JPH08283853A - 磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法Info
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- JPH08283853A JPH08283853A JP7085791A JP8579195A JPH08283853A JP H08283853 A JPH08283853 A JP H08283853A JP 7085791 A JP7085791 A JP 7085791A JP 8579195 A JP8579195 A JP 8579195A JP H08283853 A JPH08283853 A JP H08283853A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は電気機器鉄心材料として使用される
磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法に関する
ものである。 【構成】 無方向性電磁鋼板の製造において、C:0.
0025%以下、Si:2.5〜4.0%、Al:1.
5%以下、S:0.0020%以下、N:0.0020
%以下、Ti:0.0030%以下、V:0.0030
%以下、Nb:0.0050%以下、As:0.003
0%以下を含有する鋼を、熱間圧延後、熱延板焼鈍し、
1回または中間焼鈍をはさんだ2回以上の冷間圧延を行
い、その最終回冷間圧延の圧下率を60〜85%とし、
次いで950〜1100℃で5〜30秒間連続焼鈍する
ことにより、著しく鉄損の低い、磁気特性の優れた無方
向性電磁鋼板が得られる。
磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法に関する
ものである。 【構成】 無方向性電磁鋼板の製造において、C:0.
0025%以下、Si:2.5〜4.0%、Al:1.
5%以下、S:0.0020%以下、N:0.0020
%以下、Ti:0.0030%以下、V:0.0030
%以下、Nb:0.0050%以下、As:0.003
0%以下を含有する鋼を、熱間圧延後、熱延板焼鈍し、
1回または中間焼鈍をはさんだ2回以上の冷間圧延を行
い、その最終回冷間圧延の圧下率を60〜85%とし、
次いで950〜1100℃で5〜30秒間連続焼鈍する
ことにより、著しく鉄損の低い、磁気特性の優れた無方
向性電磁鋼板が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気機器鉄心材料として
使用される磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方
法に関するものであり、特にJIS規格で表わされる無
方向性電磁鋼板最高級グレード50A270〔鉄損W
15/50 が2.70w/kg以下(0.50mm板厚)〕、およ
び35A230〔鉄損W15/50 が2.30w/kg以下
(0.35mm板厚)〕よりもさらに優れた磁気特性を有
する最高級無方向性電磁鋼板の製造方法に関するもので
ある。
使用される磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方
法に関するものであり、特にJIS規格で表わされる無
方向性電磁鋼板最高級グレード50A270〔鉄損W
15/50 が2.70w/kg以下(0.50mm板厚)〕、およ
び35A230〔鉄損W15/50 が2.30w/kg以下
(0.35mm板厚)〕よりもさらに優れた磁気特性を有
する最高級無方向性電磁鋼板の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】無方向性電磁鋼板の高級グレードは、一
般に、大型回転機の鉄心材料等として使用される。19
70年代の石油危機以来、電気機器、特に、無方向性電
磁鋼板がその鉄心材料として使用される回転機の分野に
おいては、世界的な電力・エネルギー節減の動きの中
で、高効率化の技術思想が全世界的に定着しつつある。
従って、大型回転機においてもこの動きは例外ではな
く、前述の50A270,35A230グレードよりも
さらに鉄損値の低い最高級無方向性電磁鋼板を、その鉄
心材料として使用することが強く要望されている。
般に、大型回転機の鉄心材料等として使用される。19
70年代の石油危機以来、電気機器、特に、無方向性電
磁鋼板がその鉄心材料として使用される回転機の分野に
おいては、世界的な電力・エネルギー節減の動きの中
