JPH0797628A - 磁束密度が高く、鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
磁束密度が高く、鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法Info
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- JPH0797628A JPH0797628A JP6143181A JP14318194A JPH0797628A JP H0797628 A JPH0797628 A JP H0797628A JP 6143181 A JP6143181 A JP 6143181A JP 14318194 A JP14318194 A JP 14318194A JP H0797628 A JPH0797628 A JP H0797628A
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Abstract
れた磁気特性を有する無方向性電磁鋼板を提供する。 【構成】 鋼中にSi,Mn,Alのいずれか少なくと
も1種以上を重量%で0.10≦Si≦2.50%、0.10≦Al
≦1.00%、0.10≦Mn≦2.00%かつ(Si+2Al)≦
2.50%、残部Feおよび不可避不純物からなる無方向性
電磁鋼板を熱間圧延し熱延板とし、1回の圧延工程で最
終板厚とし仕上焼鈍を施すか、もしくは冷間圧延の後仕
上焼鈍を施しその後に圧下率2〜20%のスキンパス圧
延により最終板厚とする無方向性電磁鋼板の製造方法に
おいて、仕上熱延工程における仕上温度を(Ar3 +5
0)℃以上の温度域としストリップ巻取り温度をAr1
点以上の温度域とし、その後(A1 −50)℃以上
〔(A1 +A3 )/2〕未満の温度域にて2分以上3時
間以内自己焼鈍することを特徴とする。
Description
して用いられる、磁束密度が高く、鉄損が低い優れた磁
気特性を有する無方向性電磁鋼板の製造方法に関するも
のである。
がその鉄心材料として使用される回転機および中、小型
変圧器等の分野においては、世界的な電力、エネルギー
節減、さらにはフロンガス規制等の地球環境保全の動き
の中で、高効率化の動きが急速に広まりつつある。この
ため、無方向性電磁鋼板に対しても、その特性向上、す
なわち、高磁束密度かつ低鉄損化への要請がますます強
まってきている。
従来、低鉄損化の手段として一般に、電気抵抗増大によ
る渦電流損低減の観点からSiあるいはAl等の含有量
を高める方法がとられてきた。しかし、この方法では反
面、磁束密度の低下は避け得ないという問題点があっ
た。また、単にSiあるいはAl等の含有量を高めるの
みではなく、特開昭61−231120号公報に記載さ
れているように、C,N,S,O等の低減による高純度
鋼化や、特開昭57−35626号公報に記載されてい
るような仕上げ焼鈍サイクルの工夫等の製造プロセス上
の処置もなされてきたが、いずれも低鉄損化は図られて
も、磁束密度についてはそれほどの効果はなかった。さ
らに、仕上げ焼鈍前の冷延圧下率を適正範囲に制御する
こと、熱延板焼鈍を施すこと、あるいは熱延条件の工夫
等による高磁束密度化が図られてきたが、磁束密度が高
くかつ鉄損が低い無方向性電磁鋼板を製造できるには至
らず、無方向性電磁鋼板に対する前記の要請に応えるこ
とは出来なかった。
おけるこのような問題点を解決し、高磁束密度かつ低鉄
損の無方向性電磁鋼板を提供することを目的とするもの
である。
ろは、以下の通りである。 (1)鋼中にSi,Mn,Alのいずれか少なくとも1種
以上を重量%で 0.10%≦Si≦2.50%、 0.10%≦Al≦1.00%、 0.10%≦Mn≦2.00% かつ、SiとAlの合計量が Si+2Al≦2.50% を満足し、残部がFeおよび不可避不純物からなるαγ
