粗さ曲線の平均傾斜角(RQa)が0.03〜0.05の条
件を満足し、またエッチング直前での合金板の表面にお
けるSiの成分偏析率 が10%以下であることを特徴とするシャドウマスク用Fe
−Ni合金薄板。
3. 前記1項の成分および表面粗度を有し、しかも該表
面粗度の異方性が、下記式、 |Ra(L)−Ra(c)|≦0.1μm |Rkr(L)−Rkr(c)|≦0.5 |Sm(L)−Sm(c)|≦5μm 但しRa(L)、Rkr(L)、Sm(L)は圧延方向におけ
る測定値で、Ra(c)、Rkr(c)、Sm(c)は圧延方
向と垂直な方向における測定値である。
の関係を満足することを特徴とするシャドウマスク用Fe
−Ni合金薄板。
4. 前記2項の成分および表面粗度を有し、しかも該表
面粗度の異方性が、下記式、 |Ra(L)−Ra(c)|≦0.1μm |Rkr(L)−Rkr(c)|≦0.5 |Sm(L)−Sm(c)|≦5μm 但しRa(L)、Rkr(L)、Sm(L)は圧延方向におけ
る測定値で、Ra(c)、Rkr(c)、Sm(c)は圧延方
向と垂直な方向における測定値である。
の関係を満足することを特徴とするシャドウマスク用Fe
−Ni合金薄板。
5. 前記1項の成分を有する薄板を製造するに当り、そ
の最終冷延または調質圧延時にダルロールを用い、前記
1項の表面粗度を該薄板の表面に付与することを特徴と
するシャドウマスク用Fe−Ni合金薄板の製造方法。
6. 前記1項の成分を有する薄板を製造するに当り、そ
の最終冷延または調質圧延時にダルロールを用い、前記
2項の表面粗度を該薄板の表面に付与することを特徴と
するシャドウマスク用Fe−Ni合金薄板の製造方法。
7. 前記1項の成分を有する薄板を製造するに当り、そ
の最終冷延または調質圧延時にダルロールを用い、前記
3項の表面粗度を該薄板の表面に付与することを特徴と
するシャドウマスク用Fe−Ni合金薄板の製造方法。
8. 前記1項の成分を有する薄板を製造するに当り、そ
の最終冷延または調質圧延時にダルロールを用い、前記
4項の表面粗度を該薄板の表面に付与することを特徴と
するシャドウマスク用Fe−Ni合金薄板の製造方法。
なお上記各式におけるRa、Rkr、RQa、Smは以下の如くで
ある。
Raとは、中心線平均粗さであり、下記の式に示される。
但し、L:測定長さ f(x):粗さ曲線 Rkrとは、平均線に対しての粗さ曲線の上下のとがりの
程度を示す値であって、下記の数式により表わされる。
は振幅分布曲線の4次のモーメントを示す。
RQaは、平均線に対しての平均の傾斜角を示すものであ
り、下記の数式により表わされる。
Smとは基準長さ内における表面粗さを示す断面曲線の凹
凸の間隔の平均値 のことである。
(作用) 上記したような本発明について説明すると、本発明はシ
ャドウマスク用のインバー合金を対象としているが、事
実上問題のない熱膨脹特性として平均熱膨脹係数(30〜
100℃)の上限を2.0×10-6/℃とし、この熱膨脹特性はN
i量に依存するもので、上述した平均熱膨脹係数の条件
を満たす成分範囲はwt%(以下単に%という)で、Ni量
が34〜38%の場合であるから本発明合金のNi量としては
この34〜38%とする。なおこのNi量は必要とされる熱膨
脹係数に応じ上記範囲内において適当に選択される。
次に本発明が目標とするエッチング性およびフラットマ
スク焼鈍時の密着焼付防止は表面粗度の適正化と合金中
Si量およびその分布適正化が同時に満たされて始めて達
成される。即ちSiはFe−Ni系インバー合金において焼鈍
時の密着焼付防止に有効な元素であって、このSiが0.01
%以上となるとこの焼付防止に有効な酸化膜が形成され
る。一方このSiが0.15%を越えるとエッチング穿孔時の
ムラ発生が著しくなるのでこれを上限とし、これらから
して焼付が防止でき、しかもエッチング穿孔時にムラ発
生のないSi量として0.01〜0.15%と定めた。なおSi量が
この範囲内の場合でも合金板表面でのSiの成分変動が大
きいと、局部的にエッチング穿孔状態の差に起因するム
ラ発生や焼鈍時に形成される酸化膜の性状に差が生じ、
結果として局部的に焼付くなどの問題が発生するため斯
様な成分変動は制御されねばならない。従って本発明で
は上記Si量の規定に加え、エッチング直前での合金板表
面におけるSi量の成分偏析率、 の10%以下とすることにより上記した成分変動によるエ
ッチング穿孔性の局部的劣化、焼鈍時の局部的焼付を解
決する。なお、このSiの成分偏析率が10%以下であって
も最小濃度部で0.01%未満となったり、最大濃度部で0.
