JPS63145745A - 強度、延性、靭性及び疲労特性に優れた熱延高張力鋼板の製造方法 - Google Patents
強度、延性、靭性及び疲労特性に優れた熱延高張力鋼板の製造方法Info
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- JPS63145745A JPS63145745A JP29155586A JP29155586A JPS63145745A JP S63145745 A JPS63145745 A JP S63145745A JP 29155586 A JP29155586 A JP 29155586A JP 29155586 A JP29155586 A JP 29155586A JP S63145745 A JPS63145745 A JP S63145745A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、強度、延性、靭性及び疲労特性に優れた熱延
高張力鋼板と、その製造方法に関するものである。
高張力鋼板と、その製造方法に関するものである。
(従来の技術とその問題点)
従来、高張度の熱延鋼板を製造するに際しては、Nb5
Ti等の析出強化型元素を添加し、Nb、 Tiの微細
な析出物による強化を図っている。しかしながら、Nb
、 Tiを添加すると、鋼の靭性が大きく低下するので
好ましくない。このため、高強度で且つ高い靭性を要求
される場合においては、特公昭57−49606号公報
に記載されているように、Cr、 Ni、MO等を添加
し、鋼の強度と靭性を確保しているが、Nl5M0等が
高価であるために製造コスト面で問題がある。
Ti等の析出強化型元素を添加し、Nb、 Tiの微細
な析出物による強化を図っている。しかしながら、Nb
、 Tiを添加すると、鋼の靭性が大きく低下するので
好ましくない。このため、高強度で且つ高い靭性を要求
される場合においては、特公昭57−49606号公報
に記載されているように、Cr、 Ni、MO等を添加
し、鋼の強度と靭性を確保しているが、Nl5M0等が
高価であるために製造コスト面で問題がある。
本発明の目的は、製造コスト上問題となるCr。
Ni、Moの添加を避けて、微量のNbを添加した鋼の
組成成分、スラブ加熱温度、熱間仕上圧延温度、熱間圧
延後の冷却速度および巻取温度を適正な範囲に制御する
ことで、強度、延性、靭性、更に加えて疲労特性に優れ
た熱延高張力鋼板とその製造方法を提供することにある
。
組成成分、スラブ加熱温度、熱間仕上圧延温度、熱間圧
延後の冷却速度および巻取温度を適正な範囲に制御する
ことで、強度、延性、靭性、更に加えて疲労特性に優れ
た熱延高張力鋼板とその製造方法を提供することにある
。
(問題点を解決するための手段)
本発明は、重量%で
C:0.01〜0.20%、
Si: 1.00%以下
!、!n:2゜00%以下、
Al:0.10%以下、
N : 0.0070%以下、
Nb : 0.0050〜0.15%、を余み、残余は
不可避不純物を除き実質的にFeの組成からなり、フェ
ライトの平均粒径が2〜3μmの微細フェライトが面積
率で70%以上、ベイナイトとマルテンサイトを含む組
織の面積率が20%以下で、残部の面積率が平均粒径1
0μm以下のフェライトの混合組織からなる強度、延性
、靭性及び疲労特性に優れた熱延高張力゛鋼板と、C:
0.01〜0.20%、 Si:1.00%以下、 Mn:2.00%以下、 N : 0.0070%以下 Al:Q、IQ%以下、 Nb : 0.005〜0.15%、 に加えて、Ti : 0.005〜0.050%、V:
0.01〜0゜200%のうち一種又は二種を含み、残
余は不可避不純物を除き実質的にFeの組成からなり、
フェライトの平均粒径が2〜3μmの微細フェライトが
面積率で70%以上、ベイナイトとマルテンサイトを含
む組織の面積率が20%以下で、残部の面積率が平均粒
