JP3348827B2 - 磁束密度が高く鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
磁束密度が高く鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法Info
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Description
料として用いられる、磁束密度が高く、鉄損が低い優れ
た磁気特性を有する無方向性電磁鋼板の製造方法に関す
るものである。
がその鉄心材料として使用される回転機および中・小型
変圧器等の分野においては、世界的なエネルギー節減・
フロンガス規制等の地球環窺保全の動きの中で、高効率
化の動きが急速に広まりつつある。このため無方向性電
磁鋼板に対しても、その特性向上、すなわち高磁束密度
かつ低鉄損化への要請がますます強まってきている。
低鉄損化の手段として電気抵抗増大による渦電流損低減
の観点からSiあるいはA1等の含有量を高める方法が
従来からとられてきた。しかし、この方法では磁束密度
の低下は避け得ないという問題点があった。また、単に
SiあるいはAl等の含有量を高めるのみではなく、特
開昭61−231120号公報に記載されているよう
に、C,N,S,O等の低減による高純度鋼化や、特開
昭57−35626号公報に記載されているような仕上
焼鈍サイクルの工夫等の製造プロセス上の処置もなされ
てきたが、いずれも低鉄損化は図られても磁束密度につ
いてはそれほどの効果はなかった。
束密度を向上させるために、一次再結晶集合組織中にお
いて製品板面内に結晶軸の磁化容易軸である<100>
方向を有し磁束密度の改善に有効であるND‖<110
>方位、ND‖<100>方位を富化させると同時に、
結晶軸の難磁化方向である<111>方向を製品板面内
に有するND‖<lll>系方位集積度を低下させるこ
とを目的に、仕上焼鈍前の冷延圧下率を適正範囲に制御
することや、同様の目的で冷延前結晶組織を粗大化させ
るために熱延板焼鈍を施すこと、あるいは熱間圧延条件
の工夫等による高磁束密度化が図られてきたが、磁束密
度が高くかつ鉄損が低い無方向性電磁鋼板を製造できる
には至らず、無方向性電磁鋼板に対する前記の要請に応
えることは出来なかった。
を打破すべく、フルプロセス及びセミプロセス無方向性
電磁鋼板の製造方法において、制御熱間圧延条件が無方
向性電磁鋼板の磁気特性に及ぼす影響について注意深く
調査を行った。
程においては、製品の磁気特性向上の観点から、制御熱
間圧延が行われてきた。熱延板の自己焼鈍については特
開昭54−76422号公報にその技術が開示されてお
り、自己焼鈍時のコイル温度確保のための保熱カバー使
用については特開昭56−33436号公報に規定され
ている。
とにより熱延板の結晶組織を粗大化し製品の磁気特性改
善をはかる方法については特開昭57−57829号公
報や特開昭60−50117号公報に開示されており、
仕上熱間圧延終了温度をγ相域としてその後自己焼鈍を
実掩する技術については特開昭58−136718号公
報に開示きれている。
損が低く、かつ磁束密度が高い無方向性電磁鋼板の供給
に対する需要家の要請に応えうるものではなく、更なる
磁気特性の優れた製品の開発が求められていた。
8号公報において、変態を有する成分系の無方向性電磁
鋼板の制御熱間圧延における仕上熱間圧延終了温度を
(Ar3 +50)℃以上とすると共に、巻き取り温度を
Ar1 変態点以上とし、その後自己焼鈍を(A1 −5
0)℃以上{(A1 +A3 )/2}℃以下にて行うこと
により、従来よりも磁束密度が高く、鉄損が低い無方向
性電磁鋼板を製造しうる方法を開示している。また、特
開平9−125148号公報においては、自己焼鈍時の
熱間圧延鋼板の板厚とコイル巻取り半径とを規定するこ
とにより、従来よりも高磁束密度を有する無方向性電磁
鋼板製造法を開示している。
間圧延後の自己焼鈍による磁気特性改善においては、仕
上熱間圧延における熱間圧延仕上温度、巻取り温度等に