変態を有する成分から成り、この成分のスラブを用い、
熱間圧延し熱延板とし、1回の冷間圧延工程を施し次い
で仕上げ焼鈍を施す無方向性電磁鋼板の製造方法におい
て、仕上げ熱延後の巻取り温度をAr1 点以上とし、そ
の後、(A1 −50)℃以上〔(A1 +A3 )/2〕℃
未満の温度域にて2分以上3時間内自己焼鈍する事を特
徴とする磁束密度が高く、鉄損の低い無方向性電磁鋼板
の製造方法。 (2)鋼中にSi,Mn,Alのいずれか少なくとも1種
以上を重量%で 0.10%≦Si≦2.50%、 0.10%≦Al≦1.00%、 0.10%≦Mn≦2.00% かつ、SiとAlの合計量が Si+2Al≦2.50% を満足し、残部がFeおよび不可避不純物からなるαγ
変態を有する成分から成り、この成分のスラブを用い、
熱間圧延し熱延板とし、冷間圧延後仕上焼鈍を施し、そ
の後2%〜20%のスキンパス圧延を施す無方向性電磁
鋼板の製造方法において、仕上げ熱延後の巻取り温度を
Ar1 点以上とし、その後、(A1 −50)℃以上
〔(A1 +A3 )/2〕℃未満の温度域にて2分以上3
時間内自己焼鈍する事を特徴とする磁束密度が高く、鉄
損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法。 (3)前項(1)記載の仕上げ熱延終了温度を(Ar3 +
50)℃以上の温度とする事を特徴とする磁束密度が高
く、鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法。 (4)前項(2)記載の仕上げ熱延終了温度を(Ar3 +
50)℃以上の温度とする事を特徴とする磁束密度が高
く、鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法。
らは、低鉄損と高磁束密度を同時に達成すべく従来技術
における問題点を鋭意検討を重ねた結果、変態を有する
無方向性電磁鋼板にあって、仕上げ熱間圧延時の巻取り
および自己焼鈍をαγ変態点との関係において適切な条
件下で行うことによって、仕上げ焼鈍後の製品における
磁束密度が極めて高く、鉄損が良好な(鉄損値が低い)
無方向性電磁鋼板を安価に製造することに成功した。す
なわち、熱間圧延条件(巻取りおよび自己焼鈍)を規定
することにより、仕上げ焼鈍後の製品における集合組織
を制御し、磁束密度が極めて高く鉄損が良好な(鉄損が
低い)無方向性電磁鋼板を製造するようにしたものであ
る。
鋼板において鉄損値が低くかつ、磁束密度が高い無方向
性電磁鋼板を得るべく鋭意研究を重ねた結果、α〜γ変
態を有する無方向性電磁鋼板の熱間圧延工程において、
仕上げ熱延終了温度を(Ar3 +50)℃以上とし、巻
取り温度をAr1 点以上のα+γ域以上の温度とし、そ
の後、(A1 −50)℃以上、〔(A3 +A1 )/2〕
℃未満の温度にて2分以上3時間以内巻取ったコイルの
状態で自己焼鈍する事によって仕上げ焼鈍後の製品にお
ける集合組織を制御し、磁束密度が極めて高く鉄損が良
好な(鉄損値が低い)無方向性電磁鋼板を製造し得るこ
とを見いだした。
板の固有抵抗を増大させ渦流損を低減させ、鉄損値を改
善するために添加される。Si含有量が0.10%未満
であると固有抵抗が十分に得られないので0.10%以
上添加する必要がある。一方、Si含有量が2.50%
を越えるとα〜γ変態を生じなくなるので2.50%以
下とする必要がある。Alも、Siと同様に、鋼板の固
有抵抗を増大させ渦電流損を低減させる効果を有する。
このためには、0.10%以上添加する必要がある。一
方、Al含有量が1.00%を越えると、磁束密度が低
下し、コスト高ともなるので1.00%以下とする。さ
らに、(Si+2Al)が2.50%を越えると、α〜
γ変態を生じなくなるので、(Si+2Al)≦2.5
