JPH0726154B2 - 低鉄損の無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

低鉄損の無方向性電磁鋼板の製造方法

Info

Publication number
JPH0726154B2
JPH0726154B2 JP63258158A JP25815888A JPH0726154B2 JP H0726154 B2 JPH0726154 B2 JP H0726154B2 JP 63258158 A JP63258158 A JP 63258158A JP 25815888 A JP25815888 A JP 25815888A JP H0726154 B2 JPH0726154 B2 JP H0726154B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
iron loss
rolling
steel sheet
oriented electrical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63258158A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02104620A (ja
Inventor
武秀 瀬沼
猛 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP63258158A priority Critical patent/JPH0726154B2/ja
Publication of JPH02104620A publication Critical patent/JPH02104620A/ja
Publication of JPH0726154B2 publication Critical patent/JPH0726154B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は鉄損が低く、磁束密度の高い無方向性電磁鋼板
の製造方法に関するものである。
(従来の技術) 従来の電磁鋼板は鉄損を低くする手段として一般に固有
抵抗増加による渦電流損低下の観点からSiあるいはAl等
の含有量を高める方法が用いられてきた。また、これら
の合金成分を添加せずに優れた電磁特性を得る方法とし
て冷延・焼鈍板に数%のスキンパス圧延を行い、ユーザ
ーで打ち抜き加工をした後、ひずみ取り焼鈍を行う方法
がある(特開昭60−17014号公報など)。
これらの従来法では一般に仕上熱延を800℃以上とし、
捲取温度が低く、再結晶が十分進行していない場合、高
温の熱延板焼鈍を行った後75%以上の冷延を行い高温短
時間焼鈍を施して製品としていた。ただし、後者のセミ
プロセスでは前記したように、その上に数%のスキンパ
ス圧延を行っている。
(発明が解決しようとする課題) 本発明が解決しようとする課題は、鉄損を下げるために
添加する高価な合金元素の添加量の減少と圧延プロセス
の省略である。
(課題を解決するための手段) 本発明はかかる課題を解決するために、重量%でC:0.05
%以下、N:0.010%以下、Si:1%以下、Mn:1.5%以下、
P:0.15%以下、S:0.010%以下、Al:0.3%以下、及び必
要に応じてBをB/Nで1.5以下含み、残部がFeと不可避不
純物よりなる鋼を、鋳造後直ちにまたは再加熱後に熱間
圧延する際、Ar3変態点以下、500℃以上の温度域で、フ
ェライト粒の平均粒径が200μm以上の状態から、少な
くとも30%の圧延を行い、500℃以上の温度で仕上げた
のち、再結晶処理を施すことを特徴とする鉄損が低く、
磁束密度の高い無方向性電磁鋼板を製造する方法を提供
するものである。
以下、本発明の構成要件の限定理由について説明する。
なお、以下の説明中の%は重量%である。
まず、本発明鋼の化学成分において、Cは鉄損改善のた
めには少ない方が好ましく、かつ時効による磁性劣化を
生じないためには0.005%以下が好ましい。しかし、本
発明法のプロセスではCが0.05%まで鉄損向上の効果が
確認されたので、C量の上限を0.05%とした。Siは鉄損
改善の目的で添加するが、Si量が増加するほど磁束密度
が低くなると共に本発明の製造法により得られる鉄損の
従来法で製造される時の鉄損に対する優位差が小さくな
るばかりでなく本発明の主旨の一つである合金添加によ
るコスト高を抑制する意味からもSi添加量の上限は1%
とする。Nも鉄損改善のためには少ない方がよく、本発
明鋼では0.010%を条件とした。特にAlNの析出を抑制し
鉄損を下げる場合はBを添加してBNを析出させることが
望ましいが、B/Nが1.5超になると過剰Bが磁性を悪化さ
せるので、B量の上限をB/Nで1.5と定めた。本発明鋼で
Si量が少ない場合、鋼板が軟質になり過ぎ、打抜き作業
が難しくなるのを防ぐため強度を上げる目的でPを添加
している。Pの添加は鉄損の改善にもなるが、0.15%を
超えると熱間加工性が悪化し、熱延割れなどが発生する
危険があるので上限を0.15%とした。AlはSiと同様鉄損
改善の目的で添加してもよいが合金添加によるコスト高
を抑制する意味から上限を0.3%とした。また、MnはP
と同様に強度増加のために添加するが、1.5%超になる
と変態点が低下し、焼鈍時にフェライト−オーステナイ
ト変態が生じやすくなり磁性の劣化がみられるので添加
量の上限は1.5%とした。また、Sは磁性向上に有害なM
nS等の非金属介在物を生成するので0.010%以下にしな
ければ安定した磁性改善効果が得られない。
次に加工条件の限定について述べる。
Ar3変態点(Ar3(℃)=916−509C−64Mn+33Si+50Al
+250P)以下で行う圧延の前のフェライト粒の平均粒径
を200μm以上としたのは、この条件よりフェライト組
織が細かくなると、最終製品の磁性が劣化するためであ
る。
本発明者らはAr3変態点以下の温度域で行う圧延の前の
粒径と圧延後の再結晶集合組織の関係を調べ、粒径があ
る大きさ以上になり、圧延温度がある範囲にあると、磁
性に好ましい{100}方位が強く発達することを見いだ
した。
従来、粗大粒を圧延した場合に生成する再結晶粒の方位
は{110}方位が主体であると報告されているが、本発
明者らはこのような粗大粒組織の材料の圧延温度と再結
晶集合組織の関係を詳細に調べ、ある温度範囲で圧延す
ると再結晶集合組織の主方位が{100}に近い方位にな
ることを見いだした。
すなわち、Ar3変態点以下で行う圧延の前のフェライト
粒の粒径がその後の集合組織形成に大きな影響を与え、
200μm以上の平均粒径のフェライト組織を圧延するこ
