JP3299487B2 - Fe−Ni系合金薄板の製造方法 - Google Patents
Fe−Ni系合金薄板の製造方法Info
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Description
薄板の製造方法に関するものであり、特には熱間圧延に
より、Fe−Ni系合金材料をそれが本来具備する特性
を害することなく高強度化した、例えば電子部品用の、
Fe−Ni系合金薄板の製造方法に関する。
封着性、半田付け性といった諸特性にも優れたFe−N
i系合金は、リードフレーム等の電子部品用素材として
広く用いられている。例えば、リードフレーム用材料と
してはFe−42Ni(42合金)、Fe−50Ni、
Fe−29Ni−17Co(コバール)が使用され、特
に低熱膨張特性を利用する材料には、Fe−36Ni
(インバー)やFe−31Ni−5Co(スーパーイン
バー)等が使用されている。
い、素材の薄板化及び微細加工化が一層求められてい
る。このような薄板で微細加工を行ったFe−Ni系合
金電子部品材料では、強度不足が原因となって、搬送、
組み立て、実装の取扱中、曲がりや反りが起こりやす
く、わずかの衝撃で変形する等の事態が起こりやすい。
そこで、Fe−Ni系合金材料に対して、その強度の一
層の向上が求められている。ただし、強度向上は、Fe
−Ni系合金が有する優れた他の性質を害するものであ
ってはならない。
造、熱間圧延、一回以上の冷間圧延、及び一回以上の焼
鈍からなる一連のプロセスを経て製造されている。冷間
圧延と焼鈍を繰り返し、最終焼鈍後、最終冷間圧延を実
施する。最終冷間圧延とは、その後に再結晶温度以上で
の焼鈍を施さない冷間圧延であり、最終板厚を決定する
ものである。その後、再結晶温度以下での歪み取り焼鈍
を施す場合も多い。近時は、0.10〜0.15mmの
薄いFe−Ni系合金条が製造されている。
その代替合金の製造方法は種々提案されているが、強化
した42合金条又はその代替合金条がリードフレーム等
電子部品用素材として現行の電子部品製造プロセスへの
適合性を保持するためには、強度以外の諸特性を現行の
42合金並みに維持することが望ましい。このために
は、結晶粒組織並びに加工によって導入される転位下部
組織の微細化を原理とする強化方策が最も容易と考えら
れる。
冷間圧延及びその後の焼鈍の各条件の最適化等による結
晶粒及び転位下部組織微細化の提案があり、強化策とし
て有効であるとされている。例えば、特開平4−160
112号は、Fe−Ni系合金の最終焼鈍を、加工度4
0〜90%の圧延を施した後に、結晶粒径が30μm以
下となるような条件で施し、続く最終冷間圧延の加工度
を40〜85%に調整することにより、エッチング性、
封着性及び成形加工性に優れた高強度リードフレーム材
が得られることを記載する。特開平9−41095号
は、Ni:28〜55%或いは更にCo:12%以下を
含有するFe−Ni系電子部品用材料において、ハンダ
性、メッキ性を害することなくまたコストを大きく上げ
ることなく十分な高強度を得るための製造方法として、
圧延率に対して急激に硬さが上昇する二次加工硬化領域
に対応する圧延率で最終冷間圧延を施すことを記載し、
それにより、二次加工硬化領域での圧延を経て結晶粒が
展伸された組織であり、そして硬さがビッカース硬さで
HV≧220+0.5〔Ni〕%或いはHV≧220+
0.5〔Ni〕%+0.7〔Co〕%を満足する材料が
得られるとしている。
冷間圧延及びその後の焼鈍の各条件の最適化による強化
方法では、強化水準におのずから限界があり、更に効果
的な高強度化を図る技術を確立することが要望されてい
る。本発明の課題は、冷間圧延及びその後の焼鈍の各条
件の最適化のみによるよりも更に効果的なFe−Ni系
合金の高強度化を可能とする技術を確立することであ
る。
的な一加工プロセスである熱間圧延に着目した、Fe−
Ni系合金の高強度化に関する技術的検討は今までほと
んど行われていない。本発明者は、Fe−Ni系合金の
高強度化を目的とし、特に熱間圧延に着目して一連の研
究を行った結果、所定の条件の下でインゴット加熱及び
熱間圧延を行い、更に必要な場合所定の条件で焼鈍を行
い、その後適切な条件での冷間圧延とその後の焼鈍を繰
り返すことにより、冷間圧延及びその後の焼鈍の各条件
の最適化のみによるよりも更に効果的なFe−Ni系合
金の高強度化を実現できるとの知見を得た。なお、適切
な条件での冷間圧延とその後の焼鈍の条件に関しては、
例えば特開平4−160112号で提案されたものが準
用可能である。
Tm (℃)として、TG 、TDR、TSR及びTR をそれぞ
れTG (℃)=0.93Tm (℃)、TDR(℃)=0.
