JPH06158229A - プレス成形性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni系合金薄板およびFe−Ni−Co系合金薄板 - Google Patents

プレス成形性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni系合金薄板およびFe−Ni−Co系合金薄板

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JPH06158229A
JPH06158229A JP5151351A JP15135193A JPH06158229A JP H06158229 A JPH06158229 A JP H06158229A JP 5151351 A JP5151351 A JP 5151351A JP 15135193 A JP15135193 A JP 15135193A JP H06158229 A JPH06158229 A JP H06158229A
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Tadashi Inoue
正 井上
Kiyoshi Tsuru
清 鶴
Michito Hiasa
道人 日朝
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Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プレス前焼鈍を比較的低温で実施しても優れ
たプレス成形性を示し、且つ部分的な色ずれも生じにく
いシャドウマスク用Fe−Ni系およびFe−Ni−C
o系合金薄板を得ること 【構成】 低熱膨張係数が得られる所定量のNi、Co
を含有し、Si≦0.07wt%、B≦0.0010w
t%、O≦0.0030wt%、N<0.0020wt
%、残部Feおよび不可避不純物からなり、プレス前焼
鈍前における平均オーステナイト結晶粒径が10.5〜
15.0μm、オーステナイト結晶粒径の最大値/最小
値が1〜15、ビッカース硬さが165〜220で且つ
平均オーステナイト結晶粒径との関係で所定の条件を満
足し、板表面での結晶面集積度が{111}≦14%、
{100}:5〜75%、{110}:5〜40%、
{311}≦20%、{331}≦20%、{210}
≦20%、{211}≦20%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレス成形性に優れた
シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄板およびFe−N
i−Co系合金薄板に関するものである。
【従来の技術】近年、カラーテレビの高品位化に伴い、
色ずれの問題に対処できるシャドウマスク用合金とし
て、34〜38wt%のNiを含有するFe−Ni系合
金が使用されている。このFe−Ni系合金は、シャド
ウマスク用材料として従来から使用されてきた低炭素鋼
に較べ、熱膨張率が著しく小さい。このためFe−Ni
系合金で作られたシャドウマスクは、電子ビームにより
加熱されても熱膨張による色ずれの問題は生じにくい。
【0002】通常、シャドウマスク用合金薄板は、連続
鋳造法または造塊法によって得られた合金塊に、分塊圧
延、熱間圧延および冷間圧延・焼鈍を施すことにより製
造される。また、このようにして製造されたシャドウマ
スク用合金薄板は、通常、以下のような工程によってシ
ャドウマスクに加工される。すなわち、シャドウマスク
用合金薄板にフォトエッチングによって電子ビームの通
過孔を形成し(以下、このエッチングによって穿孔され
たままのシャドウマスク用合金薄板を「フラットマス
ク」という)、このフラットマスクに焼鈍を施した後、
ブラウン管の形状に合うように曲面形状にプレス成形
し、しかる後これをシャドウマスクに組立て、その表面
上に黒化処理を施す。
【0003】従来、Fe−Ni系合金を冷間圧延・再結
晶焼鈍後、仕上圧延して製造されたシャドウマスク用素
材は、低炭素鋼のシャドウマスク用素材に較べて強度が
高いため、エッチング穿孔後のプレス成形性を確保する
ために800℃以上の高温で軟化焼鈍(プレス前焼鈍)
を実施し、その軟質化を図っている。しかし、このよう
に軟化焼鈍を800℃という高温で行うことは作業効率
および経済性の面で不利であり、このためより低温の軟
化焼鈍を実施した場合にも、800℃以上で軟化焼鈍し
た材料と同等の低強度が得られる材料の開発が望まれて
いる。シャドウマスク用インバー合金のプレス成形性を
向上させることを目的として、特開平3−267320
号公報では800℃未満の軟化焼鈍条件の下で低強度化
を図る技術が開示されている。この技術は、冷間圧延と
これに続く再結晶焼鈍の後、5〜20wt%の圧延率で
仕上冷間圧延することにより、800℃未満の温度の軟
化焼鈍によって、200℃での0.2wt%耐力を9.