とが最終製品の磁性を向上させると考えられる。Ar3
態点以下で行う圧延の前のフェライト粒の平均粒径を20
0μm以上にする手段は、鋳造スラブを冷却して得ても
よいし、一度過冷されたスラブを再加熱して得てもよ
い。
次にAr3変態点以下、500℃以上で少なくとも30%圧延し
なければならない理由は、Ar3変態点以下の圧延で最終
製品板の{111}強度が減少し他の強度、特に{100}強
度があがり電磁特性が良くなり、かつその効果が十分表
われる圧下率が30%以上であるからである。なお、この
効果は板厚表面層のせん断変形を少なくし、板厚方向で
の集合組織を均一化することにより、より顕著になる。
板厚表面層のせん断変形を少なくするために熱延ロール
と鋼板の平均摩擦係数を0.2以下にすることが好まし
い。なお、この圧延温度の下限を500℃としたのは、こ
れ未満の温度では動的ひずみ時効が起こり、{110}方
位がふえ、それが最終製品板の{100}方位の発達を妨
げるばかりでなく変形抵抗も高くなって鋼板の形状不良
等が発生し製造上難点があるためである。
本発明鋼は高磁束密度、低鉄損を示すため、再結晶処理
をしたままでも、従来のセミプロセス材をひずみ取り焼
鈍した時の電磁特性に近い値を示すが、10%未満のスキ
ンパスをしたセミプロセス材として使用しても、ひずみ
取り焼鈍後従来材より高い磁束密度を示すため、セミプ
ロセス材として用いることは本発明の主旨に反しない。
(実施例) 表1に本発明鋼と比較鋼の成分、プロセス条件、そして
製品板の磁気特性を示す。これらの材料は連続鋳造鋳片
を再加熱せず直接熱延工程に送るか、1350℃から750℃
の範囲で再加熱してから、実験用連続熱延ミルにより板
厚0.5mmの熱延板に仕上げた。その後、1%のスキンパ
ス圧延を行い表面性状の向上を図った。再結晶処理とし
ては、800〜850℃×2分の連続焼鈍を行った。電磁特性
はL,C両方向の鉄損W15/50および磁束密度B50を示し
た。また、熱延時の潤滑圧延をした時のAr3変態点以
下、500℃以上の圧延の平均摩擦係数は0.2以下を示し、
無潤滑状態では約0.28を示した。この摩擦係数は実測し
た先進率より計算で求めた値である。
表1の実施例No.1〜No.9は基本成分系の材料である。そ
のうち、No.1からNo.3はAr3変態点以下の圧延の前のフ
ェライト粒径が磁性に及ぼす影響を示す例であるが、粒
径が200μm未満になると鉄損が顕著に高くなることが
分る。実施例のNo.4は潤滑圧延の効果を示す例である
が、潤滑圧延を行うことにより鉄損が改善されることが
分る。
実施例No.5は従来法のAr3変態点を超える温度で仕上げ
た後、83%冷延をし、800℃で2分間連続焼鈍した比較
材で、本発明鋼に比べると鉄損が著しく高いことが分
る。No.6とNo.7は鉄損に及ぼす仕上げ温度の影響を示し
たもので、仕上温度が500℃未満になると鉄損が急激に
上昇することが分る。加熱条件の影響は実施例No.1,No.
2,No.6に示すが、No.1は800℃で再加熱を行った後熱延
した材料、No.2は1200℃で再加熱した後、オーステナイ
ト域で66%の圧延を行い、その後Ar3変態点以下で引き
続き熱延を行った材料、そしてNo.6は鋳造−圧延の直結
プロセス(CC−DR)による材料であるが、本発明鋼は加
熱条件にかかわらず従来法の比較鋼に比べ著しく低い鉄
損を示すことが分る。
No.8とNo.9は薄鋳片を熱延したものであるが、Ar3変態
点以下、500℃以上の温度域の合計圧下率が30%未満で
あると鉄損が大きく劣化することを示す。
実施例No.10〜No.19はB,Si,C,Mn,Pを本発明に従って添
加した例を示したもので、それぞれ本発明鋼と特性のN
o.5で示したと同様の従来法によって得られた比較鋼の
特性を対比して示す。各鋼種共に本発明鋼の電磁特性が
従来鋼より著しく優れていることが分る。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、同等の電磁特性を得るのに合金
元素(特にSi量)を大幅に低減できるばかりでなく、従
来、同成分ではセミプロセス(フルプロセス後スキンパ
ス圧延を行い、ユーザーで最終的なひずみ取り焼鈍を行
う)でしか得られなかったような優れた電磁特性をこの
スキンパス+ひずみ取り焼鈍のプロセスのほかに冷延工
程も省略して得ることができ、低コストで高品質の無方
向性電磁鋼板を提供することができるので産業上裨益す
るところが大である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%でC:0.05%以下、N:0.010%以下、S
    i:1%以下、Mn:1.5%以下、P:0.15%以下、S:0.010%以
    下、Al:0.3%以下で残部がFeと不可避不純物よりなる鋼
    を、鋳造後直ちにまたは再加熱後に熱間圧延する際、Ar
    3変態点以下、500℃以上の温度域で、フェライト粒の平
    均粒径が200μm以上の状態から、少なくとも30%の圧
    延を行い、500℃以上の温度で仕上げたのち、再結晶処
    理を施すことを特徴とする低鉄損の無方向性電磁鋼板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】前記鋼に、さらにBをB/Nで1.5以下含むこ
    とを特徴とする請求項1記載の低鉄損の無方向性電磁鋼
    板の製造方法。
  3. 【請求項3】Ar3変態点以下、500℃以上の温度域の30%
    以上の圧延を、潤滑を施し、ロールと鋼板の平均摩擦係
    数を0.2以下として行う請求項1または2記載の低鉄損
    の無方向性電磁鋼板の製造方法。
JP63258158A 1988-10-13 1988-10-13 低鉄損の無方向性電磁鋼板の製造方法 Expired - Lifetime JPH0726154B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63258158A JPH0726154B2 (ja) 1988-10-13 1988-10-13 低鉄損の無方向性電磁鋼板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63258158A JPH0726154B2 (ja) 1988-10-13 1988-10-13 低鉄損の無方向性電磁鋼板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02104620A JPH02104620A (ja) 1990-04-17
JPH0726154B2 true JPH0726154B2 (ja) 1995-03-22

