JP3538850B2 - プレス成形性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni合金薄板およびFe−Ni−Co合金薄板およびその製造方法 - Google Patents

プレス成形性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni合金薄板およびFe−Ni−Co合金薄板およびその製造方法

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JP3538850B2 JP06244493A JP6244493A JP3538850B2 JP 3538850 B2 JP3538850 B2 JP 3538850B2 JP 06244493 A JP06244493 A JP 06244493A JP 6244493 A JP6244493 A JP 6244493A JP 3538850 B2 JP3538850 B2 JP 3538850B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、プレス成形性に優れ
たFe−Ni合金薄板およびFe−Ni─Co合金薄板およびそれ
らの製造方法に係り、カラーブラウン管に使用される好
ましいシャドウマスク用Fe−Ni合金薄板およびFe−Ni─
Co合金薄板およびそれらの製造方法を提供しようとする
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、カラーテレビの高品位化に伴い、
色ずれの問題に対処できるシャドウマスク用合金とし
て、34〜38wt%のNiを含有するFe−Ni系合金(以下
「従来のFe−Ni系合金」という)が使用されている。こ
の従来のFe−Ni系合金は、シャドウマスク用材料として
従来から使用されてた低炭素鋼に比べ、熱膨張率が著し
く小さい。従って、従来のFe−Ni系合金によってシャド
ウマスクを作れば、シャドウマスクが電子ビームにより
加熱されても、シャドウマスクの熱膨張による色ずれの
問題は生じ難い。
【0003】シャドウマスク用合金薄板は、一般的に、
下記工程によって、製造される。即ち連続鋳造法または
造塊法によって、合金塊を調製し、次いで、このように
調製された合金塊に、分塊圧延、熱間圧延および冷間圧
延・焼鈍を施して、合金薄板を製造するものである。
【0004】上述したように製造されたシャドウマスク
用合金薄板は、通常、下記工程によって、シャドウマス
クに加工される。即ちシャドウマスク用合金薄板に、フ
ォトエッチングによって、電子ビームの通過孔(以下、
単に「孔」という)を形成し(以下、エッチングによっ
て穿孔されたままのシャドウマスク用合金薄板を「フラ
ットマスク」という)、次いで、フラットマスクに焼鈍
を施し、次いで、焼鈍を施したフラットマスクを、ブラ
ウン管の形状に合うように曲面形状にプレス成形し、次
いで、これをシャドウマスクに組立て、そして、次いで
その表面上に黒化処理を施す。
【0005】しかし、上記のような従来一般のFe−Ni系
合金を使用する場合、この合金は従来の低炭素鋼シャド
ウマスクに比較して強度が高く、かつ機械的性質の面内
異方性が大きいため、この合金を冷間圧延、再結晶焼鈍
後、仕上圧延して製造されたシャドウマスク用素材はエ
ッチング穿孔後にプレス前の焼鈍が施され、引続くプレ
ス成形加工時に、形状凍結不良、材料の割れ発生、透過
ムラ発生など多くのトラブルを発生し、ブラウン管の製
造上大きな不都合を有していた。
【0006】そこで、このような材料の強度を低減させ
る方法としては、特開平3−267320号公報の如き
提案がある。即ち、この技術は冷間圧延とこれに引き続
く再結晶焼鈍ののち圧下率が5〜20%の範囲で仕上冷
間圧延することにより、800℃未満の温度の焼鈍によ
り、200℃での0.2%耐力を9.5kgf /mm2 (10kgf
/mm2 以下)とし、プレス成形性の良好なレベルまで低
強度化を図っている(以下、先行技術1と呼ぶ)。
【0007】また、材料の機械的性質である面内異方性
を低減する方法としては次の先行技術がある。すなわち
特開昭64−52024公報では、冷間圧延と再結晶焼
鈍の工程の組合せを2回以上繰返し、最終工程を硬度付
加冷間圧延工程にてシャドウマスク材料を製造する方法
において、最終の再結晶焼鈍工程の直前の冷間圧延を冷
延率40〜80%にすることにより、弾性係数の面内異
方性が少ないシャドウマスク原板を得ている。この原板
を用いて、エッチング後焼鈍してプレス成形加工した場
合、エッチング孔変形が小さく、光沢ムラやスジ状欠陥
が発生しないためプレス成形加工時の均一変形性に優れ
ている(以下、先行技術2と呼ぶ)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記先
行技術1では、前記した焼鈍条件にて、プレス成形性に
良好なレベルまで低強度化を図っているが、この技術の
みでは、良好なプレス成形品質をすべて満足するまでに
は至っていなかったのである。すなわち、上記した技術
によるシャドウマスク用素材はプレス成形時に、金型に
かじり付きが発生し、シャドウマスク端部で割れが発生
し易かったのである。またこの技術による材料の面内異
方性は大きく、プレス成形加工後で、シャドウマスクの
透過ムラが発生するケースもしばしば見られ、品質上問
題がある。
【0009】また、前記した先行技術2では、材料の弾
性係数の面内異方性が小さく、プレス成形加工時の透過
ムラ発生は問題にならないレベルにある。しかるに、こ
の技術でも、上記したプレス成形加工時のシャドウマス
ク端部で割れの発生が問題となっている。
【0010】更に、最近のカラーTVの画面の一層の高
輝度化フラット化により、画面の色ずれに対する要求品
質もより厳しくなってきており、たとえば、上記した2
つの先行技術によって製造された、シャドウマスクを用
いたブラウン管でも、電子ビームの照射時(TV使用
時)に色ずれが部分的に発生してくるといった不具合も
しばしば発生していた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した実情
に鑑み、検討を重ねて創案されたものであって、プレス
成形性が優れ、特に、金型とのなじみが良好(金型への
かじりを抑制)で、プレス成形時の割れ発生および透過
ムラ発生がなく、シャドウマスクをTVに使用する際の
部分的な色ずれの発生も抑制したシャドウマスク用Fe−
Ni合金薄板およびFe−Ni−Co合金薄板およびそれらの製
造方法を提供することに成功したものであって、以下の
如くである。
【0012】(1) wt%で、 Ni:34〜38%、 S
i:0.05%以下、B:0.0005%以下、 O:0.0
020%以下、 N:0.0019%以下を含有し、残部
が実質的にFeからなり、しかもプレス成形前で焼鈍後に
おける合金板の平均オーステナイト結晶粒径Dを15〜
45μm、オーステナイト結晶粒の混粒度(|0.5Dma
x −D|/D)×100(%)が50%以下であり、か
つ前記合金板表面への結晶面集積度が下表の値を満足す
ることを特徴とするプレス成形性に優れたシャドウマス
ク用Fe−Ni合金薄板。(但し、Dは合金板における平均
オーステナイト結晶粒径。Dmax は、合金板における最
大のオーステナイト結晶粒径。
【0013】
【表4】
【0014】(2) wt%で、Ni:34〜38%、〜38
(2) wt%で、Ni:34〜38%、Si:0.07%以下、
B:0.0005%以下、O:0.0020%以下、N:0.