ついて規定されていることはあっても、自己焼鈍前の金
属組織の粒成長の駆動力を制御する観点から、精密に仕
上熱間圧延を制御する技術は開示されていない。またこ
の結果として、自己焼鈍後の熱延板のコイル内の結晶組
織の成長がばらつきやすく、熱延板において混粒組織の
発現を招き、冷延・焼鈍後の磁気特性がコイル内で大き
くばらつく課題があった。
4019号公報には自己焼鈍後の冷却を制御することに
より、自己焼鈍法により得られる熱間圧延組織の不均一
性を改善する方法が開示されている。しかし熱間圧延組
織が混粒になる現象は自己焼鈍中の熱間圧延組織の駆動
力がコイル内において不均一である結果、結晶粒成長速
度が不均一であることが原因であり、自己焼鈍終了後の
冷却速度はこの現象とは無関係であるので、この課題を
改善することは不可能であった。
を前提とする無方向性電磁鋼板製造法において、従来技
術での結晶組織制御性の問題点を解決するとともに、昨
今の需要家のより高磁束密度かつ低鉄損の無方向性電磁
鋼板の提供に対する要請に応えることを目的とするもの
である。
ろは、以下の通りである。 (1) 重量%で、0.10%≦Si≦4.00%及び
0.10%≦Mn≦2.00%の少なくとも1種を含有
し、残部がFe及び不可避的不純物からなるスラブを粗
圧延してシ一トバーとし、さらに仕上熱間圧延により熱
延板とする熱間圧延工程で、仕上熱間圧延した熱延板を
直ちに巻き取り自己焼鈍させ、その後1回の冷間圧延を
施し、次いで仕上焼鈍を施すフルプロセス無方向性電磁
鋼板製造方法において、仕上熱間圧延の圧下率を75%
以上、かつ仕上熱間圧延の終了温度を800℃以上11
00℃以下とし、熱延板を巻き取る際の温度を750℃
以上1050℃以下とすると共に、自己焼鈍を5分以上
3時間以内で実施し、仕上熱間圧延において行う圧延パ
スのうち1パス以上が式(1)を満足すると共に、仕上
熱間圧延において行う圧延パスのうち式(1)を満足す
るパスの圧下率の和が20%以上であることを特徴とす
る磁束密度が高く鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方
法。
4.00%及び0.10%≦Mn≦2.00%の少なく
とも1種を含有し、残部がFe及び不可避的不純物から
なるスラブを粗圧延してシ一トバーとし、さらに仕上熱
間圧延により熱延板とする熱間圧延工程で、仕上熱間圧
延した熱延板を直ちに巻き取り自己焼鈍させ、その後1
回の冷間圧延を施し、次いで仕上焼鈍を施した後、圧下
率2〜10%のスキンパス圧延を施すフルプロセス無方
向性電磁鋼板製造方法において、仕上熱間圧延の圧下率
を75%以上、かつ仕上熱間圧延の終了温度を800℃
以上1100℃以下とし、熱延板を巻き取る際の温度を
750℃以上1050℃以下とすると共に、自己焼鈍を
5分以上3時間以内で実施し、仕上熱間圧延において行
う圧延パスのうち1パス以上が式(1)を満足すると共
に、仕上熱間圧延において行う圧延パスのうち式(1)
を満足するパスの圧下率の和が20%以上であることを
特徴とする磁束密度が高く鉄損の低い無方向性電磁鋼板
の製造方法。
記載の成分に加えて、さらに、重量%で0.10%≦so
l.Al≦1.50%を含有することを特徴とする上記
(1)又は(2)記載の磁束密度が高く鉄損の低い無方
向性電磁鋼板の製造方法。
る。本発明者らは、自己焼鈍もしくは熱延板焼鈍法を前
提とする無方向性電磁鋼板製造法の制御熱間圧延につい
て鋭意検討を重ねた結果、無方向性電磁鋼板製造法にお
いて、仕上熱間圧延時の最終パス付近の圧延を適切な条
件下で行うことによって、製品における磁気特性が安定
するとともに、磁束密度が極めて高く、鉄損が良好な
(鉄損値が低い)無方向性電磁鋼板を製造することに成
功した。
Mnは鋼板の固有抵抗を増大させ渦流損を低減させ、鉄
損値を改善するために添加される。Si或いはMnの含
有量が0.10%未満であると固有抵抗が十分に得られ
ないので、Si或いはMnを0.10%以上添加する必
要がある。一方、Si含有量が4.00%を越えると熱
間圧延が困難となるので4.00%以下とする必要があ