0%でなくてはならない。また、鋼中のAl含有量が
0.10%未満であっても本発明の効果はなんら損なわ
れるものではない。
抗を増大させ渦電流損を低減させる効果を有する。この
ため、Mn含有量は0.10%以上とする必要がある。
一方、Mn含有量が2.0%を越えると熱延時の変形抵
抗が増加し熱延が困難となるとともに、熱延後の結晶組
織が微細化しやすくなり、製品の磁気特性が悪化するの
で、Mn含有量は2.0%以下とする必要がある。ま
た、Mn添加によりαγ変態点が低下するため、本発明
における仕上げ熱延における2相域巻取りをより低温側
で実施することが可能となり、巻取り温度を高めること
による仕上げ熱延後の巻取り作業性の低下を改善し、鋼
板表面の酸化物形成を抑制することが可能になり歩留ま
りが向上するなどの点でMn添加は有効である。このよ
うな変態点制御の観点からはMn含有量は0.30%〜
1.50%であることが好ましい。
性、耐錆性の向上あるいはその他の目的のために、P,
B,Ni,Cr,Sb,Sn,Cuの1種または2種以
上を鋼中に含有させても本発明の効果は損なわれない。
的を達成することが出来る。低級グレードの無方向性電
磁鋼板は主として小型回転機であり、鉄損の低減のため
に冷延後の仕上げ焼鈍あるいはさらに歪み取り焼鈍中の
粒成長を促進させる必要があり、鋼中の微細析出物を減
らす必要がある。このためには、通常は鋼中のCの含有
量を低濃度にする必要があるが、本発明においては、熱
間圧延工程のストリップ巻取り温度をAr1 点以上と
し、その後、(A1 −50)℃以上、〔(A3 +A1 )
/2〕℃未満の温度にて2分〜3時間自己焼鈍する事か
ら、炭化物その他の析出物、介在物は十分に凝集析出す
る。従って、極低炭素とすることは要求されず、Cは
0.050%以下であれば良い。
素である。S,Nは熱間圧延工程におけるスラブ加熱中
に一部再固溶し、熱間圧延中にMnS,AlN等の析出
物を形成し、仕上げ焼鈍時に再結晶粒の成長を妨げたり
製品が磁化されるときに磁壁の移動を妨げるいわゆるピ
ニング効果を発揮し製品の低鉄損化を妨げる原因とな
る。従って、従来S≦0.010%、N≦0.010%
とすべき所であるが、本発明においてはCと同様の理由
により析出物の粗大凝集化による無害化がはかられるた
め、S≦0.020%、N≦0.020%であれば良
い。
ために0.1%までの範囲内において添加される。P≦
0.2%であれば、製品の磁気特性の観点から問題がな
い。Bは熱間圧延時にBNを形成させてAlNの微細析
出を妨げ、Nを無害化させるために添加される。B含有
量はNとの量のバランスが必要であり、その含有量は両
者の比B%/N%が0.5から1.5の範囲を満たすこ
とが好ましい。本発明においては熱延後に析出物の粗大
凝集化が行われるから、B添加の必要性は少ない。
る。従来から、相変態を有する無方向性電磁鋼板の熱間
圧延工程においては、製品の磁気特性向上の観点から、
熱延板結晶粒径の制御が行われてきた。熱延板の自己焼
鈍については特開昭54−76422号公報にその技術
が公開されており、自己焼鈍時のコイル温度確保のため
の保熱カバー使用については特開昭56−33436号
公報に開示されている。また、自己焼鈍時条件を適切に
設定することにより熱延板の結晶組織を粗大化し製品の
磁気特性改善をはかる方法については特開昭57−57
829号公報、特開昭60−50117号公報、仕上熱
延の最終スタンド通過温度をγ相域としてその後自己焼
鈍を実施する技術については特開昭58−136718
号公報に開示されている。しかし、これらの先願におけ
る実施例では、いずれも熱延後の巻取りおよびこれに続
く自己焼鈍はα相域にて行っており、本発明のごときα
+γ2相域にて巻取りを実施する技術とはその技術思想
が全く異なるものである。
なわち冷延前の結晶粒径を極力粗大化することに主眼が
