JPH1046248A - 磁束密度が高く、鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

磁束密度が高く、鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH1046248A
JPH1046248A JP21328396A JP21328396A JPH1046248A JP H1046248 A JPH1046248 A JP H1046248A JP 21328396 A JP21328396 A JP 21328396A JP 21328396 A JP21328396 A JP 21328396A JP H1046248 A JPH1046248 A JP H1046248A
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hot rolling
steel sheet
hot
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Ryutaro Kawamata
竜太郎 川又
Takeshi Kubota
猛 久保田
Takehide Senuma
武秀 瀬沼
Takahide Shimazu
高英 島津
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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  • Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は磁束密度が高く鉄損の低い無方向性
電磁鋼板の製造方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 鋼中に重量%で2.0%≦(Si+2A
l)≦4.5%、0.1%≦Mn≦1.0%、C≦0.
0050%、N≦0.0050%、S≦0.0050%
を含有し残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分
の鋼を熱間圧延し熱延板とし1回の冷間圧延工程を施し
仕上げ焼鈍を施すか、スキンパス圧延工程を仕上げ焼鈍
後施す無方向性電磁鋼板の製造方法において、仕上熱間
圧延時に、最終パスの歪み速度150s-1以上でかつ、
最終2スタンド間の張力が1.5kgf/mm2以上で
仕上熱延を行い、式で定める時間仕上熱延終了後注水を
行わないことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方
法。さらに上記熱延で粗圧延後のシートバーを接合し、
連続して仕上熱延に供することを特徴とする製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気機器の鉄心材
料として用いられる、磁束密度が高く、鉄損が低い優れ
た磁気特性を有する無方向性電磁鋼板の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器、特に無方向性電磁鋼板
がその鉄心材料として使用される回転機および中、小型
変圧器等の分野においては、世界的な電力、エネルギー
節減、さらにはフロンガス規制等の地球環境保全の動き
の中で、高効率化の動きが急速に広まりつつある。
【0003】無方向性電磁鋼板においては低鉄損化の手
段として一般に、電気抵抗増大による渦電流損低減の観
点からSiあるいはAl等の含有量を高める方法がとら
れてきた。しかし、この方法では磁束密度が低下すると
いう問題点があった。このような問題点の克服のため
に、熱延板結晶粒径を粗大化することで磁束密度と鉄損
の両方を改善させる方法が行われてきた。
【0004】Si含有量が高い非変態系の無方向性電磁
鋼板においては、仕上熱延後の結晶組織の成長が不十分
であり、高磁束密度低鉄損の材料を提供するためには、
仕上熱延終了後、箱焼鈍あるいは連続焼鈍による熱延板
焼鈍を施し、結晶組織の粗大化を図ることが必須とされ
てきた。しかしながらこれらの方法では熱延板焼鈍もし