る。また、Mn含有量が2.00%を越えると熱間圧延
時の変形抵抗が増加し熱間圧延が困難となるとともに、
熱間圧延後の結晶組織が微細化しやすくなり、製品の磁
気特性が悪化するので、Mn含有量は2.00%以下と
する必要がある。
抵抗を増大きせ渦電流損を低減させる効果を有し、必要
に応じて添加する。Alにこれらの効果を発揮させるに
は、0.10%以上添加することが好ましい。一方、A
l含有量が1.50%を超えると、磁束密度が低下し、
コスト高ともなるので1.50%以下とする。また、鋼
中のAl含有量が0.10%未満であっても本発明の効
果はなんら損なわれるものではない。
性、耐錆性の向上あるいはその他の目的のために、P,
B,Ni,Cr,Sb,Sn,Cuの1種又は2種以上
をスラブに含有させても本発明の効果は損なわれない。
規定していないが、良好な磁気特性あるいは加工性を有
する無方向性電磁鋼板の製造にあたってはその含有量を
注意深く制御する必要がある。この点について、以下に
説明する。
るため0.0050%以下とすることが、本発明の目的
を達成するためには好ましい。
中に一部再固溶し、熱間圧延中にMnS,AlN等の析
出物を形成し、仕上焼鈍時に再結晶粒の成長を妨げたり
製品が磁化されるときに磁壁の移動を妨げるいわゆるピ
ニング効果を発揮し製品の低鉄損化を妨げる原因とな
る。従って、S≦0.0050%、N≦0.0050%
とすることが好ましい。
微細析出を妨げ、Nを無害化させるために添加してもよ
い。B添加量はN含有量とのバランスが必要であり、そ
の含有量は両者の比B/Nが0.5から1.5の範囲を
満たすことが好ましい。
ために0.1%までの範囲内において添加してもよい。
P≦0.2%であれば、製品の磁気特性の観点から問題
がない。
る。上記成分からなる鋼スラブは、転炉で溶製され連続
鋳造あるいは造塊−分塊圧延により製造される。鋼スラ
ブは公知の方法にて加熱される。
る熱間圧延を施し所定の厚みとする。以下に本発明の仕
上熱間圧延条件を規定する理由について述べる。
であると熱間変形抵抗が急激に増大し圧延が困難となる
ので800℃以上とする。また、1100℃超である
と、熱延板の剛性が不足し、コイルの巻き取りが著しく
不安定となるので1100℃以下とする。
ると自己焼鈍時の結晶粒成長が不十分となり、製品の磁
束密度が本発明が意図する高磁束密度が得られなくなる
ので750℃以上と定める。また、1050℃超である
と自己焼鈍時の酸化を抑制することが困難となり、酸洗
歩留まりが低下し、生産性が低下するので1050℃以
下と定める。
焼鈍による結晶粒成長が不十分であり、本発明が意図す
る高磁束密度が得られないので5分以上とする。自己焼
鈍時間が3時間超であると自己焼鈍時の酸化を抑制する
ことが困難となり、酸洗歩留まりが低下し、生産性が低
下するので3時間以内と定める。
板に至る仕上熱間圧延の圧下率は次に述べる式(1)に
よる規定と併せ、自己焼鈍中の結晶粒成長の駆動力を制
御するために本発明の最も重要な点である。すなわち、
仕上熱間圧延の圧下率が75%未満であると自己焼鈍時
の結晶粒成長の駆動力が不足し、本発明が意図する高磁
束密度低鉄損無方向性電磁鋼板が得られなくなるので7
5%以上とする必要がある。
も1パスは式(1)を満足することが必要である。式
(1)で定めるZパラメーターの値が12.10未満で
あると、自己焼鈍時の結晶粒成長の駆動力が不足し、本
発明が意図する高磁束密度低鉄損無方向性電磁鋼板が得
られなくなるので式(1)で定めるZパラメーターの値
は12.10以上である必要がある。また、Zの値には
上限を特に設けない。Zの値は圧延温度が低くなるか、
歪み速度が大きくなると増加するが、圧延温度が低すぎ
ると熱間圧延時の圧延反力が大きくなりすぎるのでその
下限値は熱間圧延機の性能により自ずから決まり、歪速
度の上限も圧延速度の限界から熱間圧延機の能力により
自ずから決まるからである。
対する仕上熱間圧延の圧下率のうち、式(1)を満足す
るパスの圧下率の和が20%未満であると、自己焼鈍時
の結晶粒成長の駆動力が不足し、本発明が意図する高磁
