JP3367153B2 - プレス成形性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni−Cr系合金薄板及びFe−Ni−Co−Cr系合金薄板、並びにその製造方法 - Google Patents

プレス成形性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni−Cr系合金薄板及びFe−Ni−Co−Cr系合金薄板、並びにその製造方法

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JP3367153B2 JP18493893A JP18493893A JP3367153B2 JP 3367153 B2 JP3367153 B2 JP 3367153B2 JP 18493893 A JP18493893 A JP 18493893A JP 18493893 A JP18493893 A JP 18493893A JP 3367153 B2 JP3367153 B2 JP 3367153B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、プレス成形性に優れ
たシャドウマスク用Fe−Ni−Cr系合金薄板及びF
e−Ni−Co−Cr系合金薄板、並びにその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カラーテレビの高品位化に伴い、
色ずれの問題に対処できるシャドウマスク用合金とし
て、34〜38wt%のNiを含有するFe−Ni系合
金が使用されている。このFe−Ni系合金は、シャド
ウマスク用材料として従来から使用されてきた低炭素鋼
に較べ、熱膨張率が著しく小さく、このためFe−Ni
系合金で作られたシャドウマスクは、電子ビームにより
加熱されても熱膨張による色ずれの問題は生じにくい。
【0003】通常、シャドウマスク用合金薄板は連続鋳
造法または造塊法によって得られた合金塊に、分塊圧
延、熱間圧延及び冷間圧延・焼鈍を施すことにより製造
される。また、このようにして製造されたシャドウマス
ク用合金薄板は、通常、以下のような工程によってシャ
ドウマスクに加工される。即ち、シャドウマスク用合金
薄板にフォトエッチングによって電子ビームの通過孔を
形成し(以下、このエッチングによって穿孔されたまま
のシャドウマスク用合金薄板を「フラットマスク」とい
う)、このフラットマスクに焼鈍を施した後、ブラウン
管の形状に合うように曲面形状にプレス成形し、しかる
後これをシャドウマスクに組立て、その表面上に黒化処
理を施す。
【0004】従来、Fe−Ni系合金を冷間圧延、再結
晶焼鈍し或いは再結晶焼鈍後に軽微な仕上圧延をして製
造されたシャドウマスク用材料は、低炭素鋼のシャドウ
マスク用材料に較べて強度が高いため、エッチング穿孔
後のプレス成形性を確保するためにプレス成形前に80
0℃以上の温度で軟化焼鈍(プレス前焼鈍)を実施し、
結晶粒を粗大化させることでその軟質化を図っている。
そして、この軟化焼鈍後に温間プレスする方法で球面成
形を行なっている。
【0005】しかし、このように軟化焼鈍を800℃以
上という高温で行うことは作業効率及び経済性の面で不
利であり、より低温の軟化焼鈍により800℃以上で軟
化焼鈍した材料と同等の低強度が得られる材料の開発が
望まれている。
【0006】このような要望に対応する技術として、特
開平3−267320号が提案されている。この技術
は、冷間圧延とこれに続く再結晶焼鈍の後、5〜20%
の圧延率で仕上冷間圧延を実施することにより、800
℃未満の軟化焼鈍、具体的には730℃×60分の軟化
焼鈍を行うことで200℃での0.2%耐力を9.5k
gf/mm2 (10kgf/mm2 以下)として、プレ
ス成形性の良好なレベルまで低強度化を図ろうとするも
のである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この先行技術
でも良好な温間プレス成形性を十分に満足するものとは
言い難い。すなわち、この先行技術により得られるシャ
ドウマスク用材料は、プレス成形時に金型にかじり付き
が発生し、材料の端部で割れが発生し易いという欠点が
ある。
【0008】このような問題にも拘らず、ブラウン管メ
ーカーでは作業効率及び経済性をさらに追及するため、
軟化焼鈍の焼鈍時間を上記した温度においてより短縮化
することも試みられている。ちなみに、この場合の焼鈍
時間とは40分以下であり、場合によっては2分といっ
た短時間処理もあり得る。しかし、このような焼鈍条件
を上記の先行技術に適用した場合、プレス成形時の金型
へのかじり付きの発生がより著しくなり、この結果材料
の割れが多発し、品質上著しい問題となる。
【0009】また、前記Fe−Ni系合金は発銹しやす
く、シャドウマスク製造工程において発銹(点錆)が製
造歩留りを低下させ、これが問題となっているが、上記
先行技術によっても、Fe−Ni系合金の発銹性(耐食
性)の向上はみられない。
【0010】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であり、プレス成形前の軟化焼鈍を790℃以下でかつ
60分間未満という低温・短時間で実施した場合でも優
れたプレス成形性が得られ、しかも耐食性が良好なシャ
ドウマスク用Fe−Ni−Cr系合金薄板及びFe−N
i−Co−Cr系合金薄板、並びにその製造法を提供す
ることを目的とする。
【0011】なお、本発明において優れたプレス成形性
とは、成形時の形状凍結性が優れ、金型とのなじみが良
く(金型とのかじりがなく)、しかも材料に割れが生じ
ないことを意味する。
【0012】
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明によれ
ば、第1に、Ni:34〜38wt%、Si:0.10
wt%以下、B:0.0030wt%以下、O:0.0
030wt%以下、N:0.0020wt%以下、C
r:0.05〜3.0%、Co:1wt%以下、残部F
e及び不可避不純物からなり、プレス成形前の軟化焼鈍
を実施した後における0.2%耐力が27.5kgf/
mm2 以下、板表面での{211}結晶面の集積度が1
6%以下であることを特徴とするプレス成形性に優れた
シャドウマスク用Fe−Ni−Cr系合金薄板が提供さ
れる。
【0014】第2に、Ni:28〜38wt%、Si:
0.10wt%以下、B:0.0030wt%以下、
O:0.0030wt%以下、N:0.0020wt%
以下、Cr:0.05〜3.0%、Co:1wt%超〜
7wt%、残部Fe及び不可避不純物からなり、プレス
成形前の軟化焼鈍を実施した後における0.2%耐力が
27.5kgf/mm2 以下、板表面での{211}結
晶面の集積度が16%以下であることを特徴とするプレ
ス成形性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni−Co−
Cr系合金薄板が提供される。
【0015】第3に、上記第1の発明の成分組成を有す
る熱延板を、910〜990℃で熱延板焼鈍した後、冷
間圧延の工程を経て最終の再結晶焼鈍を実施し、次い
で、前記最終の再結晶焼鈍後の平均オーステナイト結晶
粒径D(μm)に応じて以下に示す(1)式及び(2)
式を満足する圧延率R(%)で仕上冷間圧延を実施し、
その後、応力除去焼鈍を施し、さらに焼鈍温度:800
℃未満、焼鈍時間:60分未満で且つ以下の(3)式を