径10μm以下の混合組織からなる強度、延性、靭性及
び疲労特性に優れた熱延高張力鋼板、及び、 C:0.01〜0.20%、 Si:1.00%以下、 Mn:2.00%以下、 Al:0.10%以下、 N:0.0070%以下、 Nb : 0.005〜0.15%を含み、残余は不可
避不純物からなる鋼塊又はスラブを下記式で決まる温度
Tc以下に加熱し、850〜Ar350℃の温度範囲で
熱間圧延後、冷却速度30℃/秒以上で冷却した後、4
50℃〜150℃の温度範囲で巻取ることを特徴とする
強度、延性、靭性及び疲労特性に優れた熱延高張力鋼板
の製造方法、 Nll≦0.015%の場合、 Tc = 850 + 139000 X 〔Nb重量
%〕×〔C重量%+12/14 N重量%〕Nb >0
.015%の場合、 Tc = 961 + 51000 X (Nb重量%
〕×〔C重量%+12/14 N重量%〕とすることに
より、前述した問題点を解決した。
不可避不純物を除き実質的にFeの組成からなり、フェ
ライトの平均粒径が2〜3μmの微細フェライトが面積
率で70%以上、ベイナイトとマルテンサイトを含む組
織の面積率が20%以下で、残部の面積率が平均粒径1
0μm以下のフェライトの混合組織からなる強度、延性
、靭性及び疲労特性に優れた熱延高張力゛鋼板と、C:
0.01〜0.20%、 Si:1.00%以下、 Mn:2.00%以下、 N : 0.0070%以下 Al:Q、IQ%以下、 Nb : 0.005〜0.15%、 に加えて、Ti : 0.005〜0.050%、V:
0.01〜0゜200%のうち一種又は二種を含み、残
余は不可避不純物を除き実質的にFeの組成からなり、
フェライトの平均粒径が2〜3μmの微細フェライトが
面積率で70%以上、ベイナイトとマルテンサイトを含
む組織の面積率が20%以下で、残部の面積率が平均粒
径10μm以下の混合組織からなる強度、延性、靭性及
び疲労特性に優れた熱延高張力鋼板、及び、 C:0.01〜0.20%、 Si:1.00%以下、 Mn:2.00%以下、 Al:0.10%以下、 N:0.0070%以下、 Nb : 0.005〜0.15%を含み、残余は不可
避不純物からなる鋼塊又はスラブを下記式で決まる温度
Tc以下に加熱し、850〜Ar350℃の温度範囲で
熱間圧延後、冷却速度30℃/秒以上で冷却した後、4
50℃〜150℃の温度範囲で巻取ることを特徴とする
強度、延性、靭性及び疲労特性に優れた熱延高張力鋼板
の製造方法、 Nll≦0.015%の場合、 Tc = 850 + 139000 X 〔Nb重量
%〕×〔C重量%+12/14 N重量%〕Nb >0
.015%の場合、 Tc = 961 + 51000 X (Nb重量%
〕×〔C重量%+12/14 N重量%〕とすることに
より、前述した問題点を解決した。
また、
C:0.01〜0.20%、
Si:1.00%以下、
1へl:0.10%以下、
N : 0.0070%以下、
Nb : 0.005〜0゜15%に加えて、T1 二
〇、 005 〜0.050 %、 V:0.01〜
0.200 %のうち一種又は二種を含み、残余は不
可避不純物を除き実質的にFeの組成からなる鋼塊又は
スラブの場合も、下記式で決まる温度Tc以下に加熱し
、850〜Ar、、 50℃の温度範囲で熱間圧延後
、冷却速度30℃/秒以上で冷却した後、450℃〜1
50℃の温度範囲で巻取ることにより強度、延性、靭性
及び疲労特性に浸れた熱延鋼板を製造することができる
。なお、式はNbS2.015%の場合、Tc = 8
50 + 139000 X CNb重量%〕X (C
重量%+12/14 N重量%〕Nb >0.015%
の場合、 Tc = 961 + 51000 X CNb重量%
〕×〔C重量%+12/14 N重量%〕とする。
〇、 005 〜0.050 %、 V:0.01〜
0.200 %のうち一種又は二種を含み、残余は不
可避不純物を除き実質的にFeの組成からなる鋼塊又は
スラブの場合も、下記式で決まる温度Tc以下に加熱し
