JPH0681035A - リ−ドフレ−ム材の製造方法 - Google Patents

リ−ドフレ−ム材の製造方法

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JPH0681035A
JPH0681035A JP41318290A JP41318290A JPH0681035A JP H0681035 A JPH0681035 A JP H0681035A JP 41318290 A JP41318290 A JP 41318290A JP 41318290 A JP41318290 A JP 41318290A JP H0681035 A JPH0681035 A JP H0681035A
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JP41318290A
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Masatoshi Eto
雅俊 衛藤
Norio Yuki
典夫 結城
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Nikko Kinzoku KK
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Nikko Kinzoku KK
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Abstract

(57)【要約】 〔目的〕 強度,エッチング性,封着性並びに成形加工
性の優れたリ−ドフレ−ム材を、工業的に安定して生産
できる手段を確立する。 〔構成〕 Fe−Ni−Cr系合金リ−ドフレ−ム材を製造す
るに際し、素材として C:0.015%以下,Si:0.001 〜5.0 %,Mn:0.1〜5%,
P:0.01%以下,S:0.005 %以下,O:0.010%以下,
N:0.005%以下,Cr:5%を超え15%以下,Ni:33〜55
%を含有するか、或いは更にCo,Mo,W,V,Nb,Ta,
Ti,Zr,Hf,Cu,Al,Be,Mg及びCaの1種以上の1種以
上:合計で0.01〜5.0%,をも含み、残部が不可避的不
純物から成る合金を用いると共に、最終焼鈍は加工度:
40〜90%の圧延を施した後に結晶粒径が30μm以下と
成る条件で実施し、続く最終冷間圧延の加工度を40〜
85%に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エッチング加工性並
びに封着性に優れ、かつ高強度を有したリ−ドフレ−ム
材の製造方法に関するものである。
【0002】
【背景技術とその課題】一般に、半導体機器類にあって
は、使用されるリ−ド材の特性もその性能やコストに大
きな影響を及ぼすことが知られているが、従来、このよ
うな半導体機器のリ−ド材には、熱膨張係数が低く、か
つ半導体素子やセラミックスと比較的良好な接着性, 封
着性を示すFe−Ni系合金が好んで使用されてきた。
【0003】しかし、例えば「LSIをプラスチックパ
ッケ−ジングするプロセス」におけるレジンモ−ルド工
程後の冷却過程やプリント基盤への実装時、更には使用
環境において温度サイクルを受けた時等ではレジンとリ
−ド材との間に熱応力がかかるのを避けることができな
いが、この応力が過大になった場合には、使用するリ−
ド材が『従来から用いられてきた実績のあるFe−Ni系合
金(例えば42%Ni−Fe合金)製のもの』であったとして
もパッケ−ジにクラックが発生したり、接着界面が剥離
したりしてパッケ−ジの耐湿信頼性が低下すると言う問
題を避けることは難しかった。この問題は、モ−ルドレ
ジンとリ−ド材との熱膨張係数差に起因したもので、熱
膨張係数差のために上記微小クラックや剥離界面が生じ
ると、これを通して外部から湿気が侵入し内部の半導体
素子等を損傷する虞れがあった訳である。従って、LS