5kgf/mm2(10kgf/mm2以下)とし、プレ
ス成形性の良好なレベルまで低強度化を図ろうとするも
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この特開平3
−267320号の技術は、単に平均的な粒度と強度に
注目したものであって、開示されている強圧下−低温再
結晶というプロセスでは{100}面の集積度が著しく
大きくなり、また、混粒組織となってしまう。このた
め、この技術により得られたシャドウマスク用材料はプ
レス成形時に金型にかじり付きが発生し、シャドウマス
ク端部で割れが発生し易いという欠点がある。また、こ
の材料は面内異方性も大きいため、シャドウマスクに透
過ムラが発生するケースもしばしば見られ、品質上に問
題がある。
【0005】本発明はこのような従来技術の問題に鑑
み、プレス前焼鈍を800℃未満の比較的低い温度で実
施した場合でも、優れたプレス成形性、すなわち、プレ
ス成形時の形状凍結性に優れ、金型とのなじみが良好
で、材料の割れが生じにくく、しかもシャドウマスクの
透過ムラの原因となる伸びムラも生じにくいという優れ
たプレス成形性を示し、さらに、部分的な色ずれの発生
がなく優れた画面品質を得ることができるシャドウマス
ク用Fe−Ni系合金薄板およびFe−Ni−Co系合
金薄板の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため本発明が特徴とする構成は以下の通りである。 (1) Ni:34〜38wt%、Si:0.07wt
%以下、B:0.0010wt%以下、O:0.003
0wt%以下、N:0.0020wt%未満、残部Fe
および不可避不純物からなり、シャドウマスク成形のた
めのプレス前焼鈍前における平均オーステナイト結晶粒
径Davが10.5〜15.0μm、オーステナイト結晶
粒径の最大値Dmaxと最小値Dminとの比Dmax/Dminが
1〜15、ビッカース硬さHvが165〜220で且つ
平均オーステナイト結晶粒径Dav(μm)との関係で、 10×Dav+80≧Hv≧10×Dav+50 の条件を満足し、板表面での結晶面集積度が下記条件を
満足するプレス成形性に優れたシャドウマスク用Fe−
Ni系合金薄板。 {111}結晶面の集積度:14%以下 {100}結晶面の集積度:5〜75% {110}結晶面の集積度:5〜40% {311}結晶面の集積度:20%以下 {331}結晶面の集積度:20%以下 {210}結晶面の集積度:20%以下 {211}結晶面の集積度:20%以下 但し 集積度は{111}、{100}、{110}、
{311}、{331}、{210}および{211}
の相対比率
【0007】(2) Ni:34〜38wt%、Si:
0.07wt%以下、Co:1wt%以下、B:0.0
010wt%以下、O:0.0030wt%以下、N:
0.0020wt%未満、残部Feおよび不可避不純物
からなり、シャドウマスク成形のためのプレス前焼鈍前
における平均オーステナイト結晶粒径Davが10.5〜
15.0μm、オーステナイト結晶粒径の最大値Dmax
と最小値Dminとの比Dmax/Dminが1〜15、ビッカ
ース硬さHvが165〜220で且つ平均オーステナイ
ト結晶粒径Dav(μm)との関係で、 10×Dav+80≧Hv≧10×Dav+50 の条件を満足し、板表面での結晶面集積度が下記条件を
満足するプレス成形性に優れたシャドウマスク用Fe−
Ni系合金薄板。 {111}結晶面の集積度:14%以下 {100}結晶面の集積度:5〜75% {110}結晶面の集積度:5〜40% {311}結晶面の集積度:20%以下 {331}結晶面の集積度:20%以下 {210}結晶面の集積度:20%以下 {211}結晶面の集積度:20%以下 但し 集積度は{111}、{100}、{110}、
{311}、{331}、{210}および{211}
の相対比率
【0008】(3) Ni:28〜38wt%、Si:
0.07wt%以下、Co:1wt%超〜7wt%、
B:0.0010wt%以下、O:0.0030wt%
以下、N:0.0020wt%未満、残部Feおよび不
可避不純物からなり、シャドウマスク成形のためのプレ
ス前焼鈍前における平均オーステナイト結晶粒径Davが
10.5〜15.0μm、オーステナイト結晶粒径の最
大値Dmaxと最小値Dminとの比Dmax/Dminが1〜1
5、ビッカース硬さHvが165〜220で且つ平均オ
ーステナイト結晶粒径Dav(μm)との関係で、 10×Dav+80≧Hv≧10×Dav+50 の条件を満足し、板表面での結晶面集積度が下記条件を
満足するプレス成形性に優れたシャドウマスク用Fe−
Ni−Co系合金薄板。 {111}結晶面の集積度:14%以下 {100}結晶面の集積度:5〜75% {110}結晶面の集積度:5〜40% {311}結晶面の集積度:20%以下 {331}結晶面の集積度:20%以下 {210}結晶面の集積度:20%以下 {211}結晶面の集積度:20%以下 但し 集積度は{111}、{100}、{110}、
{311}、{331}、{210}および{211}
の相対比率
【0009】
【作用】以下、本発明の詳細をその限定理由とともに説
明する。本発明の成分組成の限定理由は以下の通りであ
る。色ずれの発生を防止するためにシャドウマスク用F
e−Ni系合金薄板に要求される30〜100℃の温度
域における平均熱膨張係数の上限値は、2.0×(1/
106)/℃である。熱膨張係数は合金のNi量に依存
し、上記の平均熱膨張係数の条件を満たすNi量は、3
4〜38wt%である。このためNiは34〜38wt
%の範囲とする。また、より低い平均熱膨張係数を得る
ためにはNi量を35〜37wt%、さらに好ましくは
35.5〜36.5wt%とすることが望ましい。通
常、CoはFe−Ni系合金中に不可避不純物としてあ
る程度含まれており、Coが1wt%以下では特性にほ
とんど影響を与えず、Ni量も上記範囲でよい。一方、
Coを1wt%超〜7wt%含有する場合には、上記の
平均熱膨張係数の条件を満足するためのNiの範囲は2
8〜38wt%である。このためCoを1wt%超〜7
wt%含有する場合には、Niは28〜38wt%の範
囲とする。また、Coを3〜6wt%、Niを30〜3
3wt%とすることにより、平均熱膨張係数がより低い
優れた特性が得られる。また、Coが7wt%を超える
と逆に熱膨張係数が劣化するため、Coの上限は7wt
%とする。
【0010】Oは不可避不純物元素の1つであり、O量
が多いと合金中の酸化物系非金属介在物が多くなり、こ
の介在物が、特に800℃未満の温度域で行われるプレ
ス前焼鈍において結晶粒の成長性を阻害する。Oが0.