Family

ID=17316338

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63258158A Expired - Lifetime JPH0726154B2 (ja) 1988-10-13 1988-10-13 低鉄損の無方向性電磁鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0726154B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10139699C2 (de) * 2001-08-11 2003-06-18 Thyssenkrupp Electrical Steel Ebg Gmbh Nichtkornorientiertes Elektroblech oder -band und Verfahren zu seiner Herstellung
JP4403038B2 (ja) * 2004-08-06 2010-01-20 新日本製鐵株式会社 圧延方向から45°方向の磁気特性が優れた無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP2009102739A (ja) * 2008-12-12 2009-05-14 Sumitomo Metal Ind Ltd 無方向性電磁鋼板の製造方法
CN114787041A (zh) * 2019-12-04 2022-07-22 大日本印刷株式会社 盖体杀菌装置以及内容物填充系统

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02104620A (ja) 1990-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6432173B2 (ja) 全周の磁気特性が良好な無方向性電磁鋼板
US6503339B1 (en) Method for producing non-grain oriented magnetic sheet steel
JPH0469223B2 (ja)
JP4358550B2 (ja) 圧延方向とその板面内垂直方向磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法
JP3855554B2 (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法
JP2509018B2 (ja) 磁束密度が高くかつ鉄損が低い無方向性電磁鋼板の製造方法
JP3430794B2 (ja) 磁気特性に優れる無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JPH0726154B2 (ja) 低鉄損の無方向性電磁鋼板の製造方法
JP3497431B2 (ja) 加工性の良好な低鉄損無方向性電磁鋼板及びその製造方法
JP3483265B2 (ja) 磁束密度が高くかつ鉄損が低い無方向性電磁鋼板の製造方法
JP3379055B2 (ja) 磁束密度が高くかつ鉄損が低い無方向性電磁鋼板の製造方法
JPH0723509B2 (ja) 優れた鉄損特性を有する無方向性電磁鋼板の製造方法
KR101110257B1 (ko) 자속밀도가 우수한 무방향성 전기강판 및 그 제조방법
JPH0814015B2 (ja) 磁気特性および表面性状の優れた無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP2003105508A (ja) 加工性の優れた無方向性電磁鋼板及びその製造方法
JP2898793B2 (ja) 高磁束密度、低鉄損を有する無方向性電磁鋼板の製造方法
JP3934904B2 (ja) 加工性の優れた低鉄損無方向性電磁鋼板及びその製造方法
JP3348811B2 (ja) 磁束密度が高く、鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法
JPH0657332A (ja) 磁束密度が高くかつ鉄損が低い無方向性電磁鋼板の製造方法
JP2001158948A (ja) 鉄損の低い無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP3294367B2 (ja) 磁束密度が高くかつ鉄損が低い無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JPH04337050A (ja) 磁気特性の優れた高抗張力磁性材料およびその製造方法
JP3348827B2 (ja) 磁束密度が高く鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法
JP2718340B2 (ja) 鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法
JP3331535B2 (ja) 磁気特性の優れた厚手無方向性電磁鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080322

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090322

Year of fee payment: 14

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090322

Year of fee payment: 14