JP2718340B2 - 鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気機器の鉄心として
広く用いられる鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法
に関し、とりわけ高周波を用いる電気機器の鉄心に適し
た無方向性電磁鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の電気機器では、高効率化や小型化
を目的として高周波を用いるものが増加する傾向にあ
り、高周波域で鉄損の低い電磁鋼板の要望が高まってき
ている。
【0003】鉄損は一般に、周波数の一乗に比例するヒ
ステリシス損と周波数の二乗に比例する渦電流損の和と
して表すことができる。したがって、高周波域では周波
数の二乗に比例する渦電流損の鉄損に占める割合が高く
なり、渦電流損の低減が低鉄損化にとって極めて重要と
なる。
【0004】渦電流損を低減するためには、板厚を薄く
することおよび電気抵抗を増加することが有効であるこ
とが知られている。つまり製品鋼板の薄肉化と合金元素
の添加による鋼板の電気抵抗増加が、高周波用の無方向
性電磁鋼板の開発の大きな指針となる。
【0005】特開昭62−103321号公報には、 6.5%前後
のSiを含有する高珪素鋼板の製造方法が示されている。
鉄にSiを添加して行くと 6.5%前後の添加量で磁歪がほ
ぼ0になるため、ヒステリシス損が著しく低くなる。ま
た、高Si添加鋼では電気抵抗が高くなるため渦電流損を
下げるのにも有利である。したがって、 6.5%Si前後の
高珪素鋼板では、ヒステリシス損と渦電流損の両方の鉄
損要因を同時に下げることができるため、同等の電気抵
抗を有するそのほかの高合金鋼に比べ良好な磁気特性が
得られると考えられている。しかし、この発明に示され
ているような高珪素鋼板は極めて脆く、たとえ製造でき
ても鋼板の使用者側で鉄心に加工するには特殊な設備や
条件が必要となるため、用途が非常に限られたものにな
る。
【0006】特開昭62−196354号公報と特開昭62−1963
58号公報には、Si: 2.5〜7.0 %を含有し、かつW: 0.
05〜3.0 %、Mo: 0.05〜3.0 %、Ti: 0.05〜3.0 %、M
n:0.1〜11.5%、Ni:0.1〜20.0%、Co:0.5〜20.0%、Cr:
0.1 〜10.0%およびAl:0.5〜13.0%のうちから選んだ
1種または2種以上を20.0%を越えない範囲で含有する
高合金軟磁性鋼板が示されている。しかしこれらの鋼板
でも、 6.5%前後のSiを含有させた場合には磁気特性は
良好になるが、同様に脆く、打ち抜き加工性は当然悪く
なる。一方、Siを他の合金成分で置換した場合には良好
な磁気特性が得られない。また、上記の二つの発明に示
される鋼板の主要な製造方法は、溶湯急冷法であると考
えられ、製品は板厚が0.30mm以下の極めて薄いものに限
定されている。このため、やはり用途も限定されたもの
とならざるをえない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、種々
の板厚の製品を製造する際にも容易に適用することがで
きる一般的な熱間圧延、冷間圧延を経るプロセスによ
り、高周波域における鉄損が低く、かつ打ち抜きや切断
による鉄心への加工が容易な無方向性電磁鋼板の製造方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は次の製造
方法にある。
【0009】重量%で、Si:1.5〜3.5 %、Mn:0.2〜4.0
%およびAl:2.5〜4.5 %を含有し、残部はFeおよび不可
避的不純物からなる鋼スラブを熱間圧延後、 650〜1000
℃で熱延板焼鈍を施してから、中間焼鈍を挟む2回の冷
間圧延で、1回目、2回目の冷間圧延圧下率をそれぞれ
40〜80%として製品板厚に仕上げた後、焼鈍を行う鉄損