0019%以下、Co:1.0%以下を含有し、残部が実質
的にFeからなり、しかもプレス成形前で焼鈍後における
合金板の平均オーステナイト結晶粒径Dを15〜45μ
m、オーステナイト結晶粒の混粒度(|0.5Dmax −D
|/D)×100(%)が50%以下であり、かつ前記
合金板表面への結晶面集積度が下表の値を満足すること
を特徴とするプレス成形性に優れたシャドウマスク用Fe
−Ni─Co合金薄板。(但し、Dは合金板における平均オ
ーステナイト結晶粒径。Dmax は、合金板における最大
のオーステナイト結晶粒径。
【0015】
【表5】
【0016】(3) wt%で、Ni:30〜38%、Si:0.0
7%以下、B:0.0005%以下、O:0.0020%以
下、N:0.0019%以下、Co:1.0%超え6%まで、
を含有し、残部が実質的にFeからなり、しかもプレス成
形前で焼鈍後における合金板の平均オーステナイト結晶
粒径Dを15〜45μm、オーステナイト結晶粒の混粒
度(|0.5Dmax −D|/D)×100(%)が50%
以下であり、かつ前記合金板表面への結晶面集積度が下
表の値を満足することを特徴とするプレス成形性に優れ
たシャドウマスク用Fe−Ni─Co合金薄板。(但し、Dは
合金板における平均オーステナイト結晶粒径。Dmax
は、合金板における最大のオーステナイト結晶粒径。
【0017】
【表6】
【0018】(4) 前記(1) から(3) 項に記載の成分を有
する低熱膨脹合金の熱延鋼帯を熱延板焼鈍して以降、冷
間圧延(CR2)とこれに引き続く再結晶焼鈍を行なった
後、仕上冷間圧延(CR3)後に歪取り焼鈍を施す工程で製
造するに際して、前記熱圧延板焼鈍を810℃〜890
℃で施し、冷間圧延での圧下率(CR2 %)は81〜94
%、仕上冷間圧延での圧下率(CR3 %)は16〜29%
の範囲内でそれぞれ施し、引き続くプレス成形前の焼鈍
は温度(T℃)は740〜900℃、時間(tmin)は、
2〜40min 、かつT≧−123log t+937を満た
す条件にて、アニール後の合金板の平均オーステナイト
結晶粒径、オーステナイト結晶粒の混粒度、および合金
板表面への結晶面の集積度が請求項1の値を満足するよ
うに施すことを特徴とするプレス成形性に優れたシャド
ウマスク用Fe−Ni合金薄板およびFe−Ni─Co合金薄板の
製造方法。
【0019】(5) 請求項1から請求項3に記載の成
分を有する低熱膨張合金の熱延鋼帯を熱延板焼鈍して以
降、1次冷間圧延(CR1)とこれに引き続く再結晶焼
鈍し、次に2次冷間圧延(CR2)して再結晶焼鈍を行
ったのち、仕上冷間圧延(CR3)、後に歪取り焼鈍を
施す工程で製造するに際して、前記熱延板焼鈍を810
〜890℃で施し、1次冷間圧延での圧下率(CR
1%)は40〜55%、2次冷間圧延での圧下率(CR2
%)は81〜94%、仕上冷間圧延での圧下率(CR3
%)は、16〜29%の範囲内でそれぞれ施し、引き続
くプレス成形前の焼鈍は温度(T℃)は740〜900
℃、時間(tmin)は2〜40min、かつT≧−123lo
gt+937を満たす条件にて、アニール後の合金板の
平均オーステナイト結晶粒径、オーステナイト結晶粒の
混粒度、および合金板表面への結晶面の集積度が請求項
1の値を満足するように施すことを特徴とするプレス成
形性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni合金薄板およ
びFe−Ni−Co合金薄板の製造方法。
【0020】
【作用】上記したような本発明について更に説明する
と、本発明者等は、上述した観点から、プレス成形性に
優れ、かつカラーテレビに使用する際の部分的な色ずれ
の発生も抑制したシャドウマスク用Fe−Ni合金薄板およ
びFe−Ni−Co合金薄板を開発すべく、鋭意研究を重ねた
結果、次の知見を得た。即ち、シャドウマスク用Fe−Ni
系合金薄板およびFe−Ni−Co合金薄板の化学成分組成、
更にはオーステナイト結晶粒径およびその混粒度、結晶
の配向性を所定の範囲内に調整することにより、所要の
プレス成形品質を付与し、かつ上記した部分的な色ずれ
発生の抑制が可能となる。
【0021】詳述すると、所定の範囲内のB、Oの含有
により、本発明で特徴とする条件でのプレス前の焼鈍で
の結晶粒の成長性を高めることにより、所定のオーステ
ナイト結晶粒径とすることによりプレス成形時の形状凍
結性を付与し、所定の範囲内のSi、Nの含有により、プ
レス成形時の金型とのなじみを良くし(金型へのかじり
発生を抑制し)、かつプレス前焼鈍後の合金薄板表面へ
の{211}結晶面の集積度を所定の範囲内とすること
により、プレス成形時の材料の割れの発生を抑制する。
【0022】また、プレス前焼鈍後のオーステナイト結
晶粒の混粒度を所定の範囲内とすることにより、プレス
成形時の透過ムラの発生を抑制し、なおプレス前焼鈍後
の合金薄板表面への{210}、{331}結晶面の集
積度を所定の範囲内とすることにより上記した部分的な
色ずれ発生を抑制する。
【0023】更に、本発明者らは、次の知見を得た。即
ち、本合金の製造工程において、熱延鋼帯を冷間圧延す
る前に所定温度で熱延板焼鈍を施し、更には以降の冷延
でも冷間圧延率および仕上げ冷間圧延率およびプレス前
の焼鈍条件(温度、時間)を所定の範囲内とすることに
より、プレス前焼鈍後の合金薄板の平均オーステナイト
結晶粒径および合金板表面への{331}、{21
0}、{211}結晶面の集積度を所定の範囲内に調整
することができる(合金板表面への{331}、{21
0}、{211}結晶面集積度は、以下単に{33
1}、{210}、{211}結晶面の集積度と夫々呼
ぶ)。
【0024】また、プレス前焼鈍後の合金薄板における
オーステナイト結晶粒の混粒度を所定の範囲とするに
は、熱延板焼鈍後の1回ないし2回の冷間圧延における