0030wt%を超えると、この粒成長の阻害作用が著
しくなり、本発明が目的とするプレス成形性が得られな
い。このためOは0.0030wt%を上限とする。な
お、下限は特に限定しないが、溶製上の経済性の面から
は0.0001wt%程度が実質的な下限となる。
【0011】Bは熱間加工性を向上させる作用がある
が、その含有量が多くなるとプレス前焼鈍時に形成され
る再結晶粒の粒界に偏析し、粒界移動を阻害する。この
結果、結晶粒の成長性が阻害され、プレス前焼鈍後で所
要の0.2wt%耐力が得られなくなる。特に、本発明
が前提とする比較的低い温度でのプレス前焼鈍の下では
粒成長の阻害作用が強く、しかも、この作用はすべての
結晶粒に対して一様には働くものではないため、結果的
には著しい混粒組織を生じ、プレス成形時の材料の伸び
ムラを生じさせ、シャドウマスクの透過ムラの原因とな
る。Bが0.0010wt%を超えると、上記した粒成
長の阻害作用が著しくなるため、本発明が目的とするプ
レス成形性が得られなくなり、また、上記の透過ムラ等
の問題も生じる。このためBは0.0010wt%を上
限とする。なお、上記の観点からより好ましいB量は
0.0002wt%以下である。
【0012】Siは溶製時の脱酸元素として添加される
が、その添加量が0.07wt%を超えると、プレス前
焼鈍時に合金板表面にSiの酸化膜が形成され、この酸
化膜によりプレス成形時の金型とのなじみが悪くなり、
合金板の金型へのかじり付きが生じるようになる。この
ため、Siは0.07wt%を上限とする。また、Si
量をさらに低減することにより、合金板と金型とのなじ
みをより良好なものとすることができる。なお、Siの
下限は特に限定しないが、溶製上の経済性の面からは
0.001wt%程度が実質的な下限となる。
【0013】Nは溶製時に不可避的に混入する元素であ
り、Nを0.0020wt%以上含有するとプレス前焼
鈍時に合金板表面にNが濃化して窒化物を形成し、この
窒化物によりプレス成形時の金型とのなじみが悪くな
り、合金板の金型へのかじり付きが生じるようになる。
このためNは0.0020wt%未満とする。なお、下
限は特に限定しないが、溶製上の経済性の面からは0.
0001wt%程度が実質的な下限となる。なお、上記
の成分元素以外の元素については、C:0.0001〜
0.0040wt%、Mn:0.001〜0.35wt
%、Cr:0.001〜0.07wt%の範囲とするこ
とが好ましい。
【0014】本発明が目的とするプレス成形時の形状凍
結性の向上、合金板の割れ発生の抑制およびシャドウマ
スクの透過ムラ発生の防止のためには、上記の成分組成
の規定に加え、プレス前焼鈍前における平均オーステナ
イト結晶粒径Dav、オーステナイト結晶粒径の最大値D
maxと最小値Dminとの比Dmax/Dmin、合金板のビッカ
ース硬さHvを特定の範囲とし、且つこのビッカース硬
さHvを平均オーステナイト結晶粒径Davとの関係で特
定の範囲に規制する必要がある。図1は、本発明が規定
する成分組成を有し、且つプレス前焼鈍前のオーステナ
イト結晶粒径の最大値Dmaxと最小値Dminとの比Dmax
/Dmin、および各結晶面の集積度が本発明範囲内にあ
る合金板について、800℃未満のプレス前焼鈍を実施
した後にプレス成形を行い、プレス前焼鈍前の平均オー
ステナイト結晶粒径Davおよびビッカース硬さHvがプ
レス成形性に及ぼす影響を調べたものである。同図によ
れば、平均オーステナイト結晶粒径Davが10.5μm
未満では、本発明が前提とする800℃未満のプレス前
焼鈍の下では合金板の結晶粒径が十分に粗大化しないた
め、スプリングバックが大きく形状凍結性が劣ってい
る。一方、平均オーステナイト結晶粒径Davが15.0
μmを超えると、プレス前焼鈍時に再結晶が起こりにく
く、この場合も形状凍結性が劣っている。
【0015】また、ビッカース硬さHvは主として冷間
圧延率によって決まるが、これが165未満では合金板
に十分な歪が付与されていないため、プレス前焼鈍時に
おける再結晶のための駆動力が小さく、十分な再結晶が
生じない。このためプレス前焼鈍後でも硬質であり、形
状凍結性が劣っている。一方、合金板に過度の歪が付与
されることにより、ビッカース硬さHvが220を超え
ると、プレス前焼鈍時の再結晶のための駆動力が大きい
ため再結晶時の核生成頻度が高くなり過ぎ、この結果、
プレス前焼鈍後において結晶粒が細粒化し、この場合も
形状凍結性が劣ることになる。
【0016】また、図1によれば、プレス前焼鈍時に適
正な再結晶を生じさせるためには、ビッカース硬さHv
を平均オーステナイト結晶粒径Davとの関係で規定する
必要があることが判る。すなわち、プレス前焼鈍前の平
均オーステナイト結晶粒径Davが大きいものほどプレス
前焼鈍時の駆動力を得るために大きな歪量が必要である
ため、平均オーステナイト結晶粒径Davに応じてビッカ
ース硬さHvの下限を規定する必要があり、一方、平均