15%を超えるような場合には焼鈍時の焼付、エッチング
穿孔時のムラがそれぞれ発生するので、このようなこと
にならないように制御する。
本発明で意図する焼鈍時の焼付防止効果およびエッチン
グ穿孔時のムラ発生の抑制は上述したような成分規定に
加えて、表面粗度の適正化が必要である。即ち第1図
は、S≦0.0025%で、Si:0.01〜0.15%(板面内の何れ
の場所でもSiは0.01〜0.15%)、Siの成分偏析率≦10%
の合金板についてエッチング穿孔性、焼鈍時の密着焼付
きについて調査し、それら両者を共に満足する領域を表
面粗度のパラメータRaおよびRkrで示したものである。S
mは、エッチング穿孔時のムラ発生の抑制、および焼鈍
時の焼付きの点で制御すべき重要なパラメータである。
エッチング穿孔時のムラ発生を抑制し、かつ焼鈍時の焼
付きを防止するSmの範囲は70〜160μmである。Smが70
μm未満では、焼鈍時の焼付きが発生し、一方Smが160
μmを越える場合はエッチング穿孔時のムラ発生が問題
になる。Smを70〜160μmとしてはじめて以下に示すよ
うなRa、Rkrの制御のもとで、本発明で意図する効果が
得られる。Rkrが何れの値の場合でもRaが0.8μmを超え
る場合にはエッチング穿孔時のムラ発生が著しくなり、
一方Raが0.3μm未満の場合にはフラットマスク焼鈍時
の密着焼付が発生し、且つフラットマスクの均一密着性
不良が発生するので本発明におけるRaの範囲は0.3〜0.8
μmとする。
又このようなRaの適正化に加え、焼鈍時の焼付き防止の
ためにはRkrの適正化も必要である。即ちRaが0.3〜0.8
μmの範囲でも、Rkrが3未満では、フラットマスク焼
鈍時の密着が発生し、一方Rkrが7を越える場合ではフ
ラットマスク焼鈍時の局部的焼付きが発生し、またエッ
チング穿孔時のムラ発生が問題となる。更に、Ra<−
(1/15)Rkr+0.6の条件ではフラットマスク焼鈍時の密
着が発生する。すなわち、Raが0.3〜0.4μmの場合で
は、焼付の生じないRaの下限値は、Rkrを高めることに
より、より近くすることができる。結果的に低いRaのレ
ベルでも焼付きを防止できるため、エッチング穿孔がよ
り高密度化した場合でも、画面のムラ品位をより優れた
ものとすることができる。
以上より本発明で意図する効果を得るための表面粗度の
条件として、Ra:0.3〜0.8μm、Rkr:3〜7で、かつ(R
a)≧−1/15(Rkr)+0.6と定めた。
以上のような、Si量およびその分布の適正化と、表面粗
度の適正化により、Fe−Niインバー合金をシャドウマス
ク用薄板に適用する際でのエッチング穿孔性および焼鈍
時の密着焼付を防止できるが、フラットマスクの1回の
焼鈍での積層枚数を従来よりも、さらに多くし焼鈍時の
コストの低減を計ろうとする場合には、上記の表面粗度
の規定に加え、表面粗さの面内での異方性を特性値以下
にしなければならない。即ち表面粗度の異方性を |Ra(L)−Ra(c)|≦0.1μm |Rkr(L)−Rkr(c)|≦0.5 とすることにより、従来よりフラットマスクの積層枚数
を多くした際でも、部分的な焼付きは回避できる。
また、|Sm(L)−Sm(c)|≦5μmとすることによ
り、エッチング穿孔時のムラ発生をより小さくすること
ができる。
なお、フラットマスクの焼鈍時の密着焼付の発生しない
臨界温度を高くするためには、上記の成分、表面粗度の
規定に加え、粗さ曲線の平均傾斜角(RQa)の適正化お
よびSの低減が有効である。第2図はRQaが0.03未満ま
たは0.05超で、Ra、Rkr、SiおよびSiの偏析率が本発明
範囲内であり、かつS量が変化した材料を用い焼鈍温度
を変えて、密着焼付の状態を調べたものである。S量の
低減により、焼付の生じない臨界の焼鈍温度を高くする
ことができる。
このようなSの低減による効果の明確な機構は必ずしも
判然としないが、本発明範囲内Si量のインバー合金にお
けるプレス前焼鈍時に表面に形成される密着防止に有効
なSiの酸化膜形成と、Sの表面偏析が、表面に競合して
起こるためではないかと推察される。
また、第3図に示すように、粗さ曲線の平均傾斜角(RQ
a)は0.03〜0.05の範囲とすることにより焼付の生じな