、850〜Ar、、 50℃の温度範囲で熱間圧延後
、冷却速度30℃/秒以上で冷却した後、450℃〜1
50℃の温度範囲で巻取ることにより強度、延性、靭性
及び疲労特性に浸れた熱延鋼板を製造することができる
。なお、式はNbS2.015%の場合、Tc = 8
50 + 139000 X CNb重量%〕X (C
重量%+12/14 N重量%〕Nb >0.015%
の場合、 Tc = 961 + 51000 X CNb重量%
〕×〔C重量%+12/14 N重量%〕とする。
(作 用)
以下に本発明の成分、製造条件の限定理由について述べ
る。
る。
C:Cは多いほど強度を向上するうえで有効であるが、
0.20重量%を超えると熱間圧延後の組織中に占める
パーライトの面積率が増加して靭性が劣化する。更に、
熱間圧延中、或いは熱間圧延後の冷却中にNbの炭窒化
物(Nb(CN) )の析出物が生じ易く、巻取り前の
固溶Nbを所定量確保することが困難となるので、上限
は0.08重量%とする。また、熱間圧延後のフェライ
ト組織が粗大になることと、Ar3点が高くなり比較的
低い熱間圧延温度を確保てきなくなるので、その含有量
の下限は、0.01重量%とする。
0.20重量%を超えると熱間圧延後の組織中に占める
パーライトの面積率が増加して靭性が劣化する。更に、
熱間圧延中、或いは熱間圧延後の冷却中にNbの炭窒化
物(Nb(CN) )の析出物が生じ易く、巻取り前の
固溶Nbを所定量確保することが困難となるので、上限
は0.08重量%とする。また、熱間圧延後のフェライ
ト組織が粗大になることと、Ar3点が高くなり比較的
低い熱間圧延温度を確保てきなくなるので、その含有量
の下限は、0.01重量%とする。
S+: Siは、冷却中のポリゴナルフエライトの生成
を促進し、さらにそれを固溶強化するため、延性の大き
な劣化を伴わずに高強度化できることで望ましい元素で
ある。しかし、1.00重量%を越えて添加されると溶
接が困難になることや、表面性状の劣化強化効果の飽和
などの問題となるので上限を1.00重1%とした。
を促進し、さらにそれを固溶強化するため、延性の大き
な劣化を伴わずに高強度化できることで望ましい元素で
ある。しかし、1.00重量%を越えて添加されると溶
接が困難になることや、表面性状の劣化強化効果の飽和
などの問題となるので上限を1.00重1%とした。
!、In: !、Inは、引張強さを確保すると共に熱
間加工性を確保するうえで重要な元素であり、熱間圧延
時における低融点のFeSの形成を防止する元素である
。しかし、その添加量が2.0重量%を超えると、スラ
ブの中心偏析部に異常硬化組織が生じ易く、また溶接時
の割れの原因となるので、その添加量を2.0重量%以
下とする。
間加工性を確保するうえで重要な元素であり、熱間圧延
時における低融点のFeSの形成を防止する元素である
。しかし、その添加量が2.0重量%を超えると、スラ
ブの中心偏析部に異常硬化組織が生じ易く、また溶接時
の割れの原因となるので、その添加量を2.0重量%以
下とする。
AI AIは、鋼を脱酸するために添加するが、その添
加量が0.10重量%を超えると、置換型固溶原子状態
にあるAIが溶接時に酸素と結びついてペネトレーター
と呼ばれる介在物となり易く、更に鋼(反の表面I生状
を劣化させる原因となるので、AIの添加量の上限は0
.10重量%とする。
加量が0.10重量%を超えると、置換型固溶原子状態
にあるAIが溶接時に酸素と結びついてペネトレーター
と呼ばれる介在物となり易く、更に鋼(反の表面I生状
を劣化させる原因となるので、AIの添加量の上限は0
.10重量%とする。
N: Nの含有量が0.0070重量%を超えると、熱
間圧延後に低温で巻取った場合に固溶状態でNが残在す
るようになり、靭性が劣化するので、その含有量は0.
0070重量%以下とする。
間圧延後に低温で巻取った場合に固溶状態でNが残在す
るようになり、靭性が劣化するので、その含有量は0.