オーステナイト結晶粒径Davの小さいものほど核生成場
所が多いため、プレス前焼鈍後における結晶粒の細粒化
を防ぐ観点から平均オーステナイト結晶粒径Davに応じ
てビッカース硬さHvの上限を規定する必要がある。図
1によれば、ビッカース硬さHvが165以上であって
も、Hv<10×Dav+50であると、プレス前焼鈍時
における再結晶のための駆動力が相対的に小さ過ぎ、十
分な再結晶が生じない。このためプレス前焼鈍後でも硬
質であり、形状凍結性が劣っている。一方、ビッカース
硬さHvが220以下であっても、Hv>10×Dav+
80であると、プレス前焼鈍時の再結晶のための駆動力
が相対的に大き過ぎるため、プレス前焼鈍後において結
晶粒が細粒化し、形状凍結性が劣っている。
【0017】図2は、本発明が規定する成分組成を有
し、且つプレス前焼鈍前の平均オーステナイト結晶粒径
Dav、ビッカース硬さHvおよび各結晶面の集積度が本
発明範囲内にある合金板について、800℃未満のプレ
ス前焼鈍を実施した後にプレス成形を行い、プレス前焼
鈍前のオーステナイト結晶粒径の最大値Dmaxと最小値
Dminの比Dmax/Dminがシャドウマスクの透過ムラ発
生に及ぼす影響を調べたものである。これによれば、オ
ーステナイト結晶粒径の最大値と最小値との比Dmax/
Dminが15を超えると、エッチング孔径が不揃いにな
るため透過ムラが発生している。Dmax/Dminは小さけ
れば小さいほど好ましく、したがってDmax/Dminの下
限は1となる。
【0018】以上の理由から、本発明ではプレス前焼鈍
時の結晶粒の成長性を高めて形状凍結性を良好とし、且
つシャドウマスクの透過ムラ発生を抑制する条件とし
て、プレス前焼鈍前における平均オーステナイト結晶粒
径Davを10.5〜15.0μm、オーステナイト結晶
粒径の最大値Dmaxと最小値Dminとの比Dmax/Dmin
(以下、「オーステナイト結晶粒の混粒度」という)を
1〜15、ビッカース硬さHvを165〜220で且つ
平均オーステナイト結晶粒径Dav(μm)との関係で、 10×Dav+80≧Hv≧10×Dav+50 の条件を満足するものと規定する。
【0019】また、本発明が目的とするプレス成形時の
割れ発生の防止、シャドウマスクの透過ムラ発生の防止
および部分的な色ずれ発生の抑制のためには、上述した
ような規定に加えて、プレス前焼鈍前の合金板表面での
結晶面の集積度を所定の範囲にすることが重要である。
本発明者らは、プレス前焼鈍前の合金板表面での{21
1}結晶面の集積度を制御することによりプレス成形時
における合金板の割れ発生を効果的に抑制できること、
また、{100}および{110}の各結晶面の集積度
を制御することによりシャドウマスクの透過ムラを抑制
でき、さらに{111}、{311}、{331}およ
び{210}の各結晶面の集積度を制御することでシャ
ドウマスクの部分的な色ずれの発生を抑制できることを
見出した。
【0020】すなわち、{211}結晶面の集積度が2
0%を超えるとプレス成形時に合金板の割れが発生す
る。また、{111}、{311}、{331}および
{210}の各結晶面の集積度が、それぞれ{111}
結晶面:14%超、{311}結晶面:20%超、{3
31}結晶面:20%超、{210}結晶面:20%超
となると、プレス成形によって孔形状が異常に変形し、
上述したシャドウマスクの部分的な色ずれが発生する。
【0021】{100}および{110}の各結晶面の
集積度の制御は、オーステナイト結晶粒の混粒度(Dma
x/Dmin)を本発明範囲内とするために必要である。す
なわち、{100}結晶面の集積度が75%を超えるか
或いは{110}結晶面の集積度が40%を超えると、
オーステナイト結晶粒の混粒度が15を超えてしまう。
この結果、プレス前焼鈍時の再結晶が均一に進行せず、
プレス前焼鈍後の結晶粒が混粒状態となるためシャドウ
マスクに透過ムラが生じる。また、{100}結晶面の
集積度が5%未満では{110}結晶面の集積度が40
%を超え、また、{110}結晶面が5%未満では{1
00}結晶面の集積度が75%を超えるため、いずれも
オーステナイト結晶粒の混粒度が15を超え、シャドウ
マスクに透過ムラが生じる。図3は{100}結晶面の
集積度とオーステナイト結晶粒の混粒度との関係を示し
たもので、{100}結晶面の集積度を5〜75%とす
ることにより、オーステナイト結晶粒の混粒度を1〜1
5の範囲に制御できることが判る。また、{100}結
晶面の集積度をより限定された8〜46%の範囲とする
ことにより混粒度をさらに小さくすることができ、この
ため透過ムラの発生をより効果的に抑制することができ
る。
【0022】以上の理由から、本発明ではプレス前焼鈍
前の合金板表面での各結晶面の集積を以下のように規定