い臨界の焼鈍温度を同一S量でも高くすることができ
る。
更に、Siの偏析低減の手段としては、たとえば、鋼塊又
は連続鋳造(CC)スラブを1200℃×20hrの加熱をなし、
1次分塊での断面減少率20〜60%にて分塊圧延を行ない
その軽分塊スラブを1200℃×20hrで加熱し、2次分塊で
の断面減少率30〜50%で分塊圧延し、徐冷する工程があ
げられる。この工程の中では1次の加熱・均熱によるSi
の鋼塊偏析低減、1次分塊での加工及び引き続く加熱・
均熱によるSiの鋼塊偏析及びミクロ偏析の低減促進およ
び2次分塊による加工並びに引き続く徐冷過程でのSiの
鋼塊偏析及びミクロ偏析の低減のさらなる促進という、
大きく分けて3つの工程における均質化の相乗効果によ
りはじめてSiの均質化が達成されているのである。なお
分塊前の加熱は、雰囲気中のS含有量を80ppm以下と極
力低くして加熱中の粒界脆化を抑制し、分塊スラブにお
ける表面疵の発生抑制を配慮する。
更に本発明で特徴としているシャドウマスク用薄板は上
記のような製造履歴のものに限られず、溶鋼から直接に
冷延素材を鋳造するストリップキャスティングまたはス
トリップキャスティングにより鋳造された鋼帯を熱延軽
圧下することにより冷延素材を製造する工程を経たもの
でも本発明の効果は充分に発揮される。又このような表
面をもつシャドウマスク用インバー合金素材の製造は最
終冷延または調質圧延時にダルロールを用いて圧延する
ことにより達成し得る。
なお、インバー合金のエッチング穿孔性、特にエッチン
グ穿孔後の孔界面の品質を向上させ、かつエッチング工
程におけるエッチング液の汚れを少なくし、エッチング
の作業性を向上させるためには、例えば合金中の非金属
介在物の組成を第4図に示すAl2O3−CaO−MgO系三元状
態図の点,,,およびを結んだ領域外の組成
に制御することが必要である。すなわち、このような介
在物の組成制御により、エッチング直前での非金属介在
物はサイズ3μm以下の球形の介在物が主体となり、展
伸性を有する圧延方向に伸びた線型の介在物が極めて少
なくなる結果エッチング孔の界面における介在物に起因
したピットの形成が抑制され、かつ線状介在物がエッチ
ング液に混入してエッチング液の汚れることも極めて少
なくなる。
上記したようなダルロールを得るには放電加工、レーザ
ー加工なども採用し得るが、ショットブラスト法によっ
てダル目付けすることが好ましく、この場合においてロ
ール材質としてはSKH(硬度Hs85〜95)を採用し、又径1
00〜125mmφのものを用いることが適切である。ショッ
トブラスト法によるロール加工条件としては#120〜#2
40のスチールグリット(Hv400〜950)を用い、投射エネ
ルギーとしては#120で低目、#240では高目のものを採
用する。このように、スチールグリットの粒度および投
射エネルギーの選択を適正化することによりRQaは0.03
〜0.05(ラジアン)とすることができる。
適正ロール表面粗度を得るには、加工前においてRa:0.1
μm以下としたものに対し加工処理してRa:0.4〜1.5μ
m、Rkr:3〜12、Sm:40〜200μmとし、このようなロー
ル粗度として本発明範囲の表面粗度を適切に得しめる。
圧延に関しては、最終冷延または調質圧延に当り前述し
たようなダルロールで1パス当り10%以上、しかも合計
2パス以上を採用し、1パス当り10%以上の圧下をなす
ことでロール粗度が充分に転写され、しかも2パス以上
とすることにより所定のRkrおよびSmを有効に得しめ
る。
更に具体的な圧延に際して用いられる圧延油としては温
度10〜50℃で粘度7〜8cstのものを0.1〜0.5kg/cm2で吐
出して用い、圧延速度は30〜200mpm、圧延時の張力は前
方が15〜45kg/mm2、後方を10〜40kg/mm2程度となし、単
位幅当りの圧下力としては0.15〜0.25トン/mmとするこ
とが好ましい。前記した圧延油吐出圧力が0.1kg/cm2
満であり、あるいは0.5kg/cm2超えではその他の条件が
適正でも本発明で目標とする合金薄板の表面粗度が得難
い傾向が認められ、又0.5kg/cm2超えでは表面粗度にム