Iの耐湿信頼性を向上させるためには、リ−ドフレ−ム
材として熱膨張係数がモ−ルドレジンのそれにできるだ
け近い化学組成のものを使用する必要があった。そのた
め、最近、Niの他にCrをも主成分とすると共に、Ni及び
Crの含有量を調整して熱膨張係数をモ−ルドレジンのそ
れに近付けたFe−Ni−Cr合金製のリ−ドフレ−ム材も開
発され、その性能が注目されている。
【0004】一方、最近、上記タイプのLSIにおいて
も高集積化が進められており、この傾向は使用するリ−
ドフレ−ムの多ピン化を推進する結果をもたらしている
が、リ−ドフレ−ムの多ピン化に対処するためにはより
強度の高い素材を使用することが要求される。なぜな
ら、リ−ドフレ−ムが多ピン化されると必然的にピン間
隔が狭くなり、ピン自体の幅も小さくなるが、それを実
現するには精度が一段と高いエッチング加工或いはプレ
ス加工を要することとなる上、ピン幅に比べて厚さが厚
くなると言う事態を生じて加工がより一層難しくなる懸
念も生じる。そこで、これに対処すべく素材厚を薄くす
る必要が出てくるが、薄板化するためには従来材以上の
強度(リ−ド変形に対する抵抗力)を持ったリ−ドフレ
−ム材が要求される訳である。また、特に多ピン或いは
超多ピン用のリ−ドフレ−ム材では、成形のための加工
はエッチング加工が中心となるため「エッチング加工性
が優れていること」も重要な要求特性となってきた。
【0005】ここで、Fe−Ni系合金或いはFe−Ni−Cr合
金製リ−ドフレ−ム材のエッチング加工工程は、脱脂し
たリ−ドフレ−ム材の両面にフォトレジストを塗布し、
パタ−ンを焼き付けて現像した後、塩化第2鉄を主成分
とするエッチング液でエッチング加工し、その後前記レ
ジストを除去する工程から構成されているのが一般的で
ある。そして、この際のエッチング性を決める要因とし
ては "レジストの密着性" や "エッチング速度" 等が挙
げられるが、これらの中でも素材のエッチング速度が最
も重要な要因となっており、エッチング速度が速くなる
につれてリ−ドフレ−ム材に形成されるピン幅,ピン間
隔の制御性が容易化することから、該エッチング速度に
よりエッチング加工性の評価が概ね決定されてしまうと
言っても過言ではなかった。従って、リ−ドフレ−ム材
には、半導体機器の集積度が上昇するに伴い、優れた封
着性や強度特性に加えて「より速いエッチング速度特性
(即ち良好なエッチング加工性)」も求められるように
なってきた訳であるが、未だエッチング加工性,封着
性,強度、更には成形加工性等の何れもを十分に満足し
た材料が見出されていないのが現状であった。
【0006】このようなことから、本発明が目的とした
のは、強度が高く、しかも優れたエッチング加工性,封
着性並びに成形加工性をも併せ持つところの、集積度の
高い半導体機器への適用を意図した場合でも十分な性能
が発揮されるリ−ドフレ−ム材の工業的量産手段を確立
することであった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく、特にFe−Ni−Cr系合金リ−ドフレ−ム材
が備えている比較的高い強度特性や低い熱膨張係数等に
着目し、その強度を更に向上させ、かつエッチング加工
性や成形加工性をも顕著に改善すると共に安定して製造
できる製造方法の研究を重ねた結果、次のような新しい
知見を得ることができた。即ち、 (a) リ−ドフレ−ム材として比較的好ましいとされてき
たFe−Ni−Cr系合金において十分な強度を確保するに
は、その構成成分たるSi,Mnの両者の含有量を比較的高
めに調整するのが最も効果的である。 (b) ただ、合金のSi含有量を高めた場合にはエッチング
性への悪影響が、一方Mn含有量を高めた場合には成形加
工への悪影響がそれぞれ懸念されるようになるが、この
場合でも、C及びPの含有量を、更にはN含有量をも特
定の低い値に制限すると上記懸念は払拭されてしまう。 (c) しかも、上記合金に幾つかの選ばれた特定の元素の
1種又は2種以上を所定の割合で含有させた場合には、