する。 {111}結晶面の集積度:14%以下 {100}結晶面の集積度:5〜75% {110}結晶面の集積度:5〜40% {311}結晶面の集積度:20%以下 {331}結晶面の集積度:20%以下 {210}結晶面の集積度:20%以下 {211}結晶面の集積度:20%以下 但し 集積度は{111}、{100}、{110}、
{311}、{331}、{210}および{211}
の相対比率
【0023】上述した各結晶面の集積度は、板表面のX
線回折により得られる(111)、(200)、(22
0)、(311)、(331)、(420)及び(42
2)の各回折面のX線回折強度から求めることができ
る。例えば、{111}結晶面の集積度は(111)回
折面の相対X線強度比を(111)、(200)、(2
20)、(311)、(331)、(420)及び(4
22)の各回折面の相対X線強度比の和で割ることによ
り求めることができる。また、他の{100}、{11
0}、{311}、{331}、{210}、{21
1}の各結晶面の集積度も同様にして求めることができ
る。ここで、相対X線回折強度比とは各回折面で測定さ
れたX線回折強度をその回折面の理論X線強度で割った
ものである。例えば、(111)回折面の相対X線回折
強度比は(111)回折面のX線回折強度を(111)
回折面のX線回折理論強度で割ったものである。また、
{100}、{110}、{210}、{211}の各
結晶面の集積度は、それぞれこれらの結晶面と方位的に
等しい(200)、(220)、(420)、(42
2)回折面の相対X線回折強度比を上記の(111)か
ら(422)までの7個の回折面の相対X線回折強度比
の和で割ることにより求めることができる。
【0024】本発明が規定するプレス前焼鈍前の{11
1}、{100}、{110}、{311}、{33
1}、{210}および{211}の各結晶面の集積度
は、通常、熱間圧延以降の処理条件を適宜選択すること
により得ることができる。例えば、本発明の合金薄板
を、分塊圧延スラブまたは連続鋳造スラブを熱間圧延し
た後、熱延板焼鈍−冷間圧延−再結晶焼鈍−冷間圧延−
再結晶焼鈍−仕上冷間圧延−歪取り焼鈍の工程を経て製
造する場合、上述した各結晶面の集積度を得るために
は、熱延板焼鈍の焼鈍温度を910〜990℃の範囲で
適切な温度に制御し、加えて、冷間圧延条件、再結晶焼
鈍条件、仕上冷間圧延条件および歪取り焼鈍条件を適正
化することが有効である。また、本発明が規定する平均
オーステナイト結晶粒径Dav、オーステナイト結晶粒の
混粒度(Dmax/Dmin)およびビッカース硬Hvさにつ
いても、冷間圧延条件、再結晶焼鈍条件、仕上冷間圧延
条件および歪取り焼鈍条件の制御により得ることが可能
である。
【0025】なお、本発明が規定する結晶面の集積度を
得るには、製造工程において分塊圧延後のスラブまたは
連続鋳造スラブを均一化熱処理することは好ましくな
い。例えば、この均一化熱処理が1200℃以上、10
時間以上の条件で行われた場合、{111}、{10
0}、{110}、{311}、{331}、{21
0}、{211}の各結晶面の集積度のうち1つ以上が
本発明が規定する条件から外れてしまうので、このよう
な処理は避けなければならない。本発明が規定する各結
晶面の集積度は、上記した方法以外にも急冷凝固法の採
用、熱間加工での再結晶のコントロールによる集合組織
制御等により得ることができる。本発明の合金薄板は、
プレス前焼鈍をフォトエッチングの前に実施してもよ
く、プレス前焼鈍が本発明が前提とする比較的低い温度
で行われるならば、フォトエッチングの品質が損なわれ
ることはない。従来材では、プレス前焼鈍を本発明が前
提とする比較的低い温度で実施した後にフォトエッチン
グを実施するとフォトエッチングの品質が損なわれるた
め、事実上プレス前焼鈍をフォトエッチングの前に実施
することはできない。これに対して、本発明材ではプレ
ス前焼鈍後にフォトエッチングを実施してもエッチング
性が損なわれることはない。
【0026】
【実施例】
〔実施例1〕取鍋精錬によって表1および表2に示す成
分組成の合金No.1〜No.23を調整し、合金N
o.1〜合金No.13、合金No.18〜No.23
についてはインゴットに鋳造し、これらインゴットを手
入れ後、分塊圧延、表面疵取り、熱間圧延(加熱条件:
1100℃×3時間)して熱延板を得た。また合金N
o.14〜No.17については薄鋳板に直接鋳造し、
この薄鋳板を1300〜1000℃の温度で圧延率30
%で熱間圧延した後750℃で巻取り、熱延板を得た。
これらの熱延板から、以下に述べる工程により表3〜表
6に示す材料No.1〜34の合金薄板を得た。
【0027】材料No.1〜No.21、No.27〜
No.30は、合金No.1〜No.21の熱延板か
ら、熱延板焼鈍(910〜990℃)−冷間圧延−再結
晶焼鈍(860〜940℃×125秒)−冷間圧延−再
結晶焼鈍(860〜940℃×125秒)−仕上冷間圧
延(圧延率15%)−歪取り焼鈍(530℃×30秒)
の工程を経て製造された板厚0.25mmの合金板であ