ラが発生する。又上記したような圧延時の張力条件適正
化によって圧延材である合金薄板の平坦度を良好なレベ
ルとすることができる。
薄板圧延に当ってアイアニングロール、アンチクリンピ
ンクロールなどが採用され、また中間焼鈍、SR焼鈍とし
て難鋼用連続焼鈍炉(H2濃度5〜15%、DP−10〜−30℃
の雰囲気ガス)または光輝焼鈍炉(H2濃度15〜100%、D
P−20〜−50℃)などが用いられる。
上記したような本発明によるものの具体的実施例を示
し、その作用効果の仔細を説明すると以下の如くであ
る。
実施例1 次の第1表に示すような成分組成を有する本発明例(合
金No.1、2、5)および比較例(合金No.3、4)の各合
金No.1〜4を電気炉にて出鋼し、その後に取鍋精錬を行
うことによって7トン鋼塊として得た。
なお、出鋼後の取鍋精錬は、CaO:40%以下のMgO−CaO系
耐火物よりなる取鍋を使用し、溶滓は成分がwt%で(Ca
O)/〔(CaO)+(Al2O3)〕が0.45以上、MgOが25%以
下、SiO2が15%以下、Siより酸化力の弱い金属の酸化物
が3%以下であるCaO−Al2O3−MgO系のものであり、こ
れにより処理することで第1表中の化学成分および後述
する第2表のような合金を得た。
上記したようにして得られた各鋼塊を手入れの後、1200
℃で20時間加熱し、1次分塊にて断面減少率60%で分塊
圧延を行い、しかるのち1200℃で20時間加熱し、2次分
塊にて断面減少率45%で分塊圧延を行い、徐冷すること
により、合金No.1よりa〜fの供試材を得、合金No.1よ
りa、c〜iの供試材を得、合金No.2は供試材u、合金
No.3は供試材v、合金No.4は供試材w、合金No.5は供試
材xとして夫々用意した。なお供試材bの材料は7トン
鋼塊を手入れ後、1200℃にて15時間加熱し、1次分塊に
て断面減少率78%で分塊圧延を行い徐冷することにより
スラブを準備した。
これらのスラブを手入れし酸化防止剤を塗布後、加熱温
度1100℃で加熱してから熱間圧延を行った。なおこの
際、1000℃以上での合計圧下率は82%であり、850℃以
上での合計圧下率は98%であって、熱間圧延された熱延
コイルの巻取り温度は550〜750℃であった。
上記のようにして得られた熱延コイルのうち合金No.1〜
No.4に対応するものは脱スケール後、冷延、焼鈍を繰返
し、最終冷延または調質圧延時にダルロールを用いて圧
延することにより後述する第3表に示す表面粗度を有す
る板厚0.25mmの合金板を夫々得た。なお、エッチングテ
スト材の介在物の形態、大きさ分類は、原板の圧延方向
における板厚断面で測定した。測定方法は800倍にて60m
m2検鏡し、視野内すべての介在物の厚さ、長さを測定
し、(長さ/厚さ)≦3を球状介在物、(長さ/厚さ)
>3を線状介在物として分類し、かつそれらの介在物の
サイズ別の個数(1mm2当り)で表記した。
用いたロールのダル目付けはショットブラスト法で材質
SKH(Hs90)の径120mmのロールに対し#120のスチール
グリット(Hv400〜950)で加工し、加工後の表面粗度が
RA:0.3〜1.20、Rkr:3〜12、Sm:40〜200μmのロールを
用い、この実施例では最終調質圧延時に前記ダルロール
により1パス目は18.6%、2パス目は12.3%(合計圧下
率28.6%)で行った。またこの圧延に当って採用された
圧延油の粘度は7.5cstであり、圧延速度は100mpmであっ
て、圧延時張力については前方20kg/mm2、後方15kg/mm2
で実施した。
なお、この圧延において用いられた単位幅当りの圧下力
は0.20トン/mm、圧延油の吐出圧力は0.4kg/cm2であって
円滑に圧延処理することができ、得られた合金板の平坦
度その他は良好なレベルのものとして得ることができ
た。
上記のような各合金板の板面におけるSiの偏析率はEPMA
によるマッピングアナライザーにより調査した。又これ
らの合金薄板コイルにエッチング穿孔し、フラットマス
クを作製し、ムラ発生の状況を調査した。さらにエッチ
ング孔の界面を走査型電子顕微鏡により観察し、ピット
の有無を調べ、またエッチング液の汚れは、エッチング