くは箱焼鈍によるコスト上昇が避けられず、昨今の需要
家の機能と価格に対する厳しい要請を同時に満足するこ
とは出来ず、低コストで高磁束密度低鉄損の無方向性電
磁鋼板を製造しうる方法の開発が求められていた。
【0005】従来技術においてこのような需要家の要請
に応える方策としては、特開昭54−76422号公報
にはコイルを750℃から1000℃の温度で巻取りコ
イル自身の保有熱で自己焼鈍する方法が開示されてい
る。また、特公昭62−61644号公報には、熱延終
了温度を1000℃以上の高温として無注水時間を設定
し、いわゆるランアウトテーブル上で巻取前に熱延組織
を再結晶・粒成長を図る方法が開示されている。これら
の先願によれば、確かに熱延板焼鈍を省略して安価に磁
束密度の高い無方向性電磁鋼板を提供することが可能で
あるが、昨今の需要家の低コスト高機能無方向性電磁鋼
板への要求に応えるためには、更なる製造法の改善によ
る低コストかつ磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板製造
法の開発が求められていた。
【0006】また、特開平1−306524号公報に
は、熱延板焼鈍を前提とする無方向性電磁鋼板の熱延を
潤滑下で行う技術が開示されている。しかしながらこの
方法においては連続焼鈍あるいは箱焼鈍による熱延板焼
鈍が前提となるため、磁気特性の優れた無方向性電磁鋼
板製造法におけるコスト上昇の問題点を回避することが
不可能であった。
【0007】発明者らはこのような無方向性電磁鋼板に
対する需要家の要請に応える方策を見出すため、仕上げ
熱延技術に注目して検討を行った。無方向性電磁鋼板の
仕上熱延においては、自動車の外板等のプレス成型用、
または缶等の深絞り用途の薄鋼板に比べて、高い成品板
厚の精度が要求される。なぜなら、無方向性電磁鋼板は
鉄心として積層して使用に供されるため、成品板厚のわ
ずかな偏差が鉄心としての寸法精度に大きな影響を及ぼ
すからである。このため成品の板厚精度には厳しい管理
が要求され、この目的のために冷延のみならず熱延板に
おいても厳しい板厚管理を行っている。そのため、仕上
げ熱延最終パス付近では形状調整のために圧下率を下げ
て軽圧下とし、その歪み速度も小さいのが通常であり、
磁気特性向上の観点から仕上げ熱延の条件を検討する試
みは従来ほとんどなされなかった。
【0008】発明者等は従来技術のこのような操業条件
管理に対する考え方について見直しを行い、成品の磁気
特性向上の観点からその条件を検討した結果、1.仕上
熱間圧延時に、圧延パスの最終側において、歪み速度と
張力を高めることにより、成品の磁気特性が改善され
る、2.最終2スタンド間の張力を高めることにより、
高歪み速度変形下での熱延板の板厚精度低下の問題を解
決しうる、3.仕上熱延終了後に熱延終了温度と関係づ
けられる一定時間注水を行わないことで磁気特性が改善
されることを見いだし、発明の完成に至った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
昨今の市場の要請に対し、従来困難であった、低コスト
で高磁束密度かつ低鉄損を達成する無方向性電磁鋼板の
製造方法を提供することを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、以下の通りである。
【0011】(1)鋼中に重量%で 2.0%≦(Si+2Al)≦4.5% 0.1%≦Mn≦1.0% C≦0.0050% N≦0.0050% S≦0.0050% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成
分のスラブを用い、熱間圧延し熱延板とし、酸洗後、1
回の冷間圧延を行い、次いで仕上げ焼鈍を施す無方向性
電磁鋼板の製造方法において、仕上熱間圧延時に、最終
パスの歪み速度150s-1以上でかつ、最終2スタンド
間の張力が1.5kgf/mm2以上で、熱延終了温度
T(℃)に対し、熱延終了後下記の式で規定される時間
tの間注水を行わず、コイルを巻き取ることを特徴とす
る無方向性電磁鋼板の製造方法。