満足する条件でプレス成形前の軟化焼鈍を実施すること
により、0.2%耐力が27.5kgf/mm2 以下、
板表面での{211}結晶面の集積度が16%以下のF
e−Ni−Cr系合金薄板を得ることを特徴とするプレ
ス成形性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni−Cr系
合金薄板の製造方法が提供される。
【0016】 16≦R≦75 …(1) 6.38D−133.9≦R≦6.38D−51.0 …(2) T≧−48.1 logt+785 …(3) 但し T:焼鈍温度(℃) t:焼鈍時間(分)第4に 、上記Rを21≦R≦70で、かつ6.38D−
122.6≦R≦6.38D−65.2の範囲に規定し
て0.2%耐力を27.0kgf/mm2以下に規定し
たFe−Ni−Cr系合金薄板を得ることを特徴とする
プレス成形性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni−C
r系合金薄板の製造方法が提供される。
【0017】第5に、上記Rをさらに26≦R≦63
で、かつ6.38D−108.0≦R≦6.38D−7
9.3の範囲に規定して範囲に規定して0.2%耐力を
26.5kgf/mm2 以下に規定したFe−Ni−C
r系合金薄板を得ることを特徴とするプレス成形性に優
れたシャドウマスク用Fe−Ni−Cr系合金薄板の製
造方法が提供される。
【0018】第6に、上記第2の発明の成分組成を有す
る熱延板を、910〜990℃で熱延板焼鈍した後、冷
間圧延の工程を経て最終の再結晶焼鈍を実施し、次い
で、前記最終の再結晶焼鈍後の平均オーステナイト結晶
粒径D(μm)に応じて以下に示す(1)式及び(2)
式を満足する圧延率R(%)で仕上冷間圧延を実施し、
その後、応力除去焼鈍を施し、さらに焼鈍温度:800
℃未満、焼鈍時間:60分未満で且つ以下の(3)式を
満足する条件でプレス成形前の軟化焼鈍を実施すること
により、0.2%耐力が27.5kgf/mm2 以下、
板表面での{211}結晶面の集積度が16%以下のF
e−Ni−Co−Cr系合金薄板を得ることを特徴とす
るプレス成形性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni−
Co−Cr系合金薄板の製造方法が提供される。
【0019】 16≦R≦75 …(1) 6.38D−133.9≦R≦6.38D−51.0 …(2) T≧−48.1 logt+785 …(3) 但し T:焼鈍温度(℃) t:焼鈍時間(分)第7に、上記第6発明 のRを21≦R≦70で、かつ
6.38D−122.6≦R≦6.38D−65.2の
範囲に規定して0.2%耐力を27.0kgf/mm2
以下に規定したFe−Ni−Co−Cr系合金薄板を得
ることを特徴とするプレス成形性に優れたシャドウマス
ク用Fe−Ni−Co−Cr系合金薄板の製造方法が提
供される。
【0020】第8に、上記第6発明のRをさらに26≦
R≦63で、かつ6.38D−108.0≦R≦6.3
8D−79.3の範囲に規定して0.2%耐力を26.
5kgf/mm2 以下に規定したFe−Ni−Co−C
r系合金薄板を得ることを特徴とするプレス成形性に優
れたシャドウマスク用Fe−Ni−Co−Cr系合金薄
板の製造方法が提供される。
【0021】本発明者らは、プレス成形性及び耐食性に
優れたシャドウマスク用Fe−Ni系合金薄板を開発す
べく鋭意研究を重ねた結果、合金板の成分組成を特定の
範囲に規定し、さらに0.2%耐力び{211}結晶面
の集積度を特定の範囲内に調整することにより、優れた
プレス成形性が得られることを見出した。また、このよ
うな合金薄板の製造方法に関し、熱延板を所定温度で熱
延板焼鈍するとともに、仕上冷間圧延での圧延率を仕上
冷間圧延前の平均オーステナイト結晶粒径に応じて適切
に制御し、さらにプレス成形前の軟化焼鈍を所定の条件
で行うことにより、プレス成形前の軟化焼鈍を実施した
後の合金薄板の0.2%耐力及び{211}結晶面の集
積度を所定の範囲内に調整することができることを見い
出した。
【0022】上記構成を有する本発明はこのような知見
に基づきなされたものである。以下、本発明について具
体的に説明する。本発明では、温間プレスを前提とした
場合のプレス成形時の形状凍結性を向上させ、合成板の
割れ発生抑制のために要求される降伏強度として、プレ
ス成形前の軟化焼鈍(以下、プレス前焼鈍という)を実
施した後における室温での0.2%耐力を27.5kg
f/mm2 以下と規定する。なお、0.2%耐力を2
7.5kgf/mm2 以下の範囲においてより低減させ
れば、プレス成形時の形状凍結性をより優れたものとす
ることができる。
【0023】本発明の骨子は、主としてB,Oの含有量
を特定の範囲に制限することで、本発明が前提とする特
定のプレス前焼鈍条件の下での結晶粒の成長性を高め、
粗粒化により低い降伏強度を確保し、主としてSi,N
の含有量を特定の範囲に制限することで、プレス成形時
における金型とのなじみを良好にして金型へのかじりの
発生を抑制し、さらに、上記低強度化とプレス前焼鈍後
の板表面での{211}結晶面の集積度を所定の範囲を
規制することで、プレス成形時の材料の割れ発生を抑制
することにある。
【0024】次に、合金の成分組成物の限定理由につい
て説明する。色ずれの発生を防止するためにシャドウマ
スク用Fe−Ni系合金薄板に要求される30〜100
℃の温度域における平均熱膨張係数の上限値は、3.0
×(1/106 )/℃である。熱膨張係数は合金のNi
量に依存し、上記の平均熱膨張係数の条件を満足するた
めのNi量は34〜38wt%である。このためNiは
34〜38wt%の範囲に規定する。また、より低い平
均熱膨張係数を得るためには、Niを35〜37wt%
であることが好ましく、35.5〜36.5wt%であ
ることが一層好ましい。
【0025】Coは、通常Fe−Ni系合金中に不可避
不純物としてある程度含まれており、Coが1wt%以
下では特性にほとんど影響を与えず、Ni量も上記範囲
でよい。従って、本発明におけるFe−Ni−Cr系合
金薄板には1wt%以下のCoが許容される。一方、C
oを1wt%超〜7wt%含有する場合には、上記の平
均熱膨張係数の条件を満足するためのNiの範囲は28
〜38wt%である。このためCoを1wt%超〜7w
t%含有するFe−Ni−Co−Cr系合金薄板の場合
には、Niは28〜38wt%の範囲とする。また、C
oを3〜6wt%、Niを30〜33wt%とすること
により、さらに優れた特性が得られる。しかし、Coが
7wt%を超えると逆に熱膨張係数が劣化するため、C
oの上限は7wt%に規定する。
【0026】Crは本合金の耐食性を向上させる有用な
元素であるが、熱膨張係数を増大させてしまう。従っ
て、Cr量は耐食性向上に寄与しつつ、しかも熱膨張係
数の増大作用が許容範囲であることが要求される。この
ような観点から、Crを0.05〜3.0wt%に規定
する。すなわち、Crが0.05wt%未満では耐食性
向上の効果を得ることができず、一方3.0wt%を超
えると本発明で許容する平均熱膨張係数の範囲から外れ
てしまう。
【0027】Oは不可避不純物元素の1つであり、O量
が多いと合金中の酸化物系非金属介在物が多くなり、こ
の介在物がプレス前焼鈍での結晶粒の成長性、特に80
0℃未満、60未満という本発明が前提とするプレス前
焼鈍条件の下での結晶粒の成長性を阻害する。Oが0.