で、高効率化の技術思想が全世界的に定着しつつある。
従って、大型回転機においてもこの動きは例外ではな
く、前述の50A270,35A230グレードよりも
さらに鉄損値の低い最高級無方向性電磁鋼板を、その鉄
心材料として使用することが強く要望されている。
【0003】ところで、無方向性電磁鋼板においては、
従来より、低鉄損化の手段として一般に、電気抵抗増大
による渦電流損低減の観点から、SiあるいはAl等の
含有量を高める方法がとられてきた。しかし、この方法
では、冷間加工性等の点で、例えばSiの場合4.0%
以上の含有は通常の冷間圧延作業では脆化の問題で通板
が困難となるため、自ずと限界があった。また、鉄損は
低減できるものの、反面、磁束密度の低下は避け得ない
という問題点もあった。
従来より、低鉄損化の手段として一般に、電気抵抗増大
による渦電流損低減の観点から、SiあるいはAl等の
含有量を高める方法がとられてきた。しかし、この方法
では、冷間加工性等の点で、例えばSiの場合4.0%
以上の含有は通常の冷間圧延作業では脆化の問題で通板
が困難となるため、自ずと限界があった。また、鉄損は
低減できるものの、反面、磁束密度の低下は避け得ない
という問題点もあった。
【0004】さらに、特開昭58−23410号公報や
特開昭61−231120号公報に記載されているよう
に、無方向性電磁鋼板の仕上焼鈍工程は冷間圧延後の一
次再結晶により、結晶粒成長促進および結晶方位改善を
行わしめるものであり、ヒステリシス損低減の観点か
ら、仕上焼鈍工程にも工夫がなされてきた。しかしこれ
らはいずれも、仕上焼鈍の温度サイクルを2段〜3段と
する必要があり、仕上焼鈍の所要時間が長くなったり、
炉温設定が複雑になり、生産性の低下を余儀なくされて
いた。
特開昭61−231120号公報に記載されているよう
に、無方向性電磁鋼板の仕上焼鈍工程は冷間圧延後の一
次再結晶により、結晶粒成長促進および結晶方位改善を
行わしめるものであり、ヒステリシス損低減の観点か
ら、仕上焼鈍工程にも工夫がなされてきた。しかしこれ
らはいずれも、仕上焼鈍の温度サイクルを2段〜3段と
する必要があり、仕上焼鈍の所要時間が長くなったり、
炉温設定が複雑になり、生産性の低下を余儀なくされて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したような技術の
現状に鑑み本発明は、鉄損値の低い高級無方向性電磁鋼
板の製造方法を、磁束密度の低下や生産性の劣化を極力
抑えた製造プロセスで提供することを目的とする。
現状に鑑み本発明は、鉄損値の低い高級無方向性電磁鋼
板の製造方法を、磁束密度の低下や生産性の劣化を極力
抑えた製造プロセスで提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋼の特定
成分の高純度鋼化により、短時間かつ単純な温度サイク
ルの仕上焼鈍で、鉄損値の低い磁気特性の優れた高級無
方向性電磁鋼板が得られないかとの観点から鋭意研究を
積み重ねてきた。その結果、Siを2.5〜4.0%、
Alを1.5%以下含有する鋼において、SおよびN含
有量を低減し、さらに、Ti,V,Nb,As含有量を
も同時に低減して高純度鋼化すれば、短時間の単サイク
ル仕上焼鈍でも、鉄損値の低い無方向性電磁鋼板が得ら
れることを究明した。
成分の高純度鋼化により、短時間かつ単純な温度サイク
ルの仕上焼鈍で、鉄損値の低い磁気特性の優れた高級無
方向性電磁鋼板が得られないかとの観点から鋭意研究を
積み重ねてきた。その結果、Siを2.5〜4.0%、
Alを1.5%以下含有する鋼において、SおよびN含
有量を低減し、さらに、Ti,V,Nb,As含有量を
も同時に低減して高純度鋼化すれば、短時間の単サイク
ル仕上焼鈍でも、鉄損値の低い無方向性電磁鋼板が得ら
れることを究明した。
【0007】本発明は上記の知見に基づきなされたもの
であり、その要旨は、重量%で、C:0.0025%以
下、Si:2.5〜4.0%、Al:1.5%以下を含
有し、残部Feと0.0020%以下のS、0.002
0%以下のN、0.0030%以下のTi、0.003
0%以下のV、0.0050%以下のNb、0.003
0%以下のAs、他の不可避不純物元素よりなる鋼を、
熱間圧延後、熱延板焼鈍し、次いで1回または中間焼鈍
をはさんだ2回以上の冷間圧延を行い、950〜110
0℃の温度範囲で5〜30秒間連続焼鈍するところにあ
る。尚、前記1回または中間焼鈍をはさんだ2回以上の
冷間圧延において、その最終回冷間圧延の圧下率を60
〜85%とすることが好ましい。