圧延率を所定の範囲内とすることが特に重要である。
【0025】この発明は上述したような知見に基いてな
されたもので、この発明によるシャドウマスク用Fe−Ni
合金薄板およびFe−Ni−Co合金薄板における化学成分、
プレス前焼鈍後のオーステナイト結晶粒径とその混粒
度、および合金板表面への{331}、{210}、
{211}結晶面集積度を上述範囲内に限定した理由は
以下の如くである。
【0026】(1)ニッケル:色ずれの発生を防止するた
めに、シャドウマスク用Fe−Ni合金薄板に要求される、
30〜100℃の温度域における平均熱膨張係数の上限
値は、2.0×10-6/℃である。前記熱膨張係数は、前
記合金薄板のニッケル含有量に依存する。そして、上述
した平均熱膨張係数の条件を満たすニッケル含有量の範
囲は、34〜38wt%の範囲である。従って、ニッケル
含有量は、34〜38wt%の範囲内に限定すべきであ
る。なお、このようなNi含有量の範囲内でも、平均熱膨
張係数を低下させうる好ましいNi量は35〜37%であ
り、更にはこの平均熱膨張係数をより低下させうる更に
好ましいNi量は35.5〜36.5%である。
【0027】なお、Coを0.001〜1.0%含有する場合
でも、上記した平均熱膨張係数の上限値を満足するNi値
は34〜38%である。このような場合でも、平均熱膨
張係数を低下させる好ましいNi量は35〜37%であ
る。また、1.0%超え6.0%までのCoを含有する場合、
上述した平均熱膨張係数の条件を満たすNi量の範囲は3
0〜38%であり、また、Fe−Ni−Co合金において、Ni
量は30〜33%、Co量が3〜6%にすることにより、
平均熱膨張係数は更に低く、優れたものとなる。
【0028】また、本発明においてはプレス形成時の形
状凍結性向上、合金板の割れ発生抑制およびプレス成形
後の透過ムラ発生の防止のために要求される平均オース
テナイト粒径は、温間プレスを前提とする場合、15〜
45μmである。15μm未満では、形状凍結性が悪く
合金板の割れも発生する。一方45μmを越えると、割
れが発生し、プレス形成後に透過ムラが発生する。以上
より平均オーステナイト粒径は15〜45μmと定め
た。
【0029】なお、材料の割れの発生を抑制するために
は、後述の如く、上記した平均オーステナイト粒径を有
しつつ、合金板表面への{211}結晶面の集積度を特
定値に制御することが必須である。然して本発明で意図
するプレス前の焼鈍条件で結晶粒の成長性を高めるため
には、OおよびBを特定値以下に制御することおよびプ
レス成形時の金型のなじみを良くするためにはSi、Nを
特定値以下の制御することがそれぞれが必要であって、
以下の如くである。
【0030】(2)酸素:酸素は、本合金中に不可避的に
混入する不純物の1つである。この酸素含有量が多くな
ると、合金中の酸化物系非金属介在物が多くなり、この
介在物が、特に740〜900℃で40min 以下の時間
によるプレス成形前の焼鈍での結晶粒の成長性を阻害さ
せる。即ちこのO量が0.0020%を越えると上記した
粒成長の阻害作用が著しくなり、本発明で意図するオー
ステナイト結晶粒径が得られないので、0.0020%を
上限とした。なお、下限は特に定めないが、溶製上の経
済性から0.0001%である。
【0031】(3)ボロン:ボロンは、本合金中には、熱
間加工性を向上させるが含有量が多くなるとプレス前の
焼鈍時に形成される再結晶粒の粒界に偏析し、粒界を移
動し難くさせ、結果的に結晶粒の成長性が阻害され、プ
レス成形前の焼鈍後で所要のオーステナイト結晶粒径が
得られなくなる。特に、本発明で規定されたプレス前の
焼鈍条件下ではこのような粒成長の阻害作用が強く、か
つこの作用もすべての結晶粒に対して一様に働かないた
め結果的には著しい混粒組織を示し、プレス成形時の材
料の伸びムラが発生し、透過ムラの原因となってしま
う。
【0032】またこのBは、材料スカート部の割れ原因
となる{211}結晶面の集積度も焼鈍後に高めてしま
う。このB量が0.0005%を超えると上記した粒成長
の阻害作用が著しくなり、本発明で意図するオーステナ
イト結晶粒径が得られなくなり、かつプレス時の透過ム
ラ等の問題も発生し、更に、{211}結晶面の集積度
も本発明規定の上限を越えてしまう。以上より、B量の
上限は0.0005%と定めた。
【0033】(4)シリコン:シリコンは本合金の溶製時
に脱酸元素として用いるものであるが、0.05%を超え
ると、プレス前の焼鈍時に合金表面にSiの酸化膜が形成
され、この酸化膜によりプレス成形時の金型とのなじみ
が悪くなり、合金が金型をかじるようになる。従ってSi
量の上限は0.05%と定めた。Siが0.05%以下であっ
ても、Si量を更に低減することにより合金板と金型との
なじみを更に良くすることができる。なお、下限は特に
定めないが溶製上の経済性から0.001%以上である。
【0034】(5)窒素:窒素は、本合金の溶製時に不可
避的に混入する元素であり、0.0019%を超えると、
プレス前の焼鈍時に合金表面にNが濃化し、この合金表
面の窒化物により、プレス成形時の金型とのなじみが悪
くなり、合金板が金型をかじるようになる。従ってN量
の上限は0.0019%と定めた。なお、下限は特に定め
ないが、溶製上の経済性から0.0001%以上である。
【0035】なお、本発明によるシャドウマスク用合金
は、上記したようにFe−Ni合金およびFe−Ni−Co合金の
基本組成に、特定量のB、O、Si、Nとし、かつ、プレ
ス前焼鈍後の平均オーステナイト結晶粒径が15〜45
μm、オーステナイト粒の混粒度が30%以下で{21
1}、{331}、{210}結晶面の集積度をそれぞ
れ20%以下、35%以下、16%以下とすることを特
徴としているが、前記組成の他に、C:0.0001〜0.