0030wt%を越えると、この粒成長の阻害作用が著
しくなり、プレス前焼鈍後に27.5kgf/mm2
下の0.2%耐力が得られず、更には耐食性も劣化す
る。このためOは0.0030wt%を上限とする。な
お、下限は特に限定しないが、溶製上の経済性の面から
は0.001wt%程度が実質的な下限となる。
【0028】Bは熱間加工性を向上させる作用がある
が、その含有量が多くなるとプレス前焼鈍時に形成され
る再結晶粒の粒界に偏析し、粒界移動を阻害する。この
結果、結晶粒の成長性が阻害され、プレス前焼鈍後の所
望の0.2%耐力が得られなくなる。特に、本発明が前
提とするプレス前焼鈍条件の下では粒成長の阻害作用が
強く、しかも、この作用はすべての結晶粒に対して一様
に働くものではないため、結果的に著しい混粒組織を生
じ、プレス成形時の材料の伸びのムラも発生させてしま
う。また、Bは材料スカート部の割れの原因となるプレ
ス前焼鈍後の{211}結晶面の集積度を高める作用が
ある。B量が0.0030wt%を超えると本合金にお
いて上記した粒成長の阻害作用が顕著になるため27.
5kgf/mm2 以下の0.2%耐力が得られず、ま
た、プレス成形時の伸びムラ等の問題も生じ、加えて、
{211}結晶面の集積度も本発明が規定する上限を超
えてしまう。このためBは0.0030wt%以下に規
定される。
【0029】Siは溶製時の脱酸元素として添加される
が、その添加量が0.10wt%を超えると耐食性が劣
化する。また、プレス前焼鈍時に合金板表面にSiの酸
化膜が形成され、この酸化膜によりプレス成形時の金型
とのなじみが悪くなり、合金板の金型へのかじり付きが
生じるようになる。このためSiの上限を0.10wt
%に規定する。また、Si量をさらに低減することによ
り、合金板と金型とのなじみをより良好なものとするこ
とができる。なお、Siの下限は特に限定しないが、溶
製上の経済性の面からは0.001wt%程度が実質的
な下限となる。
【0030】Nは溶製時に不可避的に混入する元素であ
るが、0.0020wt%を超えて含有するとプレス前
焼鈍時に合金板表面にNが濃化して窒化物を形成し、こ
の窒化物によりプレス成形時の金型とのなじみが悪くな
り、合金板の金型へのかじり付きが生じるようになる。
このためNは0.0020wt%以下に規定する。な
お、Nの下限は特に限定しないが、溶製上の経済性の面
からは0.0001wt%程度が実質的な下限となる。
【0031】なお、上記の成分元素以外の元素について
は、C:0.0001〜0.010wt%、Mn:0.
001〜0.50wt%の範囲とすることが好ましい。
以上のような成分条件およびプレス前焼鈍後の0.2%
耐力を満足することにより、プレス成形時の金型へのか
じりを抑制し、且つ形状凍結性を優れたレベルとするこ
とが可能であるが、これだけではプレス成形性のもう1
つの側面である材料の割れの問題は改善されない。本発
明者らはこのような問題を解決するため、本発明範囲の
成分組成および0.2%耐力を有し、板表面の結晶方位
が種々異なった合金板を作成し、板表面の結晶方位とプ
レス成形時の割れ発生との関係を調べた。その結果、合
金板の割れを抑制するためにはプレス前焼鈍後の合金板
の0.2%耐力を規定するだけでなく、板表面の{21
1}結晶面の集積度を特定値以下に制御することが必要
であることを見出した。
【0032】図1は、本発明の成分条件を満足する合金
板について、プレス成形時の合金板の割れの発生と{2
11}結晶面の集積度および0.2%耐力との関係を示
したものである。{211}結晶面の集積度は、プレス
前焼鈍後の合金板において{211}面と方位的に等価
な(422)回折面の相対X線回折強度比を(11
1),(200),(220),(311),(33
1),(422)および(420)の各回折面の相対X
線強度比の和で割ることにより求めた。ここで、相対X
線回折強度比とは各回折面で測定されたX線回折強度を
その回折面の理論X線回折強度で割ったものである。例
えば、(111)回折面の相対X線回折強度比は(11
1)回折面のX線回折強度を(111)回折面のX線回
折理論強度で割ったものである。
【0033】図1によれば、0.2%耐力が27.5k
gf/mm2 以下で且つ{211}結晶面の集積度が1
6%以下ではプレス成形時の合金板の割れは発生してお
らず、本発明が意図する優れた効果が得られている。以
上の理由から本発明では、合金板の割れを抑制するため
の条件として、プレス前焼鈍後の板表面での{211}
結晶面の集積度を16%以下と規定する。
【0034】このような本発明の合金薄板は、上述した
成分組成を有する熱延板を熱延板焼鈍した後、冷間圧延
の工程を経て最終の再結晶焼鈍を実施し、次いで仕上冷
間圧延を実施し、しかる後応力除去焼鈍を施し、さらに
プレス前焼鈍を実施することにより製造される。
【0035】まず、上記熱延板焼鈍は{211}結晶面
の集積度を16%以下とするために特定の温度範囲で行
われる必要がある。このことを確認するために、本発明
の成分条件を満足する熱延板を種々の温度で熱延板焼鈍
し、冷間圧延−再結晶焼鈍(890℃×1分)−仕上冷
間圧延(圧延率21%)−応力除去焼鈍−プレス前焼鈍
(750℃×20分)の製造工程で合金板を製造した。
比較のため熱延板焼鈍を実施しない熱延板から同様の製
造工程で合金板を製造した。得られた合金板の板表面で
の{211}結晶面の集積度および引張試験による伸び
と熱延板焼鈍温度との関係を図2に示す。これによれ
ば、熱延板焼鈍温度が910〜990℃の時に{21
1}結晶面の集積度が16%以下となっている。このた
め本発明では、{211}結晶面の集積度を16%以下
とするために、熱延板焼鈍温度を910〜990℃の範
囲に規定する。
【0036】また、本発明が規定する{211}結晶面
の集積度を得るには、製造工程において分塊圧延後のス
ラブ均一化熱処理を行うことは好ましくない。例えば、
スラブの均一化熱処理が1200℃以上、10時間以上
の条件で行われた場合、{211}結晶面の集積度は本