る。材料No.22およびNo.26は、合金No.2
2およびNo.2の熱延板から、冷間圧延(圧延率9
2.5%)−再結晶焼鈍(850℃×1分)−仕上冷間
圧延(圧延率15%)−歪取り焼鈍(530℃×3秒)
の工程を経て製造された板厚0.25mmの合金板であ
る。材料No.24は、合金No.1の熱延板から、熱
延板焼鈍(950℃)−冷間圧延(圧延率74%)−再
結晶焼鈍(950℃×180秒)−冷間圧延(圧延率4
0%)−再結晶焼鈍(950℃×180秒)−仕上冷間
圧延(圧延率15%)−歪取り焼鈍(530℃×30
秒)の工程を経て製造された板厚0.25mmの合金板
である。
【0028】材料No.25は、合金No.1の熱延板
から、熱延板焼鈍(950℃)−冷間圧延−再結晶焼鈍
(800℃×30秒)−冷間圧延−再結晶焼鈍(800
℃×30秒)−仕上冷間圧延−歪取り焼鈍(530℃×
30秒)の工程を経て製造された板厚0.25mmの合
金板である。材料No.23は合金No.23の熱延板
から、熱延板焼鈍(970℃)−冷間圧延−再結晶焼鈍
(800℃×30秒)−冷間圧延−再結晶焼鈍(800
℃×30秒)−仕上冷間圧延−歪取り焼鈍(530℃×
30秒)の工程を経て製造された板厚0.25mmの合
金板である。材料No.31〜No.34は、合金N
o.3、No.4およびNo.7の熱延板から、冷間圧
延−再結晶焼鈍(860〜940℃×125秒)−冷間
圧延−再結晶焼鈍(860〜940℃×125秒)−仕
上冷間圧延−歪取り焼鈍(530℃×30秒)の工程を
経て製造された板厚0.25mmの合金板である。な
お、上記の各熱延板は熱延後で十分に再結晶していた。
【0029】以上のようにして得られた材料のうち材料
No.1〜No.12、No.15〜No.34の各合
金板を、エッチングによりフラットマスクに加工した
後、770℃×45分の条件でプレス前焼鈍を施し、し
かる後プレス成形を行ってプレス成形性を調べた。ま
た、プレス成形したシャドウマスクを黒化処理してブラ
ウン管に組み込み、電子ビームを所定時間照射した後の
部分的な色ずれ発生も調べた。また、材料No.13お
よびNo.14の合金板は、エッチング前に795℃×
3分の条件でプレス前焼鈍を施し、しかる後エッチング
によりフラットマスクに加工し、次いでプレス成形を行
ってプレス成形性を調べた。また、上記と同様にして部
分的な色ずれ発生も調べた。表3および表4に、プレス
前焼鈍前の平均オーステナイト結晶粒径Dav、オーステ
ナイト結晶粒の混粒度(Dmax/Dmin)、ビッカース硬
度Hv、〔10×Dav+80−Hv〕および〔Hv−1
0×Dav−50〕を、また、表5および表6に、プレス
前焼鈍前の板表面での各結晶面の集積度、プレス成形性
および部分的な色ずれ発生の有無を示す。
【0030】表3〜表6によれば、本発明が規定する成
分組成、プレス前焼鈍前の{111}、{100}、
{110}、{311}、{331}、{210}およ
び{211}の各結晶面の集積度、平均オーステナイト
結晶粒径Dav、オーステナイト結晶粒の混粒度(Dmax
/Dmin)、ビッカース硬度Hv、および10×Dav+
80≧Hv≧10×Dav+50の条件を満足する材料N
o.1〜No.13は、いずれも優れたプレス成形性を
示しており、また、部分的な色ずれの発生もない。ま
た、Coを含有する本発明例である材料No.14〜N
o.17も同様に優れた特性を示している。また、材料
No.13およびNo.14はプレス前焼鈍をエッチン
グ前に実施したものであるが、このような製造プロセス
によってもシャドウマスクとしての本来の性能が付与さ
れていることが判る。これに対して、材料No.18お
よびNo.20は、それぞれSi量、N量が本発明範囲
を超えた比較例であり、プレス成形時に金型とのなじみ
の点で問題がある。材料No.19はO量が本発明範囲
を超えた比較例であり、プレス前焼鈍前の平均オーステ
ナイト結晶粒径Davが10.5μm未満であるため、プ
レス成形時の形状凍結性が劣っており、また、合金板の
割れも発生している。また、オーステナイト結晶粒の混
粒度も本発明範囲を超えているため、透過ムラも発生し
ている。
【0031】材料No.21、No.22はB量が本発
明範囲を超えた比較例であり、いずれも平均オーステナ
イト結晶粒径Davが10.5μm未満であるため、プレ
ス成形時の形状凍結性が劣り、また、合金板の割れも発
生している。また、オーステナイト結晶粒の混粒度も本
発明範囲を超えているため、透過ムラが発生している。
特に、No.22は熱延板焼鈍を実施することなく、冷
間圧延(圧延率92.5%)−再結晶焼鈍(850℃×
1分)−仕上冷間圧延(圧延率15%)の工程を経て製
造されたもので、特開平3−267320号の開示技術
によるものであるが、{110}および{100}結晶
面の集積度が本発明範囲から外れ、特に、オーステナイ
ト結晶粒の混粒度が大きな値となっている。材料No.