の低い無方向性電磁鋼板の製造方法。
【0010】前述したように 6.5%Si前後の高珪素含有
鋼板は、高周波磁気特性に対し有利であるが、極めて脆
く冷間圧延時に割れが生じやすい。また、たとえ割れず
に冷間圧延ができたとしても、ユーザーでの打ち抜き加
工などによる鉄心への加工作業には、極めて特殊な条件
が要求される。
【0011】本発明者らは、冷間圧延時の延性が良好
で、高珪素鋼板と同等の良好な磁気特性を有し、かつ鉄
心加工が容易な無方向性電磁鋼板の製造方法を詳細に検
討し、下記〜の知見を得た。
【0012】適正量のSi、Mn、Alの複合添加により電
気抵抗を増加させた鋼板では、 6.5%前後のSiを単独添
加して電気抵抗を増加した鋼板と同等の良好な磁気特性
が得られる。しかも、打ち抜き加工性はSi単独添加の場
合に比べ優れている。
【0013】熱延板焼鈍で鋼板を再結晶させることに
より、磁気特性の改善ばかりでなく冷間圧延時の加工性
が改善される。
【0014】冷間圧延は、中間焼鈍を挟む2回の冷間
圧延を行い、2回の冷間圧延の圧下率を共に40〜80%と
することが、磁気特性の改善に有効である。
【0015】
【作用】以下に、本発明の構成要件毎に作用効果を説明
する。%は重量%を意味する。
【0016】(1)素材鋼スラブの組成 (a) Si Siは磁気特性に大きな影響を与える元素であり、含有量
が増加するほど鋼板の電気抵抗が上昇して渦電流損が低
下し、結果として鉄損が低減する。しかし、Si含有量が
3.5%を超えると、加工性が低下して冷間圧延が困難と
なるとともに、たとえ圧延できても鉄心成形のための打
ち抜き加工時に割れが発生しやすくなる。一方、 1.5%
未満の含有量では鋼板の電気抵抗が低く、鉄損の低減が
できない。したがって、Si含有量の適正範囲は 1.5〜3.
5 %である。
【0017】(b) Mn 高Si、高Al鋼において冷間圧延時の割れ発生を防止する
ためには、Mn含有量を0.2 %以上とすることが有効であ
る。この原因は明確ではないが、Mnの固溶効果で熱延板
焼鈍時の結晶粒径の粗大化が抑制されることによるもの
とも考えられる。また、MnはSiと同様に鋼板の電気抵抗
を上昇させるのに有効であり、鉄損低減の観点から積極
的な添加も有効である。しかし、Mn含有量が 4.0%を超
えると強度が上昇しすぎて冷間圧延を困難にすることか
ら、その上限を 4.0%とした。すなわち、Mn含有量の範
囲は 0.2〜4.0 %とすることが必要である。
【0018】(c) Al Alを適正量のSi、Mnとともに複合添加することにより、
高周波域において極めて良好な磁気特性を得ることがで
きる。このような磁気特性の改善効果はAl含有量が 2.5
%未満では得ることができない。この理由の一つは、Al
添加がSi添加とほぼ同等の電気抵抗の増加効果を持ち、
2.5%未満では電気抵抗が低すぎて高周波域での鉄損を
低下させることができないからである。
【0019】しかし、Si、MnとAlの複合添加が磁気特性
改善に極めて有効であることは、単に電気抵抗の上昇だ
けでは説明できない。これら三つの元素の適量添加が、
高周波域での渦電流損に対し有利な磁区構造を生じさせ
るためではないかと考えられる。
【0020】一方、Al含有量が 4.5%を超えると冷間圧
延や打ち抜き加工時に割れが発生しやすいため、その上
限値を 4.5%とした。したがって、Al含有量の適正範囲
は 2.5〜4.5 %である。
【0021】上記三元素以外は鋼スラブではなるべく低
く抑えることが望ましい。
【0022】Cは鉄損に悪影響を与えるので 0.010%以
下、さらに言えば 0.005%以下が望ましい。製品段階で
残存したCは炭化物を生成し、これが磁壁移動の障害物
となり鉄損が増加するからである。
【0023】SはMnと結合してMnS を形成し、炭化物と
同様に磁壁移動の障害となり鉄損特性の劣化をもたら
す。したがって、S含有量が低いほど磁気特性は改善さ
れるので、0.006 %以下、さらに言えば 0.003%以下と
するのが望ましい。