発明の規定値を超えてしまうため、このような処理は避
けなければならない。
【0037】{211}結晶面の集積度が16%を超え
るとプレス成形時に材料の割れが発生する機構について
は必ずしも明らかではないが、図2に示される圧延直角
方向の伸びをみると、{211}結晶面の集積度が高い
場合にはこの伸びが低い値を示していることから、{2
11}結晶面の集積度が高くなると圧延直角方向の伸び
が低下し、破断限界が低くなるために割れが発生するの
ではないかと考えられる。
【0038】プレス前焼鈍後の{211}結晶面の集積
度を16%以下とし、かつ0.2%耐力を27.5kg
f/mm2 以下とするためには、上記した条件に加え、
仕上冷間圧延条件(仕上冷間圧延率)及びプレス前焼鈍
条件の制御が重要である。
【0039】図3は、本発明の成分条件を満足する熱延
板から熱延板焼鈍(910〜990℃)−冷間圧延−再
結晶焼鈍−仕上冷間圧延−応力除去焼鈍−プレス前焼鈍
(750℃×20分)の製造工程を経て製造された合金
板について、引張試験により0.2%耐力(図中の括弧
内の数値)を測定し、これを仕上冷間圧延率と仕上冷間
圧延前の平均オーステナイト結晶粒径との関係で示した
ものである。この試験では、仕上冷間圧延前の再結晶焼
鈍温度を変化させることで所定の平均オーステナイト結
晶粒径を得た。
【0040】図3によれば、仕上冷間圧延率R(%)を
16〜75%の範囲で、且つ仕上冷間圧延前の平均オー
ステナイト結晶粒径D(μm)に応じて、 6.38D−133.9≦R≦6.38D−51.0 とする(すなわち、図中の領域1内とする)ことによ
り、0.2%耐力を27.5kgf/mm2 以下にでき
ることが判る。
【0041】仕上冷間圧延率Rが16%未満または6.
38D−133.9>Rの場合には、本発明で規定する
プレス前焼鈍条件の下では再結晶が不十分であり、且つ
再結晶粒の粒成長も不十分であるため、0.2%耐力は
27.5kgf/mm2 を超えてしまう。一方、仕上冷
間圧延率Rが75%超またはR>6.38D−51.0
の場合には、本発明で規定するプレス前焼鈍条件の下で
は100%再結晶するが、再結晶時の核生成頻度が高く
なり過ぎるため再結晶粒が細かくなり、このため0.2
%耐力は27.5kgf/mm2 を超えてしまう。
【0042】以上のような理由から本発明では、本発明
が規定するプレス前焼鈍条件の下で27.5kgf/m
2 以下の0.2%耐力を得るための仕上冷間圧延条件
として、仕上冷間圧延前の平均オーステナイト結晶粒径
D(μm)に応じて下記(1a),(1b)式を満足す
る仕上冷間圧延率R(%)を規定する。
【0043】 16≦R≦75 …(1a) 6.38D−133.9≦R≦6.38D−51.0 …(1b) また、このような仕上冷間圧延前の平均オーステナイト
結晶粒径に応じた適正な仕上冷間圧延率R(%)の範囲
内であれば、プレス前焼鈍後の合金板表面の{211}
結晶面の集積度を16%以下とすることができる。
【0044】上記したような本発明合金板の組織制御
は、熱延板焼鈍での集合組織制御に加え、仕上冷間圧延
前の結晶粒径に応じた適正な仕上冷間圧延率とすること
で、再結晶時の核生成頻度が適正にコントロールされる
ことによるものである。図3によれば、仕上冷間圧延前
の平均オーステナイト結晶粒径Dに応じた仕上冷間圧延
率R(%)を最適化することにより、プレス前焼鈍後の
0.2%耐力をより低くすることが可能であることず判
る。すなわち、 21≦R≦70 …(2a) 6.38D−122.6≦R≦6.38D−65.2 …(2b) とする(すなわち、図中の領域II内とする)ことによ
り、0.2%耐力を27.0kgf/mm2 以下にする
ことができ、さらに、 26≦R≦63 …(3a) 6.38D−108.0≦R≦6.38D−79.3 …(3b) とする(すなわち、図中の領域III 内とする)ことによ
り、0.2%耐力を26.5kgf/mm2 以下にする
ことができる。
【0045】このため本発明では、0.2%耐力:2
7.0kgf/mm2 以下が得られる仕上冷間圧延条件
として、仕上冷間圧延前の平均オーステナイト結晶粒径
D(μm)に応じて下記(2a),(2b)式を満足す
る仕上冷間圧延率R(%)を、また、0.2%耐力:2
6.5kgf/mm2 以下が得られる仕上冷間圧延条件
として、仕上冷間圧延前の平均オーステナイト結晶粒径
D(μm)に応じて上記(3a),(3b)式を満足す
る仕上冷間圧延率R(%)をそれぞれ規定する。
【0046】なお、上記仕上冷間圧延率Rとの関係で規
定される仕上冷間圧延前の平均オーステナイト結晶粒径
Dは、熱延板を熱延板焼鈍し、続く冷間圧延の後の焼鈍
を焼鈍温度:860〜950℃、焼鈍時間:0.5〜2
分の範囲で適切に選択することにより得ることができ
る。
【0047】図4は、成分組成、熱延板焼鈍条件、仕上
冷間圧延前の平均オーステナイト結晶粒径に応じた仕上
冷間圧延率を本発明範囲とし、熱延板から熱延板焼鈍
(910〜990℃)−冷間圧延−再結晶焼鈍−仕上冷
間圧延−応力除去焼鈍−プレス前焼鈍の製造工程を経て
製造された合金板について、プレス前焼鈍の焼鈍温度
T、焼鈍時間tとプレス前焼鈍後の0.2%耐力および
{211}結晶面の集積度との関係を示したものであ
る。
【0048】図4によれば、熱延板焼鈍条件、仕上冷間
圧延前の平均オーステナイト結晶粒径に応じた仕上冷間
圧延率が本発明範囲内であっても、T<−53.8 log
t+806では再結晶が十分ではなく、このため0.2
%耐力は27.5kgf/mm2 を超え、しかも{21
1}結晶面の集積度も16%を超えている。また、焼鈍
温度Tが800℃超または焼鈍時間tが60分超の場合
には、{211}結晶面が発達してくるため、この結晶
面の集積度が16%を超えてしまう。
【0049】以上の理由から本発明では、所望の0.2
%耐力および{211}結晶面の集積度を得るプレス前
焼鈍条件として、焼鈍温度T:800℃未満、焼鈍時間
t:60分未満、T≧−48.1 log t+785と規定