5Tm +280(℃)、TSR(℃)=0.5Tm −14
0(℃)及びTR (℃)=0.5Tm −340(℃)と
定義し、インゴット加熱温度をTH (℃)、熱間圧延開
始温度をTRS(℃)、そして熱間圧延終了温度をT
RF(℃)として、次の処理段階(1)、(2)及び
(3)を実施する: (1)TH <TG なる条件を充すインゴット加熱段階
と、(2)TRS>TDR>TRF>TSRなる条件を充し、且
つ(a)TRSからTDRまでの範囲内でのパス当りの圧下
率を10%以上、続いて(b)TDRからTRFまでの範囲
内での全圧下率を50%以上とする熱間圧延を行うか、
もしくはTRS>TDR及びTSR>TRF>TR なる条件を充
し、且つ(a’)TRSからTDRまでの範囲内でのパス当
りの圧下率を10%以上、続いて(b’)TDRからTSR
までの範囲内での全圧下率を50%以上とする熱間圧延
と、更に、(c’)TSRからTRFまでの範囲内での全圧
下率5%以上とする温間圧延を行う熱間圧延段階と、
(3)その後、冷間圧延と焼鈍を繰り返し、最終焼鈍後
の結晶粒径を10μm未満とし、続いて最終冷間圧延を
実施する冷間圧延段階。これにより240以上のビッカ
ース硬さそして800MPa以上の引張り強さを有す
る、例えば電子部品用、Fe−Ni系合金薄板の製造が
可能である。熱間圧延後、TDRからTSRまでの温度範囲
で10分から24時間の焼鈍を実施することができる。 最終焼鈍は加工度:40〜90%の圧延を施した後実施
し、そして続く冷間圧延の加工度を40〜85%に調整
することが好ましい。
金はその最も基本的な形態において、重量%にてNi:
28〜55%を含み、残部が実質的にFeである組成を
有する。特にリードフレーム材の場合、添加成分及び不
純物を次の通り規制することが所望される。 C :0.015%以下、Si:0.001〜0.15%、 Mn:0.1〜1.0%、P :0.01%以下、 S :0.005%以下、O :0.010%以下、 N :0.005%以下。
要な成分であり、封着性や封着後におけるパッケージと
の熱膨張差を小さくして、優れた封着性と耐湿信頼性を
確保するためにはNi含有量を28〜55%の範囲に調
整する必要がある。特に好ましい範囲は40〜53%で
ある。C リードフレーム材中のC含有量が0.015%を超える
と鉄炭化物の生成が起こり、これがリードフレーム材の
エッチング性を害する。従って、C含有量の上限を0.
015%とするのがよいが、固溶Cもエッチング加工性
に悪影響を与えることからC含有量は低ければ低いほど
良く、出来れば0.005%以下にまで抑制するのが望
ましい。Si Siは脱酸材として必要な元素であるが、一方でリード
フレーム材のエッチング加工性に大きな影響を及ぼす元
素でもある。即ち、Si含有量が増加するとエッチング
速度が遅くなってエッチング加工性が悪化する。このた
め、良好なエッチング加工性を確保するためにはSi含
有量を0.15%以下に調整する必要がある。特に多ピ
ンタイプのリードフレーム材の場合には一段と良好なエ
ッチング加工性が要求されることから、Si含有量は
0.05%以下にまで低減するのが望ましい。ただ、S
i含有量を0.001%未満にまで低減することは精錬
コストを著しく高め、且つSiの脱酸効果を認め難くす
る。従って、Si含有量は0.001〜0.15%とす
るのがよいが、出来れば0.001〜0.05%に調整
するのが望ましい。Mn Mnはリードフレーム材の脱酸及び熱間加工性を確保す
るために添加される成分であるが、その含有量が0.1
%未満では所望の脱酸効果が得られないばかりか、熱間
加工性も劣るようになる。一方、1.0%を超えてMn
を含有させると加工性の悪化を招き、更には熱膨張係数
も大きくなってしまう。P PもSiと同様、含有量が多くなるとリードフレーム材
のエッチング加工性に害を与える元素である。そして、
上記エッチング加工性への悪影響はP含有量が0.01
%を超えるとより顕著になることから、P含有量は0.