穿孔後の残滓の量を調べることにより行った。更に焼鈍
時の密着焼付においては上記したようなフラットマスク
を30枚積層し、900℃の温度で焼鈍した後に密着の状況
を調査した。合金No.1〜4の各材は、次の第2表に示す
ような介在物の組成を有し、この介在物は液相線温度16
00℃以上の融点を有するもので、エッチング直前の合金
薄板での介在物は形状からして球状、大きさも幅でみ
て、3μm以下のものが主体となっており、エッチング
穿孔性でみても、孔界面のピットは見られず、エッチン
グ液の汚れも極めて少なく、エッチング性に優れてい
る。即ち本発明で意図する合金素材としては、このよう
にエッチング穿孔性に優れているものを基本としてい
る。
上記したような各調査の結果は何れも次の第3表に示す
如くであり、又各合金No.1〜5の介在物組成については
前述第5図のAl2O3−CaO−MgO系三元状態図に〜と
して示した。
即ち供試材a、iおよびuの材料は、Si量、Si偏析率、
Ra(L)、Ra(C)、Rkr(L)、Rkr(C)、(Ra)+
1/15(Rkr)−0.6、Sm(L)、Sm(C)の値が何れも本
発明範囲内にあり、エッチング穿孔時のムラ発生の問題
および焼鈍時の密着焼付はともに認められない。特に
i、uの材料は|Sm(L)−Sm(C)|も本発明規定内
となっており、エッチング穿孔時のムラ発生はまったく
なく、特に優れたムラ品位を有している。
これに対し、供試材v、w、bのものは、何れも表面粗
度のパラメータが本発明範囲内にあるものの、Si量につ
いては本発明規定範囲下限を下まわるもの、その上限値
を越えるもの、あるいは偏析率が上限を越えるものであ
り、エッチング穿孔時のムラ発生、焼鈍時の密着焼付の
うち、1つまたは2つに問題が認められる。
なお供試材c、d、e、fの各材は何れもSi量およびSi
の偏析率が本発明の規定範囲内にあるが、それぞれ本発
明におけるRaの上限、(Ra)+1/15(Rkr)−0.6の値、
Rkrの下限、Rkrの上限から外れるものであって、エッチ
ング穿孔時のムラ発生、焼鈍時の密着焼付性のうち1つ
以上の性能が好ましくない。なお、gおよびhの材料は
それぞれSmが本発明規定の上限を越えるもの、下限未満
のものであり、Ra、Rkr、(Ra)+1/15(Rkr)+0.6は
本発明規定内であるが、それぞれエッチング穿孔時のム
ラ発生、焼鈍時の密着焼付に問題が生じている。このよ
うに本発明はSmの適正制御のもとではじめて達成される
ことが理解される。
即ち本発明で目的とする効果は、Si量、Siの偏析率とい
う成分的配慮に加え、表面粗度の適正化が図られて始め
て達成されることが理解される。
実施例2 前記した実施例1の供試材aの作製のために用いた熱延
コイルおよび供試材uの作製に用いた熱延コイルを脱ス
ケール後、冷延と焼鈍を繰返し最終冷延または調質圧延
時にダルロールを用いて圧延し、次の第4表に示すよう
な表面粗度を有する板厚0.25mmの合金板、(供試材j、
k、l、m、n、o、p、q、r、s、tおよびx)を
得た。
これらの供試材における板面でのSi偏析率は実施例1と
同じ方法で調べたが何れも2〜7%の範囲であった。又
これらの合金薄板コイルをエッチング穿孔してフラット
マスクを作製し、ムラ発生状況を調査した。更に焼鈍時
の密着焼付は上記したフラットマスクを50枚積層し第4
表に示す温度で焼鈍してその後の密着状況を調べた。こ
れらの結果は何れも次の第4表に併せて示す如くであ
る。
なお、この実施例において用いられたダルロール、圧延
条件などについては前記した実施例1に述べたところと
同様であるが、ロールの表面粗度は加工後においてRa:
0.45〜1.0μm、Rkr:3〜12、Sm:40〜200μmのものであ
った。
即ち供試材jは、Si量、Si偏析率および表面粗度が何れ
も本発明規定範囲内で、S量は0.0005%のものであり、
エッチング穿孔時のムラ発生はまったくなくムラ品位は
極めて優れており、しかもこの実施例の焼鈍条件におい
ても密着焼付は発生していない。
これに対し供試材tは、Si量、Siの偏析率および表面粗
度が本発明の規定範囲内のもので、S量が0.0025%のも
のであり、エッチング穿孔時のムラ発生はないが、焼鈍