0040%、Mn:0.001〜0.35%、Cr:0.001〜
0.05%、H:1.3ppm 以下の範囲内であることが好ま
しい。
【0036】上記したような、成分の制御および本発明
規定内のプレス前焼鈍後の平均オーステナイト結晶粒径
とすることにより、本合金のプレス成形時の金型へのか
じりを抑制し、かつ形状凍結性を優れたレベルとするこ
とが可能であるが、プレス成形品質としては、依然とし
て、材料の割れが問題となる。そこで、本発明者らは、
このような問題を解決すべく、本発明規定内の成分およ
び平均オーステナイト結晶粒径を有する本合金板の結晶
の方位を様々に変えてプレス成形時の材料の割れとの関
係を調べた。その結果、本合金材料の割れを抑制するに
は、プレス前焼鈍後の平均オーステナイト結晶粒径の規
定に加え{211}結晶面の集積度を特定値以下に制御
することが有効であることを見い出した。
【0037】図1は、図中に示すような成分の合金板に
ついてプレス成形時の合金板割れと{211}結晶面の
集積度および平均オーステナイト結晶粒径の関係を示し
たものである。{211}結晶面の集積度の測定はプレ
ス前焼鈍後の合金板の(422)回折面の相対X線回折
強度比を(111)、(200)、(220)、(31
1)、(331)、(420)および(422)の各回
折面の相対X線強度比の和で割ることにより求めた。な
お、{211}結晶面集積度の測定に際してはこの結晶
面と方位的に同じである{422}面の回折で測定して
いる。
【0038】ここで、相対X線回折強度比とは、各回折
面で測定されたX線回折強度をその回折面の理論X線回
折強度で割ったものである。例えば(111)回折面の
相対X線回折強度比は(111)回折面のX線回折強度
を(111)回折面のX線回折理論強度で割ったもので
ある。なお、後述する{331}、{210}結晶面の
集積度の測定はそれぞれ(331)回折面、(420)
回折面(これは{210}結晶面と方価でみて等価な
面)の相対X線回折強度比を前記した(111)から
(422)までの7個の回折面の相対X線強度比の和で
割ることにより求めている。
【0039】前記したような図1より平均オーステナイ
ト結晶粒径が15〜45μmで、かつ{211}結晶面
の集積度が20%以下で、プレス成形時に合金板の割れ
および透過ムラは発生しておらず、本発明で意図する優
れた効果が発揮されている。以上のような検討結果より
合金板の割れ抑制の条件として{211}結晶面の集積
度を20%以下と定めた。
【0040】また、プレス前焼鈍後のオーステナイト結
晶粒の混粒度の制御はプレス成形時の透過ムラ発生防止
のためには必要である。図2は、本発明範囲内の成分、
平均オーステナイト結晶粒径、{331}、{21
0}、{211}結晶面の集積度を有する合金板を用い
て、プレス成形後の透過ムラ発生率とオーステナイト結
晶粒の混粒度との関係を調べたものである。この図よ
り、オーステナイト結晶粒の混粒度が50%を越えると
透過ムラ発生率が高くなっていることがわがる。以上よ
り、プレス成形後の透過ムラ発生行う抑制するオーステ
ナイト結晶粒の混粒度の範囲として、50%以下を定め
た。
【0041】以上説明したように本発明合金のO、B、
Si、Nの規定およびプレス前の焼鈍後の平均オーステナ
イト結晶粒径およびその混粒度と、{211}結晶面の
集積度の規定により本発明で意図するプレス成形品質を
優れたものとすることができる。
【0042】また、前記したような部分的な色ずれ発生
を抑制するためには、プレス前焼鈍後の{331}結晶
面、{210}結晶面の集積度の制御が重要である。す
なわち、プレス前焼鈍後において{331}結晶面、
{210}結晶面の集積度がそれぞれ35%、16%を
越えると、部分的な色ずれが発生する。従って、本発明
においては{331}、{210}結晶面の集積度はそ
れぞれ35%以下、16%以下と定めた。
【0043】プレス前焼鈍後の{331}、{21
0}、{211}結晶面集積度を夫々35%以下、16
%以下、20%以下とするためには合金薄板の製造に関
し、凝固から熱間での加工、以降の冷間圧延・焼鈍工程
で極力、{331}、{210}、{211}結晶面を
集積させない製造条件を採ることにより達成される。例
えば、本合金が、造塊または連続鋳造スラブを分塊圧延
し熱間圧延することにより得た熱延鋼帯により製造する
場合は熱延鋼帯を素材として、以降は熱延板焼鈍−冷間
圧延−再結晶焼鈍−仕上冷間圧延−歪取り焼鈍を行い、
その後プレス成形前の焼鈍を施し、プレス成形の後で黒
化処理を施す工程によって製造するに当って、先ず熱間
圧延後で、適正な熱延板焼鈍を施すことが{331}、
{210}、{211}結晶面を集積させないためには
有効であり、この際熱延板焼鈍の温度は、810〜89
0℃の範囲内で適切な温度を選択することにより{33
1}、{210}、{211}結晶面の集積度をそれぞ
れ本発明規定値以下とすることができる。
【0044】以上のようなことから{331}結晶面の
集積度を35%以下、{210}結晶面の集積度を16
%以下、{211}結晶面の集積度を20%以下の値と
することができる熱延板の焼鈍温度を810〜890℃
と定めた。
【0045】なお本発明でのこのような熱延板焼鈍は本
合金の熱延鋼帯が熱延板焼鈍前で充分に再結晶している
ときに発揮されるものである。また本発明で意図する
{331}、{210}、{211}結晶面の集積度を
得るには本合金を製造するに当って分塊圧延後のスラブ
均一化熱処理は好ましくない。たとえば上記の均一化熱
処理が1200℃以上、10時間以上の条件で行われる
場合、{331}、{210}、{211}、結晶面の
集積度のうち1つ以上が本発明の規定値を超えてしまう
ので、このような処理は避けねばならない。
【0046】また、上記した熱延鋼帯により製造する場
合は、前記の一連の工程の中で冷延・焼鈍条件、最終冷
延条件、歪取り焼鈍条件、プレス前焼鈍条件の適正化も
{331}、{210}、{211}結晶面の集積度を
それぞれ本発明規定値以下とし、かつ本発明範囲内のオ
ーステナイト結晶粒の混粒度とするためには必要であ
る。
【0047】熱延板焼鈍後において、冷延・焼鈍条件の