【0024】Pは鋼板を脆化させるので、 0.020%以下
とするのが望ましい。
【0025】NはAlと結合してAlN を形成し、磁壁移動
の障害となるため低くすることが必要であり、このため
0.0060%以下とすることが望ましい。なお、割れ防止の
観点からBを0.0020%以下の範囲で含有させることは妨
げない。
【0026】(2)製造工程 次に、製造工程および条件の限定理由について説明す
る。
【0027】素材の鋼スラブは前記の組成をもつもので
ある。これは、転炉、電気炉等で溶製し、必要があれば
真空脱ガス等の処理を施した溶鋼を、連続鋳造法でスラ
ブにしたもの、あるいはインゴットにして分塊圧延した
もののいずれでもよい。
【0028】スラブの熱間圧延条件については特に限定
しない。しかし、望ましい温度範囲は、スラブ加熱温度
で1100〜1270℃、圧延仕上温度で 700〜950 ℃である。
【0029】(a) 熱延板焼鈍 熱延板を焼鈍して再結晶させることにより、磁気特性の
改善と冷間圧延時の割れ抑制が達成できる。焼鈍の方法
は箱焼鈍方式、連続焼鈍方式のいずれでもよい。
【0030】焼鈍温度が 650℃未満では熱延板の再結晶
が十分に進行せず、焼鈍の効果が得られない。一方、焼
鈍温度が1000℃を超えると結晶粒が粗大化しすぎて、冷
間圧延時に割れが生じやすくなる。したがって、熱延板
焼鈍温度は 650〜1000℃とした。箱焼鈍の場合には 650
〜900 ℃が、連続焼鈍の場合には 750〜1000℃が、それ
ぞれ望ましい。
【0031】(b) 冷間圧延 冷間圧延条件は本発明において極めて重要な要件であ
る。中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延の圧下率を、1回
目、2回目共に40〜80%とすることが良好な磁気特性を
得るために必要である。
【0032】中間焼鈍は、1回目の冷間圧延で形成され
た加工組織を再結晶させることが目的である。
【0033】中間焼鈍条件は特に限定しない。箱焼鈍方
式と連続焼鈍方式のいずれでも可能であり、熱延板焼鈍
と同様の 650〜1000℃の範囲で均熱するのが望ましい。
【0034】前記の熱延板焼鈍を実施して、かつ上記の
中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延の圧下率を共に40〜80%
に適正化することにより、2回目の冷間圧延後の焼鈍に
おいて、磁気特性に有利な集合組織を形成させる。
【0035】冷間圧延はもちろん室温でもよいが、割れ
防止の観点から鋼板を350 ℃以下に加熱して実施しても
よい。350 ℃を超えると圧延時の鋼板の形状制御が困難
になるとともに、圧延油も特殊な性状のものを用いなけ
ればならなくなるからである。
【0036】(c) 冷間圧延後の焼鈍 2回の冷間圧延により所定の板厚に仕上げられた鋼板
は、焼鈍して再結晶と粒成長を行わせることにより、良
好な磁気特性を有するものにすることができる。
【0037】この場合の焼鈍も箱焼鈍方式、連続焼鈍方
式のいずれでもよく、その条件は特に限定する必要はな
いが、焼鈍温度の範囲は700 ℃以上、1250℃以下とする
のが望ましい。700 ℃未満では再結晶と粒成長が十分に
達成できない。一方、1250℃を超えると磁気特性は改善
されず、経済的に無意味である。
【0038】
【実施例】
〔試験1〕表1に示す組成の6種類の供試鋼を真空高周
波炉で溶製し、50kgインゴットとした。これらの供試鋼
は電気抵抗がほぼ等しく、SiとAlの含有量を大きく変化
させたものである。全ての鋼種において、C: 0.0030%
以下、P:0.015%以下、S: 0.0020%以下、N: 0.0030
%以下であり、その他の元素も不可避的不純物のレベル
である。
【0039】
【表1】
【0040】各インゴットを1200℃に加熱後、仕上温度
850 ℃の熱間圧延により厚さ 2.3mmの板材とした。次
に、800 ℃で1時間均熱の熱延板焼鈍を施して、厚さ0.