束密度低鉄損無方向性電磁鋼板が得られなくなるので、
粗圧延後のシートバーに対する仕上熱間圧延の圧下率の
うち、式(1)を満足するパスの圧下率の和が20%以
上であることが必要である。ここで、式(1)を満足す
るパスの圧下率の和とは、式(1)を満足するパスの圧
下率を足して計算した和をいうこととする。
の値を求める必要がある、その方法としては諸方法があ
るが、本発明では下記の式(2)に従って歪み速度を求
めるものとする。
未満であると熱間圧延時の反力が大きくなり、ロール寿
命の低下を招き好ましくないので、圧延終了温度は80
0℃以上とする。一方、仕上熱間圧延の終了温度が11
00℃超であると、鋼板の剛性が不足して熱間圧延鋼板
の形状を制御することが困難となるので、1100℃以
下に定める。
により自己焼鈍を行う。コイルの巻き取り温度は750
℃未満であると自己焼鈍中の効果が十分でなく、本発明
が意図する高磁束密度低鉄損の無方向性電磁鋼板が得ら
れないので、その範囲を750℃以上に定める。一方、
コイルの巻き取り温度が1050℃超であると鋼板の酸
化が激しくなり酸洗時の歩留まりが低下し、生産性が劣
るので、1050℃以下とする。
一回の冷間圧延と連続焼鈍により製品とするか、あるい
はさらにスキンパス圧延を施して製品としてもよい。ス
キンパス圧下率が2%未満ではその鉄損改善効果が得ら
れず、10%超ではかえって鉄損が悪化するため、2%
以上10%以下とする。
の関係を調査するため、以下の2種類の実験を行った。
まず第1に、表1に示す成分及び残部Fe及び不可避的
不純物からなる鋼を転炉により溶製し連続鋳造設備によ
り厚さ220mmのスラブとした。このスラブを通常の方
法にて1250℃に加熱し、粗圧延により55mmのシー
トバーとした。さらに仕上熱間圧延により3.0mmに仕
上た。これにより仕上熱間圧延の圧下率は94.5%で
あり、75%以上という本発明の構成要件を満たしてい
る。
るZパラメーターの値を、最終パスにおいて種々の値を
採るように圧延速度・パススケジュール・圧延温度を調
整した。仕上熱間圧延終了後、800℃で巻き取った。
巻き取ったコイルは直ちに保熱カバー内に装入し800
℃、1時間の自己焼鈍を行った。得られた熱延板を酸洗
後冷間圧延により0.5mmに仕上げ、連続焼鈍炉で85
0℃で20秒の焼鈍を施し磁気特性を測定した。この時
の熱間圧延条件の指標であるZの値と、製品磁気特性の
関係を図1、図2に示す。図1、図2に示した結果よ
り、Zの値が12.10以上の場合において優れた磁気
特性が得られていることが分かる。
様に仕上熱間圧延を実施することにより、低鉄損かつ高
磁束密度の無方向性電磁鋼板を得ることが可能である。
及び残部Fe及び不可避的不純物からなる鋼を転炉によ
り溶製し、連続鋳造設備により厚さ180mmのスラブと
した。このスラブを通常の方法にて1100℃に加熱
し、粗圧延により厚さ14〜50mmのシートバーとし
た。さらに仕上熱間圧延により厚さ4.0mmの熱延板と
した。すなわち、仕上熱間圧延の圧下率を71.4%〜
92.0%とした。
るZパラメータの値を、最終パスにおいて12.30と
なるように圧延速度・圧延温度を調整した。また、最終
パスの圧下率は21%に固定して実験を行った。仕上熱
間圧延終了後、810℃で熱延板をコイルに巻き取っ
た。巻き取ったコイルは直ちに保熱カバー内に装入し8
10℃で1時間の自己焼鈍を行った。得られた熱延板を
酸洗後冷間圧延により厚さ0.5mmに仕上げ、連続焼鈍
炉で850℃で25秒の焼鈍を施し磁気特性を測定し
た。仕上熱間圧延の圧下率と、製品磁気特性の関係を図
3、図4に示す。図3、図4に示した結果より、仕上熱
間圧延の圧下率が75%以上の場合において優れた磁気
特性が得られていることが分かる。
様に仕上熱間圧延を実施することにより、低鉄損かつ高
磁束密度の無方向性電磁鋼板を得ることが可能である。
不純物からなる鋼を転炉により溶製し連続鋳造設備によ
り厚さ220mmのスラブとした。このスラブを通常の方
法にて1250℃に加熱し、粗圧延により厚さ55mmの