0070重量%以下とする。
S: Sは、特にMnが多量に添加されている場合には
、靭性に有害な介在物を形成して靭性が劣化するので、
その含有量は0.0100重量%以下とする。
、靭性に有害な介在物を形成して靭性が劣化するので、
その含有量は0.0100重量%以下とする。
Nb: Nbは、スラブ加熱時のオーステナイトの細粒
化を促進する作用があるが、そ含有量が0.005重量
%未満であるとスラブ加熱時のオーステナイトの細粒化
効果が得られない。また、その含有量が増加するにつれ
てオーステナイトの細粒化は進むが、0.150重量%
を超えると飽和するので、0、005〜0.15重量%
の範囲とする。
化を促進する作用があるが、そ含有量が0.005重量
%未満であるとスラブ加熱時のオーステナイトの細粒化
効果が得られない。また、その含有量が増加するにつれ
てオーステナイトの細粒化は進むが、0.150重量%
を超えると飽和するので、0、005〜0.15重量%
の範囲とする。
T1及びVは、靭性の大きな劣化をともなわずに高強度
化を進める元素である。
化を進める元素である。
Ti: Tiは、スラブ加熱時のオーステナイト粒を細
粒化する作用があるので、0.005 重i%以上添J
toする必要があるが、0.050重量%を超えて添加
すると鋼板表面性状を劣化させるので、0.005〜0
、050重量%の範囲とする。
粒化する作用があるので、0.005 重i%以上添J
toする必要があるが、0.050重量%を超えて添加
すると鋼板表面性状を劣化させるので、0.005〜0
、050重量%の範囲とする。
■: ■は、0.01重量%以上添加することで、強度
と延性を向上させるが、0.20重量%を超えて添加し
ても効果が飽和するので、0.01〜0.20重量%の
範囲とする。
と延性を向上させるが、0.20重量%を超えて添加し
ても効果が飽和するので、0.01〜0.20重量%の
範囲とする。
次いで、スラブ加熱温度範囲、熱間圧延温度、熱間圧延
後から巻取りまでの冷却速度及び巻取温度についての限
定理由について述べる。
後から巻取りまでの冷却速度及び巻取温度についての限
定理由について述べる。
スラブの加熱温度は概して低くすることで、加熱時の初
期オーステナイト粒径が小さくなり、最終的なオーステ
ナイト粒径を小さくできると共に、スラブ加熱時に溶は
残ったNb(C,N)のような炭窒化物粒子がオーステ
ナイトの細粒化にも寄与する。本発明においては、スラ
ブ加熱時において既に析出物として存在しているNbは
強化元素として利用できないために、添加したC、N、
NbO量に応じて最適なスラブ加熱温度が決められる。
期オーステナイト粒径が小さくなり、最終的なオーステ
ナイト粒径を小さくできると共に、スラブ加熱時に溶は
残ったNb(C,N)のような炭窒化物粒子がオーステ
ナイトの細粒化にも寄与する。本発明においては、スラ
ブ加熱時において既に析出物として存在しているNbは
強化元素として利用できないために、添加したC、N、
NbO量に応じて最適なスラブ加熱温度が決められる。
即ち、Nbの含有量が0.015重量%以下の場合のス
ラブ加熱温度の上限TC(t) iよ、Tc = 85
0 + 139000 X CNb 〕×[:C+12
/14 N] ・・・(1)Nbの含有量が0
.015重量%を超えるとスラブ加熱温度の上限Tc
(t) は、 Tc = 961 + 51000 X (Nb ]X
(C+12/14 N〕 ・・・(2)とな
る。本発明者等は、0.08%C−1,21%un −
0,04%AI−0,004%N−0,035%Nb鋼
について、スラブ加熱温度を変化させ、熱間仕上圧延温
度を一定とし、巻取温度を300℃として、引張強さ、
靭性等について調査した結果を第1図に示す。同図から
も判るように、(2)式で決まるTc、即ちTo=11
09℃より低いスラブ加熱温度にすることで、引張強さ
及び降伏点は多少減少するが、靭性を示すvTrsは顕
著に低下しており、靭性が改善されていることが確認で
きた。更に本発明においては、1120℃以下のスラブ
再加熱温度にすれば充分な靭性が得られる。また、スラ
ブ加熱温度の下限は、熱間仕上圧延温度が確保できる温
度とすることで、スラブ加熱時に固溶するTh(C,N
)が減少し、靭性に有害な最終の熱延鋼板中に析出する
微細なNb (C,N)による析出強化を減少させるこ
とができる。
ラブ加熱温度の上限TC(t) iよ、Tc = 85
0 + 139000 X CNb 〕×[:C+12
/14 N] ・・・(1)Nbの含有量が0
.015重量%を超えるとスラブ加熱温度の上限Tc
(t) は、 Tc = 961 + 51000 X (Nb ]X
(C+12/14 N〕 ・・・(2)とな
る。本発明者等は、0.08%C−1,21%un −
0,04%AI−0,004%N−0,035%Nb鋼
について、スラブ加熱温度を変化させ、熱間仕上圧延温