する。
【0050】本発明が規定するプレス前焼鈍は、フォト
エッチングの前に実施してもよく、プレス前焼鈍条件が
本発明範囲内であれば、フォトエッチングの品質が損な
われることはない。すなわち、本発明で規定する化学成
分および結晶面の集積度を有していれば、フォトエッチ
ング時のエッチング性は付与される。
【0051】従来材では前述したような規定を満足する
ものがなかったため、本発明で規定するプレス前焼鈍を
フォトエッチングの前に実施した場合、フォトエッチン
グの品質が損なわれるため、フォトエッチング前の実施
が不可能であった。
【0052】なお、本発明が規定する{211}結晶面
の集積度を得る方法としては、上述した方法の以下に、
急冷凝固の採用、熱間加工での再結晶のコントロールに
よる集合組織制御等がある。
【0053】
【実施例】
[実施例1]取鍋精練によって表1および表2に示す化
学成分の合金No.1〜No23を調整し、合金No.
1〜No.13,No.18〜No.23については連
続鋳造し、これら連続焼鈍スラブを手入れ後、熱間圧延
(加熱条件:1100℃×3hr)して熱延板を得た。
また、合金No.14〜No.17については薄鋳板に
直接鋳造し、この薄鋳板を1300〜1000℃の温度
で合計圧下率40%で熱間圧延した後700℃で巻取
り、熱延板を得た。
【0054】これら熱延板に熱延板焼鈍(930℃)−
冷間圧延−再結晶焼鈍−冷間圧延−再結晶焼鈍(条件を
表5に示す)−仕上冷間圧延(圧延率21%)−応力除
去焼鈍を順次実施して板厚0.25mmの合金板を得
た。なお、上記熱延板は、熱延後の段階で十分に再結晶
していた。これらの合金板をエッチングによりフラット
マスクに加工した後、750℃×20分の条件でプレス
前焼鈍し、材料No.1〜No.23を得た。
【0055】これら材料にプレス成形を行ない、プレス
成形性を調べた。表1および表2に各材料の仕上冷間圧
延前の平均オーステナイト結晶粒径を示し、また、表3
および表4に{211}結晶面の集積度、引張特性、耐
食性およびプレス成形性を示す。なお、引張特性(0.
2%耐力および圧延直角方向の伸び)と{211}結晶
面の集積度はプレス前焼鈍後の合金板について調べた。
引張特性は常温で測定したものであり、また、{21
1}結晶面の集積度の測定は、先に述べたX線回折によ
るものである。耐食性は、応力除去焼鈍後に調べた。
【0056】表3および表4によれば、本発明条件を満
足する成分組成、{211}結晶面の集積度および0.
2%耐力を有する材料No.1〜No.13はいずれも
優れたプレス成形性を示しており、また耐食性も後述す
る比較例に比べて優れている。また、Coを含有した本
発明例である材料No.14〜No.17も同様に優れ
た特性を示している。
【0057】これに対して、材料No.18およびN
o.20は、それぞれSi量,N量が本発明範囲を超え
た比較例であり、いずれも金型とのなじみの点で問題が
ある。また、No.18は耐食性が本発明例に比べて劣
っている。材料No.19はO量が本発明範囲を超えた
比較例であり、0.2%耐力が27.5kgf/mm2
を超えているため形状凍結性が劣っており、合金板の割
れも発生しており、耐食性も発明例に比べて劣ってい
る。また、材料No.21は、B量のみが本発明範囲を
超えた比較例であり、いずれも0.2%耐力が27.5
kgf/mm2 を超えているため形状凍結性が劣ってい
る。また、この比較例は{211}結晶面の集積度が本
発明範囲を超えているため、合金板の割れも発生してい
る。材料No.22はCr量が下限未満のものであり、
耐食性が劣っている。材料No.23は仕上冷間圧延前
の平均オーステナイト結晶粒径が本発明の規定する仕上
冷間圧延率Rの条件を満たすレベルまで達しておらず、
このため0.2%耐力が27.5kgf/mm2 を超え
て形状凍結性が劣り、また、合金板の割れも発生してい
る。
【0058】以上のように本発明条件を満足する成分組
成、{211}結晶面の集積度および0.2%耐力とす
ることにより、本発明の目的とする優れたプレス成形性
を有するFe−Ni−Cr系合金薄板およびFe−Ni
−Co−Cr系合金薄板が得られることが確認された。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】 [実施例2]実施例1で用いた合金No.1,No.
9,No.14の熱延板を用い、これらの熱延板に対し
て表6に示す温度で熱延板焼鈍を実施したものと熱延板
焼鈍を実施しないものについて、冷間圧延−再結晶焼鈍
(890℃×1分)−仕上冷間圧延(圧延率21%)−
応力除去焼鈍を順次実施して板厚0.25mmの合金板
を得た。各合金板をエッチングによりフラットマスクに
加工した後、750℃×20分の条件でプレス前焼鈍
し、材料No.24〜28を得た。これら材料にプレス
成形を行ない、プレス成形性を調べた。表6に各材料の
熱延板焼鈍温度、仕上冷間圧延前の平均オーステナイト
結晶粒径および{211}結晶面の集積度を、また、表
7に引張特性とプレス成形性を示す。なお、各特性値の
測定方法は実施例1と同様である。
【0064】表6および表7によれば、本発明の成分条
件と製造条件を満足する材料No.24,No.25
は、いずれも優れたプレス成形性を示している。これに
対して材料No.26〜No.28は、それぞれ熱延板
焼鈍温度が本発明の下限未満の比較例、熱延板焼鈍温度
が本発明の上限を超える比較例、熱延板焼鈍を実施しな
い比較例であり、いずれも{211}結晶面の集積度が
本発明が規定する上限を超え、プレス成形時に合金板の
割れが発生している。また、材料No.28は0.2%
耐力が27.5kgf/mm2 を超え、プレス成形時の
形状凍結性も劣っている。以上のように{211}結晶
面の集積度を本発明範囲とするためには、熱延板焼鈍を
本発明条件にしたがって実施することが重要であること
が確認された。
【0065】
【表6】
【0066】
【表7】 [実施例3]実施例1で用いた合金No.1,No.