リ−ドフレ−ム材としての諸特性に格別な悪影響を及ぼ
すことなく材料の強度を効果的に向上させことができる
上、Ni含有量の注意深い調整の下での上記特定元素の添
加は、その熱膨張係数をモ−ルドレジンのそれに近づけ
るのに極めて有効な手段となる。 (d) ところで、上記合金材料においても、その結晶粒径
が強度及び成形加工性に少なからぬ影響を及ぼすが、該
結晶粒径を特定値以下に抑える手立てを講じることによ
ってリ−ドフレ−ムの多ピン化にとって好ましい「材料
強度の更なる向上」が期待できる上、成形加工性も改善
される。 (e) 上記合金系において、結晶粒径の微細化を混粒にす
ることなく安定的に実現するには、最終焼鈍前の圧延加
工度を特定の範囲に制御する必要がある。 (e) 更に、異方性を大きくすることなく強度の向上を図
るには、最終冷間圧延の圧延加工度を特定の範囲に制御
する必要がある。 (f) 従って、Fe−Ni−Crを基本成分とした合金における
Ni, C, Si,Mn及びP等の含有量を総合的に調整すると
共に、必要に応じてこれに特定合金元素の添加を行い、
更に最終焼鈍前の圧延加工度,最終焼鈍時の結晶粒径,
最終冷間圧延の加工度をそれぞれ適正範囲に制御する
と、所望強度を備えていることは勿論、熱膨張係数,封
着性等の特性に優れ、しかも非常に良好なエッチング加
工性をも備えたリ−ドフレ−ム材を安定的に製造するこ
とが可能となる。
【0008】本発明は、上記知見事項等を基に完成され
たもので、「Fe−Ni−Cr系合金リ−ドフレ−ム材を製造
するに際し、 素材として C:0.015 %以下 (以降、 重量割合を表わす%は重量%
とする),Si:0.001 〜5.0 %, Mn: 0.1〜5%,
P:0.01%以下,S:0.005 %以下, O:0.010
%以下, N:0.005 %以下,Cr:5超〜15%,
Ni:33〜55%を含有するか(但し、 Si含有量とMn含有
量は、 Si:0.15超〜5.0 %,Mn:1.0超〜5%の一方又は
双方を満たす)、 或いは更にCo, Mo, W, V, Nb, Ta,
Ti, Zr, Hf, Cu, Al, Be, Mg及びCaの1種以上:合計で
0.01〜5.0%,をも含み、 残部がFe及び他の不可避的不純
物から成る合金を用いると共に、 最終焼鈍は加工度:4
0〜90% (好ましくは50〜85%) の圧延を施した
後に結晶粒径が30μm以下 (好ましくは20μm以
下) となる条件で実施し、 続く最終冷間圧延の加工度を
40〜85% (好ましくは50〜80%) に調整するこ
とにより、 優れたエッチング加工性及び封着性と高い強
度とを兼備したリ−ドフレ−ム材を安定して製造できる
ようにした点」に大きな特徴を有している。
【0009】なお、この場合、 a) C含有量を 0.005%以下に規制する, b) P含有量を 0.003%以下に規制する, なる条件を単独或いは組み合わせて採用すると、得られ
るリ−ドフレ−ム材の成形加工性やエッチング加工性の
改善効果は一段と顕著になり、多ピンリ−ドフレ−ム材
の製造にもより一層十分に対応できるようになる。続い
て、本発明において素材合金の成分組成, 最終焼鈍前に
おける圧延の加工度,最終焼鈍時の結晶粒径、並びに最
終冷間圧延の加工度を前記の如くに数値限定した理由
を、その作用と共に説明する。
【00010】
【作用】
A) 素材合金の成分組成Ni Niはリ−ドフレ−ム材の熱膨張係数を決定するのに重要
な成分であり、封着時や封着後におけるパッケ−ジとの
熱膨張差を小さくして優れた封着性,耐湿信頼性を確保
するためには、Ni含有量を33〜55%の範囲に調整する必
要がある。従って、Ni含有量は33〜55%と定めたが、特
に好ましい範囲は30〜53%である。
【00011】Cr Crもリ−ドフレ−ム材の熱膨張係数を決定するのに非常
に重要な成分である。そして、封着時や封着後における
パッケ−ジとの熱膨張差を小さくして優れた封着性,耐
湿信頼性を確保するためには、Cr含有量を5超〜15%の