度を一定とし、巻取温度を300℃として、引張強さ、
靭性等について調査した結果を第1図に示す。同図から
も判るように、(2)式で決まるTc、即ちTo=11
09℃より低いスラブ加熱温度にすることで、引張強さ
及び降伏点は多少減少するが、靭性を示すvTrsは顕
著に低下しており、靭性が改善されていることが確認で
きた。更に本発明においては、1120℃以下のスラブ
再加熱温度にすれば充分な靭性が得られる。また、スラ
ブ加熱温度の下限は、熱間仕上圧延温度が確保できる温
度とすることで、スラブ加熱時に固溶するTh(C,N
)が減少し、靭性に有害な最終の熱延鋼板中に析出する
微細なNb (C,N)による析出強化を減少させるこ
とができる。
次に、熱間圧延温度は、オーステナイトの細粒化のため
には比較的低温であることが望ましい。
には比較的低温であることが望ましい。
熱間圧延温度が850℃を超えると、オーステナイトの
微細化が充分に達成できず、最終の熱延鋼板の組織を微
細化できない。一方、熱間仕上圧延温度の下限を八r3
50℃とした理由は、熱間仕上圧延をオーステナイトと
フェライトの2相領域で行った場合、ある範囲までは靭
性を損わずに高強度化できるが、その範囲を超えると著
しい靭性の劣化が生じ、その温度がAr350℃である
ので、熱間仕上圧延温度は850℃〜Ara −50℃
とする。
微細化が充分に達成できず、最終の熱延鋼板の組織を微
細化できない。一方、熱間仕上圧延温度の下限を八r3
50℃とした理由は、熱間仕上圧延をオーステナイトと
フェライトの2相領域で行った場合、ある範囲までは靭
性を損わずに高強度化できるが、その範囲を超えると著
しい靭性の劣化が生じ、その温度がAr350℃である
ので、熱間仕上圧延温度は850℃〜Ara −50℃
とする。
次に、熱間仕上圧延後より巻取りまでの冷却速度は、冷
却中にNb(C,N)が析出することを抑えると共に固
溶Nbのオーステナイト安定化効果を利用して第2相を
ベイナイト、マルテンサイトとし強度を増し、更に超微
細粒を含む母相のフェライトを細粒化するためには、3
0℃/秒以上の冷却速度にしなければならない。
却中にNb(C,N)が析出することを抑えると共に固
溶Nbのオーステナイト安定化効果を利用して第2相を
ベイナイト、マルテンサイトとし強度を増し、更に超微
細粒を含む母相のフェライトを細粒化するためには、3
0℃/秒以上の冷却速度にしなければならない。
また、巻取り温度は、微細に析出するNb(C,N)に
よる析出強化を抑えて、母相のフェライトを細粒化する
と共に第2相をベイナイト、マルテンサイト等の変態相
とすることで強度を増すためには、450℃が上限であ
る。一方、巻取り温度が150℃未満であると、固溶C
,Nが多く残留して、靭性の面で極めて有害であるので
、その温度を150℃以上とした。
よる析出強化を抑えて、母相のフェライトを細粒化する
と共に第2相をベイナイト、マルテンサイト等の変態相
とすることで強度を増すためには、450℃が上限であ
る。一方、巻取り温度が150℃未満であると、固溶C
,Nが多く残留して、靭性の面で極めて有害であるので
、その温度を150℃以上とした。
上述の工程で製造される鋼は、フェライト粒径が2〜3
μmの超微細のフェライトが面積率で70%以上、ベイ
ナイト・マルテンサイトを含む組織の面積率が20%以
下、残部の面積率が平均粒径10μm以下のフェライト
からなるTll Haとなる。上記フェライト粒径、2
〜3μmの超微細フェライトは面積率で70%以上ない
と、靭性および疲労特性が向上しないので、粒径2〜3
μmの超微細フェライトの面積率は70%以上である必
要がある。このフェライトの性状は、比較的低温で熱間
圧延した場合に生じる、謂ゆるサブグレインと呼ばれる
ものでなく、等釉粒て、比較的[目対方位差の大きいフ
ェライトである必要がある。また、ベイナイト、マルテ
ンサイトの低温変態相の面積率が20%を超えると、強
度は向上するが靭性の面で問題が生じて好ましくないの
で、ベイナイト、マルテンサイトを含む組織の面積率は
20%以下とする。更に、残部の面積率中のフェライト
の平均粒径が10μm以上となると、高靭性、良好な疲
労特性という優れた特性が失われるので、残部の面積率
中のフェライトは平均粒径10μm以下のフェライトで
ある。
μmの超微細のフェライトが面積率で70%以上、ベイ
ナイト・マルテンサイトを含む組織の面積率が20%以
下、残部の面積率が平均粒径10μm以下のフェライト
からなるTll Haとなる。上記フェライト粒径、2
〜3μmの超微細フェライトは面積率で70%以上ない
と、靭性および疲労特性が向上しないので、粒径2〜3
μmの超微細フェライトの面積率は70%以上である必
要がある。このフェライトの性状は、比較的低温で熱間
圧延した場合に生じる、謂ゆるサブグレインと呼ばれる
ものでなく、等釉粒て、比較的[目対方位差の大きいフ
ェライトである必要がある。また、ベイナイト、マルテ