適正化は、プレス前焼鈍後のオーステナイト結晶粒の混
粒度を制御するために、重要である。即ち、図3は、熱
延板焼鈍後の冷延・焼鈍の回数を1回の場合の冷延率
(CR2 %)とプレス前焼鈍後のオーステナイト結晶粒の
混粒度の関係を示したものである。
【0048】この図3より、冷延焼鈍プロセスが1回の
場合、冷延率(CR2)が81〜94%の範囲内でオーステ
ナイト結晶粒の混粒度が50%以下と本発明範囲内とな
っており、一方、CR2 が81%未満または94%超で
は、前記の混粒度が50%超である。これらのことより
冷延焼鈍プロセスが1回の場合の前記の混粒度を50%
以下とするための範囲として、CR2 :81〜94%を定
めた。
【0049】また図4は冷延・焼鈍の回数が2回の場合
の冷延率とオーステナイト結晶粒の混粒度の関係を示す
図である。この図より冷延率(CR2)が81〜94%の範
囲内でかつ、冷延率(CR1)が40〜55%の時、混粒度
がより優れた値を示すことが明らかである。以上より、
冷延焼鈍プロセスが2回の場合、CR1 :40〜55%、
CR2 :81〜94%と定めた。なお冷間圧延(CR1 、CR
2)後の再結晶焼鈍は810〜840℃で、0.5〜3min
の条件内で行うことが望ましい。焼鈍温度が再結晶温度
以上であっても、810℃以下の焼鈍では混粒組織を呈
するため、プレス前焼鈍後でもオーステナイト結晶粒の
混粒度が高くなる。また810〜840℃の範囲でも0.
5min 未満の焼鈍では混粗組織となり、一方3min 超の
焼鈍では粗粒組織となり、何れの場合もプレス前焼鈍後
ではオーステナイト結晶粒の混粒度が高くなるので好ま
しくない。
【0050】なお、上記した本発明範囲内の冷延・焼鈍
条件を採る場合、{331}、{210}、{211}
結晶面の集積度はそれぞれ、35%以下、16%以下、
20%以下となる。
【0051】また、仕上冷延率は、16〜29%の範囲
内では、本発明規定内の成分、冷延・焼鈍条件、プレス
成形前の焼鈍条件を採る場合、プレス成形前の焼鈍後
で、平均オーステナイト結晶粒径が15〜45μm、オ
ーステナイト結晶粒の混粒度が50%以下、{331}
結晶面の集積度≦35%、{210}結晶面の集積度≦
16%、{211}結晶面の集積度≦20%となる。更
に、仕上冷延率が16%未満または29%超では、前記
した本発明で特徴とする各特性のうち1つ以上が本発明
範囲を満たさなくなる。従って仕上冷延率を16〜29
%とした。
【0052】さて、本発明においては前記した平均オー
ステナイト結晶粒径およびオーステナイト結晶粒の混粒
度、{331}、{210}、{211}結晶面の集積
度を本発明範囲内とするにはプレス前の焼鈍条件の適正
化も重要である。このことは図5を参照しながら説明す
ると、図5は成分、熱延板焼鈍条件、冷延・焼鈍条件、
仕上冷間圧延率が本発明範囲内の合金板のプレス前焼鈍
後の平均オーステナイト結晶粒径、オーステナイト結晶
粒の混粒度、{331}、{210}、{211}結晶
面の集積度とプレス前焼鈍の温度(T、℃)と時間
(t、min)の関係を示すものである。
【0053】前記のような図5から明らかなように、プ
レス前焼鈍条件以外の条件が本発明の範囲内であって
も、T<−123log t+937の場合には、平均オー
ステナイト結晶粒径は15μm未満でかつ{211}結
晶面の集積度は20%越であり不適である。また、Tが
900℃超の場合は平均オーステナイト結晶粒径が45
μm超かつ、{211}結晶面の集積度が20%超と不
適であり、更には、tが40min 超の場合は{21
1}、{331}、{210}結晶面の集積度のうち1
つ以上が本発明規定を超えて集積してくるため、不適で
ある。
【0054】以上より、本発明で意図する平均オーステ
ナイト結晶粒径、オーステナイト結晶粒の混粒度、{3
31}、{210}、{211}結晶面の集積度を得る
条件として、T:740〜900℃、t:2〜40min
、T≧−123log t+937を定めた。なお、本発
明において施される歪取り焼鈍は、その後に施されるプ
レス前焼鈍での{331}、{210}、{211}結
晶面の集積度の制御のためには重要であり、本発明で意
図した効果を十分に発揮するための歪取り焼鈍の条件は
450〜540℃で0.5〜300sec である。
【0055】また、プレス成形前の焼鈍後における本合
金薄板で{331}、{210}、{211}結晶面の
集積度を本発明規定内とする方法は、上記した以外に急
冷凝固法の採用、熱間加工での再結晶のコントロールに
よる集合組織制御等がある。更に、本発明におけるプレ
ス成形前の焼鈍は、フォトエッチングの前に実施されて
もよい。この場合、プレス成形前の焼鈍条件が本発明規
定内であれば、所要のフォトエッチングの品質は確保し
うる。
【0056】
【実施例】上述したような本発明を具体的実施例によっ
て、更に詳しく説明すると、以下の如くである。 (実施例1)先ず、本発明者等は、取鍋精錬によって、
次の表7,表8に示す化学成分を有する合金No. 1〜N
o. 21からなる各鋼塊をそれぞれ調整した。
【0057】
【表7】
【0058】
【表8】
【0059】前記したような表1の各インゴットは各々
を手入れ後、分塊圧延、表面疵取り、熱間圧延(加熱は
1100℃×3hr)して、得られた熱延鋼帯を用いて、
以降、熱延板焼鈍(860℃)−冷間圧延(93.0%)
−焼鈍(810℃×1min )−仕上冷間圧延(圧下率2
1%)−歪取り焼鈍(530℃×0.5sec )を行ない、
板厚0.25mmの合金板を得、前記各合金No. 1〜No. 2
1のものはそれぞれ材料No. 1〜No. 21として得られ
た。なお前記した熱延鋼帯は熱延後で十分に再結晶して
いた。
【0060】前記のようにして得られた各材料No. 1〜
No. 21の中で材料No. 1〜No. 3、No. 5〜No. 21
の各合金板をエッチングによりフラットマスクにした
後、該フラットマスクを下記の表9に示す条件にてプレ
ス前焼鈍を施し、次にプレス成形を行ない、形状凍結
性、金型とのなじみ、材料の割れ発生および透過ムラ発
生頻度を後述の表5,表6に示す評価基準にて調べた。
【0061】
【表9】
【0062】なお上記したエッチング後のフラットマス