であり、その要旨は、重量%で、C:0.0025%以
下、Si:2.5〜4.0%、Al:1.5%以下を含
有し、残部Feと0.0020%以下のS、0.002
0%以下のN、0.0030%以下のTi、0.003
0%以下のV、0.0050%以下のNb、0.003
0%以下のAs、他の不可避不純物元素よりなる鋼を、
熱間圧延後、熱延板焼鈍し、次いで1回または中間焼鈍
をはさんだ2回以上の冷間圧延を行い、950〜110
0℃の温度範囲で5〜30秒間連続焼鈍するところにあ
る。尚、前記1回または中間焼鈍をはさんだ2回以上の
冷間圧延において、その最終回冷間圧延の圧下率を60
〜85%とすることが好ましい。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明の鋼成分の限定理由について述べる。Cは鉄損を高
める有害な成分で、特に磁気時効には極力注意をする必
要があり、0.0025%以下とする。Siは前述のよ
うに電気抵抗を増大させて渦電流損を低減することによ
り鉄損を低下させる作用のある成分であり、この作用を
十分に奏ぜしめるためには2.5%以上含有させる必要
がある。一方、その含有量が増えると、前述のように冷
延等の作業性を劣化させ、また磁束密度の低下を招き、
さらにはコスト高ともなるので4.0%以下とする。A
lは、Siと同様に電気抵抗を増大させて渦電流損を低
減することにより鉄損を低下させる作用のある成分であ
り、かつ鋼の脱酸のために添加する成分であるが、その
含有量が1.5%を超えると鋼が脆化し冷延等の作業性
を劣化させる。
発明の鋼成分の限定理由について述べる。Cは鉄損を高
める有害な成分で、特に磁気時効には極力注意をする必
要があり、0.0025%以下とする。Siは前述のよ
うに電気抵抗を増大させて渦電流損を低減することによ
り鉄損を低下させる作用のある成分であり、この作用を
十分に奏ぜしめるためには2.5%以上含有させる必要
がある。一方、その含有量が増えると、前述のように冷
延等の作業性を劣化させ、また磁束密度の低下を招き、
さらにはコスト高ともなるので4.0%以下とする。A
lは、Siと同様に電気抵抗を増大させて渦電流損を低
減することにより鉄損を低下させる作用のある成分であ
り、かつ鋼の脱酸のために添加する成分であるが、その
含有量が1.5%を超えると鋼が脆化し冷延等の作業性
を劣化させる。
【0009】無方向性電磁鋼板の鉄損を低減するために
は、上記のように電気抵抗を増大させて渦電流損を低減
すると同時に、仕上焼鈍工程における一次再結晶によ
り、結晶粒成長を促進し、ヒステリシス損を低減するこ
とが重要である。このためには、結晶粒成長を阻害する
析出物等の要因を除去する必要がある。S含有量が0.
0020%を超えるとMnS等の硫化物の析出が顕著と
なり、仕上焼鈍工程での結晶粒成長が阻害される。
は、上記のように電気抵抗を増大させて渦電流損を低減
すると同時に、仕上焼鈍工程における一次再結晶によ
り、結晶粒成長を促進し、ヒステリシス損を低減するこ
とが重要である。このためには、結晶粒成長を阻害する
析出物等の要因を除去する必要がある。S含有量が0.
0020%を超えるとMnS等の硫化物の析出が顕著と
なり、仕上焼鈍工程での結晶粒成長が阻害される。
【0010】また、N含有量が0.0020%を超えた
り、あるいは、Ti含有量、V含有量、Nb含有量がそ
れぞれ0.0030%、0.0030%、0.0050
%を超えると、TiN,VN,NbN等の窒化物の析出
が顕著となり、硫化物の場合と同様に、仕上焼鈍工程で
の結晶粒成長が阻害される。
り、あるいは、Ti含有量、V含有量、Nb含有量がそ
れぞれ0.0030%、0.0030%、0.0050
%を超えると、TiN,VN,NbN等の窒化物の析出
が顕著となり、硫化物の場合と同様に、仕上焼鈍工程で
の結晶粒成長が阻害される。
【0011】さらに、結晶粒成長を阻害する析出物の形
成に影響を及ぼす要因として、As含有量に注意をはら
う必要がある。Asは、それ自体では、本発明の成分範
囲内の鋼では、上記の硫化物や窒化物等の析出物を形成
することはない。しかし、鋼中に、一定量以上のAsが
含有されると、硫化物の析出サイズが微細化される。す
なわち、鋼中の全硫化物量が一定であっても、Asが含
有されている場合には、硫化物サイズが微細になるた
め、硫化物の総個数が増大し、仕上焼鈍工程での結晶粒
成長を著しく阻害する結果となる。硫化物の析出物微細
化を介しての、このようなAsによる結晶粒成長阻害を
防止するためには、As含有量は0.0030%以下に
する必要がある。