ンサイトの低温変態相の面積率が20%を超えると、強
度は向上するが靭性の面で問題が生じて好ましくないの
で、ベイナイト、マルテンサイトを含む組織の面積率は
20%以下とする。更に、残部の面積率中のフェライト
の平均粒径が10μm以上となると、高靭性、良好な疲
労特性という優れた特性が失われるので、残部の面積率
中のフェライトは平均粒径10μm以下のフェライトで
ある。
本発明の鋼が高靭性で優れた疲労特性を示す理由は明確
でないが、極めて微細なフェライトの粒界が脆性亀裂或
いは疲労亀裂の伝播に対して大きな抵抗となるためと推
定される。
でないが、極めて微細なフェライトの粒界が脆性亀裂或
いは疲労亀裂の伝播に対して大きな抵抗となるためと推
定される。
また、本発明の鋼は、高強度、高靭性、高延性の特性が
要求される用途に適用可能であり、例えば−膜構造用、
バイブ累材用、自動車部品用等に適用可能である。
要求される用途に適用可能であり、例えば−膜構造用、
バイブ累材用、自動車部品用等に適用可能である。
(実施例)
実施例1
第1表に示す組成の鋼を転炉で溶製して、連鋳スラブに
した。次に、各スラブを第2表に示す製造条件、即ちス
ラブ加熱温度(SRT)、熱間仕上圧延温度(FDT)
、冷却速度(CR)及び巻取温度(CT)で、仕上板
厚4.5mm、6.Ommにして、降伏点(YP)、引
張強さくTS)、伸び(E N ) 、衝撃値vTrs
について調査した結果を第2表に示す。なお、衝撃値v
Trsは、板厚は元厚のままで2+nmVノツチを機械
加工して、衝撃試験により求めた。
した。次に、各スラブを第2表に示す製造条件、即ちス
ラブ加熱温度(SRT)、熱間仕上圧延温度(FDT)
、冷却速度(CR)及び巻取温度(CT)で、仕上板
厚4.5mm、6.Ommにして、降伏点(YP)、引
張強さくTS)、伸び(E N ) 、衝撃値vTrs
について調査した結果を第2表に示す。なお、衝撃値v
Trsは、板厚は元厚のままで2+nmVノツチを機械
加工して、衝撃試験により求めた。
また、本発明で規定する製造条件を満足する鋼の組織は
、平均粒径2〜3μmの超微細フェライト粒の面積率が
70%以上、面積率が20%以下のベイナイト及びマル
テンサイトであり、残部の面積率は平均粒径10μm以
下のフェライト粒であった。
、平均粒径2〜3μmの超微細フェライト粒の面積率が
70%以上、面積率が20%以下のベイナイト及びマル
テンサイトであり、残部の面積率は平均粒径10μm以
下のフェライト粒であった。
本発明法による鋼板はvTrsで示す靭性が良好であり
、引張強さ、伸びも低下していない。
、引張強さ、伸びも低下していない。
実施例2
C:0.08重量%、Si:0.20重量%、!、In
: 1.30重量96、Nb : 0.030重量%
、Al : 0.040重1%、N: 0.0040重
量%の鋼を転炉で溶製し、連鋳スラブとした後、第3表
で示す製造条件で熱延鋼板とし、疲労強度(なお、σ+
Iは105りり返し変形時の疲れ強さである)を調査し
た結果も同表中に示す。
: 1.30重量96、Nb : 0.030重量%
、Al : 0.040重1%、N: 0.0040重
量%の鋼を転炉で溶製し、連鋳スラブとした後、第3表
で示す製造条件で熱延鋼板とし、疲労強度(なお、σ+
Iは105りり返し変形時の疲れ強さである)を調査し
た結果も同表中に示す。
同表からも判るように、本発明の製造条件を満足する鋼
は、引張強さ、伸びが低下せずに、疲労特性が良(なっ
ていることが判る。
は、引張強さ、伸びが低下せずに、疲労特性が良(なっ
ていることが判る。
(発明の効果)
以上説明したように本発明によれば、コスト面で問題と
なるCr、 Ni、 Mo等の添加を避けられ、強度、
延性を損なわないで、靭性、疲労特性の優れた熱延高張
力鋼板が得られる。
なるCr、 Ni、 Mo等の添加を避けられ、強度、
延性を損なわないで、靭性、疲労特性の優れた熱延高張
力鋼板が得られる。
第1図は、0,08%C−1,21%Mn−0,04%
Al−0、0040%N−0,’035Nb鋼の引張特
性、衝撃特性、伸びに及ぼすスラブ加熱温度の影響を示
す図である。 第1図 再加!!温度(0C)
Al−0、0040%N−0,’035Nb鋼の引張特
性、衝撃特性、伸びに及ぼすスラブ加熱温度の影響を示
す図である。 第1図 再加!!温度(0C)
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1、C:0.01〜0.20重量%、 Si:1.00重量%以下、 Mn:2.00重量%以下、 Al:0.10重量%以下、 N:0.0070重量%以下、 Nb:0.0050〜0.15重量%、 を含み、残余は不可避不純物を除き実質的にFeの組成
からなり、フェライトの平均粒径が2〜3μmの微細フ
ェライトが面積率で70%以上、ベイナイトとマルテン
サイトを含む組織の面積率が20%以下で、残部の面積