01%以下とするのがよい。しかし、P含有量を0.0
03%以下にまで低減するとエッチング加工性改善効果
が一層顕著となって多ピンタイプのリードフレームへ適
用する場合でも十分満足できる結果が安定して確保でき
るようになることから、望ましくは0.003%以下に
調整するのが良い。S S含有量が0.005%を超えるとリードフレーム材中
に硫化物系介在物が多くなり、エッチング加工時の欠陥
となってピン折れ等を引き起こすようになる。従って、
S含有量は0.005%以下とするのがよい。O、N この他、O含有量が0.010%を超えるとリードフレ
ーム材中に酸化物系介在物が多くなり、やはりエッチン
グ加工時の穿孔欠陥となることから、O含有量は0.0
10%以下とするのがよい。また、N含有量が0.00
5%を超えてもリードフレーム材のエッチング加工性が
悪化することから、N含有量の上限は0.005%とす
るのがよい。
度をTm (℃)として、図1の縦軸に示す温度TG 、T
DR、TSR及びTR をそれぞれ以下のように定義する: TG (℃)=0.93Tm (℃) TDR(℃)=0.5Tm +280(℃) TSR(℃)=0.5Tm −140(℃) TR (℃)=0.5Tm −340(℃) TG は、これを超えると、通常の工業的インゴット加熱
条件下では結晶粒の粗大化ないしは著しい粒界酸化を起
こしてしまう温度である。TG 〜TDRは、通常の工業的
熱間圧延条件下で動的再結晶が可能な領域である。本領
域においては、圧延パス中にひずみ速度に応じて粒内ま
たは粒界に新たな再結晶核が形成され、細粒化が進行す
る。本領域においてはまた、以下に述べる圧延パス間の
静的再結晶による細粒化も起こり得る。TDR〜TSRは、
通常の工業的熱間圧延条件下で静的再結晶が主となる領
域である。本領域においては、圧延変形後に、圧延変形
により蓄積されたひずみ量に応じて、粒内または粒界に
新たな再結晶核が形成され、結晶粒の微細化が進行す
る。すなわち、静的再結晶と動的再結晶とは、再結晶進
行の支配要因が前者にあっては蓄積ひずみ量、後者にあ
ってはひずみ速度であり、再結晶が前者にあっては変形
後に、後者にあっては変形中に進行する点で異なる。T
SR〜TR は、通常の工業的熱間圧延条件下では回復のみ
が起こり得る領域である。
インゴット加熱温度:TH (℃)、熱間圧延開始温度:
TRS(℃)及び熱間圧延終了温度:TRF(℃)をそれぞ
れ指定する。
すように、(1)TH <TG の条件でインゴットを加熱
し、(2)TRS>TDR>TRF>TSRの条件において、
(a)TRSからTDRまでの範囲内でのパス当りの圧下率
を10%以上、(b)TDRからTRFまでの範囲内での全
圧下率を50%以上とする熱間圧延を行う。 インゴット加熱温度:TH は、TG 未満でなければなら
ない。これを超えるとインゴット自身が結晶粒の粗大化
または著しい粒界酸化を起こしてしまうからである。 熱間圧延開始温度:TRSからTDRまでの範囲内でのパス
当りの圧下率は10%以上である必要がある。その理由
は、10%未満であると、動的再結晶による結晶粒の微
細化が起こらず、加えて、パス間の結晶粒粗大化を促進
し、全体として組織の粗大化を来す恐れがあるためであ
る。 TDRから熱間圧延終了温度:TRFまでの範囲内での全圧
下率を50%以上とする必要がある。その理由は、50
%未満だと、十分な数の再結晶核が形成されず、結晶粒
の微細化が起こらないからである。
に、図1(b)に示すように、(1)TH <TG の条件
でインゴットを加熱し、(2)TRS>TDR及びTSR>T
RF>TR の条件において、(a)TRSからTDRまでの範
囲内でのパス当りの圧下率を10%以上、(b)TDRか
らTSRまでの範囲内での全圧下率を50%以上とする熱
間圧延を行い、(c)TSRからTRFまでの範囲内での全
圧下率5%以上とする温間圧延を行う。上記1(a)図
の場合とは、TSRからTRFまでの範囲内での全圧下率5
%以上とする温間圧延を行う点でのみ異なる。温間圧延
においては、再結晶核形成に必要なひずみ蓄積をより効
果的に達成することができ、続く冷間圧延と焼鈍の段階
でより微細な再結晶組織を得ることができる。所期の効
果を得るにためは、全圧下率5%以上とすることが必要
である。
間圧延後の組織の均一性維持に必要な場合、TDRからT
SRまでの温度範囲で10分から24時間の焼鈍を実施す
ることができる。
焼鈍後の結晶粒径を10μm未満とし、続いて最終冷間
圧延が実施される。冷間圧延と焼鈍条件は、熱間圧延後