成に影響を及ぼす要因として、As含有量に注意をはら
う必要がある。Asは、それ自体では、本発明の成分範
囲内の鋼では、上記の硫化物や窒化物等の析出物を形成
することはない。しかし、鋼中に、一定量以上のAsが
含有されると、硫化物の析出サイズが微細化される。す
なわち、鋼中の全硫化物量が一定であっても、Asが含
有されている場合には、硫化物サイズが微細になるた
め、硫化物の総個数が増大し、仕上焼鈍工程での結晶粒
成長を著しく阻害する結果となる。硫化物の析出物微細
化を介しての、このようなAsによる結晶粒成長阻害を
防止するためには、As含有量は0.0030%以下に
する必要がある。
【0012】上記の成分以外は鉄および不可避不純物元
素であるが、鋼の電気抵抗をより高めて鉄損を低減する
目的で、必要に応じてMnを添加してもよい。この場
合、Mnは0.1%以上含有させる必要があり、一方、
その含有量が増えると、Siの場合と同様に磁束密度の
低下を招き、またコスト高ともなるので1.0%以下と
する。
素であるが、鋼の電気抵抗をより高めて鉄損を低減する
目的で、必要に応じてMnを添加してもよい。この場
合、Mnは0.1%以上含有させる必要があり、一方、
その含有量が増えると、Siの場合と同様に磁束密度の
低下を招き、またコスト高ともなるので1.0%以下と
する。
【0013】また、磁束密度の低下を極力抑えて鋼の電
気抵抗を高め、鉄損をより一層低減する目的で、必要に
応じてNiを添加してもよい。この場合、Niは0.1
%以上含有させる必要があり、一方、その含有量が増え
ると、著しくコスト高を招くので3.0%以下とする。
気抵抗を高め、鉄損をより一層低減する目的で、必要に
応じてNiを添加してもよい。この場合、Niは0.1
%以上含有させる必要があり、一方、その含有量が増え
ると、著しくコスト高を招くので3.0%以下とする。
【0014】前記成分からなる鋼は、転炉あるいは電気
炉等で溶製し、連続鋳造あるいは造塊後の分塊圧延によ
り鋼スラブとする。次いで、この鋼スラブは所望温度に
加熱後、熱間圧延する。熱間圧延後は、冷間圧延前の結
晶粒径を粗大化させ、冷間圧延後の一次再結晶焼鈍時の
結晶方位を磁気的性質に望ましい(100)もしくは
(110)結晶方位に発達させ、かつ磁気的性質に望ま
しくない(111)結晶方位を抑制するために熱延板焼
鈍を施す。
炉等で溶製し、連続鋳造あるいは造塊後の分塊圧延によ
り鋼スラブとする。次いで、この鋼スラブは所望温度に
加熱後、熱間圧延する。熱間圧延後は、冷間圧延前の結
晶粒径を粗大化させ、冷間圧延後の一次再結晶焼鈍時の
結晶方位を磁気的性質に望ましい(100)もしくは
(110)結晶方位に発達させ、かつ磁気的性質に望ま
しくない(111)結晶方位を抑制するために熱延板焼
鈍を施す。
【0015】熱延板焼鈍の後、1回の冷間圧延により最
終板厚にするか、あるいは、中間に焼鈍をはさむ2回以
上の冷間圧延により最終板厚にする。この場合、最終回
冷間圧延の圧下率は60〜85%とするのが好ましく、
これにより、冷間圧延後の一次再結晶焼鈍時の結晶方位
を、磁気的性質に望ましい(110)結晶方位により一
層発達させることができる。
終板厚にするか、あるいは、中間に焼鈍をはさむ2回以
上の冷間圧延により最終板厚にする。この場合、最終回
冷間圧延の圧下率は60〜85%とするのが好ましく、
これにより、冷間圧延後の一次再結晶焼鈍時の結晶方位
を、磁気的性質に望ましい(110)結晶方位により一
層発達させることができる。
【0016】冷間圧延の後、一次再結晶を行わしめるた
め連続仕上焼鈍を施す。仕上焼鈍は、温度が950℃未
満では結晶粒成長が十分に行われず、鉄損が低減できな
いので950℃以上とする。一方、その温度が1100
℃を超えると鋼板表面に酸化層が生成し、著しく鉄損が
増大するので1100℃以下とする。また、仕上焼鈍の
時間が5秒未満では結晶粒成長が十分に行われず、鉄損
が低減できないので5秒以上とする。一方、その時間が
30秒を超えると、結晶粒成長が飽和し、むしろ鋼板表
面に酸化層が生成しやすくなり鉄損が増大し、さらに、
生産性が劣化するので30秒以下とする。
め連続仕上焼鈍を施す。仕上焼鈍は、温度が950℃未
満では結晶粒成長が十分に行われず、鉄損が低減できな
いので950℃以上とする。一方、その温度が1100
℃を超えると鋼板表面に酸化層が生成し、著しく鉄損が
増大するので1100℃以下とする。また、仕上焼鈍の
時間が5秒未満では結晶粒成長が十分に行われず、鉄損
が低減できないので5秒以上とする。一方、その時間が
30秒を超えると、結晶粒成長が飽和し、むしろ鋼板表