率が平均粒径10μm以下のフェライトの混合組織から
なる強度、延性、靭性及び疲労特性に優れた熱延高張力
鋼板。 2、C:0.01〜0.20重量%、 Si:1.00重量%以下、 Mn:2.00重量%以下、 Al:0.10重量%以下、 N:0.0070重量%以下、 Nb:0.005〜0.15重量%、 に加えて、 Ti:0.005〜0.050重量%、 V:0.01〜0.200重量%のうち、一種又は二種
を含み、残余は不可避不純物を除き実質的にFeの組成
からなり、フェライトの平均粒径が2〜3μmの微細フ
ェライトが面積率で70%以上、ベイナイトとマルテン
サイトを含む組織の面積率が20%以下で、残部の面積
率が平均粒径10μm以下のフェライトの混合組織から
なる強度、延性、靭性及び疲労特性に優れた熱延高張力
鋼板。 3、C:0.01〜0.20重量%、 Si:1.00重量%以下、 Mn:2.00重量%以下、 Al:0.10重量%以下、 N:0.0070重量%以下、 Nb:0.005〜0.15重量%を含む鋼塊又はスラ
ブを下記式で決まるTc以下に加熱し、850〜Ar_
3−50℃の温度範囲で熱間圧延後、冷却速度30℃/
秒以上で冷却した後、450℃〜150℃の温度範囲で
巻取ることを特徴とする強度、延性、靭性及び疲労特性
に優れた熱延高張力鋼板の製造方法。 Nb≦0.015重量%の場合、 Tc=850+139000×〔Nb重量%〕×〔C重
量%+(12/14)N重量%〕 Nb>0.015重量%の場合、 Tc=961+51000×〔Nb重量%〕×〔C重量
%+(12/14)N重量%〕
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61291555A JPH0629480B2 (ja) | 1986-12-09 | 1986-12-09 | 強度、延性、靱性及び疲労特性に優れた熱延高張力鋼板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61291555A JPH0629480B2 (ja) | 1986-12-09 | 1986-12-09 | 強度、延性、靱性及び疲労特性に優れた熱延高張力鋼板及びその製造方法 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9162418A Division JP2807453B2 (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | 強度、延性、靱性及び疲労特性に優れた熱延高張力鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63145745A true JPS63145745A (ja) | 1988-06-17 |
JPH0629480B2 JPH0629480B2 (ja) | 1994-04-20 |
Family
ID=17770431
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61291555A Expired - Fee Related JPH0629480B2 (ja) | 1986-12-09 | 1986-12-09 | 強度、延性、靱性及び疲労特性に優れた熱延高張力鋼板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0629480B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH042717A (ja) * | 1990-04-20 | 1992-01-07 | Nippon Steel Corp | 疲労特性に優れた熱延鋼板の製造方法 |
JPH06322477A (ja) * | 1993-05-11 | 1994-11-22 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 湿潤硫化水素環境で疲労亀裂進展特性に優れる鋼材 |
JP2005264323A (ja) * | 2004-02-18 | 2005-09-29 | Jfe Steel Kk | 深絞り性と伸びフランジ性に優れた高強度鋼板およびその製造方法 |
WO2012036307A1 (ja) | 2010-09-17 | 2012-03-22 | Jfeスチール株式会社 | 靭性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法 |
WO2013046693A1 (ja) * | 2011-09-29 | 2013-04-04 | Jfeスチール株式会社 | 熱延鋼板およびその製造方法 |