時の密着焼付が一部で発生している。このように本発明
の構成要件を満たす場合であっても焼鈍温度が実施例1
より高温となるような場合にはS量を低くすることによ
り密着焼付の発生を防止し得ることが理解される。
更には、供試材xはSi量、Siの偏析率および表面粗度が
本発明の規定の範囲内で、S量が0.0002%のものであ
り、エッチング穿孔時のムラ発生はなく、しかも焼鈍温
度は供試材jの場合よりも高温であるが、密着焼付は発
生していない。このようにS量を低減することにより11
00℃の高温でも密着焼付の発生防止が達成されることが
明らかである。
また供試材nはRaの面内異方性およびRkrの面内異方性
以外は本発明の規定範囲内のものであって、この材料は
エッチング穿孔時のムラ発生はなく、900℃の焼鈍では
密着焼付が発生していない。これに対し供試材mは供試
材nのフラットマスクを950℃で焼鈍した場合であっ
て、この場合は焼鈍時の密着焼付が発生している。
なお供試材k、lの各材も夫々Raの面内異方性、Rkrの
面内異方性以外は本発明の規定範囲内のものであるが、
これらの材料でも950℃の焼鈍で密着焼付きが一部に発
生している。これらの供試材k、l、mに対し、供試材
jのものではRaの面内異方性およびRkrの面内異方性も
含め、すべてが本発明規定範囲内であって、この場合に
は焼鈍温度が950℃でも密着焼付は発生しておらず、特
にSmの面内異方性も本発明規定内にあることにより、エ
ッチング穿孔時のムラ品位も極めて高いレベルにあるこ
とは前述の通りである。
このように900℃で焼鈍密着が発生しない材料であって
も、焼鈍温度をより高温とする際にはRaおよびRkrの面
内異方性について適正化が必要である。
また供試材o、p、q、rはRQaのみが本発明規定外の
ものである。供試材o、qは焼鈍温度が850℃の場合で
あり、密着焼付は発生していないが、供試材p、rは焼
鈍温度が900℃の場合であり、密着焼付は一部で発生し
ている。これらに対して供試材SはRQaも含め、すべて
の条件が本発明範囲内にある場合であり、900℃焼鈍で
も密着焼付は発生していない。このように、同一のS量
でも、RQaを本発明範囲内とすることにより密着焼付の
発生する温度を高くすることができる。
「発明の効果」 以上説明したような本発明によるときは、エッチング穿
孔性に優れ、又穿孔時のムラ発生を的確に防止し、且つ
穿孔後のフラットマスクを焼鈍するに当っての密着焼付
をも適切に防止したFe−Ni系インバー合金のシャドウマ
スク用薄板を提供し、又その好ましい製造法を得しめて
高品位のフラットマスクを製造でき、かつ焼鈍時の歩留
りの向上、コストの低減の可能などがあげられ、その経
済的効果は大きいなど工業的に優れた発明である。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の技術的内容を示すものであって、第1図
はエッチング穿孔性、焼鈍時の密着焼付きとRa、Rkrの
関係を示した図表、第2図はフラットマスクの焼鈍密着
性とS量の関係を焼鈍時フラットマスクの積層数30枚の
場合について示した図表、第3図は密着焼付きを生じな
い臨界焼鈍温度とS量、RQaの関係を示した図表、第4
図、第5図はAl2O3−CaO−MgO系三元状態図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−238003(JP,A) 特開 昭61−39344(JP,A) 特開 昭62−243782(JP,A)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si:0.01〜0.15wt%、Ni:34〜38wt%および
    Mn:0.40%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純
    物から成り、かつその合金鋼帯の板厚はフラットマスク
    の多数枚を積み重ねて焼鈍処理する工程を含むシャドウ
    マスクの製造に供する該フラットマスクと実質上同等で
    あり、その表面粗度(Ra)が0.3〜0.8μm、断面曲線の
    凹凸の平均間隔(Sm、以下単にSmと略す)が70〜160μ