2,No.4,No.6,No.7,No8,No.
9,No.11,No.12,No.13およびNo.
14の熱延板を用い、これらの熱延板に対して、熱延板
焼鈍(930℃)−冷間圧延−再結晶焼鈍(表8および
表9に示す温度で1分保持)−仕上冷間圧延−応力除去
焼鈍を順次実施し、板厚0.25mmの合金板を得た。
これらの合金板をエッチングによりフラットマスクに加
工した後、750℃×20分の条件でプレス前焼鈍し、
材料No.29〜No.66を得た。これらの材料をプ
レス成形し、プレス成形性を調べた。表8および表9に
各材料の仕上冷間圧延前の焼鈍温度、仕上冷間圧延前の
平均オーステナイト結晶粒径、仕上冷間圧延率および引
張特性を示し、また、表10および表11に{211}
結晶面の集積度とプレス成形性を示す。なお、各特性値
の測定方法は実施例1と同様である。
【0067】これら表8〜表11によれば、本発明の成
分条件、熱延板焼鈍条件およびプレス前焼鈍条件を満足
し、仕上冷間圧延前の平均オーステナイト結晶粒径と仕
上冷間圧延率との関係が本発明の規定する領域内にある
材料No.30〜No.35,No.38,No.41
〜No.43,No.47〜No.66は、いずれも
{211}結晶面の集積が16%以下となっていること
が確認される。このうち材料No.30,No.35,
No.38,No.41,No.47,No.49,N
o.50,No.54,No.60,No.63および
No.66は、上述した(1−a)式および(1−b)
式を満足する仕上冷間圧延率R(図3の領域1の範囲)
で製造された本発明例であり、0.2%耐力は27.5
kgf/mm2 以下である。また、材料No.31,N
o.33,No.34,No.43,No.48,N
o.52,No.55,No.59およびNo.65
は、上述した(2−a)式および(2−b)式を満足す
る仕上冷間圧延率R(図3の領域IIの範囲)で製造され
た本発明例であり、0.2%耐力は27.0kgf/m
2 以下である。さらに、材料No.32,No.4
2,No.51,No.53,No.56,No.5
7,No.58,No.61,No.62およびNo.
64は、上述した(3−a)式および(3−b)式を満
足する仕上冷間圧延率R(図3の領域IIIの範囲)で
製造された本発明例であり、0.2%耐力26.5kg
f/mm2 以下である。このようにいずれの材料も本発
明が規定する0.2%耐力が得られており、優れたプレ
ス成形性を示している。また、0.2%耐力の低下によ
り、より優れた形状凍結性が得られていることも確認さ
れる。
【0068】これに対して、材料No.29,No.3
6,No.37,No.39,No.40,No.44
およびNo.45は、本発明範囲の成分組成条件、熱延
板焼鈍条件およびプレス前焼鈍条件でありながら、仕上
冷間圧延前の平均オーステナイト結晶粒径と仕上冷間圧
延率との関係が本発明の規定する領域から外れた比較例
であり、これらは0.2%耐力と{211}結晶面の集
積度のいずれか一方或いは両方が本発明の規定条件を超
えており、プレス成形時において形状凍結性と合金板の
割れ発生のうちいずれか一方または両方に問題を生じて
いる。
【0069】なお、材料No.64は仕上冷間圧延前の
焼鈍条件が850℃×1分であるため平均オーステナイ
ト結晶粒径が10.0μmであり、仕上冷間圧延率が1
5%の場合であり、0.2%耐力は27.5kgf/m
2 を超え、プレス成形時の形状凍結性が劣っている。
【0070】以上のように、本発明の成分条件、熱延板
焼鈍条件およびプレス前焼鈍条件を満足しても、仕上冷
間圧延前の平均オーステナイト結晶粒径と仕上冷間圧延
率との関係が本発明の規定する領域から外れた場合に
は、優れたプレス成形性が得られないことが判る。
【0071】
【表8】
【0072】
【表9】
【0073】
【表10】
【0074】
【表11】 [実施例4]実施例1で用いた合金No.1,No.
4,No.9,No.10,No.12,No.14,
No.21およびNo.22の熱延板を用い、これらの
熱延板に対して、熱延板焼鈍(930℃)−冷間圧延−
再結晶焼鈍(890℃×1min)−仕上冷間圧延(圧
延率21%)−応力除去焼鈍を順次実施して板厚0.2
5mmの合金板を得た。これらの各合金板をエッチング
によりフラットマスクに加工した後、表12に示す条件
でプレス前焼鈍し、材料No.67〜84を得た。これ
らの材料をプレス成形して、プレス成形性を調べた。表
12に仕上冷間圧延前の平均オーステナイト結晶粒径、
プレス前焼鈍条件、{211}結晶面の集積度、引張特
性およびプレス成形性を示す。なお、各特性値の測定方
法は実施例1と同様である。
【0075】表12によれば、本発明の成分条件、熱延
板焼鈍条件および仕上冷間圧延条件(仕上冷間圧延率)
を満足し、プレス前焼鈍条件(温度、時間)が本発明の
規定範囲内にある材料No.67,No.69,No.