80mmまで1回目の冷間圧延(圧下率65%)を行った。冷
間圧延はいずれも試験片を 100℃に加熱して行い、この
結果、鋼種C、D、E、Fは目標の板厚まで圧延できた
ものの、鋼種A、Bでは割れが発生し、圧延できなかっ
た。そこで、鋼種A、Bは試験片を300 ℃まで加熱し
て、目標の板厚まで同じ圧下率で冷間圧延を行った。
【0041】上記の1回目の冷間圧延後、900 ℃で1分
間均熱の中間焼鈍を施して冷却した。2回目の冷間圧延
では、上記の中間焼鈍後材のうち、鋼種A、Bは300
℃、鋼種C、D、E、Fは100 ℃に加熱して全て同じ圧
下率56%で厚さ0.35mmに仕上げた。
【0042】上記の2回目の冷間圧延を施した鋼板に、
1000℃で1分間均熱の焼鈍を行った後、圧延方向および
圧延直角方向を長手方向として、幅30mm、長さ280 mmの
エプスタイン磁気特性測定試験片を打ち抜いた。しか
し、鋼種A、Bは打ち抜き端面から亀裂が入り割れてし
まったため、放電加工により上記と同じ試験片を作製し
た。
【0043】これらの試験片を用いて、800 ℃で2時間
の歪取り焼鈍を実施した後、エプスタイン磁気測定器に
より磁気特性を測定した。これらの一連の試験結果を併
せて表1に示す。
【0044】本発明で定める条件を全て満たして、鋼種
CとDから製造された鋼板は、冷間圧延や打ち抜き加工
で割れの発生がなく良好な加工性を示すとともに、磁気
特性も、従来の良好なレベルを有する高珪素鋼板に相当
する鋼種Aの場合と同等の良好なものであることがわか
る。
【0045】本発明で定める範囲よりSiが高くAlが低い
鋼種AとBから製造された鋼板では、本発明例を凌ぐほ
どの磁気特性が得られないばかりか、冷間圧延で割れが
発生しやすく、さらに打ち抜き加工でも割れが発生し
た。このように、これらの鋼種は極めて使いにくい材料
である。また、本発明で定める範囲よりSiが低い鋼種E
とSiが低くAlが高い鋼種Fから製造された鋼板では、本
発明例の鋼種C、Dの場合と同様に加工性は良好である
が、磁気特性が劣っている。
【0046】〔試験2〕表2に示すMn以外はほぼ同じ組
成の2種類の供試鋼を真空高周波炉で溶製し、50kgイン
ゴットとした。これらの鋼においても、表示以外の成分
は前記試験1の場合と全く同じレベルである。
【0047】
【表2】
【0048】各インゴットを1200℃に加熱後、仕上温度
850 ℃の熱間圧延により厚さ2.3 mmの板材とした。次
に、表2に示すように、試験番号1と3では焼鈍せず、
他は表示の各温度で1分間均熱の熱延板焼鈍を行った
後、中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施した。各条件と
結果を表2に併せて示す。
【0049】1回目の冷間圧延で、試験番号1〜4と10
では、割れが発生して圧延が不可能であった。2回目の
冷間圧延は、1回目の冷間圧延が可能であった試験番号
5〜9を対象として、800 ℃で1時間均熱の中間焼鈍を
行った後、いずれの試験片も100 ℃に加熱して、厚さ0.