クはムラがなく、所要のエッチング性能を有しているこ
とが確認され、又平均オーステナイト結晶粒径およびそ
の混粒度はプレス前焼鈍後にて調べた。引張特性(n
値、r値、伸び値)および{331}、{210}、
{211}結晶面の集積度はプレス前焼鈍後で調べ、引
張性質は常温にて測定した。更に{331}、{21
0}、{211}結晶面の集積度の測定は前記したX線
回折による方法にて調べた。
【0063】また、材料No. 4の合金板は前記した条件
による歪取り焼鈍後に表2に示す条件にてプレス前焼鈍
を施し、引き続きエッチングを行ない、フラットマスク
にした後、プレス成形を行なっている。この材料の各特
性値は、前記した他の材料と同じ方法で調べている。な
お、部分的な色ずれ発生は、プレス成形したシャドウマ
スクを黒化処理後、ブラウン管に組み込み、電子ビーム
を所定時間、照射した後で調べた。
【0064】前述したような、表7,表8に示した結果
から明らかなように、本発明の範囲内の成分組成を有
し、かつ本発明の範囲内の{331}、{210}、
{211}結晶面の集積度および、平均オーステナイト
結晶粒径およびオーステナイト結晶粒の混粒度を有する
材料No. 1〜No. 13,No. 13−1の各材はいずれの
プレス成形品質は優れたレベルを示しており、部分的な
色ずれ発生もない。なおNo. 4の材料はプレス前の焼鈍
後で、エッチングが施されたものであるが、フラットマ
スクにはムラがなく、所要のエッヂンク性能を有してい
た。このように、Coを含有するNo. 13−1鋼は同様に
優れた特性を示している。
【0065】これに対して、材料14、およびNo. 16
の各材はそれぞれSi量、N量が本発明の規定を越える場
合であり、金型とのなじみの点で問題がある。材料No.
15はO量が本発明規定を越える場合であり、平均オー
ステナイト結晶粒径が本発明規定範囲(以下単に平均粒
径という)未満であり、形状凍結性が劣っていて、合金
板の割れも発生しており、またオーステナイト結晶粒の
混粒度(以下単に混粒度という)が本発明規定値超であ
って、透過ムラも発生していて、プレス成形品質に問題
がある。
【0066】またNo. 17およびNo. 18の各材はそれ
ぞれB量のみまたはB量とO量が本発明の規定を超える
場合であり、平均粒径は15μm以下であり、形状凍結
性が劣っている。更にこれらの材料の混粒度も50%超
であり、透過ムラも発生している。また、{211}結
晶面の集積度も20%超であり、合金板の割れも発生し
ており、プレス成形品質に問題がある。
【0067】また、材料No. 19およびNo. 20の各材
は、それぞれ、{210}結晶面の集積度、{331}
結晶面の集積度が本発明規定値を超える場合であり、部
分的な色ずれが発生しており、画面品質に問題がある。
また、材料No. 21は平均粒径が45μm超のものであ
り、合金板の割れが発生しており、透過ムラも発生して
おり、プレス成形品質に問題がある。なお、この場合、
{211}結晶面の集積度も20%超となっており、こ
の結晶方位が920℃×40min のプレス前焼鈍条件下
で、平均粒径の増大とともに、集積度が強くなっている
ことが認められている。
【0068】上記したところから明らかなように、本発
明の範囲内の成分組成および本発明の範囲内の{33
1}、{210}、{211}結晶面の集積度および平
均粒径、混粒度とすることにより、本発明で意図するプ
レス成形品質および画面品質が優れたレベルを有するシ
ャドウマスク用Fe−Ni系合金薄板およびFe−Ni−Co系合
金薄板が得られることが明らかである。
【0069】(実施例2)前記した実施例1で用いた合
金No. 1〜No. 13,No. 13−1の熱延鋼帯を用い
て、以降熱延板焼鈍(次の表10及び表11に示す条件
にして実施)を施し、次に表9及び表10に示す圧下率
にて冷間圧延を行ない(CR1 に数値がないものは、CR2
に記した圧下率にて1回冷間圧延を施したことを意味す
る。CR1 、CR2 の両方に数値があるものは、それぞれに
記した圧下率にて2回冷間圧延を施したことを意味す
る)、冷間圧延後は、それぞれ、810℃×1min の焼
鈍を施し、引き続き仕上冷間圧延(表6、表7のCR3
示す圧下率にて実施)を行ない、歪取り焼鈍(530℃
×0.5sec)を施し、板厚0.25mmの合金板(材料No. 2
2〜No. 47)をそれぞれ得た。
【0070】
【表10】
【0071】
【表11】
【0072】これらのうち材料No. 22〜No. 39、N
o. 41〜No. 42、No. 44〜No.47の合金板をエッ
チングによりフラットマスクにした後、該フラットマス
クを表5に示す条件にて、プレス前焼鈍を施し、次にプ
レス成形を行ない、表3に示すプレス形成品質および部
分的な色ずれ発生を調べた。表5中の各特性値の測定方
法は実施例1と同じである。なお上記したエッチング後
のフラットマスクはムラがなく、所要のエッチング性能
を有していることが確認された。
【0073】また、材料No. 40およびNo. 43の合金
板は前記の条件による歪取り焼鈍後に表3に示す条件に
て、プレス前焼鈍を施し、引き続きエッチングを行な
い、フラットマスクにした後、プレス成形を行なってい
る。この材料の各特性値も前記した他の材料と同じ方法
で調べている。
【0074】前記した表8,表9から明らかなように、
本発明の範囲内の成分組成を有し、熱延板焼鈍条件、冷
延条件(CR2 、%かつまたはCR1 、%)、仕上冷延率
(CR3%)、プレス前焼鈍条件(温度T、℃、および時
間t、min )が本発明規定の領域内にあり、本発明範囲
内の{331}、{210}、{211}結晶面集積
度、平均粒径、混粒度を有しており、材料No. 31〜N
o. 47の各材はプレス成形品質が優れた品質を示し、
部分的な色ずれ発生もない。なお、材料No. 40および
No. 43は、プレス前の焼鈍後でエッチングが施された
ものであるが、フラットマスクには、ムラはなく、所要
のエッチング性能を有していた。このように、Coを含有
するNo. 47材は同様に優れた特性を示している。
【0075】また、上記した発明例の中でも、材料No.