おかれており、熱延後のγ相からα相への変態は熱延板
の結晶粒を微細化するために有害であるとみなされ、こ
れまで本発明のごとき自己焼鈍工程におけるγ相からα
相への変態の利用は省みられなかった。しかし発明者ら
は鋭意検討を重ねた結果、熱間圧延工程において(Ar
3 +50)℃以上の温度にて仕上圧延を終了しα+γ2
相域以上の温度域で当該ストリップを巻取り、その自己
焼鈍温度および自己焼鈍時間を適切に制御し、γ相から
α相への変態を制御することにより製品における磁気特
性が著しく改善され得ることを発見し本発明の完成に至
った。
され連続鋳造あるいは造塊−分塊圧延により製造され
る。鋼スラブは公知の方法にて加熱される。このスラブ
に熱間圧延を施し所定の厚みとする。この際、仕上げ熱
延の終了温度は(Ar3 +50) ℃以上とし、Ar1 点
以上の温度で巻取った後、必要に応じこのコイルを保熱
カバー等の公知の方法にて保熱あるいはコイルの温度制
御のため補助加熱等の手段を用いることにより(A1 −
50)℃以上、〔(A3 +A1 )/2〕未満の温度にて
自己焼鈍する。
には、仕上げ熱延後の冷却と巻取り温度確保を同時に達
成することが必要である。仕上げ熱延終了温度が(Ar
3 +50)を下回ると、巻取りまでに再結晶・粒成長を
十分に進行させることが出来なくなり、自己焼鈍中の粒
成長との相乗効果により粗大結晶組織化することが困難
になる。さらに、巻取り温度をAr1 点以上確保するこ
とも困難になり、仕上げ熱延スタンド後の冷却帯での鋼
板の冷却を十分に施すことが出来ず、鋼板の温度分布が
長手方向で大きく変動し、鋼板の巻取りが安定せず、熱
延コイルのストリップの形状が著しく悪化することか
ら、熱延終了温度は(Ar3 +50)以上を確保するこ
とが有利である。また、巻取り温度がAr1 点を下回る
とMnS等のγ相での溶解度の小さい析出物の粗大化が
十分に行われず、鉄損特性が悪化するため、巻取り温度
はAr1 点以上を、好ましくは〔(Ar3 +Ar1 )/
2〕℃以上の温度を確保する必要がある。
なわちα+γ2相域以上の温度で巻取った後、自己焼鈍
中にγ相からα相への変態を徐々に行わせ、MnSのよ
うなγ相での溶解度の小さい析出物を粗大化させるとと
もに、AlNのようなα相での溶解度の小さい析出物を
も粗大化させ、これによりα相の粒成長を促進させるこ
とが肝要である。一旦γ域で粗大化したMnS等は、鋼
板の温度が低下してα相へとマトリックスが変態した後
もα相への再溶解が十分に進行せず、粗大な析出物のま
ま製品に至る。従って、仕上げ焼鈍時の結晶粒成長が妨
げられなくなり(不純物の無害化)、従来の仕上げ焼鈍
条件で処理しても鉄損が低くかつ、磁束密度の高い製品
を得ることが出来る。
は、巻取り温度はAr1 以上、好ましくは〔(Ar3 +
Ar1 )/2〕℃以上の温度であることが望ましい。こ
のような巻取りから自己焼鈍過程の条件により、製品に
おける磁壁のピニングサイトとなる有害析出物の無害化
がはかられ、鉄損特性の改善を達成することが出来る。
〔(Ar3 +Ar1 )/2〕℃以上の温度で巻取り、自
己焼鈍中にγ相からα相への変態が進行するだけでな
く、結晶粒成長が同時に進行し粒径200μm程度かそ
れ以上の粗大粒となる。このため、本発明においては自
己焼鈍中のγ相からα相への変態と結晶粒成長が同時に
進行することによりランダムな集合組織かつ粗大結晶組
織となる。その結果として製品の集合組織においてND
‖<100>方位成分が富化し、磁気特性が改善される
ものである。
る効果を検証するため、以下のような実験を行った。表
1に示す成分および残部Feおよび不可避不純物からな
る鋼を転炉により溶製し連続鋳造設備により厚さ220
mmのスラブとした。これに仕上熱延を施し2.5mmの熱
延板とした。この鋼のAr3 ,Ar1 ,A3 ,A1 変態