70およびNo.76〜No.84はいずれも{21
1}結晶面の集積度が16%以下であり、0.2%耐力
も本発明の規定範囲内にあり、優れたプレス成形品質を
示している。
【0076】これに対して、材料No.72およびN
o.73は、本発明の成分条件、熱延板焼鈍条件および
仕上冷間圧延条件(仕上冷間圧延率)でありながら、プ
レス前焼鈍に関して、それぞれ焼鈍温度が本発明の上限
を超えた比較例、焼鈍時間が本発明の上限を超えた比較
例であり、いずれも{211}結晶面の集積度が16%
を超え、合金板に割れが発生している。また、材料N
o.68はプレス前焼鈍の焼鈍温度Tと焼鈍時間tが本
発明の条件式(T≧−48.1 log t+785)を満足
しない比較例、No.71はプレス前焼鈍の焼鈍時間が
本発明の上限を超え、且つ焼鈍温度Tと焼鈍時間tが上
記条件式を満足しない比較例であり、いずれの比較例も
0.2%耐力が27.5kgf/mm2 を超えるためプ
レス成形時の形状凍結性が劣り、また、{211}結晶
面の集積度も16%を超え、プレス成形時に合金板の割
れも発生している。
【0077】なお、材料No.74およびNo.75は
比較合金を用いた比較例であり、これらは750℃で5
0minのプレス前焼鈍を行なった場合にも、0.2%
耐力は27.5kgf/mm2 超であり、プレス成形時
の形状凍結性が劣っている。また、これらの材料の{2
11}結晶面の集積度は16%を超えており、プレス成
形時に合金板の割れも発生している。
【0078】以上のように、本発明の成分条件、熱延板
焼鈍条件および仕上冷間圧延条件を満足しても、プレス
前焼鈍条件が本発明範囲から外れた場合には、優れたプ
レス成形性は得られないことが確認された。
【0079】
【表12】 [実施例5]実施例1で用いた合金No.1,No.4
の熱延板を用い、これらの熱延板に対して、熱延板焼鈍
(930℃)−冷間圧延−再結晶焼鈍−冷間圧延−再結
晶焼鈍(890℃×1min)−仕上冷間圧延(圧延率
21%)−応力除去焼鈍を順次実施し、板厚0.25m
mの合金板を得た。これらの合金板を表13に示す条件
でプレス前焼鈍し、材料No.85〜No.87を得
た。これらの材料をエッチングによりフラットマスクに
加工した後、プレス成形を行い、プレス成形性を調べ
た。表13に各材料の仕上冷間圧延前の平均オーステナ
イト結晶粒径、プレス前焼鈍条件および{211}結晶
面の集積度を示し、また、表14に引張特性、プレス成
形性およびエッチング性を示す。なお、エッチング性は
エッチング後のフラットマスクのムラ発生状況を目視で
観察することにより調べた。また、他の特性値の測定方
法は実施例1と同様である。
【0080】表13および表14によれば、本発明の成
分条件および製造条件を満足する材料No.85〜N
o.87は、いずれもエッチング性が良好であり、ま
た、{211}結晶面の集積度が16%以下で且つ0.
2%耐力も本発明の規定範囲内にあり、優れたプレス成
形性を示していることが確認される。
【0081】以上のように、本発明の成分条件および製
造条件を満足することにより優れたプレス成形性が得ら
れ、しかもプレス前焼鈍の後にエッチングが施された場
合でも得られたフラットマスクにムラはなく、良好なエ
ッチング性が得られることが確認された。
【0082】
【表13】
【0083】
【表14】
【0084】なお、以上述べた実施例1〜実施例5に示
されるように、{211}結晶面の集積度が16%を超
えた比較例ではプレス前焼鈍後の圧延直角方向の伸びが
本発明例に比べて低くなっており、{211}結晶面の
集積度が高いと、プレス前焼鈍後の圧延直角方向の伸び
が低下し、プレス成形時に割れが発生するものと推定さ
れる。
【0085】
【発明の効果】以上述べたように本発明のシャドウマス
ク用Fe−Ni−Cr系合金薄板およびFe−Ni−C
o−Cr系合金薄板は、プレス前焼鈍を700℃超〜8
00℃未満という低い温度で且つ60分未満の短い焼鈍
時間で実施しても、優れたプレス成形性、すなわち、成
形時の形状凍結性に優れ、金型とのなじみ良好で、しか
も材料の割れが生じない優れたプレス成形性を示す。ま
た、本発明の合金薄板は耐食性に優れている。さらに、
本発明の合金薄板ではプレス前焼鈍をエッチング前に施
した場合でも所要のエッチング性およびプレス成形性が
得られ、このため予めプレス前焼鈍を実施しておけば、
ブラウン管メーカー側でのプレス前焼鈍を省略すること
ができ、この点からも合金板のユーザーにとって経済的
メリットの大きい。また、本発明の製造方法によれば、
このような合金薄板を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プレス前焼鈍後の0.2%耐力および{21
1}結晶面の集積度とプレス成形時の割れ発生との関係
を示すグラフ。
【図2】プレス前焼鈍後の{211}結晶面の集積度お
よび圧延直角方向の伸びと熱延板焼鈍温度との関係を示
すグラフ。
【図3】仕上冷間圧延前の平均オーステナイト結晶粒径
および仕上冷間圧延率とプレス前焼鈍後の0.2%耐力
との関係を示すグラフ。
【図4】プレス前焼鈍条件とプレス前焼鈍後の0.2%
耐力および{211}結晶面の集積度との関係を示すグ
ラフ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−209254(JP,A) 特開 平5−65598(JP,A) 特開 平2−305941(JP,A) 特開 平4−341543(JP,A) 特開 昭63−190146(JP,A) 特開 昭63−259054(JP,A) 特開 昭63−76852(JP,A) 特開 昭60−21331(JP,A) 特開 平3−202446(JP,A) 特開 昭62−174353(JP,A) 特開 昭63−190147(JP,A) 特開 昭62−112760(JP,A) 特開 平4−228546(JP,A) 特開 平6−336654(JP,A) 特開 昭61−201733(JP,A) 特開 昭62−120432(JP,A) 特開 昭62−149819(JP,A) 特開 平2−170922(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 H01J 29/07

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni:34〜38wt%、Si:0.1
    0wt%以下、B:0.0030wt%以下、O:0.
    0030wt%以下、N:0.0020wt%以下、C
    r:0.05〜3.0%、Co:1wt%以下、残部F
    e及び不可避不純物からなり、プレス成形前の軟化焼鈍
    を実施した後における0.2%耐力が27.5kgf/
    mm2 以下、板表面での{211}結晶面の集積度が1
    6%以下であることを特徴とするプレス成形性に優れた
    シャドウマスク用Fe−Ni−Cr系合金薄板。
  2. 【請求項2】 Ni:28〜38wt%、Si:0.1
    0wt%以下、B:0.0030wt%以下、O:0.
    0030wt%以下、N:0.0020wt%以下、C
    r:0.05〜3.0%、Co:1wt%超〜7wt
    %、残部Fe及び不可避不純物からなり、プレス成形前
    の軟化焼鈍を実施した後における0.2%耐力が27.