32、No. 35〜No. 37、No. 39、No. 43〜No.
45の各材は、冷延が2回施される場合のものであり、
1回目の冷延率(CR1)が40〜55%の範囲で施される
ことにより、混粒度が、1回のみの冷間圧延によるもの
(材料No. 31、No. 33〜No. 34、No. 38、No.
40〜No. 42、No. 46)に比べてより低く好ましい
レベルを示していることが明らかである。
【0076】これに対して、材料No. 22およびNo. 2
3は、熱延板焼鈍温度が本発明規定の下限未満、上限超
のものであり、それぞれ{210}、{211}結晶面
の集積度が本発明規定の上限を超えており、前者では部
分的な色ずれ発生があり、後者では合金板の割れが発生
しており、それぞれ画面品質、プレス成形品質の面で問
題がある。
【0077】材料No. 24およびNo. 25は冷延率(CR
2 、%)が本発明規定の上限を超えるもの、下限未満の
ものであり、いずれも、混粒度が本発明規定値を超えて
おり、透過ムラが発生しており、プレス成形品質に問題
がある。
【0078】また、材料No. 26および材料No. 27
は、仕上げ冷延率(CR3 、%)が本発明規定上限を超え
るもの、下限未満のものである。前者は、平均粒径が本
発明規定下限未満であり、形状凍結性に問題があり、合
金板の割れも発生している。また後者は混粒度が本発明
規定の上限を超えており、透過ムラが発生している。更
には、{211}結晶面の集積度が本発明規定上限を越
えており、合金板の割れが発生しており、また{21
0}結晶面の集積度も本発明規定上限を越えており、部
分的な色ずれが発生している。
【0079】更に、材料No. 28、No. 29、No. 30
はそれぞれプレス前焼鈍での温度が上限を越えるもの、
時間tが上限を超えるもの、T<−123log t+93
7のものである。材料No. 28は、混粒度が本発明規定
上限を超え、透過ムラが発生しており、また、{21
1}結晶面の集積度も本発明規定上限を超えており、合
金板の割れを発生している。No. 29は{211}結晶
面の集積度が本発明規定上限を越えており、合金板の割
れが発生している。また{331}結晶面の集積度も本
発明規定上限を越えており、部分的な色ずれが発生して
いる。また、材料No. 30は平均粒径が本発明規定未満
であり、形状凍結性に問題があり、更には、{211}
結晶面の集積度が本発明規定の上限超であり、合金板の
割れも発生している。
【0080】以上のように、本発明の範囲内の成分組成
の場合であっても、熱延板焼鈍条件、冷延条件、仕上冷
延率、プレス前焼鈍条件を本発明範囲内とすることによ
り本発明で意図するプレス成形品質、画面品質が得られ
ることが理解される。
【0081】また、上述した、実施例での材料No. 4、
No. 40、No. 43に見られるように、本発明で特徴と
する所要のプレス成形品質を有し、かつ部分的な色ずれ
発生のないFe−Ni合金薄板およびFe−Ni−Co合金薄板を
エッチングした場合でも得られたフラットマスクにはム
ラはなく、所要のエッチング性が得られていることが理
解される。
【0082】なお、上記した実施例1〜実施例2で明ら
かなように、{211}結晶面の集積度が20%超かつ
または平均結晶粒径が本発明範囲外である場合にはプレ
ス前焼鈍後の伸び、n値、r値が本発明例に比べて低
く、{211}結晶面の集積度が高くなる場合かつまた
は、平均粒径が特定の範囲外になると、これらの特定値
が低下し、プレス成形時に割れが発生すると推定され
る。
【0083】
【発明の効果】以上詳述したような、本発明によれば、
プレス成形性が優れ、すなわち優れた成形時の形状凍結
性と良好な金型とのなじみ、材料の割れ発生の抑制、透
過ムラ発生の抑制や更には、部分的な色ずれ発生の抑制
といった優れた画面品質を付与しうるシャドウマスク用
Fe−Ni合金薄板又はFe−Ni−Co合金薄板およびその製造
方法を提供することができるものであるから、工業的に
有利な効果がもたらされ、その効果の大きい発明であ
る。
【0084】さらに上記したような本発明によるもの
は、プレス成形前の焼鈍をエッチング前に施した場合で
も、所要のエッチング品質およびプレス成形品質が得ら
れるので、ブラウン管メーカーにおいて、プレス前の焼
鈍を省略することが可能なシャドウマスク用Fe−Ni合金
薄板およびFe−Ni−Co合金薄板を提供することができる
ものであるから、工業的に有利な効果がもたらされ、そ
の効果の大きな発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】プレス形成時の割れ発生と{211}結晶面の
集積度、プレス前焼鈍後の平均オーステナイト粒径の関
係を示した図表である。
【図2】プレス形成後の透過ムラ発生頻度と、プレス成
形前焼鈍後のオーステナイト結晶粒混粒度の関係を要約
して示した図表である。
【図3】プレス前焼鈍後のオーステナイト結晶粒混粒度
と冷間圧延率(CR2)の関係を示した図表である。
【図4】プレス前焼鈍後オーステナイト結晶粒の混粒度
と冷間圧延率(CR1 、CR2)の関係を示した図表であっ
て、括弧内はオーステナイト結晶粒の混粒度を示すもの
である。
【図5】プレス前焼鈍後の平均オーステナイト結晶粒
径、オーステナイト結晶粒の混粒度、{331}、{2
10}、{211}結晶面の集積度とプレス前焼鈍条件