面に酸化層が生成しやすくなり鉄損が増大し、さらに、
生産性が劣化するので30秒以下とする。
【0017】
【実施例】次に本発明の実施例を示す。 〔実施例1〕表1に示した成分の鋼を、2.3mm厚に熱
間圧延後、950℃で1分間の熱延板焼鈍を施し、0.
50mm厚に冷間圧延した後、1000℃で10秒間の連
続仕上焼鈍を施した。その後、エプスタイン試料に切断
し、磁気特性を測定した。その測定結果も併せて同表に
示した。本発明により、鉄損値の著しく低い磁気特性の
優れた高級無方向性電磁鋼板が、短時間の単サイクル連
続仕上焼鈍で製造できることが明らかである。
間圧延後、950℃で1分間の熱延板焼鈍を施し、0.
50mm厚に冷間圧延した後、1000℃で10秒間の連
続仕上焼鈍を施した。その後、エプスタイン試料に切断
し、磁気特性を測定した。その測定結果も併せて同表に
示した。本発明により、鉄損値の著しく低い磁気特性の
優れた高級無方向性電磁鋼板が、短時間の単サイクル連
続仕上焼鈍で製造できることが明らかである。
【0018】
【表1】
【0019】〔実施例2〕表2に示した成分の鋼を、
2.0mm厚に熱間圧延後、940℃で1分間の熱延板焼
鈍を施し、0.35mm厚に冷間圧延した後、950℃で
20秒間の連続仕上焼鈍を施した。その後、エプスタイ
ン試料に切断し、磁気特性を測定した。その測定結果も
併せて同表に示した。本発明により、鉄損値の極めて低
い磁気特性の優れた高級無方向性電磁鋼板の製造が可能
である。
2.0mm厚に熱間圧延後、940℃で1分間の熱延板焼
鈍を施し、0.35mm厚に冷間圧延した後、950℃で
20秒間の連続仕上焼鈍を施した。その後、エプスタイ
ン試料に切断し、磁気特性を測定した。その測定結果も
併せて同表に示した。本発明により、鉄損値の極めて低
い磁気特性の優れた高級無方向性電磁鋼板の製造が可能
である。
【0020】
【表2】
【0021】〔実施例3〕C:0.0017%、Si:
3.16%、Mn:0.19%、Al:1.21%、N
i:0.94%、S:0.0008%、N:0.000
9%、Ti:0.0021%、V:0.0018%、N
b:0.0021%、As:0.0019%を含有する
鋼を、表3に示した板厚に熱間圧延後、970℃で40
秒間の熱延板焼鈍を施し、同じく表3に示した条件で冷
間圧延、および連続仕上焼鈍を施した。その後、エプス
タイン試料に切断し、磁気特性を測定した。その測定結
果も併せて同表に示した。本発明の連続仕上焼鈍条件に
より、鉄損値の著しく低い磁気特性の優れた高級無方向
性電磁鋼板の製造が可能であり、特に最終回冷間圧延の
圧下率が60〜85%の範囲である場合に、その効果が
顕著であることが明らかである。
3.16%、Mn:0.19%、Al:1.21%、N
i:0.94%、S:0.0008%、N:0.000
9%、Ti:0.0021%、V:0.0018%、N
b:0.0021%、As:0.0019%を含有する
鋼を、表3に示した板厚に熱間圧延後、970℃で40
秒間の熱延板焼鈍を施し、同じく表3に示した条件で冷
間圧延、および連続仕上焼鈍を施した。その後、エプス
タイン試料に切断し、磁気特性を測定した。その測定結
果も併せて同表に示した。本発明の連続仕上焼鈍条件に
より、鉄損値の著しく低い磁気特性の優れた高級無方向
性電磁鋼板の製造が可能であり、特に最終回冷間圧延の
圧下率が60〜85%の範囲である場合に、その効果が
顕著であることが明らかである。
【0022】
【表3】
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、JIS
規格で表わされる無方向性電磁鋼板最高級グレード50
A270、および35A230よりもさらに低鉄損の高
級無方向性電磁鋼板を、短時間の単サイクル連続仕上焼
鈍により、生産性の低下をきたすことなく容易に製造す
ることができ、電気機器の高効率化の動きの中で、その
鉄心材料である無方向性電磁鋼板に対してなされる要請
に十分に応えることが可能である。従って、その工業的
価値は極めて高い。
規格で表わされる無方向性電磁鋼板最高級グレード50
A270、および35A230よりもさらに低鉄損の高
級無方向性電磁鋼板を、短時間の単サイクル連続仕上焼
鈍により、生産性の低下をきたすことなく容易に製造す
ることができ、電気機器の高効率化の動きの中で、その
鉄心材料である無方向性電磁鋼板に対してなされる要請
に十分に応えることが可能である。従って、その工業的
価値は極めて高い。