範囲内に調整する必要があり、この範囲を外れると上記
所望の性能を確保することが困難となる。従って、Cr含
有量は5超〜15%と定めた。
【00012】 リ−ドフレ−ム材中のC含有量が 0.015%を超えると、
鉄炭化物の生成が起こり、これがリ−ドフレ−ム材のエ
ッチング性を害する。従って、C含有量の上限を0.015
%と定めたが、固溶Cもエッチング加工性に悪影響を与
えることからC含有量は低ければ低いほど良く、出来れ
ば 0.005%以下にまで抑制するのが望ましい。
【00013】Si Siは脱酸剤として必要な元素である上、材料中に固溶す
ることで材料の強度を上昇させる作用をも発揮するが、
一方でリ−ドフレ−ム材のエッチング加工性や曲げ加工
性に大きな影響を及ぼす元素でもある。即ち、Si含有量
が増加すると、エッチング速度が遅くなってエッチング
加工性が悪化したり、曲げ加工性の劣化を招く。従っ
て、所望の強度を確保した上で、良好なエッチング加工
性及び曲げ加工性を兼備せしめるには、Si含有量を 0.0
01〜5.0 %の範囲に調整する必要があり、特にMn含有量
が 1.0%以下の場合には0.15%を超えるSi含有量の確保
が必須となる。
【00014】Mn Mnはリ−ドフレ−ム材の脱酸及び熱間加工性を確保する
ために添加される成分であるが、Siと同様にリ−ドフレ
−ム材の強度を上昇させる作用も有している。そして、
0.15%を超えるSi含有量が確保されている場合でもMn含
有量が 0.1%未満であると十分な強度上昇が達成でき
ず、特にSi含有量が0.15%以下であるとMn含有量を 1.0
%を超える値に調整しないと所望強度を確保することが
できない。一方、5%を超えてMnを含有させるとリ−ド
フレ−ム材の硬さが上昇し過ぎて加工性の悪化を招き、
更には熱膨張係数も大きくなってしまう。
【00015】 Pも、Siと同様、含有量が多くなるとリ−ドフレ−ム材
のエッチング加工性に害を与える元素である。そして、
上記エッチング加工性への悪影響はP含有量が0.01%を
超えるとより顕著化することから、P含有量は0.01%以
下と定めた。しかし、P含有量を 0.003%以下にまで低
減するとエッチング加工性改善効果が一層顕著となって
多ピンタイプのリ−ドフレ−ムへ適用する場合でも十分
満足できる結果が安定して確保できるようになることか
ら、望ましくは 0.003%以下に調整するのが良い。 S含有量が 0.005%を超えるとリ−ドフレ−ム材中に硫
化物系介在物が多くなり、エッチング加工時の欠陥とな
ってピン折れ等を引き起こすようになる。従って、S含
有量は0.005%以下と限定した。 O含有量が 0.010%を超えるとリ−ドフレ−ム材中に酸
化物系介在物が多くなり、やはりエッチング加工時の穿
孔欠陥となることから、O含有量は 0.010%以下と限定
した。 N含有量が 0.005%を超えてもリ−ドフレ−ム材のエッ
チング加工性が悪化することから、N含有量の上限は0.
005%と定めた。
【00016】Co, Mo, W, V, Nb, Ta, Ti, Zr, Hf,
Cu, Al, Be, Mg及びCa これらの元素は何れもリ−ドフレ−ム材の強度や熱膨張
係数を上昇させる作用を有しているため、「材料強度の
向上」並びに「熱膨張係数を上げてレジンモ−ルドのそ
れに近付けることで封着性をより改善する」との目的で
必要に応じ1種又は2種以上が含有せしめられる。特
に、Co, Mo, W, V, Nb, Ta, Ti, Zr及びHfは、炭化物
を形成して固溶炭素を減少させるためにエッチング性向
上効果も有しており、また炭化物の分散によって結晶粒
を微細化し、強度上昇及び曲げ性改善の効果をももたら
す。しかし、それらの含有量が合計で0.01%未満である
と前記作用による所望の効果が得られず、一方、合計の
含有量が 5.0%を超えた場合には材料が硬くなり過ぎて
成形加工性の劣化を招くほか、適正な熱膨張係数の確保
も困難となることから、上記成分の含有量は合計量で0.