の関係を要約して示した図表である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−97831(JP,A) 特開 昭61−218050(JP,A) 特開 昭62−284046(JP,A) 特開 平6−41688(JP,A) 特開 平6−57383(JP,A) 特開 平5−202490(JP,A) 特公 平2−9655(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 C21D 8/00 - 8/10 C21D 9/46 - 9/48 H01J 9/14,29/07

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 wt%で、Ni:34〜38%、 Si:0.0
    7%以下、 B:0.0005%以下、 O:0.0020%以下、
    N:0.0019%以下を含有し、残部が実質的にFeから
    なり、しかもプレス成形前で焼鈍後における合金板の平
    均オーステナイト結晶粒径Dを15〜45μm、オース
    テナイト結晶粒の混粒度(|0.5Dmax −D|/D)×
    100(%)が50%以下であり、かつ前記合金板表面
    への結晶面集積度が下表の値を満足することを特徴とす
    るプレス成形性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni合金薄
    板。(但し、Dは合金板における平均オーステナイト結
    晶粒径。Dmax は、合金板における最大のオーステナイ
    ト結晶粒径。 【表1】
  2. 【請求項2】 wt%で、Ni:34〜38%、 Si:0.0
    7%以下、 B:0.0005%以下、 O:0.0020%以下、
    N:0.0019%以下、Co:1.0%以下を含有し、残部
    が実質的にFeからなり、しかもプレス成形前で焼鈍後に
    おける合金板の平均オーステナイト結晶粒径Dを15〜
    45μm、オーステナイト結晶粒の混粒度(|0.5Dma
    x −D|/D)×100(%)が50%以下であり、か
    つ前記合金板表面への結晶面集積度が下表の値を満足す
    ることを特徴とするプレス成形性に優れたシャドウマス
    ク用Fe−Ni─Co合金薄板。(但し、Dは合金板における
    平均オーステナイト結晶粒径。Dmax は、合金板におけ
    る最大のオーステナイト結晶粒径。 【表2】
  3. 【請求項3】 wt%で、Ni:30〜38%、 Si:0.0
    7%以下、 B:0.0005%以下、 O:0.0020%以下、
    N:0.0019%以下、Co:1.0%超え6%までを含有
    し、残部が実質的にFeからなり、しかもプレス成形前で
    焼鈍後における合金板の平均オーステナイト結晶粒径D
    を15〜45μm、オーステナイト結晶粒の混粒度(|
    0.5Dmax −D|/D)×100(%)が50%以下で
    あり、かつ前記合金板表面への結晶面集積度が下表の値
    を満足することを特徴とするプレス成形性に優れたシャ
    ドウマスク用Fe−Ni─Co合金薄板。(但し、Dは合金板
    における平均オーステナイト結晶粒径。Dmax は、合金
    板における最大のオーステナイト結晶粒径。 【表3】
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3に記載の成分を有
    する低熱膨脹合金の熱延鋼帯を熱延板焼鈍して以降、冷
    間圧延(CR2)とこれに引き続く再結晶焼鈍を行なった
    後、仕上冷間圧延(CR3)後に歪取り焼鈍を施す工程で製
    造するに際して、前記熱圧延板焼鈍を810℃〜890
    ℃で施し、冷間圧延での圧下率(CR2 %)は81〜94
    %、仕上冷間圧延での圧下率(CR3 %)は16〜29%
    の範囲内でそれぞれ施し、引き続くプレス成形前の焼鈍
    は温度(T℃)は740〜900℃、時間(tmin)は、
    2〜40min 、かつT≧−123log t+937を満た
    す条件にて、アニール後の合金板の平均オーステナイト
    結晶粒径、オーステナイト結晶粒の混粒度、および合金
    板表面への結晶面の集積度が請求項1の値を満足するよ
    うに施すことを特徴とするプレス成形性に優れたシャド
    ウマスク用Fe−Ni合金薄板およびFe−Ni─Co合金薄板の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項3に記載の成分を有
    する低熱膨張合金の熱延鋼帯を熱延板焼鈍して以降、1
    次冷間圧延(CR1)とこれに引き続く再結晶焼鈍し、
    次に2次冷間圧延(CR2)して再結晶焼鈍を行ったの
    ち、仕上冷間圧延(CR3)、後に歪取り焼鈍を施す工
    程で製造するに際して、前記熱延板焼鈍を810〜89
    0℃で施し、1次冷間圧延での圧下率(CR1%)は4
    0〜55%、2次冷間圧延での圧下率(CR2%)は8
    1〜94%、仕上冷間圧延での圧下率(CR3%)は、
    16〜29%の範囲内でそれぞれ施し、引き続くプレス
    成形前の焼鈍は温度(T℃)は740〜900℃、時間
    (tmin)は2〜40min、かつT≧−123logt+9
    37を満たす条件にて、アニール後の合金板の平均オー
    ステナイト結晶粒径、オーステナイト結晶粒の混粒度、
    および合金板表面への結晶面の集積度が請求項1の値を
    満足するように施すことを特徴とするプレス成形性に優
    れたシャドウマスク用Fe−Ni合金薄板およびFe−
    Ni−Co合金薄板の製造方法。
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