23mmまで仕上圧延した。
【0050】次に、上記の2回目の冷間圧延材に1000℃
で1分間均熱の焼鈍を施した鋼板から、試験1と同様の
打ち抜き試験片を作製し、800 ℃で2時間の歪取り焼鈍
して磁気特性測定試験に供した。表2にこの測定結果も
併せて示す。なお、供試鋼の電気抵抗は、試験番号1、
2では81μΩ・cm、試験番号3〜9では84μΩ・cmであ
った。
【0051】試験番号7、8は、全ての条件が本発明で
定める範囲にあるものである。これらの鋼板では、冷間
圧延や打ち抜き加工で割れの発生がなく、良好な加工性
を示すとともに、磁気特性も良好なものであることがわ
かる。
【0052】Mnが本発明で定める下限よりも低い試験番
号1、2では、冷間圧延で割れが発生し以後の実験は行
えなかった。また、本発明で定める範囲の組成であって
も、熱延板焼鈍を実施しなかった試験番号3や、熱延板
焼鈍温度が本発明で定める範囲から外れた試験番号4、
10でも、やはり冷間圧延時に割れが発生して、以後の実
験が行えなかった。本発明で定める範囲の組成と熱延板
焼鈍条件であっても、1回目と2回目の冷間圧延圧下率
が、40%未満かまたは80%を超える試験番号5、6、9
ではいずれも磁気特性が劣っている。
【0053】〔試験3〕表3に示す組成の2種類の供試
鋼を真空高周波炉で溶製し、50kgインゴットとした。鋼
種Gは本発明で定める範囲、鋼種Hは本発明で定める範
囲外の組成である。なお、これらの鋼では電気抵抗がほ
ぼ等しく、表示以外の成分は前記試験1の場合と全く同
じレベルである。
【0054】
【表3】
【0055】各インゴットを1200℃に加熱後、仕上温度
850 ℃の熱間圧延により厚さ2.0 mmの板材とした。次
に、750 ℃で5時間均熱の熱延板焼鈍を施してから、室
温で0.45mmの板厚まで1回目の冷間圧延(圧下率78%)
を行った。
【0056】鋼種Gは目標の板厚まで圧延できたもの
の、鋼種Hは割れが入り圧延できなかった。そこで、鋼
種Hは300 ℃まで加熱して目標の板厚まで圧延を実施し
た。
【0057】上記の1回目の冷間圧延後、700 ℃で5時
間均熱の中間焼鈍を施して冷却した。2回目の冷間圧延
では、上記の中間焼鈍後材のうち、鋼種Gは室温、鋼種
Hは300 ℃に加熱して圧下率78%で厚さ0.10mmに仕上げ
た。
【0058】上記の2回目の冷間圧延を施した鋼板に、
900 ℃で30秒間均熱の焼鈍を行った後、圧延方向および
圧延直角方向を長手方向として、幅30mm、長さ280 mmの
エプスタイン磁気特性測定試験片を打ち抜いた。しか
し、鋼種Hは打ち抜き端面から亀裂が入り割れてしまっ
たため、放電加工により上記と同じ試験片を作製した。
【0059】これらの試験片を800 ℃で2時間の歪取り
焼鈍して磁気特性測定試験に供した。
【0060】表3に加工性と磁気特性測定結果を併せて
示す。
【0061】表3からわかるように、本発明鋼である鋼
種Gでは、室温での冷間圧延や打ち抜き加工での割れ発
生がなく、良好な加工性を示すとともに、磁気特性も従
来の良好なレベルを有する高珪素鋼板に相当する鋼種H
の場合と同等の良好なものである。一方、本発明で定め
る範囲よりもSiが高くAlが低い鋼種Hでは、鋼種Gを凌
ぐほどの磁気特性が得られないばかりか、冷間圧延は可
能であっても、打ち抜き加工で割れが発生した。このよ
うに鋼種Hは極めて使いにくい材料である。
【0062】
【発明の効果】本発明の方法によれば、一般的な製造工
程により、鉄損が低く、しかも冷間加工性と打ち抜き加
工性に優れた無方向性電磁鋼板を得ることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、Si:1.5〜3.5 %、Mn:0.2〜4.0
    %およびAl:2.5〜4.5 %を含有し、残部はFeおよび不可
    避的不純物からなる鋼スラブを熱間圧延後、 650〜1000
    ℃で熱延板焼鈍を施してから、中間焼鈍を挟む2回の冷
    間圧延で、1回目、2回目の冷間圧延圧下率をそれぞれ
    40〜80%として製品板厚に仕上げた後、焼鈍を行う鉄損
    の低い無方向性電磁鋼板の製造方法。
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