フロントページの続き (72)発明者 妹尾 聖一 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 金尾 真一 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、 C :0.0025%以下、 Si:2.5〜4.0
%、 Al:1.5%以下を含有し、残部Feと0.0020
%以下のS、 0.0020%以下のN、 0.0030%以下のTi、 0.0030%以下の
V、 0.0050%以下のNb、 0.0030%以下のA
s 他の不可避不純物元素よりなる鋼を、熱間圧延後、熱延
板焼鈍し、次いで、1回または中間焼鈍をはさんだ2回
以上の冷間圧延を行い、950〜1100℃の温度範囲
で5〜30秒間連続焼鈍することを特徴とする磁気特性
の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 重量%で、 C :0.0025%以下、 Si:2.5〜4.0
%、 Al:1.5%以下を含有し、残部Feと0.0020
%以下のS、 0.0020%以下のN、 0.0030%以下のTi、 0.0030%以下の
V、 0.0050%以下のNb、 0.0030%以下のA
s 他の不可避不純物元素よりなる鋼を、熱間圧延後、熱延
板焼鈍し、次いで、1回または中間焼鈍をはさんだ2回
以上の冷間圧延を行い、その最終回冷間圧延の圧下率を
60〜85%とし、950〜1100℃の温度範囲で5
〜30秒間連続焼鈍することを特徴とする磁気特性の優
れた無方向性電磁鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7085791A JPH08283853A (ja) | 1995-04-11 | 1995-04-11 | 磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7085791A JPH08283853A (ja) | 1995-04-11 | 1995-04-11 | 磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08283853A true JPH08283853A (ja) | 1996-10-29 |
Family
ID=13868717
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7085791A Pending JPH08283853A (ja) | 1995-04-11 | 1995-04-11 | 磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08283853A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003033746A1 (de) * | 2001-10-12 | 2003-04-24 | Thyssenkrupp Stahl Ag | Verfahren zum herstellen von nichtkornorientierten elektroblechen |
WO2010010836A1 (ja) | 2008-07-22 | 2010-01-28 | 新日本製鐵株式会社 | 無方向性電磁鋼板及びその製造方法 |
US7763122B2 (en) | 2005-12-27 | 2010-07-27 | Posco Co., Ltd. | Non-oriented electrical steel sheets with improved magnetic property and method for manufacturing the same |
CN107723591A (zh) * | 2017-09-28 | 2018-02-23 | 马钢(集团)控股有限公司 | 一种新能源汽车驱动电机用冷轧无取向电工钢及其生产方法 |
EP4079893A4 (en) * | 2019-12-19 | 2023-05-31 | Posco | NON-ORIENTED ELECTRICAL STEEL SHEET AND METHOD OF MANUFACTURING THEREOF |
-
1995
- 1995-04-11 JP JP7085791A patent/JPH08283853A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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