26は材料No.22と同様の製造工程で製造されたも
ので、{100}および{110}の各結晶面の集積度
が本発明の規定する範囲から外れた比較例であり、オー
ステナイト結晶粒の混粒度が大きいため透過ムラが発生
している。このように、本発明の成分条件を満足する合
金板であっても、本発明が規定する結晶粒の集積度とオ
ーステナイト結晶粒の混粒度を満足しなければ、優れた
プレス成形性は得られない。
【0032】材料No.24およびNo.25は、それ
ぞれ冷間圧延後の再結晶焼鈍が950℃×180秒、8
00℃×30秒の条件で製造されたもので、平均オース
テナイト結晶粒径Davが本発明範囲を超えた比較例、平
均オーステナイト結晶粒径Davが本発明範囲未満の比較
例であり、いずれも形状凍結性が劣っている。材料N
o.31〜No.34は、熱延板焼鈍を実施することな
く、冷間圧延以降の工程は材料No.1〜No.21と
同様の工程で製造されたものである。このうち材料N
o.31は{110}結晶面の集積度が本発明範囲から
外れた比較例であり、オーステナイト結晶粒の混粒度が
本発明範囲を超えているため透過ムラが発生している。
No.33は{211}結晶面の集積度が本発明範囲を
超えた比較例であり、合金板の割れが発生している。ま
た、材料No.32は{111}と{311}の結晶面
の集積度が本発明範囲から外れた比較例、材料No.3
4は{311}と{210}の結晶面の集積度が本発明
範囲を超えた比較例であり、いずれも部分的な色ずれが
発生している。
【0033】材料No.27〜No.30は、それぞれ
ビッカース硬さHvが本発明の上限を超えた比較例、ビ
ッカース硬さHvが本発明の下限未満の比較例、10×
Dav+80<Hvである比較例、Hv<10×Dav+5
0である比較例であり、いずれも形状凍結性が劣ってい
る。以上のように本発明が規定する成分組成、プレス前
焼鈍前の各結晶面の集積度、平均オーステナイト結晶粒
径Dav、オーステナイト結晶粒の混粒度(Dmax/Dmi
n)、ビッカース硬度Hv、および10×Dav+80≧
Hv≧10×Dav+50の条件を満足することにより、
本発明が目的とする優れたプレス成形性および画面品質
を有するシャドウマスク用Fe−Ni系合金薄板および
Fe−Ni−Co系合金薄板が得られることが判る。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】
【発明の効果】以上述べたように本発明のシャドウマス
ク用Fe−Ni系合金薄板およびFe−Ni−Co系合
金薄板は、プレス前焼鈍を800℃未満という比較的低
い温度で実施しても、優れたプレス成形性、すなわち、
プレス成形時の形状凍結性に優れ、金型とのなじみが良
好で、材料の割れが生じにくく、しかも透過ムラの発生
が抑えられるという優れたプレス成形性を示し、さら
に、部分的な色ずれ発生もない優れた画面品質を得るこ
とができる。さらに、本発明の合金薄板はプレス前焼鈍
をエッチング前に施した場合でも所要のエッチング性お
よびプレス成形性が得られ、このため予めプレス前焼鈍
を実施しておけば、ブラウン管メーカー側でのプレス前
焼鈍を省略することができ、この点からも合金板のユー
ザーにとって経済的メリットの大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】プレス前焼鈍前の平均オーステナイト結晶粒径
Davおよびビッカース硬度Hvとプレス成形性との関係
を示すグラフ
【図2】プレス前焼鈍前のオーステナイト結晶粒の混粒
度(Dmax/Dmin)とシャドウマスクの透過ムラ発生と
の関係を示すグラフ
【図3】プレス前焼鈍前の板表面での{100}結晶面
の集積度とオーステナイト結晶粒の混粒度との関係を示
すグラフ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni:34〜38wt%、Si:0.0
    7wt%以下、B:0.0010wt%以下、O:0.