【0012】 9.6−8×10-3T≦t≦15.6−8×10-3T 950≦T(℃)≦1150 (2)1回目の冷間圧延後、仕上げ焼鈍を施し、さらに
2〜20%のスキンパス圧延を施すことを特徴とする請
求項1記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
【0013】(3)粗圧延後のシートバーを仕上熱延前
に先行するシートバーに接合し、当該シートバーを連続
して仕上熱延に供することを特徴とする請求項1又は2
記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
【0014】以下に、本発明を詳細に説明する。
【0015】発明者らは、低鉄損と高磁束密度を同時に
達成すべく従来技術における問題点を鋭意検討を重ねた
結果、重量%で2.0%≦(Si+2Al)≦4.5
%、Mnを0.1%以上1.0%以下含有する鋼にあっ
て、仕上げ熱延最終パス付近の歪み速度とスタンド間張
力を制御し、仕上げ熱延終了後、熱延終了温度と関係づ
けられる時間の間無注水として鋼板を巻き取ることによ
り、Si含有量の高い無方向性電磁鋼板において、従来
以上に高磁束密度な無方向性電磁鋼板を製造することが
可能であることを見出し発明の完成に至った。
【0016】また、本発明の様な高歪み速度、高張力下
での無方向性電磁鋼板の仕上熱間圧延の試験を重ねる際
に、仕上圧延時の鋼板の走行不安定や、ストリップの破
断が生じやすくなる問題が生じた。発明者等はこれらの
問題点を解決すべく努力を重ねた結果、本発明の様な高
歪み速度、張力制御下の無方向性電磁鋼板での仕上熱間
圧延を安定的に行うために、粗圧延後のシートバーを、
先行するシートバーに接合し、仕上熱間圧延を連続的に
行うことが非常に有効であることも見いだした。
【0017】まず、成分について説明すると、SiとA
lは鋼板の固有抵抗を増大させ渦流損を低減させ、鉄損
値を改善するために添加される。(Si+2Al)含有
量が2.0%未満であると固有抵抗が十分に得られない
ので2.0%以上の量添加する必要がある。一方、(S
i+2Al)含有量が4.5%を越えると圧延時の耳割
れが著しく増加し、圧延が困難になるので4.5%以下
とする必要がある。
【0018】Mnは、Al、Siと同様に鋼板の固有抵
抗を増大させ渦電流損を低減させる効果を有する。この
目的のため、Mn含有量は0.1%以上とする必要があ
る。一方、Mn含有量が1.0%を越えると熱延時の変
形抵抗が増加し熱延が困難となるとともに、熱延後の結
晶組織が微細化しやすくなり、製品の磁気特性が悪化す
るので、Mn含有量は1.0%以下とする必要がある。
【0019】また、Mn添加量は仕上げ熱延前の高温の
シートバー接合部の強度確保の点からもきわめて重要で
ある。なぜなら、低融点の硫化物が結晶粒界に存在する
ことによるシートバー接合部の熱間脆化を防止するため
に、MnとSとの重量濃度の比であるMn/Sの値を2
0以上とすることが必要であるからである。本発明の成
分範囲では、Mn含有量が0.1%以上であり、S含有
量は0.0050%以下であるので、Mn/Sの値は2
0以上に保たれ、この観点からは問題がない。
【0020】また、製品の機械的特性の向上、磁気的特
性、耐錆性の向上あるいはその他の目的のために、P、
B、Ni、Cr、Sb、Sn、Cuの1種または2種以
上を鋼中に含有させても本発明の効果は損なわれない。
【0021】C含有量が0.0050%を越えると使用
中の磁気時効により鉄損が悪化して使用時のエネルギー
ロス が増加するため、0.0050%以下に制御する
ことが必要である。なお、熱延板焼鈍時の結晶粒成長を
促進して成品の磁気特性を向上させるためならびに、仕
上焼鈍時の結晶粒成長を促進しさらに鉄損の改善(低
減)をはかるためには、C含有量は好ましくは0.00
20%以下、さらに好ましくは0.0010%以下であ
ることが好ましい。
【0022】S、Nは熱間圧延工程におけるスラブ加熱
中に一部再固溶し、熱間圧延中にMnS等の硫化物、A
lN等の窒化物を形成する。これらが存在することによ
り熱延組織の粒成長を妨げるとともに仕上げ焼鈍時の結