01〜5.0%と定めた。
【00017】B) 最終焼鈍前における圧延の加工度 最終焼鈍前の圧延加工度はリ−ドフリ−ム材に所望強度
を確保する上で重要であるが、その加工度を特に40〜
90%に限定する理由は、圧延加工度が40%未満の場
合には最終焼鈍時に安定して所望の微細な結晶粒が得ら
れずに混粒となってしまい、一方、90%を超える圧延
加工度になると最終焼鈍時に立方体組織が発達し過ぎて
異常な組織となり、この結果、異方性が発達し最終冷間
圧延,歪取り焼鈍を行っても所望する強度が得られなく
なることにある。
【00018】C) 最終焼鈍時の結晶粒径 最終焼鈍条件もリ−ドフレ−ム材に所望強度を確保する
上で重要であり、またエッチング性やプレス加工性にも
大きく影響する因子となるが、特に得られる結晶粒径が
30μm以下となる条件で最終焼鈍を実施する理由は、
結晶粒径の微細化が高強度化に大きく寄与する上、エッ
チング性やプレス加工性にも好結果が得られて高精度リ
−ドフレ−ムの実現に有効であるのに対して、結晶粒径
が30μmを超えるとこれらの効果を確保することができ
なくなるためである。なお、最終焼鈍時の結晶粒径の調
整は、周知のように焼鈍温度及び処理時間を調節するこ
とによって容易に行うことができる。
【00019】D) 最終冷間圧延の加工度 最終圧延での加工度もリ−ドフレ−ム材の強度に大きな
影響を与えるが、該加工度を特に40〜85%と限定す
る理由は、該圧延加工度が40%未満の場合には強度改
善に顕著な効果が得られず、一方、85%を超えると強
度の異方性が顕著となるためである。
【00020】E) 歪取り焼鈍 最終圧延後に適正な歪取り焼鈍を行うことは、Kb値
(ばね限界値)の向上,異方性の改善,曲げ加工性及び
封着性の改善につながることから推奨される処理であ
る。例えば、還元性雰囲気に保たれた連続焼鈍炉におい
て、炉温:500〜900℃,材料の炉内滞留時間:1
0〜120秒で熱処理することにより上記効果を得るこ
とができる。次いで、本発明の効果を実施例により更に
具体的に説明する。
【00021】
【実施例】まず、真空溶解・鋳造によって表1及び表2
に示される如き化学成分組成のFe−Ni−Cr系合金インゴ
ットを得た後、これらに熱間圧延,酸洗を施し、次に冷
間圧延と焼鈍とを繰り返して板厚:0.125mmの冷延板を製
造し、最終冷間圧延後に歪取り焼鈍を行った。なお、こ
の時の『最終焼鈍前の冷間圧延』の加工度,最終焼鈍時
の結晶粒径、並びに最終冷間圧延の加工度は前記表1及
び表2に示した通りであった。
【表1】
【表2】
【00022】続いて、このように製造されたFe−Ni−
Cr系合金リ−ドフレ−ム材につき "機械的特性", "エッ
チング性", "曲げ加工性" 及び "封着性" を調査し、そ
の結果を表1及び表2に併せて示した。ここで、機械的
特性については、曲げモ−メントに対する材料の強度を
Kb値(ばね限界値)でもって評価した。エッチング性
については、製造された前記各冷延板から採取した厚
さ:0.1mmの板状試料を脱脂してからレジスト膜を塗布
し、パタ−ンを焼付けて現像した後、塩化第2鉄にて1
28ピンのリ−ドフレ−ムを全て同一条件下でエッチン
グ加工したものにつき、アウタ−リ−ドピン幅とそのバ
ラツキを測定して評価した。曲げ加工性は、90度繰り
返し曲げ試験を行って評価した。そして、封着性の評価
は、樹脂封着後に熱サイクルを付与してクラックが生じ
るかどうかを調べることによって行った。
【00023】表1及び表2に示される結果からは次の
事項が明らかである。即ち、本発明例1〜4に係わる材
料は、比較例24〜37に係わるものに比べ機械的性質,エ
ッチング性, 曲げ加工性,封着性の全てに優れている。
その中でも、本発明例1に係わるものはC, Si, Pの各
含有量ともより好ましい範囲にコントロ−ルされている
ため、本発明例2〜4に係わるものと比較してもエッチ
ング性が更に優れている。また、本発明例5〜21に係わ
るものは、Nb, Mo, Ti等を添加しているために強度が一
層向上している。
【00024】一方、比較例24に係わるものは、最終焼
鈍前圧延の加工度が低すぎるためにその後の焼鈍によっ
て小さい結晶粒径を実現することができず、Kb値が低
くなっている。逆に、比較例25に係わるものは、最終焼
鈍前圧延の加工度が大きすぎるため、その後の焼鈍によ
り立方体組織が発達してしまい、Kb値が低くなってい
る。比較例26に係わるものは、最終冷間圧延の加工度が
小さすぎるためにKb値が低くなっている。比較例27に
係わるものは、最終焼鈍時の結晶粒径が大きかったため
にKb値が低くなっている。比較例28に係わるものは、