シートバーとした。
機により成分1の鋼は厚さ2.7mmの熱延板とし、成分
2の鋼は厚さ3.0mmの熱延板とした。したがって、仕
上熱間圧延の圧下率はそれぞれ95.1%、94.5%
であり、仕上熱間圧延の圧下率が75%以上という本発
明の条件を満たしている。
であるZパラメーターの値を、最終パスにおいて種々の
値を取るように圧延速度・圧延温度・パススケジュール
を調整した。熱間圧延終了温度は1000〜1090℃
とし、本発明の構成要件である800℃以上1100℃
以下を満たすようにした。また、最終パスの圧下率は2
0〜25%に変化きせて実験を行った。
コイルに巻き取った。巻き取ったコイルは直ちに保熱カ
バー内に装入し820℃で1時間の自己焼鈍を行った。
厚さ0.50mmに仕上げ、連続焼鈍炉で成分1は800
℃で30秒、成分2は950℃で30秒の焼鈍を施し磁
気特性を測定した。この時の熱間圧延条件の指標である
最終パスにおけるZパラメータの値と、磁気測定結果の
関係を表4、表5に示す。表4、表5に示した結果よ
り、Zパラメータの値が12.10以上の場合において
優れた磁気特性が得られていることが分かる。
満たす様に仕上熱間圧延を実施することにより、低鉄損
かつ高磁束密度の無方向性電磁鋼板を得ることが可能で
ある。
熱延板を酸洗後、冷間圧延により厚さ0.55mmに仕上
げ、連続焼鈍炉で780℃、20秒の焼鈍を施した、さ
らにこれをスキンパス圧延により厚さ0.50mmとし、
750℃で2時間の磁性焼鈍を施した後、磁気特性を測
定した。
スにおけるZパラメータの値と、磁気測定結果の関係を
表6に示す。表6に示した結果より、Zパラメータの値
が12.10以上の場合において優れた磁気特性が得ら
れていることが分かる。
満たす様に仕上熱間圧延を実施することにより、セミプ
ロセス無方向性電磁鋼板においても低鉄損かつ高磁束密
度の無方向性電磁鋼板を得ることが可能である。
及び不可避的不純物からなる鋼を転炉により溶製し連続
鋳造設備により厚さ180mmのスラブとした。このスラ
ブを通常の方法にて1100℃に加熱し、粗圧延により
厚さ14〜50mmのシートバーとした。
機により厚さ4.0mmの熱延板とした。したがって、本
実施例における仕上熱間圧延の圧下率は71.4〜9
2.0%である。
であるZパラメーターの値が最終パスにおいて13.3
5となるように、圧延速度・圧延温度を調整した。熱間
圧延終了温度は990℃程度とし、本発明条件である8
00℃以上1100℃以下を満たすようにした。また、
最終パスの圧下率は20%に固定して実験を行った。
コイルに巻き取った。巻き取ったコイルは直ちに保熱カ
バー内に装入し840℃で1時間の自己焼鈍を行った。
得られた熱延板を酸洗後、冷間圧延により厚さ0.50
mmに仕上げ、連続焼鈍炉で850℃、30秒の焼鈍を施
し磁気特性を測定した。この時の仕上熱間圧延の圧下率
と、磁気測定結果の関係を表8に示す。表8に示した結
果より、仕上熱間圧延の圧下率が75%以上の場合にお
いて優れた磁気特性が得られていることが分かる。
満たす様に仕上熱間圧延を実施することにより、低鉄損
かつ高磁束密度の無方向性電磁鋼板を得ることが可能で
ある。
及び不可避的不純物からなる鋼を転炉により溶製し連続
鋳造設備により厚さ220mmのスラブとした。このスラ
ブを通常の方法にて1250℃に加熱し、粗圧延により
厚さ55mmのシートバーとした。
機により厚さ2.7mmの熱延板とした。したがって、本
実施例における仕上熱間圧延の圧下率は95.1%であ
り、仕上熱間圧延の圧下率が75%以上という本発明の
条件を満たしている。
であるZパラメーターの値を、最終パス付近において種
々の値を取るように圧延速度、圧延温度、パススケジュ
ールを調整した。熱間圧延終了温度は1050℃とし、
本発明の構成要件である800℃以上1100℃以下を
満たすようにした。また、最終パスの圧下率は20%に
設定して実験を行った。
コイルに巻き取った。巻き取ったコイルは直ちに保熱カ
バー内に装入し、820℃で1時間の自己焼鈍を行っ
た。得られた熱延板を酸洗後、冷間圧延により厚さ0.