点と熱延実績条件を表2および表3に示す。この熱延板
を酸洗し冷延し、0.50mmに仕上げ、750℃30秒
の仕上げ焼鈍を施し磁気特性を評価した。板厚中心での
熱延集合組織の測定結果と製品の磁気特性測定結果を表
4に示す。
も熱延板集合組織におけるND‖<100>反射面強度
が大きく、ND‖<111>反射面強度が小さくなって
おり、熱延板集組織中のND‖<100>方位成分が相
対的に富化している。このため、圧延・再結晶後も遺伝
しやすいND‖<100>方位成分が製品板集合組織に
おいて増加しており、その結果、磁束密度が向上し、鉄
損が低下し磁気特性が改善されている。
ると、自己焼鈍中の熱延板のα相の粒成長が不十分とな
り、優れた磁気特性を有する無方向性電磁鋼板を得るこ
とができない。また、自己焼鈍温度が〔(A3 +A1 )
/2〕℃以上になると自己焼鈍了直後の残留γ相の体積
率が増加する。この残留γ相は自己焼鈍終了後、保熱炉
もしくは保熱カバーからコイルを取り出したことにより
急速に温度が低下する際にα相へ変態し、熱延板中の細
粒の体積率が増加するため製品の磁気特性は著しく不良
となり不適当である。従って、自己焼鈍温度は(A1 −
50)℃以上、〔(A3 +A1 )/2〕℃未満とする必
要がある。自己焼鈍時間は2分未満では自己焼鈍の効果
が十分でなく、熱延板組織の結晶粒成長が不十分となる
ため高磁束密度を得ることが出来ない。また、3時間よ
り自己焼鈍時間が長くなるとその効果が飽和し、逆に生
産性が低下し、さらに自己焼鈍中の過度の酸化により後
工程での酸洗性が著しく悪化し実用的でないので3時間
以内とした。
するため、保熱カバー内をN2 等不活性ガス雰囲気ある
いは減圧下とするか、もしくは減圧後N2 等不活性ガス
雰囲気の充填を行うことも有効である。また、巻取り後
所定の自己焼鈍をへた後のコイルは特段の処置無く放冷
しても差し支えないが、後工程での酸洗性を向上させる
ため、自己焼鈍終了後、好ましくはα相の粒成長速度が
緩慢となる700℃以下まで温度が低下した時点でコイ
ルを水槽へ浸漬させる等の手段により冷却することも本
発明の効果を何等損なうものではない。
間圧延と連続焼鈍により製品とする。またさらにスキン
パス圧延工程を付加して製品としてもよい。スキンパス
圧延率は2%未満ではその効果が得られず、20%以上
では磁気特性が悪化するため2%から20%とする。
件を従来の焼鈍条件よりも高温にし時間を長くして粒成
長させ製品の鉄損を改善しても、磁束密度が低くなるこ
とはなく、従来技術で達成が困難であった高磁束密度と
低鉄損を両立させることが可能となった。
1 ,Ar3 ,A1 ,A3 変態点有する無方向性電磁鋼用
スラブを通常の方法にて加熱し、熱延により2.5mmに
仕上げた。この時、熱延仕上げ温度を(Ar3 +50)
℃以上とし、巻取り温度をAr1 点以上とAr1 点未満
の2水準にとった。熱延後コイルを直ちに保熱カバー内
に挿入し、所定の温度で60分自己焼鈍した。その後、
酸洗を施し、冷間圧延により0.50mmおよび0.55
mmに仕上げた。板厚0.50mmのものについては連続焼
鈍炉にて、成分1は800℃で、成分2は850℃で3
0秒間焼鈍した。また、板厚0.55mmのものについて
は連続焼鈍炉にて成分1は760℃、成分2は820℃
でそれぞれ30秒間焼鈍を施し、圧下率9%のスキンパ
ス圧延により0.50mmに仕上げ、750℃2時間の需
要家相当の焼鈍を施した。これらの試料の磁気特性を測
定した。表7に実施例中で述べた本発明と比較例の巻取
り温度、自己焼鈍温度と磁気測定結果を合わせて示す。
ることにより、1回法、スキンパス圧延法とも磁束密度
の値が高く、鉄損値の低い材料が得られることがわか
る。比較例では巻取り温度がAr1 点以下まで低下して
いるため、自己焼鈍温度が〔(A3 +A1 )/2〕から
(A1 −50)℃の範囲であっても実施例よりも磁気特