最終圧延加工度が大きすぎたために曲げ加工性が劣って
いる。
【00025】比較例29に係わるものは、Si及びMnの含
有量が少ないために強度が低く、脱酸効果が不十分であ
るので曲げ加工性が劣るものとなっている。比較例30に
係わるものは、Si及びMnの含有量が多いためにエッチン
グ加工性,曲げ加工性及び封着性が劣るものとなってい
る。比較例31に係わるものは、C及びPの含有量が多い
ためにエッチング加工性,曲げ加工性及び封着性が劣る
ものとなっている。比較例32〜35に係わるものは、W,
Mo, Co等の添加量が多すぎたために曲げ加工性や封着性
が劣る結果となっている。
【00026】なお、図1は、本発明例1と比較例36及
び37に係わるものの『曲げモ−メントとへたり量との関
係』を示したグラフである。ここで、比較例36に係わる
ものは板厚が 0.125mm、比較例37に係るものは板厚が0.
15mmであって、何れも従来の製造方法により作成したも
のである。この図1からは、本発明で規定された通りの
条件で製造されたリ−ドフレ−ム材は、その板厚を0.15
mmから 0.125mmに薄くしたとしても同じ曲げモ−メント
に対するへたり量が少なく、変形に対する材料強度が強
いことを確認することができる。
【00027】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、エッチング加工性,封着性,成形加工性に優れ、か
つ強度の高いリ−ドフレ−ム材を安定して製造すること
ができ、半導体機器の更なる高集積化を可能とするな
ど、産業上極めて有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】「曲げモ−メントとへたり量との関係」を本発
明法に係わる材料と比較法に係わる材料とで対比したグ
ラフである。
【手続補正書】
【提出日】平成3年3月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】00010
【補正方法】変更
【補正内容】
【00010】
【作用】 A) 素材合金の成分組成Ni Niはリ−ドフレ−ム材の熱膨張係数を決定するのに重要
な成分であり、封着時や封着後におけるパッケ−ジとの
熱膨張差を小さくして優れた封着性,耐湿信頼性を確保
するためには、Ni含有量は33〜55%の範囲に調整する必
要がある。従って、Ni含有量は33〜55%と定めたが、特
に好ましい範囲は40〜53%である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/58 H01L 23/48 V

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe−Ni−Cr系合金リ−ドフレ−ム材を製
    造するに際し、素材として C:0.015 %以下, Si:0.15超〜5.0 %, Mn:
    0.1 〜5%,P:0.01%以下, S:0.005 %以
    下, O:0.010 %以下,N:0.005 %以下,
    Cr:5超〜15%, Ni:33〜55%(何れも重量
    %)を含み残部がFe及び他の不可避的不純物から成る合
    金を用いると共に、最終焼鈍は加工度:40〜90%の
    圧延を施した後に結晶粒径が30μm以下となる条件で実
    施し、続く最終冷間圧延の加工度を40〜85%に調整
    することを特徴とする、エッチング加工性及び封着性に
    優れた高強度リ−ドフレ−ム材の製造方法。
  2. 【請求項2】 素材として、重量割合で C:0.015 %以下, Si:0.15超〜5.0 %, Mn:
    0.1 〜5%,P:0.01%以下, S:0.005 %以
    下, O:0.010 %以下,N:0.005 %以下,
    Cr:5超〜15%, Ni:33〜55%を含有すると共
    に、更にCo, Mo, W,V,Nb, Ta, Ti, Zr及びHfの1種
    以上:合計で0.01〜5.0 %をも含み、残部がFe及びその
    他不可避的不純物から成る合金を用いる、請求項1に記
    載のエッチング加工性及び封着性に優れた高強度リ−ド
    フレ−ム材の製造方法。
  3. 【請求項3】 素材として、重量割合で C:0.015 %以下, Si:0.15超〜5.0 %, Mn:
    0.1 〜5%,P:0.01%以下, S:0.005 %以
    下, O:0.010 %以下,N:0.005 %以下,
    Cr:5超〜15%, Ni:33〜55%を含有すると共
    に、更にCu, Al, Be, Mg,及びCaの1種以上:合計で0.