50mmに仕上げ、連続焼鈍炉で成分1は850℃で15
秒の焼鈍を施し磁気特性を測定した。この時の熱間圧延
条件の指標である最終パス付近の各パスにおけるZパラ
メータの値と、磁気測定結果の関係を表10に示す。表
10に示した結果より、Zパラメータの値が12.10
以上の場合において優れた磁気特性が得られていること
が分かる。
満たす様に仕上熱間圧延を実施することにより、低鉄損
かつ高磁束密度の無方向性電磁鋼板を得ることが可能で
ある。
による無方向性電磁鋼板の製造法において、磁束密度が
高く鉄損の低い、磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板を
提供することが可能である。
る。
す図である。
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で、0.10%≦Si≦4.00
%及び0.10%≦Mn≦2.00%の少なくとも1種
を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなるスラ
ブを粗圧延してシ一トバーとし、さらに仕上熱間圧延に
より熱延板とする熱間圧延工程で、仕上熱間圧延した熱
延板を直ちに巻き取り自己焼鈍させ、その後1回の冷間
圧延を施し、次いで仕上焼鈍を施すフルプロセス無方向
性電磁鋼板製造方法において、仕上熱間圧延の圧下率を
75%以上、かつ仕上熱間圧延の終了温度を800℃以
上1100℃以下とし、熱延板を巻き取る際の温度を7
50℃以上1050℃以下とすると共に、自己焼鈍を5
分以上3時間以内で実施し、仕上熱間圧延において行う
圧延パスのうち1パス以上が式(1)を満足すると共
に、仕上熱間圧延において行う圧延パスのうち式(1)
を満足するパスの圧下率の和が20%以上であることを
特徴とする磁束密度が高く鉄損の低い無方向性電磁鋼板
の製造方法。 【数1】 - 【請求項2】 重量%で、0.10%≦Si≦4.00
%及び0.10%≦Mn≦2.00%の少なくとも1種
を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなるスラ
ブを粗圧延してシ一トバーとし、さらに仕上熱間圧延に
より熱延板とする熱間圧延工程で、仕上熱間圧延した熱
延板を直ちに巻き取り自己焼鈍させ、その後1回の冷間
圧延を施し、次いで仕上焼鈍を施した後、圧下率2〜1
0%のスキンパス圧延を施すフルプロセス無方向性電磁
鋼板製造方法において、仕上熱間圧延の圧下率を75%
以上、かつ仕上熱間圧延の終了温度を800℃以上11
00℃以下とし、熱延板を巻き取る際の温度を750℃
以上1050℃以下とすると共に、自己焼鈍を5分以上
3時間以内で実施し、仕上熱間圧延において行う圧延パ
スのうち1パス以上が式(1)を満足すると共に、仕上
熱間圧延において行う圧延パスのうち式(1)を満足す
るパスの圧下率の和が20%以上であることを特徴とす
る磁束密度が高く鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方
法。 【数2】 - 【請求項3】 スラブが、請求項1又は2記載の成分に
加えて、さらに、重量%で0.10%≦sol.Al≦1.
50%を含有することを特徴とする請求項1又は2記載
の磁束密度が高く鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方
法。
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-
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