性が劣っている。また、表7の成分1、表8の成分2と
もに巻取り温度が〔(Ar3 +Ar1 )/2〕℃以上で
あった実施例の方が巻取り温度が〔(Ar3 +
Ar1 )/2〕℃をった実施例より磁気特性が
優れている。
0に示したAr1 ,Ar3 ,A1 ,A3 変態点有する無
方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加熱し、熱延に
より2.5mmに仕上げた。この時、巻取り温度をAr1
点以上とし、各成分につき自己焼鈍温度を4水準とし、
自己焼鈍時間は60分とした。その後、酸洗を施し、冷
間圧延により0.50mmおよび0.55mmに仕上げた。
板厚0.50mmのものは連続焼鈍炉にて、成分3は80
0℃で、成分4は850℃で30秒間焼鈍した。また、
板厚0.55mmのものは、連続焼鈍炉にて成分3は76
0℃で、成分4は820℃で30秒間焼鈍を施し、圧下
率9%のスキンパス圧延により0.50mm厚に仕上げ、
750℃2時間の需要家相当の焼鈍を施した。これらの
試料の磁気特性を測定した。表11、表12に実施例中
で述べた本発明と比較例の巻取り温度、自己焼鈍温度と
磁気測定結果をあわせて示す。
A1 )/2〕℃から(A1 −50)℃以内とることによ
り、1回法、スキンパス圧延法とも磁束密度の値が高
く、鉄損値の低い材料が得られることがわかる。
高く鉄損の低い、磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板を
製造することが可能である。
Claims (4)
- 【請求項1】 鋼中にSi,Mn,Alのいずれか少な
くとも1種以上を重量%で 0.10%≦Si≦2.50%、 0.10%≦Al≦1.00%、 0.10%≦Mn≦2.00% かつ、SiとAlの合計量が Si+2Al≦2.50% を満足し、残部がFeおよび不可避不純物からなるαγ
変態を有する成分から成り、この成分のスラブを用い、
熱間圧延し熱延板とし、1回の冷間圧延工程を施し次い
で仕上げ焼鈍を施す無方向性電磁鋼板の製造方法におい
て、仕上げ熱延後の巻取り温度をAr1 点以上とし、そ
の後、(A1 −50)℃以上〔(A1 +A3 )/2〕℃
未満の温度域にて2分以上3時間内自己焼鈍する事を特
徴とする磁束密度が高く、鉄損の低い無方向性電磁鋼板
の製造方法。 - 【請求項2】 鋼中にSi,Mn,Alのいずれか少な
くとも1種以上を重量%で 0.10%≦Si≦2.50%、 0.10%≦Al≦1.00%、 0.10%≦Mn≦2.00% かつ、SiとAlの合計量が Si+2Al≦2.50% を満足し、残部がFeおよび不可避不純物からなるαγ
変態を有する成分から成り、この成分のスラブを用い、
熱間圧延し熱延板とし、冷間圧延後仕上焼鈍を施し、そ
の後2%〜20%のスキンパス圧延を施す無方向性電磁
鋼板の製造方法において、仕上げ熱延後の巻取り温度を
Ar1 点以上とし、その後、(A1 −50)℃以上
〔(A1 +A3 )/2〕℃未満の温度域にて2分以上3
時間内自己焼鈍する事を特徴とする磁束密度が高く、鉄
損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の仕上げ熱延終了温度を
(Ar3 +50)℃以上の温度とする事を特徴とする磁
束密度が高く、鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方
法。 - 【請求項4】 請求項2記載の仕上げ熱延終了温度を
(Ar3 +50)℃以上の温度とする事を特徴とする磁
束密度が高く、鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方
法。
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