    mで、しかも粗さ曲線の高さ方向のとがり指標であるク
    ルトシス(Rkr)が3〜7で且つ の条件を満足し、またエッチング直前での合金板の表面
    におけるSiの成分偏析率 が10%以下であることを特徴とするシャドウマスク用Fe
    −Ni合金薄板。
  2. 【請求項2】Si:0.01〜0.15wt%、Ni:34〜38wt%および
    Mn:0.40%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純
    物から成り、かつその合金鋼帯の板厚はフラットマスク
    の多数枚を積み重ねて焼鈍処理する工程を含むシャドウ
    マスクの製造に供する該フラットマスクと実質上同等で
    あり、その表面粗度(Ra)が0.3〜0.8μm、(Sm)が70
    〜160μmで、しかも粗さ曲線の高さ方向とがり指標で
    あるクルトシス(Rkr)が3〜7で且つ 且つ、粗さ曲線の平均傾斜角(RQa)が0.03〜0.05の条
    件を満足し、またエッチング直前での合金板の表面にお
    けるSiの成分偏析率 が10%以下であることを特徴とするシャドウマスク用Fe
    −Ni合金薄板。
  3. 【請求項3】請求項1の成分および表面粗度を有し、し
    かも該表面粗度の異方性が、下記式、 |Ra(L)−Ra(c)|≦0.1μm |Rkr(L)−Rkr(c)|≦0.5 |Sm(L)−Sm(c)|≦5μm 但しRa(L)、Rkr(L)、Sm(L)は圧延方向におけ
    る測定値で、Ra(c)、Rkr(c)、Sm(c)は圧延方
    向と垂直な方向における測定値である。 の関係を満足することを特徴とするシャドウマスク用Fe
    −Ni合金薄板。
  4. 【請求項4】請求項2の成分および表面粗度を有し、し
    かも該表面粗度の異方性が、下記式、 |Ra(L)−Ra(c)|≦0.1μm |Rkr(L)−Rkr(c)|≦0.5 |Sm(L)−Sm(c)|≦5μm 但しRa(L)、Rkr(L)、Sm(L)は圧延方向におけ
    る測定値で、Ra(c)、Rkr(c)、Sm(c)は圧延方
    向と垂直な方向における測定値である。 の関係を満足することを特徴とするシャドウマスク用Fe
    −Ni合金薄板。
  5. 【請求項5】請求項1の成分を有する薄板を製造するに
    当り、その最終冷延または調質圧延時にダルロールを用
    い、請求項1の表面粗度を該薄板の表面に付与し、S量
    との関係で第2図に示す臨界温度以内の温度条件で焼鈍
    することを特徴とするシャドウマスク用Fe−Ni合金薄板
    の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1の成分を有する薄板を製造するに
    当り、その最終冷延または調質圧延時にダルロールを用
    い、請求項2の表面粗度を該薄板の表面に付与し、S量
    との関係で第2図に示す臨界温度以内の温度条件で焼鈍
    することを特徴とするシャドウマスク用Fe−Ni合金薄板
    の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1の成分を有する薄板を製造するに
    当り、その最終冷延または調質圧延時にダルロールを用
    い、請求項3の表面粗度を該薄板の表面に付与し、S量
    との関係で第2図に示す臨界温度以内の温度条件で焼鈍
    することを特徴とするシャドウマスク用Fe−Ni合金薄板
    の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1の成分を有する薄板を製造するに
    当り、その最終冷延または調質圧延時にダルロールを用
    い、請求項4の表面粗度を該薄板の表面に付与し、S量
    との関係で第2図に示す臨界温度以内の温度条件で焼鈍
    することを特徴とするシャドウマスク用Fe−Ni合金薄板
    の製造方法。
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