もしくは温間圧延後冷間圧延と焼鈍を繰り返し、最終焼
鈍後の結晶粒径を10μm未満の微粒組織を創出しうる
条件ならいずれも採用できるが、一つの好ましい条件は
特開平4−160112号で提案された次の条件であ
る。最終焼鈍前の圧延加工度はリードフレーム材に所望
強度を確保する上で重要であるが、その加工度を特に4
0〜90%に限定する。その理由は、圧延加工度が40
%未満の場合には最終焼鈍時に安定して所望の微細な結
晶粒が得られずに混粒となってしまい、一方、90%を
超える圧延加工度になると最終焼鈍時に集合組織により
強度の異方性が発達し、その結果、最終冷間圧延、歪取
り焼鈍を行っても所望する均一な強度が得られなくなる
ことにある。最終焼鈍条件もリードフレーム材に所望強
度を確保する上で重要であり、またエッチング性やプレ
ス加工性にも大きく影響する因子となるが、特に得られ
る結晶粒径が10μm以下となる条件で最終焼鈍を実施
する理由は、10μm以下への結晶粒径の微細化により
所望の高強度化が達成される上、エッチング性やプレス
加工性にも好結果が得られて高精度リードフレームの実
現に有効であるのに対して、結晶粒径が10μmを超え
るとこれらの効果を確保することができなくなるためで
ある。なお、最終焼鈍時の結晶粒径の調整は、周知のよ
うに焼鈍温度及び焼鈍時間の調節によって行うが、本発
明で提示した熱間圧延条件が、所望の微細粒を得るため
の要件である。最終圧延での加工度もリードフレーム材
の強度に大きな影響を与えるが、該加工度を特に40〜
85%と限定することが好ましい。その理由は、該圧延
加工度が40%未満の場合には強度改善に顕著な効果が
得られず、一方、85%を超えると強度の異方性が顕著
となるためである。最終圧延後に適正な歪取り焼鈍を行
うことによってKb値が向上し、その異方性も飛躍的に
改善されると共に、曲げ加工性及び封着性も改善される
ことから歪取り焼鈍が行われる。例えば、還元性雰囲気
中での連続焼鈍炉において炉温:500〜900℃、材
料の炉内滞留時間:10〜120秒間で熱処理すること
によって上記効果が得られる。
して800MPa以上の引張り強さを有する電子部品用
Fe−Ni系合金薄板を製造することができる。
テンサイト導入の効果を狙うことができ、また適切な合
金元素添加により、これら元素による固溶強化又は結晶
粒組織及び転位下部組織の微細化効果を期待することが
できる。従って、本発明のFe−Ni系合金とは、Fe
−Ni−Co系、Fe−Ni−X系(X=Cr、Nb、
Ti、Mo、W、Ta、Cu、V、Zr、Hf)系及び
Fe−Ni−Co−X(X=同上)系を包括するもので
ある。Coは一般に、0.1〜20重量%の範囲で添加
することができる。Xは、0.01〜5重量%の範囲で
添加することができる。これらの添加元素Xは何れもリ
ードフレーム材の強度や熱膨張係数を上昇させる作用を
有しているため、材料強度の向上、並びに熱膨張係数を
上げてレジンモールドのそれに近付けることで封着性を
より改善する目的で必要に応じ1種又は2種以上が含有
せしめられる。特に、Co、Cr、Mo、W、V、N
b、Ta、Ti、Zr及びHfは、炭化物を形成して固
溶炭素を減少させるためにエッチング性向上効果も有し
ており、また炭化物の分散によって結晶粒を微細化し、
強度上昇及び曲げ性改善の効果をももたらす。しかし、
それらの含有量が合計で0.01%未満であると前記作
用による所望の効果が得られず、一方、合計の含有量が
5.0%を超えた場合には材料が硬くなり過ぎて成形加
工性の劣化を招くほか、適正な熱膨張係数の確保も困難
となることから、上記成分の含有量は合計量で0.01
〜5.0%とするのがよい。
℃であり、従って TG =1340℃ TDR=1000℃ TSR=580℃ TR =380℃ 供試材Bの溶融開始温度:Tm は1436℃であり、従
って、 TG =1335℃ TDR=998℃ TSR=578℃ TR =378℃ である。供試材A及びBの試験条件、最終焼鈍後の平均
結晶粒径、最終加工工程後のビッカース硬さと引張り強
さを表2及び表3にそれぞれ示す。表2及び3におい
て、r/p、R1 及びR2 は、それぞれ、TRSからTDR
までのパス当りの圧下率、TDRからTRFまでのもしくは
TDRからTSRまでの全圧下率及びTSRからTRFまでの全
圧下率を表す。一部の供試材A及びBについては熱間圧
延後、700℃の温度で0.5時間の焼鈍を行った。d
F 、HV 及びσt はそれぞれ最終焼鈍後の平均結晶粒
径、最終加工工程後のビッカース硬さと引張り強さを表