    5kgf/mm2 以下、板表面での{211}結晶面の
    集積度が16%以下であることを特徴とするプレス成形
    性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni−Co−Cr系
    合金薄板。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の成分組成を有する熱延
    板を、910〜990℃で熱延板焼鈍した後、冷間圧延
    の工程を経て最終の再結晶焼鈍を実施し、次いで、前記
    最終の再結晶焼鈍後の平均オーステナイト結晶粒径D
    (μm)に応じて以下に示す(1)式及び(2)式を満
    足する圧延率R(%)で仕上冷間圧延を実施し、その
    後、応力除去焼鈍を施し、さらに焼鈍温度:800℃未
    満、焼鈍時間:60分未満で且つ以下の(3)式を満足
    する条件でプレス成形前の軟化焼鈍を実施することによ
    り、0.2%耐力が27.5kgf/mm2 以下、板表
    面での{211}結晶面の集積度が16%以下のFe−
    Ni−Cr系合金薄板を得ることを特徴とするプレス成
    形性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni−Cr系合金
    薄板の製造方法。 16≦R≦75 …(1) 6.38D−133.9≦R≦6.38D−51.0 …(2) T≧−48.1 logt+785 …(3) 但し T:焼鈍温度(℃) t:焼鈍時間(分)
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の成分組成を有する熱延
    板を、910〜990℃で熱延板焼鈍した後、冷間圧延
    の工程を経て最終の再結晶焼鈍を実施し、次いで、前記
    最終の再結晶焼鈍後の平均オーステナイト結晶粒径D
    (μm)に応じて以下に示す(1)式及び(2)式を満
    足する圧延率R(%)で仕上冷間圧延を実施し、その
    後、応力除去焼鈍を施し、さらに焼鈍温度:800℃未
    満、焼鈍時間:60分未満で且つ以下の(3)式を満足
    する条件でプレス成形前の軟化焼鈍を実施することによ
    り、0.2%耐力が27.0kgf/mm2 以下、板表
    面での{211}結晶面の集積度が16%以下のFe−
    Ni−Cr系合金薄板を得ることを特徴とするプレス成
    形性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni−Cr系合金
    薄板の製造方法。 21≦R≦70 …(1) 6.38D−122.6≦R≦6.38D−65.2 …(2) T≧−48.1 logt+785 …(3) 但し T:焼鈍温度(℃) t:焼鈍時間(分)
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の成分組成を有する熱延
    板を、910〜990℃で熱延板焼鈍した後、冷間圧延
    の工程を経て最終の再結晶焼鈍を実施し、次いで、前記
    最終の再結晶焼鈍後の平均オーステナイト結晶粒径D
    (μm)に応じて以下に示す(1)式及び(2)式を満
    足する圧延率R(%)で仕上冷間圧延を実施し、その
    後、応力除去焼鈍を施し、さらに焼鈍温度:800℃未
    満、焼鈍時間:60分未満で且つ以下の(3)式を満足
    する条件でプレス成形前の軟化焼鈍を実施することによ
    り、0.2%耐力が26.5kgf/mm2 以下、板表
    面での{211}結晶面の集積度が16%以下のFe−
    Ni−Cr系合金薄板を得ることを特徴とするプレス成
    形性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni−Cr系合金
    薄板の製造方法。 26≦R≦63 …(1) 6.38D−108.0≦R≦6.38D−79.3 …(2) T≧−48.1 logt+785 …(3) 但し T:焼鈍温度(℃) t:焼鈍時間(分)
  6. 【請求項6】 請求項2に記載の成分組成を有する熱延
    板を、910〜990℃で熱延板焼鈍した後、冷間圧延
    の工程を経て最終の再結晶焼鈍を実施し、次いで、前記
    最終の再結晶焼鈍後の平均オーステナイト結晶粒径D
    (μm)に応じて以下に示す(1)式及び(2)式を満
    足する圧延率R(%)で仕上冷間圧延を実施し、その
    後、応力除去焼鈍を施し、さらに焼鈍温度:800℃未
    満、焼鈍時間:60分未満で且つ以下の(3)式を満足
    する条件でプレス成形前の軟化焼鈍を実施することによ
    り、0.2%耐力が27.5kgf/mm2 以下、板表
    面での{211}結晶面の集積度が16%以下のFe−
    Ni−Co−Cr系合金薄板を得ることを特徴とするプ
    レス成形性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni−Co
    −Cr系合金薄板の製造方法。 16≦R≦75 …(1) 6.38D−133.9≦R≦6.38D−51.0 …(2) T≧−48.1 logt+785 …(3) 但し T:焼鈍温度(℃) t:焼鈍時間(分)
  7. 【請求項7】 請求項2に記載の成分組成を有する熱延
    板を、910〜990℃で熱延板焼鈍した後、冷間圧延
    の工程を経て最終の再結晶焼鈍を実施し、次いで、前記
    最終の再結晶焼鈍後の平均オーステナイト結晶粒径D
    (μm)に応じて以下に示す(1)式及び(2)式を満
    足する圧延率R(%)で仕上冷間圧延を実施し、その
    後、応力除去焼鈍を施し、さらに焼鈍温度:800℃未
    満、焼鈍時間:60分未満で且つ以下の(3)式を満足
    する条件でプレス成形前の軟化焼鈍を実施することによ
    り、0.2%耐力が27.0kgf/mm2 以下、板表
    面での{211}結晶面の集積度が16%以下のFe−
    Ni−Co−Cr系合金薄板を得ることを特徴とするプ
    レス成形性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni−Co
    −Cr系合金薄板の製造方法。 21≦R≦70 …(1) 6.38D−122.6≦R≦6.38D−65.2 …(2) T≧−48.1 logt+785 …(3) 但し T:焼鈍温度(℃) t:焼鈍時間(分)
  8. 【請求項8】 請求項2に記載の成分組成を有する熱延
    板を、910〜990℃で熱延板焼鈍した後、冷間圧延
    の工程を経て最終の再結晶焼鈍を実施し、次いで、前記
    最終の再結晶焼鈍後の平均オーステナイト結晶粒径D
    (μm)に応じて以下に示す(1)式及び(2)式を満
    足する圧延率R(%)で仕上冷間圧延を実施し、その
    後、応力除去焼鈍を施し、さらに焼鈍温度:800℃未
    満、焼鈍時間:60分未満で且つ以下の(3)式を満足
    する条件でプレス成形前の軟化焼鈍を実施することによ
    り、0.2%耐力が26.5kgf/mm2 以下、板表
    面での{211}結晶面の集積度が16%以下のFe−
    Ni−Co−Cr系合金薄板を得ることを特徴とするプ
    レス成形性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni−Co
    −Cr系合金薄板の製造方法。 26≦R≦63 …(1) 6.38D−108.0≦R≦6.38D−79.3 …(2) T≧−48.1 logt+785 …(3) 但し T:焼鈍温度(℃) t:焼鈍時間(分)
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