    0030wt%以下、N:0.0020wt%未満、残
    部Feおよび不可避不純物からなり、シャドウマスク成
    形のためのプレス前焼鈍前における平均オーステナイト
    結晶粒径Davが10.5〜15.0μm、オーステナイ
    ト結晶粒径の最大値Dmaxと最小値Dminとの比Dmax/
    Dminが1〜15、ビッカース硬さHvが165〜22
    0で且つ平均オーステナイト結晶粒径Dav(μm)との
    関係で、 10×Dav+80≧Hv≧10×Dav+50 の条件を満足し、板表面での結晶面集積度が下記条件を
    満足するプレス成形性に優れたシャドウマスク用Fe−
    Ni系合金薄板。 {111}結晶面の集積度:14%以下 {100}結晶面の集積度:5〜75% {110}結晶面の集積度:5〜40% {311}結晶面の集積度:20%以下 {331}結晶面の集積度:20%以下 {210}結晶面の集積度:20%以下 {211}結晶面の集積度:20%以下 但し 集積度は{111}、{100}、{110}、
    {311}、{331}、{210}および{211}
    の相対比率
  2. 【請求項2】 Ni:34〜38wt%、Si:0.0
    7wt%以下、Co:1wt%以下、B:0.0010
    wt%以下、O:0.0030wt%以下、N:0.0
    020wt%未満、残部Feおよび不可避不純物からな
    り、シャドウマスク成形のためのプレス前焼鈍前におけ
    る平均オーステナイト結晶粒径Davが10.5〜15.
    0μm、オーステナイト結晶粒径の最大値Dmaxと最小
    値Dminとの比Dmax/Dminが1〜15、ビッカース硬
    さHvが165〜220で且つ平均オーステナイト結晶
    粒径Dav(μm)との関係で、 10×Dav+80≧Hv≧10×Dav+50 の条件を満足し、板表面での結晶面集積度が下記条件を
    満足するプレス成形性に優れたシャドウマスク用Fe−
    Ni系合金薄板。 {111}結晶面の集積度:14%以下 {100}結晶面の集積度:5〜75% {110}結晶面の集積度:5〜40% {311}結晶面の集積度:20%以下 {331}結晶面の集積度:20%以下 {210}結晶面の集積度:20%以下 {211}結晶面の集積度:20%以下 但し 集積度は{111}、{100}、{110}、
    {311}、{331}、{210}および{211}
    の相対比率
  3. 【請求項3】 Ni:28〜38wt%、Si:0.0
    7wt%以下、Co:1wt%超〜7wt%、B:0.
    0010wt%以下、O:0.0030wt%以下、
    N:0.0020wt%未満、残部Feおよび不可避不
    純物からなり、シャドウマスク成形のためのプレス前焼
    鈍前における平均オーステナイト結晶粒径Davが10.
    5〜15.0μm、オーステナイト結晶粒径の最大値D
    maxと最小値Dminとの比Dmax/Dminが1〜15、ビッ
    カース硬さHvが165〜220で且つ平均オーステナ
    イト結晶粒径Dav(μm)との関係で、 10×Dav+80≧Hv≧10×Dav+50 の条件を満足し、板表面での結晶面集積度が下記条件を
    満足するプレス成形性に優れたシャドウマスク用Fe−
    Ni−Co系合金薄板。 {111}結晶面の集積度:14%以下 {100}結晶面の集積度:5〜75% {110}結晶面の集積度:5〜40% {311}結晶面の集積度:20%以下 {331}結晶面の集積度:20%以下 {210}結晶面の集積度:20%以下 {211}結晶面の集積度:20%以下 但し 集積度は{111}、{100}、{110}、
    {311}、{331}、{210}および{211}
    の相対比率
JP5151351A 1992-01-24 1993-05-28 プレス成形性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni系合金薄板およびFe−Ni−Co系合金薄板 Pending JPH06158229A (ja)

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US08/178,088 US5562783A (en) 1992-01-24 1994-01-06 Alloy sheet for shadow mask
DE1994625189 DE69425189T2 (de) 1993-05-28 1994-01-14 Bleche aus Eisen-Nickel Legierung für Schattenmaske
EP19940100509 EP0626461B1 (en) 1993-05-28 1994-01-14 Iron-nickel alloy sheet for shadow mask
CN 94103320 CN1035890C (zh) 1993-05-28 1994-03-18 用于荫罩的合金薄板
KR1019940005991A KR970003641B1 (ko) 1993-05-28 1994-03-24 섀도 마스크용 합금판

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998051833A1 (fr) * 1997-05-09 1998-11-19 Toyo Kohan Co., Ltd. Materiau de type tole d'acier en alliage invar pour masque perfore, procede de production de ce materiau, masque perfore, et tube d'images couleur
US6306229B1 (en) 1997-05-09 2001-10-23 Toyo Kohan Co., Ltd. Method for production of invar alloy steel sheet material for shadow mask
JP2014101543A (ja) * 2012-11-20 2014-06-05 Jx Nippon Mining & Metals Corp メタルマスク材料及びメタルマスク

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