す。なお、本試験においては、最終冷間圧延率はいずれ
の供試材に対しても70%である。
件により製造されたFe−Ni系合金においては、最終
焼鈍後の結晶粒径が10μm未満であり、ビッカース硬
さ:240以上そして引張り強さ:800MPa以上と
微粒でかつ高強度化を実現している。
間圧延を行い、更に必要な場合所定の条件で焼鈍を行
い、その後適切な条件での冷間圧延とその後の焼鈍を繰
り返すことにより、冷間圧延及びその後の焼鈍の各条件
の最適化のみによるよりも更に効果的なFe−Ni系合
金の高強度化を実現することに成功した。
様相を示す模式図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%にてNi:28%〜55%を含
み、残部が実質的にFeである組成を有するFe−Ni
系合金において、材料の溶融開始温度をTm(℃)とし
て、TG、TDR及びTSRをそれぞれTG(℃)=0.93
Tm(℃)、TDR(℃)=0.5Tm+280(℃)及び
TSR(℃)=0.5Tm−140(℃)と定義し、イン
ゴット加熱温度をTH(℃)、熱間圧延開始温度をTRS
(℃)、そして熱間圧延終了温度をTRF(℃)とすると
き、 (1)TH<TGなる条件を充すインゴット加熱段階と、 (2)TRS>TDR>TRF>TSRなる条件を充し、且つ
(a)TRSからTDRまでの範囲内でのパス当りの圧下率
を10%以上、続いて(b)TDRからTRFまでの範囲内
での全圧下率を50%以上とする熱間圧延を行う熱間圧
延段階と、 (3)その後、冷間圧延と焼鈍を繰り返し、最終焼鈍後
の結晶粒径を10μm未満とし、続いて最終冷間圧延を
実施する冷間圧延段階とを包含することを特徴とする2
40以上のビッカース硬さそして800MPa以上の引
張り強さを有するFe−Ni系合金薄板の製造方法。 - 【請求項2】 重量%にてNi:28%〜55%を含
み、残部が実質的にFeである組成を有するFe−Ni
系合金において、材料の溶融開始温度をTm(℃)とし
て、TG、TDR、TSR及びTRをそれぞれTG(℃)=
0.93Tm(℃)、TDR(℃)=0.5Tm+280
(℃)、TSR(℃)=0.5Tm−140(℃)及びTR
(℃)=0.5Tm−340(℃)と定義し、インゴッ
ト加熱温度をTH(℃)、熱間圧延開始温度をT
RS(℃)、そして熱間圧延終了温度:TRF(℃)とする
とき、 (1)TH<TGなる条件を充すインゴット加熱段階と、 (2)TRS>TDR及びTSR>TRF>TRなる条件を充
し、且つ(a)TRSからTDRまでの範囲内でのパス当り
の圧下率を10%以上、続いて(b)TDRからTSRまで
の範囲内での全圧下率を50%以上とする熱間圧延を行
い、更に(c)TSRからTRFまでの範囲内での全圧下率
5%以上とする温間圧延を行う熱間圧延段階と、 (3)その後、冷間圧延と焼鈍を繰り返し、最終焼鈍後
の結晶粒径を10μm未満とし、続いて最終冷間圧延を
実施する冷間圧延段階と を包含することを特徴とする240以上のビッカース硬
さそして800MPa以上の引張り強さを有するFe−
Ni系合金薄板の製造方法。 - 【請求項3】 (2)の熱間圧延段階後、TDRからTSR
までの温度範囲で10分から24時間の焼鈍を実施する
ことを特徴とする請求項1乃至2の方法。 - 【請求項4】 (3)の冷間圧延段階において、最終焼
鈍は加工度:40〜90%の圧延を施した後実施し、そ
して続く冷間圧延の加工度を40〜85%に調整するこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項の方法。
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Cited By (1)
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US8945884B2 (en) | 2000-12-11 | 2015-02-03 | Life Technologies Corporation | Methods and compositions for synthesis of nucleic acid molecules using multiplerecognition sites |
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1997
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