晶粒成長を妨げ鉄損が悪化するのでSは0.0050%
以下、Nは0.0050%以下にする必要がある。な
お、熱延板焼鈍時の結晶粒成長を促進して成品の磁気特
性を向上させるためならびに、仕上焼鈍時の結晶粒成長
を促進しさらに鉄損の改善(低減)をはかるためには、
好ましくはS、Nとも0.0020%以下、さらに好ま
しくは0.0010%以下であることが好ましい。
【0023】次に本発明のプロセス条件について説明す
る。
【0024】前記成分からなる鋼スラブは、転炉で溶製
され連続鋳造あるいは造塊−分塊圧延により製造され
る。鋼スラブは公知の方法にて加熱される。このスラブ
に熱間圧延を施し所定の厚みとする。
【0025】仕上熱延時の最終パスの歪み速度と最終2
パスのスタンド間張力の成品磁気特性に対する影響を調
査するため下記の様な実験を行った。表1に示す成分の
鋼を溶製し仕上げ熱延を実施した。
【0026】
【表1】 仕上熱延時の最終パスの歪み速度と最終2パスのスタン
ド間張力を変えるためパススケジュールを変更して試験
を行った。仕上熱延により板厚2.5mmに仕上げ、仕
上熱延終了温度は1030℃とし、熱延終了後ランアウ
トテーブルを4秒無注水で通過した後に気水冷却を行
い、720℃で巻き取った。これを酸洗、冷延し0.5
0mm厚とし、脱脂した後、950℃、30秒焼鈍しエ
プスタイン試料を切断して磁気特性を測定した。
【0027】なお、歪み速度の計算は下記の式によって
行う。ここで、rは圧下率%/100、nはロールの回
転数(rpm)、Rは圧延ロール半径(mm)、H0
圧延前の板厚(mm)である。
【0028】歪み速度=(2πn/(60r0.5))
(R/H00.5 ln(1/(1−r)) 最終2スタンド間張力を3.1kgf/mm2とし、歪
み速度を変えて仕上げ熱延を行った。仕上熱延時の最終
パスの歪み速度に対する製品磁束密度の依存性を図1に
示した。図1によれば歪み速度150s-1以上で成品磁
束密度が上昇することがわかる。
【0029】次に、仕上熱延の最終スタンド歪み速度を
310s-1として、最終2スタンド間の張力を変えて実
験を行った。図2に仕上熱延時の最終2スタンド間の張
力と製品磁束密度の関係を示した。図2に示されるとお
り、仕上熱延の最終2スタンド間の張力が1.5kgf
/mm2以上で成品磁束密度が上昇することがわかる。
【0030】このように発明者等は、仕上熱延終了後に
熱延終了温度と関係づけられる一定時間注水を行わず、
最終パスの歪み速度と最終2パスのスタンド間張力を制
御するという手段により、無方向性電磁鋼板の磁気特
性、特に磁束密度を向上する手段を開発することに成功
した。
【0031】以上の実験から示されるように、仕上熱延
の最終パスの歪み速度は150s-1以上で、最終2パス
のスタンド間張力が1.5kgf/mm2以上であれば
よい。歪み速度の上限は特に設けない。これは、熱延機
の設備能力および熱延板の形状制御性から、歪み速度の
上限は自ずから決まるからである。すなわち、歪み速度
は圧延速度、熱延ロール径、圧下量により決まるが、圧
延速度、圧下量を大きくすれば歪み速度は増大するが、
熱延鋼板の形状制御は困難となる。無方向性電磁鋼板は
積層して使用に供されるため、その形状に対しては厳し
い管理が必要であり、歪み速度を増加させることにはお
のずから限界がある。この観点からは歪み速度は800
-1程度が限界である。
【0032】また、最終2スタンド間の張力についても
上限は設けないが、スタンド間張力が大きくなると通板
時に変形が生じ板幅が狭くなるので、これを補償するた
めにスラブ幅を広める必要があるとともに、過度の張力
の負荷によりストリップ の破断事故が発生する。これ
らの観点から、張力の限界は10kgf/mm2程度で
ある。
【0033】本発明のような仕上熱間圧延を行う場合、
仕上圧延時の鋼板の走行不安定や、ストリップの破断が
生じやすくなる問題が生じる場合がある。この様な高歪
み速度かつ張力負荷状態での仕上熱間圧延における問題
点を解決し、安定的に操業を行う方法として、粗圧延後
のシートバーを、仕上熱間圧延前に先行するシートバー