    01〜5.0 %をも含み、残部がFe及びその他不可避的不純
    物から成る合金を用いる、請求項1に記載のエッチング
    加工性及び封着性に優れた高強度リ−ドフレ−ム材の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 Fe−Ni−Cr系合金リ−ドフレ−ム材を製
    造するに際し、素材として C:0.015 %以下, Si:0.001 〜5.0 %, Mn:
    1.0 超〜5%,P:0.01%以下, S:0.005 %以
    下, O:0.010 %以下,N:0.005 %以下,
    Cr:5超〜15%, Ni:33〜55%(何れも重量
    %)を含み残部がFe及び他の不可避的不純物から成る合
    金を用いると共に、最終焼鈍は加工度:40〜90%の
    圧延を施した後に結晶粒径が30μm以下となる条件で実
    施し、続く最終冷間圧延の加工度を40〜85%に調整
    することを特徴とする、エッチング加工性及び封着性に
    優れた高強度リ−ドフレ−ム材の製造方法。
  5. 【請求項5】 素材として、重量割合で C:0.015 %以下, Si:0.001 〜5.0 %, Mn:
    1.0 超〜5%,P:0.01%以下, S:0.005 %以
    下, O:0.010 %以下,N:0.005 %以下,
    Cr:5超〜15%, Ni:33〜55%を含有すると共
    に、更にCo, Mo, W,V,Nb, Ta, Ti, Zr及びHfの1種
    以上:合計で0.01〜5.0 %をも含み、残部がFe及びその
    他不可避的不純物から成る合金を用いる、請求項4に記
    載のエッチング加工性及び封着性に優れた高強度リ−ド
    フレ−ム材の製造方法。
  6. 【請求項6】 素材として、重量割合で C:0.015 %以下, Si:0.001 〜5.0 %, Mn:
    1.0 超〜5%,P:0.01%以下, S:0.005 %以
    下, O:0.010 %以下,N:0.005 %以下,
    Cr:5超〜15%, Ni:33〜55%を含有すると共
    に、更にCu, Al, Be, Mg,及びCaの1種以上:合計で0.
    01〜5.0 %をも含み、残部がFe及びその他不可避的不純
    物から成る合金を用いる、請求項4に記載のエッチング
    加工性及び封着性に優れた高強度リ−ドフレ−ム材の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 素材としてC含有量が 0.005重量%以下
    の合金を使用する、請求項1乃至3の何れかに記載のエ
    ッチング加工性及び封着性に優れた高強度リ−ドフレ−
    ム材の製造方法。
  8. 【請求項8】 素材としてP含有量が 0.003重量%以下
    の合金を使用する、請求項1乃至4の何れかに記載のエ
    ッチング加工性及び封着性に優れた高強度リ−ドフレ−
    ム材の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7230605B2 (en) 2001-01-10 2007-06-12 Sony Corporation Information processing terminal
KR100729019B1 (ko) * 2005-10-12 2007-06-14 주식회사 케이이씨 반도체 디바이스용 리드프레임 및 그 제조 방법
KR101157769B1 (ko) * 2010-12-31 2012-06-25 대성전기공업 주식회사 마우스 햅틱 장치

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