CN107532263A (zh) * | 2015-04-22 | 2018-01-02 | 新日铁住金株式会社 | 热轧钢板、钢材及热轧钢板的制造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58130221A (ja) * | 1982-01-29 | 1983-08-03 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 加工用熱延高張力鋼板の製造法 |
JPS58167750A (ja) * | 1982-03-29 | 1983-10-04 | Kobe Steel Ltd | 伸びフランジ性等にすぐれた高強度鋼板 |
JPS60184631A (ja) * | 1984-02-29 | 1985-09-20 | Nippon Steel Corp | 加工性に優れた高張力熱延鋼板の製造方法 |
JPS60184628A (ja) * | 1984-02-29 | 1985-09-20 | Nippon Steel Corp | 加工性に優れた高張力熱延鋼板の製造方法 |
-
1986
- 1986-12-09 JP JP61291555A patent/JPH0629480B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58130221A (ja) * | 1982-01-29 | 1983-08-03 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 加工用熱延高張力鋼板の製造法 |
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JPH042717A (ja) * | 1990-04-20 | 1992-01-07 | Nippon Steel Corp | 疲労特性に優れた熱延鋼板の製造方法 |
JPH06322477A (ja) * | 1993-05-11 | 1994-11-22 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 湿潤硫化水素環境で疲労亀裂進展特性に優れる鋼材 |
JP2005264323A (ja) * | 2004-02-18 | 2005-09-29 | Jfe Steel Kk | 深絞り性と伸びフランジ性に優れた高強度鋼板およびその製造方法 |
WO2012036307A1 (ja) | 2010-09-17 | 2012-03-22 | Jfeスチール株式会社 | 靭性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法 |
WO2013046693A1 (ja) * | 2011-09-29 | 2013-04-04 | Jfeスチール株式会社 | 熱延鋼板およびその製造方法 |
JP2013076116A (ja) * | 2011-09-29 | 2013-04-25 | Jfe Steel Corp | 熱延鋼板およびその製造方法 |
CN103842538A (zh) * | 2011-09-29 | 2014-06-04 | 杰富意钢铁株式会社 | 热轧钢板及其制造方法 |
US9574254B2 (en) | 2011-09-29 | 2017-02-21 | Jfe Steel Corporation | Hot-rolled steel sheet and method for producing same |
CN107532263A (zh) * | 2015-04-22 | 2018-01-02 | 新日铁住金株式会社 | 热轧钢板、钢材及热轧钢板的制造方法 |
EP3260570A4 (en) * | 2015-04-22 | 2018-09-05 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Hot-rolled steel sheet, steel member, and method for manufacturing hot-rolled steel sheet |
CN107532263B (zh) * | 2015-04-22 | 2019-11-22 | 日本制铁株式会社 | 热轧钢板、钢材及热轧钢板的制造方法 |
US10718040B2 (en) | 2015-04-22 | 2020-07-21 | Nippon Steel Corporation | Hot-rolled steel sheet, steel material, and method for producing hot-rolled steel sheet |
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---|---|
JPH0629480B2 (ja) | 1994-04-20 |
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