に接合し、当該シートバーを連続して仕上熱間圧延に供
することが特に有効である。
【0034】前記成分からなる鋼スラブは、転炉で溶製
され連続鋳造あるいは造塊−分塊圧延により製造され
る。鋼スラブは公知の方法にて加熱される。このスラブ
に熱間圧延を施し所定の厚みとする。
【0035】コイルの巻取温度については規定を設けて
いないが、高温で熱延を終了した鋼板表面に過度の酸化
層が生じ、酸洗性が悪化することを防止するため、75
0℃以下で巻き取ることが好ましい。
【0036】熱延終了後の無注水設定時間は熱延終了温
度T℃との関係で下記のように定める。仕上熱延におい
て熱延終了温度T(℃)、熱延終了後注水開始までの時
間t(秒)と磁気特性との関係を発明者等は詳細に検討
を行った結果、 9.6−8×10-3T≦t≦15.6−8×10-3T ・・・式(1) 950≦T(℃)≦1150 ・・・式(2) にて定められる範囲内において、酸洗性、通板速度、磁
気特性を満足する良好な条件を定めることが可能となっ
た。また、熱延終了後注水開始までの温度が式(1)で
定めた時間を越えると、鋼板を冷却する時間が不足し、
高温でコイルを巻き取るか、冷却を十分に施すために圧
延速度を低下させねばならず、生産性が悪化する。高温
でのコイル巻取りは巻きずれの発生や酸洗性の悪化等の
弊害を招くので好ましくない。このため無注水時間は式
(1)で定めた上限時間以下とする。式(1)で定めら
れる時間よりも無注水時間が短くなると熱延板の再結晶
・粒成長が不十分となり磁気特性の改善が得られない。
熱延終了温度T(℃)が950℃を下回った場合も同様
である。また、熱延終了温度を1150℃超にするため
には、通常の粗圧延、仕上圧延を有する熱延工程ではス
ラブの加熱温度を著しく高める必要があり、スラブ加熱
中に再固溶した析出物が熱延中に微細に析出し、磁気特
性を著しく悪化させるので熱延終了温度は1150℃以
下とする。
【0037】本発明では1回の冷間圧延を施し次いで仕
上げ焼鈍を施すか、その後さらにスキンパス圧延を施し
て製品としても良い。
【0038】スキンパス圧延を付加する場合はスキンパ
ス圧延率は2%未満ではその効果が得られず、20%超
では磁気特性が悪化するため2%以上から20%以下と
する。
【0039】
【実施例】次に、本発明の実施例について述べる。
【0040】(実施例1)表2に示した成分を有する無
方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加熱し、粗圧延
機により厚み50mmの粗バーに仕上げ、その後、仕上
げ熱延機により2.5mmに仕上げた。この際、スタン
ド間の張力制御を容易にするため、シートバーを先行す
るシートバーに接合して、連続して仕上熱間圧延を行っ
た。この時、仕上げ熱延最終2スタンド間の張力は2.
7kgf/mm2から2.9kgf/mm2に保って圧延
を行った。
【0041】仕上熱延終了温度は1020℃とし、無注
水時間を3.5秒とし、640℃で巻き取った。
【0042】その後、酸洗を施し、冷間圧延により0.
50mmに仕上げた。これを連続焼鈍炉にて950℃で
30秒間焼鈍した。その後、エプスタイン試料に切断
し、磁気特性を測定した。表3に本発明と比較例の成分
と磁気測定結果をあわせて示す。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】 (実施例2)表4に示した成分を有する無方向性電磁鋼
用スラブを通常の方法にて加熱し、粗圧延機により厚み
55mmの粗バーに仕上げ、その後、仕上げ熱延機によ
り2.5mmに仕上げた。
【0045】仕上熱延の圧延速度、パススケジュールを
制御し、コイル全長にわたり最終パスの歪み速度を30
0〜320s-1にした。
【0046】また、仕上熱間圧延時に鋼板とワークロー
ル間にスリップが生じ鋼板の表面に疵が形成されること
を防止するために、粗圧延後のシートバーを先行するシ
ートバーに溶接し、仕上熱間圧延を連続して行った。こ
の時、熱延仕上げ温度は1050℃とし、無注水時間を
3.5秒とし、675℃で巻き取った。
【0047】その後、酸洗を施し、冷間圧延により0.
50mmに仕上げた。これを連続焼鈍炉にて980℃で
60秒間焼鈍した。その後、エプスタイン試料に切断
し、磁気特性を測定した。表5に本発明と比較例の成分
と磁気測定結果をあわせて示す。
【0048】このように仕上げ熱延時の最終2スタンド
間の張力を1.5kgf/mm2以上に高めれば、磁束
密度の値が高く、鉄損値の低い磁気特性の優れた無方向
性電磁鋼板を得ることが可能である。
【0049】また、最終2スタンド間の張力が1.5k
gf/mm2以下であった比較例では熱延板のエッジか
ら20mmとセンターとの間の板厚偏差のコイル全長の
平均が50μmを超えていたのに対し、最終2スタンド
間の張力が1.5kgf/mm2以上であった本発明例
ではいずれも50μm以下におさまり、最終2スタンド
間の張力を制御することにより、熱延板の板厚精度の向
上がみられた。
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】 (実施例3)表6に示した成分を有する無方向性電磁鋼
用スラブを通常の方法にて加熱し、粗圧延機により厚み
50mmの粗バーに仕上げ、その後、仕上げ熱延機によ
り2.5mmに仕上げた。
【0052】仕上げ熱延最終2スタンド間の張力は2.
7kgf/mm2から2.9kgf/mm2に保って圧延
を行い、最終スタンドの歪み速度は310〜320s-1
に保った。また、仕上熱間圧延時に鋼板とワークロール
間にスリップが生じ鋼板の表面に疵が形成されることを
防止するために、粗圧延後のシートバーを先行するシー
トバーに溶接し、仕上熱間圧延を連続して行った。
【0053】熱延終了温度は1050℃とし、無注水時
間を変化させ、巻取温度は680℃で一定とした。この
場合、式(1)で規定される無注水時間は1.2秒以上
7.2秒以下である。
【0054】その後、酸洗を施し、冷間圧延により0.
50mmに仕上げた。これを連続焼鈍炉にて900℃で
30秒間焼鈍した。その後、エプスタイン試料に切断
し、磁気特性を測定した。表7に熱延条件と磁気測定結
果をあわせて示す。
【0055】表7に示されるように、無注水時間が1.
2秒以上であれば良好な磁気特性が得られていることが
わかる。
【0056】この様に、仕上熱延時の最終パスの歪み速
度および最終2スタンド間の張力の制御を適切に行い、
仕上熱延最終スタンド通過後の冷却開始時間を適切に制
御することにより、磁束密度の値が高く、鉄損値の低い
磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板を得ることが可能で
ある。
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】
【0059】
【発明の効果】このように本願発明によれば、従来法よ
りも安価なコストで、磁束密度が高く鉄損の低い、磁気
特性の優れた無方向性電磁鋼板を製造することが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】仕上熱延時の最終パスの歪み速度と成品磁束密
度の関係を示す図である。
【図2】仕上げ熱延時の最終2スタンド間の張力と成品
磁束密度の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島津 高英 姫路市広畑区富士町1番地 新日本製鐵株 式会社広畑製鐵所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼中に重量%で 2.0%≦(Si+2Al)≦4.5% 0.1%≦Mn≦1.0% C≦0.0050% N≦0.0050% S≦0.0050% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成
    分のスラブを用い、熱間圧延し熱延板とし、酸洗後、1
    回の冷間圧延を行い、次いで仕上げ焼鈍を施す無方向性
    電磁鋼板の製造方法において、仕上熱間圧延時に、最終
    パスの歪み速度150s-1以上でかつ、最終2スタンド
    間の張力が1.5kgf/mm2以上で、熱延終了温度
    T(℃)に対し、熱延終了後下記の式で規定される時間
    tの間注水を行わず、コイルを巻き取ることを特徴とす
    る無方向性電磁鋼板の製造方法。 9.6−8×10-3T≦t≦15.6−8×10-3T ・・・式(1) 950≦T(℃)≦1150 ・・・式(2)
  2. 【請求項2】 1回目の冷間圧延後、仕上げ焼鈍を施
    し、さらに2〜20%のスキンパス圧延を施すことを特
    徴とする請求項1記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 粗圧延後のシートバーを仕上熱延前に先
    行するシートバーに接合し、当該シートバーを連続して
    仕上熱延に供することを特徴とする請求項1又は2記載
    の無方向性電磁鋼板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010248559A (ja) * 2009-04-14 2010-11-04 Nippon Steel Corp 無方向性電磁鋼板
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CN114369761A (zh) * 2022-01-07 2022-04-19 山西太钢不锈钢股份有限公司 一种薄规格无取向硅钢及其制备方法

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